JPH0810009B2 - 押出成形可能な多ジュロメーター硬度の流体力学的軸受及びその製造方法 - Google Patents

押出成形可能な多ジュロメーター硬度の流体力学的軸受及びその製造方法

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JPH0810009B2 JP1245371A JP24537189A JPH0810009B2 JP H0810009 B2 JPH0810009 B2 JP H0810009B2 JP 1245371 A JP1245371 A JP 1245371A JP 24537189 A JP24537189 A JP 24537189A JP H0810009 B2 JPH0810009 B2 JP H0810009B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、流体力学的軸受(流体フィルムを介して軸
等を支承する軸受)に関する。
従来の技術 流体力学的軸受においては、静止した軸受が、軸等の
回転する物体を油、空気又は水等の加圧された流体を介
して支承する。流体力学的軸受は、油などの特別の潤滑
剤によってではなく、その装置が取扱うプロセス流体に
よって潤滑されるようになされるいわゆる「プロセス流
体潤滑式応用例」に使用されることが多い。そのような
応用例としては、ポンプ送りすべき流体自体によって潤
滑されるポンプ軸の軸受や、海水によって潤滑される各
種海洋装置の軸の軸受などがある。
流体力学的軸受は、回転物体が回転しても軸受が流体
の面に沿って滑らないという事実を利用したものであ
る。回転物体に接触している流体は、回転物体に強く付
着し、静止した軸受に対する回転物体の相対運動(即ち
相対回転)は、その流体フィルム(流体膜)の全厚みに
亙っての流体分子同志の間のスリップ又は剪断によって
達成される。回転物体とそれに接触している流体の最内
側層とが一緒に既知の速度で移動すると、その流体の最
内側層より外側の層の移動速度は、内側から外側に行く
につれて漸次既知の割合で減少し、静止軸受の軸受パッ
ドに接触している流体は、軸受パッドに付着して動かな
い。回転物体を支承することによって受ける荷重により
軸受パッドが回転物体に対して僅かな角度だけ撓むと、
流体は、軸受パッドの撓み(従って傾き)によって生じ
た回転物体との間のくさび状の開口内へ引込まれ、その
荷重を支持するのに十分な圧力が流体フィルム内に生じ
る。(このようにくさび状の開口内に挟まれた流体を
「流体力学的くさび」又は「流体くさび」と称し、流体
が水であれば、「水くさび」と称する。)この原理が、
水力タービンや、船のプロペラ軸のためのスラスト軸
受、並びに流体潤滑による慣用のジャーナル軸受に利用
されている。重い荷重を支承する場合には流体として油
が選択されるのが普通であるが、比較的軽い荷重であれ
ば、空気や水等の他の流体で支承することができる。
発明が解決しようとする課題 本発明の軸受は、各種海洋装置及びその他の応用例に
一般に使用されるいわゆるカットレス(耐切裂き)型又
は摩耗型ゴム性軸受の代替品として使用することができ
る。これらの慣用のカットレス型又は摩耗型軸受は流体
力学的作用を得るために水くさびを用いるが、幾つかの
構造的制約があり、やはり磨耗を免れない。後述するよ
うに、本発明者は、そのような軸受の制約は、主とし
て、円筒形の金属管に比較的大きな断面の柔軟な単一ジ
ュロメーター硬度のゴム(同一のジュロメーター硬度を
有する1種類のゴム)を装着することから成る構造に起
因することを見出した。この種の軸受は、ゴムが柔らか
く、しかもその柔らかいゴムの断面(半径方向の厚み)
が比較的大きいので、軸受としての最適た性能を発揮す
るのに十分な半径方向の剛性を有さない。
本発明は、又、ビーム取付式軸受パッドを有する流体
力学的軸受にも関する。ここで、「ビーム取付軸受パッ
ド」とは、ビーム即ち梁状部材に連結され支持された軸
受パッドのことをいう。ビーム取付式軸受パッドの好例
は、米国特許第3,107,955号に開示されている。この種
の軸受においては、流体力学的軸受パッドは、撓ことが
できようにビーム状の支持部材に取付けられれ、パッド
が撓むことによって上述したように回転物体(軸)との
間に流体力学的くさびを形成することができるようにな
されている。流体力学的軸受及びビーム取付式軸受パッ
ドはかなり前から知られているが、本発明者がそのよう
な軸受が荷重を受けたときに生じる比較的小さな撓みが
極めて重要な意味をもつことを見出したのは、極く最近
のことであり、それはコンピュータによる有限要素分析
法によって可能とされた。米国特許第3,107,955号等の
少数の例外はあるが、従来は、軸受設計者は、物理的に
測定することが困難なこのような小さな撓みは、重要で
はなく、無視しうるものとみなしていた。しかしなが
ら、本発明者は、流体力学的軸受の性能をコンピュータ
で模制することによってその撓みを予め定めることがで
き、劇的に改善された性能特性を有する軸受を設計する
ことができることを見出した。このような軸受は、一般
的には、少なくとも1つのビーム取付式軸受パッドを有
するものとして特徴づけることができる。このような改
良された軸受の例は、本出願人の米国特許第4,496,251
号、4,526,482号及び4,676,668号に記載されている。
上記米国特許第4,496,251号は、潤滑剤の草微状フィ
ルムが相対的に移動する部品と部品の間に形成されるよ
うに模状の靭帯部材を介して撓む軸受パッドを備えた軸
受を開示している。
米国特許第4,515,486号は、特に、エラストマー材に
よって互いに接合されたそれぞれ別体の面部材と支持部
材を有する複数の軸受パッドから成る流体力学的ジャー
ナル軸受及びスラスト軸受を開示している。
上記米国特許第4,676,668号は、特に、軸受パッドを
3方向の可撓性を有する少なくとも1つの脚部材によっ
て支持部材から離隔させることができるようにした軸受
を開示している。運動平面内における可撓性を付与する
ために、複数の脚部材を円錐形をなすように内方へ傾斜
させ、その円錐形の頂点、即ちそれらの脚部材が互いに
交差する点がパッド面の前方に位置するようにする。各
脚部材は、心振れを補償することができるように所望の
運動方向には比較的小さい断面係数を有する。
上記米国特許第4,526,482号は、特に、主として上述
したプロセス流体潤滑式応用例に使用するための流体力
学的軸受を開示している。この流体力学的軸受では、荷
重担持表面の中央部分が軸受の他の部分より柔軟性が高
く、荷重を受けたとき撓んで、高い荷重を担持するため
の高圧流体ポケットを形成するようになされている。こ
の軸受は少なくとも一部は金属製であり、押出成形する
ことが困難な形状を有しているが、ある種の用途には極
めて適していることが認められた。しかしながら、本発
明の軸受は、通常、同等の性能を有する上記軸受よりは
るかに安いコストで製造することができる。なぜなら、
本発明の軸受は、同等の従来の軸受より構造が簡単であ
り、小さいからである。しかも、本発明の軸受は、はる
かに優れた耐摩耗特性を有する。本発明の軸受の優れた
性能は、主として、軸受が受ける力を正しく認識し、そ
れらの力に適正に対処する軸受構造を実現したことに起
因する。
本発明の軸受は多くの利点と経済性を有しているが、
その製造コストを更に削減する方法を見出すことが望ま
しい。それらの軸受を本出願人の上記各米国特許に記載
された軸受の高い性能が必要とされないような用途に使
用する場合には特にそうである。
本発明は、又、プラスチック、ゴム等の非ニュートン
流体材料(非ニュートン流れ特性を有する材料、単に
「非ニュートン流体」とも称する)を流体力学的軸受の
製造に使用することに関する。非ニュートン流体は、真
の流体の特徴を有している。真の流体は、内部摩擦を有
するので、その変形速度は加えられる剪断応力に比例す
る。変形速度が剪断応力に正比例する場合は、その流体
はニュートン物体と称され、正比例しない場合は、その
流体は非ニュートン流体と称される。従って、非ニュー
トン流体は、一般に、流速の変化と共に粘性が変化する
流体として特徴づけることができる。非ニュートン流体
材料の使用は、その非ニュートン流体としての独特の特
性により独特の利点をもたらす。
例えば、プラスチックやゴム等の非ニュートン流体
は、その動きを拘束された場合は、非圧縮性となるが、
拘束されない場合は、加えられた荷重に応動して予測可
能な態様で流動する。更に、プラスチックやゴム等の非
ニュートン流体材料は、一般に軸受の製造に使用される
金属材より安価である。しかも、非ニュートン流体材料
での部品の製造は、同等の部品を金属で製造する場合よ
り容易である。
流体力学的軸受の製造に非ニュートン流体材料を使用
することによって得られる多くの利点があるにも拘ら
ず、そのような材料の使用は、従来は限られた範囲に限
定されていた。
発明が解決しようとする課題 本発明は、上述したいろいろな課題を解決するため
に、プロセス流体潤滑式応用例及びその他の応用例に使
用するのに適した流体力学的軸受を提供する。本発明の
軸受は、容易に押出成形することができるように一定の
断面形状、即ち、押出成形に適した形状を有する。この
軸受は、複数のビーム取付軸受パッドを有し、更に、軸
受の各分の剛性を異なるものとすることによって得られ
る利点を享受するために、異なる硬度又は剛性を有する
2種類以上の非ニュートン流体材料、好ましくはプラス
チック又はゴム等のエラストマー又はポリマー材の複合
体として押出成形する。本明細書でいう「多ジュロメー
ターの硬度の」という用語は、「2つ以上の異なる硬度
を有する」という意味である。
より特定的にいえば、本発明の軸受は、押出成形可能
な多ジュロメーター硬度の流体力学的軸受である。この
軸受は、全体が非ニュートン流体材料で構成され、押出
成形可能な横断面を有する。この軸受は、所定の硬度を
有し、内側円周表面と外側円周表面を有し、ビーム取付
式軸受パッドを支持するための複数の軸受パッド支持表
面を画定するように該内側円周表面に円周方向に間隔を
おいて形成された複数の内側軸方向溝を有する円周方向
の軸受パッド支持用骨格部分と、該骨格部分の所定の硬
度より低い硬度を有する非ニュートン流体材料で形成さ
れており、各々対応する軸受パッド支持表面に融着され
た複数の軸受パッドとから成る。
所望ならば、前記外側円周表面に円周方向に間隔をお
いて複数の外側軸方向溝を形成することもできる。前記
外側軸方向溝と内側軸方向溝とは、6自由度の運動が可
能な、ビーム取付式軸受パッドを支持するための軸受パ
ッド支持表面を有する軸受パッド支持用骨格部分を画定
するように互いに離隔させる。内側軸方向溝及び、又は
外側軸方向溝内に複数の撓み制御部材を融着させること
もできる。それらの撓み制御部材は、前記骨格部分より
柔軟であることが好ましい。
本発明者は、高速運転等の多くの応用例において、軸
又は回転子と、流体力学的潤滑流体フィルムと、軸受と
から成る系全体の動的可撓性を検査し評価する必要があ
ることを認識した。有限要素モデルを用いてこの系をコ
ンピュータで分析したところ、この軸受全体を、荷重下
で変形する完全に可撓性の部材として取扱う必要がある
ことが分った。この軸受の基本構造体を機械加工(研
削)することによって多少の可撓性を追加することによ
り、広い作動条件範囲に亙って安定した低摩擦作動を提
供する軸受特性が得られる。この軸受の性能に実質的な
影響を及ぼす幾つかの変数が存在することが判明した。
それらのうち最も重要な変数は、軸受パッド及びその支
持部分即ち骨格部分の形状、サイズ、位置及び材料特性
(例えば弾性率等)である。支持部分の形状は、特に重
要であることが分った。
本発明は、又、比較的柔軟な非ニュートン流体材料で
形成された複数の軸受パッドを有する流体力学的軸受に
関する。これらの軸受パットは、円弧形状、又は凹面状
の作動面(流体に接触する面)を有し、それが支承する
軸によって課せられる通常の荷重下で撓むように拘束さ
れ、その撓みにより軸と軸受パッドの円弧状の面との間
にくさび状の間隙が形成される。
作用効果 この軸受は、2つ以上の異なる剛性即ち硬度の材料で
形成されていることにより、優れた性能特性を発揮す
る。即ち、この軸受は、比較的柔軟な非ニュートン流体
材料だけでなく、比較的剛性の非ニュートン流体材料で
も形成されているので、流体力学的く錆の適正な形成を
保証するのに十分な剛性を保持している。かくして、本
発明は、従来周知のカットレス型又は摩耗型軸受に随伴
する上述した諸問題を解消する。
更に、本発明の軸受は、比較的安価な非ニュートン流
体材料、好ましくは、プラスチック又はゴム等のエラス
トマー又はポリマー材で構成されていることと、押出成
形することができることにより、押出成形ができない軸
受に比べてはるかに安いコストで製造することができ
る。実際、この軸受は、予備調査によれば、競合する従
来の海洋装置用軸受の製造コストの1%未満のコストで
量産することができることが予想される。
本発明は、又、非ニュートン流体材料に付随する物理
的特性を利用する。例えば、先に述べたように、ポリマ
ー材やエラストマー材のようなある種の非ニュートン流
体材料は、拘束されると、非圧縮性となる。本発明の軸
受は、その全体が非ニュートン流体材料で形成される
が、それぞれ相当に異なるジュロメーター硬度(即ち剛
性)を有する複数の部分から構成されている。即ち、比
較的堅い第1部分が比較的柔軟な第2部分を拘束するよ
うに構成し、それによって第2部分が半径方向には剛
性、即ち実質的に非圧縮性となり、剪断方向には可撓性
となるようになされる。比較的剛性の時受パッド支持表
面の上に比較的柔軟な凹面状のビーム取付式軸受パッド
を装着した構成とするように比較的柔軟な部分と比較的
堅い部分を設けることによって、回転軸を支承するため
の流体力学的くさびを形成するように既知の態様で撓む
軸受が得られる。
本発明の軸受は、多くの応用例に使用するのに適して
いるが、油井掘削装置、水中ポンプ、タービンポンプ及
び海洋装置の駆動軸等のプロセス流体潤滑式応用例に特
に適している。
本発明の軸は、窓及びドアのシール、緩衝バンパー、
可撓性ヒンジ等の多ジュロメーター硬度プラスチック複
合体を押出成形するのに一般に用いられている周知の多
ジュロメーター硬度材料押出法を用いて押出成形するこ
とができる。多ジュロメーター硬度材料押出法は、今日
まで、軸受を製造するのに用いられたことはなかった。
本発明の軸受のような多ジュロメーター硬度の複合部
品を押出成形するのに多ジュロメーター硬度材料押出法
を用いる場合は、ジュロメーター硬度の異なる第1部分
と第2部分の未硬化又は半ば硬化した状態で順次に後者
が前者の上に重ねられるようにして押出し、両者が接着
材なしで融着し筒状の複合押出品が形成されるようにす
る。押出材料は未硬化又は半ば硬化した状態では粘着性
であるため、接着材なしで融着するからである。筒状の
複合押出器が押出成形されたならば、その押出品全体を
硬化させ、剛性即ち硬度の異なる多部分から成る筒状の
複合押出品を得る。本発明の軸受製造方法の場合、長い
筒状の複合押出品を押出、それを硬化させた後、切断し
多数の個々の軸受を得るようにすることが好ましい。そ
してそれらの個々の軸受を機械加工により定寸化し、正
確な所要の内径及び外径と形状を有する軸とする。
実施例 第1図は、本発明による代表的な押出成形可能な軸受
の横断面図である。図示の実施例では、軸受の横断面が
その軸方向の全長に亙って一定であるから押出成形が可
能である。
第1図に示されるように、この軸受は、所要の正確な
外O.D.及び内径I.D.を有するように機械加工(研削)さ
れている。第1図の仮想線は、機械加工する前の内径及
び外径を示す。通常の使用においては、軸受を軸受ハウ
ジング(図示せず)内にぴったり嵌合させ、支承すべき
軸を軸受の内径内に挿入する。従って、軸受の外径は、
軸受を装着すべき軸受ハウジングの外径の内径の関数で
あり、軸受の内径は、それが支承すべき軸の外径の関数
である。もちろん、流体力学的軸受が一般にそうである
ように、軸受の内径は、それが支承すべき軸との間に流
体フィルムを介在させる間隙を設定するために軸の外径
より所定寸法だけ大きい。
第1図に示されるように、本発明の軸受は、全体が非
ニュートン流体材料(「非ニュートン流体」とも称す
る)、好ましくはゴムやプラスチック等のポリマー材又
はエラストマー材で構成される。この軸受は、異なる硬
度を有する2種類以上の非ニュートン流体材料から成る
複数の部分の複合耐として構成される。詳述すれば、比
較的剛性の即ち硬い非ニュートン流体材料、例えばジュ
ロメーターショアー硬度Dのゴムで作られた一体の軸受
パッド支持用ビーム状骨格部分10と、軸受パッド支持用
ビーム状骨格部分10の非ニュートン流体材料より低い硬
度の、即ち比較的柔軟な又は可撓性の非ニュートン流体
材料で作られた軸受パッド50との少なくとも2つの部分
とから成る。軸受パッド支持用ビーム状骨格部分(以
下、便宜上単に「軸受パッド支持部分」、「支持部
分」、「ビーム状骨格部分」、又は「骨格部分」とも称
する)10は、内側内周表面と外側円周表面を有するほぼ
円筒形であり、内側円周表面には、複数の半径方向外方
へ凹入した内側軸方向溝12が円周方向に間隔をおいて形
成されており、外側円周表面には、複数の半径方向内方
へ凹入した外側軸方向溝14が円周方向に間隔をおいて形
成されている。これらの溝12、14の存在により、図示の
軸受の骨格部分10は、凹凸又は歯形状の不連続な円周外
観を呈する。
第1図に示された軸受の特定の形状は、本発明の必須
の要件ではなく、単に特定の応用例に取って望ましい形
状にすぎない。特定の応用例のための本発明の軸受の特
定の断面形状及び寸法は、最適の結果を得るのに必要と
される軸受の撓みに基いて決定される。従って、ある種
の応用例においては、第1図に示されるような外側軸方
向溝14を必要としない場合もある。又、軸方向溝12及
び、又は14の断面形状も、荷重を受けたとき最も望まし
い機能を発揮するようにいろいろ形状とすることがで
き、例えば多少テーパさせることも可能である。
本発明の軸受に内側軸方向溝12と外側軸方向溝14の両
方を形成し、第1図に示されるように各内側軸方向溝12
を隣接する外側軸方向溝14の間に配置した場合、軸受パ
ッド支持部分即ちビーム状骨格部分10は、荷重下で撓む
ようになされた円周方向のビーム(梁状部材)と半径方
向のビームとのネットワーク(網状組織)として機能す
る。第3図は、第1図に示された軸受のビームネットワ
ークの部分拡大図である。第1図に示された軸受は、内
側軸方向溝12によって区画された8つの軸受パッド支持
セグメント(扇形区画)を有する。各軸受パッド支持セ
グメントは、第3図に示されるように、その半径方向で
みて最内側の表面によって画定される円弧状の軸受パッ
ド支持面16と、半径方向でみて最外側の表面によって画
定されるハウジング接触面(軸受ハウジングに密着する
表面)18と、軸受パッド支持面16とハウジング接触面18
とを連結する1対の連結部分20を有する。この構成の故
に、骨格部分10は、第3図に示されるようにビームのネ
ットワークとして機能する。ビームのネットワークは、
内側円周方向ビーム26と、外側円周方向ビーム28と、半
径方向ビーム30とから成る。荷重下では、このビームネ
ットワークは、その荷重の大きさと、骨格部分10の素材
と、内側及び外側軸方向溝12、14の寸法及び間隔とに基
いて算定することができる態様で撓む。
ビーム状骨格部分10の素材である非ニュートン流体材
料は、ここでは、後述する軸受の他の部分(軸受パッド
50等)の比較的柔軟な又は可撓性の材料に比べて、比較
的剛性の、又は硬いという表現で表わされるが、骨格部
分10の素材は、ジャーナル軸受やスリーブ軸受の骨格部
分を構成するのに通常用いられる金属よりはるかに可撓
性であることに留意されたい。従って、本発明の軸受の
骨格部分10は、荷重下において金属製の骨格部分を有す
る慣用の軸受よりはるかに大きく撓む。本発明に使用さ
れる骨格部分の代表的な材料は、ショアーDの硬度を有
する。
第1図を参照して説明すると、骨格部分10に形成され
た軸受パッド支持面16の数と同数の比較的柔軟な又は可
撓性の軸受パッド50が設けられる。本発明の重要な側面
によれば、これらの軸受パッド50は、骨格部分10の軸受
パッド支持面16に融着させることが好ましい。軸受パッ
ド50は、第1図に示されるように断面凹面状であり、中
央部が半径方向に多少厚く、円周方向の両端に向って円
弧状に内方へテーパし、両端が比較的薄くなっている。
このように中央部を厚くし両端を薄くするのは、荷重下
での軸受の撓みを容易にするためである。軸受パッド50
は、比較的柔軟な又は可撓性の非ニュートン流体材料、
好ましくはゴム又はプラスチック等のポリマー材又はエ
ラストマー材で形成する。例えば、軸受パッド50は、ジ
ュロメーターショアー硬度Dのゴムで構成することがで
きる。先にも述べたように、軸受パッド50の素材は、骨
格部分10の素材より相当に柔軟又は可撓性であることが
好ましい。軸受パッドの柔軟な素材は、低粘度の潤滑剤
又は摩剥性の潤滑材が用いられるような作動条件下にお
いてよりよい性能をもたらし、軸の摩耗を少なくする。
骨格部分10と軸受パッド50がいずれも非ニュートン流
体で構成されているので、それらは、荷重下で予知可能
な態様で流動する。典型的な使用条件においては、この
軸受は、それが支承する軸90(第4図)の重量による半
径方向の荷重と、該軸の回転によって生じる剪断荷重の
両方を受ける。軸受は通常の使用条件下では軸受ハウジ
ングによって半径方向には拘束されているので、軸受の
素材である非ニュートン流体材料は、半径方向には非圧
縮性である。ただし、ここでいう「非圧縮性」とは、軸
受が軸受ハウジングによって半径方向に拘束される度合
に応じて非圧縮性であることを意味する。例えば、外側
軸方向溝14に後述する撓み制御部材が充填さていない場
合は、軸受の外周の一部(外側軸方向溝14の存在する部
分)は、軸受ハウジングによって接触されず、従って半
径方向に拘束されないので、軸受のある程度の半径方向
の撓みが起こりうる。
軸受が全体的に軸受ハウジングによって半径方向に拘
束されている場合は、軸受は半径方向に実質的に非圧縮
性であり、半径方向の荷重は、軸受パッド50と回転軸と
の間に流体フィルムによって吸収される。他方、内側軸
方向溝12の存により、軸受パッド50も、骨格部分10も、
回転軸によって加えられる剪断荷重に応動しての円周方
向の撓みから拘束されない。更に、軸と、軸受パッド50
の半径方向最内側表面との間に間隙が存在するので、各
軸受パッド50全体とそれを支持する骨格部分10のセグメ
ントは、回転軸によって加えられる剪断荷重に応動して
揺動(傾動)し、流体力学的くさびを形成する。そのよ
うな撓みの1例が、第4図に誇張した形で図示されてい
る。もちろん、軸受パッド即ち軸受部分50の素材は骨格
部分10の素材よりはるかり柔らかいので、軸受部分50
は、骨格部分10よりはるかに大きく撓む、即ち流動す
る。軸受パッド50及び骨格部分10は、軸受パッド50の周
面全体に沿って流体理学的くさびを形成するように撓む
のが理想である。軸受パッド50の内周面全体に沿って流
体力学的くさびが形成されると、最大限の流体力学的利
点が創生されるので最適の結果が得られる。
本発明の軸受は、任意の特定の応用例に対して各軸受
パッドの内周面全体に沿って流体力学的くさびの形成を
可能にするような態様で撓むように設計しなければなら
ない。軸受がそのような態様で撓むように設計するに
は、例えば、作動において加えられる剪断荷重及び半径
方向荷重の大きさ、軸受パッド及び骨格部分の素材の可
撓性、内側及び外側軸方向溝のサイズ及び形状、軸受パ
ッド及び骨格部分の可撓性などのいろいろな要素を考慮
に入れなければならない。
軸受パッドと骨格部分の可撓性は、最終的には軸受の
設計の結果である。例えば、軸受パッドと骨格部分の可
撓性は、それらの素材の種類を変えることによって変更
することができ、あるいは又、内側及び外側軸方向溝1
2、14のサイズ、形状及び円周方向の配置によっても変
更することができる。本発明の重要な側面によれば、軸
受パッドと骨格部分の可撓性は、内側軸方向溝12及び、
又は外側軸方向溝14のすべて又は少なくとも1つに完全
に又は部分的に非ニュートン流体材料を挿入することに
よっても制御することができる。例えば、第1図に示さ
れるように、各外側軸方向溝14を撓み制御部材80によっ
て完全に充填する。図示の実施例では、撓み制御部材80
は外側方向溝14にのみ設けられているが、撓み制御部材
を内側軸方向溝12にも設けることができる。いずれにし
ても、制御部材は、骨格部分10及び、又は軸受パッド50
に融着させることが好ましい。
図示の実施例では、撓み制御部材80は、比較的柔軟な
又は可撓性の非ニュートン流体材料、好ましくはゴム又
はプラスチック等のポリマー材又はエラストマー材で形
成する。例えば、撓み制御部材80は、軸受パッド50と素
材と同じジュロメーターショアー硬度Aのゴムで構成す
ることができる。あるいは、所要又は所望の撓み制御度
合に応じて異なる材料を用いることができる。第1図に
示されるように、撓み制御部材80は、外側軸方向溝14撓
み制御部材80は、外側軸方向溝14と同じ形状を有する。
従って、撓み制御部材80は、外側軸方向溝14を完全に充
填する。しかしながら、必ずしも溝を完全に充填するす
る必要はなく、溝を部分的に充填する撓み制御部材を設
けることも可能である。もちろん、その場合、撓み制御
部材が与える撓み制御度合が異なる。
撓み制御部材80は、溝を所定の度合にまで充填するこ
とによって骨格部分10の剪断方向の可撓性を制限する働
きをする。従って、骨格部分10の可撓性を制限する度合
は、撓み制御部材が内側及び外側軸方向溝を充填する度
合、及び撓み制御部材の素材によって異なる。撓み制御
部材は、軸受パッドの素材と同じ材応で形成してもよ
く、又軸受パッドと一体に形成することも可能である。
軸方向溝12及び、又は14を撓み制御部材で充填すると、
半径方向の拘束は強くなるが、剪断方向即ち円周方向の
可撓性は高いままに維持される。換言すれば、軸受パッ
ドの全体構造は、半径方向に剛性であり、剪断方向には
可撓性であって流体力学的くさびを形成する。
先に述べたように、本発明の軸受は、全体的に非ニュ
ートン流体材料、好ましくはゴム又はプラスチック等の
ポリマー材又はエラストマー材で形成される。全体を非
ニュートン流体材料で構成したことにより、本発明の軸
受は多くの独特の性能特性を発揮する。例えば、軸受パ
ッドの内方への変位と高い半径方向の剛性とが相俟っ
て、支承すべき軸の正確な位置づけと最適な流体フィル
ムの形成を可能にする。流体フィルムの形成は、軸の摩
耗を防止し、高い荷重担持能力を提供する。更に、エラ
ストマー材等の非ニュートン流体材料で形成された軸受
は、プロセス流体潤滑式応用例において格別の耐摩耗性
を発揮する。又、エラストマー材やポリマー材等にある
種の非ニュートン流体材料は、金属等の非流動性材料を
腐蝕する物質による腐蝕作用に対して耐性を有する。半
径方向の剛性の要望を充足すること、耐摩耗性の要望を
充足することとは、従来は相容れないことであると信じ
られていた。しかしながら、全体的に非ニュートン流体
材料で形成されたジュロメーター硬度の複合体のしよう
は、これらの両方の要望の同時充足を可能にする。しか
も、上述したように、エラストマー材やポリマー材等の
ある種の非ニュートン流体材料は、金属等の非流動性材
料を腐蝕する物質に対する耐蝕性をも有する。
本発明の軸受に使用される非ニュートン流体材料は、
該時受が装着される軸受ハウジングによって外周面を拘
束される。従って、この軸受は、軸受ハウジングによっ
て拘束されていない軸方向の両端部分において膨出す
る。拘束されていない両端部分の膨出の度合は、その軸
受の半径方向の剛性の度合を表わす。膨出の度合、従っ
て軸受の半径方向の剛性は、非ニュートン流体材料の拘
束されない部分の大きさ又は断面積と、素材として使用
される非ニュートン流体材料の剛性によって異なる。
先に述べたように、従来のカットレス型又は摩耗型ジ
ャーナル軸受は、通常、金属製円筒体と、それに装着さ
れた単一ジュロメーター硬度のエラストマー材とで構成
されている。金属は非圧縮性であるから、金属製円筒体
に装着するエラストマー材製の部材として、ジュロメー
ター硬度の低い柔軟な材料を用いなければならず、その
ようなエラストマー材製の部材のサイズも比較的大きく
しなければならない。しかも、従来の摩耗型ジャーナル
軸受の構成では、そのような比較的大きなエラストマー
材製の部材を拘束するものがないから、軸受の軸方向の
両端からエラストマー材が膨出する度合が比較的大きく
なる。膨出の度合が大きいということは、その軸受の半
径方向の剛性が非常に小さいことを意味する。もちろ
ん、それは使用されるエラストマー材が同じであり、拘
束されない部分の断面積が同じであるとした場合のこと
である。このような従来の摩耗型ジャーナル軸受は、軸
の荷重に応動して軸の形状に合せて変形し、真の流体力
学的くさびは形成されない。従って、従来の摩耗型ジャ
ーナル軸受は、主として、軸のためのエラストマー材製
摩耗スリーブとして機能する。このような軸ではその軸
受パッドと軸との接触によって多量の熱が発生するの
で、軸受パッドの素材の材料特性を変化させ、軸受の有
効寿命を短縮することになる。
第1図にみられるように、本発明の軸受においては比
較的剛性の骨格部分10が軸受の横断面の大きな部分を占
めるので、軸受における比較的低ジュロメーター硬度の
非ニュートン流体材料製部分の拘束されない部分の断面
積が大幅に小さくされる。特に、骨格部分10は比較的剛
性の材料で形成されているので、軸受の両端において大
きく膨出することがない。軸受の両端において大きく膨
出するのは、比較的柔軟な材料で形成されている撓み制
御部材80と軸受パッド50だけである。従って、本発明の
軸受の断面膨出は、従来の摩耗型軸受に比べて著しく減
少される。かくして、比較的剛性の骨格部分を設けたこ
とにより軸受に従来のものよりはるかに大きい半径方向
剛性が付与される。この半径方向の剛性の結果として、
本発明の軸受は、従来の軸受よりはるかに大きな荷重を
担持することを可能にするとともに、更に重要なことに
は軸受の摩耗を減少して有効寿命を延長する働きを流体
力学的くさびを形成する。従って、本発明の軸受のもう
1つの重要な利点は、軸受の両端の膨出を減少させるこ
とであり、それによって軸受の半径方向の剛性を増大
し、摩耗を減少させる。
要約すれば、本発明の軸受は、比較的剛性の非ニュー
トン流体材料で形成されており、内側円周表面に円周方
向に間隔をおいて形成された複数の内側軸方向溝と、外
側円周表面に円周方向に間隔をおいて配置され、好まし
くは隣接する2つの内側軸方向溝と溝の間の中心に位置
づけされた複数の外側軸方向溝を有する総体的に円筒形
の軸受パッド支持用骨格部分と、該骨格部分の所定の硬
度より低い硬度を有する非ニュートン流体材料で形成さ
れており、各々、前記内側軸方向溝によって画定された
骨格部分の軸受パッド支持面に融着された複数の軸受パ
ッドとから成る。前記内側軸方向溝及び、又は外側軸方
向溝内に撓み制御部材を設けるこもでき、それらの撓み
制御部材は、内側軸方向溝及び、又は外側軸方向溝を完
全に充填するようにしてもよく、あるいは部分的に充填
するようにしてもよい。
上述した本発明の軸受構造によれば、既知の、又は予
知しうる荷重に応動して実質的に任意所望の撓み発揮す
ることが可能である。詳述すれば、本発明の軸受の骨格
部分の軸受パッド支持面は、6自由度の運動が可能であ
る。これに対して、従来の摩耗型軸受の軸受パッド支持
面は、半径方向に変位することができない。更に、本発
明の軸受においては、軸受パッドの撓み性及び既知の荷
重下での撓み度合は、幾つかの異なるパラメータを変更
することによって変えることができる。第1に、撓み度
合は、軸受の断面寸法及び、又は形状を変えることによ
って変更することができる。詳述すれば、内側及び外側
軸方向溝の個数及び深さ、軸受パッド及び骨格部分の円
周方向の寸法が、軸受パッドを支持するためのビームネ
ットワークを画定し、その結果として荷重下での軸受パ
ッドの撓み度合を左右する。
更に、軸受の各構成部分の素材の選択も、軸受の撓み
特性に影響を及ぼす。この点、本発明の軸受の素材とし
て使用される非ニュートン流体材料の硬度又は可撓性
は、考慮に入れるべき最も重要な特性である。
撓み制御部材80のサイズ及び位置も軸受の撓み特性に
影響を与える。極端な場合には、撓み制御部材は、骨格
部分10と同じ材料で構成することもできる。従って、そ
の場合実際上、骨格部分には外側軸方向溝が含まれない
形となる。反対の極端な例においては、外側軸方向溝又
は内側軸方向溝に撓み制御部材を全く充填せず、自由
な、無拘束の撓みを許すようにすることもできる。以上
要すれば、本発明によれば上記諸パラメータを変更する
ことによって事実上任意所望の撓みが得られるように軸
受を設計することができる。
本発明に従って軸受を設計するに当っては、幾つかの
点に留意すべきである。第1に、軸受の断面を一定にす
ることなどにより押出成形可能な断面とすることであ
る。軸受の断面が一定であれば、軸受は、後述するよう
に、極めて安いコストで容易に押出成形することができ
る。もちろん、軸受の撓み特性は、例えば円周方向の
溝、部分的な(貫通しない)半径方向の溝又は半径方向
の孔を設けることなどにより古今軸受の断面を変えるこ
とによって変更することができる。しかしながら、好ま
しい一定断面から変型形状とするには、軸受を押出成形
し、定寸加工(内径及び外径の研削加工)した後、追加
の孔や溝を形成するために追加の機械加工をしなければ
ならない。従って、そのような変型形状は、それによっ
て得られる性能面の利益が製造コストの増大を正当化す
る程のものでない限り避けるべきである。
本発明の軸受は又、異なるジュロメーター硬度(剛性
度)を有する多部分から成るので、多ジュロメーター硬
度軸受と称することもできる。即ち、本発明において
は、構造的強度を必要とする部分にはジュロメーター硬
度の高い(剛性の高い)非ニュートン流体を使用し、可
撓性を必要とする部分にはジュロメーター硬度の低い
(可撓性の高い)非ニュートン流体を使用する。そし
て、これらの異なる硬度の部分を融着によって結合させ
る。例えば、図示の軸受においては、骨格部分10と、軸
受パッド50と、撓み制御部材80の素材としてそれぞれ異
なる材料を用いることができる。一般的にいえば、骨格
部分10には比較的剛性の材料を使用し、軸受パッド50
と、撓み制御部材80の素材として比較的剛性の低い、可
撓性の高い材料を用いる。
本発明の新規な軸受は、第5図を参照して以下に説明
する新規な製造方法によって製造することができる。
第5図に示されるように、本発明の軸受製造方法は、
4つの主な工程、即ち、押出工程と、硬化工程と、切断
工程と、定寸加工工程から成る。
第1の押出工程は、2つ又はそれ以上の副工程から成
る。副工程の数は、軸受の製造に使用すべき異なる種類
の材料の数と、各軸受構成部分の配置関係によって異な
る。本発明の軸受製造方法は、窓やドアの密封部材、緩
衝バンパーこ、可撓性ヒンジ等のプラスチック部品を押
出成形するのに一般に使用されている周知の多ジュロメ
ーター硬度押出法を利用する。第5図に示された実施例
では、押出工程に3つの副工程が使用される。これは、
第1図に示された型式の軸受を製造するのに用いるのが
好ましい押出副工程の数に相当する。
第1の押出副工程101において軸受の第1部分を押出
す。図示の例では、第1図に示された軸受を製造すると
すれば、押出すべき第1部分は、内側部分、即ち軸受パ
ッド50となる。この部分は、未硬化又は半硬化状態で押
出す。
第2の押出副工程102は、副工程102の直ぐ後に続いて
行う。この副工程では第2部分を未硬化又は半硬化状態
の第1部分上へ押出す。第1図に示された軸受を製造す
るとすれば、骨格部分10を軸受パッド50の外側面上へ押
出す。
押出副工程102が完了した後、更に追加の軸受構成部
分が必要とされる場合は、追加の押出副工程において押
出す。例えば第1図に示された軸受を製造するとすれ
ば、第3の押出副工程103を実施し、撓み制御部材80を
外側軸方向溝内へ押出す。
ここで留意すべきことは、押出副工程101、102、103
において順次に押出される押出物は、未硬化又は半硬化
状態であることであり、従って、押出工程中順次に押出
される押出物を接合するために接着剤を塗布する必要が
ない。即ち、本発明の軸受の素材として使用される非ニ
ュートン流体材料は、未硬化又は半硬化状態では粘着性
を有するので、順次に押出される押出物を接合するため
の接着剤を必要としない。従って、本発明によれば、各
軸受構成部分は、接着剤のような異物質の助けを借りる
必要なしに押出工程中に互いに融着される。
押出工程が完了すると、未硬化又は半硬化状態の筒状
の複合押出成形品(単に「押出品」とも称する)得られ
る。押出工程の完了後、硬化工程104において筒状の複
合押出品を硬化させ、それによって、異なるジュロメー
ター硬度を有する各軸受構成部分が互いに融着された硬
化筒状押出品が得られる。
第2図は、本発明に従って押出成形された筒状複合押
出品の1例を示す。第2図に示唆されるように、この押
出品は、相当に長い寸法のもとすることが好ましく、1
つの押出品から多数の個々の軸受を切り出すことができ
るようにする。
従って、切断工程105においては、硬化した筒状の複
合押出品を個々の軸受の所望の軸方向長さに相当する長
さに切断する。換言すれば、筒状複合押出品を複数個の
個々の軸受として分断する。例えば、1つの筒状複合押
出品を40ないし50個の個々の軸受に分断することができ
る。
次ぎに、定寸加工工程106において、個々の軸受を定
寸加工する。最も簡単で好ましい実施例においては、定
寸加工工程は、所望の内径と外径を正確に規定するため
に個々の軸受を機械加工(研削)することから成る。当
然、この工程は、筒状の複合押出品が所望の外径より大
きい外径を有し、所望の内径余路小さい内径を有してい
なければ、行うことができない。第1図において、仮想
線は、個々の軸を適正に定寸加工することができるよう
に押出成形すべき余剰の厚みを表わす。
定寸加工工程106には、軸受の内径及び外径の定寸加
工に加えて追加の機械加工を含めることもできる。ただ
し、追加の機械加工は、それによって得られる性能の向
上がその追加の機械加工に要するコストの増大を正当化
するものでなければならない。例えば、軸受の断面に円
周方向の溝や半径方向の孔のような凹凸形状を付与する
ことが望ましい場合もある。ただし、そのような追加の
機械加工は、個々の軸受の製造コストを増大させること
になるので、大抵の場合は正当化されない。特に本発明
によれば、押出成形可能な断面形状を維持したままで、
上述した諸パラメータを変更することによっていろいろ
な撓み特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による軸受の横断面図である。 第2図は、本発明に従って押出成形された筒状複合押出
品の透視図である。 第3図は、本発明による軸受の部分拡大横断面図であ
る。 第4図は、回転軸の荷重を受けたときの本発明による軸
受の横断面図である。 第5図は、本発明による軸受製造方法の工程順を示す流
れ図である。 10:骨格部分 12:内側軸方向溝 14:外側軸方向溝 16:円弧状の軸受パッド支持面 50:軸受パッド 80:撓み制御部材

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体フィルム上に軸を支承するための流体
    力学的軸受であって、 所定の硬度を有するとともに、内側円周表面と外側円周
    表面とを有する円周方向に延びる単一片の軸受パッド支
    持用骨格部分と、 ビーム取付式軸受パッドを支持するための複数の軸受パ
    ッド支持表面を画定するべく、前記軸受パッド支持用骨
    格部分の内側円周表面に円周方向に間隔をおいて形成さ
    れた複数の内側軸方向溝と、 該骨格部分の前記所定の硬度より低い硬度を有する非ニ
    ュートン流体材料で形成されており、各々対応する前記
    軸受パッド支持表面に相互に円周方向に間隔をあけて融
    着された複数の軸受パッドと、 を備えた構成において、前記内側軸方向溝が隣接する前
    記軸受パッド支持面を越えて半径方向外方に延びている
    ことを特徴とする軸受。
  2. 【請求項2】容易に押出成形できるように軸方向の全長
    に亙って一定の横断面を有することを特徴とする特許請
    求の範囲第1項に記載の軸受。
  3. 【請求項3】前記軸受パッドは、前記軸受パッド支持用
    骨格部分に融着されていることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項又は2項に記載の軸受。
  4. 【請求項4】該軸受全体が非ニュートン流体材料で形成
    されていることを特徴とする特許請求の範囲第1〜3項
    のいずれかに記載の軸受。
  5. 【請求項5】前記外側円周表面に円周方向に間隔をおい
    て半径方向内方に凹入した複数の外側軸方向溝が形成さ
    れていることを特徴とする特許請求の範囲第1〜4項の
    いずれかに記載の軸受。
  6. 【請求項6】前記外側軸方向溝と内側軸方向溝とは、6
    自由度の運動が可能な、ビーム取付式軸受パッドを支持
    するための軸受パッド支持表面を有する軸受パッド支持
    用骨格部分を画定するように互いに離隔されていること
    を特徴とする特許請求の範囲第5項に記載の軸受。
  7. 【請求項7】前記内側軸方向溝及び半径方向内方に凹入
    した外側軸方向溝の少なくとも一方の内部に複数の撓み
    制御部材が設けられていることを特徴とする特許請求の
    範囲第1〜6項のいずれかに記載の軸受。
  8. 【請求項8】前記各軸受パッドは、横断面でみてほぼ凹
    面状であって、円周方向の両端は無応力状態になされて
    おり、該軸受パッドはその円周方向の両端から等距離の
    ところに対称軸線を有し、該両端における厚みより該対
    称軸線に沿っての厚みの方が大きくなされていることを
    特徴とする特許請求の範囲第1〜7項のいずれかに記載
    の軸受。
  9. 【請求項9】前記骨格部分は一体部材であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1〜8項のいずれかに記載の軸
    受。
  10. 【請求項10】前記内側軸方向溝及び外側軸方向溝の少
    なくとも一方の内部に前記骨格部分の硬度より低い所定
    の硬度を有する複数の撓み制御部材が設けられているこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1、2、3、4、5、
    6、8、又は9項に記載の軸受。
  11. 【請求項11】前記撓み制御部材の少なくとも1つは、
    前記軸受パッドの少なくとも1つと同じ材料で形成され
    ていることを特徴とする特許請求の範囲第10項に記載の
    軸受。
  12. 【請求項12】前記撓み制御部材は、前記軸受パッドの
    前記所定の硬度とは異なる硬度の材料で形成されている
    こと特徴とする特許請求の範囲第10項に記載の軸受。
  13. 【請求項13】前記撓み制御部材は前記軸受パッド支持
    用骨格部分に融着されていることを特徴とする特許請求
    の範囲第7、10、11又は12項に記載の軸受。
  14. 【請求項14】軸を支承するための流体力学的軸受を製
    造するための方法であって、 所定の硬化時第1硬度を有する材料の筒状第1部分を押
    出し、該筒状第1部分上へ第1硬度とは異なる所定の硬
    化時第2硬度を有する材料の第2部分を押出して筒状複
    合押出成形品を形成し、該筒状複合押出成形品を硬化さ
    せ、該筒状複合押出成形品を複数個の個々の軸受の長さ
    に切断し、該個々の軸受を定寸加工することから成る軸
    受製造方法。
  15. 【請求項15】前記筒状複合押出成形品を硬化される前
    に前記第1部分と第2部分の少なくとも一方の上に第3
    部分を押出す工程を含むことを特徴とする特許請求の範
    囲第14項に記載の軸受製造方法。
  16. 【請求項16】前記個々の軸受を定寸加工する工程は、
    各軸受の横断面に凹凸形状を形成するように軸受を機械
    加工する操作を含むことを特徴とする特許請求の範囲第
    14項に記載に製造方法。
JP1245371A 1988-10-25 1989-09-22 押出成形可能な多ジュロメーター硬度の流体力学的軸受及びその製造方法 Expired - Lifetime JPH0810009B2 (ja)

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