JPH08102618A - マルチビームアンテナ - Google Patents

マルチビームアンテナ

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JPH08102618A
JPH08102618A JP23807994A JP23807994A JPH08102618A JP H08102618 A JPH08102618 A JP H08102618A JP 23807994 A JP23807994 A JP 23807994A JP 23807994 A JP23807994 A JP 23807994A JP H08102618 A JPH08102618 A JP H08102618A
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JP
Japan
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antenna
amplifier
antenna elements
power
cluster
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JP23807994A
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English (en)
Inventor
Hiroki Shiyouki
裕樹 庄木
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】大電力伝送における電力損失などの問題を容易
に解決でき、低サイドローブ化のための励振分布設定が
容易に行え、増幅器の電源を高効率に利用できる給電系
を有するマルチビームアンテナを提供する。 【構成】反射鏡と一次放射器とによって構成されるマル
チビームアンテナであって、前記一次放射器が、各ビー
ムごとに設けられたクラスタを構成し、放射特性が異な
る複数の種類からなる複数のアンテナ素子401,411,412,
413,414,415,416 と、この複数のアンテナ素子の各々に
直接接続された複数の増幅器201,211,212,213,214,215,
216 とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマルチビームアンテナに
関し、特に、衛星搭載用反射鏡アンテナの一次放射器と
して用いられるマルチビーム給電系に関する。
【0002】
【従来の技術】衛星通信に対する需要の増加に伴い、衛
星搭載アンテナの利得を上げて通信容量を大きくとるこ
とが要求されている。そのために、アンテナから放射さ
れるビームのカバレッジエリアを小さくし、狭い領域に
効率良く電波を放射させる必要がある。従って、複数の
ビームでサービスエリアをカバーするマルチビームによ
る衛星放送システムが必要である。
【0003】一例として、図3に示すような4ビームに
よるマルチビーム衛星通信を考える。ここで周波数の有
効利用をはかるため、1ビーム置きに同一周波数を利用
する。この周波数有効利用のため、衛星搭載アンテナに
対して放射パターンの低サイドローブ化が重要な技術と
なる。例えば、ビーム1に対して放射される電波は、同
一周波数を用いるビーム3のカバレッジに対しては干渉
が無いように、この領域内では低サイドローブ特性を有
する必要がある。
【0004】このような低サイドローブ特性を実現する
アンテナ方式として、図2に示すような反射鏡24と一次
放射器23によって構成されるアンテナが考えられる。こ
こで一次放射器は、図6に示すように、4つのクラスタ
31,32,33,34 によって構成されている。各クラスタは、
各々一つのビームを形成し、各々7個のアンテナ素子で
構成される。ここで、ビーム1を形成するクラスタ31は
アンテナ素子1,2,3,4,5,6,7で構成され、
ビーム2を形成するクラスタ32はアンテナ素子6,7,
8,9,10,11,12で構成され、ビーム3を形成するク
ラスタ33はアンテナ素子11,12,13,14,15,16,17で
構成され、ビーム4を形成するクラスタ34はアンテナ素
子16,17,18,19,20,21,22で構成される。このよう
に、一つのビームを複数のアンテナ素子により形成し、
各アンテナ素子に適当な励振分布を設定することによ
り、それらの合成パターンが低サイドローブ特性をもつ
ようにさせることが可能である。また、ここで、ビーム
のクロスオーバーレベル(ビームとビームの境界での利
得)を高くしたいという要求から、クラスタを構成する
一部のアンテナ素子を隣接するビーム間で共用する(一
例として、アンテナ素子6,7はクラスタ31で形成する
ビーム1とクラスタ32で形成されるビーム2の両方で利
用される)。
【0005】以上のような考え方は既に多くの衛星搭載
用マルチビームアンテナに利用されている。その給電系
の構成として考えられる従来の方式を以下に示す。図7
はマルチビーム給電系の従来の構成を示す一例であり、
アンテナ素子1〜22は各々のビームに対応するクラスタ
の給電回路47,48,49,50 により合成(受信の場合)もし
くは分配(送信の場合)される。各給電回路の中には、
各クラスタを構成するアンテナ素子に対して所定の励振
分布を与えるように、分配器(合成器)、移相器などを
用いた構成となっている。給電回路47,48,49,50 には各
々増幅器101,102,103,104 が接続され、送受の信号の増
幅を行う。この増幅器として送信の場合には高出力増幅
器(具体的には進行波型増幅管や固体増幅器など)、受
信の場合には低雑音増幅器が用いられる。また、この給
電系構成の中で、隣接ビーム間で共用されるアンテナ素
子6,7,11,12,16,17では、2つの周波数帯域の分
離を行うために分波器205,206,207,208,209,210 が各々
接続される。この方式は給電回路でアンテナ素子の励振
分布を自由に設定できるので、周波数再利用のために最
適な低サイドローブパターンを各ビームで実現できる利
点がある。しかし、この方式は、各ビームの周波数帯域
が固定して変化しないことを前提としており、周波数帯
域や通信量を各ビームの呼量に応じて柔軟に変化させる
ことができない。
【0006】図8の給電系構成は、ビーム間で周波数帯
域や通信量を柔軟に変化させる場合に対応できるもので
ある。ここで、各アンテナ素子1〜22が各々のビームに
対応するクラスタの給電回路47,48,49,50 により合成も
しくは分配されるところは図7の構成と同様である。た
だし、隣接するビーム間で共用するアンテナ素子6,
7,11,12,16,17では、各ビームの周波数帯域が固定
していないため分波器による周波数帯域分離が不可能で
あるので、単なる分配器(合成器)41,42,43,44,46を接
続する。給電回路47,48 はマトリクス増幅器59に、給電
回路49,50 はマトリクス増幅器60に各々接続される。マ
トリクス増幅器59は3dBハイブリッド51と、この3dBハ
イブリッド51の出力に接続された2個の増幅器55,56
と、この増幅器55,56 の出力に接続されたハイブリッド
52とにより構成されている。同様に、マトリクス増幅器
60は3dBハイブリッド53と、この3dBハイブリッド53の
出力に接続された2個の増幅器57,58 と、この増幅器5
7,58 の出力に接続されたハイブリッド54とにより構成
されている。このような構成のマトリクス増幅器59,60
では、入力信号がハイブリッド52,54 により等分配され
て、二つの増幅器55,56 又は57,58 により増幅され、出
力側のハイブリッド51,53 により一方のポートに出力さ
れる。図に示すように二つのビームが同時に入力した場
合にも、常に増幅器に対して同レベルで入出力し、別々
のポートに各ビームの出力が現れる。この場合、ビーム
間での周波数帯域のアンバランス(通信量の差)があっ
ても、増幅器への入力は均一化されるので増幅器は常に
高効率で動作できる。いま、ビーム1およびビーム3が
占める周波数帯域の全体に対する割合をx(0≦x≦
1)とし、一つの増幅器の最大出力電力をPmax とする
と、増幅器の電源効率ηは次式のようになる。ここで電
源効率は、電源により出力可能な増幅器の最大出力電力
に対して実際に出力している出力電力がどのような比に
なっているかを示す(以後の説明においても同様の意味
である)。
【0007】 η=2[2xPmax +2(1−x)Pmax ]/(4Pmax )= 1.0 (1) 従って、この例の場合、電源効率は理論的に 100%にな
る。以上述べたように、図8の給電系構成はビーム間で
通信量が変動する衛星通信システムに対して非常に有効
である。しかし、次のような問題点がある。
【0008】特に、送信アンテナとして利用する場合、
給電回路47,48,49,50 は大電力が伝送されており、その
中で励振分布を高精度に実現することはハードウェアを
形成する上で難しい点が多い。大電力ゆえに発生するパ
ッシブインターモジュレーション(PIM,高調波が発
生し、受信機などへ影響を与える問題)やマルチパクシ
ョン(2次電子の発生によりRF的に短絡状態になり、
大電力伝送に障害が発生する問題)を抑えるための考慮
が必要である。また、周波数帯域に柔軟性を持たせると
すると、ビーム間共用素子に接続される合成器(分配
器)41,42,43,44,45,46 において損失が発生し(このア
ンテナに対する入力の半分は損失となる)、アンテナ効
率が低下したり、熱が発生する問題もある。合成器の代
わりにハイブリッドなどを用いて素子共用を行う方法な
ども考えられているが、この場合にはビーム間共用素子
の励振分布が拘束され、クラスタとしての低サイドロー
ブ化に適した最適な励振分布設定ができなくなる。さら
に、理想的に無限大であるマトリクス増幅器のポート間
のアイソレーションが実際には有限の値にしか実現でき
ないため、あるビームの信号が他のビームのクラスタへ
洩れ込む問題もある。この場合、ビーム間アイソレーシ
ョン特性を劣化させる。ビーム間のアイソレーションレ
ベルはマトリクス増幅器のポート間アイソレーション特
性に大きく依存し、このために非常に高いビーム間アイ
ソレーションが要求されるような衛星通信システムには
利用できないこともある。
【0009】給電系構成の従来の方法として、図9のよ
うな構成も考えられる。この構成では、アンテナ素子1
〜22に各々増幅器61〜82が直接接続されている。その
後、クラスタ単位で給電回路89,90,91,92 が構成され、
ここで低サイドローブ化に最適な励振分布が設定され
る。ビーム間で共用するアンテナ素子6,7,11,12,
1617において合成器83,84,85,86,87,88 が各々接続され
ている。この合成器では、アンテナ素子の方向へ半分の
電力しか伝達されないのでここで損失が生じることにな
るが、この部分に伝送される信号は小電力であるので特
に問題にはならない。図9の構成では、特に送信アンテ
ナとして利用する場合、アンテナ素子と増幅器が直結さ
れているので、大電力を伝送する部分が短く、図8の構
成では問題となる電力損失、PIM、マルチパクション
に対する対策は容易になる。しかし、増幅器の電源効率
の点では不利である。前述の議論と同様に、全ての増幅
器の最大出力電力がPmax であり、クラスタを構成する
アンテナ素子の励振電力が中心のアンテナ素子を1、周
辺のアンテナ素子がα(0<α≦1)、ビーム1および
3の周波数帯域の割合をxとした場合、電源効率ηは次
のようになる。 η=[2(1+6α)xPmax +2(1+6α)(1−x)Pmax ]/22Pmax =2(1+6α)/22 (2) α=0.1 (=-10dB )とすると、η=14.5%となり、電
源効率が非常に悪いことがわかる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、マ
ルチビームアンテナにおける従来の給電系構成において
マトリクス給電系を用いた場合には、大電力を伝送させ
ることに起因するパッシブインターモジュレーションや
マルチパクション、電力損失の問題を解決することが難
しく、また、電力損失低減のためにクラスタの励振分布
が制限されて十分に低サイドローブ化することが困難に
なる問題があった。また、増幅器をアンテナ素子に直結
した給電系構成の場合には、増幅器の電源効率が非常に
低くなる問題点があった。
【0011】本発明のマルチビームアンテナはこのよう
な課題に着目してなされたものであり、その目的とする
ところは、大電力伝送に係わる電力損失などの問題を容
易に解決でき、低サイドローブ化のための励振分布設定
が容易に行え、ビーム間の通信量の変動のある場合にも
増幅器の電源を高効率に利用できる給電系を有するマル
チビームアンテナを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のマルチビームアンテナは、反射鏡と一次
放射器とによって構成されるマルチビームアンテナであ
って、前記一次放射器が、各ビームごとに設けられたク
ラスタを構成し、放射特性が異なる複数の種類からなる
複数のアンテナ素子と、この複数のアンテナ素子の各々
に直接接続された複数の増幅器とを具備する。
【0013】また、本発明のマルチビームアンテナは、
前記複数の増幅器の各最大出力電力の比が各々対応する
前記複数のアンテナ素子に与える励振電力の比と一致し
ている。また、本発明のマルチビームアンテナは、前記
複数のアンテナ素子に与える励振電力の比は特定の整数
比で表される。
【0014】
【作用】すなわち、本発明のマルチビームアンテナは、
反射鏡と一次放射器とによって構成されるマルチビーム
アンテナであって、前記一次放射器を各ビームごとに設
けられたクラスタを構成する複数のアンテナ素子と、こ
のアンテナ素子に直接接続された複数の増幅器によって
構成し、前記複数のアンテナ素子を放射特性が異なる複
数の種類のアンテナによって構成する。
【0015】また、本発明のマルチビームアンテナは、
前記複数の増幅器の各最大出力電力の比が各々対応する
前記複数のアンテナ素子に与える励振電力の比と一致す
るように構成する。また、本発明のマルチビームアンテ
ナは、前記複数のアンテナ素子に与える励振電力の比が
特定の整数比で表されるように構成する。
【0016】
【実施例】本実施例では、反射鏡を介して電波の送受を
行う反射鏡型アンテナの一次放射器として、複数のアン
テナ素子で構成されるクラスタを用いる。ここで、ビー
ム間での周波数再利用を行うために必要な低サイドロー
ブパターンを形成するために複数のアンテナ素子に設定
する励振分布(励振振幅、励振位相)およびアンテナ素
子の放射指向性を適当に調整することにより、ビーム単
位で低サイドローブな放射指向性を合成する。また、ク
ラスタを構成するアンテナ素子毎に増幅器が直接接続さ
れ、各々のアンテナ素子に対応して入力される信号を増
幅する。
【0017】また、ここでこの増幅器間の最大出力電力
の比を各アンテナ素子の励振電力の比と一致させること
により、各々のアンテナ素子においてその励振分布に応
じた出力電力を発生させる。
【0018】また、ここでアンテナ素子に与える励振電
力の比を簡単な整数比になるように設定することによ
り、アンテナ素子に接続する増幅器の最大出力電力の比
も簡単な整数比になるように設定し、その値に応じた出
力電力を発生させるようにする。
【0019】以下に図面を用いて本発明の実施例を詳細
に説明する。図1には、第1の実施例を示すマルチビー
ムアンテナの一次放射器の構成を示す。ここでアンテナ
全体としては、図2に示すように、反射鏡24と一次放射
器23で構成されている。この例では図3に示すように、
4ビームによってサービスエリアをカバーするマルチビ
ームによる衛星通信を想定し、1ビーム置きで同一周波
数を再利用する(ビーム1とビーム3が同一周波数f
a、ビーム2とビーム4が同一周波数fb)。ここでビ
ーム1、2,3,4は各々クラスタ501,502,503,504 に
より形成され、クラスタ501 はアンテナ素子401,411,41
2,413,414,415,416 、クラスタ502 はアンテナ素子402,
415,416,417,418,419,420 、クラスタ503はアンテナ素
子403,419,420,421,422,423,424 、クラスタ504 はアン
テナ素子404,423,424,425,426,427,428 により各々構成
される。ここでアンテナ素子としてホーンアンテナを用
いた例を示すが、アンテナ素子はこの方式以外でも構わ
ない。各クラスタの中心にあるホーンアンテナ401,402,
403,404 はその開口径を他よりも大きくしており、放射
指向性のビーム幅を狭くし、利得を高くしている。ま
た、ビームカバレッジの境界であるクロスオーバーの部
分のアンテナ利得を上げるために、隣接するビーム(ク
ラスタ)間でアンテナ素子の共用を行う。例えば、アン
テナ素子415,416 はビーム1と2で共用される。ここ
で、クラスタを構成する7つのアンテナ素子に適当な励
振分布(励振振幅と励振位相)を与えることで、各々の
ビームパターンの低サイドローブ化が容易に実現され
る。特に周波数共用するもう一方のビームカバレッジ内
のサイドローブレベルを低減させることにより、ビーム
間アイソレーションを大きくでき、周波数再利用が可能
となる。また、この実施例では、クラスタ中心のアンテ
ナ素子のアンテナ開口径を大きくすることにより、その
利得を他のアンテナ素子より高くなるように放射指向性
を変えて設定している。このような構成にすることによ
り、ビームカバレッジでのエッジ部分での高利得化と所
望領域での低サイドローブ化を同時に実現する上で最適
なクラスタ構成を実現できる。
【0020】図4は一次放射器の給電系の構成を示す。
本実施例では、アンテナ素子 401〜404, 411〜428 は各
々増幅器 201〜204, 211〜228 に直接接続される。各増
幅器はクラスタ単位毎に給電回路89,90,91,92 に接続さ
れる。この給電回路では、低サイドローブな放射指向性
を実現するような励振分布を各アンテナ素子に対して設
定する。例えば、給電回路は、幾つかの分配器(受信の
場合には合成器)、移相器などで構成され、これらのコ
ンポーネントの分配比や位相量を設定することにより各
アンテナ素子へ所定の励振振幅、励振位相を与えること
ができる。ビーム間(クラスタ間)で共用するアンテナ
素子415,416,419,420,423,424 には、増幅器と給電回路
の間に合成器(受信の場合には分配器)83,84,85,86,8
7,88 が各々接続され、各給電回路からの信号を合成
(分配)する。合成器(分配器)は単なるT分岐のよう
なもので形成できる。この給電系は送信、受信ともに利
用できる。送信の場合には、増幅器として高出力増幅器
(HPA)が用いられ、実際には進行波型増幅器(TW
T)や固体増幅器(SSPA)が利用される。受信の場
合には、増幅器として低雑音増幅器(LNA)を用い
る。
【0021】以下に、増幅器が全て同一であるものとし
て、増幅器の電源効率を送信アンテナを考えた場合につ
いて考えてみる。増幅器 201〜204, 211〜228 の最大出
力電力が全てPmax であるとする。励振分布について
は、各クラスタにおいて、中心のアンテナ素子(図1の
例では401,402,403,404 )に与える励振電力のレベルを
1とした場合、周辺のアンテナ素子(図1のクラスタ50
1 ではアンテナ素子411,412,413,414,415,416 )にはα
(αは0でない)の励振電力を与える。ビーム1および
3が全周波数帯域の中で専有する割合をx(0≦x≦
1)とする場合、増幅器の電源効率ηは (2)式に示した
通りになる。本発明の実施例では、周辺のアンテナ素子
の利得が低いので、周辺の小さな開口のアンテナ素子に
はそれだけ励振電力を大きく設定しなければならない。
従って、従来方式ではα=0.1 (=-10dB )程度であっ
たものが、本実施例ではその数倍の割合、例えばα=0.
5 (=-3dB)程度にする必要がある。α=0.5 の場合、
η=36.4%となり、従来方式に比較して効率が数倍にな
る。
【0022】上記したように、本実施例では放射指向性
の違うアンテナ素子によりクラスタを構成し、その各ア
ンテナ素子に増幅器を直接接続することにより以下のよ
うな効果が得られる。 (1) クラスタを構成するアンテナ素子の放射指向性
を変化させて設定したことにより、高利得化、低サイド
ローブ化に向けて最適な構成を実現することができる。
このことはアンテナ効率を上げ、マルチビームを用いた
衛星通信、衛星放送システムにおいて周波数有効利用を
行う上で重要である。 (2) アンテナ素子と増幅器が直結しているので、送
信の場合、高電力の伝送線路が最小限の部分となってい
るので、高電力化に伴う損失、パッシブインターモジュ
レーション(PIM)、マルチパクションなどの問題の
対策が比較的容易である。例えば、PIMの低減のため
には給電回路の一体化成形などの製造方法がとられる
が、第1の実施例の場合、このようなことを考慮した製
造・製作が簡単に行える。また、受信の場合には、アン
テナ素子から増幅器に至る線路損失を最小にすることが
でき、線路損失によるG/T(利得対雑音温度比)の劣
化を防ぐことができる。 (3) 本実施例の給電系構成により、ビーム間で通信
量の変動があり、それに伴い周波数帯域などを変化させ
た場合にも、高い電源効率が得られる。これから、通信
量の変動が大きいことが予想される、衛星移動通信シス
テムなどに利用される衛星搭載アンテナなどの応用とし
て非常に有効である。 (4) 給電回路は信号が小電力レベルの領域であり、
線路損失に伴う熱の発生などの問題が全く無く、給電回
路の製作もマイクロストリップ線路などの平面回路によ
り、小型、薄型で、しかも容易に行うことができる。
【0023】次に、図4の給電系構成において、各アン
テナ素子に接続された増幅器の最大出力電力をクラスタ
中心のアンテナ素子401,402,403,404 に対応する増幅器
201,202,203,204 についてはPmax 、クラスタの周辺ア
ンテナ素子 411〜428 に対応する増幅器 211〜228 につ
いてはαPmax とする構成も考えられる。この場合、増
幅器の電源効率ηは次のように表される。 η=全てのビームの出力電力の和/増幅器の最大出力電力の和 =[2(1+6α) xPmax +2(1+6α)(1-x) Pmax ]/[ (4+18α)Pmax ] =(1+6α) /(2+9α) (3) 従って、α=0.5 を仮定すると、η=61.5%となる。
【0024】以上のような構成により、電源効率をさら
に高くすることができ、ビーム間での通信量の変動の多
い移動体衛星通信システムに対しては益々有効であると
言える。また、この給電系構成は、増幅器の電源効率を
評価関数として、最大出力電力という指標により増幅器
の最適化設定を行う方法を明確に示している。これによ
り、増幅器は中心のアンテナ素子用のものと、周辺のア
ンテナ素子用の二種類あればよいことを示した。従っ
て、同じ特性の増幅器をたくさん製作すればよく設計、
製造、調整などの工程を簡単化できることになる。
【0025】なお、励振分布は給電回路によって設定さ
れ、場合によっては励振位相も調整する。このような状
況において、クラスタの中心のアンテナ素子に接続され
る増幅器の最大出力電力をPmax とし、その周辺のアン
テナ素子に接続される増幅器の最大出力電力をαPmax
とした。増幅器の増幅率は全て同じである。また、ここ
で、全ての帯域があるビームに集中しても入力対出力の
線形性が保障されるように増幅器の動作点(バックオフ
レベル)を設定し、そのときの出力電力を最大出力電力
と定義している。また、(3) 式からαが大きければ大き
いほど電源効率が上がることがわかる。従って、αをで
きるだけ大きくして(場合によっては1以上になる)効
率をさらに上げることも可能である。
【0026】さらに、本実施例において、以下のような
変更を行ってもその効果は同じである。 (1) アンテナ素子、給電線路、給電回路コンポーネ
ントなどの方式は全く問わない。どのような方式のもの
を用いても効果は同じである。 (2) アンテナ素子の放射指向性に違いをもたせる手
段は問わない。実施例では、アンテナの開口の大きさを
変えたが、この他の形状などを変化させたり、アンテナ
方式そのものを変えてもよい。 (3) クラスタの方式について、図1に示したよう
に、7つのアンテナ素子による構成を例にあげて説明し
たが、9つのアンテナ素子を用いる場合など他の方式を
用いても同様の効果がある。また、隣接クラスタにおけ
るアンテナ素子の共用についても、図1では2個のアン
テナ素子を共用する場合について示したが、これを1素
子共用など違う数のアンテナ素子を共用するものとして
もよい。クラスタを構成するアンテナ素子の中で、一つ
のビームについて単独で利用するアンテナ素子が存在す
れば(複数あってもよい)、隣接クラスタで共用するア
ンテナ素子の数は自由である。 (4) 給電回路の構成についても図4に示した例の限
りではない。例えば、周波数変換器を設けて、低い周波
数帯へ変換して給電回路を構成する方法も考えられる。
この場合、給電回路コンポーネントの製作が容易になっ
たり、給電損失を低減できるなどの利点がある。同様
に、給電回路の軽量化などを目的として、電波/光変換
器により光周波数帯に変換し、光による給電回路を形成
することも考えられる。
【0027】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図5は本発明の第2の実施例である給電系の構成
を示す。送信の場合を例にとり、この給電系の構成およ
び動作について説明する。クラスタ中心にあるアンテナ
素子401,402,403,404 には各々合成器263,265,267,269
と分配器264,266,268,270 を介して2つの増幅器(アン
テナ素子401 については増幅器251,252 、アンテナ素子
402 については増幅器253,254 、アンテナ素子403 につ
いては増幅器255,256 、アンテナ素子404 については増
幅器257,258 )が接続されている。また、クラスタの周
辺にあるアンテナ素子 411〜428 には各々増幅器 211〜
228 が一つずつ接続される。ここでクラスタは図1に示
したような配列になっているものとする。各アンテナ素
子に対応する励振電力は、各々のビームに関する給電回
路89,90,91,92 により設定され、各ビームで低サイドロ
ーブな放射指向性が実現される。また、図1の構成例と
同様に、ビーム(クラスタ)間で共用するアンテナ素子
415,416,419,420,423,424 については合成器83,84,85,8
6,87,88 により信号の合成を行う。
【0028】以下に、増幅器の最大出力電力の設定の方
法について説明する。図1の構成例と同様に低サイドロ
ーブ化のためにクラスタを構成するアンテナ素子に最適
化された励振分布を設定する必要がある。ここで、クラ
スタ中心のアンテナ素子に励振する電力レベルと周辺の
アンテナ素子に励振する電力レベルの比はN:1(Nは
整数)であるものとする。図1のクラスタ構成の場合、
周辺のアンテナ素子に励振する電力レベルが中心素子に
対して-3dB程度になるとするとこの比は2:1になる。
低サイドローブ化の程度とアンテナ素子の放射指向性の
違いによりこの比率は変化する。図5では、この比率が
2:1のときについて考えている。この場合、図1の実
施例では、中心のアンテナ素子に接続される増幅器の最
大出力電力を周辺のアンテナ素子に接続される増幅器の
N倍とすることにより、増幅器の電源効率を最適化でき
る。図5の構成例では、最大出力電力をN倍する代わり
に周辺のアンテナ素子に接続された増幅器と同じものを
N個並列させている。このような構成にすることによ
り、図1の構成例の場合と全く同じ電源効率が得られ、
同様な効果が期待できる。この他に、利用する増幅器を
全て同一にすることが可能となるので、増幅器の設計、
製造、調整などの工程がさらに簡単になり、アンテナ全
体の低コスト化にも非常に有効である効果もある。
【0029】以上、上記した実施例によれば、アンテナ
素子と増幅器が直結されているので、高出力化に伴うP
IM、マルチパクションなどの問題発生を防ぐことが容
易に行え、低損失化にも有効である。また、マルチビー
ム衛星通信システムにおいて周波数有効利用を行う上で
重要な低サイドローブ化が、小電力の信号が伝送されて
いる給電回路において行われているので、アンテナ素子
へ最適励振分布の設定が容易に行える。また、アイソレ
ーション特性を劣化させることがないので周波数再利用
を行う上で高アイソレーション特性が要求される衛星放
送システムなどに利用する上で有効である。さらに、ク
ラスタを構成するアンテナ素子の形状などを変えてその
放射指向性を変えることにより、合成放射指向性が高利
得化低サイドローブ化に対して最適になるように設定で
きる。ここで各アンテナ素子に接続される増幅器の電源
効率を考慮した最適設定が行えるので、ビーム間での通
信量に変動がある場合に対して周波数帯域の割当を変え
るなどフレクシブルな対応を行った場合にも増幅器の電
源効率を高効率に使用することができ、電源の制限され
る衛星搭載システムにおいて非常に効果が大きい。さら
に、このアンテナを構成する上で必要な増幅器の種類は
ただの1種類もしくは高々2種類で済むため、この増幅
器の設計、製造、調整などの工程が非常に簡単化され、
特性の良いものが低コストで製作することが可能にな
り、衛星搭載アンテナなどの用途として効果が大きい。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、大電力伝送における電
力損失などの問題を容易に解決でき、低サイドローブ化
のための励振分布設定が容易に行え、増幅器の電源を高
効率に利用できる給電系を有するマルチビームアンテナ
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマルチビームアンテナの実施例である
一次放射器構成を示す上面図である。
【図2】本発明のマルチビームアンテナの実施例である
反射鏡アンテナの構成を示す図である。
【図3】ビームの配置および周波数分割の様子を示す図
である。
【図4】本発明のマルチビームアンテナの第1の実施例
である給電系構成を示す図である。
【図5】本発明のマルチビームアンテナの第2の実施例
である給電系構成を示す図である。
【図6】従来の方法によるマルチビームアンテナの一次
放射器構成を示す図である。
【図7】従来の方法によるマルチビームアンテナの給電
系構成を示す図である。
【図8】従来の方法によるマルチビームアンテナの他の
給電系構成を示す図である。
【図9】従来の方法によるマルチビームアンテナの他の
給電系構成を示す図である。
【符号の説明】 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,2
0,21,22,401,402,403,404,411,412,413,414,415,416,41
7,418,419,420,421,422,423,424,425,426,427,428 …ア
ンテナ素子、24…反射鏡、23…一次放射器、31,32,33,3
4,501,502,503,504 …クラスタ、47,48,49,50,89,90,9
1,92 …給電回路、55,56,57,58,61,62,63,64,65,66,67,
68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,101,1
02,103,104,201,202,203,204,211,212,213,214,215,21
6,217,218,219,220,221,222,223,224,225,226,227,228,
251,252,253,254,255,256,257,258 …増幅器、205,206,
207,208,209,210 …分波器、41,42,43,44,45,46,83,84,
85,86,87,88 …合成器もしくは分配器。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射鏡と一次放射器とによって構成され
    るマルチビームアンテナであって、前記一次放射器が、 各ビームごとに設けられたクラスタを構成し、放射特性
    が異なる複数の種類からなる複数のアンテナ素子と、 この複数のアンテナ素子の各々に直接接続された複数の
    増幅器と、を具備したことを特徴とするマルチビームア
    ンテナ。
  2. 【請求項2】 前記複数の増幅器の各最大出力電力の比
    は各々対応する前記複数のアンテナ素子に与える励振電
    力の比と一致していることを特徴とする請求項1記載の
    マルチビームアンテナ。
  3. 【請求項3】 前記複数のアンテナ素子に与える励振電
    力の比は特定の整数比で表されることを特徴とする請求
    項1記載のマルチビームアンテナ。
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