JPH08103289A - 植物細胞による立体選択的なα−アルキル−β−ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents

植物細胞による立体選択的なα−アルキル−β−ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法

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JPH08103289A
JPH08103289A JP26817694A JP26817694A JPH08103289A JP H08103289 A JPH08103289 A JP H08103289A JP 26817694 A JP26817694 A JP 26817694A JP 26817694 A JP26817694 A JP 26817694A JP H08103289 A JPH08103289 A JP H08103289A
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JP
Japan
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alkyl
acid ester
hydroxycarboxylic acid
stereoselective
plant cell
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Application number
JP26817694A
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Hiroki Hamada
博喜 浜田
Kaoru Nakamura
薫 中村
Soichiro Takenishi
壮一郎 竹西
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Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来技術の難点を解消し、各種の医薬や農薬
の中間体として、又、有用な天然化合物を合成するため
の中間体として重要な、光学活性のα−アルキル−β−
ヒドロキシカルボン酸エステルを、効率よくしかも簡便
に製造することのできる方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 本発明のα−アルキル−β−ヒドロキシカル
ボン酸エステルの製造方法は、植物細胞の培養液中に、
式 【化1】 (式中、R1及びR2は低級アルキル基を示す)で表され
るα−アルキル−β−ケトカルボン酸エステルを添加す
ることにより、前記植物細胞により該α−アルキル−β
−ケトカルボン酸エステルの一方のエナンチオマーのみ
を還元し、且つ、還元生成物であるα−アルキル−β−
ヒドロキシカルボン酸エステルにおけるsin体とanti体
の一方を過剰に得ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物細胞による立体選
択的なα−アルキル−β−ヒドロキシカルボン酸エステ
ルの製造方法に関するものであり、更に詳しくは、各種
の医薬や農薬の中間体として、又、有用な天然化合物を
合成するための中間体として重要な、光学活性のα−ア
ルキル−β−ヒドロキシカルボン酸エステルを、効率よ
くしかも簡便に製造することのできる方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、上記のような光学活性のα−
アルキル−β−ヒドロキシカルボン酸エステルは、様々
な方法により、対応するα−ケト−β−ヒドロキシカル
ボン酸エステルより合成されていた。
【0003】即ち、 1)遷移金属触媒による方法(JACS, 1987, 109 5856) 2)ベーカー酵母を使用し、生物変換する方法(Bull.
Chem. Soc. Jpn., 1989, 62,1179) 3)有機溶剤中での徴生物による還元(Tetrahedron Le
tt., 1993, 34, 6068) 等の方法が採用されていたのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、1)の
遷移金属触媒による方法では、反応が複雑で立体選択的
且つ鏡像異性選択的な反応を同時に行うことはできず、
又、2)のベーカー酵母を使用し、生物変換する方法や
3)の有機溶剤中での徴生物による還元は、技術的に難
しく、効率が悪いというように、従来の方法にはいずれ
も難点があった。
【0005】本発明は、このような従来技術の難点を解
消し、各種の医薬や農薬の中間体として、又、有用な天
然化合物を合成するための中間体として重要な、光学活
性のα−アルキル−β−ヒドロキシカルボン酸エステル
を、効率よくしかも簡便に製造することのできる方法を
提供することを目的としてなされた。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明が採用したα−アルキル−β−ヒドロキシカル
ボン酸エステルの製造方法の構成は、植物細胞の培養液
中に、式
【化2】 (式中、R1及びR2は低級アルキル基を示す)で表され
るα−アルキル−β−ケトカルボン酸エステルを添加す
ることにより、前記植物細胞により該α−アルキル−β
−ケトカルボン酸エステルの一方のエナンチオマーのみ
を還元し、且つ、還元生成物であるα−アルキル−β−
ヒドロキシカルボン酸エステルにおけるsin体とanti体
の一方を過剰に得ることを特徴とするものである。
【0007】以下に本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明は、植物細胞を用いてα−アルキル
−β−ケトカルボン酸エステルをα−アルキル−β−ヒ
ドロキシカルボン酸エステルに還元するものであり、本
発明で使用し得る植物細胞としては、豆科の草本、例え
ばダイズ(Glycine max)、或いは、ゼニゴケ科の苔
類、例えばゼニゴケ(Marchantia polymorphia)を挙げ
ることができる。
【0009】本発明において、上記植物の細胞は適宜の
培地で培養されるのであるが、本発明で使用する培地と
しては、MS培地、MSK−II培地やB−5培地が適
当である。
【0010】本発明では、上記植物細胞の培養液中に、
【化3】 で表されるα−アルキル−β−ケトカルボン酸エステル
を添加するのであり、このケトカルボン酸エステルにお
ける置換基R1及びR2は、共に低級アルキル基を示して
いるので、このケトカルボン酸エステルの具体例として
は、α−メチル−β−ケトブタン酸エチル(R1がエチ
ル、R2がメチルの化合物)を挙げることができるが、
本発明で使用し得るα−アルキル−β−ケトカルボン酸
エステルはこれに限定されることはない。
【0011】尚、本発明における上記α−アルキル−β
−ケトカルボン酸エステルの添加量としては、培地に対
し50〜600mg/l、好ましくは200〜300m
g/l程度という範囲を例示することができる。
【0012】本発明では、上記α−アルキル−β−ケト
カルボン酸エステルが還元されて、対応するα−ハイド
ロキシ−β−ケトカルボン酸エステルを得るものである
が、上記式から明らかなように、上記α−アルキル−β
−ケトカルボン酸エステルにおいては、ケト−エノール
化を経て2種類のエナンチオマー(1)及び(2)が平
衡状態にあり、又、通常の還元方法では、試薬の攻撃方
向により2種類のエナンチオマー(1)及び(2)のそ
れぞれから2種類の還元生成物(α−ハイドロキシ−β
−ケトカルボン酸エステル)が得られ、合わせて以下に
示す4種類の異なる立体異性体が生成する。
【0013】
【化4】
【0014】即ち、2R体である化合物(1)からはsy
n−2R,3S体(3)及びanti−2R,3R体(4)
が、又、2S体である化合物(2)からはanti−2S,
3S体(5)及びsyn−2S,3R体(6)がそれぞれ
生成するのであり、このようなことから、従来の一般的
方法では所望の光学活性体を優先的に得ることができな
かったのである。
【0015】しかしながら、本発明によれば、使用する
前記植物の種類を選択することにより、還元の対象とな
るエナンチオマーを選択することができるのであり、例
えば植物に前記ダイズを使用した場合は2R体である化
合物(1)を、植物に前記ゼニゴケを使用した場合は2
S体である化合物(2)を、それぞれ還元の対象とする
ことができるのである。
【0016】尚、上述のように化合物(1)と(2)と
は平衡状態にあるので、例えば化合物(1)が還元によ
り消費されても、化合物(2)のみが残ることにはなら
ず、反応系には常に化合物(1)と(2)が等量存在す
ることになる。
【0017】而して、還元の対象となるエナンチオマー
を選択することができたとしても、従来の通常の方法で
は、例えば2R体である化合物(1)からはsyn−2
R,3S体(3)及びanti−2R,3R体(4)という
ジアステレオマーの混合物が得られ、所望の光学活性体
を得ることができないのであるが、本発明によれば、還
元の対象となるエナンチオマーを選択することができる
ばかりではなく、一方のジアステレオマーを優先的に得
ることができる。
【0018】即ち、例えば植物に前記ダイズを使用した
場合、得られる還元生成物においてはsyn体が大過剰に
なっており、又、ゼニゴケを使用した場合、得られる還
元生成物においてはanti体が大過剰となっており、その
割合はそれぞれ94〜97%と非常に高いのである。
【0019】又、このように高い立体選択性を有する本
発明は、前記植物の細胞を適宜の担体に固定し、この固
定された植物細胞を利用して行ってもよく、固定化のた
めの担体としては、アルギン酸カルシウムゲル、ポリア
クリルアミドゲルなどのゲル;ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの合成繊維;ア
セテートなどのセルロース系再生繊維を原科とする目の
粗いキルト状集合体;へチマなどの天然の繊維状物集合
体などを使用することができる。
【0020】植物細胞の量は、担体を使用しない場合は
3〜30%、担体を使用する場合は担体に対して2〜3
0%が好適であり、担体を使用する場合は、少量の植物
細胞を担持させると培養中に増殖する。
【0021】還元生成物であるα−ハイドロキシ−β−
ケトカルボン酸エステルは培地中に分泌されるので、懸
濁培養の場合は濾過により植物細胞と生成物を含んだ培
地を分離し、生成物を容易に分取することができ、担体
を使用する場合は培地を入れ替えることにより極めて容
易に植物細胞と分離でき、実用的には大きな意義があ
る。
【0022】更に、同一の植物細胞を繰り返し使用する
ことができるので、前培養などが不要であり、しかも繰
り返し使用しても生産性が低下することはない。
【0023】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に詳細に説明
する。
【0024】実施例1 ダイズ(Glycine max)細胞50gをMS培地100m
l中で、基質としてα−メチル−β−ケトブタン酸エチ
ル10mgを加えて2日間培養した。培養終了後、分離
した培地から産生物をエーテルで抽出し、エーテル抽出
液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムて乾燥し
た。乾操サンプルをガスクロマトグラフで分析した結
果、α−メチル−β−ヒドロキシブタン酸エチルが得ら
れ、ジアステレオマーの割合はanti:syn=6:94で
あることが確認された。尚、生成物の収量は4mgであ
った。
【0025】実施例2 ゼニゴケ(Marchantia polymorphia)細胞10gをMS
K−II培地100ml中で7日間前培養を行った。こ
の細胞懸濁液(10mg/10ml)とアルギン酸ナト
リウム水溶液(5%W/V)10mlと均一に混合し
た。この混合液を駒込ピペットを用い50Mmol塩化
カルシウム水溶液300mlに滴下し、60分間放置し
た。その後2%グルコース水溶液で十分洗浄して、約5
00個の植物細胞を包括したゲル粒子を得た。このよう
にして得た固定化細胞をMSK−II培地400mlに
加え、基質としてα−メチル−β−ケトブタン酸エチル
を250mg添加して4日間培養した。培養終了後、分
離した培地から産生物をエーテルで抽出し、エーテル抽
出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムて乾燥
した。乾操サンプルをガスクロマトグラフで分析した結
果、α−メチル−β−ヒドロキシブタン酸エチルが得ら
れ、ジアステレオマーの割合はanti:syn=97:3で
あることが確認された。尚、生成物の収量は110mg
であった。
【0026】実施例3 実施例2で使用したアルギン酸カルシウムで国定したゼ
ニゴケ(Marchantiapolymorphia)細胞を、実施例2で
使用した培地と同じ組成の新鮮な培地に移し、実施例2
と同じ条件で培養を繰り返した。これを3回繰り返した
時の結果を図1に示す。目的物の生成量、基質の目的物
への変換率は3回とも同じであり、この固定化ゼニゴケ
細胞は繰り返し使用できることが示された。
【0027】実施例4 ポリエスエルパッド(住友スリーエム社製、カタログN
O.P−02)を2cm×2cm×1cmの大きさに切
り、煮沸滅菌をした後、300mlのフラスコにMSK
−II培地100mlとこのポリエステルパッド3個を投
入し、綿栓をしてオートクレープで処理した。これにゼ
ニゴケ(Marchantia polymorphia)細胞を10g加えて
2500ルックスの照度下で25℃、120rpmの条
件下で30日間振とう培養した。このようにして得た固
定化細胞をMSK−II培地400mlに加え、基質と
してα−メチル−β−ケトブタン酸エチルを250mg
添加して2日間培養した。培養終了後、分離した培地か
ら産生物をエーテルで抽出し、エーテル抽出液を飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムて乾燥した。乾操サ
ンプルをガスクロマトグラフで分析した結果、α−メチ
ル−β−ヒドロキシブタン酸エチルが得られ、ジアステ
レオマーの割合はanti:syn=94:6であることが確
認された。尚、産生物の収量はl00mgであった。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、植物細
胞の培養液中にα−アルキル−β−ケトカルボン酸エス
テルを添加することにより、前記植物細胞が該α−アル
キル−β−ケトカルボン酸エステルの一方のエナンチオ
マーのみを立体選択的に選択し、且つ、立体選択的に還
元するので、還元生成物であるα−アルキル−β−ヒド
ロキシカルボン酸エステルにおけるsin体とanti体の一
方を過剰に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で使用した固定化されたゼニゴケ細胞
が繰り返し使用できることを示すグラフである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物細胞の培養液中に、式 【化1】 (式中、R1及びR2は低級アルキル基を示す)で表され
    るα−アルキル−β−ケトカルボン酸エステルを添加す
    ることにより、前記植物細胞により該α−アルキル−β
    −ケトカルボン酸エステルの一方のエナンチオマーのみ
    を還元し、且つ、還元生成物であるα−アルキル−β−
    ヒドロキシカルボン酸エステルにおけるsin体とanti体
    の一方を過剰に得ることを特徴とする植物細胞による立
    体選択的なα−アルキル−β−ヒドロキシカルボン酸エ
    ステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 植物細胞が豆科の草本に由来するもので
    ある請求項1に記載の植物細胞による立体選択的なα−
    アルキル−β−ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 豆科の草本がダイズである請求項2に記
    載の植物細胞による立体選択的なα−アルキル−β−ヒ
    ドロキシカルボン酸エステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 植物細胞がゼニゴケ科の苔類に由来する
    ものである請求項1に記載の植物細胞による立体選択的
    なα−アルキル−β−ヒドロキシカルボン酸エステルの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 ゼニゴケ科の苔類がゼニゴケである請求
    項4に記載の植物細胞による立体選択的なα−アルキル
    −β−ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法。
  6. 【請求項6】 β−ヒドロキシカルボン酸エステルが、
    α−メチル−β−ヒドロキシブタン酸エチルである請求
    項1に記載の植物細胞による立体選択的なα−アルキル
    −β−ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法。
  7. 【請求項7】 植物細胞を担体に固定して行う請求項1
    に記載の植物細胞による立体選択的なα−アルキル−β
    −ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法。
  8. 【請求項8】 同一の固定された植物細胞により還元を
    連続してして行う請求項7に記載の植物細胞による立体
    選択的なα−アルキル−β−ヒドロキシカルボン酸エス
    テルの製造方法。
JP26817694A 1994-10-05 1994-10-05 植物細胞による立体選択的なα−アルキル−β−ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法 Pending JPH08103289A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999034010A1 (fr) * 1997-12-29 1999-07-08 Sanyo Shokuhin Co., Ltd. Procede pour produire des alcools optiquement actifs
WO2015194508A1 (ja) * 2014-06-17 2015-12-23 第一ファインケミカル株式会社 光学活性体の製造方法

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WO1999034010A1 (fr) * 1997-12-29 1999-07-08 Sanyo Shokuhin Co., Ltd. Procede pour produire des alcools optiquement actifs
US6218581B1 (en) 1997-12-29 2001-04-17 Sanyo Shokuhin Co., Ltd. Process of producing optically active alcohol
WO2015194508A1 (ja) * 2014-06-17 2015-12-23 第一ファインケミカル株式会社 光学活性体の製造方法

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