JPH08103292A - 抗真菌剤の評価法 - Google Patents

抗真菌剤の評価法

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JPH08103292A
JPH08103292A JP23998494A JP23998494A JPH08103292A JP H08103292 A JPH08103292 A JP H08103292A JP 23998494 A JP23998494 A JP 23998494A JP 23998494 A JP23998494 A JP 23998494A JP H08103292 A JPH08103292 A JP H08103292A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 動物の足の裏に真菌を植え付けた後、被検体
を投与し、しかる後に足の裏の皮膚を細切し、得られた
切片毎に培養して足の裏の皮膚各部位における真菌数の
分布を定量する足皮膚に対する抗真菌剤の評価法。 【効果】 足の裏の部位毎に、正確かつ詳細に抗真菌剤
の薬効が評価できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は足皮膚に対する抗真菌剤
の評価法に関し、更に詳しくは足の皮膚に於ける真菌数
の分布を正確に測定することによる抗真菌剤の評価法に
関する。
【0002】
【従来の技術】本邦に於ける表在性真菌症患者は120
0から1800万人と試算されている。患者が多い原因
は生活環境、生活形態、生活習慣に起因すると考えられ
る真菌の伝播力の強さと、繰り返し感染蔓延する根治の
困難さ等が考えられる。これは、かかる真菌症の病の部
位が皮膚とりわけ足の裏の皮膚であるため、薬剤の効き
方が一様ではなく、従って治癒したように思えても病原
菌が完全に駆逐されておらず、やがて再発を招いてしま
うことが多いためである。又、足の部位によって薬剤の
効き方が異なるため、効かない部位に薬剤を投与しても
得られる抗真菌効果は少ない。従って、罹患部位によっ
てその部位に適応した薬剤を使用する事が必要である
が、薬剤の部位による効き方の違いを評価する方法は知
られていなかった。
【0003】従来、抗真菌剤の評価はイン・ビトロでの
抗真菌作用をコロニー形成を指標に評価する方法とイン
・ビボに於いて、感染動物に抗真菌剤を塗布し、皮膚を
採取し裁断し複数の小断片を取り出し、これを培地中に
植え、これより真菌の生えてきた断片数を計数し、全断
片数で除した値を指標として用いて評価していた。しか
しながら、イン・ビトロの評価では抗真菌剤の評価では
最も重要な薬物動態を考慮することが出来ず、従来のイ
ン・ビボの方法では数値が1を切片数で除した値の倍数
にしかならず、従って不連続であり、更に、少量しか生
えてこない断片も、多量に生えた断片も同じ扱いになっ
てしまい、加えて偶然性の要素が強すぎることも否定で
きず、従って、偶然的に得た皮膚片に於ける真菌の有無
は判定できても、正しい定量はできず、正しい、部位差
を考慮した評価は出来なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は足の
皮膚内の真菌の生存分布を定量的に測定し、実状に合わ
せた抗真菌剤の評価を行う方法を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記実状を踏まえ、本発
明者らは真菌の定量手段を求めて鋭意研究を重ねた結
果、実験動物の足の裏の皮膚を感染させた後、抗真菌剤
で処理し、足の皮膚を各部位毎に切り出し、切り出した
部位毎の真菌数を定量する事により、抗真菌剤の足の各
部位に於ける作用の仕方を的確に知り、評価できること
を見いだし発明を完成するに至った。
【0006】従って、本発明は、動物の足の裏に真菌を
植え付けた後、被検体を投与し、しかる後に足の裏の皮
膚を細切し、得られた切片毎に培養して足の裏の皮膚各
部位における真菌数の分布を定量することを特徴とする
足皮膚に対する抗真菌剤の評価法を提供するものであ
る。
【0007】本発明において、抗真菌剤という語は、
1)抗真菌作用を有する化合物、2)1)の化合物を含
む組成物の両者を意味し、組成物には人為的な組成物で
ある剤形と天然抽出物などの人為的でない組成物とが含
まれる。
【0008】ここで、本発明の抗真菌作用の評価法の対
象となる真菌は、表在性真菌症原因菌であるが、これを
具体的に例示するならば、トリコフィトン属(Trichoph
yton)、ミクロスポーラム属(Microsporum)、エピデ
ルモフィトン属(Epidermophyton)等の不完全糸状菌や
キャンディダ属(Candida)、マラセチア属(Malassezi
a)の不完全酵母、及びこれらの変異株が挙げられる。
この様な変異株としては、自然に薬物に対して耐性を獲
得した耐性株、栄養依存性を有するようになった栄養依
存性変異株、遺伝子導入などを行い人為的に変異させた
人工変異株等が例示できる。
【0009】本発明方法に用いられる動物としては、哺
乳類、例えばラット、モルモット、ウサギ、マウス、ブ
タ等が挙げられる。これらの動物の足の裏への真菌の移
植方法としては、真菌を皮膚上に塗布する方法、真皮を
露出させて当該真皮上に塗布する方法、クローズドパッ
チ法、皮内注射法等が挙げられるが、再現性の点よりク
ローズドパッチ法が好ましい。ここで真菌の移植は足の
裏全体に行うのが望ましい。
【0010】被検体の投与は、被検体の種類によって異
なり、経皮投与、経口投与、静脈内投与等が挙げられる
が、経皮投与が好ましい。経皮投与の場合、真菌を移植
した部位全てに塗布するのが望ましい。
【0011】本発明における、足の裏の皮膚の切り出し
方は、皮膚の機能を反映した切り出し方であれば特に限
定はされず、足に対して縦に線状に切っても良いし、横
に線状に切っても良いし、縦横格子状に切っても良い。
例えば、横に線状に切り出した後、部位毎にグループ分
けし(図1参照)、その各グループ内の皮膚を更に小切
片にして培養に供するのが好ましい。かかる小切片は、
例えば1切片あたり1×1〜20×20mmに切断すれば
よい。この小切片は、真菌以外の細菌を除去する目的で
塩化ベンザルコニウム、ヒビテングルコネート等の殺菌
剤溶液で洗浄するのが好ましい。
【0012】得られた切片の培養に用いる培地として
は、通常培養や菌分離等に用いているものであれば特に
限定はなく、例えば、サブロー培地、改変サブロー培
地、ツァペック寒天培地等が例示できる。
【0013】培養は、10〜40℃、好ましくは20〜
40℃でコロニーが生育するのに充分な時間、例えば1
〜20日間静置培養すればよい。
【0014】次に培養により培地上に生育したコロニー
を測定することにより足の裏の皮膚の各部位における真
菌数の分布を定量する。コロニーの測定は、コロニー数
の測定を行っても良いし、染色強度の測定を行っても良
い。また、それらを吸光度などで二次的に測定しても良
い。或いは、ビデオカメラ等を用いて菌糸の成長速度を
モニターしても良い。更には、コロニーの大きさを測定
しその数値を用いることも可能である。これらの内で、
手軽で、最も好ましいのは、コロニーの大きさを計るこ
とであり、コロニーの大きさの測定は、長径(l)及び
短径(s)を計測し、その積(l×s)を求めて、コン
トロールと対比するのが簡便で好ましい。
【0015】真菌数の定量は、上記の如くして測定した
コロニーの大きさ等を、別個に作成された検量線と対比
して行うことができる。この検量線はコロニーの大きさ
等と真菌数との間の相関性を示す検量線であり、例えば
所定の菌数の真菌を前記と同一の条件で培養し、生育し
たコロニーの大きさ等を測定することにより作成でき
る。ここで菌数の計測法としては、菌体全体をニュート
ラルレッドの様な染色剤で染色し、その着色度により菌
数を計量しても良いし、同位体などでマークした栄養素
の代謝を放射活性より定量して菌数を測定しても良い。
最も好適な菌数の計数方法は、菌体と分生子を分離し、
血球計数板等で分生子を計数しこれを菌数のコントロー
ルとすることである。この方法によれば、極めて簡易に
再現性良く菌数のコントロールを作ることができる。こ
こで用いるコントロール真菌は、標準株でも臨床分離株
でも良い。
【0016】各切片毎の真菌数から、足の裏の各部位に
おける真菌の分布、すなわち抗真菌剤の効果を各部位毎
に評価できる。
【0017】また、本発明において被検体として、組成
物を用いた場合には、その組成物としての評価(例え
ば、基剤の評価、剤形の評価など)ができる。
【0018】
【実施例】以下に実施例を挙げて更に詳しく本発明につ
いて説明するが、本発明がこれら実施例に何等限定され
ないことは言うまでもない。
【0019】実施例1 トリコフィトンTIMM2789株を改変1/10サブ
ロ−寒天培地(ペプトン0.2%グルコース0.1%、
燐酸2水素カリウム 0.1%、硫酸マグネシウム0.
1%、寒天1.5%)に接種し27℃で斜面培養した。
2週間後斜面部を0.1%(w/v)ツィーン80添加
滅菌生理食塩水で覆い、振盪により分生子を遊離させ
た。菌糸塊を滅菌ガ−ゼで除去後、分生子浮遊液中の分
生子数を血球計算盤で算定し、1×108 分生子/mlの
濃度に調整し、接種菌液とした。藤田法の変法である内
田らの方法によりモルモットを感染させた。即ち、まず
酒精綿でモルモット左右後肢をよく拭き、ガーゼ付き絆
創膏(バンドエイド ジョンソン&ジョンソン製)のリ
ント綿部分に上記接種液100μlを染み込ませ、同じ
絆創膏をモルモット左右後肢プランター部分に縦にあて
がい、爪とアキレス健の2カ所で粘着させ、ガムテープ
を準備し、バンドエイドを装着した後肢外側を覆い、サ
ージカルテープを縦に2分し、このテープでガムテープ
の上部でモルモット後肢を縛り、固定した。) 3日後、
ハサミでテープを切取り、絆創膏を除去し、足を露出さ
せた。感染開始14日目に病巣を形成しているのを確認
した上で動物を群分けした。感染開始15日目より28
日間1%ブテナフィン含有親水軟膏(Drug−A)、
1%ビフォナゾール含有ワセリン(Drug−B)、及
びベヒクルで処理し、感染後44日めに動物を屠殺し、
足全体を酒精綿で3回拭いた後、足底部の皮膚をカカト
から入刀し指付け根部分まで切り取り、各組織を1%消毒
剤中で超音波洗浄のあと滅菌水で3回洗浄後、図1に示
す実線の如くに、指付け根からカカトにかけ水平にほぼ
等間隔に10個の小片に刻んだ。付け根部分の小切片を
No.1、以下切片順にナンバリングし、カカト部分を
No.10とした。次に、それぞれの小片をシクロヘキ
シミド500μg/ml、クロラムフェニコール100μ
g/ml、シソマイシン50μg/mlを含むサブロー培地
平板にのせ、27℃で培養した。培養した組織切片は、
10日後白癬菌集落が発育したものを陽性とし、薬効を
判定し評価した。また同時にコロニーの大きさも長径×
短径で測定した。これらとは別途感染実験で用いたのと
同じ菌株を希釈し、10倍希釈列を作成した後、菌液を
上記寒天平板に乗せ培養した。培養開始10日目に長径
(l)と短径(s)を測り、掛け合わせた値も測定し検
量線を引きこの検量線より、上記の動物実験より得られ
たコロニーの大きさから皮膚片に生存していた菌数を定
量した。生存菌数の部位分布を図2に示す。この図よ
り、抗真菌剤により生存菌数の部位分布が異なること、
及び、抗真菌剤が足の皮膚に対してどの様な効き方をす
るのかが明白に理解できる。従って、本発明の評価法に
よれば、真菌の治療後の生存の仕方、抗真菌剤を作用さ
せた場合の特性などが的確に評価できる。更にこの方法
を応用すれば、病巣の位置によって用いる抗真菌剤を変
えたり、ある抗真菌作用のある物質の、適用部位に適応
した剤形を探索したりすることも可能である。又2種以
上の抗真菌作用を有する物質の組み合わせの効果も明確
にすることができる。
【0020】
【発明の効果】本発明方法によれば、足の裏の部位毎
に、正確かつ詳細に抗真菌剤の薬効が評価できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】足の裏の皮膚を細切した例を示す図である。
【図2】足の裏を細切した部位毎の真菌数の分布を示す
図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物の足の裏に真菌を植え付けた後、被
    検体を投与し、しかる後に足の裏の皮膚を細切し、得ら
    れた切片毎に培養して足の裏の皮膚各部位における真菌
    数の分布を定量することを特徴とする足皮膚に対する抗
    真菌剤の評価法。
  2. 【請求項2】 真菌数の分布の定量が、切片毎に培養し
    た後、当該培地上に生育したコロニーの大きさを測定し
    て足の裏の皮膚各部位における真菌数の分布を定量する
    ものである請求項1記載の評価法。
  3. 【請求項3】 真菌数の分布の定量が、切片毎に培養し
    た後、当該培地上に生育したコロニーの大きさを測定
    し、得られたコロニーの大きさを別個に作成された検量
    線と対比して足の裏の皮膚各部位における真菌数の分布
    を定量するものである請求項1記載の評価法。
  4. 【請求項4】 真菌の一部が胞子又は気中菌糸である請
    求項1〜3のいずれかの項記載の評価法。
  5. 【請求項5】 真菌がトリコフィトン属又はエピデルモ
    フィトン属から選ばれる1種または2種以上である請求
    項1〜4のいずれかの項記載の評価法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007327964A (ja) * 2000-05-11 2007-12-20 Genome Soyaku Kenkyusho:Kk 獲得免疫機構を有する生物に感染する病原微生物に対し抗菌活性を有する化合物を自然免疫機構のみを有する生物を利用してスクリーニングする方法、および該抗菌活性を自然免疫機構のみを有する生物を利用して評価する方法
JP2010133975A (ja) * 2000-05-11 2010-06-17 Genome Soyaku Kenkyusho:Kk 獲得免疫機構を有する生物に感染する病原微生物に対し抗菌活性を有する化合物を自然免疫機構のみを有する昆虫類の幼虫を利用してスクリーニングする方法、および該抗菌活性を自然免疫機構のみを有する昆虫類の幼虫を利用して評価する方法

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