JPH0810671B2 - 化合物半導体層 - Google Patents

化合物半導体層

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JPH0810671B2 JP11900687A JP11900687A JPH0810671B2 JP H0810671 B2 JPH0810671 B2 JP H0810671B2 JP 11900687 A JP11900687 A JP 11900687A JP 11900687 A JP11900687 A JP 11900687A JP H0810671 B2 JPH0810671 B2 JP H0810671B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、結晶性基板の上に化合物半導体をエピタキ
シャル成長させ、そのエピタキシャル成長層を電子素子
あるいは光学素子として用いる化合物半導体層に関し、
特に転位等の結晶欠陥の少ない高品質の化合物半導体層
に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、エピタキシャル成長技術は、主に半導体素子製
造において実用化されてきたことは周知の事実である。
化合物半導体結晶はその特性を活かし、超高周波発振素
子、高速論理演算素子あるいは半導体レーザ等の素子用
材料として広く用いられようとしている。しかし、結晶
の完全性という観点から見ると、ほとんど無転位化が達
成されているSiにはるかに及ばないのが現状である。最
も代表的な化合物半導体であるGaAs結晶を例にとると、
比較的転位の少ない結晶が得られる水平型ブリッジマン
法によっても103/cm2台の転移位密度が一般的であり、
引上げ法では104〜106/cm2の高密度となる。
ところで、近年、分子線エピタキシャル法や有機金属
を用いた気相成長法は、極薄層のエピタキシャル成長や
多成分化合物の成長が可能なことから、前記エピタキシ
ャル成長層を利用した素子実現に不可欠な手段とされて
いる。これらの方法により基板結晶上にホモエピタキシ
ャル成長させた場合、基板転位のほとんどがエピタキシ
ャル成長層中に貫通する。
例えば文献(篠原他,応用物理誌58(1985)3449、M.
Shinohara,T.Ito,Y.Imamura:J.Appl.Phys.58(1985)34
49)に記載れているように、分子線エピタキシャル法に
よりGaAs基板上にホモエピタキシャル成長した場合、基
板転位の90%がエピタキシャル成長層中に伝播する結果
が示されている。したがって、エピタキシャル成長層中
には基板結晶と同様に高密度の転位が存在する。
基板からエピタキシャル成長層への転位の伝播を抑制
する従来の方法においては、第8図に示すように、基板
結晶1上に格子定数が互いに大きく違う異種材料2と3
を積層した超格子スペーサ層4を成長した後、所望の結
晶5を成長した構造としていた。これは、格子定数差の
大きいことから、異種材料の格子定数の小さい側の結晶
に引張応力が働き、格子定数の大きい側の結晶に圧縮応
力が働くことを利用するものであり、両結晶境界面に作
用する力学的作用により基板転位6を界面で成長方向と
直角方向に曲げて試料端面に抜けさせる効果を用いたも
のであり、マシューズ(Matthews)等の理論(マシュー
ズ他,結晶成長誌,27(1974)118、J.W.Matthews and
A.E.Blakeslee,J.Crystal Growth,27(1974)118)に基
づいていた。そして、この場合、基板転位が結晶2と3
の界面で曲げられる条件は、結晶2と3の膜厚,格子定
数差等に依存していた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記マシューズ(Matthews)等の理論によれば、基板
転位が界面で曲げられる条件と第8図に示すように界面
にミスフィット転位7が入る条件とはほぼ等しくなる。
つまり、基板転位の貫通を防ぐ条件下では、高密度のミ
スフィット転位の発生は避けられない状況となってい
た。この場合、ミスフィット転位の中に再びエピタキシ
ャル成長層5中に貫通する転位が存在する問題があり、
ミスフィット転位の密度如何によってはエピタキシャル
成長層5中の転位密度が基板の転位密度よりも増加する
こともある。これは例えば文献(篠原他,日本応用物理
誌,24(1985)L818、M.Shinohara,T.Ito,K.Yamada,Y.Im
amura:Jpn.J.Appl.Phys.24(1985)L818)に記載されて
いる。また、結晶2,3の材料組成および膜厚制御が困難
であり、エピタキシャル成長層5と超格子スペーサ層4
との界面に高密度のミスフィット転位が発生することも
容易に起こり、エピタキシャル成長層5の品質劣化を招
く問題がある。
この他、第8図と同様の構造において基板結晶と格子
定数差の小さい材料を用いることにより(具体的には基
板結晶1と結晶3がGaAs、2がAlAs)、ミスフィット転
位を発生させずに基板からの転位の伝播を制御する方法
が報告されている。しかし、超格子スペーサ層4内の歪
が小さいために基板転位の伝播を完全には阻止できな
い。
なお、第8図においては、エピタキシャル成長層5と
結晶3とが接合するとしたが、エピタキシャル成長層5
と結晶2とが接合しても同様の結果となる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、ミスフィット転位を発生させ
ることなく、基板に含まれる転位がエピタキシャル成長
層中に伝播するのを完全に抑止しできる化合物半導体層
を得ることにある。
〔問題点を解決するための手段〕
このような目的を達成するために本発明は、第1の結
晶からなる薄層と第2の結晶からなる薄層とを順次交互
に積層せしめた積層構造の超格子スペーサ層を有する化
合物半導体層において、第1の結晶と第2の結晶の相対
関係における伝導帯エネルギー下端と価電子帯エネルギ
ー上端との少なくともいずれか一方が不連続であり、伝
導帯エネルギー下端が相対的に高い結晶からなる薄層に
n型の伝導を示す不純物をドーピングしたものか又は価
電子帯エネルギー上端が相対的に低い結晶からなる薄層
にp型の伝導を示す不純物をドーピングしたものである
ようにしたものである。
〔作用〕
本発明による化合物半導体層においては、ミスフィッ
ト転位を発生させることなく基板転位の伝播が抑止され
る。
〔実施例〕
本発明による化合物半導体層は次のような特徴を有す
る。
分子線エピタキシャル成長法または有機金属を用い
た気相成長法において、基板結晶の転位がエピタキシャ
ル成長層に伝播するのを抑制するために、基板結晶とエ
ピタキシャル成長層との間にいずれの界面にもミスフィ
ット転位を発生させずに挿入されたスペーサ層を有す
る。
スペーサ層は互いに不連続な伝導帯エネルギーある
いは価電子帯エネルギーを有する2種の結晶を堆積した
超格子層から成る。
伝導帯エネルギー下端の高い側の結晶にn型の不純
物をドーピングするか、または価電子帯エネルギー上端
の低い側の結晶にp型の不純物をドーピングした。
従来の基板転位の伝播を抑制する技術は、ヘテロエピ
タキシャル層内に蓄えられた応力により基板転位を成長
方向と直角方向に曲げることを利用したものであり、転
位に働く力学的作用に基づいたものである。一方、本発
明による化合物半導体層においては、転位の電気的性質
に着目し、ヘテロエピタキシャル層内に変調ドーピング
することにより、正と負の電荷をヘテロエピタキシャル
層界面を境にして空間的に分離し、それによって引き起
こされる電気的作用により転位をヘテロエピタキシャル
層界面で曲げることを利用した点で従来技術と異なる。
第1図は本発明に係わる化合物半導体層の一実施例を
示す構成図であり、代表的な化合物半導体であるGaAsを
エピタキシャル成長した場合を示す。1は引上げ法で成
長させたGaAs単結晶より作製された基板、8は100Å厚
のアンドープGaAs層、9はn型の導電性を示す不純物と
してSiを5×1017/cm3ドーピングした100Å厚のAlAs
層、4aは層8,9の繰返し成長によって形成した超格子ス
ペーサ層、5は超格子スペーサ層4の上に成長させた2
μm厚のGaAsエピタキシャル成長層である。この例にお
ける基板の転位密度は105/cm2以下である。
第2図は、第1図の超格子スペーサ層4のGaAsとSiド
ープのAlAs2周期分を取り出し、そのエネルギーバンド
を表わしたものであり、基板転位がGaAsとAlAsの界面で
折れ曲がり、エピタキシャル成長方向に伝播しない機構
を理論的に推定して説明するための図である。第2図に
おいて、1a,1bはGaAs層、2a,2bはAlAs層、10は伝導帯エ
ネルギー下端、11は価電子帯エネルギー上端である。
上記のような構造において、AlAsにドーピングしたSi
は活性化し、電子は伝導帯エネルギーの低いGaAs側にた
まる。その結果、AlAs側には正の電荷を有する活性化し
たドナー不純物が残り、GaAs側には負の電荷を有する電
子がたまるため、第2図に示すように、AlAs−GaAs界面
を境にして正と負の電荷が分離して存在する構造とな
る。
III−V族化合物半導体であるGaAs結晶に存在する転
位には、余分な原子面の端にIII族のGa原子が1列に並
ぶα転位と呼ばれるものと、V族のAs原子が並ぶβ転位
と呼ばれるものとの2種類の60度転位がある。α転位は
電気的にドナーとして、一方のβ転位はアクセプタとし
て働く。そして、転位の電子状態はダングリングボンド
との関係から説明でき、ドナーは電子を有した状態で中
性、電子を放出した状態で正(+)の電荷をもつ。ま
た、アクセプタは正孔を有した状態で中性、正孔を放出
した状態で負(−)の電荷をもつことがしられている
(例えば、応用物理46巻6月号,1977年,631頁,中田他
「GaAs中の転位の電気的性質」)。なお、通常の650℃
〜800℃の成長温度領域では、フェルミレベルが伝導帯
と価電子帯の中心に近づくため、転位は電気的に活性化
している。
このことを考えると、第1図の実施例の機構を説明す
るための第2図においては、転位が図面の左側(これを
基板側とする)から右側(これをエピタキシャル成長層
側とする)に伝播する場合を考えると、α転位はGaAs層
1a,1bから引力、AlAs層2a,2bから反発力を受けることが
導出される。一方、ヘテロ界面は電気的観点から見ても
電界集中が生じており、応力集中と同様に転位の伝播方
向を界面に沿った方向に変更することが可能である。
したがって、α転位はGaAs層からAlAs層に伝播する
時、例えばGaAs層1aからAlAs層2bに伝播する時、GaAs層
laとAlAs層2bの界面で成長方向と直角方向に曲げられ、
エピタキシャル成長層へは伝播しない。同様にβ転位は
AlAs層から引力、GaAs層から反発力を受けるため、AlAs
2bからGaAs層1bに伝播する時、AlAs層2bとGaAs層1bの界
面で成長方向と直角方向に曲げられ、エピタキシャル成
長層中へは伝播しない。
以上の結果、GaAs結晶に存在する転位はGaAs−AlAs界
面で曲げられ、エピタキシャル成長層へは伝播しない。
第3図,第4図は本発明による化合物半導体層の効果
を示す結晶欠陥の写真である。第3図は、第1図で示し
た構造のエピタキシャル成長層5の表面にチタニウムの
ショットキー障壁を形成させた後、走査型電子顕微鏡を
用いた電子線誘起電流法によりエピタキシャル成長層中
の転位を観察したものであり、第4図は第3図と同じ場
所での基板転位を溶融KOHエッチング法により観察した
ものである。第4図に示す基板転位密度は約1.5×105
cm2であるのに対し、第3図に示すエピタキシャル成長
層中の転位密度はゼロである。つまり、基板からエピタ
キシャル成長層に伝播する転位を完全に防止でき、無転
位のエピタキシャル層の成長が可能であることがこの例
によって示される。
本願発明者等は、超格子スペーサ層中の転位方向を透
過型電子顕微鏡により直接観察し、前述したような構造
により転位がヘテロ界面と平行に走っていることを実測
した。具体的には、第1図に示すように、基板上に2000
Å〜3000Åの超格子スペーサ層4を第2図に示すエネル
ギーバンド構造を満足するように形成した上にGaAs膜を
2μmエピタキシャル成長させた。次に、このようにし
た得た試料をエピタキシャルGaAs膜と基板のGaAsをエッ
チングにより除去し、透過型電子顕微鏡により主面斜め
上方より観察した。第7図はその観察結果を示す結晶欠
陥の写真である。第7図中の黒い線が転位線を示し、ヘ
テロ界面と平行な面内に転位線が走っていることがわか
る。同図中の矢印12は結晶方向〈110〉の方向を示す。
一方、前述のように、エピタキシャルGaAs膜中に転位が
存在(貫通)していないことは電子線誘起電流法により
観察し明らかとなっているので、転位線は超格子スペー
サ層のヘテロ界面で折れ曲がり、この結果、上層のエピ
タキシャル成長層に達していないことが予測される。
第5図,第6図は、第1図において不純物をドーピン
グしない場合、すなわち電荷による電気的効果のない場
合での基板転位のエピタキシャル成長層への伝播状況を
調べた例である。これは従来行なわれた技術に相当す
る。第5図はエピタキシャル成長層中の転位を第3図と
同様の方法で観察した結果を示す結晶欠陥の写真、第6
図は基板転位を第4図と同様の方法で観察した結果を示
す結晶欠陥の写真である。第5図において見える黒い点
が1本の転位に相当する。この場合、基板の転位の約40
%がエピタキシャル成長層中へ伝播していることが分か
る。
このように本発明による化合物半導体層は従来の化合
物半導体層よりはるかに優れていること、すなわち効果
に顕著性があることが立証された。従来、エピタキシャ
ル成長層中に存在する転位はレーザ寿命の劣化の原因と
なることが分かっている。また、電界効果トランジスタ
(FET)を転位の存在する基板を用いて作ると、転位近
傍のFETの動作電圧(しきい値電圧)は転位のない個所
の特性と異なることが報告されている。従って、本発明
による化合物半導体層を用いれば、レーザ長寿命化ある
いはFET素子特性の均一化に有効である。特に、FET素子
特性の均一化は素子を集積回路として用いるためには必
須の要件であるため、本発明の特徴が活かされる。
本実施例では、第1図のAlAs層にSiをドーピングした
例を示したが、AlAs層にp型のBeをドーピングした場合
でも全く同様の効果が実験的に得られた。ただし、この
場合、第2図においてAlAs層2a,2b側にイオン化したア
クセプタ(負の電荷)が存在し、GaAs層1a,1b側に正の
電荷がたまる。従って、α転位,β電位の折れ曲がる界
面が、前述したn型ドーピングを用いた場合と逆になる
が、電気的に転位を界面で曲げる効果には差はない。
また本実施例では、GaAsを基板にGaAs−n型AlAs超格
子を超格子スペーサ層に用いた例を示したが、他の材料
系においても、第2図に示すように、不連続な伝播帯エ
ネルギー下端あるいは価電子エネルギー上端を有する組
合せを用い、n型あるいはp型ドーパントをドーピング
することにより、同様の効果が期待されることは言うま
でもない。
さらに本実施例では、エピタキシャル成長層5とGaAs
層8が接合する構成としたが、エピタキシャル成長層5
とAlAs層9とが接合する構成としてもその効果に変わり
はない。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明は、第1の結晶からなる薄
層と第2の結晶からなる薄層とを順次交互に積層せしめ
た積層構造の超格子スペーサ層の第1の結晶と第2の結
晶の相対関係における伝導帯エネルギー下端と価電子帯
エネルギー上端との少なくともいずれか一方を不連続と
し、伝導帯エネルギー下端を相対的に高い結晶からなる
薄層にn型の伝導を示す不純物をドーピングしたものと
するか又は価電子帯エネルギー上端を相対的に低い結晶
からなる薄層にp型の伝導を示す不純物をドーピングし
たものとすることにより、高転位密度の基板を用いてエ
ピタキシャル成長を行なった場合でもミスフィット転位
を発生させることなしに基板転位の伝播を抑止できるた
め、超格子スペーサ層の上層に転位の存在しないエピタ
キシャル成長層を得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係わる化合物半導体層の一実施例を示
す構成図、第2図は第1図の化合物半導体層を構成する
超格子スペーサ層の機構を示す機構図、第3図および第
4図は第1図の化合物半導体層におけるエピタキシャル
成長層および基板の転位密度を示す結晶欠陥の写真、第
5図および第6図は不純物のドーピング無しの場合に基
板転位がエピタキシャル成長層へ伝播する状況を示す結
晶欠陥の写真、第7図は第1図の化合物半導体層におけ
る転位線の折れ曲がりを示す結晶欠陥の写真、第8図は
従来の化合物半導体層を示す構成図である。 1……GaAs基板、4a……超格子スペーサ層、5……エピ
タキシャル成長層、6a,6b……基板転位、8……GaAs
層、9……SiドーピングAlAs層。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化合物半導体基板とエピタキシャル成長層
    と超格子スペーサ層とから成り、前記超格子スペーサ層
    を前記化合物半導体基板とエピタキシャル成長層との間
    に介在させ、前記超格子スペーサ層は第1の結晶からな
    る薄層と第2の結晶からなる薄層とを順次交互に積層せ
    しめた積層構造から成る化合物半導体層において、第1
    の結晶と第2の結晶の相対関係における伝導帯エネルギ
    ー下端と価電子帯エネルギー上端との少なくともいずれ
    か一方が不連続であり、伝導帯エネルギー下端が相対的
    に高い結晶からなる薄層にn型の伝導を示す不純物をド
    ーピングしたものか又は価電子帯エネルギー上端が相対
    的に低い結晶からなる薄層にp型の伝導を示す不純物を
    ドーピングしたものであることを特徴とする化合物半導
    体層。
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