JPH08108069A - 幹細胞分離方法 - Google Patents

幹細胞分離方法

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JPH08108069A
JPH08108069A JP6243778A JP24377894A JPH08108069A JP H08108069 A JPH08108069 A JP H08108069A JP 6243778 A JP6243778 A JP 6243778A JP 24377894 A JP24377894 A JP 24377894A JP H08108069 A JPH08108069 A JP H08108069A
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cells
antibody
separating
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stem
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JP6243778A
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Hideyuki Yokota
英之 横田
Masahiro Seko
正弘 世古
Kazunori Inamori
和紀 稲森
Masakazu Tanaka
昌和 田中
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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    • G01N33/569Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for microorganisms, e.g. protozoa, bacteria, viruses
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 目的細胞を効率よく、高速で分離することが
可能で、かつ得られる目的細胞の純度も高く、分離した
細胞の機能低下を招くことがなく、使用後の再生も可能
な細胞分離方法を提供するものである。 【構成】 繊維で構成された不織布にカルボキシル基お
よび親水性鎖を導入した担体に、幹細胞の膜表面の抗原
に対する抗体を固定化した幹細胞分離吸着材を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、骨髄液または末梢血か
ら幹細胞を選択的に分離する方法に関するものである。
より詳細にはカルボキシル基および親水性鎖が導入され
た不織布型担体に幹細胞の膜表面の抗原に対する抗体を
固定化した幹細胞分離材を用いることを特徴とする幹細
胞分離方法に関する。
【0002】造血器悪性腫瘍や各種固形癌に対する大量
化学療法は造血機能をも奪ってしまうが、近年この造血
機能回復のために末梢血幹細胞の自家移植を行う療法が
精力的に研究され、その技術は大きく進歩しつつある。
末梢血幹細胞自家移植には末梢血中有核細胞のわずか
0.01%にすぎない幹細胞を効率的に捕集することが
肝要である。本発明の幹細胞分離方法を利用することに
よって効率よく幹細胞の分離・濃縮が可能となり、これ
を患者に返還することにより低下した造血機能の回復を
図ることができる。そのため、大量化学療法や放射線療
法が可能となり、癌患者の救命率向上を実現することが
できる。
【0003】
【従来の技術】現在利用されている幹細胞分離方法に
は、 (1)遠心分離法 (2)所望の細胞以外の細胞を死滅させる方法 (3)蛍光抗体標識細胞分離法(以下FACSと略記す
る。) (4)磁気ビーズによる分離方法 (5)免疫吸着による方法 などが挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】(1)の遠心分離法は
細胞の大きさおよび比重の違いによって分離する方法で
あり、白血球、赤血球、血小板のように物理的性質に大
きな相違が有る場合には可能であるが、幹細胞と他の有
核細胞のように比重の差が小さい場合には、幹細胞のみ
を効率よく分離するのは非常に困難である。
【0005】(2)に挙げた目的の細胞以外の細胞を死
滅させる方法は種々の手法が検討され開発されたが、実
際にこの方法を利用するのは、移植に先立ち自家骨髄中
に存在する癌細胞を死滅させるために薬剤やモノクロー
ナル抗体を用いる程度に限定される。この場合の薬剤は
一般的に4−ヒドロパーオキシシクロホスファミドが使
用されるが、この薬剤によって正常な骨髄細胞まで損傷
を受けることが明らかになってきている。また、癌細胞
やT細胞に反応する抗体が所望細胞以外の細胞を死滅さ
せるために用いられてきたが、この場合においてはこれ
らの抗体単独では細胞を死滅させることができないため
に他の薬剤(補体やトキシン)と組み合わせて使用する
必要がある。しかし、抗体と癌細胞の反応性は変化しや
すいため、完全に癌細胞を死滅させることができないこ
とが多い。さらに、抗体と一緒に使用しなければならな
い補体やトキシンは正常細胞に対しても副作用を及ぼす
ため、目的とする細胞をも損傷する。
【0006】(3)のFACSとは以下の方法によって
目的細胞を捕集する方法である。まず細胞混合液を、目
的細胞の膜抗原を認識する蛍光標識したモノクローナル
抗体とインキュベートした後、レーザー光を照射する。
抗体が結合した細胞のみがレーザー光照射によって蛍光
を発することを利用して、蛍光抗体結合細胞を分離す
る。このFACS法は実験室レベルの研究のために少量
の細胞を分離するのには効果的な方法であるが、100
0万個/時間の細胞処理が限界であるため、治療に要す
る大量の細胞を分離するためには時間的に不適当であ
る。例えば、FACS装置を用いて有核細胞を1000
万〜2000万個含有する15〜20mlの血液を処理
するのには数時間が必要であり、一般的に移植に必要と
される10億〜20億個の幹細胞を分離するためには数
週間を要する。また、FACS装置は非常に高価であ
り、装置を使用するのに高度な熟練した技術を必要とす
るのと同時に、メインテナンスに費用がかかる等の欠点
を有する。
【0007】(4)の磁気ビーズ法では、初めに細胞混
合液を、抗体を結合した磁気ビーズとインキュベートす
ることにより、目的細胞を磁気ビーズと結合させる。そ
の後、磁気装置を用いて磁気ビーズと結合した細胞を分
離する。この技術は患者の骨髄液から癌細胞を除去して
臨床に用いるために応用されている。しかしながら、磁
気ビーズと目的細胞を効率よく結合させるためには長時
間のインキュベーションが必要であり、そのため目的以
外の細胞の非特異吸着が生じ、目的細胞の純度低下を招
いてしまう。また、小さな磁気ビーズに吸着された目的
細胞を回収するのは非常に困難であるという欠点を有す
る。
【0008】(5)の免疫吸着による方法は、さらにい
くつかに細かく分類することができる。PCT公開N
o.WO87/04628に開示されている方法はいわ
ゆるパニング法と呼ばれる方法であるが、この特許には
2種類の幹細胞分離法が記載されている。第1の方法
は、幹細胞の膜表面の抗原に対するモノクローナル抗体
を直接分離装置表面に固定化して用いる方法であり、細
胞分離は担体または装置に固定化されたモノクローナル
抗体に対して、抗原陽性細胞が直接結合することで行わ
れる。第2の方法は、まず細胞混合液を幹細胞の膜抗原
に対して結合するモノクローナル抗体とインキュベート
し、続いてこの抗体と結合する抗イミュノグロブリン抗
体のようなリガンドを固定化した細胞分離装置で処理す
る方法である。これらのパニング法では、細胞分離は抗
体を固定化したプラスティック皿上で行われる。この方
法は以下のような手順で行われる。まず細胞混合液を、
抗体を固定化したプラスティック皿上に注ぎ、抗体と目
的細胞膜の抗原とを結合させるためにインキュベートす
る。インキュベートした後、プラスティック皿を洗浄し
て結合していない細胞を除去し、分離を行う。このよう
にパニング法の操作は非常に簡便であるが、いくつかの
致命的な欠点を持っている。抗体と抗原の結合が弱いた
め、細胞と抗体の効果的な結合を生じさせるには細胞を
プラスティック皿上で長時間インキュベートする必要が
ある。このため目的以外の細胞が非特異的に吸着され、
目的細胞の純度が低下してしまう。さらに、抗体と細胞
の結合が弱いため、大量の抗体をプラスティック皿上に
固定化する必要が生じ、結果として装置が非常に高価な
ものとなってしまう。そのうえ、赤血球の非特異的な吸
着を防止するために、この方法では細胞混合液から赤血
球を除去して用いなければならない。
【0009】免疫吸着カラムを用いる方法も一般に知ら
れている。これは、目的細胞の膜抗原に対する抗体等の
リガンドをビーズ表面に固定化し、これをカラムに充填
して細胞分離を行うものである。この場合もパニング法
や磁気ビーズ法と同様に細胞膜抗原と抗体の結合力が弱
いため、細胞をビーズ表面の抗体に結合させるにはイン
キュベーションが必要となる。そのため目的以外の細胞
の非特異的な吸着が生じ、得られる目的細胞の純度が低
下してしまう。さらに、抗原−抗体の結合力が弱いた
め、多量の抗体を固定化することが必要となり、カラム
が非常に高価なものとなってしまうため、大量の細胞分
離が必要な治療分野への適用が困難である。
【0010】PCT公開No.WO91/16116に
は、アビジンとビオチンの相互作用を利用した方法が開
示されている。この特許の手法は以下の通りである。ま
ず、ビオチン化抗体(幹細胞膜抗原に対する抗体)を細
胞混合液中に加え、インキュベートすることによって細
胞−抗体−ビオチンの複合体を生じさせる。多孔質アク
リルアミドゲルにアビジンを固定化したビーズを充填し
たカラムに、この混合液を通過させ、ビオチン−アビジ
ンの強力な結合力を利用して、目的細胞をカラム内に吸
着させて分離する。この方法ではビオチン−アビジンの
結合力の強さを利用しており、前記の種々の方法と比較
すると、処理速度、純度の点で改良されていて、臨床応
用が可能なレベルに達していると言える。しかし、この
方法においてもいくつかの欠点が存在する。ビオチン−
アビジンの結合力が非常に強いため、一度細胞分離に用
いてビーズ上のアビジンの全てがビオチンを結合する
と、この結合を切ってカラムを再生することが困難であ
る。すなわち、カラムを並列に並べて、一方のカラムが
飽和した時点で他方のカラムに切り替え、その間に飽和
したカラムの再生を行うといった切り替え方式を採用す
ることができず、カラムの大容量化、プライミング容量
の増加を招いてしまう。さらに、ポリアクリルアミドビ
ーズにアビジンが直接結合しているためアビジンが有効
に作用せず、細胞−抗体−ビオチンの吸着速度および吸
着効率が低下してしまう。
【0011】本発明は上記従来技術の欠点を解決し、目
的細胞を効率よく、高速で分離することが可能で、かつ
得られる目的細胞の純度も高く、分離した細胞の機能低
下を招くことがない細胞分離方法を提供するものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の幹細胞分離方法
は、不織布を支持体として、カルボキシル基および親水
性鎖が導入されることによって構成された担体に、幹細
胞の膜表面の抗原に対する抗体を固定化した幹細胞分離
材を用いることを特徴とする。
【0013】本発明の幹細胞分離方法は、幹細胞の膜表
面の抗原に対する抗体が抗CD34抗体であることを特
徴とする。本発明の幹細胞分離方法は、カルボキシル基
および親水性鎖が導入された不織布に抗CD34抗体を
固定化した後、繊維充填密度が0.03〜0.80g/
cm3 になるように充填した幹細胞分離カラムを用いる
ことを特徴とする。本発明の幹細胞分離方法は、幹細胞
分離カラムを用いて、骨髄液または末梢血よりCD34
陽性細胞を吸着させた後、不要な細胞を洗浄によって除
去し、吸着されたCD34陽性細胞を振動によって脱離
させることを特徴とする。本発明の幹細胞分離方法は、
幹細胞分離カラムを用いて、骨髄液または末梢血よりC
D34陽性細胞を吸着させた後、不要な細胞を洗浄によ
って除去し、吸着されたCD34陽性細胞をストップド
フローによって脱離させることを特徴とする。本発明に
おいて、「不織布へのカルボキシル基、親水性鎖の導
入」の「導入」とは、化学結合を介して不織布に結合し
ている意味に限定されず、カルボキシル基、親水性鎖が
容易に脱離しない場合にはすべて用いられ得るものとす
る。不織布を形成する繊維を支持体とし、その周囲に鞘
状にカルボキシル基、親水性鎖成分が被覆され、支持体
とこの被覆層が化学的には結合していない場合でも、被
覆層が容易に脱離しない限り「導入した」、「導入され
ている」と呼ぶものとする。ここで容易に脱離しないと
は、以下に述べる溶出物試験を実施しその結果、溶出物
が少なく、要求基準を通過するということを意味する。
【0014】溶出物試験の実施方法および要求基準 サンプルを1.0g正確に秤取し、約2cm×2cmの
大きさに切断して容器に入れ、蒸留水100mlを加え
る。70℃で1時間加熱して冷却後、サンプルを取り除
き、残った液を試験液として使用する。また、サンプル
を加えず同様に加熱操作を行った蒸留水をブランクとし
て用いる。溶出物試験は次の5項目について調べる。 外観 目視により、ほとんど無色で異物を認めない場合につい
て基準通過とする。 pH 塩化カリウム1.0gを蒸留水に溶解して1lとする
(以下KCl溶液と略記する。)。試験液20mlを取
り、KCl溶液1.0mlを加えてpHメーター(堀場
製作所製F−12)によってpHを測定する。ブランク
についても同様にpHを測定し、試験液との差を記録す
る。この値は1.5以下の場合に基準通過とする。 UV吸収スペクトル ブランクを対照として、試験液の200nm〜400n
mの吸光度を分光光度計(日立製作所製U−3210)
によって測定し、220nm〜350nmの最大吸光度
を記録する。この値が0.1以下である場合に基準通過
とする。 過マンガン酸カリウム還元性物質 試験液10.0mlを共栓三角フラスコに取り、0.0
1規定過マンガン酸カリウム水溶液20.0mlおよび
希硫酸1.0mlを加えて3分間煮沸する。冷却後これ
にヨウ化カリウム0.10gを加えて密栓し、振り混ぜ
て10分間放置した後0.01規定チオ硫酸ナトリウム
水溶液により滴定する(指示薬:デンプン溶液)。ブラ
ンクについても同様の操作で滴定を行い、滴定に要した
チオ硫酸ナトリウム溶液の差を記録する。滴定に要する
チオ硫酸ナトリウムの量は残存する過マンガン酸カリウ
ムの量に相当するので、過マンガン酸カリウム還元性物
質が試験液に大量に含まれている場合には、滴定に必要
なチオ硫酸ナトリウムの量は少なくなる。従って、ブラ
ンクよりもaml少ないチオ硫酸ナトリウムの量で滴定
が終了した場合には、過マンガン酸カリウム消費量の差
は+amlとして記録する。過マンガン酸カリウム消費
量の差が1.0ml以下である場合に基準通過とする。 蒸発残留物 試験液20mlをガラス製容器に取り、加熱によって蒸
発乾固させ、その残留物を105℃で乾燥させる。この
残留物の重量を記録する。この値が1.0mg以下であ
る場合に基準通過とする。
【0015】本発明において親水性鎖とは、ポリエチレ
ングリコール鎖やポリプロピレングリコール鎖、ポリア
クリルアミドなどの直鎖状親水性物質のほか、このよう
な物質の架橋したものも包含する。さらに、アクリルア
ミドモノマーや2−ヒドロキシエチルメタクリレートモ
ノマーなどの親水性単量体を利用する場合も、本発明の
請求範囲から外れるものではない。
【0016】幹細胞および前駆細胞に発現する抗原とし
ては、CD34、Thy1等が知られている。本発明に
おいてはこれらの抗原に対する抗体をリガンドとして使
用することが好ましいが、なかでも特に抗CD34抗体
を使用することが好ましい。本発明において幹細胞とは
未分化の幹細胞のほか、ある程度まで分化が進行した細
胞を含め、細胞膜表面抗原としてCD34が発現してい
る細胞全てを包含する。
【0017】モノクローナル抗体を作製する方法は、通
常、マウスリンパ球とマウスのミエローマ細胞との融合
細胞(ハイブリドーマ)を用いるが、ラット−ラット、
ラット−マウス、ヒト−ヒト型ハイブリドーマを用いて
もよく、さらに遺伝子操作を利用したヒト型モノクロー
ナル産生細胞や大腸菌、酵母等に抗体を産生する遺伝子
を組み込んで作製する方法等、いずれの方法を用いても
よい。また、今後開発されるであろう抗体作製技術を利
用してもよい。
【0018】本発明においてカルボキシル基および親水
性鎖を導入する不織布の素材としては、ポリエステル、
ポリアミド、セルロース、レーヨン、セルロースアセテ
ート、セルローストリアセテート、ポリアクリロニトリ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リビニルアルコール、あるいはこれらの共重合体等、繊
維形態を形成できる合成、半合成、天然、再生高分子の
いずれも使用可能であるが、ポリエステル、ポリアミ
ド、セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレンが好ましく、なかで
も改質の容易さ、安定性の点でポリエステル、セルロー
ス、ポリスチレンが特に好ましい。
【0019】不織布の繊維の径は、5〜150μm、好
ましくは8〜100μm、さらに好ましくは12〜50
μmである。繊維径がこの範囲よりも小さい場合は、目
的以外の細胞、特に白血球の非特異吸着が増加し、好ま
しくない。また、上記範囲よりも大きい場合には、重量
あたりの表面積が減少するため、抗体結合量の低下、ひ
いては幹細胞吸着容量の低下につながり好ましくない。
不織布の目付けは30〜400g/m2 、好ましくは4
0〜300g/m2 、さらに好ましくは50〜250g
/m2 である。繊維密度がこの範囲よりも小さい場合
は、カラムに充填される繊維の表面積が小さくなり十分
量の抗体を固定化することができない。また、上記範囲
よりも大きい場合には、繊維間隙が小さくなり、細胞懸
濁液を通過させる際に圧力損失が大きくなったり、濾過
効果による細胞の非特異的な捕捉を招くなどの不都合が
生じる。
【0020】不織布へのカルボキシル基および親水性鎖
の導入は、セルロースを素材として選んだ場合には、例
えば次のような方法が挙げられる。 (1)モノクロロ酢酸をアルカリ共存下で反応させて、
−CH2 COOHを導入す る方法 (2)セリウムイオン共存下でカルボキシル基含有ビニ
ル化合物(アクリル酸、メタクリル酸等)および親水性
ビニル化合物(アクリルアミド、ヒドロキシエチルメタ
クリレート等)を反応させて、グルコース環の一部を開
環させるとともにグラフト化する方法 しかしながら、これらは一般的に種々の毒性のある試薬
を用いた過酷な条件下での反応が多く、毒性物質の残存
や繊維の劣化等の問題がある。
【0021】これらの問題を解決する改質方法として
は、電子線(以下EBと略記する。)照射による方法が
最適である。この方法は具体的には、化1の化合物、化
2の化合物、化1と等当量のアミン(例えばエチレンジ
アミン、トリエチルアミン等)を揮発性の溶剤に溶解
し、これに不織布を浸して塗布後溶媒を揮発させ、EB
を照射することによって化1と化2の化合物を導入する
ものである。この方法では化1の化合物とアミンとが塩
を形成しているため、溶媒を揮発させるときに化1の化
合物が揮発することがなく、必要量のカルボキシル基が
効率よく導入可能である。EB照射による導入反応終了
後、希塩酸で処理することにより、アミンは除去するこ
とができる。
【0022】 CH2 =C(R1)−COOH (化1)
【0023】CH2 =C(R2)−CO(OCH2
2 n OCO−C( R3)=CH2(化2) 化1、化2において、nは1〜5の整数を表し、R1
2 、R3 は水素原子またはメチル基を表し、それぞれ
同じもしくは異なっ てもよい。
【0024】上記の方法によって導入されるカルボキシ
ル基含量は、0.01〜3.00meq/g−繊維で、
好ましくは0.03〜2.00meq/g−繊維、さら
に好ましくは0.04〜1.50meq/gである。カ
ルボキシル基がこの範囲よりも少ない場合は、抗体固定
化量が少なくなり、十分量の幹細胞吸着容量が得られな
い。白血球や血小板の非特異的吸着を抑制する効果もあ
るカルボキシル基の量が不十分であり、これらの細胞の
粘着が増加するため好ましくない。カルボキシル基が上
記範囲よりも多い場合には、抗体固定化に関与しないフ
リーのカルボキシル基が多くなりすぎるため、かえって
目的細胞以外の細胞の非特異吸着や、有用タンパク質の
吸着が増加するなどの不都合が生じる。本発明において
親水性鎖含量とは、不織布へのカルボキシル基および親
水性鎖導入前後の重量増加率を指す。この親水性鎖含量
(重量増加率)は、繊維に対して0.1〜30重量%、
好ましくは0.5〜20重量%、さらに好ましくは1〜
15重量%である。重量増加率がこの範囲より小さい場
合は、親水性鎖の排除体積効果が十分に発揮されず、細
胞やタンパク質の非特異吸着が増加する。また、重量増
加率が上記の範囲よりも大きい場合には、導入親水性鎖
層の安定性が減少し、溶出物が増加したり、親水性鎖層
の剥離等の問題が生じて好ましくない。
【0025】不織布に導入されたカルボキシル基に対し
て抗体を固定化させる方法としては、以下のような手法
などが挙げられる。 (1)カルボキシル基をエピクロルヒドリンと反応させ
てグリシジルエステル基を導入し、抗体のアミノ基との
反応により固定化させる方法 (2)カルボキシル基をチオニルクロリドと反応させて
酸クロリドとし、抗体のアミノ基との間にアミド結合を
生成させて固定化させる方法 (3)カルボキシル基をN−ヒドロキシコハク酸イミド
と反応させて活性エステルを導入し、抗体のアミノ基と
の反応により固定化させる方法 (4)カルボジイミドを用いて、抗体のアミノ基との間
にアミド結合を生成させて固定化させる方法 グリシジル基を用いる反応は通常室温以上で反応を行う
ため、抗体の失活を招く恐れがあり、さらに固定化効率
も通常はあまり高くない。酸クロリド法は反応効率はよ
いが非水系で反応を行う必要があり、抗体を非水溶媒に
溶解しなければならず変性の可能性がある上、酸ハライ
ドを形成する条件が過酷なため不織布の劣化が起こり好
ましくない。活性エステル法は比較的穏和な条件で固定
化が可能であるが、通常固定化効率があまり高くない。
これらの方法と比較して、カルボジイミドを使用する方
法は、水溶性カルボジイミド、例えば1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸
塩(以下EDC・HClと略記する。)を用いることで
水系の穏和な条件で、比較的効率よい固定化が可能であ
る。
【0026】水溶性カルボジイミドを使用して抗体を固
定化する場合、反応はpH4〜8、好ましくはpH5〜
7.5の緩衝液中で反応を行うことが好ましい。この際
に使用する緩衝液は、モルホリノエタンスルホン酸(以
下MESと略記する。)またはモルホリノプロパンスル
ホン酸(以下MOPSと略記する。)を用いることで効
率よく固定化反応が進行し、特に好ましい。上記の方法
および条件で固定化される抗体量は、0.01〜10.
00mg/g−不織布、好ましくは0.02〜5.00
mg/g−不織布、さらに好ましくは0.03〜3.0
0mg/g−不織布である。抗体固定化量がこの範囲よ
り少ない場合は、十分な幹細胞吸着容量が得られず、抗
体固定化量が上記の範囲よりも大きい場合には、抗体使
用量の増加に応じて吸着容量は向上せず、高価な抗体の
無駄な浪費となるばかりでなく、使用中の溶出の可能性
も大きくなり好ましくない。
【0027】上記の方法で抗体を固定化した不織布の、
カラムへの充填密度は0.03〜0.80g/cm3
好ましくは0.05〜0.60g/cm3 、さらに好ま
しくは0.08〜0.40g/cm3 である。充填密度
がこの範囲より小さい場合は、カラム内の繊維表面積が
不十分であるため、十分な幹細胞吸着容量が得られず、
これより多い場合には、繊維間隙が小さくなり、細胞懸
濁液を通過させる際に圧力損失が大きくなったり、濾過
効果による細胞の非特異的な捕捉を招くために好ましく
ない。抗体固定化不織布を充填するカラムの形状として
図1〜図4、抗体固定化不織布の充填方法として、図
5、図6を例示したが、本発明に使用されるカラム形状
および抗体固定化不織布の充填方法はこれらに制限され
るものではない。図5、図6に示した不織布の充填方法
は、円筒状のカラム(図1、図2に例示したものなど)
に採用するのが好ましい例である。これらの充填方法の
ほか、抗体固定化不織布を細かく裁断してカラムに充填
する方法や、カラム断面の形状に併せて切り抜いた抗体
固定化不織布を積層する方法なども採用され得る。
【0028】上記のようにして作製したカラムに骨髄液
または末梢血を通過させ、幹細胞を捕捉した後、アルブ
ミン溶液等で洗浄を行って目的細胞以外の細胞を流出さ
せ、続いて抗原−抗体結合により捕捉された幹細胞を回
収する。捕捉幹細胞の回収方法としては、 (1)洗浄液を流しながらカラムにバイブレーター等で
振動を与え、幹細胞を流出させる方法 (2)間欠的に勢いよく洗浄液を流し(ストップドフロ
ー)回収する方法 のいずれかが好ましい。他の回収方法としては、キモパ
パイン等の酵素によって処理する方法が知られている
が、この方法は細胞の機能を損なう恐れがあり好ましく
ない。
【0029】以下実施例によって本発明を具体的に説明
する。 〈実施例1〉 (1)不織布の改質 繊維径約12μm(1.35d)、目付け68g/m2
のポリエチレンテレフタレート(以下PETと略記)製
の不織布を15cm×12cmに切断した。このPET
製不織布は改質に先立ち、アセトンで充分に洗浄してお
いた。アクリル酸(化1でR1 =Hの化合物、以下AA
と略記する。)0.86g、エチレンジアミン(以下e
nと略記する。)0.36g、化2の化合物(n=1
4、以下EG14−Aと略記する。)8gをメタノール5
00mlに溶解し、この溶液にPET不織布を浸漬して
各試薬の塗布を行った。これを充分乾燥させた後(30
℃、6時間)、片面につき5Mradの線量で電子線
(以下EBと略記)を照射し、PET不織布表面へのカ
ルボキシル基および親水性鎖の導入を行った。
【0030】上記の操作で得た表面改質PET不織布を
イオン交換水の流水で充分に洗浄した。続いて沸騰イオ
ン交換水中に浸漬して20分間煮沸洗浄を行った。この
煮沸洗浄を3回繰り返した後、不織布をメタノールに浸
漬し、容器を超音波洗浄器内に浸して15分間超音波洗
浄を行う操作を3回繰り返し、減圧乾燥器で充分乾燥さ
せた(60℃、18時間)。こうしてAA導入PET不
織布PET−AA−1を得た。PET−AA−1に導入
されたカルボキシル基の含量の定量、重量増加率(親水
性鎖含量)の算出、および溶出物試験を実施した。結果
は後記の表1に示した。なお、重量増加率は改質前後の
不織布の重量から算出し、溶出物試験は前述の方法に従
った。また、カルボキシル基含量の定量は下記に示した
方法によった。
【0031】カルボキシル基含量の定量方法 細かく刻んだPET−AA−1約0.2gを正確に秤量
し(この量をWgとする)、0.1規定水酸化ナトリウ
ム10ml(力価をFとする)を加え、この懸濁液をジ
オキサン/水(1/1容量比)で希釈して全量で約60
mlとした。これを約30分撹拌した後、自動滴定装置
(平沼産業製COMTITE101)を用いて0.1塩
酸水溶液(力価をF’とする)により滴定した。中和ま
でに要した0.1規定塩酸水溶液の量をVmlとした場
合、PET−AA−1のカルボキシル基含量(X1 me
q/g)は次式によって得た。 W×X+0.1×F’×V=0.1×F×10 X=(F−0.1×F’×V)/W
【0032】
【表1】 表中、官能基含量はカルボキシル基導入量を、pHはブ
ランクとのpH差を、UVはUV吸収スペクトルを、K
MnO4 は過マンガン酸カリウム消費量(ブランクとの
差)を、残留物は蒸発残留物を、INは評価基準内であ
ることを、OUTは評価基準範囲を超えることを、ND
は測定限界以下であることを、それぞれ表す。
【0033】(2)リガンドの固定化 続いて上記PET−AA−1への抗CD34抗体の固定
化を行った。0.1mol/lのMOPS水溶液と0.
1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を適当に混合
し、pHを6.5に合わせた溶液を作製した(以下pH
6.5−MOPSと略記する。)。ガラス瓶にEDC・
HClを1495mg取り、pH6.5−MOPS30
0mlを加えて溶解させた。この溶液に上記の操作で得
たPET−AA−1を10g秤取して浸漬し、アイスバ
ス中で20分間振盪してカルボキシル基を活性化した。
これに抗CD34抗体溶液(1mg/ml)10mlを
加え、25℃で18時間振盪して不織布への抗CD34
抗体の固定化を行い、抗体固定化不織布PET−AA−
ab−1を得た。
【0034】PET−AA−ab−1に固定化された抗
体の量を算出し、表2に示した。抗体固定化量は、BC
A法によって反応前後の抗体溶液の総タンパク量を定量
し、その減少分が不織布に固定化されたと考えて算出し
た。
【0035】
【表2】
【0036】(3)血球成分の粘着挙動 上記PET−AA−ab−1を使用して評価用モジュー
ルを作製し、抗体固定化不織布への白血球粘着挙動を評
価した。評価用モジュールの不織布充填密度は約0.1
3g/cm3 となるように、使用不織布量を調節した。
図7に示したのが評価用モジュールの形態であるが、体
液導入口5を有する本体1の空間部2に不織布を積層
し、体液導出口6を有する蓋部分3’を取り付けた後、
蓋の凹部にシリコン接着剤を充填することで本体と蓋と
を接着させる構造になっている。このモジュールの容積
は5.7cm3 である。クエン酸加牛血を5ml/mi
nの流速で、10分間連続してこのモジュールを通過さ
せた。モジュールを通過した血液は1分毎に試験管に取
って白血球の濃度を東亜医用電子製血球自動計数装置S
ysmexF−800によって測定した。この白血球濃
度から不織布接触後の白血球の透過率を算出した。結果
は図8に示した。不織布と接触した血液中の白血球は、
透過率が大きいほど不織布に粘着しにくいことを意味す
る。
【0037】(4)CD34陽性細胞の吸着・回収 骨髄液を240gで15分間遠心分離して血漿を除去し
た後、得られたバフィーコート細胞をふたたび240g
で15分間遠心分離し赤血球を除去した。このバフィー
コート細胞を、280gで10分間リン酸緩衝液(以下
PBSと略記する。)を用いて遠心分離することにより
洗浄した。洗浄操作が終わった後、細胞をウシ血清アル
ブミン(以下BSAと略記する。)を1%含有するPB
S(以下BSA/PBSと略記する。)に、2×107
個/mlとなるように分散させた。上記の操作で得た抗
体固定化不織布PET−AA−ab−1を0.13g/
cm3 の充填密度になるよう、血球粘着挙動調査の際に
使用したのと同じカラムに充填した。上記で得た細胞懸
濁液を1ml/minの流速で、16分間連続してこの
モジュールを通過させた。モジュールを通過した血液は
2分毎に試験管にサンプリングした。蛍光標識フローサ
イトメトリーによってカラム通過後の各サンプル中のC
D34陽性細胞の濃度を測定し、カラム通過前の細胞懸
濁液中のCD34陽性細胞濃度とから、透過率を算出し
た。結果は図9に示した。透過率が小さいほどCD34
陽性細胞吸着性能が優れていることを意味する。
【0038】上記の吸着試験が終了した後、4ml/m
inの流速で40mlのBSA/PBSをモジュールに
流して安定に吸着していない細胞を除去した。続いて8
ml/minの流速でBSA/PBSを流しながらモジ
ュール側面にバイブレーター(ジーエルサイエンス社
製、ガスクロマトグラフィーのカラム充填用)をあてて
振動を与える操作を4分間行い、吸着した細胞を回収し
た。回収液中の細胞濃度を上記と同様の方法で、また、
トリパンブルーの取り込みによって細胞のバイアビリテ
ィーおよびCD34陽性細胞の純度を測定した。結果は
表3に示した。
【0039】
【表3】 表中、官能基含量はカルボキシル基導入量を、回収液中
細胞濃度は回収液中のCD34陽性細胞の濃度を、細胞
バイアビリテイは回収細胞のバイアビリテイを、細胞純
度は回収細胞中のCD34陽性細胞の純度を示す。
【0040】〈実施例2〉実施例1に用いたのと同一の
PET不織布を用意した。AA0.86g、en0.3
6g、メチレンビスアクリルアミド(以下MBAAと略
記する。)2gをメタノール500mlに溶解し、この
溶液にPET不織布を浸漬して各試薬の塗布を行った。
これを充分乾燥させた後(30℃、6時間)、片面につ
き5Mradの線量で電子線(以下EBと略記)を照射
し、PET不織布表面へのカルボキシル基のグラフト化
を行った。
【0041】上記の操作で得た表面改質PET不織布を
実施例1と同様の方法で洗浄し、AA導入PET不織布
PET−AA−2を得た。実施例1と同様の方法でPE
T−AA−2のカルボキシル基含量の定量、グラフト率
の算出、溶出物試験を実施し、結果を表1に示した。ま
た、実施例1と同様の方法で抗CD34抗体の固定化を
行って、抗体固定化不織布PET−AA−ab−2を得
た。実施例1と同様の方法で抗体固定化量を算出し、表
2に示した。さらに、実施例1と同様の方法でPET−
AA−ab−2の白血球透過率を測定し、結果を図8に
示した。引き続き、PET−AA−ab−2を使用して
実施例1と同様に評価用モジュールを作製し、CD34
陽性細胞の吸着性能、および吸着細胞の回収を行った。
結果は図9、表3に示した。
【0042】〈比較例1〉実施例1で得たカルボキシル
基導入不織布PET−AA−1を使用して実施例1と同
様に評価用モジュールを作製し、CD34陽性細胞の吸
着性能を評価した。結果は図9に示した。また、実施例
1と同様の方法で吸着細胞の回収を行い、回収液中の細
胞濃度、バイアビリティー、CD34陽性細胞の純度を
測定した。結果は表3に示した。
【0043】〈比較例2〉実施例2で得たカルボキシル
基導入不織布PET−AA−2を使用して実施例1と同
様に評価用モジュールを作製し、CD34陽性細胞の吸
着性能を評価した。結果は図9に示した。また、実施例
1と同様の方法で吸着細胞の回収を行い、回収液中の細
胞濃度、バイアビリティー、CD34陽性細胞の純度を
測定した。結果は表3に示した。
【0044】〈比較例3〉実施例1と同様に、抗体固定
化不織布PET−AA−ab−1を用いて作製した評価
用モジュールでCD34陽性細胞の吸着を行い、実施例
1と同様の方法で吸着後のカラムの洗浄を実施した。そ
の後、評価用カラムを解体して充填されている不織布を
取り出し、キモパパイン溶液(10ユニット/ml−P
BS溶液)20mlに30分間浸漬した。遠心分離によ
って回収された細胞を分離し、さらに数回BSA/PB
Sを用いて遠心分離で洗浄を行って、32mlのBSA
/PBSに再懸濁させた。この回収細胞懸濁液から、細
胞濃度、バイアビリティー、CD34陽性細胞の純度を
測定した。結果は表3に示した。
【0045】図9に示した実施例1と比較例1の結果か
ら、抗体を固定化していない不織布ではCD34陽性細
胞の吸着がほとんど見られないことがわかる。一方、図
9の実施例2と比較例2の結果に目を移すと、抗体固定
化不織布へのCD34陽性細胞の吸着も見られるが、抗
体を固定化していない不織布でも同じような傾向を示し
ている。これはすなわち、親水性鎖含量(重量増加率)
が低いため親水性鎖の排除体積効果が十分に発揮され
ず、細胞が非特異的に吸着しているものと考えることが
できる。また、表3に示した実施例1と他の例の結果か
ら、目的とするCD34陽性細胞の吸着・回収はカルボ
キシル基、親水性鎖の導入によって効率が向上すること
がわかる。比較例3では、使用したカラムのスペックは
実施例1と同様であるにも関わらず、吸着細胞の回収に
酵素を使用したために、得られた細胞のバイアビリティ
ーが低下してしまっている。
【0046】
【発明の効果】本発明に記載された幹細胞分離方法はに
より目的の幹細胞を効率よく、高速で分離することが可
能で、得られた幹細胞の純度も高く、分離した幹細胞の
機能低下を招く可能性が低い。さらに吸着された幹細胞
の回収も容易で、カラムの再生が可能である。このよう
な特性から、造血器悪性腫瘍や各種固形癌の際の幹細胞
自家移植に有効に利用され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に利用され得る幹細胞分離カラムの一
例の概略図。
【図2】 本発明に利用され得る幹細胞分離カラムの他
の一例の概略図。
【図3】 本発明に利用され得る幹細胞分離カラムの他
の一例の概略図。
【図4】 本発明に利用され得る幹細胞分離カラムの他
の一例の概略図。
【図5】 本発明に利用され得る幹細胞分離材のカラム
への充填方法の一例の概略図。
【図6】 本発明に利用され得る幹細胞分離材のカラム
への充填方法の他の一例の概略図。
【図7】 実施例で用いた白血球粘着挙動評価用モジュ
ールの概略図。
【図8】 実施例での白血球の吸着挙動を示す図。
【図9】 実施例等でのCD34陽性細胞の透過率を示
す図。
【符号の説明】
1 .本体 1’.本体 2 .分離材(不織布)充填用空間 3 .処理液流入側蓋 3’.処理液流出側蓋 4 .処理液流入側フィルター 4’.処理液流出側フィルター 5 .処理液流入口 6 .処理液流出口 7 .不織布保持用凸部 8 .不織布 9 .スペーサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 30/48 T (72)発明者 田中 昌和 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維で構成された不織布にカルボキシル
    基および親水性鎖を導入した担体に、幹細胞の膜表面の
    抗原に対する抗体を固定化した幹細胞分離材を用いるこ
    とを特徴とする幹細胞分離方法。
  2. 【請求項2】 カルボキシル基含量が0.01〜3.0
    0meq/g−繊維であり、親水性鎖含量が繊維に対し
    0.1〜30重量%導入された不織布を用いることを特
    徴とする請求項1記載の幹細胞分離方法。
  3. 【請求項3】 繊維径が5〜150μmで、目付けが3
    0〜400g/m2である不織布を用いることを特徴と
    する請求項1記載の幹細胞分離方法。
  4. 【請求項4】 幹細胞の膜表面の抗原に対する抗体が抗
    CD34抗体であることを特徴とする請求項1記載の幹
    細胞分離方法。
  5. 【請求項5】 カルボキシル基および親水性鎖が導入さ
    れた不織布に抗CD34抗体を固定化した後、繊維充填
    密度が0.03〜0.80g/cm3 になるように充填
    した幹細胞分離カラムを用いることを特徴とする請求項
    4記載の幹細胞分離方法。
  6. 【請求項6】 幹細胞分離カラムを用いて、骨髄液また
    は末梢血よりCD34陽性細胞を吸着させた後、不要な
    細胞を洗浄によって除去し、吸着されたCD34陽性細
    胞を振動によって脱離させることを特徴とする請求項4
    記載の幹細胞分離方法。
  7. 【請求項7】 幹細胞分離カラムを用いて、骨髄液また
    は末梢血よりCD34陽性細胞を吸着させた後、不要な
    細胞を洗浄によって除去し、吸着されたCD34陽性細
    胞をストップドフローによって脱離させることを特徴と
    する請求項4記載の幹細胞分離方法。
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