JPH081085A - 防汚性に優れた被覆鋼材 - Google Patents
防汚性に優れた被覆鋼材Info
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- JPH081085A JPH081085A JP13992894A JP13992894A JPH081085A JP H081085 A JPH081085 A JP H081085A JP 13992894 A JP13992894 A JP 13992894A JP 13992894 A JP13992894 A JP 13992894A JP H081085 A JPH081085 A JP H081085A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】安全無公害で、防汚・防食性に優れた被覆鋼材
の提供。 【構成】鋼材表面に、鱗片形状顔料(タルク、マイカ、
ガラスフレーク等)を10〜60重量%含有するタール成分
を含まないピュアエポシン樹脂が塗布されてなる下塗り
層と、この下塗り層の上にシリコーンゴムを3重量%以
上含有する塗料(ウレタン、エポキシ、塩化ビニル、ポ
リエステル等の樹脂)が塗布されてなる中塗り層と、こ
の中塗り層の上にシリコンゴム塗料が塗布されてなる上
塗り層を備えた防汚性に優れた被覆鋼材。 【効果】有機錫や亜酸化銅などの防汚成分を含まないの
で安全無公害で、防汚性ならびに防食性に優れ、熱交換
器や海水取水管など、海水を使用する設備・装置材料と
して好適である。又、塗装に要する工程を簡略化するこ
とができる。
の提供。 【構成】鋼材表面に、鱗片形状顔料(タルク、マイカ、
ガラスフレーク等)を10〜60重量%含有するタール成分
を含まないピュアエポシン樹脂が塗布されてなる下塗り
層と、この下塗り層の上にシリコーンゴムを3重量%以
上含有する塗料(ウレタン、エポキシ、塩化ビニル、ポ
リエステル等の樹脂)が塗布されてなる中塗り層と、こ
の中塗り層の上にシリコンゴム塗料が塗布されてなる上
塗り層を備えた防汚性に優れた被覆鋼材。 【効果】有機錫や亜酸化銅などの防汚成分を含まないの
で安全無公害で、防汚性ならびに防食性に優れ、熱交換
器や海水取水管など、海水を使用する設備・装置材料と
して好適である。又、塗装に要する工程を簡略化するこ
とができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発電所の冷却用海水取
水管をはじめ、熱交換器など、海水を使用する設備・装
置に適用することのできる、生物付着防止効果に優れ、
毒性もなく、防食性も良好な被覆鋼材に関する。
水管をはじめ、熱交換器など、海水を使用する設備・装
置に適用することのできる、生物付着防止効果に優れ、
毒性もなく、防食性も良好な被覆鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、熱交換器や海水取水管など、海
水を使用する設備・装置においては、フジツボやムラサ
キイガイその他の海洋生物の付着による障害が問題とな
っている。その具体的な例としては、伝熱効率の低下や
大型生物の付着による配管の流送効率の低下ないし閉塞
などが挙げられる。このような海洋生物の付着による障
害を防止する技術としては、従来から、海洋生物の付着
防止に効果のある有機錫や亜酸化銅などの防汚成分を含
有した防汚塗装による鋼材表面の被覆や、海水への塩素
注入等の化学的処理法など、種々の方法が考案され、ま
た実用化されている。
水を使用する設備・装置においては、フジツボやムラサ
キイガイその他の海洋生物の付着による障害が問題とな
っている。その具体的な例としては、伝熱効率の低下や
大型生物の付着による配管の流送効率の低下ないし閉塞
などが挙げられる。このような海洋生物の付着による障
害を防止する技術としては、従来から、海洋生物の付着
防止に効果のある有機錫や亜酸化銅などの防汚成分を含
有した防汚塗装による鋼材表面の被覆や、海水への塩素
注入等の化学的処理法など、種々の方法が考案され、ま
た実用化されている。
【0003】しかしながら、近年、海洋生態系における
有機錫の生物濃縮による蓄積毒性の問題が明らかにな
り、多くの有機錫化合物が「化学物質の審査及び製造等
の規制に関する法律(化審法)」の特定物質および指定
物質として定められ、それらの製造・使用が規制されて
いる。海水取水管などにおける塩素注入についても次第
に制約が厳しくなり、またコスト的にも不利であること
から、これら従来の方法に代わる無公害型の生物付着防
止技術の開発が望まれている。
有機錫の生物濃縮による蓄積毒性の問題が明らかにな
り、多くの有機錫化合物が「化学物質の審査及び製造等
の規制に関する法律(化審法)」の特定物質および指定
物質として定められ、それらの製造・使用が規制されて
いる。海水取水管などにおける塩素注入についても次第
に制約が厳しくなり、またコスト的にも不利であること
から、これら従来の方法に代わる無公害型の生物付着防
止技術の開発が望まれている。
【0004】最近、無毒性の防汚塗料として、シリコー
ンゴム単独またはシリコーンゴムとシリコーンオイルと
の混合物からなる撥水性物質を鋼材表面に被覆する方法
が提案されている。しかしながら、この方法には皮膜の
付着性、耐食性、あるいは耐久性など、種々の問題があ
ることが指摘されている。
ンゴム単独またはシリコーンゴムとシリコーンオイルと
の混合物からなる撥水性物質を鋼材表面に被覆する方法
が提案されている。しかしながら、この方法には皮膜の
付着性、耐食性、あるいは耐久性など、種々の問題があ
ることが指摘されている。
【0005】これらの問題解決の方策として、例えば、
特公昭55−41666 号公報には、ポリビニルブチラールに
シリコーンゴム 1.5〜5重量%を他の添加剤とともに配
合した中塗り用塗料組成物が開示されている。これは、
下塗りの防食塗膜と上塗りのシリコーンゴム塗膜との中
間に前記の中塗り用塗料組成物を存在させ、下塗りおよ
び上塗りの両塗膜相互の付着を強固にするバインダー層
として作用させ、皮膜の付着性を改善するものである。
特公昭55−41666 号公報には、ポリビニルブチラールに
シリコーンゴム 1.5〜5重量%を他の添加剤とともに配
合した中塗り用塗料組成物が開示されている。これは、
下塗りの防食塗膜と上塗りのシリコーンゴム塗膜との中
間に前記の中塗り用塗料組成物を存在させ、下塗りおよ
び上塗りの両塗膜相互の付着を強固にするバインダー層
として作用させ、皮膜の付着性を改善するものである。
【0006】また、特開平4−262724号公報には、養殖
漁網の塗装方法として塩化ゴム系の下地塗装にシリコー
ン系合成樹脂塗料を塗る方法が開示されている。塩化ゴ
ム系の下地塗装を用いることにより、シリコーンゴム系
合成樹脂塗料の防汚効果が高くなることが示されている
が、理由の詳細については明確にはされていない。
漁網の塗装方法として塩化ゴム系の下地塗装にシリコー
ン系合成樹脂塗料を塗る方法が開示されている。塩化ゴ
ム系の下地塗装を用いることにより、シリコーンゴム系
合成樹脂塗料の防汚効果が高くなることが示されている
が、理由の詳細については明確にはされていない。
【0007】さらに、シリコーン塗膜の長期にわたる防
汚効果の維持、すなわち防汚耐久性に関しても種々検討
がなされており、例えば、特開平4−142373号公報には
シリコーンゴムにポリエーテル変性シリコーンオイルを
添加した防汚塗料が開示されている。これは、ポリエー
テル変性シリコーンオイルが塗膜表面に適度の速度で移
行するため、長期にわたり防汚性が発揮されるものであ
る。また、特開平4−45170 号公報ではシリコーン樹脂
に防汚作用のある第4級アンモニウム塩を添加・併用す
ることにより防汚効果を高め得ることが示されている。
汚効果の維持、すなわち防汚耐久性に関しても種々検討
がなされており、例えば、特開平4−142373号公報には
シリコーンゴムにポリエーテル変性シリコーンオイルを
添加した防汚塗料が開示されている。これは、ポリエー
テル変性シリコーンオイルが塗膜表面に適度の速度で移
行するため、長期にわたり防汚性が発揮されるものであ
る。また、特開平4−45170 号公報ではシリコーン樹脂
に防汚作用のある第4級アンモニウム塩を添加・併用す
ることにより防汚効果を高め得ることが示されている。
【0008】以上のように、環境への影響についての配
慮から蓄積毒性のない無公害型の生物付着防止技術の開
発が望まれており、その一つとしてシリコーン樹脂塗料
を用いる方法が種々検討されているのが現状である。
慮から蓄積毒性のない無公害型の生物付着防止技術の開
発が望まれており、その一つとしてシリコーン樹脂塗料
を用いる方法が種々検討されているのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】海洋生物付着防止のた
めにシリコーンの撥水性を利用した被覆鋼材は防食性が
劣るので、通常は下塗りに防食塗料を用いることによっ
て防食性を付与している。この下塗り用の防食塗料とし
ては、タールエポキシ塗料が一般的で、海水配管に多用
されている。しかしながら、このタールエポキシ塗料中
のタール分が上塗り層まで浸透し、シリコーン樹脂の防
汚性に悪影響をもたらす。そこで、一般的には中塗り層
としてタール分の浸透を防止する塗料を塗装する方法が
とられるのであるが、塗装に要する工程が増えるので、
中塗り層としてタール分の浸透を防止するための塗料を
塗ることはあまり有利ではない。
めにシリコーンの撥水性を利用した被覆鋼材は防食性が
劣るので、通常は下塗りに防食塗料を用いることによっ
て防食性を付与している。この下塗り用の防食塗料とし
ては、タールエポキシ塗料が一般的で、海水配管に多用
されている。しかしながら、このタールエポキシ塗料中
のタール分が上塗り層まで浸透し、シリコーン樹脂の防
汚性に悪影響をもたらす。そこで、一般的には中塗り層
としてタール分の浸透を防止する塗料を塗装する方法が
とられるのであるが、塗装に要する工程が増えるので、
中塗り層としてタール分の浸透を防止するための塗料を
塗ることはあまり有利ではない。
【0010】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
もので、安全無公害で、防汚・防食性に優れ、かつ塗装
に要する工程が簡略化された被覆鋼材を提供することを
課題とする。
もので、安全無公害で、防汚・防食性に優れ、かつ塗装
に要する工程が簡略化された被覆鋼材を提供することを
課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために検討を重ねた結果、下塗り層として鱗
片形状顔料を10〜60重量%含有するタール分を含まない
エポキシ樹脂(以下、これを「ピュアエポキシ樹脂」と
いう)を防食塗料として用いることにより下地腐食を効
果的に阻止し、長期間の耐食性を確保できることを知見
した。また、この下塗り層と上塗り層であるシリコーン
樹脂塗料とのバインダーとしてシリコーンゴムを3重量
%以上含有する塗料を塗装した層を中塗り層として介在
させることにより、下塗り層であるピュアエポキシ樹脂
と上塗り層であるシリコーン樹脂塗装との密着性を向上
させることができ、タール分の浸透による悪影響もな
く、長期にわたり耐久性に優れるとともに安定した防汚
効果が得られることを見いだした。
を解決するために検討を重ねた結果、下塗り層として鱗
片形状顔料を10〜60重量%含有するタール分を含まない
エポキシ樹脂(以下、これを「ピュアエポキシ樹脂」と
いう)を防食塗料として用いることにより下地腐食を効
果的に阻止し、長期間の耐食性を確保できることを知見
した。また、この下塗り層と上塗り層であるシリコーン
樹脂塗料とのバインダーとしてシリコーンゴムを3重量
%以上含有する塗料を塗装した層を中塗り層として介在
させることにより、下塗り層であるピュアエポキシ樹脂
と上塗り層であるシリコーン樹脂塗装との密着性を向上
させることができ、タール分の浸透による悪影響もな
く、長期にわたり耐久性に優れるとともに安定した防汚
効果が得られることを見いだした。
【0012】下塗り層にタール分を含まないピュアエポ
キシ樹脂を適用するので、従来、上塗りのシリコーンゴ
ム塗料の防汚効果を持続させるために必須であったター
ル分の浸透防止のための塗装を省略することが可能とな
り、塗装に要する工程の簡略化にも寄与するものであ
る。
キシ樹脂を適用するので、従来、上塗りのシリコーンゴ
ム塗料の防汚効果を持続させるために必須であったター
ル分の浸透防止のための塗装を省略することが可能とな
り、塗装に要する工程の簡略化にも寄与するものであ
る。
【0013】本発明はこのような知見に基づいてなされ
たもので、その要旨は、下記の被覆鋼材にある。
たもので、その要旨は、下記の被覆鋼材にある。
【0014】鋼材表面に、鱗片形状顔料を10〜60重量%
含有するタール成分を含まないピュアエポキシ樹脂が塗
布されてなる下塗り層と、この下塗り層の上にシリコー
ンゴムを3重量%以上含有する塗料が塗布されてなる中
塗り層と、この中塗り層の上にシリコーンゴム塗料が塗
布されてなる上塗り層を備えた防汚性に優れた被覆鋼
材。
含有するタール成分を含まないピュアエポキシ樹脂が塗
布されてなる下塗り層と、この下塗り層の上にシリコー
ンゴムを3重量%以上含有する塗料が塗布されてなる中
塗り層と、この中塗り層の上にシリコーンゴム塗料が塗
布されてなる上塗り層を備えた防汚性に優れた被覆鋼
材。
【0015】
【作用】本発明の被覆鋼材は、鋼材の表面に防食被覆層
である下塗りと、バインダー層である中塗りおよび防汚
被覆層である上塗りを施したものである。下地の鋼材と
しては、種類および形状に特に制限はなく、板、棒、
管、鋼矢板等が使用可能である。
である下塗りと、バインダー層である中塗りおよび防汚
被覆層である上塗りを施したものである。下地の鋼材と
しては、種類および形状に特に制限はなく、板、棒、
管、鋼矢板等が使用可能である。
【0016】本発明の被覆鋼材においては、下塗りとな
る防食塗料としてタール分を含まないピュアエポキシ樹
脂に鱗片形状顔料を10〜60重量%になるように含有させ
たものを用いる。ピュアエポキシ樹脂はタール分を含ま
ないので、船底や海水配管などの防食被覆の下塗り用防
食塗料として、従来一般的に用いられているタールエポ
キシ系塗料を用いた場合に比較してやや防食性に劣る。
このため、本発明では鱗片形状顔料を添加して防食効果
を高めている。
る防食塗料としてタール分を含まないピュアエポキシ樹
脂に鱗片形状顔料を10〜60重量%になるように含有させ
たものを用いる。ピュアエポキシ樹脂はタール分を含ま
ないので、船底や海水配管などの防食被覆の下塗り用防
食塗料として、従来一般的に用いられているタールエポ
キシ系塗料を用いた場合に比較してやや防食性に劣る。
このため、本発明では鱗片形状顔料を添加して防食効果
を高めている。
【0017】鱗片形状顔料としては、タルク、マイカ、
ガラスフレーク、MIO(マイカ状酸化鉄)などが使用でき
る。これらの鱗片形状顔料をピュアエポキシ樹脂に含有
させた場合、この樹脂を鋼材表面に塗布すると、鱗片形
状物質が鋼板表面に平行に配列する。このため、水分や
塩素イオンの透過を著しく抑制して防食性を向上させる
ことができる。それとともに、皮膜の硬度が向上するた
め、万一生物が付着した場合においても生物の食い込み
による皮膜の損傷とそれによる腐食を防止することがで
きる。
ガラスフレーク、MIO(マイカ状酸化鉄)などが使用でき
る。これらの鱗片形状顔料をピュアエポキシ樹脂に含有
させた場合、この樹脂を鋼材表面に塗布すると、鱗片形
状物質が鋼板表面に平行に配列する。このため、水分や
塩素イオンの透過を著しく抑制して防食性を向上させる
ことができる。それとともに、皮膜の硬度が向上するた
め、万一生物が付着した場合においても生物の食い込み
による皮膜の損傷とそれによる腐食を防止することがで
きる。
【0018】鱗片形状顔料の含有量を10〜60重量%とす
るのは、含有量が10重量%未満では十分な耐食性が得ら
れず、60重量%を超えると塗料の粘度が上昇して塗装性
が悪く、溶剤で希釈すると乾燥硬化性が悪くなるから
で、特に30〜50重量%とするのが良好である。
るのは、含有量が10重量%未満では十分な耐食性が得ら
れず、60重量%を超えると塗料の粘度が上昇して塗装性
が悪く、溶剤で希釈すると乾燥硬化性が悪くなるから
で、特に30〜50重量%とするのが良好である。
【0019】鱗片形状顔料の大きさ(長径)は2〜500
μm で、短径が厚さの5倍以上のものが好ましい。顔料
の大きさが2μm 未満では効果が少なく、 500μm を超
えると塗装性が悪化する。
μm で、短径が厚さの5倍以上のものが好ましい。顔料
の大きさが2μm 未満では効果が少なく、 500μm を超
えると塗装性が悪化する。
【0020】さらに、ピュアエポキシ樹脂は塩化ゴム系
の防食塗料に比較して鋼材表面に対する密着性が高いの
で、ピュアエポキシ樹脂を下塗りとして用いたものは同
一膜厚では塩化ゴム系の防食塗料を用いたものよりも防
食性が高く有利である。
の防食塗料に比較して鋼材表面に対する密着性が高いの
で、ピュアエポキシ樹脂を下塗りとして用いたものは同
一膜厚では塩化ゴム系の防食塗料を用いたものよりも防
食性が高く有利である。
【0021】本発明の被覆鋼材においては、下塗りとな
る防食塗料にタール分を含まないピュアエポキシ樹脂を
用いるので、従来から防食塗料として用いられているタ
ールエポキシ塗料に含まれるタール分のシリコーン樹脂
上塗り層への浸透による防汚効果の低下を防止すること
ができる。また一方、タール分の浸透を防止するための
塗料を中間層として塗装する場合に比べると、中間層を
省略することが可能となるため、塗装施工時における工
程の簡略化に寄与することもできる。
る防食塗料にタール分を含まないピュアエポキシ樹脂を
用いるので、従来から防食塗料として用いられているタ
ールエポキシ塗料に含まれるタール分のシリコーン樹脂
上塗り層への浸透による防汚効果の低下を防止すること
ができる。また一方、タール分の浸透を防止するための
塗料を中間層として塗装する場合に比べると、中間層を
省略することが可能となるため、塗装施工時における工
程の簡略化に寄与することもできる。
【0022】この下塗り用の塗料(鱗片形状顔料を添加
したピュアエポキシ樹脂)の被覆厚みは 300μm 〜3mm
とするのが好ましい。 300μm よりも薄いと十分な耐食
性が得られず、3mmより厚いと経済性の点で不利とな
る。
したピュアエポキシ樹脂)の被覆厚みは 300μm 〜3mm
とするのが好ましい。 300μm よりも薄いと十分な耐食
性が得られず、3mmより厚いと経済性の点で不利とな
る。
【0023】中塗り用の塗料としては、シリコーンゴム
を3重量%以上含有する塗料を塗布する。シリコーンゴ
ムの含有量が3重量%より少ないと、上塗り層との密着
性が低下する。一方、30重量%を超えると下塗り層との
密着性が低下するので、3〜30重量%とするのが好まし
い。なお、中塗り塗料に含有させるシリコーンゴムは、
上塗り用に使用するシリコーンゴム塗料と同一のものを
使用することが好ましい。
を3重量%以上含有する塗料を塗布する。シリコーンゴ
ムの含有量が3重量%より少ないと、上塗り層との密着
性が低下する。一方、30重量%を超えると下塗り層との
密着性が低下するので、3〜30重量%とするのが好まし
い。なお、中塗り塗料に含有させるシリコーンゴムは、
上塗り用に使用するシリコーンゴム塗料と同一のものを
使用することが好ましい。
【0024】中塗り塗料のベースとなる樹脂としては、
ウレタン、エポキシ、塩化ビニル、ポリエステル等の各
樹脂を用いることができるが、下塗りとして用いるピュ
アエポキシ樹脂との接着性が良好なものを用いるのが好
ましい。中塗り層の厚みは20μm 以上であることが好ま
しく、これより薄いと接着性が低下する。また、厚みが
100μm を超えると経済性の点で好ましくない。
ウレタン、エポキシ、塩化ビニル、ポリエステル等の各
樹脂を用いることができるが、下塗りとして用いるピュ
アエポキシ樹脂との接着性が良好なものを用いるのが好
ましい。中塗り層の厚みは20μm 以上であることが好ま
しく、これより薄いと接着性が低下する。また、厚みが
100μm を超えると経済性の点で好ましくない。
【0025】上塗り用の塗料としてはシリコーンゴム塗
料を用いる。一般に、フジツボやムラサキイガイなどの
付着生物は、幼性期に通常の固体表面に付着すると、そ
の直後に粘質性のタンパク質を分泌し、接着性セメント
を生成して固体表面に固着して成長する。しかし、シリ
コーンゴムのように表面張力が小さい(水との接触角が
100〜105 °)固体表面は撥水性を有するために、前記
の付着生物の分泌物の付着性を減退させる。また、仮に
生物が付着した場合でも、その付着力が非常に弱いの
で、その面に接する流体の流速の若干の上昇等、物理的
な作用で容易に剥離する。
料を用いる。一般に、フジツボやムラサキイガイなどの
付着生物は、幼性期に通常の固体表面に付着すると、そ
の直後に粘質性のタンパク質を分泌し、接着性セメント
を生成して固体表面に固着して成長する。しかし、シリ
コーンゴムのように表面張力が小さい(水との接触角が
100〜105 °)固体表面は撥水性を有するために、前記
の付着生物の分泌物の付着性を減退させる。また、仮に
生物が付着した場合でも、その付着力が非常に弱いの
で、その面に接する流体の流速の若干の上昇等、物理的
な作用で容易に剥離する。
【0026】シリコーンゴム塗料としては、シリコーン
ゴム 100%のものを用いてもよいが、長期間使用すると
被覆が劣化する傾向があるので、シリコーンオイルやパ
ラフィン等を5〜30重量%含有させたものを用いるのが
好ましい。これによって、長期間にわたり優れた防汚性
を保持させることができる。これは、シリコーンゴムに
よる表面張力の低下によって防汚効果が増すことに加え
て、シリコーンオイルやパラフィンなどが被覆表面から
適度に溶出して、塗装表面が常に活性に保たれることに
よるものと考えられる。
ゴム 100%のものを用いてもよいが、長期間使用すると
被覆が劣化する傾向があるので、シリコーンオイルやパ
ラフィン等を5〜30重量%含有させたものを用いるのが
好ましい。これによって、長期間にわたり優れた防汚性
を保持させることができる。これは、シリコーンゴムに
よる表面張力の低下によって防汚効果が増すことに加え
て、シリコーンオイルやパラフィンなどが被覆表面から
適度に溶出して、塗装表面が常に活性に保たれることに
よるものと考えられる。
【0027】上塗り被覆の厚みは50μm 以上とするのが
好ましく、これより薄いと防汚性が低下する。また、経
済性の観点からは 300μm より薄いことが好ましい。
好ましく、これより薄いと防汚性が低下する。また、経
済性の観点からは 300μm より薄いことが好ましい。
【0028】本発明の被覆鋼材は上記のような構成を有
する塗装を施された鋼材であるが、塗装方法については
特に制限されず、従来用いられている各種の方法が適用
できる。
する塗装を施された鋼材であるが、塗装方法については
特に制限されず、従来用いられている各種の方法が適用
できる。
【0029】下塗り、中塗りおよび上塗りの各塗装の間
隔は、通常、24時間とするのが好ましいが、溶剤タイプ
の塗料を下層に使用する場合は、その乾燥硬化時間以上
であればよい。また、加熱により、この時間を短縮する
こともできる。
隔は、通常、24時間とするのが好ましいが、溶剤タイプ
の塗料を下層に使用する場合は、その乾燥硬化時間以上
であればよい。また、加熱により、この時間を短縮する
こともできる。
【0030】本発明のように、下塗り層にタール分を含
まないピュアエポキシ樹脂を適用することによりタール
分浸透防止のための中間層が不要となり、塗装工程が簡
略化されるので現地での施工に有利である。さらに、タ
ール分の浸透を防止するための中間層を介在させた従来
の被覆鋼材では少なくとも4層塗りが必要で、工場内で
のライン塗装は難しいが、本発明の被覆鋼材では3層塗
りであるため工場内におけるラインを用いて鋼材に被覆
し、製品として出荷することも可能である。
まないピュアエポキシ樹脂を適用することによりタール
分浸透防止のための中間層が不要となり、塗装工程が簡
略化されるので現地での施工に有利である。さらに、タ
ール分の浸透を防止するための中間層を介在させた従来
の被覆鋼材では少なくとも4層塗りが必要で、工場内で
のライン塗装は難しいが、本発明の被覆鋼材では3層塗
りであるため工場内におけるラインを用いて鋼材に被覆
し、製品として出荷することも可能である。
【0031】
【実施例】200mm×100 mmで厚み4mmのブラスト処理し
たSS−41鋼板に対して、エアスプレー塗装により表1に
示す被覆組成となるように被覆を行った。なお、下塗
り、中塗りおよび上塗りの各塗装の間隔は各々24時間と
した。
たSS−41鋼板に対して、エアスプレー塗装により表1に
示す被覆組成となるように被覆を行った。なお、下塗
り、中塗りおよび上塗りの各塗装の間隔は各々24時間と
した。
【0032】このようにして製作した試験片を用いて海
水浸漬試験および促進耐食性試験を実施した。海水浸漬
試験は防汚性評価のための試験で、試験片を海面下30cm
の位置で垂直に固定し、1年経過後、および2年経過後
に取り出して、目視により試験片表面の生物付着状況を
観察した。また、促進耐食性試験は防食性を評価する試
験で、60℃の人工海水中に2年間浸漬した試験片の被覆
部分をタガネやカッターナイフ等により機械的に剥離し
て、鋼板と下塗り塗料の界面、即ち、鋼材(下地)面を
観察した。
水浸漬試験および促進耐食性試験を実施した。海水浸漬
試験は防汚性評価のための試験で、試験片を海面下30cm
の位置で垂直に固定し、1年経過後、および2年経過後
に取り出して、目視により試験片表面の生物付着状況を
観察した。また、促進耐食性試験は防食性を評価する試
験で、60℃の人工海水中に2年間浸漬した試験片の被覆
部分をタガネやカッターナイフ等により機械的に剥離し
て、鋼板と下塗り塗料の界面、即ち、鋼材(下地)面を
観察した。
【0033】試験結果を表2に示す。海水浸漬試験にお
いては、生物付着状況を下記の4段階で評価し、◎、○
および△を良好とした。
いては、生物付着状況を下記の4段階で評価し、◎、○
および△を良好とした。
【0034】◎:生物付着なしまたは微 ○:生物付着少(一部にスライム形成) △:一部に大型生物の付着あり ×:全面に大型生物の付着あり また、促進耐食性試験では、鋼材(下地)面における錆
の発生状況を下記の3段階で評価し、○および△を良好
とした。
の発生状況を下記の3段階で評価し、○および△を良好
とした。
【0035】○:異常なし △:下地の一部に点錆発生 ×:下地全面に点錆発生 表2の結果から明らかなように、本発明例1〜6のいず
れの試験片においても、防汚性(海水浸漬試験結果)な
らびに防食性(促進耐食性試験結果)は良好であった。
れの試験片においても、防汚性(海水浸漬試験結果)な
らびに防食性(促進耐食性試験結果)は良好であった。
【0036】それに対して、比較例7では防食層である
下塗り層中に鱗片形状顔料が含まれてないために、下地
全面に点さびが発生した。比較例8ではバインダー層で
ある中間層中のシリコーン含有量が本発明の規定よりも
少ないために下塗りと上塗りとの接着性が不良で、上塗
り層の剥離がみられ、防汚耐久性が不良であった。比較
例9は下塗りのみを施した場合で、防汚効果はなく、比
較例10では下塗り層に添加する体質顔料としてシリカを
用いたために耐食性が不十分であった。また、比較例11
では下塗りにタールエポキシ塗料を用いたためにシリコ
ーンゴム上塗り層にタール分が浸透し、防汚性が劣化し
た。比較例12では、下塗りに塩化ゴムを用いたが、同じ
膜厚である本発明例1に比較して防食性が劣る結果とな
った。
下塗り層中に鱗片形状顔料が含まれてないために、下地
全面に点さびが発生した。比較例8ではバインダー層で
ある中間層中のシリコーン含有量が本発明の規定よりも
少ないために下塗りと上塗りとの接着性が不良で、上塗
り層の剥離がみられ、防汚耐久性が不良であった。比較
例9は下塗りのみを施した場合で、防汚効果はなく、比
較例10では下塗り層に添加する体質顔料としてシリカを
用いたために耐食性が不十分であった。また、比較例11
では下塗りにタールエポキシ塗料を用いたためにシリコ
ーンゴム上塗り層にタール分が浸透し、防汚性が劣化し
た。比較例12では、下塗りに塩化ゴムを用いたが、同じ
膜厚である本発明例1に比較して防食性が劣る結果とな
った。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明の被覆鋼材は有機錫や亜酸化銅な
どの防汚成分を含まないので安全無公害で、しかも、防
汚性ならびに防食性に優れ、熱交換器や海水取水管な
ど、海水を使用する設備・装置材料として好適である。
また、下塗り用の防食塗料としてタールエポキシ樹脂を
使用しないので、タール分の浸透防止のための中間層の
塗装を省略して塗装に要する工程を簡略化することがで
き、現場での施工のみならず、工場内でのラインを利用
した塗装が可能となる。
どの防汚成分を含まないので安全無公害で、しかも、防
汚性ならびに防食性に優れ、熱交換器や海水取水管な
ど、海水を使用する設備・装置材料として好適である。
また、下塗り用の防食塗料としてタールエポキシ樹脂を
使用しないので、タール分の浸透防止のための中間層の
塗装を省略して塗装に要する工程を簡略化することがで
き、現場での施工のみならず、工場内でのラインを利用
した塗装が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 183/04
Claims (1)
- 【請求項1】鋼材表面に、鱗片形状顔料を10〜60重量%
含有するタール成分を含まないエポキシ樹脂が塗布され
てなる下塗り層と、この下塗り層の上にシリコーンゴム
を3重量%以上含有する塗料が塗布されてなる中塗り層
と、この中塗り層の上にシリコーンゴム塗料が塗布され
てなる上塗り層を備えた防汚性に優れた被覆鋼材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13992894A JPH081085A (ja) | 1994-06-22 | 1994-06-22 | 防汚性に優れた被覆鋼材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13992894A JPH081085A (ja) | 1994-06-22 | 1994-06-22 | 防汚性に優れた被覆鋼材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH081085A true JPH081085A (ja) | 1996-01-09 |
Family
ID=15256933
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13992894A Pending JPH081085A (ja) | 1994-06-22 | 1994-06-22 | 防汚性に優れた被覆鋼材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH081085A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001198521A (ja) * | 2000-01-20 | 2001-07-24 | Kansai Paint Co Ltd | 亜鉛めっき鋼構造物の塗装方法 |
| JP2001327914A (ja) * | 2000-05-24 | 2001-11-27 | Nippon Paint Co Ltd | 防汚塗膜形成方法およびそれによって得られた防汚塗膜 |
-
1994
- 1994-06-22 JP JP13992894A patent/JPH081085A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001198521A (ja) * | 2000-01-20 | 2001-07-24 | Kansai Paint Co Ltd | 亜鉛めっき鋼構造物の塗装方法 |
| JP2001327914A (ja) * | 2000-05-24 | 2001-11-27 | Nippon Paint Co Ltd | 防汚塗膜形成方法およびそれによって得られた防汚塗膜 |
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