JPH08112705A - 窒化ケイ素質焼結体製切削工具およびその製造方法 - Google Patents

窒化ケイ素質焼結体製切削工具およびその製造方法

Info

Publication number
JPH08112705A
JPH08112705A JP6250974A JP25097494A JPH08112705A JP H08112705 A JPH08112705 A JP H08112705A JP 6250974 A JP6250974 A JP 6250974A JP 25097494 A JP25097494 A JP 25097494A JP H08112705 A JPH08112705 A JP H08112705A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon nitride
sintered body
particles
less
coarse particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6250974A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Ogasawara
俊 夫 小笠原
Naoto Hirosaki
崎 尚 登 広
Shunzo Umegaki
垣 俊 造 梅
Yusuke Okamoto
本 裕 介 岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP6250974A priority Critical patent/JPH08112705A/ja
Publication of JPH08112705A publication Critical patent/JPH08112705A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 強度および靭性に優れ、耐チッピング性にも
優れた高送りが可能な窒化ケイ素質焼結体製切削工具を
提供する。 【構成】 粒径3μm未満のβ−Si微細粒子
と、粒径3μm以上の柱状のβ−Si粗大粒子
と、酸化物および/または酸窒化物の粒界相とから主と
して構成され、焼結体の断面においてβ−Si
大粒子の面積が窒化ケイ素質焼結体の断面積の2面積%
以上40面積%以下であり、かつ工具すくい面1に対し
て平行方向に切断した断面におけるβ−Si粗大
粒子の平均アスペクト比(=長軸/短軸)が、工具すく
い面1に対して直角方向に切断した断面におけるβ−S
粗大粒子の平均アスペクト比よりも5%以上大
きい焼結体とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、旋削加工,フライス加
工,穴あけ加工,形削り加工などの広範な切削加工にお
いて使用するのに好適な窒化ケイ素質焼結体製切削工具
およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】窒化ケイ素を主成分とする焼結体は、常
温および高温での硬度が高く、高い機械的強度を有する
ため、切削工具として使用されている。特に、鋳鉄の切
削加工においては優れた性能を示し、切削速度500m
/min以上という高速切削においても十分実用的な工
具寿命を達成している。
【0003】窒化ケイ素は共有結合性が強い化合物であ
るため焼結が困難であり、酸化物系の焼結助剤を用いた
液相焼結が行われている。この場合、酸化物系焼結助剤
は、通常、5〜20mol%添加され、これらの焼結助
剤と窒化ケイ素の酸化によって生じるシリカが粒界にガ
ラス相を形成し、窒化ケイ素の焼結を促進させている。
【0004】窒化ケイ素の原料粉末には、従来はα型を
主成分とする原料粉末が用いられてきた。ここで、α型
を主成分とする原料粉末を用いるのは、(1)α型は微
粉末であり焼結性が高いこと、(2)焼結中にα型から
β型への相転移が起こり、柱状結晶が発達した組織とな
ることにより強度および靭性が向上すること、等の理由
からであった。
【0005】さらに、α型窒化ケイ素を原料粉末として
用いて、一部の粒子を数十ミクロンの長さまで粒成長さ
せることによって、破壊靭性を向上させる手法(In−
situ composite)(例えば、Cera
m.Eng.Sci.Proc.,10巻,7−8号,
632−645ページ1989年)等も行われていた。
【0006】α型を出発原料とする窒化ケイ素質焼結体
は、α型からβ型への相転移によりβ型の柱状結晶が発
達した組織となるため、破壊靭性値は向上するものの、
生成したβ型の柱状結晶は大きさが不揃いで強度のばら
つきが大きくなり、機械部品として使用する際の信頼性
に問題があった。例えば、上記のIn−situ co
mpositeでは、破壊靭性は10MPa√m以上に
向上するものの、ワイブル係数は20以下であった。
【0007】一方、β型を主成分とする窒化ケイ素粉末
としては、高純度の焼結グレードの粉末や耐火物の原料
として使用する低純度の粉末が知られている。そして、
β型を主成分とする窒化ケイ素粉末を原料とする焼結体
としては、特開昭58−151371号公報等に開示さ
れたものが知られている。
【0008】β型を主成分とする窒化ケイ素粉末の焼結
では、生成するβ型の柱状結晶の大きさが比較的よく揃
い、強度のばらつきが小さくなる。
【0009】しかし、β型を主成分とする窒化ケイ素粉
末は粒子が粗く、α相の含有率が低いため柱状組織が得
られず、高強度の焼結体は得られないので、高強度の焼
結体を製造するための原料粉末としては使用されていな
かった。
【0010】これに対して、特開平6−9274号公報
および特願平5−55792号明細書では、微細なβ型
を主成分とする窒化ケイ素粉末を原料とし、かつ高窒素
分圧下での高温焼結によって、β型を主成分とする窒化
ケイ素粉末を原料として用いた場合においても、高い強
度と優れた靭性を有する焼結体が得られることを述べて
いる。
【0011】これらの発明によって得られた窒化ケイ素
質焼結体を用いて作製された切削工具は、鋳鉄のフライ
ス切削において、α型を主成分とする窒化ケイ素粉末を
原料として作製された窒化ケイ素質焼結体製切削工具と
同等の性能を示すことが確認された。特に、前述したよ
うにβ型を主成分とする窒化ケイ素粉末の焼結では、生
成するβ型の柱状結晶の大きさが比較的よく揃うため、
強度のばらつきが小さく、安定した強度を有する切削工
具を得ることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、α型お
よびβ型のいずれの窒化ケイ素粉末を原料として用いた
としても、従来の製造方法によって作製された窒化ケイ
素質焼結体製切削工具においては、刃先での耐チッピン
グ性の面では超硬工具に比較すると信頼性に劣るという
問題が依然として残っていた。
【0013】
【発明の目的】本発明は、上述した従来の課題にかんが
みてなされたものであって、β型窒化ケイ素粉末を原料
とし、焼結助剤の種類と量,圧粉体の成形方法,焼成条
件等を工夫することにより、焼結体中の数ミクロンない
しは数十ミクロンの柱状結晶の大きさ・密度・分布を制
御し、特性のばらつきが少なく、刃先での耐チッピング
性に優れた高送りが可能な窒化ケイ素質焼結体製切削工
具を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる窒化ケイ
素質焼結体製切削工具は、請求項1に記載しているよう
に、粒径3μm未満のβ−Si微細粒子と、粒径
3μm以上の柱状のβ−Si粗大粒子と、酸化物
および/または酸窒化物の粒界相とから主として構成さ
れ、焼結体の断面においてβ−Si粗大粒子の面
積が窒化ケイ素質焼結体の断面積の2面積%以上40面
積%以下であり、かつ工具すくい面に対して平行方向に
切断した断面におけるβ−Si粗大粒子の平均ア
スペクト比(=長軸/短軸)が、工具すくい面に対して
直角方向に切断した断面におけるβ−Si粗大粒
子の平均アスペクト比よりも5%以上大きい構成とした
ことを特徴としている。
【0015】そして、本発明に係わる窒化ケイ素質焼結
体製切削工具の実施態様においては、請求項2に記載し
ているように、窒化ケイ素質焼結体中に、イットリウム
およびネオジミウムのうちの1種または2種を合計で
0.2重量%以上5.0重量%以下含有すると共に、
0.5重量%以上2.0重量%以下の酸素を含有するも
のとすることができ、また、請求項3に記載しているよ
うに、窒化ケイ素質焼結体中に、マグネシウム,アルミ
ニウム,イットリウム,スカンジウムおよびランタノイ
ドのうちの1種または2種以上を合計で0.2重量%以
上5.0重量%以下含有すると共に、0.5重量%以上
2.0重量%以下の酸素を含有するものとすることがで
きる。
【0016】また、本発明に係わる窒化ケイ素質焼結体
製切削工具の製造方法は、請求項4に記載しているよう
に、β型窒化ケイ素を80重量%以上含有するβ型主体
の窒化ケイ素粉末を原料粉末とし、この窒化ケイ素原料
粉末に、酸化イットリウムおよび酸化ネオジミウムのう
ちから選ばれる1種または2種の酸化物を0.5重量%
以上5.0重量%以下添加し、さらに、窒化ケイ素原料
粉末よりも粒径が大きくかつ粗大粒子の成長のための核
となる柱状のβ−Si粒子を添加した後、成形を
行うことによって前記核となる柱状のβ−Si
子の軸方向を工具すくい面に対して平行方向に2次元配
向させ、1気圧以上500気圧以下の窒素ガス圧下で1
800℃以上2100℃以下の温度で焼成し、粒径3μ
m未満のβ−Si微細粒子と、粒径3μm以上の
柱状のβ−Si粗大粒子と、酸化物および/また
は酸窒化物の粒界相とから主として構成され、焼結体の
断面においてβ−Si粗大粒子の面積が窒化ケイ
素質焼結体の断面積の2面積%以上40面積%以下であ
り、かつ工具すくい面に対して平行方向に切断した断面
におけるβ−Si粗大粒子の平均アスペクト比
(=長軸/短軸)が、工具すくい面に対して直角方向に
切断した断面におけるβ−Si粗大粒子の平均ア
スペクト比よりも5%以上大きい焼結体とする構成とし
たことを特徴としている。
【0017】同じく、本発明に係わる窒化ケイ素質焼結
体製切削工具の製造方法は、請求項5に記載しているよ
うに、β型窒化ケイ素を80重量%以上含有するβ型主
体の窒化ケイ素粉末を原料粉末とし、この窒化ケイ素原
料粉末に、酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化
イットリウム,酸化スカンジウムおよびランタノイドの
酸化物のうちから選ばれる1種または2種以上の酸化物
を0.5重量%以上5.0重量%以下添加し、さらに、
窒化ケイ素原料粉末よりも粒径が大きくかつ粗大粒子の
成長のための核となる柱状のβ−Si粒子を添加
した後、成形を行うことによって前記核となる柱状のβ
−Si粒子の軸方向を工具すくい面に対して平行
方向に2次元配向させ、1気圧以上500気圧以下の窒
素ガス圧下で1800℃以上2100℃以下の温度で焼
成し、粒径3μm未満のβ−Si微細粒子と、粒
径3μm以上の柱状のβ−Si粗大粒子と、酸化
物および/または酸窒化物の粒界相とから主として構成
され、焼結体の断面においてβ−Si粗大粒子の
面積が窒化ケイ素質焼結体の断面積の2面積%以上40
面積%以下であり、かつ工具すくい面に対して平行方向
に切断した断面におけるβ−Si粗大粒子の平均
アスペクト比(=長軸/短軸)が、工具すくい面に対し
て直角方向に切断した断面におけるβ−Si粗大
粒子の平均アスペクト比よりも5%以上大きい焼結体と
する構成としたことを特徴としている。
【0018】そして、本発明に係わる窒化ケイ素質焼結
体製切削工具の製造方法の実施態様においては、請求項
6に記載しているように、窒化ケイ素原料粉末よりも粒
径が大きくかつ粗大粒子の成長のための核となる柱状の
β−Si粒子の添加量を0.5重量%以上5.0
重量%以下とすることができ、また、請求項7に記載し
ているように、窒化ケイ素原料粉末よりも粒径が大きく
かつ粗大粒子の成長のための核となる柱状のβ−Si
粒子を添加した後、一軸粉末成形プレス,押し出し
成形,射出成形のうちから選ばれる成形を行うことによ
って、前記核となる柱状のβ−Si粒子の軸方向
を工具すくい面に対して平行方向に2次元配向させるよ
うになすことができる。
【0019】また、本発明に係わる窒化ケイ素質焼結体
製切削工具の製造方法の実施態様においては、請求項8
に記載しているように、1気圧以上500気圧以下の窒
素ガス圧下で1800℃以上2100℃以下の温度で焼
結体中の酸素量が0.5重量%以上2.0重量%以下と
なるまで焼成するようになすことができる。
【0020】
【発明の作用】本発明に係わる窒化ケイ素質焼結体製切
削工具は、β型を主体とする窒化ケイ素粉末を主成分と
する原料とし、β型窒化ケイ素粉末に適した焼結助剤の
種類と量を制御して成形した後、焼結体中の粗大粒子の
数と大きさの分布に注目して、粗大粒子の大きさが揃っ
た焼結体が得られる焼成条件で焼成することにより、強
度が高く靭性に優れていることに加えて、刃先の耐チッ
ピング性にも優れた切削工具が得られることを新規に発
明した。
【0021】すなわち、本発明に係わる窒化ケイ素質焼
結体製切削工具の製造方法は、請求項4,5に記載して
いるように、β型窒化ケイ素を80重量%以上含有する
β型主体の窒化ケイ素粉末を原料粉末とし、この窒化ケ
イ素原料粉末に、請求項4に記載しているように、酸化
イットリウムおよび酸化ネオジミウムのうちから選ばれ
る1種または2種の酸化物を0.5重量%以上5.0重
量%以下添加し、あるいは、請求項5に記載しているよ
うに、酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化イッ
トリウム,酸化スカンジウムおよびランタノイド族の酸
化物のうちから選ばれる1種または2種以上の酸化物を
0.5重量%以上5.0重量%以下添加し、さらに、請
求項4,5に記載しているように、窒化ケイ素原料粉末
よりも粒径が大きくかつ粗大粒子の成長のための核とな
る柱状のβ−Si粒子を添加した後、成形を行う
ことによって前記核となる柱状のβ−Si粒子の
軸方向を工具すくい面に対して平行方向に2次元配向さ
せ、1気圧以上500気圧以下の窒素ガス圧下で180
0℃以上2100℃以下の温度で焼成するようにしてい
る。
【0022】粉末の成形に際しては、窒化ケイ素原料粉
末に、上述したような酸化物を0.5重量%以上5.0
重量%以下添加すると共に、窒化ケイ素原料粉末よりも
粒径が大きくかつ粗大粒子の成長のための核となる柱状
のβ−Si粒子を適量添加した後、より望ましく
は請求項6に記載しているように、0.5〜5.0重量
%添加した後、請求項7に記載しているように、一軸粉
末成形プレス,押し出し成形,射出成形などの成形方法
によって成形し、核となる柱状のβ−Si粒子の
軸方向を工具すくい面に対して平行方向に2次元配向さ
せる。
【0023】焼結体は、粒径3μm未満の柱状のβ−S
微細粒子と粒径3μm以上の柱状のβ−Si
粗大粒子と酸化物および/または酸窒化物の粒界相
とから主として構成され、焼結体の断面を観察したとき
においてβ−Si粗大粒子の面積が窒化ケイ素質
焼結体の断面積の2面積%以上40面積%以下となって
おり、かつまた、工具すくい面に対して平行方向に切断
した断面におけるβ−Si粗大粒子の平均アスペ
クト比[λ‖](λ=長軸/短軸)が、工具すくい面に
対して直角方向に切断した断面におけるβ−Si
粗大粒子の平均アスペクト比[λ⊥]よりも5%以上大
きくなっており、工具すくい面に対して柱状のβ−Si
粗大粒子が配向している比率が、工具すくい面に
垂直な方向に比較して多くなっている。
【0024】次に、本発明の切削工具において、成分,
製造工程,組織等を上記の通りに限定した理由を説明す
る。
【0025】(1)原料となる窒化ケイ素粉末 この方法では、出発原料粉末はβ型を80重量%以上含
むβ型を主体とする窒化ケイ素粉末を用いる。β型を主
体とする窒化ケイ素粉末を出発原料として用いると、添
加したβ型窒化ケイ素の粒成長によって柱状結晶が発達
する。従って、原料粉末を粒度調製することにより、粒
成長のための核の大きさが揃った原料を使用することが
できる。この原料粉末を適当な条件で焼成するとβ型の
粗粒の大きさが揃った材料が得られる。
【0026】一方、α型を出発原料として用いると、焼
成過程で先ずα型はβ型へ相転移を起こす。この過程で
数ミクロンのβ型の粒子が生成して、以後の粒成長は生
成した粒子の粒度分布に従って起こる。相転移により生
成したβ型の粒子の大きさは制御が難しく、大きなばら
つきを持つため、β型の粗粒の大きさはばらつく。従っ
て、β型が80重量%未満では相転位による核が発生
し、強度のばらつきが大きくなり、その結果、切削工具
としての信頼性が低下する。よって、出発原料粉末はβ
型を80重量%以上含む窒化ケイ素粉末を用いる。
【0027】(2)焼結助剤の種類および量 請求項4に記載している酸化イットリウムおよび酸化ネ
オジミウム、あるいは請求項5に記載している酸化アル
ミニウム,酸化マグネシウム,酸化イットリウム,酸化
スカンジウムおよびランタノイドの酸化物は、窒化ケイ
素の焼結を促進させる有効な焼結助剤であるが、これら
の1種または2種以上の合計の添加量が0.5重量%未
満では緻密な焼結体を得ることができない。一方、焼結
助剤が過剰となると粒界ガラス層が厚くなり、切削工具
として使用した際の耐摩耗性に大きく影響する。従来で
は、5.0重量%を超える焼結助剤が用いられる例がほ
とんどであったが、本発明のごとく焼結助剤を5.0重
量%以下とし、請求項2,3および8に記載しているよ
うに焼結体の酸素量を2.0重量%以下とすることによ
って、切削工具としての耐摩耗性を著しく改善させるこ
とができる。
【0028】(3)柱状のβ−Si粒子の量 窒化ケイ素原料粉末には、上記焼結助剤のほか、窒化ケ
イ素原料粉末よりも粒径が大きくかつ粗大粒子の成長の
ための核となる柱状のβ−Si粒子を適量添加す
る。この場合、柱状のβ−Si粒子の添加量が少
ないと、粗大粒子の成長が十分でなく、添加量が多くな
るほど傾向として強度および破壊靭性が向上し、ワイブ
ル係数も大きくなるが、核の添加量が多くなりすぎる
と、粉末成形体の密度が低下し結果として焼結体の緻密
化が困難となるので、請求項6に記載しているように粗
大粒子の成長のための核となる柱状のβ−Si
子の添加量は0.5重量%以上5.0重量%以下とする
のがよい。
【0029】(4)粉末成形 本発明では、粉末成形に際して、窒化ケイ素原料粉末
に、原料粉末よりも粒径が大きくかつ粗大粒子の成長の
ための核となる柱状のβ−Si粒子を適量添加し
た後、成形を行うことによって前記核となる柱状のβ−
Si粒子の軸方向を工具すくい面に対して平行方
向に2次元配向させるようにするが、このとき、請求項
7に記載しているように、一軸粉末成形プレス,押し出
し成形,射出成形などの方法により成形することによっ
て、核となる柱状のβ−Si粒子の軸方向を工具
すくい面に平行方向に2次元配向させるようにするのが
よい。
【0030】この結果、図1に示すように、工具すくい
面1に対して平行方向に切断した断面におけるβ−Si
粗大粒子の平均アスペクト比[λ‖](λ=長軸
/短軸)が、工具すくい面1に対して垂直方向に切断し
た断面における柱状のβ−Si粗大粒子の平均ア
スペクト比[λ⊥]よりも5%以上大きくなり、工具す
くい面1に対して柱状のβ−Si粒子が配向して
いる比率が、工具すくい面1に対して垂直な方向に比較
して多くなるため、従来と比較して高い刃先強度を実現
している。
【0031】これに対し、工具すくい面1に対して平行
方向に切断した断面におけるβ−Si粗大粒子の
平均アスペクト比[λ‖]と、工具すくい面1に対して
垂直方向に切断した断面におけるβ−Si粗大粒
子の平均アスペクト比[λ⊥]とがほぼ等しく、その差
が5%未満の場合には、後で示す本発明の実施例と比較
例との結果からも分かるように、本発明による作用・効
果は十分に発揮されないものとなる。
【0032】(5)焼結条件 焼結助剤量が相対的に少ない場合のβ型窒化ケイ素粉末
の緻密化には、1800℃以上の高温焼結が必要であ
る。そして、焼成温度が1600℃未満では緻密化せ
ず、熱処理温度が1800℃未満では緻密化は可能であ
るが粗大粒子の成長が不完全であり、微細粒子と粗大粒
子とが混ざった組織を得ることができない。焼結の際に
は、窒化ケイ素の分解を防ぐため、窒素ガス圧を窒化ケ
イ素の分解圧以上にする必要がある。要求される最低の
窒素ガス圧は、1600℃から1750℃で1気圧,1
800℃で2気圧,1900℃で5気圧,2000℃で
10気圧である。
【0033】所定圧力よりも低いと窒化ケイ素は熱分解
を起こし、窒素を放出してケイ素となる。しかしなが
ら、500気圧を超える窒素ガス圧下では、高圧ガスが
焼結体中に残留してしまうため、結果的に緻密化しな
い。また、2100℃を超える高温焼結では粒成長が著
しくなり、強度が低下する。焼成時間および熱処理時間
は温度や助剤の種類・量によっても異なるが、一般に、
焼成時間は緻密化が達成される最少時間がよい。また、
熱処理時間は粗大粒子の大きさ・密度・分布を考慮して
決められるが、通常30分から4時間の間がよく、請求
項8に記載しているように、1気圧以上500気圧以下
の窒素ガス圧下で1800℃以上2100℃以下の温度
で焼結体中の酸素量が0.5重量%以上2.0重量%以
下となるまで焼成することが望ましい。
【0034】(6)切削工具の微細組織 切削工具は耐チッピングが要求されるため、刃先の靭性
および強度が重要となる。窒化ケイ素の靭性は、焼結体
組織中に含まれる柱状の粗大結晶粒子に大きく依存す
る。工具として要求される靭性を満足するためには、請
求項1に記載しているように、粒径3μm未満の柱状の
β−Si微細粒子と、粒径3μm以上の柱状のβ
−Si粗大粒子と、酸化物および/または酸窒化
物の粒界相とから主として構成され、焼結体の断面を観
察したときにおいてβ−Si粗大粒子の面積が窒
化ケイ素質焼結体の断面積の2面積%以上40面積%以
下となっている必要がある。
【0035】
【実施例】次に、本発明による窒化ケイ素質焼結体製切
削工具を実施例によって比較例とともに具体的に説明す
る。
【0036】窒化ケイ素微粉末原料としては、平均粒径
0.5μm,最大粒径2μmのβ型含有量100重量%
の窒化ケイ素粉末を用いた。また、焼結後に粗大粒子と
なる粒子の成長のための核としては、平均短軸粒径1.
0μm,平均長軸粒径5μm,β型含有量100重量%
の柱状の窒化ケイ素粒子を使用した。そして、窒化ケイ
素微粉末原料に対して、粒成長のための核となる窒化ケ
イ素粒子を0.5〜5.0重量%の範囲で添加した。
【0037】これらの窒化ケイ素原料粉末および焼結助
剤を用いて、表の実施例1〜9および比較例1〜7に示
すような合計16種類の窒化ケイ素原料粉末を用意して
以下に示すようにして焼結した。ここで、実施例1〜
3,6〜9,比較例1,2,4,5は、酸化イットリウ
ムと酸化ネオジミウムを焼結助剤とした場合であり、実
施例4,5,比較例3,6,7は酸化イットリウムと酸
化アルミニウムを焼結助剤とした場合であって、実施例
1〜9,比較例4〜7で添加した焼結助剤量は本発明の
特許請求の範囲内のものとなっており、比較例1〜3で
添加した焼結助剤は本発明の特許請求の範囲外のものと
なっている。
【0038】前述のようにして得られた窒化ケイ素原料
粉末に表に示す種類および量の焼結助剤を混合し、エタ
ノールを添加した湿式ボールミルにより94時間混合粉
砕した後、空気中でスプレードライヤーを用いて乾燥さ
せて造粒粉を得た。
【0039】次いで、この造粒粉に対し、実施例1〜7
および比較例1〜7については、20MPaの圧力で一
軸粉末成形プレスによる金型成形を行った後、200M
Paの圧力でラバープレスを施すことにより、15×1
5×8mmおよび6×6×50mmの成形体を得た。こ
の一軸粉末成形プレスにおいては、核となる柱状のβ−
Si粒子の軸が、スローアウエイチップのすくい
面(図1に示す工具すくい面1)に平行に配向するよう
な方向として実施した。
【0040】一方、実施例8および9は、実施例6と同
じ組成を有する窒化ケイ素原料粉末を使用し、スローア
ウエイチップの成形に際してドクターブレード法および
射出成形法によって、核となる柱状のβ−Si
子の軸が、スローアウエイチップのすくい面方向への配
向を顕著にさせたものである。すなわち、実施例8で
は、エタノールに分散した原料から、ドクターブレード
法によって厚さ数100μmの薄膜を作成し、これを乾
燥した後に積層することによって成形した。また、実施
例9では、有機バインダーと原料粉末を混練し、射出成
形によって成形した。
【0041】これらの成形体を黒鉛のガス圧炉を用い
て、100気圧の窒素ガス圧下で1900℃で2時間焼
成した後、300気圧の窒素ガス圧下で2000℃で2
時間焼成した。そして、ここで得られた各焼結体を80
0メッシュのダイヤモンドホイールで平面研削し、JI
S B 4121で定義されたスローアウエイチップS
NMN433(SNMN120412)の形状に加工し
て切削実験に供した。
【0042】これと同時に、JIS R 1601に準
じた室温3点曲げ試験を実施することにより曲げ強さを
測定した。さらに、20本の曲げ試験データから、強度
のワイブル係数も併せて求めた。さらにまた、JIS
R 1607に準じたSEPB法(試験片の3×40m
mの面にビッカース圧痕を加え、これから予亀裂を生成
し、この予亀裂から破壊する手法)により破壊靭性値を
求めた。
【0043】さらにまた、工具すくい面に対して平行方
向と垂直方向に切断した断面をプラズマエッチングし、
各断面におけるβ−Si粗大粒子のアスペクト比
[λ‖],[λ⊥](λ=長軸/短軸)を画像処理によ
って各々50粒子以上について測定し、平均アスペクト
比を求めた。
【0044】このようにして得られた工具すくい面に対
して平行な断面におけるβ−Si粗大粒子の平均
アスペクト比[λ‖]、および、工具すくい面に対して
垂直な断面における平均アスペクト比[λ⊥]から、そ
の比率([λ‖]/[λ⊥])を求めた。
【0045】また、連続切削による工具摩耗試験は以下
の条件で実施した。
【0046】 工作機械:CNC旋盤(村田W&S,WSC−8II) ホルダー:PSBNL2020 チップ形状:SNMG433(コーナーR1.2) 切削速度:300m/min 切り込み:2mm 送り:0.3mm/rev 被削材は、ねずみ鋳鉄(FC20)であり、被削部の寸
法はφ150mm×150mmである。また、限界送り
量を調査するため、切削速度および切り込み条件を一定
とし、送りを0.3〜1.0mm/revの間で0.5
mm/rev毎に増加させることによって、刃先の欠損
が発生する送り量を調べた。試験は各工具に対して10
本ずつ実施し、ワイブル分布に基づいて10%破損点を
求め、これを限界送り量とした。
【0047】実施例および比較例によって得られた各焼
結体について、密度,機械的特性,粗大粒子の工具すく
い面への配向率,切削試験後の逃げ面での摩耗幅VB,
刃先での最大チッピング量,限界送り量を調べた結果を
表に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】表に示すように、実施例1〜9の切削工具
では、いずれも曲げ強度のワイブル係数が大きく、強度
のばらつきが小さい。そして、各実施例では、刃先強度
のばらつきが小さく、その結果として最低強度も大きく
なるため、限界送り量が0.6mm/rev以上と大き
くなっている。
【0053】これに対して、比較例5〜7の切削工具の
ようにα型窒化ケイ素を原料粉末として用いた場合には
平均強度は大きいものの強度のばらつきが大きく、その
結果として最低強度が小さくなっている。そのため、限
界送り量が小さくなっている。
【0054】すなわち、本発明によれば、鋳鉄の高送り
切削に適した工具を得ることができる。
【0055】実施例1,6,7は、核となる窒化ケイ素
粒子の添加量が異なるものであるが、傾向として、核と
なる窒化ケイ素粒子の添加量が多いほど強度および破壊
靭性は上昇し、ワイブル係数も大きくなる。また、切削
試験では、逃げ面摩耗量および刃先での最大チッピング
量ともに減少する。
【0056】これに対して、核を添加していない比較例
4では、工具摩耗量,刃先チッピング量,限界送り量と
もに実施例に対して劣っている。また、実施例8,9の
ごとく、一軸プレス成形よりも更に核となる柱状窒化ケ
イ素粒子の工具すくい面への配向を強くすることができ
るドクターブレード法や射出成形法を採用することによ
って、工具摩耗および刃先強度に優れた切削工具を得る
ことが可能となる。
【0057】また、比較例1〜3のごとく焼結助剤量が
過剰である場合には、実施例の切削工具に比較して工具
摩耗量が多くなる。これは、窒化ケイ素焼結体製切削工
具の摩耗において、粒界ガラス層の影響が大きいためで
ある。
【0058】
【発明の効果】本発明に係わる窒化ケイ素質焼結体製切
削工具は、請求項1に記載しているように、粒径3μm
未満のβ−Si微細粒子と、粒径3μm以上の柱
状のβ−Si粗大粒子と、酸化物および/または
酸窒化物の粒界相とから主として構成され、焼結体の断
面においてβ−Si粗大粒子の面積が窒化ケイ素
質焼結体の断面積の2面積%以上40面積%以下であ
り、かつ工具すくい面に対して平行方向に切断した断面
におけるβ−Si粗大粒子の平均アスペクト比
(=長軸/短軸)が、工具すくい面に対して直角方向に
切断した断面におけるβ−Si粗大粒子の平均ア
スペクト比よりも5%以上大きい構成としたから、特性
のばらつきが少なく、耐摩耗性および耐チッピング性に
優れた窒化ケイ素質焼結体製切削工具を提供することが
可能であり、例えば、鋳鉄のフライス切削において優れ
た切削性能を示し、高速切削においても十分実用的な工
具寿命を達成することができるセラミックス製スローア
ウエイチップを提供することが可能であるという著しく
優れた効果がもたらされる。
【0059】そして、本発明に係わる窒化ケイ素質焼結
体製切削工具の実施態様においては、請求項2に記載し
ているように、窒化ケイ素質焼結体中に、イットリウム
およびネオジミウムのうちの1種または2種を合計で
0.2重量%以上5.0重量%以下含有すると共に、
0.5重量%以上2.0重量%以下の酸素を含有するも
のとすることによって、窒化ケイ素の焼結が促進されて
緻密で高強度の焼結体となっているものとすることが可
能であり、請求項3に記載しているように、窒化ケイ素
質焼結体中に、マグネシウム,アルミニウム,イットリ
ウム,スカンジウムおよびランタノイドのうちの1種ま
たは2種以上を合計で0.2重量%以上5.0重量%以
下含有すると共に、0.5重量%以上2.0重量%以下
の酸素を含有するものとすることによっても、窒化ケイ
素の焼結が促進されて緻密で高強度の焼結体となってい
るものとすることが可能である。
【0060】また、本発明に係わる窒化ケイ素質焼結体
製切削工具の製造方法は、請求項4,5に記載している
ように、β型窒化ケイ素を80重量%以上含有するβ型
主体の窒化ケイ素粉末を原料粉末とし、この窒化ケイ素
原料粉末に、請求項4に記載しているように、酸化イッ
トリウムおよび酸化ネオジミウムのうちから選ばれる1
種または2種の酸化物を0.5重量%以上5.0重量%
以下添加し、あるいは、請求項5に記載しているよう
に、酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化イット
リウム,酸化スカンジウムおよびランダノイドの酸化物
のうちから選ばれる1種または2種以上の酸化物を0.
5重量%以上5.0重量%以下添加し、さらに、請求項
4,5に記載しているように、窒化ケイ素原料粉末より
も粒径が大きくかつ粗大粒子の成長のための核となる柱
状のβ−Si粒子を添加した後、成形を行うこと
によって前記核となる柱状のβ−Si粒子の軸方
向を工具すくい面に対して平行方向に2次元配向させ、
1気圧以上500気圧以下の窒素ガス圧下で1800℃
以上2100℃以下の温度で焼成し、粒径3μm未満の
β−Si微細粒子と、粒径3μm以上の柱状のβ
−Si粗大粒子と、酸化物および/または酸窒化
物の粒界相とから主として構成され、焼結体の断面にお
いてβ−Si粗大粒子の面積が窒化ケイ素質焼結
体の断面積の2面積%以上40面積%以下であり、かつ
工具すくい面に対して平行方向に切断した断面における
β−Si粗大粒子の平均アスペクト比(=長軸/
短軸)が、工具すくい面に対して直角方向に切断した断
面におけるβ−Si粗大粒子の平均アスペクト比
よりも5%以上大きい焼結体とするようにしたから、特
性のばらつきが少なく、耐摩耗性および耐チッピング性
に優れた窒化ケイ素質焼結体製切削工具を製造すること
が可能である。
【0061】そして、請求項6に記載しているように、
窒化ケイ素原料粉末よりも粒径が大きくかつ粗大粒子の
成長のための核となる柱状のβ−Si粒子の添加
量を0.5重量%以上5.0重量%以下とすることによ
って、粗大粒子の成長を十分良好に行わせることが可能
となって、強度および破壊靭性が向上し、ワイブル係数
もより大きなものとすることが可能である。
【0062】また、請求項7に記載しているように、窒
化ケイ素原料粉末よりも粒径が大きくかつ粗大粒子の成
長のための核となる柱状のβ−Si粒子を添加し
た後、一軸粉末成形プレス,押し出し成形,射出成形の
うちから選ばれる成形を行うことによって、前記核とな
る柱状のβ−Si粒子の軸方向を工具すくい面に
対して平行方向に2次元配向させることが可能となり、
これによって、工具すくい面に対して柱状のβ−Si
粗大粒子が配向している比率が、工具すくい面に垂
直な方向に比較して多いものとなるため、刃先強度をよ
り一層高いものとすることが可能である。
【0063】さらに、請求項8に記載しているように、
1気圧以上500気圧以下の窒素ガス圧下で1800℃
以上2100℃以下の温度で焼結体中の酸素量が0.5
重量%以上2.0重量%以下となるまで焼成することに
よって、緻密で強度および破壊靭性が向上し、ワイブル
係数の大きい窒化ケイ素質焼結体製切削工具が製造され
るという優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による窒化ケイ素質焼結体製切削工具で
あるスローアウエイチップの斜面説明図である。
【符号の説明】
1 工具すくい面 2 工具逃げ面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡 本 裕 介 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径3μm未満のβ−Si微細粒
    子と、粒径3μm以上の柱状のβ−Si粗大粒子
    と、酸化物および/または酸窒化物の粒界相とから主と
    して構成され、焼結体の断面においてβ−Si
    大粒子の面積が窒化ケイ素質焼結体の断面積の2面積%
    以上40面積%以下であり、かつ工具すくい面に対して
    平行方向に切断した断面におけるβ−Si粗大粒
    子の平均アスペクト比(=長軸/短軸)が、工具すくい
    面に対して直角方向に切断した断面におけるβ−Si
    粗大粒子の平均アスペクト比よりも5%以上大きい
    ことを特徴とする窒化ケイ素質焼結体製切削工具。
  2. 【請求項2】 窒化ケイ素質焼結体中に、イットリウム
    およびネオジミウムのうちの1種または2種を合計で
    0.2重量%以上5.0重量%以下含有すると共に、
    0.5重量%以上2.0重量%以下の酸素を含有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の窒化ケイ素質焼結体製
    切削工具。
  3. 【請求項3】 窒化ケイ素質焼結体中に、マグネシウ
    ム,アルミニウム,イットリウム,スカンジウムおよび
    ランタノイドのうちの1種または2種以上を合計で0.
    2重量%以上5.0重量%以下含有すると共に、0.5
    重量%以上2.0重量%以下の酸素を含有することを特
    徴とする請求項1に記載の窒化ケイ素質焼結体製切削工
    具。
  4. 【請求項4】 β型窒化ケイ素を80重量%以上含有す
    るβ型主体の窒化ケイ素粉末を原料粉末とし、この窒化
    ケイ素原料粉末に、酸化イットリウムおよび酸化ネオジ
    ミウムのうちから選ばれる1種または2種の酸化物を
    0.5重量%以上5.0重量%以下添加し、さらに、窒
    化ケイ素原料粉末よりも粒径が大きくかつ粗大粒子の成
    長のための核となる柱状のβ−Si粒子を添加し
    た後、成形を行うことによって前記核となる柱状のβ−
    Si粒子の軸方向を工具すくい面に対して平行方
    向に2次元配向させ、1気圧以上500気圧以下の窒素
    ガス圧下で1800℃以上2100℃以下の温度で焼成
    し、粒径3μm未満のβ−Si微細粒子と、粒径
    3μm以上の柱状のβ−Si粗大粒子と、酸化物
    および/または酸窒化物の粒界相とから主として構成さ
    れ、焼結体の断面においてβ−Si粗大粒子の面
    積が窒化ケイ素質焼結体の断面積の2面積%以上40面
    積%以下であり、かつ工具すくい面に対して平行方向に
    切断した断面におけるβ−Si粗大粒子の平均ア
    スペクト比(=長軸/短軸)が、工具すくい面に対して
    直角方向に切断した断面におけるβ−Si粗大粒
    子の平均アスペクト比よりも5%以上大きい焼結体とす
    ることを特徴とする窒化ケイ素質焼結体製切削工具の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 β型窒化ケイ素を80重量%以上含有す
    るβ型主体の窒化ケイ素粉末を原料粉末とし、この窒化
    ケイ素原料粉末に、酸化アルミニウム,酸化マグネシウ
    ム,酸化イットリウム,酸化スカンジウムおよびランタ
    ノイドの酸化物のうちから選ばれる1種または2種以上
    の酸化物を0.5重量%以上5.0重量%以下添加し、
    さらに、窒化ケイ素原料粉末よりも粒径が大きくかつ粗
    大粒子の成長のための核となる柱状のβ−Si
    子を添加した後、成形を行うことによって前記核となる
    柱状のβ−Si粒子の軸方向を工具すくい面に対
    して平行方向に2次元配向させ、1気圧以上500気圧
    以下の窒素ガス圧下で1800℃以上2100℃以下の
    温度で焼成し、粒径3μm未満のβ−Si微細粒
    子と、粒径3μm以上の柱状のβ−Si粗大粒子
    と、酸化物および/または酸窒化物の粒界相とから主と
    して構成され、焼結体の断面においてβ−Si
    大粒子の面積が窒化ケイ素質焼結体の断面積の2面積%
    以上40面積%以下であり、かつ工具すくい面に対して
    平行方向に切断した断面におけるβ−Si粗大粒
    子の平均アスペクト比(=長軸/短軸)が、工具すくい
    面に対して直角方向に切断した断面におけるβ−Si
    粗大粒子の平均アスペクト比よりも5%以上大きい
    焼結体とすることを特徴とする窒化ケイ素質焼結体製切
    削工具の製造方法。
  6. 【請求項6】 窒化ケイ素原料粉末よりも粒径が大きく
    かつ粗大粒子の成長のための核となる柱状のβ−Si
    粒子の添加量を0.5重量%以上5.0重量%以下
    とすることを特徴とする請求項4または5に記載の窒化
    ケイ素質焼結体製切削工具の製造方法。
  7. 【請求項7】 窒化ケイ素原料粉末よりも粒径が大きく
    かつ粗大粒子の成長のための核となる柱状のβ−Si
    粒子を添加した後、一軸粉末成形プレス,押し出し
    成形,射出成形のうちから選ばれる成形を行うことによ
    って、前記核となる柱状のβ−Si粒子の軸方向
    を工具すくい面に対して平行方向に2次元配向させるこ
    とを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の窒
    化ケイ素質焼結体製切削工具の製造方法。
  8. 【請求項8】 1気圧以上500気圧以下の窒素ガス圧
    下で1800℃以上2100℃以下の温度で焼結体中の
    酸素量が0.5重量%以上2.0重量%以下となるまで
    焼成することを特徴とする請求項4ないし7のいずれか
    に記載の窒化ケイ素質焼結体製切削工具の製造方法。
JP6250974A 1994-10-17 1994-10-17 窒化ケイ素質焼結体製切削工具およびその製造方法 Pending JPH08112705A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6250974A JPH08112705A (ja) 1994-10-17 1994-10-17 窒化ケイ素質焼結体製切削工具およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6250974A JPH08112705A (ja) 1994-10-17 1994-10-17 窒化ケイ素質焼結体製切削工具およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08112705A true JPH08112705A (ja) 1996-05-07

Family

ID=17215802

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6250974A Pending JPH08112705A (ja) 1994-10-17 1994-10-17 窒化ケイ素質焼結体製切削工具およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08112705A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09165265A (ja) * 1995-12-14 1997-06-24 Agency Of Ind Science & Technol 高熱伝導窒化ケイ素セラミックスならびにその製造方法
JP2002307208A (ja) * 2001-04-06 2002-10-23 Ngk Spark Plug Co Ltd 窒化珪素質焼結体製切削工具
JP2016087699A (ja) * 2014-10-29 2016-05-23 京セラ株式会社 切削工具および切削加工物の製造方法
CN116656991A (zh) * 2023-05-31 2023-08-29 珠海亿特立新材料有限公司 一种铝氮化硅基复合材料及其制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09165265A (ja) * 1995-12-14 1997-06-24 Agency Of Ind Science & Technol 高熱伝導窒化ケイ素セラミックスならびにその製造方法
JP2002307208A (ja) * 2001-04-06 2002-10-23 Ngk Spark Plug Co Ltd 窒化珪素質焼結体製切削工具
JP2016087699A (ja) * 2014-10-29 2016-05-23 京セラ株式会社 切削工具および切削加工物の製造方法
CN116656991A (zh) * 2023-05-31 2023-08-29 珠海亿特立新材料有限公司 一种铝氮化硅基复合材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU671349B2 (en) Silicon nitride ceramic and cutting tool made thereof
EP2500332B1 (en) Cubic boron nitride sintered compact, coated cubic boron nitride sintered compact, method for producing cubic boron nitride sintered compact, and method for producing coated cubic boron nitride sintered compact
US6905992B2 (en) Ceramic body reinforced with coarse silicon carbide whiskers and method for making the same
EP2957368B1 (en) Cutting tool
JPH08112705A (ja) 窒化ケイ素質焼結体製切削工具およびその製造方法
JP3588162B2 (ja) 窒化珪素質切削工具およびその製造方法
JP3145470B2 (ja) 炭化タングステン−アルミナ質焼結体およびその製法
JPH0881270A (ja) 立方晶窒化ホウ素含有セラミックス焼結体および切削工具
US6534428B2 (en) Titanium diboride sintered body with silicon nitride as a sintering aid
JP3550420B2 (ja) 耐摩耗性窒化珪素質焼結体及びその製造方法、並びに切削工具
JPH02275763A (ja) 窒化珪素基焼結体
JPH0531514B2 (ja)
JP2699104B2 (ja) A1▲下2▼O▲下3▼‐TiC系セラミック材料
JP2001322009A (ja) アルミナセラミックス切削工具およびその製造方法
JPS63210064A (ja) 複合焼結体
JP2735919B2 (ja) 工具用焼結体及びその製造方法
JP2002192405A (ja) 切削工具
JPH0411503B2 (ja)
JP2735702B2 (ja) 繊維強化セラミック工具
JP2754912B2 (ja) 耐欠損性のすぐれた表面被覆セラミックス製切削工具
JP3615634B2 (ja) 高靱性窒化珪素質焼結体及びその製造方法
JP4798821B2 (ja) 切削工具およびその製造方法
JP2005298239A (ja) 被覆Si3N4基焼結体工具
JP2699093B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド用セラミック材料
JPH0523921A (ja) 切削工具用窒化珪素質焼結体