JPH0811312B2 - Cr―Mo系低合金耐熱鋼溶接用鋼ワイヤ - Google Patents

Cr―Mo系低合金耐熱鋼溶接用鋼ワイヤ

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JPH0811312B2
JPH0811312B2 JP60253958A JP25395885A JPH0811312B2 JP H0811312 B2 JPH0811312 B2 JP H0811312B2 JP 60253958 A JP60253958 A JP 60253958A JP 25395885 A JP25395885 A JP 25395885A JP H0811312 B2 JPH0811312 B2 JP H0811312B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はCr−Mo系低合金耐熱鋼をガスシールドアーク
溶接するために溶接用鋼ワイヤに関するものである。
(従来の技術) 近年、原子力機器をはじめ火力発電プラント及び石油
精製などの化学プラントに使用されるCr−Mo系低合金耐
熱鋼容器は、装置の大型化や反応プロセスの進歩によっ
て極厚肉化及び使用条件の苛酷化の傾向にある。すなわ
ち、これら鋼材及び溶接部は極厚化するとともに、高強
度・高靭性で、かつ種々の苛酷な環境下で長時間の使用
に十分耐えることが要求されてきている。当然、溶接材
料も上記同様、極厚化に伴う長時間の溶接後熱処理によ
る強度の低下や、板厚を少しでも減ずるための高強度設
計に対する強度と靭性の確保が必要になる。
そこで、従来のCr−Mo系低合金耐熱鋼ガスシールドア
ーク溶接用鋼ワイヤとしては、特開昭57−85692号公
報、特開昭59−193789号公報記載のものが提案されてい
る。
強度向上には微量VやNb等の添加が有効であるが、多
量に添加すると高強度が得られるものの靭性低下や焼も
どし脆化が大きくなる。
一方、靭性確保については、焼もどし脆化に影響を及
ぼすPやSb、Sn、Asなどの不純物元素や、これら元素の
粒界偏析をを助長するSi又はMnを低く抑えること、及び
微量のV、Bを添加することで努力しても、強度増加に
よる靭性確保にも限界がある。
また、強度・靭性とテンパーパラメータ(=[溶接後
熱処理温度](゜K)+{20+log[熱処理時間](h
r)}10-3、以下、T.P.という)の関係から、高強度は
T.P.を低くすることで容易に得られるが、靭性が低くな
る。その反面、高靭性ではT.P.を高くすることで得られ
るものの強度が低くなる。
このように、圧力容器の高効率化による高温高圧操業
を可能とするための高T.P.で高強度が得られると同時に
高靭性が確保できる溶接材料の開発は、従来技術では非
常に難しく、多くの問題点を残しているのが実状であ
る。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、ガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤで、上
記従来品の欠点を解消し、高T.P.でも高強度と高靭性が
同時に得られ、良質の溶接部を得ることができる優れた
ワイヤを提供することを目的としている。
(問題点を解決するための手段) 本発明の要旨は、Ar−CO2混合ガス又はAr−O2混合ガ
スをシールドガスとして用いる溶接用鋼ワイヤであっ
て、重量%でC 0.04%以上0.10%以下、Si 0.25%以上
0.60%以下、Mn 0.65%以上1.20%以下、Cr 2.20%以上
2.70%未満、Mo 0.90%以上1.20%以下、V 0.10%以上
0.75%以下、N 0.0150%以下を含有し、さらに、Nb 0.0
2%以上0.10%以下及び/又はB 0.006%以下を含有し、
必要に応じCu 0.40%以下を含有し、残部が鉄及び不可
避の不純物よりなることを特徴とするCr−Mo系低合金耐
熱鋼溶接用鋼ワイヤである。
すなわち、本発明のワイヤは、その組成を適正に選択
限定し、特にV 0.10%以上0.75%以下、N 0.0150%以
下を含有し、又、Nb 0.02%以上0.10%以下及び/又は
B 0.006%以下を含有せしめ、さらに必要に応じてCu含
有量0.40%以下とし、これによって従来ワイヤでは得る
ことが難しかった高T.P.で高強度が得られると同時に高
靭性が確保できるというすぐれた効果を発揮するのであ
る。
(作用) 以下に、本発明ワイヤの各構成成分の限定理由を詳細
に説明する。
Cは溶接金属の強度向上に有効な成分であるが、0.10
%を超えると微小なブローホールが発生する。一方0.04
%未満では鋼材同等の強度が確保できない。
Si及びMnは脱酸剤として不可欠な成分であり、強度、
靭性の調整に有効な成分でもある。しかし、Si及びMnの
含有量をそれぞれ0.60%、1.20%を超えて含有すると過
度に強度が上昇し、靭性低下をまねく。また、焼もどし
脆化も大きくなってしまう。一方、十分な脱酸効果を得
るためにはSiは0.25%以上、Mnは0.65%以上含有する必
要がある。
Crは耐酸化性、耐水素性及び溶接金属の高温強度の安
定化のために不可欠な元素であり、加工性及び溶接性を
考慮し、さらに対象目的に合わせ2.20%以上2.70%未満
と定めた。
Moは溶接金属の高温強度の確保と焼もどし脆化阻止に
不可欠な元素であり、1.20%を超えると焼もどし脆化が
促進される。一方、0.90%未満では十分は効果が得られ
ない。
Vは溶接金属の結晶粒度を微細化する作用があるとと
もに、強度上昇を計るために有効な成分であるが、0.75
%を超えると強度を過大化するとともに靭性を劣化させ
る。一方、0.10%未満では十分な効果が得られない。
NはCと同様に溶接金属の強度向上に有効な成分であ
るが、0.0150%を超えるとブローホールやピットが発生
するので、0.0150%以下と決定した。
本発明ワイヤにおいてはさらに選択成分としてNb及び
/又はBを含有することによって、高T.P.でも高強度が
得られるとともに、高靭性が確保できる。Nbは溶接金属
の結晶粒度を微細にし、靭性を向上させ、焼きもどし脆
化を減少させるとともに、脱酸剤としても利用され、強
度を増加させる有効な成分でもある。しかし、Nbが0.10
%を超えると強度を過大化するとともに靭性を劣化させ
る。一方、0.02%未満では十分な効果が得られない。
さらに、Bは強力な脱酸性炭化物生成成分であるか
ら、これをワイヤに添加することによって結晶を微細化
し、靭性を向上させ、焼きもどし脆化を減少させる。し
かし0.006%を超えると溶接金属に高温割れが発生し易
くなるので0.006%以下とした。
上記Vが存在しないとき、Nbだけ添加しても溶接金属
が硬化し過ぎて靭性が劣化するし、また、Bも溶接金属
の耐割れ性を低下させる結果となるので、Vを含有する
他に、Nb及び/又はBを添加することにより、高T.P.で
高強度・高靭性が安定して同時に得られるという効果が
ある。
以上が本発明ワイヤの基本成分であるが、本発明ワイ
ヤにおいてはさらに次の範囲でCuを含有することが出来
る。
Cuは一般的に耐錆性、耐食性及びワイヤ送給性向上を
目的としてワイヤ表面へのメッキ等で施されるが、0.40
%を超えると高温割れの原因や靭性劣化をまねくので0.
40%以下とした。また、原子炉容器用としては照射脆化
への影響を考慮してCuメッキを施さないで使用する場合
もある。
以上のように構成された成分のワイヤを用いて溶接を
行った結果、溶接金属性能は所定の特性を十分満足する
ものが得られた。
以下に本発明の効果を実施例によりさらに具体的に示
す。
(実施例) 第1表は実験に用いた鋼ワイヤを示す。ワイヤ記号1
〜4が本発明ワイヤで、ワイヤ記号5〜13は比較のため
に掲げた本発明範囲外のワイヤである。板厚20mmの2・
1/4Cr−1Mo系鋼板を第1図に示す開先形状に加工した
後、第1表に示すワイヤを用い第2表に示す溶接条件で
多層盛溶接を行った。溶接後の試験材に、690℃×12hr
の溶接後熱処理(以下、SRという)を施し、第2図に示
す如く、引張試験片(常温引張JISZ3111A−1号、高温
引張JISG056710mmφ)及び研摩試験片(JISZ31124号)
を採取し、機械試験を行った。また、上記の衝撃試験片
についてさらに第3図に示す条件で脆化熱処理(以下SC
という)を実施する試験を行った。これらの試験結果及
び溶接作業性結果を第3表に示す。
第1表及び第3表から明らかな様に、本発明に係るワ
イヤ記号1〜4のワイヤは、X線透過試験結果及び溶接
作業性評価結果が良好なのはもちろん、目標とする強
度、靭性及び焼もどし脆化特性を示す脆化指数も優れた
性能が得られている。
これに対して比較例を個々に説明すると、記号5のワ
イヤは高強度を得るためCとVを本発明の成分要件範囲
を超える0.13%と0.85%にしたものであるが、溶接金属
の強度は高くなるものの、靭性及び脆化指数は低く、ま
た溶接金属中に微小なブローホールが発生した。記号6
のワイヤはNbのみ単独添加したもので、その量は本発明
の成分要件範囲未満の0.013%とし、さらにMnを本発明
の成分要件範囲を超える1.25%としたものであるが、X
線透過試験結果及び溶接作業性評価結果は良好なもの
の、強度が低く、目標値を満足出来ない。しかし靭性及
び脆化指数は良好である。記号7のワイヤはVは本発明
の成分要件範囲未満の0.022%、Bを本発明の成分要件
範囲を超える0.0073%としたものであるが、複合添加の
効果が得られず、強度も低く、X線透過試験が不良にな
つた。記号8のワイヤはVのみの単独添加をしたもの
で、その量は本発明の成分要件範囲内の0.041%である
が、記号6のワイヤと同様に強度が低く、目標値を満足
出来ない。記号9のワイヤはV、Nb、Bの複合添加ワイ
ヤであるが、Nbを本発明の成分要件範囲を超える0.124
%としたものであるため強度か高くなりすぎ、靭性及び
脆化指数が悪くなっている。また、溶接作業性において
もスラグはくりがやや不良となった。記号10及び11のワ
イヤは靭性と焼もどし脆化特性向上を目的に、10ではSi
を、11ではMnをそれぞれ本発明の成分要件範囲未満の0.
20%及び0.52%にしたものであるが、脱酸不足によるブ
ローホールが溶接金属中に発生し、衝撃試験片も採取出
来なかった。記号12のワイヤは強度向上を目的にNb、B
及びNを本発明の成分要件範囲を超える0.0172%にした
ものであるが、高強度は得られるものの、衝撃試験片が
採取できないほど、溶接金属中にブローホールが発生し
た。記号13のワイヤはV及びNbを含有するワイヤで、Nb
を本発明の成分要件範囲未満の0.019%とし、さらにC
も0.03%と低値としたものであるが、X線透過試験結果
及び溶接作業性評価試験は良好であり、靭性及び脆化指
数も優れているが、目標とする強度を満足出来なかっ
た。
以上、これらの結果からV及びNを含有する他に、Nb
及び/又はBを添加するにしてもその添加量が適正でな
いとすぐれた効果が発揮されないことが判る。
(実施例2) 板厚50mmの2・1/4−1Mo系鋼板を第3図に示す狭開先
に加工し、第1表に示すワイヤの内ワイヤ記号2、5、
13、の3ワイヤを用い、第4表に示す溶接条件で1パス
/1層溶接を行った。溶接後690℃×24hrのSRを施し、第
4図に示す位置より常温引張用JISZ3111A−2号引張試
験片a及びJISZ3112 4号試験片bを採取し、試験し
た。これらの結果を第5表に示す。
この様に、狭開先溶接法で溶接を行った場合でも本発
明の範囲に属するワイヤ(ワイヤ記号2)であれば優れ
た溶接金属性能が得られると共に、開先内でアークが安
定でスパッターの発生も少なく、スラグはくりが良好な
溶接作業性を示す。それに対し、本発明範囲外のワイヤ
(ワイヤ記号5、13)は、X線特性や性能面で問題が発
生する。
(発明の効果) 以上の様に、本発明の鋼ワイヤは溶接作業性が良好な
ことはもちろん、高T.P.でも高強度・高靭性を同時に有
する溶接金属が得られ、Cr−Mo系低合金耐熱鋼の使用分
野においてその適用範囲の拡大に寄与出来るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第3図は実施例に用いた開先形状を示す説明
図、第2図は実施例で用いた脆化熱処理条件を示す説明
図、第4図は実施例で用いた引張試験片と衝撃試験片の
採取位置を示す図である。 a……引張試験片、b……衝撃試験片。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ar−CO2混合ガス又はAr−O2混合ガスをシ
    ールドガスとして用いる溶接用鋼ワイヤであって、重量
    %で、 C 0.04%以上0.10%以下、 Si 0.25%以上0.60%以下、 Mn 0.65%以上1.20%以下、 Cr 2.20%以上2.70%未満、 Mo 0.90%以上1.20%以下、 V 0.10%以上0.75%以下、 N 0.0150%以下 を含有し、さらにNb 0.02%以上0.10%以下及び/又はB
    0.006%以下を含有し、残部が鉄及び不可避の不純物よ
    りなることを特徴とするCr−Mo系低合金耐熱溶接用鋼ワ
    イヤ。
  2. 【請求項2】Ar−CO2混合ガス又はAr−O2混合ガスをシ
    ールドガスとして用いる溶接用鋼ワイヤであって、重量
    %で、 C 0.04%以上0.10%以下、 Si 0.25%以上0.60%以下、 Mn 0.65%以上0.20%以下、 Cr 2.20%以上2.70%未満、 Mo 0.90%以上1.20%以下、 V 0.10%以上0.75%以下、 N 0.0150%以下 を含有し、さらにNb 0.02%以上0.10%以下及び/又はB
    0.006%以下を含有し、かつ Cu 0.40%以下 を含有し、残部が鉄及び不可避の不純物よりなることを
    特徴とするCr−Mo系低合金耐熱鋼溶接用鋼ワイヤ。
JP60253958A 1985-11-13 1985-11-13 Cr―Mo系低合金耐熱鋼溶接用鋼ワイヤ Expired - Fee Related JPH0811312B2 (ja)

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