JPH08116080A - 薄膜太陽電池およびその製造方法 - Google Patents
薄膜太陽電池およびその製造方法Info
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- JPH08116080A JPH08116080A JP6252604A JP25260494A JPH08116080A JP H08116080 A JPH08116080 A JP H08116080A JP 6252604 A JP6252604 A JP 6252604A JP 25260494 A JP25260494 A JP 25260494A JP H08116080 A JPH08116080 A JP H08116080A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 素子の拡散電位を増大させることによって解
放電圧を向上させ、素子の光電変換効率を向上させた太
陽電池およびその製造方法を提案する。 【構成】 アモルファス太陽電池のp層に、結合水素量
が13at%以上で、かつ微結晶相の体積率が65%か
ら92%の範囲であるp型の微結晶相を含むシリコン薄
膜(p型μc−Si:H)を用いる。また、このような
特性をもつp型μc−Si:Hは、プラズマ化学気相成
長装置を用いて、基板温度を150℃から60℃の範囲
に制御することにより製造する。
放電圧を向上させ、素子の光電変換効率を向上させた太
陽電池およびその製造方法を提案する。 【構成】 アモルファス太陽電池のp層に、結合水素量
が13at%以上で、かつ微結晶相の体積率が65%か
ら92%の範囲であるp型の微結晶相を含むシリコン薄
膜(p型μc−Si:H)を用いる。また、このような
特性をもつp型μc−Si:Hは、プラズマ化学気相成
長装置を用いて、基板温度を150℃から60℃の範囲
に制御することにより製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光電交換効率の高い薄
膜太陽電池、特にアモルファス太陽電池に関するもので
ある。
膜太陽電池、特にアモルファス太陽電池に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】薄膜太陽電池、特にアモルファス太陽電
池は、昨今の精力的な研究開発により民生用の太陽電池
として既に実用化されるに至った。しかしながら、さら
に大きな用途展開が期待される電力用の太陽電池として
は、素子の光電交換効率が10%程度であり、結晶系の
太陽電池の交換効率15%〜20%に比べて大きく見劣
りする。その一方、アモルファス太陽電池は光電交換に
必要な厚みが結晶シリコン系太陽電池の百分の一以下で
あること、製造プロセス上大面積化が容易であることな
どの特徴により、結晶シリコン系太陽電池に比べると低
コスト化が期待できる。今日のいわゆる環境問題の観点
から、太陽光発電が実用化されるためには既存の商用電
力と競合できることが必要であり、そのためには光電交
換効率の高い太陽電池を低コストで製造することが重要
である。
池は、昨今の精力的な研究開発により民生用の太陽電池
として既に実用化されるに至った。しかしながら、さら
に大きな用途展開が期待される電力用の太陽電池として
は、素子の光電交換効率が10%程度であり、結晶系の
太陽電池の交換効率15%〜20%に比べて大きく見劣
りする。その一方、アモルファス太陽電池は光電交換に
必要な厚みが結晶シリコン系太陽電池の百分の一以下で
あること、製造プロセス上大面積化が容易であることな
どの特徴により、結晶シリコン系太陽電池に比べると低
コスト化が期待できる。今日のいわゆる環境問題の観点
から、太陽光発電が実用化されるためには既存の商用電
力と競合できることが必要であり、そのためには光電交
換効率の高い太陽電池を低コストで製造することが重要
である。
【0003】一般にアモルファス太陽電池は真性層(i
型層)をp型層とn型層の間に挿入したpin接合で光
電交換が行われるが、この際p型層およびn型層は、p
i接合およびin接合により素子に図4に示す拡散電位
を生じさせる役割を果たしている。この拡散電位は、素
子性能を表す開放電圧と密接な関係があり、大きな拡散
電位は高い開放電圧を与え、素子の交換効率向上に有効
である。
型層)をp型層とn型層の間に挿入したpin接合で光
電交換が行われるが、この際p型層およびn型層は、p
i接合およびin接合により素子に図4に示す拡散電位
を生じさせる役割を果たしている。この拡散電位は、素
子性能を表す開放電圧と密接な関係があり、大きな拡散
電位は高い開放電圧を与え、素子の交換効率向上に有効
である。
【0004】従来よりアモルファス太陽電池の光の入射
側のp型層として、特開昭57−126175に見られ
るp型の水素化アモルファスシリコンカーボン膜(p型
a−SiC:H)が利用されているのは、バンドギャッ
プの広いp型a−SiC:Hの適用により実効的な拡散
電位の向上があるためである。さらに、一般にアモルフ
ァス太陽電池のドープ層は光電交換不活性層であり、こ
こでの光の吸収は光吸収損失となる。特に光の入射側の
p型層ではこの損失は大きく、そのためにも上述のバン
ドギャップの広いp型a−SiC:Hは有利な物性を有
していた。現在用いられているこのようなp型a−Si
C:Hのバルクとしての物性を掲げると、Taucプロ
ットによる光学的バンドギャップは1.9eV〜2.0
eV、室温での暗導電率は1×10-6S/cm台、この
暗導電率の活性化エネルギは0.4〜0.5eV程度で
ある。
側のp型層として、特開昭57−126175に見られ
るp型の水素化アモルファスシリコンカーボン膜(p型
a−SiC:H)が利用されているのは、バンドギャッ
プの広いp型a−SiC:Hの適用により実効的な拡散
電位の向上があるためである。さらに、一般にアモルフ
ァス太陽電池のドープ層は光電交換不活性層であり、こ
こでの光の吸収は光吸収損失となる。特に光の入射側の
p型層ではこの損失は大きく、そのためにも上述のバン
ドギャップの広いp型a−SiC:Hは有利な物性を有
していた。現在用いられているこのようなp型a−Si
C:Hのバルクとしての物性を掲げると、Taucプロ
ットによる光学的バンドギャップは1.9eV〜2.0
eV、室温での暗導電率は1×10-6S/cm台、この
暗導電率の活性化エネルギは0.4〜0.5eV程度で
ある。
【0005】アモルファス太陽電池の変換効率をさらに
向上させるためには、図4に示された拡散電位を大きく
することが有効である。従来このような目的のために、
特開昭57−187971に見られるように微結晶のp
型あるいはn型のシリコン膜(μc−Si:H)の有効
性が指摘されたことがあった。例えば通常得られるp型
のμc−Si:Hは、上述p型a−SiC:Hに比べて
暗導電率の活性化エネルギが1桁程度小さな数十meV
であるために、フェルミレベルがより価電子帯に近づく
結果、素子の拡散電位が増大するというものである。
向上させるためには、図4に示された拡散電位を大きく
することが有効である。従来このような目的のために、
特開昭57−187971に見られるように微結晶のp
型あるいはn型のシリコン膜(μc−Si:H)の有効
性が指摘されたことがあった。例えば通常得られるp型
のμc−Si:Hは、上述p型a−SiC:Hに比べて
暗導電率の活性化エネルギが1桁程度小さな数十meV
であるために、フェルミレベルがより価電子帯に近づく
結果、素子の拡散電位が増大するというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
微結晶の体積率が100%に近い良好な結晶性を有する
p型μc−Si:Hをアモルファス太陽電池のp型層と
して適用してみると、従来のp型a−SiC:Hに比べ
て素子の開放電圧が向上せず、したがって素子特性の向
上も見られないという問題点がある。
微結晶の体積率が100%に近い良好な結晶性を有する
p型μc−Si:Hをアモルファス太陽電池のp型層と
して適用してみると、従来のp型a−SiC:Hに比べ
て素子の開放電圧が向上せず、したがって素子特性の向
上も見られないという問題点がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような問題点に鑑み
本発明では、水素化アモルファスシリコン(a−Si:
H)系薄膜(水素化アモルファスシリコンカーボン(a
−SiC:H)、水素化アモルファスシリコンゲルマニ
ウム(a−SiGe:H)を含む)からなるp層、i
層、n層のpin接合を少なくとも一対有する薄膜太陽
電池において、前記p層に結合水素量が13at%以上
で、かつバルク構造(膜厚が100nm以上での膜構
造)での微結晶相の体積率が65%から92%の範囲で
あるp型の微結晶相を含むシリコン薄膜(p型μc−S
i:H)を用いることを特徴とする。また、前記p型μ
c−Si:Hを用いたp層の膜厚が20nmから50n
mの範囲であることを特徴とする。
本発明では、水素化アモルファスシリコン(a−Si:
H)系薄膜(水素化アモルファスシリコンカーボン(a
−SiC:H)、水素化アモルファスシリコンゲルマニ
ウム(a−SiGe:H)を含む)からなるp層、i
層、n層のpin接合を少なくとも一対有する薄膜太陽
電池において、前記p層に結合水素量が13at%以上
で、かつバルク構造(膜厚が100nm以上での膜構
造)での微結晶相の体積率が65%から92%の範囲で
あるp型の微結晶相を含むシリコン薄膜(p型μc−S
i:H)を用いることを特徴とする。また、前記p型μ
c−Si:Hを用いたp層の膜厚が20nmから50n
mの範囲であることを特徴とする。
【0008】さらに、前記薄膜太陽電池において、前記
p型μc−Si:Hの製造方法が、プラズマ化学気相成
長装置(p−CVD)を用いてシリコン(Si)元素を
含むガス、ホウ素(B)元素を含むガス、および水素か
らなる混合ガスにより基板上にp型の微結晶相を含むシ
リコン半導体薄膜を成長させる際に、基板の温度を60
℃から150℃の範囲に制御することを特徴とする。
p型μc−Si:Hの製造方法が、プラズマ化学気相成
長装置(p−CVD)を用いてシリコン(Si)元素を
含むガス、ホウ素(B)元素を含むガス、および水素か
らなる混合ガスにより基板上にp型の微結晶相を含むシ
リコン半導体薄膜を成長させる際に、基板の温度を60
℃から150℃の範囲に制御することを特徴とする。
【0009】
【作用】従来のa−SiC:Hと比べて、素子の開放電
圧を向上させるためのp型μc−Si:H膜の具備すべ
き膜構造および膜物性を図示する。図2は、素子のバン
ドダイアグラムを表し、実線は体積率が100%のp型
μc−Si:H膜の極端例として、p型の結晶シリコン
の物性を持つ膜を仮想的にpinの素子構造に適用した
場合のバンドダイアグラムである。それぞれの膜物性値
を表1に示す。この場合、素子の拡散電位は1.02e
Vとなる。図3は、従来のp型a−SiC:Hをpin
の素子に適用した場合のバンドダイアグラムである。表
2にこれらの物性値を示す。この値を用いると、素子の
拡散電位は1.1eVとなる。このことから、P型の結
晶シリコンの物性を持つ膜を用いた場合、素子の開放電
圧はかえって低下する結果となる。
圧を向上させるためのp型μc−Si:H膜の具備すべ
き膜構造および膜物性を図示する。図2は、素子のバン
ドダイアグラムを表し、実線は体積率が100%のp型
μc−Si:H膜の極端例として、p型の結晶シリコン
の物性を持つ膜を仮想的にpinの素子構造に適用した
場合のバンドダイアグラムである。それぞれの膜物性値
を表1に示す。この場合、素子の拡散電位は1.02e
Vとなる。図3は、従来のp型a−SiC:Hをpin
の素子に適用した場合のバンドダイアグラムである。表
2にこれらの物性値を示す。この値を用いると、素子の
拡散電位は1.1eVとなる。このことから、P型の結
晶シリコンの物性を持つ膜を用いた場合、素子の開放電
圧はかえって低下する結果となる。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】一方、微結晶相を含むシリコン膜の構造
は、10nm前後の粒径の結晶シリコンの粒(微結晶)
が水素化アモルファスシリコン相の中に存在していると
考えられる。この微結晶相は、結晶質のシリコンである
からドーピング効率が高く、適量の例えばボロン原子を
添加すれば高い導電率を示し、フェルミレベルを十分価
電子帯に近づけることが可能である(例えば図2では、
フェルミレベルを価電子帯から50meVとした)。し
かしながら、もしもこの微結晶層の体積率が100%
で、結晶シリコンの物性値であるバンドギャップ1.1
2eVおよび電子親和力4.05eVを仮定するなら
ば、上述したように開放電圧は低下する可能性がある。
そこで、微結晶相の割合を減じ、微結晶相の回りあるい
はそれを取り巻くアモルファスシリコン相に多くの結合
水素を付加することで、p型μc−Si:H膜の電気
的、光学的特性を制御することにより、従来のp型a−
SiC:Hに比べて拡散電位の大きい素子が得られるこ
とを確認した。図2の破線は、このp型μc−Si:H
膜の電気的特性としてバンドギャップが1.40eV、
フェルミレベルが価電子帯から50meV、電子親和力
3.90eVとした場合の素子のバンドダイアグラムで
ある。この場合、素子の拡散電位は1.15eVとな
り、従来のp型a−SiC:Hをpinの素子に適用し
た場合の1.1eVより大きくなる。
は、10nm前後の粒径の結晶シリコンの粒(微結晶)
が水素化アモルファスシリコン相の中に存在していると
考えられる。この微結晶相は、結晶質のシリコンである
からドーピング効率が高く、適量の例えばボロン原子を
添加すれば高い導電率を示し、フェルミレベルを十分価
電子帯に近づけることが可能である(例えば図2では、
フェルミレベルを価電子帯から50meVとした)。し
かしながら、もしもこの微結晶層の体積率が100%
で、結晶シリコンの物性値であるバンドギャップ1.1
2eVおよび電子親和力4.05eVを仮定するなら
ば、上述したように開放電圧は低下する可能性がある。
そこで、微結晶相の割合を減じ、微結晶相の回りあるい
はそれを取り巻くアモルファスシリコン相に多くの結合
水素を付加することで、p型μc−Si:H膜の電気
的、光学的特性を制御することにより、従来のp型a−
SiC:Hに比べて拡散電位の大きい素子が得られるこ
とを確認した。図2の破線は、このp型μc−Si:H
膜の電気的特性としてバンドギャップが1.40eV、
フェルミレベルが価電子帯から50meV、電子親和力
3.90eVとした場合の素子のバンドダイアグラムで
ある。この場合、素子の拡散電位は1.15eVとな
り、従来のp型a−SiC:Hをpinの素子に適用し
た場合の1.1eVより大きくなる。
【0013】一般的には、微結晶相とアモルファス相の
混在する膜構造のp型μc−Si:H膜がどのようなバ
ンド構造となっているか知られていないが、ここでは微
結晶相の割合を減じ、微結晶の回り、あるいはそれを取
り巻くアモルファスシリコン相に多くの結合水素を付加
することによってp型μc−Si:H膜の平均的なバン
ドギャップを増大させることができるとしてバンド図を
想定することができた。
混在する膜構造のp型μc−Si:H膜がどのようなバ
ンド構造となっているか知られていないが、ここでは微
結晶相の割合を減じ、微結晶の回り、あるいはそれを取
り巻くアモルファスシリコン相に多くの結合水素を付加
することによってp型μc−Si:H膜の平均的なバン
ドギャップを増大させることができるとしてバンド図を
想定することができた。
【0014】
実施例1 本実施例は、素子のp層として請求項1に記載の微結晶
相の体積率を変化させた膜を、また、特にi層としてa
−Si:Hを用いた場合の実施例である。
相の体積率を変化させた膜を、また、特にi層としてa
−Si:Hを用いた場合の実施例である。
【0015】このような太陽電池のセル構造を図1に示
す。膜を堆積させた基板1は、熱CVD法によりテクス
チャ構造を有する酸化スズ膜を約850nm形成したガ
ラス基板である。ただし、この酸化スズ膜を形成したガ
ラス基板は酸化スズ膜の良好なテクスチャ構造により光
の吸収量の増大を図るために用いたものであり、本実施
例の内容はこのような基板に限定されるものでない。こ
の酸化スズ膜上に金属膜としてスパッタ法、あるいは蒸
着を用いてチタン/銀と積層して、裏面の金属電極2と
した。
す。膜を堆積させた基板1は、熱CVD法によりテクス
チャ構造を有する酸化スズ膜を約850nm形成したガ
ラス基板である。ただし、この酸化スズ膜を形成したガ
ラス基板は酸化スズ膜の良好なテクスチャ構造により光
の吸収量の増大を図るために用いたものであり、本実施
例の内容はこのような基板に限定されるものでない。こ
の酸化スズ膜上に金属膜としてスパッタ法、あるいは蒸
着を用いてチタン/銀と積層して、裏面の金属電極2と
した。
【0016】アモルファスシリコン系の薄膜は、通常の
容量結合型プラズマCVD装置を用いて下記の製膜条件
により、上述の裏面金属基板上に順次形成した。最初に
形成されるn型の水素化アモルファスシリコン膜3は、
SiH4ガス10sccm、H2ガス10sccm、PH
3ガス0.1sccmの混合ガスを反応圧力0.22T
orr、RFパワー20W、基板温度200℃の製膜条
件で、30nmの厚さで裏面電極上に堆積させた。続い
てi型の水素化アモルファスシリコン層4をSiH4ガ
ス10sccm、H2ガス10sccmの混合ガスを反
応圧力0.22Torr、RFパワー20W、基板温度
200℃の製膜条件で450nmの厚さでn層3上に形
成した。このi層4上に、微結晶相の体積率を変化させ
たp型μc−Si:H膜を素子のp層5として20nm
の厚さで形成した。
容量結合型プラズマCVD装置を用いて下記の製膜条件
により、上述の裏面金属基板上に順次形成した。最初に
形成されるn型の水素化アモルファスシリコン膜3は、
SiH4ガス10sccm、H2ガス10sccm、PH
3ガス0.1sccmの混合ガスを反応圧力0.22T
orr、RFパワー20W、基板温度200℃の製膜条
件で、30nmの厚さで裏面電極上に堆積させた。続い
てi型の水素化アモルファスシリコン層4をSiH4ガ
ス10sccm、H2ガス10sccmの混合ガスを反
応圧力0.22Torr、RFパワー20W、基板温度
200℃の製膜条件で450nmの厚さでn層3上に形
成した。このi層4上に、微結晶相の体積率を変化させ
たp型μc−Si:H膜を素子のp層5として20nm
の厚さで形成した。
【0017】このp層5の上に、透明導電膜6として酸
化インジウムスズ(ITO)膜をスパッタ法を用いて約
60nm堆積し、さらに集電極7としてアルミニウム膜
を電子ビーム蒸着法により600nm形成した。以上の
ようにして、基板/裏面電極/nip/集電極型のa−
Si:H太陽電池を作製した。
化インジウムスズ(ITO)膜をスパッタ法を用いて約
60nm堆積し、さらに集電極7としてアルミニウム膜
を電子ビーム蒸着法により600nm形成した。以上の
ようにして、基板/裏面電極/nip/集電極型のa−
Si:H太陽電池を作製した。
【0018】微結晶相の体積率および膜中結合水素量の
変化に対する素子特性を表3に示す。ここで、微結晶相
の体積率は以下の手順により求めた膜のバルク構造(膜
厚が100nm以上での膜構造)での微結晶相の体積率
で定義している。この値を求めた実験的手続きは以下の
ように行った。基板として結晶シリコンを用いて、この
基板上にp型μc−Si:H膜を素子に適用した製膜条
件と同一の条件で膜厚100nm以上の膜を堆積させ
る。次にX線回折法によりこれらの基板上に堆積した膜
のX線回折パターンを測定すれば、(111)の回折ピ
ーク(28.3°付近)、(220)面の回折ピーク
(47.2°付近)、(311)面の回折ピーク(56
°付近)の3つのピークが現れる。このそれぞれのピー
ク面積の総和(S)を求める。次に、この膜を800℃
〜1000℃で熱アニールし、膜中に含まれているアモ
ルファス相をすべて結晶化させた後、再度X線回折パタ
ーンを測定し、上記3つの回折ピークの面積の総和(S
c)を求める。膜中のアモルファス相がすべて結晶化し
たかどうかは、さらに熱アニールしてもScの値が飽和
していることで判断する。こうして得られた値の比S/
Scをp型μc−Si:H膜のバルク構造(膜厚が10
0nm以上)での微結晶体積率とした。また、膜中結合
水素量は、赤外吸収スペクトルから求めたものである。
他のp型μc−Si:Hの電気的、光学的特性は表6に
示す。
変化に対する素子特性を表3に示す。ここで、微結晶相
の体積率は以下の手順により求めた膜のバルク構造(膜
厚が100nm以上での膜構造)での微結晶相の体積率
で定義している。この値を求めた実験的手続きは以下の
ように行った。基板として結晶シリコンを用いて、この
基板上にp型μc−Si:H膜を素子に適用した製膜条
件と同一の条件で膜厚100nm以上の膜を堆積させ
る。次にX線回折法によりこれらの基板上に堆積した膜
のX線回折パターンを測定すれば、(111)の回折ピ
ーク(28.3°付近)、(220)面の回折ピーク
(47.2°付近)、(311)面の回折ピーク(56
°付近)の3つのピークが現れる。このそれぞれのピー
ク面積の総和(S)を求める。次に、この膜を800℃
〜1000℃で熱アニールし、膜中に含まれているアモ
ルファス相をすべて結晶化させた後、再度X線回折パタ
ーンを測定し、上記3つの回折ピークの面積の総和(S
c)を求める。膜中のアモルファス相がすべて結晶化し
たかどうかは、さらに熱アニールしてもScの値が飽和
していることで判断する。こうして得られた値の比S/
Scをp型μc−Si:H膜のバルク構造(膜厚が10
0nm以上)での微結晶体積率とした。また、膜中結合
水素量は、赤外吸収スペクトルから求めたものである。
他のp型μc−Si:Hの電気的、光学的特性は表6に
示す。
【0019】
【表3】
【0020】表3から、微結晶の体積率が92%より小
さくなることによって、素子の開放電圧は0.90vo
ltを越え、従来のp型a−SiC:H膜に比べて素子
の光電変換効率も向上していることがわかる。このよう
な開放電圧の向上が素子の拡散電位の増大に伴うもので
あることを、S.S.Hegedusらの方法(Jou
rnal of Applied Physics,6
3,1988,p5126)による測定から確認した。
例えば、表1中の体積率87%の素子の拡散電位は1.
20voltであり、表中の従来のp層a−SiC:H
の素子の拡散電位は1.12voltであった。
さくなることによって、素子の開放電圧は0.90vo
ltを越え、従来のp型a−SiC:H膜に比べて素子
の光電変換効率も向上していることがわかる。このよう
な開放電圧の向上が素子の拡散電位の増大に伴うもので
あることを、S.S.Hegedusらの方法(Jou
rnal of Applied Physics,6
3,1988,p5126)による測定から確認した。
例えば、表1中の体積率87%の素子の拡散電位は1.
20voltであり、表中の従来のp層a−SiC:H
の素子の拡散電位は1.12voltであった。
【0021】一方、本実施例では、膜中水素量は体積率
と共に、表3に示したごとく変化している。一般的には
このような結合水素は微結晶の周り、あるいはアモルフ
ァス相に取り込まれており、Taucプロットで求める
膜の光学的バンドギャップは表6に示したごとく、結合
水素量と共に単調に増大していることがわかる。したが
って、膜の構造としては膜中水素量を13at%にして
体積率を92%より小さくすることによって、つまり微
結晶相の割合を減じてその微結晶の回り、あるいは微結
晶を取り巻くアモルファスシリコン相に多くの結合水素
付加したp型μc−Si:H膜を用いることによって、
素子の拡散電位は向上していることがわかる。このよう
な実験事実は、逆に微結晶相の割合を減じ、微結晶の周
り、あるいはそれを取り巻くアモルファスシリコン相に
多くの結合水素を付加したp型μc−Si:Hでは平均
的なバンドギャップが増大し、その結果、図2の破線で
示したようなバンドダイアグラムが想定できることを示
唆している。
と共に、表3に示したごとく変化している。一般的には
このような結合水素は微結晶の周り、あるいはアモルフ
ァス相に取り込まれており、Taucプロットで求める
膜の光学的バンドギャップは表6に示したごとく、結合
水素量と共に単調に増大していることがわかる。したが
って、膜の構造としては膜中水素量を13at%にして
体積率を92%より小さくすることによって、つまり微
結晶相の割合を減じてその微結晶の回り、あるいは微結
晶を取り巻くアモルファスシリコン相に多くの結合水素
付加したp型μc−Si:H膜を用いることによって、
素子の拡散電位は向上していることがわかる。このよう
な実験事実は、逆に微結晶相の割合を減じ、微結晶の周
り、あるいはそれを取り巻くアモルファスシリコン相に
多くの結合水素を付加したp型μc−Si:Hでは平均
的なバンドギャップが増大し、その結果、図2の破線で
示したようなバンドダイアグラムが想定できることを示
唆している。
【0022】一方、素子の曲線因子は表3に示すように
体積率65%程度から低下し始め、体積率0%では素子
特性全体が大きく悪化する。これは、微結晶相の体積率
の低下により十分なpi接合が形成されないようになる
ためである。
体積率65%程度から低下し始め、体積率0%では素子
特性全体が大きく悪化する。これは、微結晶相の体積率
の低下により十分なpi接合が形成されないようになる
ためである。
【0023】以上を総合すると、素子の開放電圧向上に
はバルクでの微結晶の体積率が92%〜65%の範囲に
制御し、かつその微結晶の周り、あるいは微結晶を取り
巻くアモルファスシリコン相の結合水素量を13at%
以上にして、広いバンドギャップのアモルファス相を混
在させることが素子特性向上の上で有効であることが分
かる。
はバルクでの微結晶の体積率が92%〜65%の範囲に
制御し、かつその微結晶の周り、あるいは微結晶を取り
巻くアモルファスシリコン相の結合水素量を13at%
以上にして、広いバンドギャップのアモルファス相を混
在させることが素子特性向上の上で有効であることが分
かる。
【0024】実施例2 本実施例は、素子のp層として請求項1に記載の微結晶
相の体積率を変化させた膜を用い、また、特にi層とし
てa−SiC:Hおよびa−SiGe:Hを用いたアモ
ルファス太陽電池に関する。
相の体積率を変化させた膜を用い、また、特にi層とし
てa−SiC:Hおよびa−SiGe:Hを用いたアモ
ルファス太陽電池に関する。
【0025】膜を堆積させた基板、およびn型のa−S
i:H層までは実施例1と同様である。このn層に、引
き続いてi型のa−SiC:H層の基準条件としてSi
H4ガス10sccm、CH4ガス10sccm、H2ガ
ス300sccmの混合ガスを反応圧力0.20Tor
r、RFパワー20W、基板温度200℃の製膜条件
で、150nmの厚さでn層上に形成した。ただし、こ
のi層中では素子の収集効率向上のため、CH4ガスと
SiH4ガスの混合割合を連続的に変化させることによ
って膜中のカーボン量を変化させた、いわゆるバンドギ
ャッププロファイルを設けている。このi層上に、微結
晶相の体積率を変化させたp型μc−Si:H膜を素子
のp層として形成した。このp層の上に、透明導電膜と
してスパッタ法を用いて酸化インジウムスズ(ITO)
膜を約60nm堆積し、さらに集電極としてアルミニウ
ム膜を電子ビーム蒸着法により600nm形成した。以
上のようにして、基板/裏面電極/nip/透明電極/
集電極型のa−SiC:H太陽電池を作製した。
i:H層までは実施例1と同様である。このn層に、引
き続いてi型のa−SiC:H層の基準条件としてSi
H4ガス10sccm、CH4ガス10sccm、H2ガ
ス300sccmの混合ガスを反応圧力0.20Tor
r、RFパワー20W、基板温度200℃の製膜条件
で、150nmの厚さでn層上に形成した。ただし、こ
のi層中では素子の収集効率向上のため、CH4ガスと
SiH4ガスの混合割合を連続的に変化させることによ
って膜中のカーボン量を変化させた、いわゆるバンドギ
ャッププロファイルを設けている。このi層上に、微結
晶相の体積率を変化させたp型μc−Si:H膜を素子
のp層として形成した。このp層の上に、透明導電膜と
してスパッタ法を用いて酸化インジウムスズ(ITO)
膜を約60nm堆積し、さらに集電極としてアルミニウ
ム膜を電子ビーム蒸着法により600nm形成した。以
上のようにして、基板/裏面電極/nip/透明電極/
集電極型のa−SiC:H太陽電池を作製した。
【0026】同様に、i型のa−SiGe:H層の基準
条件としてSiH4ガス5sccm、GeH4ガス5sc
cm、H2ガス200sccmの混合ガスを反応圧力
0.35Torr、RFパワー15W、基板温度200
℃の製膜条件で250nmの厚さでn層上に形成した。
ただし、このi層中でも素子の収集効率向上のため、G
eH4ガスとSiH4ガスの混合割合を連続的に変化させ
ることによって膜中のゲルマニウム量を変化させた、い
わゆるバンドギャッププロファイルを設けている。この
i層上に、微結晶層の堆積率を変化させたp型μc−S
i:H膜を素子のp層として25nmの厚さで形成し
た。このp層上に、透明導電膜としてスパッタ法を用い
て酸化インジウムスズ(ITO)膜を約60nm堆積
し、さらに集電極としてアルミニウム膜を電子ビーム蒸
着法により600nm形成した。以上のようにして、基
板/裏面電極/nip/透明電極/集電極型のa−Si
Ge:H太陽電池を作製した。
条件としてSiH4ガス5sccm、GeH4ガス5sc
cm、H2ガス200sccmの混合ガスを反応圧力
0.35Torr、RFパワー15W、基板温度200
℃の製膜条件で250nmの厚さでn層上に形成した。
ただし、このi層中でも素子の収集効率向上のため、G
eH4ガスとSiH4ガスの混合割合を連続的に変化させ
ることによって膜中のゲルマニウム量を変化させた、い
わゆるバンドギャッププロファイルを設けている。この
i層上に、微結晶層の堆積率を変化させたp型μc−S
i:H膜を素子のp層として25nmの厚さで形成し
た。このp層上に、透明導電膜としてスパッタ法を用い
て酸化インジウムスズ(ITO)膜を約60nm堆積
し、さらに集電極としてアルミニウム膜を電子ビーム蒸
着法により600nm形成した。以上のようにして、基
板/裏面電極/nip/透明電極/集電極型のa−Si
Ge:H太陽電池を作製した。
【0027】以上のようにして作製された素子の特性を
表4、表5に示す。表より明らかなように、i層がいず
れの素子においても結合水素量が13at%以上で、微
結晶の体積率が92%より小さいものの開放電圧は、従
来のp型μc−Si:H膜より20mV〜50mV向上
していることがわかる。さらに、このような開放電圧の
向上が素子の拡散電位の増大に伴うものであることを、
同様にS.S.Hedgedusらの方法による測定か
ら確認された。例えば表4中の体積率87%の素子の拡
散電位は0.92voltであり、表中の従来のp層a
−SiC:Hの素子の拡散電位は0.84voltであ
った。
表4、表5に示す。表より明らかなように、i層がいず
れの素子においても結合水素量が13at%以上で、微
結晶の体積率が92%より小さいものの開放電圧は、従
来のp型μc−Si:H膜より20mV〜50mV向上
していることがわかる。さらに、このような開放電圧の
向上が素子の拡散電位の増大に伴うものであることを、
同様にS.S.Hedgedusらの方法による測定か
ら確認された。例えば表4中の体積率87%の素子の拡
散電位は0.92voltであり、表中の従来のp層a
−SiC:Hの素子の拡散電位は0.84voltであ
った。
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】一方、素子の曲線因子は体積率65%程度
から低下し始め、体積率0%では素子特性全体が大きく
悪化する。これは、微結晶層の体積率の低下により、充
分なpi接合が形成されないようになるためである。
から低下し始め、体積率0%では素子特性全体が大きく
悪化する。これは、微結晶層の体積率の低下により、充
分なpi接合が形成されないようになるためである。
【0031】以上を総合すると、i層がa−SiC:
H、a−SiGe:Hの場合においても素子の開放電圧
向上にはバルクでの微結晶の体積率が92%〜65%の
範囲で、結合水素量が13at%以上であることが有効
であることが明らかになった。
H、a−SiGe:Hの場合においても素子の開放電圧
向上にはバルクでの微結晶の体積率が92%〜65%の
範囲で、結合水素量が13at%以上であることが有効
であることが明らかになった。
【0032】以上の実施例1、実施例2より、特に基板
/裏面電極/nip/透明電極/集電極型のアモルファ
スシリコン太陽電池について本発明の有効性を説明して
きたが、アモルファスシリコン膜の積層する順番を逆に
した、透光性基板/透明電極/pin/裏面電極型の素
子にも本発明の膜構造を有するp型μc−Si:H膜が
素子の開放電圧向上に有効に働くことは自明である。な
ぜなら、透明電極上に同様な膜構造を有するp型μc−
Si:H膜が形成することによって図2の実線と全く同
じバンドダイアグラムをもつ素子が形成できるからであ
る。
/裏面電極/nip/透明電極/集電極型のアモルファ
スシリコン太陽電池について本発明の有効性を説明して
きたが、アモルファスシリコン膜の積層する順番を逆に
した、透光性基板/透明電極/pin/裏面電極型の素
子にも本発明の膜構造を有するp型μc−Si:H膜が
素子の開放電圧向上に有効に働くことは自明である。な
ぜなら、透明電極上に同様な膜構造を有するp型μc−
Si:H膜が形成することによって図2の実線と全く同
じバンドダイアグラムをもつ素子が形成できるからであ
る。
【0033】実施例3 本実施例は、請求項1に記載のp型μc−Si:Hを、
pin接合を有するアモルファス太陽電池のp層に適用
する際の膜厚に関するものである。
pin接合を有するアモルファス太陽電池のp層に適用
する際の膜厚に関するものである。
【0034】一般的に、薄膜半導体ではその膜厚により
物性、膜構造が変化することは知られている。本発明の
微結晶層の体積率を制御した太陽電池に関しても、膜構
造を膜のバルク構造(膜厚が100nm以上での膜構
造)で定義することは、実験の手続き上簡便であり、ま
た、実験精度上の面で確度の高い方法である。しかしな
がら、実際には太陽電池で用いるp型μc−Si:Hの
膜厚はバルクの厚みの10分の1前後であって、本来的
にはこのような厚さでの膜構造が問題となってくる。
物性、膜構造が変化することは知られている。本発明の
微結晶層の体積率を制御した太陽電池に関しても、膜構
造を膜のバルク構造(膜厚が100nm以上での膜構
造)で定義することは、実験の手続き上簡便であり、ま
た、実験精度上の面で確度の高い方法である。しかしな
がら、実際には太陽電池で用いるp型μc−Si:Hの
膜厚はバルクの厚みの10分の1前後であって、本来的
にはこのような厚さでの膜構造が問題となってくる。
【0035】そこで、ガラス基板上に膜厚が5nm〜2
00nmの範囲で異なるp型μc−Si:Hを堆積させ
た試料、あるいはステンレス上にa−SiC:H、a−
Si:H、a−SiGe:Hをそれぞれ数100nm堆
積させた後、膜厚の異なるp型μc−Si:Hを堆積さ
せた試料を作製し、RHEED(反射高速電子線回折)
法により薄膜での結晶性を調べた。その結果、p型μc
−Si:Hは上記のいずれの場合でも膜厚が5nmでは
結晶性がなくアモルファスの状態であるが、膜厚10n
mではデバイーシェラーリングが見え始め、つまり微結
晶化が始まり、さらに25nmではバルクでのデバイー
シェラーリングと同等の強度である、つまりバルク構造
に近いものであることが研究より明らかになった。
00nmの範囲で異なるp型μc−Si:Hを堆積させ
た試料、あるいはステンレス上にa−SiC:H、a−
Si:H、a−SiGe:Hをそれぞれ数100nm堆
積させた後、膜厚の異なるp型μc−Si:Hを堆積さ
せた試料を作製し、RHEED(反射高速電子線回折)
法により薄膜での結晶性を調べた。その結果、p型μc
−Si:Hは上記のいずれの場合でも膜厚が5nmでは
結晶性がなくアモルファスの状態であるが、膜厚10n
mではデバイーシェラーリングが見え始め、つまり微結
晶化が始まり、さらに25nmではバルクでのデバイー
シェラーリングと同等の強度である、つまりバルク構造
に近いものであることが研究より明らかになった。
【0036】このことから、p型μc−Si:Hを素子
に適用する際に、従来のp型μc−Si:Hの膜厚10
nm〜20nm程度では大きな問題があり、その膜厚は
上述の事実を考慮して設計することが必要であることが
わかった。
に適用する際に、従来のp型μc−Si:Hの膜厚10
nm〜20nm程度では大きな問題があり、その膜厚は
上述の事実を考慮して設計することが必要であることが
わかった。
【0037】実験に用いた製造方法および素子構造は、
実施例1、実施例2で述べたものと同じであるが、i層
にはa−SiC:Hを用い、p型μc−Si:Hは体積
率が87%の製膜条件で行っており、p型μc−Si:
H膜厚のみをその体積時間を変化させることによって1
5nm、20nm、25nm、30nm、50nmと変
化させた。素子特性を評価した結果を図4に示す。図か
ら明らかなように開放電圧はp型μc−Si:Hの膜厚
を20nm以上にすることにより、従来のp層にp型a
−SiC:Hを用いた素子より上回っていることがわか
る。この結果は、上述した10nm以上で微結晶化が始
まり、25nmではバルクに近い微結晶性を有するとい
う結果をほぼ反映しており、図4の素子特性の結果から
p型μc−Si:Hの膜厚を20nm以上にすることが
重要であることがわかる。ただし、製造方法、製造条件
により薄膜での構造は大きく異なる可能性が有り、一般
的には薄膜での構造に応じた素子設計を行うことが必要
となる。
実施例1、実施例2で述べたものと同じであるが、i層
にはa−SiC:Hを用い、p型μc−Si:Hは体積
率が87%の製膜条件で行っており、p型μc−Si:
H膜厚のみをその体積時間を変化させることによって1
5nm、20nm、25nm、30nm、50nmと変
化させた。素子特性を評価した結果を図4に示す。図か
ら明らかなように開放電圧はp型μc−Si:Hの膜厚
を20nm以上にすることにより、従来のp層にp型a
−SiC:Hを用いた素子より上回っていることがわか
る。この結果は、上述した10nm以上で微結晶化が始
まり、25nmではバルクに近い微結晶性を有するとい
う結果をほぼ反映しており、図4の素子特性の結果から
p型μc−Si:Hの膜厚を20nm以上にすることが
重要であることがわかる。ただし、製造方法、製造条件
により薄膜での構造は大きく異なる可能性が有り、一般
的には薄膜での構造に応じた素子設計を行うことが必要
となる。
【0038】一方、膜厚が30nmでも短絡電流の低下
が見られていないのは、特に短波長光に対する吸収係数
がp型a−SiC:Hに比べて今回用いたp型μc−S
i:Hの方が小さいためであるが、膜厚を50nmまで
にすると光の吸収損失が拭えなくなっている。そのため
短絡電流の低下を招いている。以上の結果から、p型μ
c−Si:H適用による特性向上には、その膜厚を20
nmから50nmにすることが重要であることがわか
る。
が見られていないのは、特に短波長光に対する吸収係数
がp型a−SiC:Hに比べて今回用いたp型μc−S
i:Hの方が小さいためであるが、膜厚を50nmまで
にすると光の吸収損失が拭えなくなっている。そのため
短絡電流の低下を招いている。以上の結果から、p型μ
c−Si:H適用による特性向上には、その膜厚を20
nmから50nmにすることが重要であることがわか
る。
【0039】本実施例ではi層がa−SiC:Hの場合
にのみ記したが、i層がa−Si:Hあるいはa−Si
Ge:Hであっても全く同様な結果が得られた。
にのみ記したが、i層がa−Si:Hあるいはa−Si
Ge:Hであっても全く同様な結果が得られた。
【0040】実施例4 本実施例は、請求項1に記載の微結晶相の体積率の異な
るp型μc−Si:Hの製造方法に関するものである。
るp型μc−Si:Hの製造方法に関するものである。
【0041】本願による微結晶相の体積率を減じたp型
μc−Si:Hでは、微結晶の回りおよび微結晶相を取
り囲む水素化アモルファスシリコン相に結合水素量を増
加させることによって、p型μc−Si:Hが広いバン
ドギャップを有していることが必要である。このような
微結晶相の体積率の低下と、膜中の結合水素量の増大と
を同時に実現する製膜条件の有効な範囲を下記の研究よ
り見いだした。
μc−Si:Hでは、微結晶の回りおよび微結晶相を取
り囲む水素化アモルファスシリコン相に結合水素量を増
加させることによって、p型μc−Si:Hが広いバン
ドギャップを有していることが必要である。このような
微結晶相の体積率の低下と、膜中の結合水素量の増大と
を同時に実現する製膜条件の有効な範囲を下記の研究よ
り見いだした。
【0042】本実施例に用いた製膜装置は、容量結合型
のRFプラズマCVD装置である。高真空排気系を具備
した反応室には、RF電極に対向して設置されたアノー
ド電極があり、このアノード電極に膜を堆積させる基板
が取り付けられる。このアノード電極には基板加熱ヒー
タが取り付けられており、このヒータにより基板温度を
制御できる。マスフローコントローラにより反応ガスの
流量が制御され、ガス導入配管系により流量制御された
反応ガスが反応室に導かれる。反応室での反応ガス圧力
は、バラトロン圧力計により検知、制御される。
のRFプラズマCVD装置である。高真空排気系を具備
した反応室には、RF電極に対向して設置されたアノー
ド電極があり、このアノード電極に膜を堆積させる基板
が取り付けられる。このアノード電極には基板加熱ヒー
タが取り付けられており、このヒータにより基板温度を
制御できる。マスフローコントローラにより反応ガスの
流量が制御され、ガス導入配管系により流量制御された
反応ガスが反応室に導かれる。反応室での反応ガス圧力
は、バラトロン圧力計により検知、制御される。
【0043】あらかじめセットされた基板温度に基板が
加熱され温度が安定し、同時に高真空排気系により2×
10-6Torrまで排気された反応室に、SiH4ガス
1sccm、H2ガス160sccm、B2H6ガス0.
01sccmの混合ガスを導入した。反応圧力はバラト
ロン圧力計で0.16Torrとした。この反応ガス系
に200WのRFパワーをRF電極に投入することによ
って、気相中で反応ガスがプラズマ分解され、基板にp
型μc−Si:Hが堆積された。
加熱され温度が安定し、同時に高真空排気系により2×
10-6Torrまで排気された反応室に、SiH4ガス
1sccm、H2ガス160sccm、B2H6ガス0.
01sccmの混合ガスを導入した。反応圧力はバラト
ロン圧力計で0.16Torrとした。この反応ガス系
に200WのRFパワーをRF電極に投入することによ
って、気相中で反応ガスがプラズマ分解され、基板にp
型μc−Si:Hが堆積された。
【0044】このような製膜条件下で基板温度を室温か
ら200℃まで変化させることにより、それに伴うp型
μc−Si:Hの膜構造の電気的、光学的性質の変化と
して表6を得た。ただし、表中の光学的バンドギャップ
については、本来アモルファスシリコン系薄膜に適用さ
れる(αhν)1/2 vs hνプロット(Taucプロッ
ト)から求められる値を便宜的に用いている。
ら200℃まで変化させることにより、それに伴うp型
μc−Si:Hの膜構造の電気的、光学的性質の変化と
して表6を得た。ただし、表中の光学的バンドギャップ
については、本来アモルファスシリコン系薄膜に適用さ
れる(αhν)1/2 vs hνプロット(Taucプロッ
ト)から求められる値を便宜的に用いている。
【0045】
【表6】
【0046】この表からわかるように、製膜時の基板温
度を150℃より低くすることにより微結晶の体積率を
92%以下にすることが可能となり、同時に膜中の結合
水素量が増大することによって膜の光学的バンドギャッ
プを増大させることができる。また、この方法によれ
ば、基板温度を60℃以上にすることで、高い導電率を
維持してTaucプロットによる光学的バンドギャップ
の広い膜が得られることがわかった。
度を150℃より低くすることにより微結晶の体積率を
92%以下にすることが可能となり、同時に膜中の結合
水素量が増大することによって膜の光学的バンドギャッ
プを増大させることができる。また、この方法によれ
ば、基板温度を60℃以上にすることで、高い導電率を
維持してTaucプロットによる光学的バンドギャップ
の広い膜が得られることがわかった。
【0047】以上に述べた製膜方法では、微結晶相を含
むp型μc−Si:Hの構造の制御が主として基板温度
で決まっていることから、出発原料ガスには大きく依存
しないことが推察される。したがって、原料ガスとして
SiH4以外のジシラン等の高次シラン、またB2H6以
外のp型のドープガスとしてBF3等を用いることがで
きる。
むp型μc−Si:Hの構造の制御が主として基板温度
で決まっていることから、出発原料ガスには大きく依存
しないことが推察される。したがって、原料ガスとして
SiH4以外のジシラン等の高次シラン、またB2H6以
外のp型のドープガスとしてBF3等を用いることがで
きる。
【0048】
【発明の効果】微結晶相を含むシリコン膜をアモルファ
ス太陽電池に適用する際に、本発明のバルクでの微結晶
の体積率を92%〜65%に制御し、かつその微結晶の
周り、あるいは微結晶を取り巻くアモルファスシリコン
相の結合水素量を13at%以上にして、広いバンドギ
ャップのアモルファス相を混在させたp型μc−Si:
Hを素子のp層に適用することにより素子の拡散電位を
増大させ、素子の開放電圧を向上させることが可能にな
る。また、本発明によれば、そのような構造、特性をも
つp型μc−Si:Hを他のアモルファスシリコン系膜
の製造方法と同じプラズマ化学気相成長法で製造するこ
とが可能であるから、新たな設備投資を行うことなしに
このような薄膜太陽電池を製造することができる。した
がって、光電交換効率の高い太陽電池を低コストで製造
することが可能となり、既存の商用電力と競合できる太
陽電池を提供することができるようになる。
ス太陽電池に適用する際に、本発明のバルクでの微結晶
の体積率を92%〜65%に制御し、かつその微結晶の
周り、あるいは微結晶を取り巻くアモルファスシリコン
相の結合水素量を13at%以上にして、広いバンドギ
ャップのアモルファス相を混在させたp型μc−Si:
Hを素子のp層に適用することにより素子の拡散電位を
増大させ、素子の開放電圧を向上させることが可能にな
る。また、本発明によれば、そのような構造、特性をも
つp型μc−Si:Hを他のアモルファスシリコン系膜
の製造方法と同じプラズマ化学気相成長法で製造するこ
とが可能であるから、新たな設備投資を行うことなしに
このような薄膜太陽電池を製造することができる。した
がって、光電交換効率の高い太陽電池を低コストで製造
することが可能となり、既存の商用電力と競合できる太
陽電池を提供することができるようになる。
【図1】本発明の一実施例を表す太陽電池の模式構造図
である。
である。
【図2】表1に基づく太陽電池素子のバンドダイアグラ
ムである。
ムである。
【図3】表2に基づく太陽電池素子のバンドダイアグラ
ムである。
ムである。
【図4】p型μc−Si:H膜厚を変化させたときの素
子の特性を表す図である。
子の特性を表す図である。
1 基板 2 裏面電極 3 n型層 4 i型層 5 p型層 6 透明導電膜 7 集電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 義宏 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 水素化アモルファスシリコン(a−S
i:H)系薄膜(水素化アモルファスシリコンカーボン
(a−SiC:H)、水素化アモルファスシリコンゲル
マニウム(a−SiGe:H)を含む)からなるp層、
i層、n層のpin接合を少なくとも一対有する薄膜太
陽電池において、前記p層に結合水素量が13at%以
上で、かつバルク構造(膜厚が100nm以上での膜構
造)での微結晶相の体積率が65%から92%の範囲で
あるp型の微結晶相を含むシリコン薄膜(p型μc−S
i:H)を用いることを特徴とする薄膜太陽電池。 - 【請求項2】 前記p型μc−Si:Hを用いたp層の
膜厚が20nmから50nmの範囲であることを特徴と
する請求項1記載の薄膜太陽電池。 - 【請求項3】 請求項1記載の薄膜太陽電池において、
前記p型μc−Si:Hの製造方法が、プラズマ化学気
相成長装置(p−CVD)を用いてシリコン(Si)元
素を含むガス、ホウ素(B)元素を含むガス、および水
素からなる混合ガスにより基板上にp型の微結晶相を含
むシリコン半導体薄膜を成長させる際に、基板の温度を
60℃から150℃の範囲に制御することを特徴とする
薄膜太陽電池の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6252604A JPH08116080A (ja) | 1994-10-19 | 1994-10-19 | 薄膜太陽電池およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6252604A JPH08116080A (ja) | 1994-10-19 | 1994-10-19 | 薄膜太陽電池およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08116080A true JPH08116080A (ja) | 1996-05-07 |
Family
ID=17239682
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6252604A Pending JPH08116080A (ja) | 1994-10-19 | 1994-10-19 | 薄膜太陽電池およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08116080A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6215061B1 (en) | 1998-02-17 | 2001-04-10 | Canon Kabushiki Kaisha | Photoconductive thin film, and photovoltaic device making use of the same |
-
1994
- 1994-10-19 JP JP6252604A patent/JPH08116080A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6215061B1 (en) | 1998-02-17 | 2001-04-10 | Canon Kabushiki Kaisha | Photoconductive thin film, and photovoltaic device making use of the same |
| CN100364115C (zh) * | 1998-02-17 | 2008-01-23 | 佳能株式会社 | 光电导薄膜和使用此薄膜的光生伏打器件 |
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