JPH08120029A - 塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂の製造方法

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JPH08120029A
JPH08120029A JP25527394A JP25527394A JPH08120029A JP H08120029 A JPH08120029 A JP H08120029A JP 25527394 A JP25527394 A JP 25527394A JP 25527394 A JP25527394 A JP 25527394A JP H08120029 A JPH08120029 A JP H08120029A
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JP
Japan
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vinyl chloride
weight
acrylate
polymerization
chloride resin
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Application number
JP25527394A
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English (en)
Inventor
Shigeru Tanaka
茂 田中
Masanobu Omoto
正信 大元
Takahiro Oomura
貴宏 大村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アクリル系重合体ラテックスに、塩化ビニルを
懸濁重合にてグラフト共重合する際に、スケールの発生
量の少ない塩化ビニル系樹脂の製造方法を提供する。 【構成】(A)単独重合体のガラス転移温度が−20℃
未満であるアルキル(メタ)アクリレートを主成分とす
るアクリル系モノマーと、(B)多官能性モノマー0.
1〜10重量部を共重合することにより得られるアクリ
ル系共重合体ラテックス1〜30重量%に、塩化ビニル
99〜70重量%を懸濁重合によりグラフト共重合する
際に、(C)水溶性増粘剤を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル系樹脂は、機械的強
度、耐候性、耐薬品性等に優れた特性を有する材料とし
て、幅広い用途に用いられている。しかし、耐衝撃性が
劣るため、その改良方法につき種々の提案がなされてい
る。例えば、架橋されたアクリル系共重合体に塩化ビニ
ルをグラフト共重合することにより、耐衝撃性及び耐候
性の優れた塩化ビニル系樹脂の製造方法が開示されてい
る(特開昭60−255813号公報)。
【0003】しかし、上記製造方法で得られる塩化ビニ
ル系樹脂は、アクリル系重合体ラッテクスに、懸濁重合
にて塩化ビニルをグラフト共重合する際に、重合器内
壁、攪拌翼、攪拌翼主軸、邪魔板等、重合中に塩化ビニ
ルモノマー及びアクリル系重合体ラテックスが接触する
部分にスケールと呼ばれるポリマーが付着するために、
重合槽の冷却能力が低下したり、一旦付着したスケール
が剥離して塩化ビニルポリマー中に混入して、品質を低
下させるという問題点があった。
【0004】このため、塩化ビニル樹脂の製造工程にお
いて、スケールを防止する方法が種々考案されている
が、いずれもの方法も、アクリル系重合体ラテックス
に、塩化ビニルをグラフト共重合する製造工程には適用
することができなかった。
【0005】また、上記製造方法で得られる塩化ビニル
系樹脂は、通常の塩化ビニル樹脂に比べて耐衝撃性は大
幅に向上するが、耐水性が悪くなるという欠点があっ
た。特に、給湯管、給湯管継手等又は熱水に接する用途
においては、製品の耐水性が長期的な物性を左右する重
要な要因であり、耐水性の悪い製品ほど長期物性が低下
し、製品の寿命も短くなる。さらに、上記製造方法で得
られる塩化ビニル系樹脂は、アクリル系重合体に残存す
る乳化剤の親水性が高いため、製品の耐水性が通常の塩
化ビニル通常に比べて劣るという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】第1発明は、上記欠点
に鑑みてなされたものであり、その目的は、アクリル系
重合体ラテックスに塩化ビニルを懸濁重合にてグラフト
共重合させる際に、水溶性増粘剤を添加することによ
り、スケール発生量及び成形した時のフィッシュアイ発
生の少ない塩化ビニル系樹脂の製造方法を提供すること
にある。
【0007】第2発明は、上記欠点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、アクリル系重合体ラテックスに
塩化ビニルを懸濁重合にてグラフト共重合させる際に、
乳化分散剤を添加することにより、耐衝撃性、耐水性、
熱安定性の優れた塩化ビニル系樹脂を製造する方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1発明の塩化ビニル系
樹脂の製造方法は、アクリル系共重合体ラテックスに、
塩化ビニルを懸濁重合によりグラフト共重合する際に水
溶性増粘剤(C)を添加することを特徴とする。
【0009】上記アクリル系共重合体ラテックスは、ア
ルキル(メタ)アクリレートを主成分とするアクリル系
モノマー(A)と、多官能性モノマー(B)を共重合す
ることにより得られる。
【0010】上記アルキル(メタ)アクリレートとして
は、その単独重合体のガラス転移温度が−20℃未満で
あれば特に制限はなく、このようなアルキル(メタ)ア
クリレートとしては、例えば、エチルアクリレート、n
−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イ
ソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、
n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオク
チルアクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、
イソノニルアクリレート、n−デシル(メタ)アクリレ
ート、ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、こ
れらは単独で用いられても二種以上が併用されてもよ
い。
【0011】上記アクリル系モノマー(A)中に占める
アルキル(メタ)アクリレートの割合は、少なくなると
十分な耐衝撃性が得られなくなるので、75重量%以上
が好ましい。
【0012】上記アクリル系モノマー(A)において用
いられるアルキル(メタ)アクリレート以外のモノマー
としては、該アルキル(メタ)アクリレートと共重合可
能であって、単独重合体のガラス転移温度が−20℃以
上であるビニルモノマーが好ましく、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メ
タ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、
イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メ
タ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、
n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、ラウリルアクリレート、ミリス
チル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリ
レート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル
(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸等
の極性基含有ビニルモノマー;スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマー類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニト
リルモノマー類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の
ビニルエステル類などが挙げられ、これら単独で用いら
れても、二種以上が併用されてもよい。
【0013】上記アクリル系モノマー(A)中に占める
上記ビニルモノマーの割合は、多くくなると十分な耐衝
撃性が得られなくなるので、25重量%以下が好まし
い。
【0014】上記多官能性モノマー(B)は、上記アク
リル系共重合体ラテックスを架橋し粒子同士の合着を防
止すると共に、得られる塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性を
向上させるために添加される。
【0015】このような多官能性モノマー(B)として
は、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパンジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)
アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリ
レート類ならびに、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレ
ート、ジアリルフマレート、ジアリルサクシネート、ト
リアリルイソシアヌレート等のジ又はトリアリル化合
物;ジビニルベンゼン、ブタジエン等のジビニル化合物
などが挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、二
種以上が併用されてもよい。
【0016】上記アクリル系共重合体中、多官能性モノ
マー(B)の配合量は、少なくなると架橋密度が低くな
るため成形体の衝撃強度が低下し、多くなると架橋密度
が高くなるため成形体の衝撃強度や引張強度が低下する
ので、上記アクリル系モノマー(A)100重量部に対
して、0.1〜10重量部に限定され、好ましくは0.
2〜8重量部である。
【0017】第1発明の製造方法において、上記アクリ
ル系共重合体ラテックスは、上記アクリル系モノマー
(A)と多官能性モノマー(B)を、乳化分散剤及び重
合開始剤の存在下で乳化重合させることにより得られ
る。
【0018】上記乳化分散剤としては、例えば、アニオ
ン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、部分ケン化ポ
リビニルアルコール、セルロース系分散剤、ゼラチン等
が挙げられ、特に、アニオン系界面活性剤の市販品とし
ては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサル
フェート(第一工業製薬社製「ハイテノールN−0
8」)等が挙げられる。
【0019】上記重合開始剤としては、例えば、過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水等の水溶
性重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイド等の有機系過酸化物;アゾビスイソブチ
ロニトリル等のアゾ系重合開始剤などが挙げられる。
【0020】上記乳化重合において、必要に応じて、p
H調整剤、酸化防止剤等が添加されてもよい。
【0021】上記乳化重合方法は、特に限定されず、例
えば、一括重合法、モノマー滴下法、エマルジョン滴下
法などが挙げられる。 (1)一括重合法では、ジャケット付重合反応器内に純
水、乳化分散剤、重合開始剤ならびに上記アクリル系モ
ノマーと多官能性モノマーとの混合モノマーを一括して
添加し、窒素気流及び加圧条件下において攪拌して十分
乳化した後、反応器内をジャケットで昇温し重合反応を
開始させる。
【0022】(2)モノマー滴下法では、ジャケット付
重合反応器内に純水、乳化分散剤及び重合開始剤を入
れ、窒素気流加圧下で反応器内を昇温した後、上記アク
リル系モノマーと多官能性モノマーとの混合モノマーを
一定量ずつ滴下して重合反応を開始させる。
【0023】(3)エマルジョン滴下法では、上記アク
リル系モノマーと多官能性モノマーとの混合モノマー、
乳化分散剤及び純水を攪拌して乳化モノマーを予め調製
し、次いで、ジャケット付重合反応器内に純水及び重合
開始剤を入れ、窒素気流及び加圧条件下で反応器内を昇
温した後、上記乳化モノマーを一定量ずつ滴下して重合
反応を開始させる。
【0024】第1発明の製造方法では、懸濁重合によっ
て、上記アクリル系共重合体ラテックスに塩化ビニルを
グラフト共重合させることにより、塩化ビニル系樹脂が
得られる。
【0025】上記塩化ビニル系樹脂を構成する成分中、
アクリル系共重合体ラテックスの占める割合が、少なく
なると耐衝撃性を向上させる効果がなく、多くなると引
張強度、曲げ強度等の機械的強度が低下するので、1〜
30重量%に限定され、好ましくは4〜20重量%であ
る。
【0026】上記懸濁重合は、分散剤及び油溶性重合開
始剤の存在下で、水溶性増粘剤を添加して行われる。
【0027】上記分散剤は、アクリル系共重合体ラテッ
クスの分散安定性を向上させ、グラフト共重合を効率的
に行うために添加され、例えば、メチルセルロース、エ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアル
コール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、デンプン、
無水マレイン酸−スチレン共重合体等が挙げられ、これ
らは単独で用いられてもよく、二種以上が併用されても
よい。
【0028】上記油溶性重合開始剤としては、ラジカル
重合開始剤がグラフト共重合に好ましく、例えば、ラウ
ロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレー
ト、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジオク
チルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ
ネオデカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエ
ート等の有機パーオキサイド類;2,2−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2−アゾビス−2,4−ジメチル
バレロニトリル等のアゾ化合物などがあげられる。
【0029】上記水溶性増粘剤(C)とは、水100重
量部に0.1重量部溶解したときの20℃におけるブル
ックフィールズ粘度が、5cps(5mPa・s)以上
のものをいい、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギ
ン酸プロピレングリコールエステル、カルボキシメチル
セルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカ
ルシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン
リン酸エステルナトリウム、メチルセルロースカルシウ
ム、ポリアクリル酸ナトリウム、架橋型(メタ)アクリ
ル酸系ポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル
アミド、ポリアクリルアミド共重合体等が挙げられ、こ
れらは単独で用いられてもよく、二種以上が併用されて
もよい。
【0030】上記水溶性増粘剤(C)の添加量は、少な
くなると増粘効果が少なく、多くなると塩化ビニル系樹
脂粒子が微粉状態となり過ぎ、残存する水溶性増粘剤が
塩化ビニル系樹脂粒子の耐水性を低下させるので、塩化
ビニル100重量部に対して、0.001〜0.5重量
部に限定され、好ましくは0.005〜0.3重量部で
ある。
【0031】上記懸濁重合において、必要に応じて、p
H調整剤、酸化防止剤等が添加されてもよい。
【0032】第1発明の製造方法によって塩化ビニル系
樹脂を製造する場合は、例えば、攪拌機及びジャケット
を備えた重合反応器に、純水、上記アクリル系共重合体
ラテックス、分散剤、油溶性重合開始剤及び水溶性増粘
剤を投入し、必要に応じて、さらに重合度調節剤を加え
た後、真空ポンプで重合反応器内の空気を排出し、攪拌
しながら塩化ビニル、必要に応じて、他のビニルモノマ
ーを添加し、重合反応器内を昇温してグラフト共重合を
開始させる。上記グラフト共重合反応は発熱反応であ
り、必要に応じて、ジャケットにより反応器内の温度を
調節する。反応終了後、未反応の塩化ビニルを系外に除
去してスラリー状とし、さらに脱水乾燥することにより
塩化ビニル系樹脂が得られる。
【0033】以下、第2発明について説明する。第2発
明の塩化ビニル系樹脂の製造方法は、アクリル系共重合
体ラテックスに、塩化ビニルを懸濁重合によりグラフト
共重合して塩化ビニル系樹脂を製造する方法において、
前記アクリル系共重合体ラテックスを共重合する際に、
乳化分散剤を添加することを特徴とする。
【0034】上記アクリル系共重合体ラテックスは、ア
ルキル(メタ)アクリレートを主成分とするアクリル系
モノマー(A)と、多官能性モノマー(B)を共重合す
ることにより得られる。
【0035】上記アクリル系モノマー(A)及び多官能
性モノマー(B)としては、第1発明と同様な成分が挙
げられる。
【0036】上記アクリル系共重合体ラテックスは、乳
化重合又は懸濁重合によって合成されるが、乳化重合の
方が、得られる塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性が優れるの
でより好ましい。
【0037】上記アクリル系共重合体ラテックスの乳化
重合時に、リン酸エステル系乳化分散剤(D)を添加す
る。上記乳化分散剤(D)は、アクリル系モノマー
(A)と多官能性モノマー(B)との混合モノマーの乳
化液中における分散安定性を向上させて、後述の懸濁重
合において、グラフト重合を効率的に行うと共に、塩化
ビニル系樹脂の耐水性及び耐熱性を向上させるために添
加される。
【0038】上記リン酸エステル系乳化分散剤(D)と
しては、下式で示されるリン酸エステル系の化合物であ
る。
【0039】
【化1】
【0040】式中、R1 は、炭素数9〜18のアルキル
基又はアルキルアリル基を示し、R 2 は、H又はR1 O
(CH2 CH2 )n を示す。
【0041】上記乳化分散剤(D)の添加量は、少なく
なるとアクリル系共重合体ラテックスの乳化重合ができ
なくなり、多くなると塩化ビニル系樹脂の耐水性及び熱
安定性が低下するので、アクリル系モノマー(A)10
0重量部に対して、0.1〜10重量部に限定される。
【0042】上記アクリル系共重合体ラテックスを乳化
重合する方法としては、第1発明と同様な、(1)一括
重合法、(2)モノマー滴下法及びエマルジョン滴下法
が採用可能である。
【0043】第2発明の製造方法によって塩化ビニル系
樹脂を製造する場合は、例えば、攪拌機及びジャケット
を備えた重合反応器に、純水、上記アクリル系共重合体
ラテックス、乳化分散剤及び油溶性重合開始剤を投入
し、必要に応じて、さらに重合度調節剤を加えた後、真
空ポンプで重合反応器内の空気を排出し、攪拌しながら
塩化ビニル、必要に応じて、他のビニルモノマーを添加
し、重合反応器内を昇温してグラフト共重合を開始させ
る。以下、第1発明の製造方法と同様な方法により、塩
化ビニル系樹脂を得ることができる。
【0044】本発明の製造方法で得られる塩化ビニル系
樹脂の重合度は、小さくなると十分な成形性が得られな
くなるため、300〜2,000が好ましく、より好ま
しくは400〜1,400である。
【0045】第1発明と第2発明の製造方法を組合わせ
ることにより、耐衝撃性、耐水性、熱安定性に優れた、
フィッシュアイの発生の少ない成形体を得ることができ
る。
【0046】上記塩化ビニル系樹脂の成形時には、必要
に応じて、熱安定剤、安定化助剤、滑剤、加工助剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、顔料等の
添加剤が添加されてもよい。
【0047】上記熱安定剤としては、例えば、ジブチル
錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジメチル錫メ
ルカプト、ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポ
リマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレート
ポリマー、ジブチル錫ラウレート等の有機錫系安定剤;
三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜燐酸鉛、ステアリン酸鉛等
の鉛系安定剤;カルシウム−亜鉛系安定剤;バリウム−
亜鉛系安定剤;バリウム−カルシウム系安定剤等が挙げ
られる。
【0048】上記安定化助剤としては、例えば、エポキ
シ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化テトラヒ
ドロフタレート、エポキシ化ポリブタジエン、リン酸エ
ステル等が挙げられ、上記滑剤としては、例えば、モン
タン酸ワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワ
ックス、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ステア
リン酸ブチル等が挙げられる。
【0049】上記加工助剤としては、例えば、重量平均
分子量10万〜200万のアルキルアクリレート−アル
キルメタクリレート共重合体であるアクリル系加工助剤
が挙げられ、例えば、n−ブチルアクリレート−メチル
メタクリレート共重合体、2−エチルヘキシルアクリレ
ート−メチルメタクリレート−ブチルメタクリレート共
重合体が挙げられる。
【0050】上記酸化防止剤としては、フェノール系抗
酸化剤が挙げられ、上記光安定剤としては、例えば、サ
リチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリア
ゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤;ヒ
ンダードアミン系の光安定剤が挙げられる。
【0051】上記充填剤としては、例えば、炭酸カルシ
ウム、タルク等が挙げられ、上記顔料としては、例え
ば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ
系等の有機顔料;酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫
化物・セレン化物系フェロシアン系等の無機顔料等が挙
げられる。
【0052】上記塩化ビニル系樹脂には、さらに、成形
時の加工性を向上させるために、ジ−2−エチルヘキシ
ルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘ
キシルアジペート等の可塑剤が添加されてもよい。
【0053】上記グラフト共重合体に添加剤を混合する
方法としては、ホットブレンド又はコールドブレンドに
よるいずれの方法でもよく、成形法としては、押出成形
法、射出成形法、カレンダー成形法、プレス成形法等が
採用される。
【0054】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 (実施例1〜6、比較例1〜5)アクリル系共重合体ラッテクスの重合 攪拌機及び還流冷却器付き重合反応容器に、純水2,4
00重量部、乳化分散剤(第一工業製薬社製「ハイテノ
ールN−08」、以下ASという)10重量部、過硫酸
アンモニウム(以下APSという)1重量部、n−ブチ
ルアクリレート1,000重量部(以下BAという)及
びトリメチロールプロパントリアクリレート(以下TM
PTAという)4重量部を入れ、反応容器内を窒素にて
置換した後、65℃に昇温して5時間攪拌しながら反応
させ、アクリル系共重合体ラテックス(固形分濃度30
重量%)を得た。
【0055】塩化ビニル系樹脂の製造 攪拌機及びジャケットを備えた重合反応容器に、表1〜
3に示した所定量の、純水、上記アクリル系共重合体ラ
ッテクス、部分ケン化ポリビニルアルコール(クラレ社
製「クラムポバールL−8」)の3重量%水溶液(以下
3%PVA水溶液という)、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース(分散剤)3重量%水溶液(以下3%HPM
C水溶液)と、水溶性増粘剤1重量%水溶液ならびに、
t−ブチルパーオキシネオデカノエート(以下BPON
Dという)1重量部、α−クミルパーオキシネオデカノ
エート(以下QPONDという)1重量部及び塩化カル
シウム1重量部を一括投入した後、真空ポンプで重合器
内の空気を排除し、塩化ビニル4,000重量部を加え
て30分間攪拌して均一に混合させた後、57℃に昇温
して重合を開始した。重合開始後、重合器内圧が7kg
/cm2 に低下した段階で重合を停止し、未反応の塩化
ビニルを除去した後、得られたスラリーを脱水乾燥し、
塩化ビニル系樹脂を得た。
【0056】上記実施例1〜6及び比較例1〜5で得ら
れた塩化ビニル系樹脂につき、下記の評価を行いその結
果を表1〜3に示した。 (1)重合度 JIS K6721に準拠して粘度平均重合度を測定
し、重合度とした。
【0057】(2)スケールの割合 重合反応器内壁、攪拌翼、攪拌翼主軸、邪魔板等から剥
がし取ったスケール重量と、得られた塩化ビニル系樹脂
の重量から、次式によりスケールの割合を算出した。 スケールの割合(重量%)=〔(スケール重量)/(ス
ケール重量+塩化ビニル系樹脂の重量)〕×100
【0058】(3)フィッシュアイの測定 塩化ビニル系樹脂100重量部、アジピン酸ポリエステ
ル系可塑剤20重量部及びアンスラキノン系青色顔料
0.5重量部、バリウム−亜鉛系液状安定剤0.6重量
部及び有機エポキシ系安定剤1重量部を混合し、この混
合物を160℃のロール混練機で3分間混練した後、得
られたシートの10×10cmの面積中に存在するフィ
ッシュアイの個数を目視観察で数えた。
【0059】(4)耐水性試験 塩化ビニル系樹脂100重量部、ジオクチル錫メルカプ
ト(三共有機錫社製「ONZ−142F」)3重量部及
びモンタン酸ワックス(ヘキストジャパン社製「WAX
−OP」)0.5重量部を混合し、この混合物を190
℃のロール混練機で3分間混練した後、195℃、75
kg/cm2 の圧力で6分間プレス成形して、厚さ3m
mのプレートを得た。このプレートを試料として、JI
S K7209に準拠して、60℃の温水に24時間浸
漬後の吸水率を次式により算出した。 吸水率(重量%)={〔(浸漬後の試料重量)−(浸漬
前の試料重量)〕/(浸漬前の試料重量)}×100
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】(実施例7,8、比較例6〜9)アクリル系共重合体ラッテクスの重合 攪拌機及び還流冷却器付き重合反応容器に、表4及び5
に示した所定量の、純水、乳化分散剤、過硫酸アンモニ
ウム(以下APSという)、n−ブチルアクリレート
(以下BAという)及びトリメチロールプロパントリア
クリレート(以下TMPTAという)を入れ、反応容器
内を窒素にて置換した後、65℃に昇温して5時間攪拌
しながら反応させ、アクリル系共重合体ラテックス(固
形分濃度30重量%)を得た。
【0064】塩化ビニル系樹脂の製造 攪拌機及びジャケットを備えた重合反応容器に、表4及
び5に示した所定量の、純水、上記アクリル系共重合体
ラッテクス、部分ケン化ポリビニルアルコール(クラレ
社製「クラムポバールL−8」)の3重量%水溶液(以
下3%PVA水溶液という)、t−ブチルパーオキシネ
オデカノエート(以下BPONDという)及びα−クミ
ルパーオキシネオデカノエート(以下QPONDとい
う)を一括投入した後、真空ポンプで重合器内の空気を
排除し、塩化ビニル3,100重量部を加えて30分間
攪拌して均一に混合させた後、57℃に昇温して重合を
開始した。重合開始後、重合器内圧が7kg/cm2 に
低下した段階で重合を停止し、未反応の塩化ビニルを除
去した後、得られたスラリーを脱水乾燥し、塩化ビニル
系樹脂を得た。
【0065】上記実施例7,8及び比較例6〜9で得ら
れた塩化ビニル系樹脂につき、下記の評価を行いその結
果を表4及び5に示した。 (5)耐衝撃性試験 (4)と同様にして得られた厚さ3mmのプレートを試
料とし、JIS K7110に準拠してアイゾット衝撃
試験を行った。
【0066】(6)耐水性試験 (4)と同様にして得られた厚さ3mmのプレートを試
料として、JIS K7209に準拠して、上記(4)
と同様な吸水試験を行った。
【0067】(7)熱安定性試験 (4)と同様にして得られた厚さ3mmのプレートを試
料として、JIS K7212に準拠して、200℃に
て熱老化性試験を行い、試験片が黒褐色に変色した時間
(分)を測定した。
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】
【発明の効果】第1発明の塩化ビニル系樹脂の製造方法
は、上述の通りであり、塩化ビニル系樹脂の製造時に重
合反応容器の内壁等へのスケールの付着量が少ないの
で、重合反応容器の加熱冷却能力の低下も少なく、スケ
ールの除去のわずらわしい作業が軽減される。さらに、
スケールの塩化ビニル系樹脂への混入も少なくなるの
で、成形体のフィッシュアイを減少させることができ
る。
【0071】第2発明の塩化ビニル系樹脂の製造方法
は、上述の通りであり、リン酸エステル系の乳化分散剤
を用いてアクリル系共重合体ラテックスを製造するた
め、得られる塩化ビニル系樹脂は、耐衝撃性、耐水性及
び熱安定性が優れており、給湯管、給湯管用継手等に好
適に使用することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)単独重合体のガラス転移温度が−2
    0℃未満であるアルキル(メタ)アクリレートを主成分
    とするアクリル系モノマー100重量部と、(B)多官
    能性モノマー0.1〜10重量部を共重合することによ
    り得られるアクリル系共重合体ラテックス1〜30重量
    %に、塩化ビニル99〜70重量%を懸濁重合によりグ
    ラフト共重合する際に、塩化ビニル100重量部に対し
    て、(C)水溶性増粘剤0.01〜0.5重量部添加す
    ることを特徴とする塩化ビニル系樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】(A)単独重合体のガラス転移温度が−2
    0℃未満であるアルキル(メタ)アクリレートを主成分
    とするアクリル系モノマー100重量部と、(B)多官
    能性モノマー0.1〜10重量部を共重合することによ
    り得られるアクリル系共重合体ラテックス1〜30重量
    %に、塩化ビニル99〜70重量%を懸濁重合によりグ
    ラフト共重合して塩化ビニル系樹脂を製造する方法にお
    いて、上記アクリル系共重合体ラテックスを共重合する
    際に、上記アクリル系モノマー100重量部に対して、
    (D)リン酸エステル系乳化分散剤0.1〜10重量部
    添加することを特徴とする塩化ビニル系樹脂の製造方
    法。
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