JPH08120368A - 伸び特性及び屈曲特性に優れた導電用高力銅合金、及びその製造方法 - Google Patents
伸び特性及び屈曲特性に優れた導電用高力銅合金、及びその製造方法Info
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- JPH08120368A JPH08120368A JP6254031A JP25403194A JPH08120368A JP H08120368 A JPH08120368 A JP H08120368A JP 6254031 A JP6254031 A JP 6254031A JP 25403194 A JP25403194 A JP 25403194A JP H08120368 A JPH08120368 A JP H08120368A
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Landscapes
- Conductive Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 複雑な熱処理工程を必要とせず、導電率の低
下を招かないで屈曲性、伸び特性、引張強さを向上して
械的衝撃に対し高強度を保ち、圧着端子部における屈曲
による断線を減少させた導電用高力銅合金を安価に製造
できるようにする。 【構成】 Mgを0.05〜0.25wt%、Snを
0.1〜0.6wt%、Pを0.02〜0.08wt
%、Inを0.02〜0.2wt%、Coを0.05〜
0.1wt%含有し、残部を基本的に銅によって構成
し、MgとSnの含有比を(1):(1.0以上)にす
る。
下を招かないで屈曲性、伸び特性、引張強さを向上して
械的衝撃に対し高強度を保ち、圧着端子部における屈曲
による断線を減少させた導電用高力銅合金を安価に製造
できるようにする。 【構成】 Mgを0.05〜0.25wt%、Snを
0.1〜0.6wt%、Pを0.02〜0.08wt
%、Inを0.02〜0.2wt%、Coを0.05〜
0.1wt%含有し、残部を基本的に銅によって構成
し、MgとSnの含有比を(1):(1.0以上)にす
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銅合金に係り、特に、
例えば自動車用電線の導体等として用いた場合に適した
屈曲性、伸び特性、引張強さに優れた導電用高力銅合金
に関する。
例えば自動車用電線の導体等として用いた場合に適した
屈曲性、伸び特性、引張強さに優れた導電用高力銅合金
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から自動車の自動車用電線の導体と
しては軟銅線が主として用いられてきたが、各種計器類
等の車載装置の電子化が図られ、自動車内における電
気、電子配線回路の数が著しく増加し、自動車内におけ
る占積空間が増加し、自動車用電線による自動車総重量
の増加を招いている。しかし、自動車の車体は、燃費の
向上の点から軽量であることが望ましく、車体の軽量化
を図る上から、自動車内の配線回路数の増加があって
も、自動車内における占積空間の狭小化、及び自動車用
電線の総重量の増加の抑制の要望が強まっている。そこ
で、自動車用電線を軽量化するため導体外径を小さくし
ても機械的強度を確保することのできる硬銅線が検討さ
れたが、硬銅線は材質的に伸びが著しく小さいため、硬
銅線を用いて端子間を圧着接合しても、自動車走行中に
生じる振動衝撃の外力による機械的負荷が接合部に加わ
ると、この接合部が損傷してしまうことがある。このよ
うに硬銅線を用いて端子間を圧着接合すると、端子圧着
箇所が機械的な弱点部となり外的衝撃によって断線を生
じやすく信頼性に乏しいという結果を招来している。ま
た、自動車用電線の使用重量を小さくすることは、導体
径を小さくすることによって実現が可能であるが、従来
の如き軟銅線にあっては、導体外径を小さくすると機械
的強度が低下してしまう。そこで、近年、導体外径を小
さくしても、機械的強度を確保でき、比較的良好な繰り
返し屈曲強度及び導電性を有する銅合金として、Ni−
Si−In−Sn銅合金(特公平5−27699号公
報)が開発されている。このNi−Si−In−Sn銅
合金は、Cu母相中に固溶しているNi、Siを時効硬
化処理により微細に析出させて引張強さ、伸び、導電率
を向上させている。さらにIn、SnをCu母相中に固
溶させ引張強さを、さらに向上させている。
しては軟銅線が主として用いられてきたが、各種計器類
等の車載装置の電子化が図られ、自動車内における電
気、電子配線回路の数が著しく増加し、自動車内におけ
る占積空間が増加し、自動車用電線による自動車総重量
の増加を招いている。しかし、自動車の車体は、燃費の
向上の点から軽量であることが望ましく、車体の軽量化
を図る上から、自動車内の配線回路数の増加があって
も、自動車内における占積空間の狭小化、及び自動車用
電線の総重量の増加の抑制の要望が強まっている。そこ
で、自動車用電線を軽量化するため導体外径を小さくし
ても機械的強度を確保することのできる硬銅線が検討さ
れたが、硬銅線は材質的に伸びが著しく小さいため、硬
銅線を用いて端子間を圧着接合しても、自動車走行中に
生じる振動衝撃の外力による機械的負荷が接合部に加わ
ると、この接合部が損傷してしまうことがある。このよ
うに硬銅線を用いて端子間を圧着接合すると、端子圧着
箇所が機械的な弱点部となり外的衝撃によって断線を生
じやすく信頼性に乏しいという結果を招来している。ま
た、自動車用電線の使用重量を小さくすることは、導体
径を小さくすることによって実現が可能であるが、従来
の如き軟銅線にあっては、導体外径を小さくすると機械
的強度が低下してしまう。そこで、近年、導体外径を小
さくしても、機械的強度を確保でき、比較的良好な繰り
返し屈曲強度及び導電性を有する銅合金として、Ni−
Si−In−Sn銅合金(特公平5−27699号公
報)が開発されている。このNi−Si−In−Sn銅
合金は、Cu母相中に固溶しているNi、Siを時効硬
化処理により微細に析出させて引張強さ、伸び、導電率
を向上させている。さらにIn、SnをCu母相中に固
溶させ引張強さを、さらに向上させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のNi
−Si−In−Sn銅合金にあっては、高価なNiを多
量に使用(通常2〜3wt%)することになり、電線導
体としての材料のコストが高くなるという問題点を有し
ている。この導体材料のコスト高は、電線の価格に影響
を与えることとなる。この電線の価格の上昇は、使用数
量が特に増加している自動車部門において、自動車価格
を押上げる結果を招来することにもなり兼ねず、生産さ
れてから廃車までの使用期間が平均7〜8年という比較
的短命な自動車に用いられる自動車用電線の場合は、大
きな問題となる。価格競争の激しい自動車部門において
は、自動車の機能を下げずに自動車価格の低廉化を実現
することが要求されている。それには、自動車のあらゆ
るパーツ類について、各パーツの性能を落とさず、コス
トダウンを図ることが必要であり、エンジン制御の電子
化に伴い使用数量が特に増加している自動車用電線の場
合も例外ではない。このため電線導体としての材料のコ
ストが高くなるということは電線全体として大きな要素
を占めている。また、従来のNi−Si−In−Sn銅
合金は、溶体化処理、時効硬化処理を行う時効硬化型銅
合金のため、通常の電線製造設備とは別に溶体化処理、
時効硬化処理のための設備を必要としている。この時効
硬化型銅合金の場合には、溶体化処理、時効硬化処理を
行う際に、熱処理の温度制御を正確に行わないと、銅合
金として良好な特性が得られない。ところが溶体化処
理、時効硬化処理を行う際の熱処理の温度は、正確に制
御することが難しい。このため、従来の時効硬化型銅合
金であるNi−Si−In−Sn銅合金にあっては、特
性にバラツキが生じ易いという問題点を有している。さ
らには、従来のNi−Si−In−Sn銅合金は、通常
の電線製造設備とは別に溶体化処理、時効硬化処理のた
めの設備を用い、溶体化処理、時効硬化処理を行って製
造する時効硬化型銅合金であるため、加工コストがアッ
プし、製品コストが大幅にアップするという問題点を有
している。
−Si−In−Sn銅合金にあっては、高価なNiを多
量に使用(通常2〜3wt%)することになり、電線導
体としての材料のコストが高くなるという問題点を有し
ている。この導体材料のコスト高は、電線の価格に影響
を与えることとなる。この電線の価格の上昇は、使用数
量が特に増加している自動車部門において、自動車価格
を押上げる結果を招来することにもなり兼ねず、生産さ
れてから廃車までの使用期間が平均7〜8年という比較
的短命な自動車に用いられる自動車用電線の場合は、大
きな問題となる。価格競争の激しい自動車部門において
は、自動車の機能を下げずに自動車価格の低廉化を実現
することが要求されている。それには、自動車のあらゆ
るパーツ類について、各パーツの性能を落とさず、コス
トダウンを図ることが必要であり、エンジン制御の電子
化に伴い使用数量が特に増加している自動車用電線の場
合も例外ではない。このため電線導体としての材料のコ
ストが高くなるということは電線全体として大きな要素
を占めている。また、従来のNi−Si−In−Sn銅
合金は、溶体化処理、時効硬化処理を行う時効硬化型銅
合金のため、通常の電線製造設備とは別に溶体化処理、
時効硬化処理のための設備を必要としている。この時効
硬化型銅合金の場合には、溶体化処理、時効硬化処理を
行う際に、熱処理の温度制御を正確に行わないと、銅合
金として良好な特性が得られない。ところが溶体化処
理、時効硬化処理を行う際の熱処理の温度は、正確に制
御することが難しい。このため、従来の時効硬化型銅合
金であるNi−Si−In−Sn銅合金にあっては、特
性にバラツキが生じ易いという問題点を有している。さ
らには、従来のNi−Si−In−Sn銅合金は、通常
の電線製造設備とは別に溶体化処理、時効硬化処理のた
めの設備を用い、溶体化処理、時効硬化処理を行って製
造する時効硬化型銅合金であるため、加工コストがアッ
プし、製品コストが大幅にアップするという問題点を有
している。
【0004】本発明の目的は、複雑な熱処理工程を必要
とせず、導電率の低下を招かないで屈曲性、伸び特性、
引張強さを向上して械的衝撃に対し高強度を保ち、圧着
端子部における屈曲による断線を減少させた導電用高力
銅合金を安価に製造できるようにすることにある。
とせず、導電率の低下を招かないで屈曲性、伸び特性、
引張強さを向上して械的衝撃に対し高強度を保ち、圧着
端子部における屈曲による断線を減少させた導電用高力
銅合金を安価に製造できるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
Mgを0.05〜0.25wt%、Snを0.1〜0.
6wt%、Pを0.02〜0.08wt%、Inを0.
02〜0.2wt%、Coを0.05〜0.1wt%含
有し、残部が基本的に銅からなり、前記MgとSnの含
有比が、 Mg:Sn=(1):(1.0以上) にしたものである。
Mgを0.05〜0.25wt%、Snを0.1〜0.
6wt%、Pを0.02〜0.08wt%、Inを0.
02〜0.2wt%、Coを0.05〜0.1wt%含
有し、残部が基本的に銅からなり、前記MgとSnの含
有比が、 Mg:Sn=(1):(1.0以上) にしたものである。
【0006】請求項2記載の発明は、Mgを0.05〜
0.25wt%、Snを0.1〜0.6wt%、Pを
0.02〜0.08wt%、Inを0.02〜0.2w
t%、Coを0.05〜0.1wt%含有し、残部が基
本的に銅からなり、前記MgとSnの含有比が、 Mg:Sn=(1):(1.0以上) である銅合金を連続鋳造によって作製した鋳造棒を圧
延、伸線後に500〜600℃で連続焼鈍し、その後に
85〜95%の加工率で伸線し、最終熱処理を350〜
450℃で連続焼鈍して製造しようというものである。
0.25wt%、Snを0.1〜0.6wt%、Pを
0.02〜0.08wt%、Inを0.02〜0.2w
t%、Coを0.05〜0.1wt%含有し、残部が基
本的に銅からなり、前記MgとSnの含有比が、 Mg:Sn=(1):(1.0以上) である銅合金を連続鋳造によって作製した鋳造棒を圧
延、伸線後に500〜600℃で連続焼鈍し、その後に
85〜95%の加工率で伸線し、最終熱処理を350〜
450℃で連続焼鈍して製造しようというものである。
【0007】
【作用】請求項1記載の発明は、MgをCu母相中に固
溶させ、引張強さを向上させると共に、Mgの最適添加
量を限定することで、Mgによる鋳造性の悪化を最小に
止め、Snを添加することで屈曲特性を大幅に向上させ
ると共に、一層の引張強さ、焼鈍後の伸びの向上を図
り、またMg添加による鋳造性の悪化を改善するもので
ある。そしてPを添加することにより、耐熱性を向上さ
せると共に、さらなる鋳造性の向上を図った。さらに、
Inの添加により引張強さを一層向上させ、Coを添加
することにより伸び及び屈曲性の更なる向上を図ったも
のである。
溶させ、引張強さを向上させると共に、Mgの最適添加
量を限定することで、Mgによる鋳造性の悪化を最小に
止め、Snを添加することで屈曲特性を大幅に向上させ
ると共に、一層の引張強さ、焼鈍後の伸びの向上を図
り、またMg添加による鋳造性の悪化を改善するもので
ある。そしてPを添加することにより、耐熱性を向上さ
せると共に、さらなる鋳造性の向上を図った。さらに、
Inの添加により引張強さを一層向上させ、Coを添加
することにより伸び及び屈曲性の更なる向上を図ったも
のである。
【0008】MgをCuに添加すると、鋳造時に鋳巣な
どが発生しやすくなり、鋳造性が悪化することが従来よ
り知られている。特に、連続鋳造時には鋳造割れが発生
しやすく、微小な鋳造割れでも圧延した時や伸線した時
に、この微小な鋳造割部が圧延又は伸線後の銅合金の欠
陥部となり、この欠陥部から断線するといことが多発す
る。このためMg銅合金の場合は、表皮を面削してから
伸線を行うが、断線が多発する場合がある。一方、Mg
の添加は導電率の低下が少ない割りに、引張強さの向上
効果が非常に大きい。請求項1記載の発明において、M
gの含有量を0.05〜0.25wt%としたのは、M
gの含有量が0.05wt%未満では、引張強さを向上
させる効果が小さく、Mgの含有量が0.25wt%を
超えても、引張強さを向上させる効果は飽和してしま
い、導電性が大幅に低下し、鋳造性が急速に悪化するか
らである。
どが発生しやすくなり、鋳造性が悪化することが従来よ
り知られている。特に、連続鋳造時には鋳造割れが発生
しやすく、微小な鋳造割れでも圧延した時や伸線した時
に、この微小な鋳造割部が圧延又は伸線後の銅合金の欠
陥部となり、この欠陥部から断線するといことが多発す
る。このためMg銅合金の場合は、表皮を面削してから
伸線を行うが、断線が多発する場合がある。一方、Mg
の添加は導電率の低下が少ない割りに、引張強さの向上
効果が非常に大きい。請求項1記載の発明において、M
gの含有量を0.05〜0.25wt%としたのは、M
gの含有量が0.05wt%未満では、引張強さを向上
させる効果が小さく、Mgの含有量が0.25wt%を
超えても、引張強さを向上させる効果は飽和してしま
い、導電性が大幅に低下し、鋳造性が急速に悪化するか
らである。
【0009】また、Snを添加するとMgの添加により
悪化した鋳造性を向上させると共に、屈曲性が大幅に向
上する。また、Snの添加は、引張強さの向上に効果が
あると共に焼鈍後の伸びの向上にも非常に効果を発揮す
る。請求項1記載の発明において、Snの含有量を0.
1〜0.6wt%としたのは、Snの含有量が0.1w
t%未満では、屈曲性及び鋳造性を向上させる効果が小
さく、Snの含有量が0.6wt%を超えても、引張強
さ及び鋳造性の向上効果が飽和してしまい、焼鈍後の伸
び、屈曲性が悪化し、導電性を大幅に低下させるためで
ある。
悪化した鋳造性を向上させると共に、屈曲性が大幅に向
上する。また、Snの添加は、引張強さの向上に効果が
あると共に焼鈍後の伸びの向上にも非常に効果を発揮す
る。請求項1記載の発明において、Snの含有量を0.
1〜0.6wt%としたのは、Snの含有量が0.1w
t%未満では、屈曲性及び鋳造性を向上させる効果が小
さく、Snの含有量が0.6wt%を超えても、引張強
さ及び鋳造性の向上効果が飽和してしまい、焼鈍後の伸
び、屈曲性が悪化し、導電性を大幅に低下させるためで
ある。
【0010】さらにPの添加は、Snとの相乗効果によ
って鋳造性を向上させる効果が非常に大きく、Mgの添
加による鋳造性の悪化を大きく改善する。またPの添加
によって耐熱性も大きく向上するが、導電率の低下が大
きいため添加量は限定される。請求項1記載の発明にお
いて、Pの含有量を0.02〜0.08wt%としたの
は、Pの含有量が0.02wt%未満では、耐熱性の向
上に効果が少なく、またMgの添加によって低下した鋳
造性を改善しきれず、Pの含有量が0.08wt%を超
えると耐熱性及び鋳造性は向上するが、導電性が大幅に
低下して実用的でないためである。
って鋳造性を向上させる効果が非常に大きく、Mgの添
加による鋳造性の悪化を大きく改善する。またPの添加
によって耐熱性も大きく向上するが、導電率の低下が大
きいため添加量は限定される。請求項1記載の発明にお
いて、Pの含有量を0.02〜0.08wt%としたの
は、Pの含有量が0.02wt%未満では、耐熱性の向
上に効果が少なく、またMgの添加によって低下した鋳
造性を改善しきれず、Pの含有量が0.08wt%を超
えると耐熱性及び鋳造性は向上するが、導電性が大幅に
低下して実用的でないためである。
【0011】さらにまた、Inの添加は、引張強さを大
きく向上させる。請求項1記載の発明において、Inの
含有量を0.02〜0.2wt%としたのは、Inの含
有量が0.02wt%未満では、引張強さを向上させる
効果が小さく、Inの含有量が0.2wt%を超えると
引張強さの向上効果が飽和し、導電性が低下してしまう
ためである。また、高価なInを多量に添加することは
コストアップとなり実用的でない。
きく向上させる。請求項1記載の発明において、Inの
含有量を0.02〜0.2wt%としたのは、Inの含
有量が0.02wt%未満では、引張強さを向上させる
効果が小さく、Inの含有量が0.2wt%を超えると
引張強さの向上効果が飽和し、導電性が低下してしまう
ためである。また、高価なInを多量に添加することは
コストアップとなり実用的でない。
【0012】また、Coの添加は、伸び特性及び屈曲性
を向上させる。請求項1記載の発明において、Coの含
有量を0.05〜0.1wt%としたのは、Coの含有
量が0.05wt%未満では、伸び特性及び屈曲性を向
上させる効果が小さく、Coの含有量が0.1wt%を
超えると伸び特性及び屈曲性の向上効果が飽和し、導電
性が低下してしまうためである。
を向上させる。請求項1記載の発明において、Coの含
有量を0.05〜0.1wt%としたのは、Coの含有
量が0.05wt%未満では、伸び特性及び屈曲性を向
上させる効果が小さく、Coの含有量が0.1wt%を
超えると伸び特性及び屈曲性の向上効果が飽和し、導電
性が低下してしまうためである。
【0013】ここでMgとSnの添加比率は、鋳造性に
大きく影響する。すなわち、Mgの添加量1に対してS
nの添加量を1.0以上の比率にする必要がある。Mg
とSnの添加比率が、 Mg>Sn の比率では鋳造性の改善はできない。
大きく影響する。すなわち、Mgの添加量1に対してS
nの添加量を1.0以上の比率にする必要がある。Mg
とSnの添加比率が、 Mg>Sn の比率では鋳造性の改善はできない。
【0014】請求項2記載の発明は、連続鋳造によって
作製したMgを0.05〜0.25wt%、Snを0.
1〜0.6wt%、Pを0.02〜0.08wt%、I
nを0.02〜0.2wt%、Coを0.05〜0.1
wt%含有し、残部が基本的に銅からなり、前記Mgと
Snの含有比が、 Mg:Sn=(1):(1.0以上) である銅合金の鋳造棒を圧延、伸線後に500〜600
℃で連続焼鈍し、その後に85〜95%の加工率で伸線
し、最終熱処理を350〜450℃で連続焼鈍して製造
することにより、複雑な熱処理工程(溶体化処理、時効
硬化処理)を必要としない固溶強化型の銅合金で、特に
屈曲特性、伸線加工特性に優れ、引張強さ、伸びにも優
れた、安価な銅合金を得ることができる。
作製したMgを0.05〜0.25wt%、Snを0.
1〜0.6wt%、Pを0.02〜0.08wt%、I
nを0.02〜0.2wt%、Coを0.05〜0.1
wt%含有し、残部が基本的に銅からなり、前記Mgと
Snの含有比が、 Mg:Sn=(1):(1.0以上) である銅合金の鋳造棒を圧延、伸線後に500〜600
℃で連続焼鈍し、その後に85〜95%の加工率で伸線
し、最終熱処理を350〜450℃で連続焼鈍して製造
することにより、複雑な熱処理工程(溶体化処理、時効
硬化処理)を必要としない固溶強化型の銅合金で、特に
屈曲特性、伸線加工特性に優れ、引張強さ、伸びにも優
れた、安価な銅合金を得ることができる。
【0015】
【実施例】以下、本願請求項1記載の発明に係る伸び特
性及び屈曲特性に優れた導電用高力銅合金の具体的実施
例について比較例、従来例と比較して説明する。本願請
求項1記載の発明の実施例として、不活性ガス雰囲気に
保たれたグラファイト製の坩堝炉で、黒鉛粒被覆下にて
電気銅地金を溶解した後、Mg,Sn,Inを純金属の
形態で、P,Coを母合金の形態で添加して均一な溶湯
を得る。これを連続鋳造により表1に示す如き各実施例
(No1〜No11)の組成の20mmφの鋳造棒を作製
した。これらを冷間圧延後、伸線機によって3.2mmφ
に伸線し、550℃で連続焼鈍した。これを、さらに伸
線機によって1.0mmφに伸線した後、不活性ガス雰囲
気の電気炉を用い、420℃で連続焼鈍した。その後、
導電率、引張強さ、伸び、屈曲性を測定した。
性及び屈曲特性に優れた導電用高力銅合金の具体的実施
例について比較例、従来例と比較して説明する。本願請
求項1記載の発明の実施例として、不活性ガス雰囲気に
保たれたグラファイト製の坩堝炉で、黒鉛粒被覆下にて
電気銅地金を溶解した後、Mg,Sn,Inを純金属の
形態で、P,Coを母合金の形態で添加して均一な溶湯
を得る。これを連続鋳造により表1に示す如き各実施例
(No1〜No11)の組成の20mmφの鋳造棒を作製
した。これらを冷間圧延後、伸線機によって3.2mmφ
に伸線し、550℃で連続焼鈍した。これを、さらに伸
線機によって1.0mmφに伸線した後、不活性ガス雰囲
気の電気炉を用い、420℃で連続焼鈍した。その後、
導電率、引張強さ、伸び、屈曲性を測定した。
【0016】従来例1は、不活性ガス雰囲気に保たれた
グラファイト製の坩堝炉で、黒鉛粒被覆下にて電気銅地
金を溶解した後、Ni,Sn,Inを純金属の形態で、
Siを母合金の形態で添加して均一な溶湯を得る。これ
を連続鋳造により表1に示す如き組成の20mmφの鋳造
棒を作製した。これを冷間圧延後、伸線機によって3.
2mmφに伸線した後、不活性ガス雰囲気炉で900℃で
1時間加熱保持後、水冷し溶体化処理を施した。その
後、1.0mmφまで伸線し、さらに不活性ガス雰囲気炉
で470℃で6時間の時効硬化処理を行った。その後、
導電率、引張強さ、伸び、屈曲性を測定した。硬銅は通
常の無酸素銅線である。また、軟銅は通常の無酸素銅線
を不活性ガス雰囲気炉で300℃で2時間の焼鈍処理を
行った後、導電率、引張強さ、伸び、屈曲性を測定し
た。表2に比較例(No1〜No10)が示されてお
り、この各比較例は、実施例と同様の製造方法によって
製造されたものである。なお、表1、2に示される各連
続焼鈍機における焼鈍温度は、熱効率を90%と仮定し
て、焼鈍電圧(V)、焼鈍速度(m/分)、各銅合金線
の導体抵抗(Ω)から産出したものである。また、表
1、2に示される各銅合金のそれぞれについての屈曲性
試験は、図1に示す如く、治具1に供試材2を挟持し、
他端を2kgの引張荷重Wを加えた状態で図1に図示
(A)→(B)→(C)→(D)と左右90゜曲げを1
回として破断するまで、繰返し行い、その破断するまで
の曲げ回数で表した繰返し屈曲強度を屈曲性とした。な
お、比較例の合金No1〜No10は、組成がMg,S
n,P,Inと本発明の合金No1〜No11と同一の
組成成分で構成されているが、比較例合金の各組成の含
有量が本発明の各組成の含有量とは異なっている。
グラファイト製の坩堝炉で、黒鉛粒被覆下にて電気銅地
金を溶解した後、Ni,Sn,Inを純金属の形態で、
Siを母合金の形態で添加して均一な溶湯を得る。これ
を連続鋳造により表1に示す如き組成の20mmφの鋳造
棒を作製した。これを冷間圧延後、伸線機によって3.
2mmφに伸線した後、不活性ガス雰囲気炉で900℃で
1時間加熱保持後、水冷し溶体化処理を施した。その
後、1.0mmφまで伸線し、さらに不活性ガス雰囲気炉
で470℃で6時間の時効硬化処理を行った。その後、
導電率、引張強さ、伸び、屈曲性を測定した。硬銅は通
常の無酸素銅線である。また、軟銅は通常の無酸素銅線
を不活性ガス雰囲気炉で300℃で2時間の焼鈍処理を
行った後、導電率、引張強さ、伸び、屈曲性を測定し
た。表2に比較例(No1〜No10)が示されてお
り、この各比較例は、実施例と同様の製造方法によって
製造されたものである。なお、表1、2に示される各連
続焼鈍機における焼鈍温度は、熱効率を90%と仮定し
て、焼鈍電圧(V)、焼鈍速度(m/分)、各銅合金線
の導体抵抗(Ω)から産出したものである。また、表
1、2に示される各銅合金のそれぞれについての屈曲性
試験は、図1に示す如く、治具1に供試材2を挟持し、
他端を2kgの引張荷重Wを加えた状態で図1に図示
(A)→(B)→(C)→(D)と左右90゜曲げを1
回として破断するまで、繰返し行い、その破断するまで
の曲げ回数で表した繰返し屈曲強度を屈曲性とした。な
お、比較例の合金No1〜No10は、組成がMg,S
n,P,Inと本発明の合金No1〜No11と同一の
組成成分で構成されているが、比較例合金の各組成の含
有量が本発明の各組成の含有量とは異なっている。
【0017】
【表 1】
【表 2】 表1の実施例(No1〜No11)は、従来例1のNi
−Si−In−Sn銅合金と比べて引張強さで若干劣る
が、導電率、伸び率、屈曲性(繰り返し屈曲強度)にお
いては良好な特性を有している。また、実施例(No1
〜No11)は、硬銅に比べると導電率は劣るものの引
張強さ、伸び率、屈曲性については大幅に向上している
ことが判る。
−Si−In−Sn銅合金と比べて引張強さで若干劣る
が、導電率、伸び率、屈曲性(繰り返し屈曲強度)にお
いては良好な特性を有している。また、実施例(No1
〜No11)は、硬銅に比べると導電率は劣るものの引
張強さ、伸び率、屈曲性については大幅に向上している
ことが判る。
【0018】さらに、実施例(No1〜No11)は、
屈曲性に優れる軟銅と比較すると、屈曲性が軟銅と同等
以上の特性を有していることが判る。このように、表1
の実施例(No1〜No11)は、各従来例と比較する
と総合的に各従来例よりも優れた特性を有していること
が判る。
屈曲性に優れる軟銅と比較すると、屈曲性が軟銅と同等
以上の特性を有していることが判る。このように、表1
の実施例(No1〜No11)は、各従来例と比較する
と総合的に各従来例よりも優れた特性を有していること
が判る。
【0019】表2の比較例(No1〜No10)は、次
のようなものである。比較例1は、Mgの添加量が上限
以上であり、引張強さは良好であるが、導電率、伸び
率、屈曲性が低下する。また、Mg:Snの比率が1:
1.0以下のため伸線機における伸線加工性が悪化す
る。比較例2は、Mgの添加量が下限以下のため、引張
強さ、伸び率が大幅に劣る。比較例3は、Snの添加量
が上限以上であり、引張強さは良好であるが、導電率、
伸び率及び屈曲性が著しく劣る。比較例4は、Snの添
加量が下限以下のため、導電率は良好であるが、引張強
さ、伸び率、屈曲性が大幅に劣る。また、Mg:Snの
比率が1:1.0以下のため伸線機における伸線加工性
が悪化する。比較例5は、Pの添加量が上限以上のた
め、導電率が大幅に劣る。比較例6は、Pの添加量が下
限以下のため、導電率は良好であるが、伸線機における
伸線加工性が悪化する。比較例7は、Inの添加量が上
限以上のため、引張強さは良好であるが、導電率が著し
く劣る。比較例8は、Inの添加量が下限以下のため、
引張強さが劣る。比較例9は、Coの添加量が上限以上
のため、導電率が大幅に劣る。比較例10は、Coの添
加量が下限以下のため、伸び率及び屈曲性が劣る。
のようなものである。比較例1は、Mgの添加量が上限
以上であり、引張強さは良好であるが、導電率、伸び
率、屈曲性が低下する。また、Mg:Snの比率が1:
1.0以下のため伸線機における伸線加工性が悪化す
る。比較例2は、Mgの添加量が下限以下のため、引張
強さ、伸び率が大幅に劣る。比較例3は、Snの添加量
が上限以上であり、引張強さは良好であるが、導電率、
伸び率及び屈曲性が著しく劣る。比較例4は、Snの添
加量が下限以下のため、導電率は良好であるが、引張強
さ、伸び率、屈曲性が大幅に劣る。また、Mg:Snの
比率が1:1.0以下のため伸線機における伸線加工性
が悪化する。比較例5は、Pの添加量が上限以上のた
め、導電率が大幅に劣る。比較例6は、Pの添加量が下
限以下のため、導電率は良好であるが、伸線機における
伸線加工性が悪化する。比較例7は、Inの添加量が上
限以上のため、引張強さは良好であるが、導電率が著し
く劣る。比較例8は、Inの添加量が下限以下のため、
引張強さが劣る。比較例9は、Coの添加量が上限以上
のため、導電率が大幅に劣る。比較例10は、Coの添
加量が下限以下のため、伸び率及び屈曲性が劣る。
【0020】したがって、本発明に係る伸び特性及び屈
曲特性に優れた導電用高力銅合金の実施例によれば、自
動車用電線の導体に適した特性を有し、導体外径の小
型、軽量化に対応した機械的強度を確保し、圧着端子部
における引張り及び屈曲による断線を減少させることが
できる。また、本実施例によれば、製造コストも安価に
することができる。
曲特性に優れた導電用高力銅合金の実施例によれば、自
動車用電線の導体に適した特性を有し、導体外径の小
型、軽量化に対応した機械的強度を確保し、圧着端子部
における引張り及び屈曲による断線を減少させることが
できる。また、本実施例によれば、製造コストも安価に
することができる。
【0021】次に、本願請求項2記載の発明に係る伸び
特性及び屈曲特性に優れた導電用高力銅合金の製造方法
の実施例について比較例と比較して説明する。請求項2
記載の発明に係る伸び特性及び屈曲特性に優れた導電用
高力銅合金の製造方法は、連続鋳造によって作製したM
gを0.05〜0.25wt%、Snを0.1〜0.6
wt%、Pを0.02〜0.08wt%、Inを0.0
2〜0.2wt%、Coを0.05〜0.1wt%含有
し、残部が基本的に銅からなり、前記MgとSnの含有
比が、 Mg:Sn=(1):(1.0以上) である銅合金の鋳造棒を圧延、伸線後に500〜600
℃で連続焼鈍し、その後に85〜95%の加工率で伸線
し、最終熱処理を350〜450℃で連続焼鈍して製造
するものである。
特性及び屈曲特性に優れた導電用高力銅合金の製造方法
の実施例について比較例と比較して説明する。請求項2
記載の発明に係る伸び特性及び屈曲特性に優れた導電用
高力銅合金の製造方法は、連続鋳造によって作製したM
gを0.05〜0.25wt%、Snを0.1〜0.6
wt%、Pを0.02〜0.08wt%、Inを0.0
2〜0.2wt%、Coを0.05〜0.1wt%含有
し、残部が基本的に銅からなり、前記MgとSnの含有
比が、 Mg:Sn=(1):(1.0以上) である銅合金の鋳造棒を圧延、伸線後に500〜600
℃で連続焼鈍し、その後に85〜95%の加工率で伸線
し、最終熱処理を350〜450℃で連続焼鈍して製造
するものである。
【0022】連続鋳造で作製した鋳造棒を、圧延、伸線
後に連続焼鈍するのは、圧延及び伸線での加工組織を回
復させ、最終熱処理で引張強さを低下することなく伸び
及び屈曲性を向上させるためである。そして、連続焼鈍
の焼鈍温度を500〜600℃としたのは、焼鈍温度が
500℃を下回る温度では圧延及び伸線での加工組織を
十分回復させることができないために最終熱処理で伸び
が十分に向上せず、焼鈍温度が600℃を超えると焼鈍
処理中の変色が著しく、線材としての巻き取り張力の調
整が困難となるためである。また、500〜600℃焼
鈍した後に伸線するのは、最終熱処理で引張強さを大幅
に低下させることなく、伸び及び屈曲性を向上させるた
めである。そして、この伸線の加工率を85〜95%に
したのは、加工率が85%を下回ると、最終熱処理後に
おいて十分な引張強さが確保できず、95%を超える加
工率では最終熱処理後において伸び及び屈曲性が十分に
向上しないためである。さらに、連続焼鈍して最終熱処
理を施すのは、伸び及び屈曲性を向上するためである。
そして、この連続焼鈍の焼鈍温度を350〜450℃と
したのは、焼鈍温度が350℃を下回る温度では伸びが
十分に向上せず、450℃を超える焼鈍温度では引張強
さが低下するためである。
後に連続焼鈍するのは、圧延及び伸線での加工組織を回
復させ、最終熱処理で引張強さを低下することなく伸び
及び屈曲性を向上させるためである。そして、連続焼鈍
の焼鈍温度を500〜600℃としたのは、焼鈍温度が
500℃を下回る温度では圧延及び伸線での加工組織を
十分回復させることができないために最終熱処理で伸び
が十分に向上せず、焼鈍温度が600℃を超えると焼鈍
処理中の変色が著しく、線材としての巻き取り張力の調
整が困難となるためである。また、500〜600℃焼
鈍した後に伸線するのは、最終熱処理で引張強さを大幅
に低下させることなく、伸び及び屈曲性を向上させるた
めである。そして、この伸線の加工率を85〜95%に
したのは、加工率が85%を下回ると、最終熱処理後に
おいて十分な引張強さが確保できず、95%を超える加
工率では最終熱処理後において伸び及び屈曲性が十分に
向上しないためである。さらに、連続焼鈍して最終熱処
理を施すのは、伸び及び屈曲性を向上するためである。
そして、この連続焼鈍の焼鈍温度を350〜450℃と
したのは、焼鈍温度が350℃を下回る温度では伸びが
十分に向上せず、450℃を超える焼鈍温度では引張強
さが低下するためである。
【0023】このような伸び特性及び屈曲特性に優れた
導電用高力銅合金の製造法によって製造した導電用高力
銅合金の実施例と比較例とが表3に示されている。表3
における実施例(No12)と比較例(No11〜No
15)とは組成成分が同一でその製造方法を変えたもの
である。
導電用高力銅合金の製造法によって製造した導電用高力
銅合金の実施例と比較例とが表3に示されている。表3
における実施例(No12)と比較例(No11〜No
15)とは組成成分が同一でその製造方法を変えたもの
である。
【0024】
【表 3】 実施例12は表1の実施例11と同一の組成を有し、同
一の製造方法によって製造されたものである。すなわ
ち、実施例12は、不活性ガス雰囲気に保たれたグラフ
ァイト製の坩堝炉で、黒鉛粒被覆下にて電気銅地金を溶
解した後、Mg,Sn,Inを純金属の形態で、P,C
oを母合金の形態で添加して均一な溶湯を得、これを連
続鋳造により20mmφの鋳造棒を作製し、さらに冷間圧
延後、伸線機によって3.2mmφに伸線し、550℃で
連続焼鈍した後、伸線機によって1.0mmφに伸線し、
不活性ガス雰囲気の電気炉を用い、420℃で連続焼鈍
して製造したものである。この導電用高力銅合金の線材
について、各特性試験を行った結果、導電率が63.8
%IACS、引張強さが55.2kg/mm2 、伸び率が9.0
%、屈曲性が48回となっている。
一の製造方法によって製造されたものである。すなわ
ち、実施例12は、不活性ガス雰囲気に保たれたグラフ
ァイト製の坩堝炉で、黒鉛粒被覆下にて電気銅地金を溶
解した後、Mg,Sn,Inを純金属の形態で、P,C
oを母合金の形態で添加して均一な溶湯を得、これを連
続鋳造により20mmφの鋳造棒を作製し、さらに冷間圧
延後、伸線機によって3.2mmφに伸線し、550℃で
連続焼鈍した後、伸線機によって1.0mmφに伸線し、
不活性ガス雰囲気の電気炉を用い、420℃で連続焼鈍
して製造したものである。この導電用高力銅合金の線材
について、各特性試験を行った結果、導電率が63.8
%IACS、引張強さが55.2kg/mm2 、伸び率が9.0
%、屈曲性が48回となっている。
【0025】比較例11は、中間焼鈍温度が350℃と
焼鈍温度範囲(500〜600℃)の下限値以下であ
り、中間焼鈍によって圧延及び伸線での加工組織を十分
回復させることができないため、最終焼鈍で引張強さを
低下させることなく、伸び率が7.2%と実施例12の
ように向上させることができない。比較例12は、中間
焼鈍から最終焼鈍までの伸線加工率が75%と加工率範
囲(85〜95%)の下限値以下であり、引張強さが4
8.2kg/mm2 と最終熱処理後において伸線加工による
引張強さの向上が十分に得られない。比較例13は、中
間焼鈍から最終焼鈍までの伸線加工率が99%と加工率
範囲の上限値以上であり、最終焼鈍で引張強さが57.
4kg/mm2 と低下させることはないが、伸び率が7.0
%、屈曲性が40回と向上させることができない。
焼鈍温度範囲(500〜600℃)の下限値以下であ
り、中間焼鈍によって圧延及び伸線での加工組織を十分
回復させることができないため、最終焼鈍で引張強さを
低下させることなく、伸び率が7.2%と実施例12の
ように向上させることができない。比較例12は、中間
焼鈍から最終焼鈍までの伸線加工率が75%と加工率範
囲(85〜95%)の下限値以下であり、引張強さが4
8.2kg/mm2 と最終熱処理後において伸線加工による
引張強さの向上が十分に得られない。比較例13は、中
間焼鈍から最終焼鈍までの伸線加工率が99%と加工率
範囲の上限値以上であり、最終焼鈍で引張強さが57.
4kg/mm2 と低下させることはないが、伸び率が7.0
%、屈曲性が40回と向上させることができない。
【0026】比較例14は、最終焼鈍温度が320℃と
焼鈍温度範囲(350〜450℃)の下限値以下であ
り、引張強さは56.4kg/mm2 と良好であるが、焼鈍
効果が得られず、伸び率が4.8%、屈曲性が36回と
向上しない。比較例15は、最終焼鈍温度が500℃と
焼鈍温度範囲の上限値以上であり、導電率が67.4%
IACS、伸び率が9.4%、屈曲性が49回と良好である
が、引張強さが44.8kg/mm2 と大幅に低下してしま
う。
焼鈍温度範囲(350〜450℃)の下限値以下であ
り、引張強さは56.4kg/mm2 と良好であるが、焼鈍
効果が得られず、伸び率が4.8%、屈曲性が36回と
向上しない。比較例15は、最終焼鈍温度が500℃と
焼鈍温度範囲の上限値以上であり、導電率が67.4%
IACS、伸び率が9.4%、屈曲性が49回と良好である
が、引張強さが44.8kg/mm2 と大幅に低下してしま
う。
【0027】このように本実施例によれば、溶体化処
理、時効処理等の複雑な熱処理工程を省略することがで
き、溶体化処理に対する中間焼鈍及び時効処理に対する
最終焼鈍ともに、電線製造工程で通常使用されている連
続焼鈍機を用いた2回の熱処理で実施することができ、
硬銅以上の引張強さを有し、導電率は若干低下するが、
軟銅よりも優れた屈曲性を有し、従来のNi−Si−I
n−Sn銅合金と比べても、引張強さは低下するが伸び
率、導電率、屈曲性が優れ、添加元素もNi−Si−I
n−Sn銅合金と比べ廉価であり、製造工程も簡素化す
ることができる。
理、時効処理等の複雑な熱処理工程を省略することがで
き、溶体化処理に対する中間焼鈍及び時効処理に対する
最終焼鈍ともに、電線製造工程で通常使用されている連
続焼鈍機を用いた2回の熱処理で実施することができ、
硬銅以上の引張強さを有し、導電率は若干低下するが、
軟銅よりも優れた屈曲性を有し、従来のNi−Si−I
n−Sn銅合金と比べても、引張強さは低下するが伸び
率、導電率、屈曲性が優れ、添加元素もNi−Si−I
n−Sn銅合金と比べ廉価であり、製造工程も簡素化す
ることができる。
【0028】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、Mgを
0.05〜0.25wt%、Snを0.1〜0.6wt
%、Pを0.02〜0.08wt%、Inを0.02〜
0.2wt%、Coを0.05〜0.1wt%含有し、
残部を基本的に銅によって構成し、MgとSnの含有比
を、(1):(1.0以上)にしてあるため、複雑な熱
処理工程を必要とせず、導電率の低下を招かないで屈曲
性、伸び特性、引張強さを向上して械的衝撃に対し高強
度を保ち、圧着端子部における屈曲による断線を減少さ
せた導電用高力銅合金を安価に製造することができる。
0.05〜0.25wt%、Snを0.1〜0.6wt
%、Pを0.02〜0.08wt%、Inを0.02〜
0.2wt%、Coを0.05〜0.1wt%含有し、
残部を基本的に銅によって構成し、MgとSnの含有比
を、(1):(1.0以上)にしてあるため、複雑な熱
処理工程を必要とせず、導電率の低下を招かないで屈曲
性、伸び特性、引張強さを向上して械的衝撃に対し高強
度を保ち、圧着端子部における屈曲による断線を減少さ
せた導電用高力銅合金を安価に製造することができる。
【0029】請求項2記載の発明によれば、Mgを0.
05〜0.25wt%、Snを0.1〜0.6wt%、
Pを0.02〜0.08wt%、Inを0.02〜0.
2wt%、Coを0.05〜0.1wt%含有し、残部
を基本的に銅によって構成し、MgとSnの含有比を、
(1):(1.0以上)にした銅合金を、連続鋳造によ
って作製した鋳造棒を圧延、伸線後に500〜600℃
で連続焼鈍し、その後に85〜95%の加工率で伸線
し、最終熱処理を350〜450℃で連続焼鈍して製造
することにより、複雑な熱処理工程(溶体化処理、時効
硬化処理)を必要としない固溶強化型の銅合金で、特に
屈曲特性、伸線加工特性に優れ、引張強さ、伸びにも優
れた、安価な銅合金を得ることができる。
05〜0.25wt%、Snを0.1〜0.6wt%、
Pを0.02〜0.08wt%、Inを0.02〜0.
2wt%、Coを0.05〜0.1wt%含有し、残部
を基本的に銅によって構成し、MgとSnの含有比を、
(1):(1.0以上)にした銅合金を、連続鋳造によ
って作製した鋳造棒を圧延、伸線後に500〜600℃
で連続焼鈍し、その後に85〜95%の加工率で伸線
し、最終熱処理を350〜450℃で連続焼鈍して製造
することにより、複雑な熱処理工程(溶体化処理、時効
硬化処理)を必要としない固溶強化型の銅合金で、特に
屈曲特性、伸線加工特性に優れ、引張強さ、伸びにも優
れた、安価な銅合金を得ることができる。
【図1】本発明の実施例及び比較例、従来例の屈曲試験
方法を示す図である。
方法を示す図である。
1……………………………………治具 2……………………………………供試材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】
【表 1】
【表 2】 表1の実施例(No1〜No11)は、従来例1のNi
−Si−In−Sn銅合金と比べて引張強さで若干劣る
が、導電率、伸び率、屈曲性(繰り返し屈曲強度)にお
いては良好な特性を有している。また、実施例(No1
〜No11)は、硬銅に比べると導電率は劣るものの引
張強さ、伸び率、屈曲性については大幅に向上している
ことが判る。
−Si−In−Sn銅合金と比べて引張強さで若干劣る
が、導電率、伸び率、屈曲性(繰り返し屈曲強度)にお
いては良好な特性を有している。また、実施例(No1
〜No11)は、硬銅に比べると導電率は劣るものの引
張強さ、伸び率、屈曲性については大幅に向上している
ことが判る。
Claims (2)
- 【請求項1】 Mgを0.05〜0.25wt%、Sn
を0.1〜0.6wt%、Pを0.02〜0.08wt
%、Inを0.02〜0.2wt%、Coを0.05〜
0.1wt%含有し、残部が基本的に銅からなり、前記
MgとSnの含有比が、 Mg:Sn=(1):(1.0以上) である伸び特性及び屈曲特性に優れた導電用高力銅合
金。 - 【請求項2】 Mgを0.05〜0.25wt%、Sn
を0.1〜0.6wt%、Pを0.02〜0.08wt
%、Inを0.02〜0.2wt%、Coを0.05〜
0.1wt%含有し、残部が基本的に銅からなり、前記
MgとSnの含有比が、 Mg:Sn=(1):(1.0以上) である銅合金を連続鋳造によって作製した鋳造棒を圧
延、伸線後に500〜600℃で連続焼鈍し、その後に
85〜95%の加工率で伸線し、最終熱処理を350〜
450℃で連続焼鈍して製造する伸び特性及び屈曲特性
に優れた導電用高力銅合金の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25403194A JP3302840B2 (ja) | 1994-10-20 | 1994-10-20 | 伸び特性及び屈曲特性に優れた導電用高力銅合金、及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25403194A JP3302840B2 (ja) | 1994-10-20 | 1994-10-20 | 伸び特性及び屈曲特性に優れた導電用高力銅合金、及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08120368A true JPH08120368A (ja) | 1996-05-14 |
| JP3302840B2 JP3302840B2 (ja) | 2002-07-15 |
Family
ID=17259282
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25403194A Expired - Fee Related JP3302840B2 (ja) | 1994-10-20 | 1994-10-20 | 伸び特性及び屈曲特性に優れた導電用高力銅合金、及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3302840B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008027640A (ja) * | 2006-07-19 | 2008-02-07 | Yazaki Corp | 高強度化した銅合金線を用いた自動車用電線 |
| EP2246448A4 (en) * | 2008-02-26 | 2014-07-02 | Mitsubishi Shindo Kk | HIGH-GRADE AND HIGH-CAPACITY CONDUCTIVE COPPER ROLL WIRE |
| US10266917B2 (en) | 2003-03-03 | 2019-04-23 | Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. | Heat resistance copper alloy materials |
| US10311991B2 (en) | 2009-01-09 | 2019-06-04 | Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. | High-strength and high-electrical conductivity copper alloy rolled sheet and method of manufacturing the same |
-
1994
- 1994-10-20 JP JP25403194A patent/JP3302840B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US10266917B2 (en) | 2003-03-03 | 2019-04-23 | Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. | Heat resistance copper alloy materials |
| JP2008027640A (ja) * | 2006-07-19 | 2008-02-07 | Yazaki Corp | 高強度化した銅合金線を用いた自動車用電線 |
| EP2246448A4 (en) * | 2008-02-26 | 2014-07-02 | Mitsubishi Shindo Kk | HIGH-GRADE AND HIGH-CAPACITY CONDUCTIVE COPPER ROLL WIRE |
| US10163539B2 (en) | 2008-02-26 | 2018-12-25 | Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. | High strength and high conductivity copper alloy rod or wire |
| US10311991B2 (en) | 2009-01-09 | 2019-06-04 | Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. | High-strength and high-electrical conductivity copper alloy rolled sheet and method of manufacturing the same |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3302840B2 (ja) | 2002-07-15 |
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