JPH08120491A - 化学吸着膜の製造方法 - Google Patents

化学吸着膜の製造方法

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JPH08120491A
JPH08120491A JP6260190A JP26019094A JPH08120491A JP H08120491 A JPH08120491 A JP H08120491A JP 6260190 A JP6260190 A JP 6260190A JP 26019094 A JP26019094 A JP 26019094A JP H08120491 A JPH08120491 A JP H08120491A
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Yukio Nomura
幸生 野村
Yoshiyasu Nobuto
吉保 延藤
Tsuneo Shibata
恒雄 柴田
Sanemori Soga
眞守 曽我
Shinji Ozaki
伸司 尾崎
Kazufumi Ogawa
一文 小川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材表面上にアルキルシロキサンもしくはフ
ルオロアルキルシロキサン化合物を吸着後、さらにシロ
キサン化合物を再吸着させて化学吸着膜を設けること
で、膜のピンホールレス化によりその耐久性を向上させ
ることを目的とする。 【構成】 基材を室温程度の温度の窒素雰囲気下で、ア
ルキルシロキサンもしくはフルオロアルキルシロキサン
化合物を含有する非水系溶剤に浸漬し、水洗・乾燥後、
さらにシロキサン化合物を含有する非水系溶剤に浸漬
し、水洗・乾燥することで設けられるピンホールレスの
化学吸着膜から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基材表面上にアルキル
シロキサンもしくはフルオロアルキルシロキサン化合物
を吸着後、さらにシロキサン化合物を再吸着させピンホ
ールレス化によりその耐久性を向上させた化学吸着膜の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】基材表面を改質する方法として、例えば
撥水、撥油、防汚性を付与するためにフロロカーボン系
ポリマーの懸濁液やフッ素系シランカップリング剤をコ
ーティングする方法、潤滑性を付与するためにワックス
をコーティングする方法が一般によく知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の方
法で得られるコーティング膜は、基材との結合力が弱い
ため、密着性を確保するためにコーティング前に基材表
面の祖面化やコーティング剤に改質剤や顔料の添加のた
めに基材そのままの表面状態と色感を生かした利用が不
可能であった。また、高温での焼成が必要であったた
め、プラスチック等への塗布が不可能であった。最近、
基材表面上にこれらのコーティングに相当する化学吸着
膜を設け、基材の付着力を向上させる方法がとられるよ
うになった。しかしながら、その化学吸着膜にはピンホ
ールが存在するため、その部分から基材の腐食等による
化学吸着膜の脱離が進行し耐久性に問題があった。
【0004】本発明はこれらの問題を解決するものであ
り、基材表面上にアルキルシロキサンもしくはフルオロ
アルキルシロキサン化合物を吸着後、さらにシロキサン
化合物を再吸着させ、ピンホールレス化することにより
耐久性を向上させた化学吸着膜を設ける方法を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成するた
めの本発明の第1の手段は、基材を脱脂する脱脂工程
と、脱脂後アルマイト処理を行うアルマイト処理工程
と、前記アルマイト処理工程後に表面上にアルキルシロ
キサンもしくはフルオロアルキルシロキサン化合物を吸
着する吸着工程と、吸着工程後に表面を洗浄する洗浄工
程とを有する化学吸着膜の製造方法を提供する。
【0006】また本発明の第2の手段は、第1の手段に
加えて吸着工程と洗浄工程を複数回繰り返す繰り返し工
程を有する化学吸着膜の製造方法を提供する。
【0007】そして本発明の第3の手段は、基材を脱脂
する脱脂工程と、脱脂後アルマイト処理を行うアルマイ
ト処理工程と、前記アルマイト処理工程後に表面上にア
ルキルシロキサンもしくはフルオロアルキルシロキサン
化合物を吸着する吸着工程と、その後さらにシロキサン
化合物を再吸着させる再吸着工程とを有することを特徴
とする化学吸着膜の製造方法を提供する。
【0008】
【作用】基材を室温程度の温度の窒素雰囲気下で、アル
キルシロキサンもしくはフルオロアルキルシロキサン化
合物を含有する非水系溶媒に浸漬させると、これらの化
合物が基材上に吸着した水酸基もしくは水と反応し、基
材上に吸着する。この後、この基材を室温程度の温度で
水に浸漬させると、吸着したこれらの化合物上に水酸基
もしくは水が吸着する。さらに乾燥後、シロキサン化合
物によりこの一連の吸着操作を繰り返し再吸着させるこ
とで、表面を完全に被覆した化学吸着膜をもつ基材とな
る。
【0009】この状態は、単にアルキルシロキサンもし
くはフルオロアルキルシロキサン化合物が基材表面に吸
着し、化学吸着膜を形成している状態と比べ、これらの
化学物が浸入、吸着できずに生成したこの化学吸着膜の
ピンホールにこれらの化合物よりも分子量の小さいシロ
キサン化合物を浸入、再吸着させることで、ピンホール
レス化した化学吸着膜になっている。このため、ピンホ
ールからの基材の腐食を防ぐことで、化学吸着膜の耐久
性を向上させている。
【0010】また、基材上にシロキサン結合という化学
結合でもって化学吸着膜を形成するため、表面を繰り返
し洗浄しても、化学吸着膜が剥離することがない。ま
た、この化学吸着膜によって基材感を損なうこともな
い。
【0011】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の化学吸着膜の製造方法の具
体的実施例を図1を用いて説明する。
【0012】基材1としてアルマイトを室温程度の温度
の窒素雰囲気下で、フルオロアルキルシロキサン化合物
2としてヘプタデカフルオロデキシルトリクロロシロキ
サン、その非水系溶媒としてn−ヘキサデカン/クロロ
ホルム=90/10(重量比)を用いた10ー2mol/
l溶液に浸漬させると(図1のA)、フルオロアルキル
シロキサン化合物2が基材1上に吸着した水酸基3もし
くは水4とが反応し、基材上に吸着する(図1のB)。
この後、この基材を水に浸漬させると、吸着したフルオ
ロアルキルシロキサン化合物2上に水酸基3もしくは水
4が吸着する(図1のC)。さらに乾燥後、シロキサン
化合物5として、テトラクロロシランを用いてこの一連
の吸着操作を繰り返し再吸着させることで(図1の
D)、最終的には基材表面を完全に被覆した化学吸着膜
6が形成される(図1のE)。なお、この基材は化学吸
着膜がフルオロアルキルシロキサンで構成させているの
で、撥水、撥油、防汚性も兼ね備えている。
【0013】上記の本発明により得られる化学吸着膜を
評価するために、これを沸騰水中に2000時間放置し
た。この間200時間毎に基材の汚れの洗浄を2.5重
量%のクエン酸水溶液で煮沸洗浄し、基材表面に水4μ
lを滴下した時の水の接触角を測定し、その結果を(表
1)に示した。
【0014】
【表1】
【0015】この結果より、シロキサン化合物を再吸着
させることにより、化学吸着膜の耐久性が向上すること
が解る。またその再吸着回数が多いほどその耐久性が良
好であることが解り、本発明の目標が達成できる。
【0016】本発明に供されるアルキルシロキサン化合
物としては、メチルトリクロロシラン等、フルオロアル
キルシロキサン化合物としてはヘプタデカフルオロデキ
シルトリクロロシロキサン等の一般式 CnH2n-m+1Fm-SiX
3(n=1,2,3,・・・ m=0,1,2・・・2n+1;X=ハロケ゛ン原子)に示
したもので、またシロキサン化合物としてはテトラクロ
ロシラン、ヘキサクロロジシロキサン等の一般式SinO
n-1X2n+2(n=1,2,3,・・・;X=ハロケ゛ン原子)に示したもの
で、それぞれ吸着密度を高めるために直鎖状化合物が好
ましい。また、非水系溶媒として上記シロキサン化合物
と反応する活性水素を持たない有機溶媒であればよく、
例えば上記アルキルシロキサン、フルオロアルキルシロ
キサン、もしくはシロキサン化合物に対しては、n−ヘ
キサデカン等の炭化水素系溶媒やクロロホルム、2,
2,2−トリフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素溶
媒など一般式 CnH2n-m+2Xm(n=1,2,3,・・・ m=0,1,2,・・・
2m+2;X=ハロケ゛ン原子) に示したもの、あるいはこれらを
任意に混合したものが好ましい。また、基材としてはア
ルマイト、ステンレス等の金属、ガラス、その他上記溶
媒に耐えるものであればプラスチック等が使用でき、上
記に示した性能が得られる。
【0017】(実施例2)本発明の化学吸着膜の製造方
法を用いて得られたものを炊飯器に応用した例を示す。
図1に示した炊飯器の構成断面図に基づいて、この構成
を動作を説明する。3は実施例1に示した化学吸着膜を
形成したアルマイト基材で構成された内蓋で、これを本
体1および1の上部にあるヒンジ5により開閉自在な外
蓋4に装着する。6は鍋2の中に貯められた水およびお
米である。7は本体1に給電するための電源コードであ
る。
【0018】次に、動作を説明する。電源コード7によ
り給電し、内蓋3および外蓋4により外界と遮断した状
態で、鍋2中の水およびお米をこの底部より加熱し炊飯
した後、常時保温状態が保たれている。従って、上記に
示した化学吸着膜が熱水もしくは蒸気に常時接触状態で
保持されている。この動作を繰り返す状態で炊飯器が使
用される。
【0019】化学吸着膜の性能を実用に即して試験する
ために、水とお米を入れて炊飯し、60分保温するいう
一連の操作を1000回繰り返し実施した。この間10
0回毎に内蓋3の汚れの洗浄を洗剤原液を染み込ませた
スポンジで100往復擦って洗浄し、基材の状態と上記
と同様な方法で水の接触角を測定し、その結果を(表
2)に示した。
【0020】
【表2】
【0021】この結果より、内蓋上のフルオロアルキル
シロキサン化合物で構成させた化学吸着膜は、防汚性、
防食性に優れることが解り、その耐久性はシロキサン化
合物を再吸着することにより向上することが解る。また
その再吸着回数が多いほどその耐久性が良好であること
が解り、本発明の目標が達成できる。
【0022】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば、基材上にアルキルシロキサンもしくはフル
オロアルキルシロキサン化合物を吸着後、さらにシロキ
サン化合物を再吸着させてピンホールレス化することに
より、耐久性の向上した化学吸着膜を設けることができ
る。この状態は、単にアルキルシロキサンもしくはフル
オロアルキルシロキサン化合物が基材表面に吸着し、化
学吸着膜を形成している状態と比べ、これらの化学物が
浸入、吸着できずに生成したこの化学吸着膜のピンホー
ルにこれらの化合物よりも分子量の小さいシロキサン化
合物を浸入、再吸着させることで、ピンホールレス化し
た化学吸着膜になっている。このため、ピンホールから
の基材の腐食を防ぐことで、化学吸着膜の耐久性を向上
させている。また、基材上にシロキサン結合という化学
結合でもって化学吸着膜を形成するため、表面を繰り返
し洗浄しても、化学吸着膜が剥離することがない。ま
た、この化学吸着膜によって基材感を損なうこともな
い。
【0023】また、基材表面上にアルキルシロキサンも
しくはフルオロアルキルシロキサン化合物を吸着する工
程に、さらにシロキサン化合物を再吸着させる工程を追
加したことにより、化学吸着膜を簡単に製造することが
できる。
【0024】そして、化学吸着膜をフルオロアルキルシ
ロキサン化合物で構成させることで、撥水、撥油、防汚
性の容器内面をもつ調理器ができ、調理物のこびりつき
が発生しても簡単な洗浄で容易に離形し、長期にわたっ
て美麗さ、清潔感が維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化学吸着膜とその製造方法
【図2】本発明の一実施例である炊飯器の構成図
【符号の説明】
1 基材 2 フルオロアルキルシロキサン化合物 3 水酸基 4 水 5 シロキサン化合物 6 化学吸着膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 7/14 C 7/24 302 Y 7415−4F D 7415−4F C23G 1/00 // A47J 27/00 103 N C11D 7/50 (72)発明者 曽我 眞守 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 尾崎 伸司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小川 一文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材を脱脂する脱脂工程と、脱脂後アル
    マイト処理を行うアルマイト処理工程と、前記アルマイ
    ト処理工程後に表面上にアルキルシロキサンもしくはフ
    ルオロアルキルシロキサン化合物を吸着する吸着工程
    と、吸着工程後に表面を洗浄する洗浄工程とを有する化
    学吸着膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 吸着工程と洗浄工程を複数回繰り返す繰
    り返し工程を有する請求項1記載の化学吸着膜の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 基材を脱脂する脱脂工程と、脱脂後アル
    マイト処理を行うアルマイト処理工程と、前記アルマイ
    ト処理工程後に表面上にアルキルシロキサンもしくはフ
    ルオロアルキルシロキサン化合物を吸着する吸着工程
    と、その後さらにシロキサン化合物を再吸着させる再吸
    着工程とを有することを特徴とする化学吸着膜の製造方
    法。
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