JPH0812319A - 低屈折率無機粉体、その製造方法、それを用いた液状洗浄剤組成物及び透明歯磨組成物 - Google Patents

低屈折率無機粉体、その製造方法、それを用いた液状洗浄剤組成物及び透明歯磨組成物

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JPH0812319A
JPH0812319A JP13916694A JP13916694A JPH0812319A JP H0812319 A JPH0812319 A JP H0812319A JP 13916694 A JP13916694 A JP 13916694A JP 13916694 A JP13916694 A JP 13916694A JP H0812319 A JPH0812319 A JP H0812319A
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Fumitomo Noritake
史智 乗竹
Taketoshi Ito
武利 伊藤
Yutaka Yamato
裕 大和
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 SiO2又はSiO2とAl23とを主成分と
した、実質上100nm以下の径をもつ細孔が8〜80
容量%を占める平均粒子径1〜50μmの多孔質粒子か
ら成り、上記細孔が粒子表面付近において閉塞して外部
との連通が遮断されており、かつ水性媒質中で1.40
以下の屈折率を有する低屈折率無機粉体とこれを研磨材
として用いた液体洗浄剤及び歯磨である。 【効果】 洗浄力及び研磨力に優れ、かつ視覚上実質的
に透明な外観を有する液体洗浄剤及び歯磨を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な低屈折率無機粉
体、その製造方法、それを用いた液体洗浄剤組成物及び
歯磨組成物に関するものである。さらに詳しくいえば、
本発明は、透明な外観を有する液体洗浄剤組成物や歯磨
組成物に研磨材として配合したときに、その透明性をそ
こなうことのない無機粉体並びにその製造方法と、無機
粉体を含有した液体洗浄剤組成物及び歯磨組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】これまで、野菜類や食器類を洗うための
台所用液体洗浄剤としては、界面活性剤のみを有効成分
とするものが主流を占めてきた。しかしながら、このよ
うな液体洗浄剤は、野菜洗いや、食器に付着した液体状
ないし半固体状の油や汚物に対しては、良好な洗浄力を
示すが、食物の調理の際や、長期間放置した際に調理器
具上で変性して生じた固体状油や、食器類に固く付着し
た汚物を除去する場合には洗浄力が不十分である。この
ため通常、除去しにくい固形状の汚物を有する調理器具
や食器類の洗浄には台所用液体洗浄剤と粉末状又はペー
スト状のクレンザーを併用することが行われている。
【0003】ところで、トイレ用、浴室用の住居用洗浄
剤については、液体洗浄剤に研磨材を配合し、研磨作用
を利用して固着した汚物を除去しやすくした液体洗浄剤
組成物が以前から提案されている。このような液体洗浄
剤組成物は、界面活性剤の洗浄力と研磨材の研磨力とを
併せもち、優れた洗浄効果を示すが、不溶性物質を含有
するため、白濁状となり、外観的に商品価値が低下する
のを免れない。
【0004】このような欠点を改良するため、界面活性
剤その他の添加成分を含む透明ベヒクルに対し、このベ
ヒクルとほぼ等しい屈折率を有する研磨材を配合し、外
観の透明性を維持した研磨材含有液体洗浄剤が提案され
た(特開昭60−110794号公報)。ところで、こ
のような研磨材含有液体洗浄剤においては、屈折率1.
35〜1.55の研磨材を用いることが必要とされてい
るが、実際に利用できるのは、屈折率1.44〜1.4
5の非晶質無水ケイ酸のみであるため、透明な液体洗浄
剤とするには使用するベヒクルの組成範囲が狭くなり、
性能の面では制限されるという欠点がある。
【0005】一般に、液体洗浄剤は、アルキルベンゼン
スルホン酸塩、α‐オレフィンスルホン酸塩、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル硫酸塩などのアニオン性界
面活性剤やポリオキシエチレンアルキルエーテル、アル
キル第三級アミンオキシドなどのノニオン性界面活性剤
を含有する水溶液を主体とするものであり、その屈折率
は1.37〜1.40程度になるのが普通であるから、
これに配合する研磨材としては、屈折率が1.40以下
のものが好ましい。
【0006】しかしながら、これまで研磨材として用い
られている非晶質シリカやアルミノケイ酸塩の屈折率は
1.44〜1.46、炭酸カルシウムは1.66であ
り、1.40以下のものは知られていない。
【0007】すなわち、これまで提案されている低屈折
率の研磨材用無機粉体としては、例えば、ゼオライト粒
子を主要成分とする屈折率1.42〜1.53の体質顔
料(特開昭59−133265号公報)、屈折率1.4
30〜1.433の範囲において、少なくとも70%の
透過率を示す非晶質シリカ(特開平5−208808号
公報)などがあり、また透明な外観をもつ無機粉体含有
液体組成物としては、透明な外観を有する研磨材含有液
体洗浄剤組成物(特開昭60−110794号公報)、
界面活性剤のほかに、液状油を含み、該液状油との屈折
率差が0.1以内の粉体を含有する皮膚洗浄剤(特開平
4−91018号公報)、屈折率が1.35〜1.44
の合成薄片状金属酸化物を配合したメークアップ化粧料
(特開昭63−166819号公報)などが知られてい
る。
【0008】他方、シリカなどの研磨材を配合した歯磨
組成物において、透明性を付与して商品価値を高めるこ
とも行われ、これまで乾燥微粉末ケイ酸を400〜60
0℃で焼成して用いたもの(特開昭55−92308号
公報)、特定の比表面積をもつ屈折率1.42〜1.4
5のシリカを用いたもの(特開昭59−163306号
公報)、屈折率1.36〜1.47の液状ベヒクルに近
似した屈折率をもつ研磨材を含有させたもの(特開昭5
9−231010号公報)、屈折率1.410〜1.4
40の合成非晶質シリカを含有させたもの(米国特許第
3939262号明細書、米国特許第4007260号
明細書)、屈折率1.435〜1.465の水溶性又は
非水溶性アルカリ金属リン酸塩を含有するもの(英国特
許第1424034号明細書)、球状の微細シリカゲル
を配合したもの(特開昭62−87507号公報)など
が提案されている。
【0009】また、液体洗浄剤や液状歯磨中に研磨材を
配合した場合、その分散安定性は、通常よくないので、
分散安定性を向上させるために、洗浄作用のない分散剤
を加えたり、増粘作用をもつ成分を併用する必要がある
が、このように多種多様の成分を用いると物性の調整が
困難になる上に、余分の成分を配合することによるコス
ト高を避けられない。
【0010】このような研磨材の分散性が不良になる原
因の一つは、研磨材として用いられる無機粉体の密度が
2g/cm3以上で、液体洗浄剤組成物のベヒクルの密
度の約1g/cm3に比べかなり大きいことにある。し
たがって、液体洗浄剤中での研磨材の分散安定性を向上
させるには、研磨材の密度を小さくして、ベヒクルの密
度に近づけるのが望ましい。
【0011】このように、これまで液体洗浄剤や液状歯
磨に配合する研磨材については、一般的な屈折率の範囲
としては例えば1.35〜1.55と、1.40以下の
数値が含まれるような記載がなされているにしても、水
性ベヒクル中で実際に1.40以下の屈折率を示すもの
は知られていない。
【0012】なお、前記したように、これまでもメーク
アップ化粧料に配合した合成薄片状金属酸化物や光拡散
剤として用いたゼオライト又は熱処理したゼオライトの
中に、屈折率1.40以下の無機粉体が存在することが
知られているが、これらのものは油や有機溶剤のような
非水性媒質中では屈折率1.40以下を示すが、水性媒
質すなわち水又は水を含む媒質中では屈折率が1.40
よりも大きいことが確認されている。例えば特開昭63
−166819号公報に屈折率1.38として記載され
ている非晶質シリカは、水とグリセリンとの混合物中で
は屈折率1.43であるし、また特開平5−27951
0号公報に屈折率1.37として示されているゼオライ
トは同じ水性媒質中では屈折率1.46であった。
【0013】このように、水性媒質中では、非水性媒質
中よりも屈折率が大きくなるという現象は、次のように
説明できる。
【0014】通常、非晶質シリカは水分あるいは水酸基
を数重量%ないしそれ以上含んでいるし、ゼオライトは
結晶水を有し、例えばNaA型の場合、その含有量は2
2重量%にもなっている。また、これらは細孔を有して
おり、乾燥して水分を減じたものは乾燥剤として使用さ
れる。これは、水分を排除したこれらの細孔内に、空気
中に存在する水分が吸着されることを利用したものであ
る。したがって、熱処理を行うことによって、いったん
水分が排除されたものは、細孔内が空気で満たされてお
り、前記屈折率測定時に有機溶媒を浸液として用いた場
合、細孔内は空気が存在したままの状態であると考えら
れる。これに対し、水性媒質を浸液として使用した場
合、細孔内に再び水が侵入し、空気と置換された状態に
なると考えられる。
【0015】細孔を有する物質で、細孔が光の波長より
も十分に小さいものの屈折率は、物質本来の値と細孔の
内容物の値との平均的な値になるとすると、細孔の内容
物によって屈折率に違いが生じるものと考えられる。し
たがって、水の屈折率が1.333に対し、空気は1.
0003であることから、水性媒質を浸液として用いた
場合、細孔内に水が侵入したときの屈折率は高くなるこ
とが理解できる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、透明な外観を有する研磨材含有液体洗浄
剤や、液状歯磨の研磨材として好適な、水性媒質中で低
屈折率を示す、低密度の無機粉体を提供すること及びこ
れを配合した透明な液体洗浄剤組成物と液状歯磨組成物
を提供することを目的としてなされたものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、液体洗浄
剤や液状歯磨に配合するための研磨材について種々研究
を重ねた結果、特定の径の細孔を特定量有するSiO2
又はSiO2とAl23とを主成分とする多孔質粒子か
ら成る粉体について、該細孔が粒子外部との連通を遮断
されるように表面付近で閉塞処理し、水性媒質中での屈
折率を1.40以下に調整すれば、液体洗浄剤や液状歯
磨のような水を含有する液体組成物に配合しても視覚上
実質的に透明な外観を保持しうるとともに、この無機粒
子が空気を内包していることにより、その密度が低下し
て良好な分散安定性を示すこと、及びこのような多孔質
粒子は、原料粒子を特定の温度で熱処理したのち、細孔
と粒子外部との連通を遮断するために表面付近において
閉塞処理を行うことにより、得られることを見出し、こ
の知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0018】すなわち、本発明は、SiO2又はSiO2
とAl23とを主成分とした、実質上100nm以下の
径をもつ細孔が8〜80容量%を占める平均粒子径1〜
50μmの多孔質粒子から成り、上記細孔が粒子表面付
近において閉塞して外部との連通が遮断されており、か
つ水性媒質中で1.40以下の屈折率を有することを特
徴とする低屈折率無機粉体を提供するものである。
【0019】この低屈折率無機粉体は、例えばSiO2
又はSiO2とAl23とを主成分とした実質上100
nm以下の径をもつ細孔が8〜80容量%を占める平均
粒子径1〜50μmの非水溶性多孔質粒子を、100〜
1000℃において細孔内の水分が実質上完全に除去さ
れるまで熱処理し、次いで細孔の閉塞処理を行うことに
よって製造することができる。
【0020】本発明の無機粉体は、実質的に100nm
以下の径の細孔を有する多孔質粒子からなるものであっ
て、該細孔径が実質的に100nmより大きい場合に
は、粒子全体として均一な屈折率を示さなくなり、この
無機粉体を、どのような組成の水性媒質に分散させて
も、その外観を透明にすることはできない。また、該細
孔の構造については特に制限はなく、独立細孔であって
もよいし、網目状に発達したトンネル構造や井戸型の細
孔などであってもよい。
【0021】また、本発明の無機粉体においては、前記
細孔は、粒子の8〜80容量%を占めていることが必要
である。細孔容量が小さいほど、主成分であるSiO2
又はSiO2とAl23の屈折率が、粒子の屈折率に寄
与する割合が大きくなり、無機粉体の屈折率が増大す
る。細孔容量が8容量%未満では、該細孔を外部との連
通を遮断しても、水性媒質中で1.40以下の屈折率と
することができない。一方、細孔容量が80容量%を超
えると無機粉体の製造が事実上困難となる。
【0022】本発明の無機粉体は、前記の細孔径及び細
孔容量を有し、SiO2又はSiO2とAl23とを主成
分とするものである。これらの成分は、大気中での屈折
率が概ね1.55以下の水不溶性の無機物質であって、
原料が安価である上、上記の細孔径及び細孔容量を容易
に得ることができる。
【0023】SiO2又はSiO2とAl23とを主成分
とする無機粉体としては、上記の細孔径及び細孔容量が
容易に得られるものであればよく、特に制限はない。ま
た、どのような結晶構造や組成を有するものであっても
よいが、特に非晶質シリカ、シリカゲル、天然又は合成
ゼオライトが好ましい。
【0024】上記の細孔径及び細孔容量を有する非晶質
シリカやシリカゲルは、一般に市販されているものを用
いることができるし、また、公知の方法、例えば(1)
SiCl4などを原料として、これを気化した後に、高
温水蒸気で加水分解する気相法、(2)ゼオライトなど
のアルミノケイ酸塩から酸処理によってアルミニウムを
溶脱する酸処理法、(3)シリカゲルを酸、電解質、熱
などで凝集させ、多孔質体を得るゾル凝集法、(4)ケ
イ素アルコキシドを加水分解するアルコキシド法、
(5)水ガラス(ケイ酸ナトリウム水溶液)を主原料と
して、これに酸、アルコールなどを添加して、シリカ分
を凝集させる水ガラス凝集法、(6)水ガラスをW/O
エマルション中で上記(5)と同様に処理する界面反応
法、(7)例えば、B25−Na2O−SiO2分相ガラ
ス微粒子の酸処理によって、B2O及びNa2Oを溶出さ
せ、多孔質化する化学溶解処理法、などを用いて容易に
製造することができる。
【0025】上記製造方法の中で、(5)の水ガラス凝
集法が、多孔質シリカの製造に多用されており、この方
法によれば、平均細孔径が約0.5ないし数百nm、細
孔容量が約1〜85容量%であるシリカ多孔質体を容易
に製造しうる上、反応時のpHなどにより細孔径及び細
孔容量の制御が可能であるので、この方法により得られ
たものは、本発明における無機多孔質粒子として好適で
ある。
【0026】また、本発明における無機多孔質粒子とし
て、天然又は合成ゼオライトも用いることができる。ゼ
オライトは、結晶構造により、その細孔径と細孔容量が
自ずから規定されており、いずれのゼオライトも、概ね
細孔径は0.8nm以下で、細孔容量は10〜50容量
%であるので、本発明における無機多孔質粒子として好
適である。
【0027】本発明における無機多孔質粒子は、SiO
2又はSiO2とAl23とを主成分とするものである
が、この無機多孔質粒子には、所望成分として使用目的
に応じ、種々の添加物を加えることができる。しかし、
原子量の大きな元素(重元素)を添加することは、無機
多孔質粒子の屈折率を上昇させる傾向があるので、好ま
しくなく、たとえ添加するにしても、少量の添加にする
べきである。
【0028】また、添加物を加えることによって、該無
機多孔質粒子の細孔径又は細孔容量あるいはその両方を
制御することもできる。無機多孔質粒子として、前記ゼ
オライトを用いた場合には、ゼオライト結晶格子中の交
換性カチオンをイオン交換することにより、細孔径及び
細孔容量を変化させることが可能である。例えば、Na
A型ゼオライトの細孔径は0.4nmであるが、Naを
Kに交換すると0.3nmに、同様にCaに交換すると
0.5nmに変化させることが可能である。
【0029】本発明の無機粉体は、前記のような成分、
細孔径及び細孔容量を有する無機多孔質粒子の細孔を、
粒子外部との連通を遮断するように表面付近において閉
塞処理し、水中媒質中での屈折率を1.40以下にする
ことが必要である。ここでいう「連通」とは、該細孔内
に水が侵入しない状態を指す。したがって、水の分子直
径(0.28nm)よりも小さな径の開口部が存在した
としても、「外部との連通が遮断された」とする。ま
た、該屈折率が1.40を超えると、研磨材として液体
洗浄剤に配合した場合、視覚上実質的に透明な外観を有
するものが得られない。
【0030】次に、前記のような性状を有する本発明の
無機粉体は、例えば以下のようにして製造することがで
きる。前記無機多孔質粒子の細孔内には、通常、水が吸
着して存在している。このように細孔内に水が存在する
場合には、無機多孔質粒子の屈折率は1.40より高
く、細孔の外部との連通を遮断しても、細孔内に水が残
っていると、無機粉体の屈折率を1.40以下とするこ
とは困難である。したがって、本発明方法においては、
該無機多孔質粒子の細孔の外部との連通を遮断する処理
を行う前に、細孔内の水を除く操作が施される。この細
孔内の水を除く操作として、該多孔質粒子を100〜1
000℃の範囲の温度において熱処理する操作が行われ
る。熱処理温度が100℃未満では、細孔内の水の除去
が不十分となるおそれがあるし、1000℃を超えると
結晶構造が変化して、細孔容量が低下する。熱処理で許
容される最大の温度は、該無機多孔質粒子の細孔が、前
記記載の細孔径、細孔容量を維持する範囲で決定され
る。例えば、NaA型ゼオライトの場合、800℃以上
の温度で熱処理すると結晶構造に変化が起こり、その結
果、細孔は消滅してしまうので、熱処理で可能な最高温
度は800℃とされる。非晶質多孔性シリカの場合は、
結晶構造の変化は認められないが、1000℃より高い
温度での熱処理では細孔容量が著しく減少してしまい、
本発明の無機多孔質粒子として用いることができなくな
る。SiO2又はSiO2とAl23とを主成分とする無
機多孔質粒子の細孔構造は、このように1000℃より
高い温度での熱処理では細孔容量が著しく減少する。ま
た、この熱処理は、水の除去を完全にするために、真空
下で行うこともできる。
【0031】なお、熱処理後、ただちに、無機多孔質粉
体の水溶液中での屈折率を測定すると、本発明の目的と
するような1.40以下の値を示すものがあるが、この
無機粉体を水性媒質中に分散させたまま、経時変化を調
べると、遅くとも数日以内に屈折率は上昇する。これ
は、この無機多孔質粉体の細孔径が熱処理により減少
し、水分子の侵入をある程度阻害するものの、経時によ
り細孔内に水が侵入していくことを示すものと思われ
る。
【0032】本発明方法においては、このようにして熱
処理された多孔質粒子に対し、細孔と粒子外部との連通
を遮断するために表面付近において閉塞処理が施され
る。この処理としては、水酸基と反応しうる官能基1個
以上を有する有機ケイ素化合物を反応させる方法、非水
溶性の高分子化合物を被覆する方法、SiO2又はSi
2とAl23とを主成分とする非水溶性非晶質無機化
合物を被覆する方法などを挙げることができる。
【0033】まず、水酸基と反応しうる官能基1個以上
有する有機ケイ素化合物を反応させる方法について説明
する。
【0034】SiO2又はSiO2とAl23とを主成分
とする無機多孔質粒子表面には、通常−M−OH(Mは
無機多孔質粒子に含まれる金属元素)で表わされる表面
水酸基が存在する。この表面水酸基は、例えば有機ケイ
素化合物の−SiX(Xは周期表VIIb族元素)、−
SiOR(Rはアルキル基)、−SiNH、−SiOH
などの官能基と容易に反応して化学結合を形成すること
ができる。このような粒子の表面水酸基と反応しうる官
能基少なくとも1個を有する有機ケイ素化合物として
は、例えばアルキルアルコキシシラン、フルオロアルキ
ルシラン、アルキルクロロシラン、アルキルジシラザ
ン、フルオロジシラザンや2,4,6,8‐テトラメチ
ルシクロテトラシロキサンのような環状シロキサンなど
や一般的にシランカップリング剤として用いられる化合
物を挙げることができる。これらの中には、無機多孔質
粒子と反応するとともに、隣接する有機ケイ素化合物同
士が、反応して該粒子表面に高分子皮膜を形成するもの
も含まれる。シランカップリング剤は次式で表わされる
1分子中に有機官能基とケイ素原子に結合する加水分解
性基とを合わせもつ化合物である。
【0035】
【化1】
【0036】上記一般式(I)において、Zは加水分解
性基で、具体的にはクロル基などのハロゲン基、メトキ
シ基やエトキシ基などのアルコキシ基などであり、無機
多孔質粒子の表面水酸基と反応することが可能である。
nは通常2又は3である。R 1は一価の炭化水素基、R2
はYとケイ素原子とを結ぶ二価の炭化水素基である。Y
は有機官能基で、例えばビニル基、アミノ基、メタクリ
ル基、エポキシ基、メルカプト基などである。
【0037】このようなシランカップリング剤として
は、例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、3‐クロロプロピルトリメトキシシラン、3
‐アミノプロピルトリエトキシシラン、3‐(2‐アミ
ノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3‐グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、3‐メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、3‐メルカプトプ
ロピルトリメトキシシランなどを挙げることができる。
本発明では、これらの有機ケイ素化合物を同時に2種以
上用いることもできる。また、有機ケイ素化合物と無機
多孔質粒子の表面水酸基との反応は液相あるいは気相反
応によって容易に行うことができる。
【0038】次に非水溶性の高分子化合物で被覆する方
法は、非水溶性の高分子化合物、例えばポリスチレン、
ポリメタクリル酸メチル、尿素樹脂、ポリエチレン、ポ
リカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナ
イロン、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート、テト
ラヒドロフラン、シリコーンで多孔質粒子表面を被覆す
る方法であって、これらの非水溶性の高分子化合物を該
無機多孔質粒子の表面に被覆するには、溶媒中に該非水
溶性の高分子化合物を溶解又は分散したのち、無機多孔
質粒子を分散して粒子表面に吸着させる方法や、無機多
孔質粒子を分散させた溶媒中で、当該する高分子化合物
の重合反応を行い、表面を被覆させる方法、あるいは、
該無機多孔質粒子を重合可能な物質(気相又は液相)の
存在下におき、粒子表面で重合反応を行う方法などが用
いられる。
【0039】無機多孔質粒子を処理する際に用いる溶媒
は、該細孔内に侵入しないものが望ましい。このような
溶媒としては、処理する粒子の細孔径よりも大きな分子
断面積を有するものから選択するのがよい。
【0040】なお、上記の方法で処理した無機多孔質粒
子は、無機多孔質粒子の細孔と外部との連通が起こらな
い条件で、未反応物の除去などの目的により、洗浄や加
熱処理することができる。
【0041】さらに、SiO2又はSiO2とAl23
を主成分とする非水溶性非晶質無機化合物によって、無
機多孔質表面にち密な皮膜を形成させるには、例えば無
機多孔質粒子を分散させた液相中で、前記、多孔質シリ
カの製造法で挙げたゾル凝集法、アルコキシド法、水ガ
ラス凝集法などで非晶質シリカを該多孔質粒子表面に被
覆させる方法や、同様の処理中に、アルミニウム化合物
を共存させる方法、SiO2又はSiO2とAl23とを
主成分とする水不溶性非晶質無機化合物皮膜をスパッタ
リングあるいはCVD法などの気相反応法で形成させる
方法などがある。このような処理を行ったのちに、熱処
理することによって表面に新たに被覆されたSiO2
はSiO2とAl23とを主成分とする非水溶性非晶質
化合物層をよりち密にすることもできる。この熱処理
は、無機多孔質粒子の細孔径及び細孔容量が前記の範囲
内にあるためには、100〜1000℃の範囲で行うこ
とが望ましい。
【0042】このようにして処理された100nm以下
の細孔を8〜80容量%有するSiO2又はSiO2とA
23とを主成分とする無機多孔質粒子は、細孔と外部
との連通が遮断された結果、この無機粉体を水中に分散
させても、細孔内に水が侵入しなくなり、水中でのこの
粒子の屈折率は、粒子本体と細孔内の空気との平均的な
値となり、安定な状態で1.40以下とすることができ
る。
【0043】本発明によれば、また少なくとも1種の界
面活性剤3〜40重量%とともに、前記の無機粉体3〜
70重量%を含有させた実質的に透明な外観をもつ液体
洗浄剤組成物が提供される。
【0044】この液体洗浄剤組成物において、本発明の
無機粉体は研磨材としての作用を有するが、平均粒子径
が1μmよりも小さかったり、該組成物中の含有量が3
重量%よりも少ないと、十分な研磨力が得られず、反対
に、50μmより大きいと、被洗物が傷つきやすく、ま
た70重量%よりも多いと、すすぎ後の被洗物への残留
が多くなり、好ましくない。一方、界面活性剤の含有量
が3重量%よりも少ないと洗浄力が不足し、40重量%
を超えると、すすぎ時間が長くなるばかりか、すすぎ後
に被洗物に残留しやすくなり、ヌルツキを生じたりして
好ましくない。
【0045】液体洗浄剤組成物が実質的に透明な外観を
有するためには、配合される前記無機粉体と液体洗浄剤
組成物のそれ以外の部分の屈折率の差異は±0.01の
範囲に収める必要がある。これ以上両者の屈折率に違い
があると、透明な外観とするのは困難である。
【0046】本発明において用いる界面活性剤はアニオ
ン性、ノニオン性、カチオン性、両性の界面活性剤など
であって、アニオン性界面活性剤としては、通常のスル
ホネート系、サルフェート系、ホスフェート系のアニオ
ン性界面活性剤が使用される。これらのアニオン性界面
活性剤の中でスルホネート系アニオン性界面活性剤とし
ては、例えば直鎖又は分枝鎖アルキル(C8〜C23)ベ
ンゼンスルホン酸塩、長鎖アルキル(C8〜C22)スル
ホン酸塩、長鎖オレフィン(C8〜C22)スルホン酸塩
などが挙げられる。またサルフェート系アニオン性界面
活性剤としては、例えば長鎖モノアルキル(C8
22)硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン(1〜6モ
ル)長鎖エステル(C8〜C22)エーテル硫酸エステル
塩、ポリオキシエチレン(1〜6モル)アルキル(C8
〜C18)フェニルエーテル硫酸エステル塩などが挙げら
れ、また、ホスフェート系アニオン界面活性剤として
は、例えば、長鎖モノアルキル、ジアルキル又はセスキ
(各アルキル基の炭素数は8〜22である)リン酸塩、
ポリオキシエチレン(1〜6モル)モノアルキル、ジア
ルキル又はセスキアルキル(各アルキル基の炭素数8〜
22である)リン酸塩などが挙げられる。これらのアニ
オン性界面活性剤の対イオンとしての陽イオンは、例え
ばナトリウム、カリウム、マグネシウムなどのアルキル
金属又はアルカリ土類金属イオン、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの
アルカノールアミンイオンなどである。
【0047】ノニオン性界面活性剤としては、例えばポ
リオキシエチレン(1〜20モル)長鎖アルキル(第一
級又は第二級C8〜C22)エーテル、ポリオキシエチレ
ン(1〜20モル)アルキル(C8〜C18)フェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロ
ックコポリマーなどのオキシアルキレン付加化合物、高
級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキシ
ド付加物、長鎖第三級アミンオキシド(C12〜C14)な
どが挙げられる。
【0048】カチオン性界面活性剤としては、例えば長
鎖アルキルトリメチルアンモニウム塩、長鎖アルキルジ
メチルベンジルアンモニウム塩、長鎖アルキルピリジニ
ウム塩などの第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0049】両性界面活性剤としては、例えばジメチル
長鎖アルキル(C8〜C18)‐カルボキシメチルアンモ
ニウムベタイン、ジ長鎖アルキル(C8〜C18)アミノ
アルキルカルボン酸塩、2‐アルキル‐1‐カルボキシ
メチル‐1‐ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイ
ンなどが挙げられる。これらの界面活性剤はそれぞれ単
独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよ
い。
【0050】また、本発明の液体洗浄剤組成物には、前
記の必須成分に加えて、必要に応じ本発明の効果を損な
わない範囲内で、例えば、グリセリン、ポリエチレング
リコールのような多価アルコール、キシレンスルホン酸
塩、トルエンスルホン酸塩のような低級アリールスルホ
ン酸塩やエタノールなどの可溶化剤、香料、色素、水溶
性高分子化合物などを添加することができる。
【0051】さらに、本発明によれば、透明な水性ベヒ
クル中に、前記した無機粉体5〜50重量%を含有させ
た実質的に透明な外観をもつ液状歯磨組成物が提供され
る。本発明の液状歯磨組成物において用いられる透明な
水性ベヒクルとしては、水を媒質とし、これに粘度調節
剤及び粘結剤を混合したものが一般的である。
【0052】この粘度向上剤としては、例えばグリセリ
ン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、キシリトールなど
透明液状歯磨に慣用されている粘度調節剤が用いられ
る。これらは単独で用いてもよいし、また2種以上組み
合せて用いてもよい。通常この粘度調節剤は組成物全量
に基づき20〜70重量%、好ましくは25〜50重量
%の範囲で用いられる。
【0053】また、粘結剤としては、カラゲナン、アル
ギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、キサ
ンタンガム、ポリビニルアルコール、アクリル酸塩又は
メタクリル酸塩の重合体、ポリビニルピロリドンなどの
水溶性高分子化合物が用いられる。これら単独で用いて
もよいし、また2種以上組み合せて用いてもよい。これ
らの粘結剤は、通常組成物全量に基づき0.1〜5重量
%の範囲で用いられる。
【0054】この透明ベヒクルには、所望に応じラウリ
ル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウムのような
炭素数8〜18のアルキル基を含む高級アルキル硫酸エ
ステル塩、α‐オレギンスルホネート、ラウリルモノグ
リセリドスルホン酸ナトリウム、ココナッツモノグリセ
リドスルホン酸ナトリウムのような炭素数10〜18の
高級脂肪酸のモノグリセリドスルホン酸塩や高級脂肪酸
のモノグリセリド硫酸ナトリウム、N‐メチル‐N‐パ
ルミトイルタウリン酸ナトリウム、N‐ラウロイルザル
コシンナトリウム、N‐ラウロイル‐β‐アラニンナト
リウムのようなN‐長鎖アシルアミノ酸塩などのアニオ
ン界面活性剤、炭素数10〜16の脂肪酸のジエタノー
ルアミド、ステアリルモノグリセリド、ショ糖モノ又は
ジラウレートのような炭素数12〜18の脂肪酸のショ
糖エステル、ラクトース脂肪酸エステル、ラクチトール
脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ソルビ
タンモノステアレートのエチレングリコール60モル付
加物、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの重合
物、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノラウ
リルエステルなどのノニオン界面活性剤、ペパーミン
ト、スペアミントのような精油、l‐メントール、カル
ボン、オイゲノール、アネトールなどの香料、サッカリ
ンナトリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒ
ドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、p‐メ
トキシケイ皮アルデヒドなどの甘味剤、ジヒドロ酢酸ナ
トリウム、p‐ヒドロキシメチル安息香酸、p‐ヒドロ
キシブチル安息香酸などの防腐剤を含有させることがで
きる。
【0055】さらに、デキストラナーゼ、アミラーゼ、
プロテアーゼ、ムタナーゼ、ホスファターゼ、リゾチー
ム、リテックエンザイムなどの酵素、モノフルオロリン
酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウムのようなモ
ノフルオロリン酸アルカリ金属塩、フッ化第一スズのよ
うな第一スズ化合物、フッ化ナトリウム、クロルヘキシ
ジン塩酸塩、クロルヘキシジングルネートのようなクロ
ルヘキシジン塩、銅クロロフィリンナトリウム、ヒノキ
チオール、ε‐アミノカプロン酸、トラネキサム酸、エ
タンジヒドロキシジホスホネート、アラントインクロル
ヒドロキシアルミニウム、ジヒドロコレステロール、グ
リチルレチン酸、アズレン、カミツレのような生薬、ク
ロロフィル、グリセロホスフェートのようなキレート形
成性リン酸化合物、塩化ナトリウム、水溶性無機リン酸
化合物などを単独で、あるいは2種以上組み合せて配合
することもできる。そのほか、通常の透明液状歯磨の添
加成分として慣用されているものは、所望に応じ随時添
加して差しつかえない。また、これらの成分の配合量
は、従来知られている透明液状歯磨の場合と同様にして
選ぶことができる。
【0056】本発明の歯磨組成物においては、これらの
成分を含有する透明ベヒクルと前記した無機粉体とを、
できるだけ近似した屈折率になるように選択して混合す
るのが、透明性を保つ上で有利である。この両者の屈折
率の差が0.01以上になると外観が不透明化する。
【0057】
【発明の効果】本発明の無機粉体は、水中においても安
定に1.40以下の屈折率を有し、かつ分散安定性に優
れるので、透明な外観を有する研磨材含有液体洗浄剤の
研磨材として有用である。また、歯磨用の研磨材として
も用いることができる。さらに、上記無機粉体を含有す
る液体洗浄剤組成物及び歯磨組成物は、洗浄力及び研磨
力に優れ、かつ視覚上実質的に透明な外観を有し、商品
価値の高いものである。
【0058】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、例中の物性の測定及び性能評価は、以下
に示す要領で行った。
【0059】(1)細孔容量 非晶質シリカの細孔容量は、島津製作所製FlowSo
rbII2300を用いて測定した。なお、細孔容量
(cm3/g)から細孔容量(容量%)への換算は、非
晶質シリカの密度を2.2(g/cm3)として以下の
式によった。
【0060】
【数1】
【0061】(2)細孔径 次式により算出した。
【0062】
【数2】
【0063】(3)粒子径 コールターカウンターを用いて測定した。
【0064】(4)屈折率 [液体組成物]アッベの屈折率計(アタゴ製、IL−2
8607)を用いて25℃で測定した。
【0065】[無機粉体]試料作成後の屈折率は1.3
33から1.475まで、0.002間隔の屈折率(2
5℃においてアッベの屈折率計で確認)を有する、種々
の濃度のグリセリン水溶液(25℃)を用いて液浸法に
よって測定した。
【0066】経日後の屈折率は、試料をLES−Na2
0重量%水溶液中に5重量%となるように加え、10分
間超音波をかけ分散し、14日後に分散液の一部を分取
し、光学顕微鏡で観察しながら粒子が観測されなくなる
(溶液と粒子の屈折率が一致)までグリセリンを加え、
その時の溶液の屈折率をアッベの屈折計で測定して決定
した。
【0067】(5)透明性 液体洗浄剤組成物100mlを直径5cmの透明なガラ
ス瓶に入れ、14日後に液を通して反対側に置いた文字
が識別できる場合を○、識別できない場合を×とした。
【0068】(6)洗浄力 組成物0.15重量%濃度の水溶液(25℃)3リット
ルを直径30cm、深さ13cmのパットに入れ、1枚
当り0.5gのバターを塗布した皿をスポンジで10回
こすり洗いし、7枚目の洗浄後の仕上がり感を目視で判
定して、良好な場合を○とした。油(膜)の存在が認め
られるなど、不良の場合を×とした。
【0069】(7)研磨力 フライパン(径26cm)にラード0.25g、醤油1
0ccを混ぜ3分間焦げ付かせた汚れを、水10gを含
ませたナイロン不織布に組成物5gを付着させて30回
こすり洗いし、汚れがほとんど除去できたものを○、半
分以下しか除去できなかったものを×とした。
【0070】(8)分散安定性 上記透明性の試験で作成した試料を、そのまま室温で、
1ケ月保存したのち、研磨材が沈降することによって生
じた液中の境界線(研磨材が存在する部分と存在しない
部分の境)を観察することによって判定した。境界線が
生じなかったり、液中の上端から液中高さの1/4以下
の低下しか見られなかったものを○、それ以外を×とし
た。
【0071】実施例1 シリカゲル(水澤化学工業社製、商品名;シルビード
N、平均粒子径;20μm)をアルミナ質の坩堝に入
れ、700℃で1時間熱処理したところ、細孔容量は5
0容量%、平均細孔径は4nmで、グリセリン水溶液で
測定した屈折率は1.440であった。この熱処理した
シリカゲル25gを1,1,1,3,3,3‐ヘキサメ
チルジシラザン25g、n‐ヘキサン1500gととも
にステンレス鋼製オートクレーブ反応器に入れ、200
℃、12atmでかきまぜながら反応を行った。1時間
後に反応を終了し、室温まで冷却した。次に、ろ過及び
n‐ヘキサンによる洗浄を行ったのち風乾した。得られ
た粉体の屈折率をグリセリン水溶液を用いて測定したと
ころ1.378で、経日後の屈折率も1.378を維持
していた。
【0072】実施例2 熱処理まで実施例1と同様に行った。この試料表面にS
iO2のち密な膜を形成する。この試料5gを3重量%
のHClを含むエタノール200mlに分散した。また
これとは別に、モレキュラシーブ5Aを用いて脱水した
エタノール300mlにテトラエトキシシランを加えた
溶液を調製し、室温にて試料分散液に加え、そのまま2
時間かきまぜたのち、ろ過、次いでエタノールで洗浄し
た。60℃で真空乾燥して目的の無機粉体を得た。グリ
セリン水溶液を用いて屈折率を測定したところ、1.3
80で、経日後の屈折率も1.380であった。
【0073】実施例3 NaA型ゼオライト(日本化学工業社製、商品名;NA
−100P、平均粒子径;3μm)を700℃、1時間
熱処理した。グリセリン水溶液によって測定した屈折率
は1.460であった。なお、NaA型ゼオライトの結
晶構造から算出される細孔径は0.22nmと0.42
nmの2種があり、細孔容量は47容量%であることが
知られている。次に、この試料のポリスチレン被覆を行
う。この熱処理した試料1gをガラス製セルに入れて真
空排気可能な装置に取り付けた。セル外部より加温して
100℃として真空排気した。これとは別に同じ真空装
置にスチレンを入れた容器を、試料セルとの間に開閉可
能なコックを介して接続した。試料セルの真空排気後、
真空排気ラインと試料セルの間に予め設置したコックを
絞め、スチレンを入れたセル側のコックを徐々に開き、
試料セル内に、スチレンを導入した。試料セルを100
℃に維持したまま6時間反応させた。反応後、n‐ヘキ
サンで洗浄したのち、風乾した。この無機粉体のグリセ
リン水溶液で測定した屈折率は1.370で、経日後も
1.370であった。
【0074】比較例1 実施例1で使用したシリカゲルを1200℃で1時間熱
処理したところ、細孔容量は0.5容量%以下で、グリ
セリン水溶液で測定した屈折率は1.430であった。
【0075】比較例2 実施例3で使用したNaA型ゼオライトを850℃、1
0分間熱処理したところ、屈折率は1.368となっ
た。ところが、経日後の屈折率は1.456となって安
定性の悪いものであった。
【0076】比較例3 比較例1で作成した試料を、1,1,1,3,3,3‐
ヘキサメチルジシランザンで実施例1と同様に処理し
た。得られた無機粉体の屈折率はグリセリン水溶液中で
1.462であった。
【0077】実施例4〜8、比較例4〜7 実施例1〜3及び比較例1〜3で作成した無機粉体を研
磨材として用い、表1及び表2に示す組成の液体洗浄剤
組成物を調製し、その透明性、洗浄力、研磨力及び分散
安定性を求めた。結果を表1及び表2に示す。なお、比
較例4で使用した無機粉体は、平均粒径が0.1μm、
屈折率が1.376である以外は、実施例1と同じであ
る。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】 (注)AOS−Na:アルファオレフィンスルホン酸ナ
トリウム(アルキル鎖長14) LES−Na:ポリオキシエチレン(3モル)アルキル
(C13)エーテル硫酸エステルナトリウム LAS−Na:リニアアルキルベンゼンスルホン酸ナト
リウム(アルキル鎖長12) アミンオキシド:ラウリルジメチルアミンオキシド
【0080】実施例9 以下に示す成分を用い、透明液状歯磨を調製した。な
お、無機粉体としては、実施例1で得た屈折率1.37
8のシリカ粉末を用いた。 成 分 含有量(重量%) 無機粉体 20.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.4 プロピレングリコール 2.0 ソルビット(60%) 35.0 グリセリン(85%) 9.0 サッカリンナトリウム 0.1 フッ化ナトリウム 0.2 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 パラオキシ安息香酸ブチル 0.01 香料 1.0 精製水 残 計 100.0
【0081】実施例10 実施例7と同じ無機粉体を用い、以下の組成の透明液状
歯磨を調製した。 成 分 含有量(重量%) 無機粉体 10.0 キサンタンガム 0.3 ポリアクリル酸ナトリウム 0.5 プロピレングリコール 3.0 ソルビット(60%) 20.0 グリセリン(85%) 25.0 サッカリンナトリウム 0.1 塩化セチルピリジニウム 0.01 色素(ブリリアントブルー) 0.001 ラウリル硫酸ナトリウム 2.0 パラオキシ安息香酸メチル 0.02 香料 1.0 精製水 残 計 100.0
【0082】実施例11 実施例7と同じ無機粉体を用い、以下の組成の透明液状
歯磨を調製した。 成 分 含有量(重量%) 無機粉体 15.0 カラギーナン 0.5 プロピレングリコール 2.0 ソルビット(60%) 35.0 グリセリン(85%) 8.5 サッカリンナトリウム 0.1 トリポリリン酸ナトリウム 1.0 色素(ブリリアントブルー) 0.001 ラウリル硫酸ナトリウム 1.2 パラオキシ安息香酸エチル 0.02 香料 1.0 精製水 残 計 100.0
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/14 550 D C11D 3/14

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO2又はSiO2とAl23とを主成
    分とした、実質上100nm以下の径をもつ細孔が8〜
    80容量%を占める平均粒子径1〜50μmの多孔質粒
    子から成り、上記細孔が粒子表面付近において閉塞して
    外部との連通が遮断されており、かつ水性媒質中で1.
    40以下の屈折率を有することを特徴とする低屈折率無
    機粉体。
  2. 【請求項2】 非水溶性多孔質粒子が非晶質シリカ粒子
    である請求項1記載の低屈折率無機粉体。
  3. 【請求項3】 非水溶性多孔質粒子がゼオライト粒子で
    ある請求項1記載の低屈折率無機粉体。
  4. 【請求項4】 SiO2又はSiO2とAl23とを主成
    分とした実質上100nm以下の径をもつ細孔が8〜8
    0容量%を占める平均粒子径1〜50μmの非水溶性多
    孔質粒子を、100〜1000℃において細孔内の水分
    が実質上完全に除去されるまで熱処理し、次いで細孔の
    閉塞処理を行うことを特徴とする水性媒質中で1.40
    以下の屈折率を有する低屈折率無機粉体の製造方法。
  5. 【請求項5】 該粒子に水酸基反応性官能基をもつ有機
    ケイ素化合物を反応させて細孔の閉塞を行う請求項4記
    載の製造方法。
  6. 【請求項6】 該粒子の表面を非水溶性高分子化合物で
    被覆して細孔の閉塞を行う請求項4記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 該粒子の表面にSiO2又はSiO2とA
    23とを主成分とする非水溶性非晶質無機化合物の皮
    膜を形成させて細孔の閉塞を行う請求項4記載の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 少なくとも1種の界面活性剤3〜40重
    量%と請求項1の無機粉体3〜70重量%を含有する実
    質的に透明な外観をもつ液体洗浄剤組成物。
  9. 【請求項9】 透明な水性ベヒクル中に請求項1の無機
    粉体5〜50重量%を含有する実質的に透明な外観をも
    つ歯磨組成物。
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