JPH08128512A - 固体潤滑ボールねじ - Google Patents

固体潤滑ボールねじ

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JPH08128512A
JPH08128512A JP26898094A JP26898094A JPH08128512A JP H08128512 A JPH08128512 A JP H08128512A JP 26898094 A JP26898094 A JP 26898094A JP 26898094 A JP26898094 A JP 26898094A JP H08128512 A JPH08128512 A JP H08128512A
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groove
nut
screw
circulation mechanism
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克 宏 岸
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    • F16H25/18Gearings comprising primarily only cams, cam-followers and screw-and-nut mechanisms for conveying or interconverting oscillating or reciprocating motions
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボールねじの耐久性をより一層向上させる。 【構成】 ねじ軸12に形成したねじ軸溝12aとナッ
ト13に形成したナット溝13aとの間にボール14を
介在させると共に、ボール循環機構部15をそなえ、少
なくともねじ軸溝12aおよびナット溝13aに固体潤
滑剤を施して用いるボールねじ11において、ボール循
環機構部15のリターンピースがポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)もしくはその複合材料からなるもの
にすると共に、固体潤滑剤を施したナット13のナット
溝13aとボール循環機構部15のボール溝15aとの
合わせ面においてナット13とボール循環機構部15の
双方の溝端部にボール14の直径の20%以上35%以
下の大きさのアール加工を施した固体潤滑ボールねじ1
1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ねじ軸に形成したねじ
軸溝とナットに形成したナット溝との間にボールを介在
させると共にボール循環機構部をそなえ、少なくともね
じ軸溝およびナット溝に固体潤滑剤を施して用いるボー
ルねじにおけるボール循環機構部の改良に関し、さらに
詳しくは、宇宙空間や真空中でボールねじを用いる場合
においてとくにボール循環機構部の耐久性をより一層向
上させた固体潤滑ボールねじに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ねじ軸に形成したねじ軸溝とナットに形
成したナット溝との間にボールを介在させると共にボー
ル循環機構部をそなえ、少なくともねじ軸溝およびナッ
ト溝に固体潤滑剤を施して用いるボールねじは、送りね
じの効率を向上するために、前記したようにねじ軸とナ
ットとの間に多数のボール(球)を挿入した特殊な送り
ねじとして、種々の分野に採用されてきている(「機械
工学便覧」 日本機械学会 昭和63年5月15日初版
2刷発行 B2−173頁)。
【0003】特に、このような構造をもつボールねじに
は、下記のような優れた特徴があるため、自動車のステ
アリング用、工作機械および産業機械用として広く採用
されている。
【0004】(1)一般に、効率が92〜97%と高
く、従来の面当たりをする送りねじに比べて3〜4倍も
高い。
【0005】(2)回転運動を直線運動に変換するだけ
でなく、直線運動を回転運動に容易に変換できる。
【0006】(3)ころがり摩擦が大半であり、面接触
の送りねじや油圧駆動に比べてスティクスリップ現象が
生じにくい。
【0007】(4)通常の送りねじに比べて寿命が長
い。
【0008】ボールねじには以上のような優れた特徴が
あるため、近年では、宇宙空間や真空中での採用が拡大
されてきた。そこで、宇宙空間や真空中でボールねじを
用いる場合には、オイル潤滑ができないため、オイルの
代わりにPbやMoS,WSなどの固体潤滑剤を塗
布して用いることが多い。
【0009】しかしながら、まだ、宇宙空間や真空中に
おける採用実績も少なく、従来のオイル潤滑下で用いら
れるボールねじに固体潤滑剤を塗布したのみで用いるこ
とが殆どであり、固体潤滑剤を塗布して用いる場合の設
計指針について、固体潤滑剤による膜厚増加に対応する
加工目標値の決定手法を除き、細部における設計事項は
特に存在していないのが実状である。
【0010】このため、固体潤滑剤を塗布するボールね
じに関しては、摩擦粉対策手法に関する出願(実開平2
−150452号公報、実開平4−22638号公報な
ど)が数件見られる程度であり、あまり研究されていな
いのが現状である。
【0011】従来のボールねじとしては、例えば、図1
に示すリターンピース式のボールねじや、図2に示すボ
ールチューブ式のボールねじなどがある。
【0012】このうち、図1に示すリターンピース式の
ボールねじ11は、ねじ軸12に形成したねじ軸溝12
aとナット13に形成したナット溝13aとの間にボー
ル14を介在させると共にボール循環機構部(リターン
ピース)15をそなえた構造を有し、図2に示すボール
チューブ式のボールネジ21は、ねじ軸22に形成した
ねじ軸溝22aとチューブ23に形成したボール溝との
間にボールを介在させる構造を有するものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のボールねじは、いずれも、オイル潤滑やグリ
ース潤滑が念頭におかれているものであるため、ボール
潤滑部の材質はナット部の材質と同一であり、また、ナ
ット部とのつなぎ目の端部加工は、せいぜいC1面取り
か、糸面取り程度のレベルであった。
【0014】このため、ボールねじに固体潤滑剤を塗布
して使用すると、ねじ部、ナット部双方の溝面の潤滑膜
がさほど摩耗していないのに、ボール表面の潤滑膜のみ
は早期に摩耗してしまうという問題があった。
【0015】この原因は、ナット部とボール循環機構部
の端部に必然的に存在する若干の段差により、ボール表
面の固体潤滑剤が削り取られるのと同時に、ボール循環
機構部内ではボール(鋼球)は転がらず、後方のボール
にて強制的に後から押されながら、強制滑りにてボール
循環機構部を移動するためである。
【0016】
【発明の目的】本発明は、このような従来の問題点に着
目してなされたものであって、ねじ軸に形成したねじ軸
溝とナットに形成したナット溝との間にボールを介在さ
せると共にボール循環機構部をそなえ、少なくともねじ
軸溝およびナット溝に固体潤滑剤を施して用いるボール
ねじにおいて、従来のようにボール表面の潤滑膜のみが
早期に摩耗してしまうという問題点を解消し、ボール表
面の潤滑膜が早期に摩耗しがたいことによってボールね
じの耐久性を大きく改善することが可能であるようにす
ることを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる固体潤滑
ボールねじは、請求項1に記載しているように、ねじ軸
に形成したねじ軸溝とナットに形成したナット溝との間
にボールを介在させると共に、ボール循環機構部をそな
え、少なくともねじ軸溝およびナット溝に固体潤滑剤を
施して用いるボールねじにおいて、ボール循環機構部が
フッ素樹脂もしくはその複合材料からなる構成としたこ
とを特徴としている。
【0018】そして、本発明に係わる固体潤滑ボールね
じの実施態様においては、請求項2に記載しているよう
に、固体潤滑剤を施したナットのナット溝とボール循環
機構部のボール溝との合わせ面においてナットとボール
循環機構部の双方の溝端部にボール径の20%以上35
%以下の大きさのアール加工を施した構成のものとする
ことができ、請求項3に記載しているように、複合材料
は、繊維強化フッ素樹脂であるものとすることができ、
請求項4に記載しているように、フッ素樹脂もしくはそ
の複合材料が、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)もしくはその複合材料からなるものとすることがで
きる。
【0019】
【発明の作用】本発明に係わる固体潤滑ボールねじは、
請求項1に記載しているように、ねじ軸に形成したねじ
軸溝とナットに形成したナット溝との間にボールを介在
させると共に、ボール循環機構部をそなえ、少なくとも
ねじ軸溝およびナット溝に固体潤滑剤を施して用いるボ
ールねじにおいて、ボール循環機構部がフッ素樹脂もし
くはその複合材料からなる構成としたものであり、ボー
ル循環機構部をフッ素樹脂(PTFE,PFA,FE
P,PCTFE,ETFE,ECTFE等)またはその
複合材料で作製することにより、固体潤滑剤であるMo
やWSなどのなじみ性がSUS材に比べて極めて
良好なものとなる。さらに、摩擦係数が低いため、ボー
ルに生じる面圧が低くなり、被膜の摩耗が少なくなるこ
とによって、ボール循環機構部の耐久性が向上し、した
がってボールねじの耐久性が向上する。
【0020】さらに、請求項2に記載しているように、
固体潤滑剤を施したナットのナット溝とボール循環機構
部のボール溝との合わせ面において、ナットとボール循
環機構部の双方の溝端部にボール径の20%以上35%
以下の大きさのアール加工を施した構成とすることによ
り、ボールは本来の移動方向に噛み込みを生じることな
く動くようになる。この場合、アール加工がボール径の
20%未満ではボールねじの寿命が低下し、また、35
%超過の大きなアール加工ではボール循環機構部とナッ
ト溝端部でのボール同士の噛み込みが生じるようにな
る。
【0021】そして、請求項3に記載しているように、
複合材料は、繊維強化フッ素樹脂とすることによって、
ボール循環機構部の強度が向上したものとなり、フッ素
樹脂(PTFE,PFA,FEP,PCTFE,ETF
E,ECTFE等)のうち請求項4に記載しているよう
に、摩擦係数が最も低いものに属するPTFE(ポリテ
トラフルオロエチレン)を使用することによって、ボー
ルに生じる面圧がさらに低くなり、ボール表面での潤滑
膜の早期摩耗がさらに有効に回避されることとなる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0023】実施例1 図1に示した構造を有するリターンピース式のSUS6
30(析出硬化系ステンレス鋼)材からなる表1に示す
仕様のボールねじ11を準備し、固体潤滑剤として無機
バインダー結合のMoS焼成膜を、ねじ軸溝12a、
ナット溝13a、ボール循環機構部15のボール溝15
a、ボール14の表面にそれぞれ10μmの厚さで塗布
した。
【0024】同時に、ボール循環機構部15を構成する
リターンピースのみPTFE(ポリテトラフルオロエチ
レン)材のブロックから総削り出しで同一のものを作製
し、リターンピースのみをPTFE材品と取り替え、ボ
ールねじをダブルナット方式で組み立てて、実施例1の
ボールねじとした。
【0025】尚、組み立て後の検査では、軸方向クリア
ランス、横方向クリアランスともに12μmであった。
【0026】次いで、表2に示す条件による真空摺動試
験に供した。このとき、本実施例はN=4(すなわち、
図3に示すNo.1〜No.4)として実施した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】実施例2 実施例1と同様に、図1に示した構造を有するリターン
ピース式のSUS630材からなる表1に示す仕様のボ
ールねじ11を準備し、固体潤滑剤として無機バインダ
ー結合のMoS焼成膜を、ねじ軸溝12a、ナット溝
13a、ボール循環機構部15のボール溝15a、ボー
ル14の表面にそれぞれ10μmの厚さで塗布した。
【0030】同時に、ボール循環機構部15を構成する
リターンピースのみ10重量%ガラス短繊維含有のPT
FE材のブロックから総削り出しで同一のものを作製
し、ボール溝端部に0.8Rのアール加工を施し、リタ
ーンピースのみをPTFE材品と取り替えた。同時にナ
ット溝端部にも0.8Rのアール加工を施したものと組
み合わせて、ボールねじをダブルナット方式で組み立て
て、実施例2のボールねじとした。
【0031】次いで、このボールねじを実施例1と同様
の摺動試験に供した。
【0032】実施例3 リターンピースを10重量%ガラス短繊維含有のPTF
E複合材のブロックから削り出し、ボール溝端部に施す
アール加工条件として溝端部に1.2Rのアール加工を
施し、同時にナット溝端部に1.2Rのアール加工を施
した他は、実施例2と全く同様にして、実施例3のボー
ルねじとし、実施例1と同様の摺動試験に供した。
【0033】比較例1 実施例1において、リターンピースをPTFE材と取り
替えない他は、実施例1と全く同様にして、比較例1の
ボールねじとし、実施例1と同様の摺動試験に供した。
尚、本比較例はN=5(すなわち、図4のNo.1〜N
o.5)として実施した。
【0034】比較例2 実施例2において、ボール溝端部に施すアール加工条件
として、リターンピースのボール溝端部に0.4Rのア
ール加工を施し、同時にナット溝端部に0.4Rのアー
ル加工を施した他は、実施例2と全く同様にして、比較
例2のボールねじとし、実施例1と同様の摺動試験に供
した。
【0035】比較例3 実施例2において、ボール溝端部に施すアール加工条件
として、リターンピースのボール溝端部に1.5Rのア
ール加工を施し、同時にナット溝端部に1.5Rのアー
ル加工を施した他は、実施例2と全く同様にして、比較
例3のボールねじとし、実施例1と同様の摺動試験に供
した。
【0036】比較例4 実施例2において、ボール溝端部に施すアール加工条件
として、リターンピースのボール溝端部に2.0Rのア
ール加工を施し、同時にナット溝端部に2.0Rのアー
ル加工を施した他は、実施例2と全く同様にして、比較
例4のボールねじとし、実施例1と同様の摺動試験に供
した。
【0037】参考例 参考例として、転がりベアリングに実施例1で用いた固
体潤滑剤(MoS)を10μmの厚さで処理し、実施
例1と同様の摺動試験に供した。尚、本参考例はN=2
(すなわち、図4に示すNo.1,No.2)として実
施した。
【0038】摺動試験による評価 摺動試験において、固体潤滑剤である被膜が破断し、摩
擦係数が0.3を超えるまでの累積摺動回数を測定し
た。各実施例および比較例のボールねじのボール循環機
構部の累積摺動回数より、摺動寿命を評価した。
【0039】ボールねじの摺動寿命評価の結果につい
て、図3〜図5に示す。
【0040】実施例1の結果を示す図3より明らかなよ
うに、実施例1のボールねじ(No.1〜No.4)で
は、ボール循環機構部(リターンピース)をMoS
なじみ性が良く、かつ純滑りに強いPTFE材に変える
ことにより、ボールねじの耐久寿命は大きく改善でき
た。しかしながら、摺動試験後の分解調査において、リ
ターンピースを剛性の低い樹脂材に替えたため、SUS
材を用いた場合に比べて溝端部のへたりが大きくなるこ
とも認められた。
【0041】また、比較例1の結果を示す図4より明ら
かなように、比較例1のボールねじ(No.1〜No.
5)の被膜の寿命は、参考例として示す転がりベアリン
グ(No.1,No.2)の被膜の寿命に比べてかなり
短いものとなっていた。この原因について、2×10
回で摺動試験を中断してボールねじの各部を分解して調
べた結果、ボールの固体潤滑被膜は既に消失していた
が、ねじ軸溝、ナット溝、ボール循環機構部のボール溝
の固体潤滑被膜はまだ存在していることが認められた。
【0042】各部の詳細調査の結果として、ボール循環
機構部の外観観察によれば、ボール循環機構部のボール
溝表面には固体潤滑被膜が残存しているように見られる
が、同部の溝断面観察では、基材金属の表面塑性流動が
顕著に認められ、ボール循環機構部内では、明らかにボ
ールは転がらず、強制的に滑ることにより移動している
ことがわかった。また、溝端部の断面観察によれば、端
部ほど塑性流動が激しく、へたり(端部の形状が、加工
時には糸面取りC0.1のレベルであったものが、R
0.2のレベルまで変形)が発生し、ナット溝とボール
循環機構部のボール溝とのつなぎ目でボールに生じる面
圧が高く、この段階で被膜の摩耗が激しいことがわかっ
た。
【0043】以上のことから、ボールのみの早期潤滑被
膜の消失は、ナット部とボール循環機構部の端部に必然
的に存在する若干の段差によりボール表面の固体潤滑剤
が削り取られるのと同時に、ボール循環機構部内ではボ
ールは転がらず、後方のボールにて強制的に後から押さ
れながら、強制滑りにてボール循環機構部を移動するた
めであると考えられる。
【0044】さらに、ボール溝端部に施すアール加工条
件を変えた試験結果を示す図5より明らかなように、比
較例4のごとくリターンピース溝端部に2.0Rのアー
ル加工を施し、同時にナット溝端部にも2.0Rのアー
ル加工を施したものでは、ボール循環機構部とナット溝
端部でのボール同士の噛み込みが認められ、アールを大
きくし過ぎるとボールは本来の移動方向には動きにく
く、2個のボールがボールの移動方向とは直角の方向で
噛み合い易くなることがわかった。
【0045】本試験に用いたボール径は、表1に示すよ
うに、3.9688mmであり、実施例2でナット溝端
部でのアールおよびリターンピース溝端部でのアールは
ともに0.8Rでボール径の20.16%であり、ま
た、実施例3のそれはともに1.2Rでボール径の3
0.23%であり、これらの累積摺動回数は約10
と良好な結果が得られた。
【0046】しかし、比較例2および比較例3のアール
は0.4Rおよび1.5Rで、ボール径のそれぞれ1
0.09%および37.79%であり、累積摺動回数は
10回以下であって上記2つの実施例に比べて劣るも
のとなっていた。
【0047】尚、本実施例では、ナット溝端部のアール
加工とリターンピース溝端部のアール加工を同一Rのア
ール加工の組み合わせとして行った場合を示したが、双
方の溝端部にボール径の20%〜35%の大きさのRの
アール加工を施したものの組み合わせであれば、同様に
高い摺動寿命が得られることが認められた。
【0048】図3および図5に示した結果からも明らか
なように、ボールねじのボール循環機構部をフッ素樹
脂、とくに好ましくはPTFE材もしくはその複合材と
したものは、摩擦係数が0.3を超えるまでの累積摺動
回数がいずれも10回以上と高い摺動寿命が得られ
た。また、同時に、ボールねじのナット溝とボール循環
機構部のボール溝との合わせ面において、双方の溝端部
にボール径の20%以上35%以下の大きさのアール加
工を施したものは、累積摺動回数が約10回程度とよ
り一層良好な耐久性が得られた。
【0049】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係わ
る固体潤滑ボールねじよれば、請求項1に記載している
ように、ねじ軸に形成したねじ軸溝とナットに形成した
ナット溝との間にボールを介在させると共に、ボール循
環機構部をそなえ、少なくともねじ軸溝およびナット溝
に固体潤滑剤を施して用いるボールねじにおいて、ボー
ル循環機構部がフッ素樹脂もしくはその複合材料からな
る構成としたので、固体潤滑剤であるMoSやWS
などとのなじみ性がSUS材に比べて著しく良好なもの
となり、さらに、摩擦係数が低いため、ボールに生じる
面圧が低くなって、被膜の摩耗が少なくなることから、
ボールねじの耐久性が大きく改善されることになるとい
う優れた効果がもたらされる。
【0050】さらに、請求項2に記載しているように、
固体潤滑剤を施したナットのナット溝とボール循環機構
部のボール溝との合わせ面において、ナットとボール循
環機構部の双方の溝端部にボール径の20%以上35%
以下の大きさのアール加工を施した構成の固体潤滑ボー
ルねじとすることにより、さらに優れた耐久性を得るこ
とができ、面圧基準の評価では、転がりベアリングと同
等の摺動寿命を有する長寿命の固体潤滑ボールねじが得
られるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0051】そして、請求項3に記載しているように、
複合材料は繊維強化フッ素樹脂とすることによって、ボ
ール循環機構部の強度が向上したものとなり、金属に代
えて樹脂を用いたいときの強度不足を補うものとするこ
とも可能である。
【0052】さらに、請求項4に記載しているように、
フッ素樹脂のうち摩擦係数が最も低いものに属するPT
FEを使用することによって、ボールに生じる面圧をさ
らに低いものにすることが可能であり、ボールねじの耐
久寿命を延長させることが可能であるという著しく優れ
た効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リターンピース式のボールねじの構造を示す側
面破砕説明図(図1の(A))および正面説明図(図1
の(B))である。
【図2】ボールチューブ式のボールねじの構造を示す説
明図である。
【図3】リターンピースのみをPTFE材に取り替えた
本発明の実施例1のボールねじ(No.1〜No.4)
の摺動寿命の評価結果を示す説明図である。
【図4】比較例1のボールねじ(No.1〜No.5)
と参考例の転がりベアリング(No.1,No.2)の
摺動寿命の評価結果を示す説明図である。
【図5】リターンピースのみをPTFE複合材に取り替
えた本発明実施例2,3および比較例2,3,4のボー
ルねじの摺動寿命の評価結果を示す説明図である。
【符号の説明】
11 リターンピース式のボールねじ 12 ねじ軸 12a ねじ軸溝 13 ナット 13a ナット溝 14 ボール 15 ボール循環機構部(リターンピース) 15a ボール溝(リターンピース溝)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ねじ軸に形成したねじ軸溝とナットに形
    成したナット溝との間にボールを介在させると共に、ボ
    ール循環機構部をそなえ、少なくともねじ軸溝およびナ
    ット溝に固体潤滑剤を施して用いるボールねじにおい
    て、ボール循環機構部がフッ素樹脂もしくはその複合材
    料からなることを特徴とする固体潤滑ボールねじ。
  2. 【請求項2】 固体潤滑剤を施したナットのナット溝と
    ボール循環機構部のボール溝との合わせ面においてナッ
    トとボール循環機構部の双方の溝端部にボール径の20
    %以上35%以下の大きさのアール加工を施したことを
    特徴とする請求項1に記載の固体潤滑ボールねじ。
  3. 【請求項3】 複合材料は、繊維強化フッ素樹脂である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の固体潤滑ボ
    ールねじ。
  4. 【請求項4】 フッ素樹脂もしくはその複合材料が、ポ
    リテトラフルオロエチレンもしくはその複合材料からな
    ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載
    の固体潤滑ボールねじ。
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JP2011058642A (ja) * 2010-12-24 2011-03-24 Ntn Corp 自動車用駒式ボールねじ
JP2015055255A (ja) * 2013-09-10 2015-03-23 ニッタ株式会社 転がり案内装置

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