JPH08128742A - 極低温装置 - Google Patents

極低温装置

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JPH08128742A
JPH08128742A JP6265409A JP26540994A JPH08128742A JP H08128742 A JPH08128742 A JP H08128742A JP 6265409 A JP6265409 A JP 6265409A JP 26540994 A JP26540994 A JP 26540994A JP H08128742 A JPH08128742 A JP H08128742A
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Chiyandora Roohana
ローハナ・チャンドラ
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    • F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25—REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25B—REFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
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  • Devices That Are Associated With Refrigeration Equipment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被冷却物の冷却に冷媒を用いることなく極低
温までの冷却を冷凍機のみで効率よく行なうことができ
る熱スイッチを有する極低温装置を提供する。 【構成】 本発明は、被冷却物を収容する真空容器と、
互いに所定間隔を存して取り付けられた高温側冷却ステ
ージと低温側冷却ステージとを有し被冷却物を冷却する
少なくとも1台の冷凍機とから構成される極低温装置に
おいて、冷凍機の高温側冷却ステージに略垂直方向に取
り付けられた少なくとも1つの高温側伝熱体23と、冷
凍機の低温側冷却ステージに略垂直方向に取り付けら
れ、かつ高温側伝熱体に対して微小間隔を存して対向配
置された少なくとも1つの低温側伝熱体23と、極低温
に沸点を有し、高温側伝熱体及び前記低温側伝熱体間の
伝熱を行なう液化ガスが内部に充填され、高温側伝熱体
及び低温側伝熱体を密閉収容する密閉容器24,25と
から成る熱スイッチを具備したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導磁石装置等に代
表される被冷却物の冷却に使用される、熱スイッチを有
する極低温装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、超電導コイルを用いた超電導磁石
装置は、超電導コイルを超電導転移温度以下に冷却する
手段として、液体ヘリウム等の冷媒に直接浸す、或いは
冷凍機を備えた極低温装置を使用して冷却する等の方法
を用いていた。
【0003】図5に、従来の極低温装置の構成を示す。
この極低温装置は、真空容器2と、この真空容器2内に
設けられ、中心軸付近に必要磁場を発生させる超電導コ
イル1及び、この超電導コイル1を冷却するための冷凍
機4からなり、この冷凍機4は、コールドヘッド4a、
高温側シリンダ9、高温側冷却ステージ7、低温側シリ
ンダ6、低温側冷却ステージ5、伝熱板3を備えてい
る。
【0004】超電導コイル1は、真空容器2の中央部付
近に、伝熱板3を介して、冷凍機4の低温側冷却ステー
ジ5により固定されており、この低温側冷却ステージ5
によって4K程度に冷却されている。
【0005】低温側冷却ステージ5は、低温側シリンダ
6を介して高温側冷却ステージ7に垂直方向に互いに所
定間隔を存して取り付けられている。真空容器2の内部
側には、熱遮蔽、断熱のための熱シールド板8が設けら
れるとともに、多層断熱板が巻かれている。
【0006】この熱シールド板8は、冷凍機4の高温側
冷却ステージ7によって、必要温度に冷却されている。
高温側冷却ステージ7は、高温側シリンダ9を介して冷
凍機4のコールドヘッド4aに接続されている。
【0007】超電導コイル1の外周及び熱シールド板8
の外周には、超電導コイル1及び熱シールド板8の予冷
を行なうための窒素予冷管10が接触するように配設さ
れている。
【0008】次に、上述の如く構成された極低温装置を
用いた超電導磁石装置の冷却方法について説明する。ま
ず、超電導磁石装置の超電導コイル1が冷凍機4の低温
側冷却ステージ5によって冷却される。
【0009】この時、冷凍機4の低温側冷却ステージ5
は冷凍能力が小さいため、超電導コイル1を常温から極
低温へ効率よく冷却するために、通常液体窒素の冷媒が
併用される。超電導コイル1は、窒素予冷管10を流れ
る液体窒素によって、常温から液体窒素温度77K程度
まで冷却され、その後は、冷凍機4の低温側冷却ステー
ジ5のみで極低温4Kまで冷却される。
【0010】また、熱シールド板8は、冷凍機4の高温
側冷却ステージ7により常温から必要温度に冷却され、
常温から超電導コイル1への熱輻射量を弱めている。そ
して、超電導コイル1、熱シールド板8が必要温度にな
った後、電流リードより電流が供給され、超電導コイル
1に必要磁場を発生させる。
【0011】窒素予冷管10に注入される液体窒素は、
熱シールド板8及び超電導コイル1の予冷時のみ使用さ
れ、超電導磁石の定常運転時では真空引きされており、
超電導コイル1の超電導状態は、冷凍機4のみの冷却で
維持されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の極低温装置
による超電導コイル1の冷却方法では、冷却予冷毎に液
体窒素などの冷媒が必要となるために、1回の磁場発生
時間が比較的短い場合や、頻繁に磁場を発生させる必要
がある場合等は、磁石装置の取扱いが面倒となる。
【0013】また、冷凍機4の低温側冷却ステージ5
は、冷凍能力が小さいため長時間の冷却時間が必要とな
り、冷媒併用時大幅な時間増となる。本発明は、上記実
情に鑑みてなされたものであり、超電導コイル等に代表
される被冷却物の冷却に冷媒を用いることなく、常温か
ら極低温までの冷却を効率よく行なうことができる熱ス
イッチを有する極低温装置を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】従って、まず、上記目的
を達成するために請求項1に係る発明によれば、被冷却
物を収容する真空容器と、低温側シリンダを介して略垂
直方向に互いに所定間隔を存して高温側冷却ステージと
低温側冷却ステージが取り付けられ、前記被冷却物を冷
却する少なくとも1台の冷凍機とから構成される極低温
装置において、前記冷凍機の高温側冷却ステージに略垂
直方向に取り付けられた少なくとも1つの高温側伝熱体
と、前記冷凍機の低温側冷却ステージに略垂直方向に取
り付けられ、かつ前記高温側伝熱体と微小間隔を存して
対向配置された少なくとも1つの低温側伝熱体と、極低
温に沸点を有し前記高温側伝熱体と前記低温側伝熱体と
の間の伝熱を行なう液化ガスが内部に充填され、前記高
温側伝熱体及び低温側伝熱体を密閉収容する密閉容器
と、から成る熱スイッチを具備したことを特徴とする。
【0015】また、請求項2に係る発明によれば、請求
項1記載の極低温装置において、前記高温側伝熱体及び
低温側伝熱体は筒状のものであることを特徴とする。さ
らに、請求項3に係る発明によれば、請求項2記載の極
低温装置において、前記筒状の各伝熱体は、円筒状のも
のであることを特徴とする。
【0016】さらに、請求項4に係る発明によれば、請
求項2記載の極低温装置において、前記高温側伝熱体及
び低温側伝熱体はそれぞれ互いに異なる径を有すること
を特徴とする。
【0017】さらに、請求項5に係る発明によれば、請
求項1記載の極低温装置において、前記高温側伝熱体及
び低温側伝熱体は板状のものであることを特徴とする。
さらに、請求項6に係る発明によれば、請求項5記載の
極低温装置において、前記高温側の板状伝熱体及び前記
低温側の板状伝熱体は互いに略平行に配置したことを特
徴とする。
【0018】さらに、請求項7に係る発明によれば、請
求項5記載の極低温装置において、前記板状の高温側伝
熱体及び低温側伝熱体は放射状に配置したことを特徴と
する。
【0019】さらに、請求項8に係る発明によれば、請
求項1記載の極低温装置において、前記高温側伝熱体及
び前記低温側伝熱体は、その表面が研摩されていること
を特徴とする。
【0020】さらに、請求項9に係る発明によれば、請
求項1記載の極低温装置において、前記密閉容器は、そ
の側面が熱伝導率の低い材料からなり、且つ蛇復形状の
ものとしていることを特徴とする。
【0021】さらに、請求項10に係る発明によれば、
請求項1記載の極低温装置において、前記熱スイッチ
は、前記冷凍機の低温側シリンダと同軸に配置されてい
ることを特徴とする。
【0022】さらに、請求項11にかかる発明によれ
ば、請求項1記載の極低温装置において、前記熱スイッ
チを複数個備え、各々の熱スイッチ毎に互いに異なる種
類の液化ガスを充填していることを特徴とする。
【0023】
【作用】請求項1乃至請求項7いずれか1項記載の発明
によれば、各伝熱体の隙間に充填された極低温で沸点を
有する液化ガスの熱伝導によって、熱スイッチがオンと
なる。また、液化ガスが沸点に達し、さらに凝固点に達
すると、液化ガスが固化されて、各伝熱体相互間の伝熱
が輻射による微小な伝熱のみとなることにより熱スイッ
チがオフとなるので、極低温装置の冷凍機のみで被冷却
物を冷却することができる。
【0024】請求項8に係る発明によれば、請求項1記
載の発明において、伝熱体の表面を研磨しているので、
伝熱体相互間の熱輻射を低減することができる。請求項
9に係る発明によれば、請求項1記載の発明において、
密閉容器の側面が熱伝導率の低い材料で構成し、且つ蛇
復形状とすることにより高温側冷却ステージと低温側冷
却ステージ間の熱伝導距離を稼ぐことができるので、高
温側冷却ステージから低温側冷却ステージへの熱侵入を
防ぐことができる。
【0025】請求項10に係る発明によれば、請求項1
記載の発明において、熱スイッチを冷凍機の低温側シリ
ンダと同軸に設置することにより、極低温装置のコンパ
クト化を図ることができる。
【0026】請求項11に係る発明によれば、各々の熱
スイッチ毎に互いに異なる種類の液化ガスを充填するこ
とにより、冷凍機の高温側冷却ステージと低温側冷却ス
テージ間の伝熱の行なわれる温度領域を広げることがで
きる。
【0027】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。 <第1の実施例>図1に、本発明の第1の実施例にかか
る極低温装置の構成を示す。
【0028】なお、図5と同一部分には、同一符号を付
し、その説明を省略する。同図に示すように、本実施例
の極低温装置は、超電導コイル1を冷却する冷凍機4の
低温側冷却ステージ5と、熱シールド板8を冷却する高
温側冷却ステージ7の間に熱スイッチ20を設置してい
る。
【0029】図2に、冷凍機4の低温側シリンダ6と同
軸に設置された熱スイッチ20の詳細な構成を示す。同
図に示すように、冷凍機4の高温側冷却ステージ7に
は、端板21が取り付けられており、低温側冷却ステー
ジ5には、端板22が低温側シリンダ6を中心に取り付
けられている。
【0030】端板21の端板22側の側面には、径の異
なる複数の円筒体23が略垂直に取り付けられている。
また、端板22の端板21側の側面にも径の異なる複数
の円筒体23が略垂直に取り付けられている。
【0031】この円筒体23の表面は、高温側冷却ステ
ージ7に取り付けられている円筒体23から低温側冷却
ステージ5に取り付けられている円筒体23の熱輻射を
低減するため研磨面で構成されている。
【0032】そして、円筒体23は、互いに微小間隔を
存して対向配置されており、さらに、その内側、外側を
それぞれ内壁24、外壁25で囲み、円筒体23が配列
された空間は気密に保持された密閉容器26となってい
る。
【0033】ところで、熱スイッチは同軸状の薄い円筒
体で構成された密閉容器となっているため、内壁24、
外壁25は、冷凍機4の高温側冷却ステージ7及び低温
側冷却ステージ5に取り付けられている。従って、高温
側冷却ステージ7側が低温側冷却ステージ5より温度が
低くなった場合、高温側冷却ステージ7側から低温側冷
却ステージ5側への熱侵入を防ぐ必要があり、そのた
め、熱スイッチの内壁24と外壁25は、熱伝導率の低
い材料を用い、出来るだけ高温側冷却ステージ7側と低
温側冷却ステージ5側までの熱伝導の距離を離す必要が
ある。
【0034】本実施例の熱スイッチの内壁24と外壁2
5は、その材質にステンレス或いはチタンを用い、更
に、高温側冷却ステージ7側と低温側冷却ステージ5側
との熱伝導の距離を稼ぐために、厚さが1mm程度の薄
い蛇腹構造としている。
【0035】密閉容器26の中には、窒素などの液化ガ
ス27が充填されている。また、端板21,22、円筒
体23には、無酸素銅等の熱伝導率の高い金属性の板を
使用しているため、高温側冷却ステージ7に取り付けら
れている端板21及び円筒体23は、高温側冷却ステー
ジ7と同程度の温度、低温側冷却ステージ5に取り付け
られている端板22及び円筒体23は、低温側冷却ステ
ージ5と同程度の温度になるようになっている。
【0036】次に、上述の如く構成された極低温装置を
用いた超電導磁石装置の冷却方法について説明する。冷
凍機4で超電導コイル1の冷却を始めると、まず、冷凍
能力の高い高温側冷却ステージ7に接触している熱シー
ルド板8から冷え始める。そして、高温側冷却ステージ
7に取り付けられている熱スイッチの円筒体23の温度
が低くなっていく。
【0037】一方、冷凍能力が低い低温側冷却ステージ
5に接触している超電導コイル1側の温度は、まだ常温
のままとなっている。したがって、冷凍機4の高温側冷
却ステージ7に取り付けられている熱スイッチの円筒体
23は低温に、冷凍機4の低温側冷却ステージ5に取り
付けられている熱スイッチの円筒体23は、高温側冷却
ステージ7に取り付けられている円筒体23の温度より
高い温度状態となっている。このような温度状態の場
合、低温側冷却ステージ5の常温円筒体23から高温側
冷却ステージ7の常温円筒体23へと液化ガスを介して
熱が移動していく。
【0038】この液化ガスを介した伝熱は、充填されて
いるガスが液化され、更に固化されて固体状態になるま
で続く。高温側冷却ステージ7に取り付けられている円
筒体23の温度が充填されているガスの沸点と同じ温度
になると液化ガスの液化が始まる。ここで、沸点になる
までの伝熱の大半を支配しているのはガスを介した熱伝
導である。
【0039】そして、ガスの液化が始まるとヒートパイ
プの機能によって伝熱が行なわれる。すなわち、液体と
なった液化ガスの液滴が低温側冷却ステージ5に取り付
けられている端板22に落ち、低温側冷却ステージ5側
の温度(高温側冷却ステージ7側より高温)によって蒸
発し、再びガス状態となる。
【0040】液化ガスが蒸発する際、低温側冷却ステー
ジ5の高温円筒体23より潜熱として熱を奪う。ガス状
態となった液化ガスは、更に、高温側冷却ステージ7の
低温円筒体23の温度によって再び液化され、熱を低温
円筒体23へ与える。
【0041】このように、液化された液化ガスの液滴を
介した低温側冷却ステージ5の円筒体23から高温側冷
却ステージ7の円筒体23への熱の移動は、充填された
液化ガスが固体となるまで続く。ここで、凝固点になる
までの熱移動の大半を支配しているのは、液化ガスが液
化と蒸発を繰り返すことにより得られる液摘を介した伝
熱である。
【0042】したがって、密閉容器26に中に充填され
ている液化ガス27を介した熱移動は、高温側冷却ステ
ージ7に取り付けられている円筒体23の温度が沸点と
同じ温度になり、更に温度が下がり三重点、そして凝固
点と同じ温度となって、液化ガス27が気体状態から液
体状態となり、そして固体状態となった時点で伝熱が終
了する。
【0043】液化ガス27がガス状態の時は、高温側冷
却ステージ7及び低温側冷却ステージ5は、ステージ間
に設置されている熱スイッチ内の液化ガス27を介して
熱的につながった状態、すなわち「オン」状態となって
いるが、ガスが固化した時点では、ステージ間に存在し
ていたガスが無くなり、真空状態となるため、高温側冷
却ステージ7及び低温側冷却ステージ5間は、熱的に切
れた状態、すなわち「オフ」状態となる。
【0044】その後、熱シールド板8は、高温側冷却ス
テージ7に、超電導コイル1は低温側冷却ステージ5の
みで冷却され、必要温度まで冷やされる。熱伝導は、そ
れぞれの温度が高温t1、低温t2で、距離Δx離れた
物体A,B間に移動する熱量Qとすると、AからBへ移
動する熱量は、 Q=λ・S・(t1−t2)/Δx …(1) の式で表される。
【0045】但し、熱の放出する面積S、熱伝導率λと
した。この実施例に当てはめると、低温側冷却ステージ
5側に接続している円筒体23の温度t1、高温側冷却
ステージ7側に接続している円筒体23の温度t2、隣
合った円筒体23間の距離Δx、円筒体の面積S、液化
ガスの熱伝導率λとなる。
【0046】ここで、 K=Δx/(λ・S) …(2) (K;熱抵抗)とすると、(1)式は、 Q=(t1−t2)/K …(3) となる。
【0047】(3)式より、Kが小さい程、移動する熱
量Qは大きくなり、Kが大きい程移動する熱量Qは小さ
くなることがわかる。図3に、液化ガスに窒素を使用し
た場合の熱スイッチの熱抵抗と温度との関係を示す。
【0048】同図に示すように、常温(300K)から
窒素の沸点である70K程度までは、徐々に熱抵抗が大
きくなり、熱の移動が少なくなっていく。70K程度ま
では、窒素ガスの熱伝導が支配していることがわかる。
70K温度付近で熱抵抗が急激に小さくなっている。こ
れは、熱スイッチがヒートパイプとして機能し始めたた
めで、つまり、液化した窒素を介した熱の移動が起こっ
たためである。
【0049】スイッチの温度がさらに低くなると、液が
徐々に凍り始めるため、ヒートパイプとしての機能が低
下し、熱抵抗が急激に大きくなる。そして、液が完全に
凍った時に、スイッチが「オフ」状態となる。
【0050】また、より早く冷凍機4の低温側冷却ステ
ージ5側を冷やすためには、(2)式より、隣合った熱
スイッチの円筒体23間は出来るだけ狭い方が良いこと
がわかる。製造上の理由で、図2に示した実施例の熱ス
イッチの円筒間の間隔は、1mm程度の間隔となってい
る。
【0051】また、図2に示した距離Cは、液化ガスが
液化され、更に固化した際に、下方で溜まり円筒体23
間をつないで熱が移動することのないよう、十分な間隔
が取られている。
【0052】次に、この熱伝導率に関与する液化ガスの
選定について述べる。熱スイッチのオフ状態温度、すな
わち、低温側冷却ステージ5側の円筒体23から高温側
冷却ステージ7側の円筒体23への熱の移動が終了する
温度は、液化ガス27の沸点の温度で調整することが出
来る。
【0053】つまり、どの温度で熱スイッチをオフにす
るかは、選定した液化ガスで決まる。表1に、超電導コ
イル1気圧のときの常温以下で沸点をもつ主な液化ガス
と、その沸点を示す。
【0054】
【表1】
【0055】冷凍機4の低温側冷却ステージ5は、高温
側冷却ステージ7に比べ温度は下がるが、冷凍能力は低
い。従って、効率よく、迅速に超電導コイル1の冷却を
行うためには、低温側冷却ステージ5の温度が出来るだ
け低温に冷えるまで高温側冷却ステージ7の冷凍能力で
補助する必要がある。
【0056】すなわち、できるだけ低温で熱スイッチが
オフ状態となることが望ましい。表1より、充填する液
化ガスにn−H2 を使用すれば、20K程度まで高温側
冷却ステージ7で低温側冷却ステージ5側の冷却を補助
することができ、20K以下で熱スイッチがオフ状態に
なった以降は、超電導コイル1は低温側冷却ステージ5
のみで4Kまで冷やされる。
【0057】ここで、n−H2 (ノーマル水素)は、7
5%o−H2 (オルソ水素)と25%p−H2 (パラ水
素)の混合物である。本実施例では、充填ガスに低価格
で取扱い易いという理由で、予冷に通常良く使用される
窒素ガスを用いている。この窒素ガスを用いた場合は、
図3で示される様に、50K程度で熱スイッチがオフ状
態となり、50Kより低温では超電導コイル1は、冷凍
機4の低温側冷却ステージ5の冷凍能力のみで4Kまで
冷却される。
【0058】従って、本実施例の発明によれば、超電導
コイル1を冷却する際に、予冷に液体窒素等の冷媒を用
いず、冷凍機4のみで効率よく冷却することが出来る熱
スイッチを有する極低温装置を提供することができる。
【0059】また、熱スイッチ20と冷凍機4が一体に
設置されているので、極低温装置のコンパクト化を図る
ことが出来る。 <第2の実施例>図4に、本発明の第2の実施例に係る
極低温装置の構成を示す。
【0060】同図に示すように、本実施例においては、
熱スイッチを冷凍機4の高温側冷却ステージ7と低温側
冷却ステージ5の間に3つ設置している。さらに、本実
施例においては、図1に示した1種類の液化ガスによっ
て効率よく超電導コイル1を冷却する代わりに、異なる
沸点及び三重点をもつ2種類以上の液化ガスを用いて伝
熱の行なわれる温度範囲を広げ、且つ、出来るだけ低温
で熱スイッチが働くようにしたものである。
【0061】異なる沸点及び三重点をもつ2種類以上の
液化ガスを上手に選定すれば、液化ガスが液化した液滴
を介した伝熱の温度領域を広げることが出来る。本実施
例においては、O3 、CO、Neのガスをそれぞれ充填
した熱スイッチを設置した場合の熱移動について説明す
る。
【0062】高温側冷却ステージ7に取り付けられてい
る円筒体の温度がO3の沸点温度161.3Kとなった
ときに高温側冷却ステージ7側から液滴を介した伝熱が
始まる。
【0063】この移動は、O3 の三重点温度80.5K
程度になるまで続く。O3 のヒートパイプ機能の伝熱が
終わる頃、COが充填されている熱スイッチのヒートパ
イプ機能としての伝熱が開始され、その後、Neの熱ス
イッチのヒートパイプ機能の伝熱がが始まる。
【0064】このように、本実施例では、3種類の液化
ガスを使用することで、冷凍機4の高温側冷却ステージ
7と低温側冷却ステージ5間の伝熱の行なわれる温度領
域を161K程度から26K程度まで広げることが出来
る。
【0065】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではない。例えば、図2に示すように、本実施
例は、冷凍機4が熱スイッチと同軸に組み込まれた構造
となっているが、冷凍機4と熱スイッチが別々に設置さ
れていても構わない。
【0066】つまり、冷凍機4の各冷却ステージに接触
する箇所に設置されていれば、上述実施例の場合と同様
の効果を得ることが出来る。さらに、本実施例で示した
熱スイッチの円筒体の形状は、角筒体、平行に並べた薄
いプレート板、或いは放射状に配置した薄いプレート
板、或いは円筒体は棒体であっても良い。さらに、被冷
却体は、超電導コイル1に限らず、極低温に冷却する必
要のあるものに適用することも可能である。
【0067】
【発明の効果】請求項1乃至請求項7いずれか1項記載
の発明によれば、液化ガスの熱伝導によって、熱スイッ
チがオンとなり、また、液化ガスが沸点に達し、さらに
凝固点に達すると、液化ガスが固化されて、熱スイッチ
がオフとなるので、極低温装置の冷凍機のみで被冷却物
を冷却することができる。
【0068】請求項8に係る発明によれば、請求項1記
載の発明において、伝熱体の表面を研磨しているので、
伝熱体相互間の熱輻射を低減することができる。請求項
9に係る発明によれば、密閉容器の側面が熱伝導率の低
い材料で構成し、且つ蛇復形状とすることにより高温側
冷却ステージと低温側冷却ステージ間の熱伝導距離を稼
ぐことができるので、高温側冷却ステージから低温側冷
却ステージへの熱侵入を防ぐことができる。
【0069】請求項10に係る発明によれば、熱スイッ
チを冷凍機の低温側シリンダと同軸に設置することによ
り、極低温装置のコンパクト化を図ることができる。請
求項11に係る発明によれば、各々の熱スイッチ毎に互
いに異なる種類の液化ガスを充填することにより、冷凍
機の高温側冷却ステージと低温側冷却ステージ間の伝熱
の行なわれる温度領域を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例にかかる極低温装置の構
成を示す図。
【図2】同実施例における冷凍機の低温側シリンダと同
軸に設置された熱スイッチの詳細な構成を示す図。
【図3】同実施例における液化ガスに窒素を使用した場
合の熱スイッチの熱抵抗と温度との関係を示す図。
【図4】本発明の第2の実施例に係る極低温装置の構成
を示す図。
【図5】従来の極低温装置の構成を示す図。
【符号の説明】
1…超電導コイル、2…真空容器、3…伝熱板、4…冷
凍機、4a…コールドヘッド、5…低温側冷却ステー
ジ、6…低温側シリンダ、7…高温側冷却ステージ、8
…熱シールド板、9…高温側シリンダ、10…窒素予冷
管、20…熱スイッチ、21,22…端板、23…円筒
体、24…内壁、25…外壁、26…密閉容器、27…
液化ガス。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被冷却物を収容する真空容器と、低温側
    シリンダを介して略垂直方向に互いに所定間隔を存して
    高温側冷却ステージと低温側冷却ステージが取り付けら
    れ、前記被冷却物を冷却する少なくとも1台の冷凍機と
    から構成される極低温装置において、 前記冷凍機の高温側冷却ステージに略垂直方向に取り付
    けられた少なくとも1つの高温側伝熱体と、 前記冷凍機の低温側冷却ステージに略垂直方向に取り付
    けられ、かつ前記高温側伝熱体と微小間隔を存して対向
    配置された少なくとも1つの低温側伝熱体と、 極低温に沸点を有し前記高温側伝熱体と前記低温側伝熱
    体との間の伝熱を行なう液化ガスが内部に充填され、前
    記高温側伝熱体及び低温側伝熱体を密閉収容する密閉容
    器と、 から成る熱スイッチを具備したことを特徴とする極低温
    装置。
  2. 【請求項2】 前記高温側伝熱体及び低温側伝熱体は筒
    状のものであることを特徴とする請求項1記載の極低温
    装置。
  3. 【請求項3】 前記筒状の各伝熱体は、円筒状のもので
    あることを特徴とする請求項2記載の極低温装置。
  4. 【請求項4】 前記高温側伝熱体及び低温側伝熱体はそ
    れぞれ互いに異なる径を有することを特徴とする請求項
    2記載の極低温装置。
  5. 【請求項5】 前記高温側伝熱体及び低温側伝熱体は板
    状のものであることを特徴とする請求項1記載の極低温
    装置。
  6. 【請求項6】 前記高温側の板状伝熱体及び前記低温側
    の板状伝熱体は互いに略平行に配置したことを特徴とす
    る請求項5記載の極低温装置。
  7. 【請求項7】 前記板状の高温側伝熱体及び低温側伝熱
    体は放射状に配置したことを特徴とする請求項5記載の
    極低温装置。
  8. 【請求項8】 前記高温側伝熱体及び前記低温側伝熱体
    は、その表面が研摩されていることを特徴とする請求項
    1記載の極低温装置。
  9. 【請求項9】 前記密閉容器は、その側面が熱伝導率の
    低い材料からなり、且つ蛇復形状のものとしていること
    を特徴とする請求項1記載の極低温装置。
  10. 【請求項10】 前記熱スイッチは、前記冷凍機の低温
    側シリンダと同軸に配置されていることを特徴とする請
    求項1記載の極低温装置。
  11. 【請求項11】 前記熱スイッチを複数個備え、各々の
    熱スイッチ毎に互いに異なる種類の液化ガスを充填して
    いることを特徴とする請求項1記載の極低温装置。
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