JPH0813094A - 二相ステンレス鋳鋼およびその製法 - Google Patents

二相ステンレス鋳鋼およびその製法

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JPH0813094A
JPH0813094A JP16478994A JP16478994A JPH0813094A JP H0813094 A JPH0813094 A JP H0813094A JP 16478994 A JP16478994 A JP 16478994A JP 16478994 A JP16478994 A JP 16478994A JP H0813094 A JPH0813094 A JP H0813094A
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Koichi Yamagishi
浩一 山岸
Kayo Shiraishi
加代 白石
Masakazu Enboku
正和 遠北
Ryoichi Mima
良一 美馬
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Taihei Kinzoku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Taihei Kinzoku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 0.2%耐力が55kgf/mm2 以上、伸
びが25%以上で、遠心分離器の回転リングに延べ10
00時間使用してもスケールの発生が全く観察されない
二相ステンレス鋳鋼を提供する。 【構成】 Cr:20〜35重量%、Ni:3〜12重
量%、Mo:0.5〜6重量%、Co:0.01〜0.
27重量%、Cu:0.1〜3重量%、N:0.05〜
3重量%、W:1〜3重量%、C:0.12重量%以
下、Si:3重量%以下、Mn:5重量%以下を含み、
残部が鉄および不可避不純物からなる二相ステンレス鋳
鋼であり、溶解後の鋳造を遠心鋳造法を用いて行う二相
ステンレス鋳鋼の製法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠心分離機の回転体な
どの高強度、高耐食性が必要とされる装置部材の材料な
どに用いて好適な二相ステンレス鋳鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、食品工業や汚水処理に用いられ
る遠心分離機は、装置の大型化、回転数の増大や腐食環
境の悪化によって、その材料の強度や耐食性に対する要
求がますます厳しくなってきている。現今では、強度と
しては、0.2%耐力が55kgf/mm2 以上、伸び
が25%以上要求されている。また、耐食性について
も、より優れたものが求められている。
【0003】従来、このような高強度、高耐食性材料と
して高Cr低Ni系の二相ステンレス鋳鋼が提案されて
いる(特開昭52−153821号公報、特開昭64−
31953号公報)。
【0004】しかしながら、上記従来の二相ステンレス
鋳鋼は、強度において前記要求を満足するものはあるも
のの、耐食性が充分なものではない。即ち、本発明者に
よれば、上記従来の二相ステンレス鋳鋼は、耐隙間腐食
性が優れているものと提案されているにもかかわらず、
実際に遠心分離機の固定部材と係合する回転リングに用
いると、汚泥処理に延べ1000時間運転した時点で該
回転リングの1個所以上にスケールの発生が観察された
鋼種がかなりあった(以下、これを遠心分離試験とい
う)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
事情に鑑み、0.2%耐力が55kgf/mm2 以上、
伸びが25%以上で、遠心分離機の回転リングに延べ1
000時間使用してもスケールの発生が全く観察されな
い二相ステンレス鋳鋼を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく、まず、耐隙間腐食性を評価する方法とし
て、従来の、塩素イオン含有水溶液中での分極曲線から
孔食電位を測定する方法に代わる、遠心分離試験の結果
と強い相関を示す方法について、鋭意研究した。その結
果、試料にシリコンラバーを用いて隙間を設けたものを
使用しJIS G0577の孔食電位測定法によって測
定した二相ステンレス鋳鋼の孔食電位が遠心分離試験の
結果と強い相関を示すことおよびその孔食電位が800
mV以上であれば、優れた耐隙間腐食性を示すことの知
見を得た。 そこで、次に、JISG 0577による
孔食電位に及ぼす種々元素の影響について、詳細に検討
した。その結果、特にCoとWの添加量を限定すること
によって上記目的を達成し得ることを見出した。
【0007】即ち、本発明の二相ステンレス鋳鋼の第1
のものは、Cr:20〜35重量%、Ni:3〜12重
量%、Mo:0.5〜6重量%、Co:0.01〜0.
27重量%、Cu:0.1〜3重量%、N:0.05〜
3重量%、W:1〜3重量%、C:0.12重量%以
下、Si:3重量%以下、Mn:5重量%以下を含み、
残部が鉄および不可避不純物からなり、第2のものは、
上記第1のもののうちより好ましいもので、Cr:25
〜27重量%、Ni:5.5〜7重量%、Mo:3〜
4.5重量%、Co:0.01〜0.27重量%、C
u:0.5〜1.5重量%、N:0.15〜0.3重量
%、W:1〜1.5重量%、C:0.05重量%以下、
Si:1重量%以下、Mn:1重量%以下を含み、残部
が鉄および不可避不純物からなる。また、本発明の二相
ステンレス鋳鋼の製法は、上記第1および第2の二相ス
テンレス鋳鋼を溶解後、遠心鋳造法を用いて鋳造するも
のである。
【0008】
【作用】本発明の二相ステンレス鋳鋼の成分および組成
の限定理由について述べる。
【0009】Crは、二相ステンレス鋼の形成および耐
食性の向上のための基本的な元素であり、その添加量は
20〜35重量%(以下、%は特記しない限り重量%を
意味する)、好ましくは25〜27%である。20%未
満では耐食性が低下し、35%を超えると靱性が低下す
る。
【0010】Niは、鋼の靱性と耐孔食性を向上させる
元素であり、その添加量は3〜12%、好ましくは5.
5〜7%である。3%未満では、オーステナイト相が消
失し、12%を超えるとオーステナイト相の量が増大し
強度が低下する。
【0011】Moは、耐局部腐食性、耐孔食性を向上さ
せ、その添加量は0.5〜6%、好ましくは3〜4.5
%である。0.5%未満では耐局部腐食性、耐孔食性が
劣化し、6%を超えると靱性が低下する。
【0012】Coは、耐隙間腐食性を向上させると共に
オーステナイト相中に濃縮して伸びを向上させ、その添
加量は0.01〜0.27%である。0.01%未満で
は耐隙間腐食性が充分でなく、0.27%を超えると耐
力が低下する。
【0013】Cuは、非酸化性環境での耐食性、特に耐
孔食性を向上させ、その添加量は0.1〜3%、好まし
くは0.5〜1.5%である。0.1%未満ではその効
果が少なく、3%を超えると鋳造偏析をおこして強度低
下を招く。
【0014】Nは、耐孔食性、耐隙間腐食性を著しく向
上させ、その添加量は0.05〜3%、好ましくは0.
15〜0.3%である。0.05%未満ではその効果が
少なく、3%を超えるとオーステナイト相の量が過多に
なったり鋼中に気泡を生じ欠陥となったりする。
【0015】Wは、フェライト相を強化し耐力を著しく
向上させると共に耐隙間腐食性を向上させ、その添加量
は1〜3%、好ましくは1〜1.5%である。1%未満
ではその効果が充分でなく、3%を超えると靱性が低下
する。
【0016】Cは、オーステナイト相の生成元素であ
り、その添加量は0.12%以下、好ましくは0.05
%以下である。0.12%を超えると、Cr炭化物を析
出し、延性、靱性、耐食性が低下する。
【0017】Siは、鋼溶製の際、溶鋼の脱酸および鋳
造性の確保のため必要であると共に耐食性を向上させ、
その添加量は3%以下、好ましくは1%以下である。3
%を超えると、σ相が析出して強度や耐食性が低下す
る。
【0018】Mnは、鋼溶製の際、溶鋼の脱酸、脱硫の
ため必要であり、その添加量は5%以下、好ましくは1
%以下である。5%を超えると、オーステナイト相の量
が増大し機械特性が劣化する。
【0019】本発明の二相ステンレス鋳鋼を製造する方
法は、通常の溶解鋳造方法が採用できるが、遠心鋳造法
は、遠心力の作用によって溶鋼中の非金属介在物やガス
が遠心分離され緻密健全な製品が得易いので、好ましい
鋳造方法である。
【0020】
【実施例】高周波大気溶解で所定の組成に溶解した溶湯
を、竪型遠心鋳造装置の回転数750rpmで回転する
直径50cmの円筒形鋳型に鋳造して、肉厚15cmの
リング状鋳塊とした。この後、鋳塊に1150℃、2時
間の熱処理を施した。得られた熱処理後の鋳塊から引張
り試験片、孔食電位測定試験片および検鏡試験片を切り
出した後、この鋳塊を遠心分離試験に供した。
【0021】なお、引張り試験は、JIS Z 220
1に準拠し、同JISの4号試験片を使用した。その結
果から0.2%耐力と伸びを測定した。また、孔食電位
の測定は、シリコンラバーを押しつけて隙間を作った試
験片を使用し、JIS G0577に準拠した。さら
に、介在物の個数は、試験片の表面を研磨した後、光学
顕微鏡でその4mm角内の粒径2μm以上の介在物を数
えて断面積1mm2 当りに換算した。また、試験片の表
面をエッチング処理し、光学顕微鏡でその組織を観察し
た。
【0022】各試験の鋳鋼試験片の組成(%)を表1
に、得られた試験結果を表2に示す。なお、上記組織の
観察では、すべての試験においてフェライト相およびオ
ーステナイト相からなる明瞭な二相組織が観察された。
【0023】
【表1】 Cr Ni Mo Co Cu N W V C Si Mn Fe 実施例1 26.9 6.68 3.34 0.01 0.90 0.16 1.2 ― 0.03 0.61 0.72 残 〃 2 〃 〃 〃 0.08 〃 〃 〃 ― 〃 〃 〃 〃 〃 3 〃 〃 〃 0.27 〃 〃 〃 ― 〃 〃 〃 〃 比較例1 〃 〃 〃 0.33 〃 〃 〃 ― 〃 〃 〃 〃 〃 2 〃 〃 〃 0.08 〃 〃 0.8 ― 〃 〃 〃 〃 実施例4 〃 〃 〃 0.08 〃 〃 1.1 ― 〃 〃 〃 〃 〃 5 〃 〃 〃 0.08 〃 〃 1.5 ― 〃 〃 〃 〃 〃 6 〃 〃 〃 0.08 〃 〃 2.0 ― 〃 〃 〃 〃 〃 7 〃 〃 〃 0.08 〃 〃 2.9 ― 〃 〃 〃 〃 〃 8 20.6 11.8 〃 〃 〃 〃 1.2 ― 〃 〃 〃 〃 〃 9 34.2 3.42 〃 〃 〃 〃 〃 ― 〃 〃 〃 〃 〃10 26.9 6.68 0.63 〃 〃 〃 〃 ― 〃 〃 〃 〃 〃11 〃 〃 5.87 〃 〃 〃 〃 ― 〃 〃 〃 〃 〃12 〃 〃 3.34 〃 0.15 0.06 〃 ― 〃 〃 〃 〃 〃13 〃 〃 〃 〃 2.87 2.93 〃 ― 〃 〃 〃 〃 〃14 〃 〃 〃 〃 0.90 0.16 〃 ― 0.12 2.96 4.98 〃 従来例1 19.2 13.0 3.51 ― ― ― ― ― 0.02 0.50 0.80 〃 〃 2 25.1 4.52 2.25 ― ― ― ― ― 0.05 0.60 0.70 〃 〃 3 24.8 5.87 3.03 ― 0.79 0.13 1.04 0.89 0.02 0.52 1.04 〃 〃 4 26.0 6.65 3.43 ― 0.58 0.12 0.15 0.08 0.01 0.61 0.55 〃 〃 5 25.0 4.11 1.05 ― 1.17 0.19 0.57 ― 0.05 2.07 0.58 〃 〃 6 25.2 7.07 3.42 0.48 1.87 0.17 0.99 ― 0.03 0.96 0.86 〃
【0024】
【表2】 [引張り試験] 0.2%耐力 伸び 孔食電位 介在物の個数 遠心分離試験 (kgf/mm2) (%) (mV) (個/mm2) (スケール発生の有無) 実施例1 61.2 29.5 >1000 36 なし 〃 2 63.1 25.1 〃 31 〃 〃 3 56.0 32.0 〃 42 〃 比較例1 23.6 39.8 〃 41 〃 〃 2 56.4 25.5 780 43 あり 実施例4 55.7 28.6 >1000 32 なし 〃 5 58.1 28.4 〃 39 〃 〃 6 59.4 27.7 〃 41 〃 〃 7 61.2 27.2 〃 44 〃 〃 8 55.9 25.4 〃 36 〃 〃 9 63.1 30.8 950 38 〃 〃10 58.2 28.3 880 39 〃 〃11 59.3 25.8 >1000 46 〃 〃12 63.3 25.6 820 41 〃 〃13 56.3 29.3 >1000 32 〃 〃14 59.8 26.0 〃 48 〃 従来例1 22.0 43.0 610 47 あり 〃 2 41.0 22.0 700 42 〃 〃 3 58.6 22.4 810 40 なし 〃 4 50.1 31.0 >1000 42 〃 〃 5 59.2 23.2 720 43 あり 〃 6 54.3 35.1 >1000 39 なし
【0025】表2から、次のことが判る、即ち、(1)
実施例1〜14では、いずれも0.2%耐力≧55kg
f/mm2 、伸び≧25%および遠心分離試験でスケー
ル発生なしの3条件をすべて満足しているのに対し、比
較例1、2および従来例1〜6では、いずれも上記3条
件のうちの少なくとも1つを満足していない、(2)孔
食電位が800mV以上の例はすべて、遠心分離試験で
スケールが全く発生しなかったのに対し、孔食電位が8
00mV未満の例はすべて遠心分離試験で1個所以上に
スケールの発生が観察された。
【0026】
【発明の効果】本発明により、0.2%耐力が55kg
f/mm2 以上、伸びが25%以上で、耐隙間腐食性に
優れた二相ステンレス鋳鋼を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 美馬 良一 横浜市旭区東希望ヶ丘175−1,A−203

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr:20〜35重量%、Ni:3〜1
    2重量%、Mo:0.5〜6重量%、Co:0.01〜
    0.27重量%、Cu:0.1〜3重量%、N:0.0
    5〜3重量%、W:1〜3重量%、C:0.12重量%
    以下、Si:3重量%以下、Mn:5重量%以下を含
    み、残部が鉄および不可避不純物からなる二相ステンレ
    ス鋳鋼。
  2. 【請求項2】 Cr:25〜27重量%、Ni:5.5
    〜7重量%、Mo:3〜4.5重量%、Co:0.01
    〜0.27重量%、Cu:0.5〜1.5重量%、N:
    0.15〜0.3重量%、W:1〜1.5重量%、C:
    0.05重量%以下、Si:1重量%以下、Mn:1重
    量%以下を含み、残部が鉄および不可避不純物からなる
    二相ステンレス鋳鋼。
  3. 【請求項3】 遠心鋳造法で得た請求項1または2に記
    載の二相ステンレス鋳鋼。
  4. 【請求項4】 溶解後の鋳造を遠心鋳造法を用いて行う
    請求項1または2に記載の二相ステンレス鋳鋼の製法。
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