JPH0813101A - 熱間加工性に優れた電子部品用Fe−Ni系合金 - Google Patents
熱間加工性に優れた電子部品用Fe−Ni系合金Info
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- JPH0813101A JPH0813101A JP14606194A JP14606194A JPH0813101A JP H0813101 A JPH0813101 A JP H0813101A JP 14606194 A JP14606194 A JP 14606194A JP 14606194 A JP14606194 A JP 14606194A JP H0813101 A JPH0813101 A JP H0813101A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱間加工性に優れた電子部品用Fe−Ni合
金を得る。 【構成】 Niを30〜52%含有し、かつ不可避的不
純物としてのS、O、SnをそれぞれS:0.007%
以下、O:0.006%以下、Sn:0.1%以下と規
制し、かつCaが0.0001〜0.006%、かつC
a/(S+O+0.1×Sn)=0.1〜6の範囲内と
なるよう、添加された熱間加工性に優れた電子部品用F
e−Ni系合金。Niを26〜38%、Co:1〜20
%を含有し、かつ不可避不純物としてのS、O、Snを
それぞれS:0.007%以下、O:0.006%以
下、Sn:0.1%以下と規制し、かつCaが0.00
01〜0.006%、かつCa/(S+O+0.1×S
n)=0.1〜6の範囲内となるよう添加された熱間加
工性に優れた電子部品用Fe−Ni−Co系合金。
金を得る。 【構成】 Niを30〜52%含有し、かつ不可避的不
純物としてのS、O、SnをそれぞれS:0.007%
以下、O:0.006%以下、Sn:0.1%以下と規
制し、かつCaが0.0001〜0.006%、かつC
a/(S+O+0.1×Sn)=0.1〜6の範囲内と
なるよう、添加された熱間加工性に優れた電子部品用F
e−Ni系合金。Niを26〜38%、Co:1〜20
%を含有し、かつ不可避不純物としてのS、O、Snを
それぞれS:0.007%以下、O:0.006%以
下、Sn:0.1%以下と規制し、かつCaが0.00
01〜0.006%、かつCa/(S+O+0.1×S
n)=0.1〜6の範囲内となるよう添加された熱間加
工性に優れた電子部品用Fe−Ni−Co系合金。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱間加工性に優れたカ
ラー受像管用シャドウマスク、ICリードフレーム、P
B級、PD級のパーマロイ等の電子部品用Fe−Ni系
合金に関するものである。
ラー受像管用シャドウマスク、ICリードフレーム、P
B級、PD級のパーマロイ等の電子部品用Fe−Ni系
合金に関するものである。
【0002】
【従来技術】Niを26〜52wt%含むFe−Ni系
合金およびFe−Ni−Co系合金は、室温から300
℃にわたる温度域で低い熱膨張係数または、優れた軟磁
気特性を有し、カラー受像管用シャドウマスク、ICリ
ードフレーム、PB級、PD級のパーマロイ等の電子部
品用の材料として、広く用いられている。
合金およびFe−Ni−Co系合金は、室温から300
℃にわたる温度域で低い熱膨張係数または、優れた軟磁
気特性を有し、カラー受像管用シャドウマスク、ICリ
ードフレーム、PB級、PD級のパーマロイ等の電子部
品用の材料として、広く用いられている。
【0003】しかしながら、これらのFe−Ni系合金
やFe−Ni−Co系合金は、本質的に熱間延性能が悪
く、湾曲型連続鋳造機により連続鋳造スラブを鋳造する
場合には、スラブの曲げ戻し時にスラブの表面割れ、コ
ーナー割れが多発しやすい合金である。この表面疵はそ
のまま放置すると、最終製品において重大な欠陥となる
ので、疵取りを行なう必要がある。このため歩留りは著
しく低下し、製造に要する時間も長く、それだけコスト
高になることを余儀なくされていた。
やFe−Ni−Co系合金は、本質的に熱間延性能が悪
く、湾曲型連続鋳造機により連続鋳造スラブを鋳造する
場合には、スラブの曲げ戻し時にスラブの表面割れ、コ
ーナー割れが多発しやすい合金である。この表面疵はそ
のまま放置すると、最終製品において重大な欠陥となる
ので、疵取りを行なう必要がある。このため歩留りは著
しく低下し、製造に要する時間も長く、それだけコスト
高になることを余儀なくされていた。
【0004】一般に熱間加工時の表面疵は、以下のよう
にして形成されると考えられる。即ち湾曲型連続鋳造機
で連続鋳造スラブを鋳造する場合、スラブは歪速度2×
10 -3S-1程度の低速変形曲げ、曲げ戻しを伴う。この
際のスラブのエッジや表層近傍は、中心に比べ温度降下
しており、その温度は700℃以下になる。このような
高温変形条件での延性が劣ると表面疵が発生する。
にして形成されると考えられる。即ち湾曲型連続鋳造機
で連続鋳造スラブを鋳造する場合、スラブは歪速度2×
10 -3S-1程度の低速変形曲げ、曲げ戻しを伴う。この
際のスラブのエッジや表層近傍は、中心に比べ温度降下
しており、その温度は700℃以下になる。このような
高温変形条件での延性が劣ると表面疵が発生する。
【0005】従来の高Fe−Ni合金とその製造方法と
しては、特開昭62−40343に開示されたものがあ
る。この製造方法は、Ni:30.0〜52.0wt
%、Si:0.40wt%以下、Mn:0.10〜0.
80wt%、C:0.05wt%以下、Al:0.00
6〜0.02wt%、P:0.010wt%以下、S:
0.002wt%以下、O:0.005wt%以下を含
有し、且つS+P/10≦0.0020wt%の条件を
満たし、残部FeからなるFe−Ni合金を製造するに
当たり、分塊圧延及び熱間圧延における加熱温度を10
60〜1250℃とし、仕上げ温度を800℃以上とす
るものである。
しては、特開昭62−40343に開示されたものがあ
る。この製造方法は、Ni:30.0〜52.0wt
%、Si:0.40wt%以下、Mn:0.10〜0.
80wt%、C:0.05wt%以下、Al:0.00
6〜0.02wt%、P:0.010wt%以下、S:
0.002wt%以下、O:0.005wt%以下を含
有し、且つS+P/10≦0.0020wt%の条件を
満たし、残部FeからなるFe−Ni合金を製造するに
当たり、分塊圧延及び熱間圧延における加熱温度を10
60〜1250℃とし、仕上げ温度を800℃以上とす
るものである。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上述
した従来の合金を用いた場合でも、前記した連続鋳造時
の低歪速度変形下での曲げ、曲げ戻し時のスラブ表面割
れを抑制することはできないという問題点がある。
した従来の合金を用いた場合でも、前記した連続鋳造時
の低歪速度変形下での曲げ、曲げ戻し時のスラブ表面割
れを抑制することはできないという問題点がある。
【0007】本発明は製造加工変形工程即ち連続鋳造に
おいて疵発生が極めて少なく、スラブの疵取り工程を大
幅に短縮でき、スラブの歩留りも向上し、製造コスト低
減に寄与するNi:26〜52wt%の電子・電磁用材
料、たとえばインバー材である36Ni合金、リードフ
レーム用42Ni合金、パーマロイ等のFe−Ni系合
金およびFe−Ni−Co系合金を提供することを目的
としたものである。
おいて疵発生が極めて少なく、スラブの疵取り工程を大
幅に短縮でき、スラブの歩留りも向上し、製造コスト低
減に寄与するNi:26〜52wt%の電子・電磁用材
料、たとえばインバー材である36Ni合金、リードフ
レーム用42Ni合金、パーマロイ等のFe−Ni系合
金およびFe−Ni−Co系合金を提供することを目的
としたものである。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明に係る熱間加工
性に優れた電子部品用Fe−Ni系合金は、Niを30
〜52wt%含有し、かつ不可避的不純物としてのS、
O、SnをそれぞれS:0.007wt%以下、O:
0.006wt%以下、Sn:0.1wt%以下と規制
し、かつCaが0.0001〜0.006wt%、かつ
Ca/(S+O+0.1×Sn)=0.1〜6の範囲内
となるよう、添加されたものである。
性に優れた電子部品用Fe−Ni系合金は、Niを30
〜52wt%含有し、かつ不可避的不純物としてのS、
O、SnをそれぞれS:0.007wt%以下、O:
0.006wt%以下、Sn:0.1wt%以下と規制
し、かつCaが0.0001〜0.006wt%、かつ
Ca/(S+O+0.1×Sn)=0.1〜6の範囲内
となるよう、添加されたものである。
【0009】また、Niを26〜38wt%、Co:1
〜20wt%を含有し、かつ不可避不純物としてのS、
O、SnをそれぞれS:0.007wt%以下、O:
0.006wt%以下、Sn:0.1wt%以下と規制
し、かつCaが0.0001〜0.006wt%、かつ
Ca/(S+O+0.1×Sn)=0.1〜6の範囲内
となるよう添加されたものである。
〜20wt%を含有し、かつ不可避不純物としてのS、
O、SnをそれぞれS:0.007wt%以下、O:
0.006wt%以下、Sn:0.1wt%以下と規制
し、かつCaが0.0001〜0.006wt%、かつ
Ca/(S+O+0.1×Sn)=0.1〜6の範囲内
となるよう添加されたものである。
【0010】
【作用】従来技術で述べた如くFe−Ni系合金の連続
鋳造時の疵発生に対しては、とくに700℃以上の延性
が極めて重要であることが理解される。熱間延性能を精
度良く調べる方法は、高温引張試験での試験片の絞り値
を用いるものであるが、一般に絞り値と疵発生傾向は一
致することが良く知られており、難加工材の連続鋳造の
際のスラブ疵は、絞り値が50%未満の時に多発する傾
向を示す。
鋳造時の疵発生に対しては、とくに700℃以上の延性
が極めて重要であることが理解される。熱間延性能を精
度良く調べる方法は、高温引張試験での試験片の絞り値
を用いるものであるが、一般に絞り値と疵発生傾向は一
致することが良く知られており、難加工材の連続鋳造の
際のスラブ疵は、絞り値が50%未満の時に多発する傾
向を示す。
【0011】本発明者らは多くのFe−Ni系およびF
e−Ni−Co系合金について高温引張試験を実施し、
疵発生傾向を検討した。粒界強度が低下し、粒界破壊が
支配的となるような場合、絞り値が50%未満と低延性
を示し、疵発生につながることが明らかになった。
e−Ni−Co系合金について高温引張試験を実施し、
疵発生傾向を検討した。粒界強度が低下し、粒界破壊が
支配的となるような場合、絞り値が50%未満と低延性
を示し、疵発生につながることが明らかになった。
【0012】Fe−Ni系合金の低歪速度変形下での熱
間延性低下は、本合金中に不可避的不純物として存在す
るS或いはO、Snの、粒界への偏析若しくは硫化物、
酸化物又はスズの化合物の粒界への析出に支配されてい
る。ここではSは最も悪影響を及ぼし、O、SnはSの
悪影響を助長する効果を有する。普通鋼の場合に比べ
て、Fe−Ni系合金の低歪速度変形下の熱間延性が、
不純物の影響を特に著しく受けることは、本発明の対象
とするFe−Ni系合金で不純物元素の偏析傾向が著し
く、かつ低歪速度変形時の動的析出が起こるためと考え
られる。
間延性低下は、本合金中に不可避的不純物として存在す
るS或いはO、Snの、粒界への偏析若しくは硫化物、
酸化物又はスズの化合物の粒界への析出に支配されてい
る。ここではSは最も悪影響を及ぼし、O、SnはSの
悪影響を助長する効果を有する。普通鋼の場合に比べ
て、Fe−Ni系合金の低歪速度変形下の熱間延性が、
不純物の影響を特に著しく受けることは、本発明の対象
とするFe−Ni系合金で不純物元素の偏析傾向が著し
く、かつ低歪速度変形時の動的析出が起こるためと考え
られる。
【0013】上記したような、熱間延性低下を抑制する
ためには、Sn、O、S量の特定値以下への低減と、こ
れらの不純物元素の総量に応じたCaの適量添加が必須
となる。
ためには、Sn、O、S量の特定値以下への低減と、こ
れらの不純物元素の総量に応じたCaの適量添加が必須
となる。
【0014】Snは、本合金の溶製時の鉄源としてのス
クラップから不可避的に混入する不純物元素であり、低
融点の化合物をオーステナイト粒界に形成し、粒界強度
を低下させるため、熱間延性に対しては、極めて有害な
元素である。Sn量が0.1wt%を超えると、後述す
るO、S量の低減、Caの微量添加を行なっても、本発
明で意図する700℃以上の延性を改善することができ
ない。よって、Sn量の上限は0.1wt%と定めた。
下限は特に定めないが、溶製上の経済性から0.000
1wt%以上である。
クラップから不可避的に混入する不純物元素であり、低
融点の化合物をオーステナイト粒界に形成し、粒界強度
を低下させるため、熱間延性に対しては、極めて有害な
元素である。Sn量が0.1wt%を超えると、後述す
るO、S量の低減、Caの微量添加を行なっても、本発
明で意図する700℃以上の延性を改善することができ
ない。よって、Sn量の上限は0.1wt%と定めた。
下限は特に定めないが、溶製上の経済性から0.000
1wt%以上である。
【0015】Oは、不純物元素として本合金中に存在す
るが、その含有量が、0.006wt%を超えると、本
合金中で酸化物が多くなり、特に、本発明で特徴とする
Caの微量添加を行なう場合、低融点の酸化物が多く形
成されることになり、熱間延性を低下させる。O量が
0.006wt%以下で、Sn、S量の規制とCaの適
量添加のもとに、本発明で意図する優れた熱間延性が得
られる。以上より、O量は、0.006wt%以下と定
めた。なお、下限は特に定めないが、溶製上の経済性か
ら0.0002wt%以上である。
るが、その含有量が、0.006wt%を超えると、本
合金中で酸化物が多くなり、特に、本発明で特徴とする
Caの微量添加を行なう場合、低融点の酸化物が多く形
成されることになり、熱間延性を低下させる。O量が
0.006wt%以下で、Sn、S量の規制とCaの適
量添加のもとに、本発明で意図する優れた熱間延性が得
られる。以上より、O量は、0.006wt%以下と定
めた。なお、下限は特に定めないが、溶製上の経済性か
ら0.0002wt%以上である。
【0016】Sは、本合金の700℃以上での熱間延性
を低下させる有害な元素である。特に、本合金を低歪速
度にて700℃で変形する際に、顕著に生じる粒界破壊
に強く関与している。S量が0.007wt%を超える
と、上記した粒界破壊に基づくスラブの表面割れが多発
するため、S量は0.007wt%以下に定めた。下限
は特に定めないが、溶製上の経済性から、0.0001
wt%以上である。
を低下させる有害な元素である。特に、本合金を低歪速
度にて700℃で変形する際に、顕著に生じる粒界破壊
に強く関与している。S量が0.007wt%を超える
と、上記した粒界破壊に基づくスラブの表面割れが多発
するため、S量は0.007wt%以下に定めた。下限
は特に定めないが、溶製上の経済性から、0.0001
wt%以上である。
【0017】本発明で意図する優れた熱間延性は、上記
したSn、O、S量の規制のみでは達成されない。
したSn、O、S量の規制のみでは達成されない。
【0018】図1は、Fe−Ni系合金の温度と絞り値
の関係を示すグラフである。図1の実線で示すグラフ
は、本発明合金のうち後述する実施例の表1の発明例に
おける材料No. 2に対応するものであり、Sn:0.0
03wt%、O:0.0011wt%、S:0.000
6wt%、Ca:0.0002wt%、Ca/(S+O
+0.1×Sn)=0.1である。また、点線で示すグ
ラフは、比較合金であり、Sn:0.028wt%、
O:0.0032wt%、S:0.0024wt%でC
aが無添加のものである(実施例の表1の材料No. 1
3)。この場合、温度が加工する(冷却される)に伴っ
て、絞り値は1100℃付近から急激に低下し、100
0℃近傍で40%を切る低い値になっている。その後の
温度低下によって一旦回復するが、800℃付近から再
び劣化しはじめ、700℃付近で30%程度になってい
る。これに対して、本発明の成分合金は、700℃以上
で常に高延性を示し、低歪速度変形下での熱間延性の飛
躍的な改善が見られた。なお、上記した、比較合金の7
00℃引張りでの破面は、粒界破面を呈しており、かつ
この粒界破面では、前記したSn、S、Oが濃化してい
た。このことは、これらの不純物元素により粒界が脆化
し、粒界破壊したことを示していると推察される。
の関係を示すグラフである。図1の実線で示すグラフ
は、本発明合金のうち後述する実施例の表1の発明例に
おける材料No. 2に対応するものであり、Sn:0.0
03wt%、O:0.0011wt%、S:0.000
6wt%、Ca:0.0002wt%、Ca/(S+O
+0.1×Sn)=0.1である。また、点線で示すグ
ラフは、比較合金であり、Sn:0.028wt%、
O:0.0032wt%、S:0.0024wt%でC
aが無添加のものである(実施例の表1の材料No. 1
3)。この場合、温度が加工する(冷却される)に伴っ
て、絞り値は1100℃付近から急激に低下し、100
0℃近傍で40%を切る低い値になっている。その後の
温度低下によって一旦回復するが、800℃付近から再
び劣化しはじめ、700℃付近で30%程度になってい
る。これに対して、本発明の成分合金は、700℃以上
で常に高延性を示し、低歪速度変形下での熱間延性の飛
躍的な改善が見られた。なお、上記した、比較合金の7
00℃引張りでの破面は、粒界破面を呈しており、かつ
この粒界破面では、前記したSn、S、Oが濃化してい
た。このことは、これらの不純物元素により粒界が脆化
し、粒界破壊したことを示していると推察される。
【0019】このことより、連続鋳造時での表面疵発生
を低減させるためには、本発明の成分範囲を満たすこと
が必要であると判断した。なお、連続鋳造時の曲げ、曲
げ戻しを行なう温度域としては、700℃以上1300
℃以下とすることにより、上記した連続鋳造スラブの表
面疵発生を抑制することが可能となった。特に、本発明
材は、700℃付近での延性に加え、1000℃付近の
延性も高いため、連続鋳造時の連続鋳造スラブに曲げ加
工が施される1000℃付近の熱間延性も高く、連続鋳
造時の曲げ加工時または造塊−分塊圧延時にスラブに表
面疵が発生することが抑制される。
を低減させるためには、本発明の成分範囲を満たすこと
が必要であると判断した。なお、連続鋳造時の曲げ、曲
げ戻しを行なう温度域としては、700℃以上1300
℃以下とすることにより、上記した連続鋳造スラブの表
面疵発生を抑制することが可能となった。特に、本発明
材は、700℃付近での延性に加え、1000℃付近の
延性も高いため、連続鋳造時の連続鋳造スラブに曲げ加
工が施される1000℃付近の熱間延性も高く、連続鋳
造時の曲げ加工時または造塊−分塊圧延時にスラブに表
面疵が発生することが抑制される。
【0020】次に、Sn、S、Oの各量が単独で本発明
範囲内にあって、Ca量を変化させたFe−Ni系合金
を用いて熱間引張試験を行ない、700〜1300℃に
おける絞り値の最低値を調べ、Sn、S、OとCa添加
量との関係を調べた結果、絞り値はCa/(S+O+
0.1×Sn)というパラメータで整理できることを見
い出した。その結果を図2のグラフに示す。この図より
Ca/(S+O+0.1×Sn)が0.1〜6の範囲内
で絞り値が50%以上の高延性を示し、この範囲の前後
では、絞り値は低い値を示すことが分かった。また、C
a量としては、単独で0.0001wt%以上、0.0
06wt%以下の範囲内とすることにより、上記した高
延性が得られることも分かった。
範囲内にあって、Ca量を変化させたFe−Ni系合金
を用いて熱間引張試験を行ない、700〜1300℃に
おける絞り値の最低値を調べ、Sn、S、OとCa添加
量との関係を調べた結果、絞り値はCa/(S+O+
0.1×Sn)というパラメータで整理できることを見
い出した。その結果を図2のグラフに示す。この図より
Ca/(S+O+0.1×Sn)が0.1〜6の範囲内
で絞り値が50%以上の高延性を示し、この範囲の前後
では、絞り値は低い値を示すことが分かった。また、C
a量としては、単独で0.0001wt%以上、0.0
06wt%以下の範囲内とすることにより、上記した高
延性が得られることも分かった。
【0021】このように、本発明で対象とするFe−N
i系合金の高い熱間延性能は、Sn、S、O量が単独で
それぞれ、0.1wt%以下、0.007wt%以下、
0.006wt%以下にあり、かつCa量が0.000
1〜0.006wt%以下でかつCa/(S+O+0.
1×Sn)が0.1〜6の範囲内となるようCa添加さ
れた時に得られることが判明した。
i系合金の高い熱間延性能は、Sn、S、O量が単独で
それぞれ、0.1wt%以下、0.007wt%以下、
0.006wt%以下にあり、かつCa量が0.000
1〜0.006wt%以下でかつCa/(S+O+0.
1×Sn)が0.1〜6の範囲内となるようCa添加さ
れた時に得られることが判明した。
【0022】以上がSn、S、O、Ca、Ca/(S+
O+0.1×Sn)の各量を本発明範囲内に規定した理
由である。
O+0.1×Sn)の各量を本発明範囲内に規定した理
由である。
【0023】本発明の対象とするFe−Ni系合金、F
e−Ni−Co系合金は特にインバー合金、リードフレ
ーム用42合金、PDパーマロイ等熱膨張特性や磁気特
性を主体とする物理的性質が要求される合金である。
e−Ni−Co系合金は特にインバー合金、リードフレ
ーム用42合金、PDパーマロイ等熱膨張特性や磁気特
性を主体とする物理的性質が要求される合金である。
【0024】Niは、本合金の基本成分であり、熱膨張
係数を変化させる元素であって、カラー受像管シャドウ
マスク用(以下単にシャドウマスク用という)として
は、色ずれの発生を防止するために要求される30〜1
00℃の温度域における平均熱膨張係数の上限は30×
10-6℃である。この平均熱膨張係数の条件を満たすN
i量はFe−Ni合金にあっては30〜38wt%の範
囲内である。従って、カラー受像管用シャドウマスク用
としては、Ni量を30〜38wt%の範囲内に限定す
べきである。なお、このようなNi量の範囲内でも、平
均熱膨張係数を低下させうる好ましいNi量は35〜3
7wt%であり、更には、この平均熱膨張係数をより低
下させうる更に好ましいNi量は35.5〜36.5w
t%である。
係数を変化させる元素であって、カラー受像管シャドウ
マスク用(以下単にシャドウマスク用という)として
は、色ずれの発生を防止するために要求される30〜1
00℃の温度域における平均熱膨張係数の上限は30×
10-6℃である。この平均熱膨張係数の条件を満たすN
i量はFe−Ni合金にあっては30〜38wt%の範
囲内である。従って、カラー受像管用シャドウマスク用
としては、Ni量を30〜38wt%の範囲内に限定す
べきである。なお、このようなNi量の範囲内でも、平
均熱膨張係数を低下させうる好ましいNi量は35〜3
7wt%であり、更には、この平均熱膨張係数をより低
下させうる更に好ましいNi量は35.5〜36.5w
t%である。
【0025】なお、Coを1.0wt%未満の範囲内で
含有する場合でも上記した平均熱膨張係数の上限を満足
するNi量は30〜38wt%である。このような場合
でも、平均熱膨張係数を低下させる好ましいNi量は3
5〜37wt%である。また、1〜8wt%のCoを含
有するFe−Ni−Co系合金の場合、上記した平均熱
膨張係数の条件を満たすNi量範囲は26〜38wt%
であり、また、Ni量を30〜33wt%、Co量を3
〜8wt%にすることにより、平均熱膨張係数は更に低
く優れたものとなる。
含有する場合でも上記した平均熱膨張係数の上限を満足
するNi量は30〜38wt%である。このような場合
でも、平均熱膨張係数を低下させる好ましいNi量は3
5〜37wt%である。また、1〜8wt%のCoを含
有するFe−Ni−Co系合金の場合、上記した平均熱
膨張係数の条件を満たすNi量範囲は26〜38wt%
であり、また、Ni量を30〜33wt%、Co量を3
〜8wt%にすることにより、平均熱膨張係数は更に低
く優れたものとなる。
【0026】また、ICリードフレーム用としては、半
導体素子、ガラスおよびセラミックス等との熱膨張の整
合性を保つためには、Ni量を38wt%超、52wt
%以下とすることが必要である。なお、このようなNi
量の範囲内でも、リードフレームとともに用いられる半
導体素子、ガラスおよびセラミックス等の熱膨張係数に
応じてNi量が適切に選択される。
導体素子、ガラスおよびセラミックス等との熱膨張の整
合性を保つためには、Ni量を38wt%超、52wt
%以下とすることが必要である。なお、このようなNi
量の範囲内でも、リードフレームとともに用いられる半
導体素子、ガラスおよびセラミックス等の熱膨張係数に
応じてNi量が適切に選択される。
【0027】なお、Coを1.0wt%未満の範囲内で
含有する場合でも、ICリードフレーム用としての熱膨
張の整合性を保つためのNi量は38wt%超え、52
wt%以下である。また、ICリードフレーム用材料と
してはFe−Ni−Co系合金も本発明の対象としてい
るが、この場合、Co:5〜20wt%、Ni:26〜
33wt%の範囲内であれば、ICリードフレーム用と
しての熱膨張の整合性を保つことが可能である。
含有する場合でも、ICリードフレーム用としての熱膨
張の整合性を保つためのNi量は38wt%超え、52
wt%以下である。また、ICリードフレーム用材料と
してはFe−Ni−Co系合金も本発明の対象としてい
るが、この場合、Co:5〜20wt%、Ni:26〜
33wt%の範囲内であれば、ICリードフレーム用と
しての熱膨張の整合性を保つことが可能である。
【0028】
【実施例】Fe−Ni系合金のうち代表的なインバー合
金(Fe−36Ni合金)、42アロイ(Fe−42w
t%Ni合金)、パーマロイ(Fe−45wt%Ni合
金)、コバール(Fe−30wt%Ni−17wt%C
o合金)などの各合金での発明材および比較材を電気炉
にて溶解し、炉外精錬にて、表1に示す材料を準備し、
これらの材料の高温引張試験を実施した。
金(Fe−36Ni合金)、42アロイ(Fe−42w
t%Ni合金)、パーマロイ(Fe−45wt%Ni合
金)、コバール(Fe−30wt%Ni−17wt%C
o合金)などの各合金での発明材および比較材を電気炉
にて溶解し、炉外精錬にて、表1に示す材料を準備し、
これらの材料の高温引張試験を実施した。
【0029】
【表1】
【0030】試験は700〜1300℃の温度域で歪速
度1×10-3S-1のもとで行ない、絞り値を調べて熱間
延性能を評価した。また、これらの材料を湾曲型連続鋳
造機により鋳造し、曲げ、曲げ戻しを700℃以上、1
300℃以下の温度範囲にて行ない、得られた連続鋳造
スラブの疵発生状況を調べた。疵発生傾向の判定は、ス
ラブのエッヂ断面で調べた。その定量化はスラブ断面の
単位面積において、2mm以上の深さに達するワレの表
面での長さの合計を採用した。
度1×10-3S-1のもとで行ない、絞り値を調べて熱間
延性能を評価した。また、これらの材料を湾曲型連続鋳
造機により鋳造し、曲げ、曲げ戻しを700℃以上、1
300℃以下の温度範囲にて行ない、得られた連続鋳造
スラブの疵発生状況を調べた。疵発生傾向の判定は、ス
ラブのエッヂ断面で調べた。その定量化はスラブ断面の
単位面積において、2mm以上の深さに達するワレの表
面での長さの合計を採用した。
【0031】各Fe−Ni系合金のうち材料No. 1〜N
o. 9は、本発明材であり、Sn、S、O、Caの単独
量およびCa/(S+O+0.1×Sn)が本発明範囲
内にあり、700〜1300℃での絞り値は50%以上
と後述する比較例に比べて高く、表面疵発生は比較例に
比べて著しく少ない。
o. 9は、本発明材であり、Sn、S、O、Caの単独
量およびCa/(S+O+0.1×Sn)が本発明範囲
内にあり、700〜1300℃での絞り値は50%以上
と後述する比較例に比べて高く、表面疵発生は比較例に
比べて著しく少ない。
【0032】これに対して、材料No. 10〜No. 15
は、それぞれSnの単独量が本発明規定上限を超えるも
の、Sの単独量が本発明規定上限を超えるもの、Oの単
独量が本発明規定上限を超えるもの、Caの単独量およ
びCa/(S+O+0.1×Sn)が本発明規定下限未
満のもの、Caの単独量が本発明規定上限超のもの、C
a/(S+O+0.1×Sn)が本発明規定上限超のも
のであり、いずれも700〜1300℃での絞り値は5
0%未満と本発明例に比べて低く、表面疵発生も本発明
例に比べて著しく多くなっている。
は、それぞれSnの単独量が本発明規定上限を超えるも
の、Sの単独量が本発明規定上限を超えるもの、Oの単
独量が本発明規定上限を超えるもの、Caの単独量およ
びCa/(S+O+0.1×Sn)が本発明規定下限未
満のもの、Caの単独量が本発明規定上限超のもの、C
a/(S+O+0.1×Sn)が本発明規定上限超のも
のであり、いずれも700〜1300℃での絞り値は5
0%未満と本発明例に比べて低く、表面疵発生も本発明
例に比べて著しく多くなっている。
【0033】このように、本発明合金において、Sn、
S、O、Ca、Ca/(S+O+0.1×Sn)の各量
を制御することが、700〜1300℃での熱間延性を
向上させるために必須であり、このようにすることで、
CCスラブの表面疵の発生を抑制できることが可能とな
ることが理解される。
S、O、Ca、Ca/(S+O+0.1×Sn)の各量
を制御することが、700〜1300℃での熱間延性を
向上させるために必須であり、このようにすることで、
CCスラブの表面疵の発生を抑制できることが可能とな
ることが理解される。
【0034】また、このような本発明合金では、100
0℃付近での熱間延性も高いため、造塊−分塊圧延時の
表面疵発生も極めて少なく、製造性も優れていることが
確認された。
0℃付近での熱間延性も高いため、造塊−分塊圧延時の
表面疵発生も極めて少なく、製造性も優れていることが
確認された。
【0035】
【発明の効果】本発明によって、Fe−Ni系合金又は
Fe−Ni−Co系合金を連続鋳造法または造塊−分塊
圧延法で製造する場合、表面疵発生頻度が極めて少な
く、疵取り工程を大幅に短縮でき、スラブの歩留りも向
上し、製造コストの大幅な低減が可能となり、その経済
性、生産性からみた工業的価値は極めて大きい。
Fe−Ni−Co系合金を連続鋳造法または造塊−分塊
圧延法で製造する場合、表面疵発生頻度が極めて少な
く、疵取り工程を大幅に短縮でき、スラブの歩留りも向
上し、製造コストの大幅な低減が可能となり、その経済
性、生産性からみた工業的価値は極めて大きい。
【図1】Fe−Ni系合金の温度と絞り値の関係を示す
グラフである。
グラフである。
【図2】Ca/(S+O+0.1×Sn)の値と絞り値
の関係を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若狭 浩 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、Niを30〜52%含有し、
かつ不可避的不純物としてのS、O、Snをそれぞれ
S:0.007%以下、O:0.006%以下、Sn:
0.1%以下と規制し、かつCaが0.0001〜0.
006%、かつCa/(S+O+0.1×Sn)=0.
1〜6の範囲内となるよう、添加されたことを特徴とす
る熱間加工性に優れた電子部品用Fe−Ni系合金。 - 【請求項2】 重量%で、Niを26〜38%、Co:
1〜20%を含有し、かつ不可避不純物としてのS、
O、SnをそれぞれS:0.007%以下、O:0.0
06%以下、Sn:0.1%以下と規制し、かつCaが
0.0001〜0.006%、かつCa/(S+O+
0.1×Sn)=0.1〜6の範囲内となるよう添加さ
れたことを特徴とする熱間加工性に優れた電子部品用F
e−Ni−Co系合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14606194A JPH0813101A (ja) | 1994-06-28 | 1994-06-28 | 熱間加工性に優れた電子部品用Fe−Ni系合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14606194A JPH0813101A (ja) | 1994-06-28 | 1994-06-28 | 熱間加工性に優れた電子部品用Fe−Ni系合金 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0813101A true JPH0813101A (ja) | 1996-01-16 |
Family
ID=15399200
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14606194A Pending JPH0813101A (ja) | 1994-06-28 | 1994-06-28 | 熱間加工性に優れた電子部品用Fe−Ni系合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0813101A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7226515B2 (en) | 2000-09-29 | 2007-06-05 | Hippon Yakin Kogyo Co., Ltd. | Fe—Ni based permalloy and method of producing the same and cast slab |
| JP2008070230A (ja) * | 2006-09-14 | 2008-03-27 | Hitachi Ltd | 物理量検出装置 |
-
1994
- 1994-06-28 JP JP14606194A patent/JPH0813101A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7226515B2 (en) | 2000-09-29 | 2007-06-05 | Hippon Yakin Kogyo Co., Ltd. | Fe—Ni based permalloy and method of producing the same and cast slab |
| US7419634B2 (en) | 2000-09-29 | 2008-09-02 | Nippon Yakin Kogyo Co., Ltd. | Fe-Ni based permalloy and method of producing the same and cast slab |
| US7435307B2 (en) | 2000-09-29 | 2008-10-14 | Nippon Yakin Kogyo Co., Ltd | Fe-Ni based permalloy and method of producing the same and cast slab |
| JP2008070230A (ja) * | 2006-09-14 | 2008-03-27 | Hitachi Ltd | 物理量検出装置 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040302 |
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| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040706 |