JPH08132128A - ゴム補強用高抗張力スチールワイヤの製造法 - Google Patents

ゴム補強用高抗張力スチールワイヤの製造法

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JPH08132128A
JPH08132128A JP29217294A JP29217294A JPH08132128A JP H08132128 A JPH08132128 A JP H08132128A JP 29217294 A JP29217294 A JP 29217294A JP 29217294 A JP29217294 A JP 29217294A JP H08132128 A JPH08132128 A JP H08132128A
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steel wire
plating
die
wet
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Masaki Katayama
政材 片山
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Tokyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】プレーンカーボン鋼線材を使用して引張り強度
が3800MPa以上の高抗張力を備えしかもデラミネ
ーションが発生しにくい特性を有するスチールワイヤを
製造できる方法を提供する。 【構成】C量が0.80〜1.05%のプレーンカーボ
ン鋼線材を使用し、乾式伸線後湿式伸線を行って380
0MPa以上のめっき付きスチールワイヤを得る方法で
あり、前記湿式伸線工程を2工程に分け、潤滑液温度3
5℃以下にて後半の工程で総伸線回数の半数未満の回数
で逆引きを行い、仕上げ引きをスキンパス減面比1.2
〜3.9%のダブルダイスで行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゴム補強用スチールコー
ドに好適な高抗張力スチールワイヤの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその技術的課題】タイヤ、高圧ホー
ス、などで代表されるゴム製品の補強材としてスチール
コードが利用されており、このスチールコードは一般
に、表面に真鍮めっきを施した直径が0.10〜0.4
5mmのスチールワイヤを複数本撚り合わせることで得
られる。従って、こうしためっき付きのスチールワイヤ
は優れた引張り強さが要求され、ことにラジアルタイヤ
用としては軽量化を実現するため、引張り強さが380
0MPa以上の高抗張力が要望されている。かかる特性
のめっき付きスチールワイヤを製造する方法としては、
ワイヤ材質そのものを特殊な成分組成にする手法のほ
か、製造条件すなわち熱処理や伸線条件を工夫する手法
があり、後者の例としては特開昭62−192532号
公報などに伸線前の熱処理条件が提案されている。とこ
ろで、めっき付きのスチールワイヤは上記のようにコー
ド製造時撚合加工を受け、かつゴムに埋め込まれた状態
で引張り応力や、圧縮応力、せん断応力など様々な外力
を受けるため、優れた引張り強さと同時に良好な靭性を
備えていることが必要である。この靭性に関し、一般に
は一定以上の捻回値をもって評価されていたが、捻回値
が良好であっても、コードを得るため撚り加工を施した
ときに断線を起す場合があった。すなわち、捻回値が極
端に低下する総減面率よりも低い総減面率の時点でワイ
ヤが靭性劣化を起すことがあった。これはデラミネーシ
ョンといわれる現象であり、ワイヤの捻回中にワイヤ内
部に微細な割れが発生し、図6のように、ねじりのトル
クが不安定になる状態である。したがって、ゴム補強用
のスチールワイヤとしては高抗張力でしかもデラミネー
ションが発生しにくい靭性を有することが要望される
が、上記先行技術を含めて従来では前記特性のスチール
コードを工業的に製造することが実際上困難であった。
【0003】本発明は前記のような問題点を解消するた
めに創案されたもので、その目的とするところは、プレ
ーンカーボン鋼線材を使用して引張り強度が3800M
Pa以上の高抗張力を備えしかもデラミネーションが発
生しにくい特性を有するスチールワイヤを製造できる方
法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、C量が0.80〜1.05%のプレーンカー
ボン鋼線材を使用し、これを所定中間径に伸線し熱処理
・めっき・めっき拡散処理を施した後乾式伸線を行い、
次いで目的線径まで湿式伸線を行って3800MPa以
上のめっき付きスチールワイヤを得る方法であって、前
記湿式伸線工程を2工程に分け、潤滑液温度35℃以下
にて後半の工程で総伸線回数の半数未満の回数で逆引き
を行い、仕上げ引きをスキンパス減面比1.2〜3.9
%のダブルダイスで行う方法としたものである。前記湿
式伸線工程においては、ダイスとしてアプローチ角(2
α)が8〜10°、ベアリングが0.25〜0.35d
の焼結ダイヤモンドニブを使用することが好適である。
【0005】
【作用】本発明は最終熱処理めっき後の鋼線を乾式伸線
し、次いで湿式伸線する。この時の湿式伸線条件とし
て、潤滑液温度は35℃以下とする。そして、湿式伸線
の総減面率のうちの70〜99.8%の部分の間で一旦
巻取り、その後、巻取った部分のワイヤの尻のほうから
伸線を再開する逆引きを1回以上行って所定の線径に仕
上げる。前記逆引きは伸線加工で延性が低下したワイヤ
の延性を再度高める効果と、ワイヤ表面の引っ張りの残
留応力を緩和させる効果があり、結果として引き上がり
のワイヤの靭性を高め、デラミネーションを防止するこ
とができる。また、本発明は、仕上げダイスとしてダイ
スを直列にしたダブルダイスを用い、このダブルダイス
の最終ダイスをスキンパスとし、その減面率比を1.2
〜3.9%として伸線する。このようなダブルダイスス
キンパス伸線は、伸線加工中に蓄積されるワイヤ表面の
引っ張りの残留応力を緩和させ、ほぼゼロとすることが
できるため、ねじり加工時のデラミネーションを的確に
防止することができ、さらに、前記逆引き伸線との併用
により、伸線上がりでの靭性を一段と向上することがで
きる。
【0006】以下本発明を添付図面に基いて説明する。
本発明は、工程的には、原料としてC量が0.80〜
1.05%のプレーンカーボン鋼線を使用し、一次伸線
および二次伸線により所定中間径に減面し、熱処理とめ
っきを行う。そして、このめっきした中間径鋼線を乾式
伸線し、引き続き目的径まで湿式伸線するものである。
原料としてのプレーンカーボン鋼線とは、化学的成分組
成が、C量が重量比で0.80〜1.05%、Si:
0.15〜0.35%,Mn:0.3〜0.9%残部鉄
及び不可避的不純物からなるものであり、直径が4.0
〜5.5mmのものが使用される。C量の下限を0.8
0%としたのは、これを下回るカーボン量では十分な強
度か得られないためであり、上限を1.05%としたの
は、これを上回るカーボン量では必要な靭性が得られな
いからである。一次伸線は、通常の場合と同じように酸
洗、コーティングを行い、4〜5回程度で直径3.00
〜3.50mm程度まで減面する。この段階で必要に応
じてパテンテングを行い、コーティング処理を行って4
〜5回程度の二次伸線する。これにより線径2.00〜
2.60mmの中間線材を得る。
【0007】次いで、最終熱処理・めっき・めっき拡散
工程に移る。図1はこの工程の一例を模式的に示してお
り、1は原料ワイヤボビン、2は巻取りボビンであり、
それら原料ワイヤボビン1から巻取りボビン2の間に、
加熱炉3と、パテンティング炉4と、水冷機構5と、め
っき前処理装置6と、Cuめっき槽7と、Znめっき槽
8と、熱拡散炉9を配置している。パテンティング炉4
としては流動床式のものが好適であるが、溶融鉛式、溶
融塩式のものでもよい。この例では前記熱拡散炉9の出
口側に連続してかまたは別に調整冷却装置10を設け、
これの下流に水冷機構11を配置している。前記中間径
ワイヤWは原料ワイヤボビン1から繰り出され、たとえ
ばガス直火式などの加熱炉3において900〜960℃
に加熱される。これによって均一なオーステナイト相を
形成する。ついで、中間径ワイヤWはパテンティング炉
4に送入され、ここで480〜560℃に焼入れされ、
パーライト変態される。このパーライト変態が完了する
と、水冷機構5により室温まで急冷する。
【0008】次いで中間径ワイヤWは、めっき前処理装
置6において表面の酸化被膜が除去され、電解酸洗され
る。これらの条件は通常と同じである。そして、次にC
uめっき槽7とZnめっき槽8を通されることで表面に
CuめっきとZnめっきが層状に施される。Cuめっき
やZnめっきは通常の条件で足りる。次にめっき付き中
間径ワイヤWは熱拡散炉9において加熱される。熱拡散
炉9は好適には流動床式熱拡散炉が用いられる。ここで
めっき付き中間径ワイヤWは、480〜560℃で5〜
15秒間、再加熱される。この再加熱によってプレーン
カーボン鋼線Wの組織のフェライト中の固溶カーボンが
拡散可能な状態となる。再加熱温度の下限は480℃で
あり、これを下回る温度では2層めっきを有効に熱拡散
することができない。上限の560℃を超える温度では
セメンタイトの再固溶が生じ、引張り強さが低下するの
で避けなければならない。
【0009】拡散めっき付き中間径ワイヤWは次いで調
整冷却装置10に入り、ここで所定条件で徐冷される。
調整冷却装置10としては、たとえば、ヒータ付きのト
ンネル炉や温風炉が用いられ、拡散めっき付き中間径ワ
イヤWは400℃以下の温度好ましくは300℃以下
(但し室温以上)まで、冷却速度25〜50℃/secで
冷却される。前記再加熱とこの徐冷によってスチールワ
イヤ組織のフェライトマトリックス中に固溶しているカ
ーボンはセメンタイト上に析出が進み、これによってワ
イヤの加工限界が向上する。冷却速度が25℃/sec以
下ではライン全長が長くなりすぎ、50℃/secを超え
る温度ではフェライト中の固溶カーボンの析出が不十分
となるため、いずれも不可である。そして、前記400
℃以下の温度好ましくは300℃以下まで徐冷した後
は、水冷機構11により室温まで急冷され、巻取りボビ
ン2に巻収される。
【0010】以上のようにして巻き取られた拡散めっき
付き中間径ワイヤは、ついで10〜14回引きにより減
面率88〜93%まで乾式伸線される。拡散めっき付き
中間径ワイヤWを直ちに目的径まで湿式伸線するのでな
く、目的径の89.5〜93.9%の範囲の所定径まで
乾式伸線するのは、最終仕上り線径でのワイヤの靭性を
維持するため、摩擦係数が低い乾式伸線を導入し、靭性
の劣化を抑制するためである。伸線機は図示しないが入
口側のペイオフと出口側の巻取り機の間の本体にダイス
を所定間隔で配すとともに、各ダイスの下流側に引抜き
ブロックと対ロールからなるアイドラを配し、引抜きブ
ロックを高速回転させて拡散めっき付き中間径ワイヤを
連続的に引張る。前記ワイヤは引抜きブロックの大径側
からブロック表面にスパイラル状に巻き付けられ、約6
0〜120回巻き付けられた状態で出側から次のダイス
に導かれる。この時の伸線条件は、ダイスとして合金ダ
イスが用いられ、線速200〜600m/minの条件
で行われる。
【0011】線速が200m/min未満では生産性が
低く、600m/minを超える速い速度では、この時点
でワイヤが脆化するので適当ではない。ダイスはアプロ
ーチ角(2α)が8〜10°、ベアリングが0.25〜
0.35d(dは線径)が好適である。この理由はワイ
ヤの引張強さが上昇し、靭性も維持されるためであり、
アプローチ角が8°未満では引抜き抵抗が高くなりす
ぎ、10°を超える大きなものではワイヤの引張強さが
低く、靭性も悪くなるため不可である。ワイヤのダイス
出口温度は170℃以下が好ましい。それは歪時効を防
止するためであり、これは引抜きブロックの内部にスプ
レーノズルを配して大量の冷却水をブロック内面に作用
させる方法などで実現できる。
【0012】このようにして乾式伸線工程を終えて巻取
られた拡散めっき付き細径ワイヤは湿式伸線機により目
的径まで伸線される。この湿式伸線工程において、本発
明は次の条件を採用する。 (1)ダイスはアプローチ角(2α)が8〜10°、ベア
リングが0.25〜0.35d(dは線径)の焼結ダイ
ヤモンドニブを使用する。 (2)線引き数は8〜14回であり、このうち後半の線引
き工程で1回以上半数未満を逆引きにて行う。 (3)最終引きはダブルダイスで行い、スキンパスの減面
比を約1.2〜3.9%として行う。 (4)線速は100〜500m/min、潤滑液温度を3
5℃以下に制御する。
【0013】詳しく説明すると、図2と図3はこの湿式
伸線工程を模式的に示しており、13aは前引き用湿式
伸線部、13bは逆引き用伸線部であり、各伸線部13
a,13bには潤滑液槽130a,130bが設けら
れ、これに通常のスチールコード用潤滑剤を水に濃度1
0〜30%溶解した潤滑液14が収容されている。前記
各潤滑液槽130a,130b内には、それぞれ潤滑液
14に浸漬されるように平行状に一対のキャプスタン1
5,15’が回転自在に横架され、下流側のキャプスタ
ン15’は図示しない可変速モータにより駆動されるよ
うになっている。そして前引き用伸線部13aの一対の
キャプスタン15,15’の間には複数個の前引き用ダ
イス17が、また逆引き用伸線部13bの一対のキャプ
スタン15,15’の間には少なくとも1個以上でかつ
前引き用伸線部のダイス数よりも少ない数の逆引き用ダ
イス18が配置され、キャプスタン15,15’の溝に
掛けられたワイヤが順次ダイスを通ることにより引き抜
かれるようになっている。前記前引き用湿式伸線部13
aの上流には拡散めっき付き細径ワイヤW’のリール1
9が配され、前引き用湿式伸線部の下流にはトラバーサ
200を介して巻取りリール20が配されている。逆引
き用伸線部13bの上流側には前引き用湿式伸線部13
aの巻取りリール20がペイオフ側リールとして装備さ
れ、下流側には最終製品としてのめっき付き抗張力ワイ
ヤW”の巻取りリール25が装備されている。
【0014】図4は前引き用伸線部13aの一つの前引
きダイスを示している。図5は逆引き用伸線部13bの
仕上げダイス18’を示しており、ノーマルダイス18
aとスキンパス用ダイス18bを近接して直列に配置
し、所定減面率を2分割して得るようにしている。いず
れのダイスも、ダイスホルダ21に焼結ダイヤモンド製
のニブ22を内蔵したダイス23が固定されており、ニ
ブ22のアプローチ部220の角度(2α)は8〜10
°、ベアリング部221の寸法は0.25〜0.35d
となっている。限定理由を説明すると、ニブとして焼結
ダイヤモンドを使用するのは摩擦により、ダイス径が大
きくなり、スキンパス減面率が変化するのを防ぐためで
ある。また、アプローチ角度を限定したのは、8°未満
では引抜抵抗力が高くなり、10°以上ではワイヤの靭
性が劣化するためである。ベアリング寸法を限定したの
はベアリングが長いと、ワイヤとの接触面積が大きくな
り、ワイヤの発熱が高くなるからである。
【0015】湿式伸線の引き回数を8〜14回としたの
は、ワイヤの靭性を考慮したためであり、下限を下回る
回数では、1パス当りの減面率が大きくなりすぎワイヤ
の靭性が劣化する。また、上限を超える回数では抽き回
数が多くなりすぎ、ワイヤの靭性が劣化する。ダイスに
よる毎回の減面率は、後段ほど低い減面率になるように
するが、これだけでなく、仕上げダイス18’として、
通常ダイス18aとスキンパス用ダイス18bを用い
る。これは、ワイヤの表面部の引っ張りの残留応力を開
放し、ほぼゼロとすることで、デラミネーションを防止
するためである。しかし、仕上げ減面率でのスキンパス
用ダイス18bによるスキンバス減面比は、これが4.
0%以上とあまり大きすぎては残留応力の緩和作用が少
なく、逆に1.1%以下とあまり小さくても、加工量が
小さすぎて残留応力の緩和作用が少ない。もっとも好適
には1.2〜3.9%であり、デラミネーションを的確
に防止できる。
【0016】さらに本発明は、デラミネーションを防止
するため逆引きを併用する。この理由は、前引きだけで
はワイヤ表面の残留応力が引っ張り側に大きくなりす
ぎ、ねじり加工時にデラミネーションが発生するが、逆
引きを行うことでワイヤ表面の残留応力が緩和され、デ
ラミネーションが防止されるからである。この逆引きは
湿式伸線の後半の工程で、かつ1回以上半数未満で行わ
れる。これを減面率との関係で言うならば、湿式伸線の
総減面率の70〜99.8%の段階であり、逆引き法と
しては前記減面率に達した段階で図2のように巻取りリ
ール20に一旦巻取り、その巻取りリール20を逆引き
用伸線部13bに取り付けて巻き取った尻の部分から伸
線を行えばよい。
【0017】また湿式伸線での線速を50〜300m/
minとし、かつ潤滑液温度を35℃以下とするのは、
ワイヤ温度を制御してデラミネーションの発生を防止す
るためである。このため、図3に示すように槽外には循
環ポンプ140と冷却機141が設けられ、潤滑液を槽
から強制的に抜きこれを冷却して槽に戻す循環系とする
ことにより潤滑液は操業中35℃以下好適には30〜3
5℃に温度制御される。これにより、線速と相まって上
がりワイヤ温度を150℃以下にすることができる。
【0018】
【実施例】次に本発明の実施例を示す。 1)本発明によりタイヤコード用ブラスめっきスチール
ワイヤを製造した。原料線材は、直径5.5mmのプレ
ーンカーボン材を用いた。その成分組成は、C:0.8
4%、Si:0.22%,Mn:0.50%残部鉄及び
不可避的不純物である。該原料線材を前処理して直径
3.45mmまで5回引きで一次伸線し、パテンティン
グ後、直径2.35mmまで5回引きで二次伸線した。
この中間径ワイヤを熱処理・めっき・めっき拡散処理し
た。その条件は、まずガス直火式加熱炉で950℃に加
熱し、続いて500℃の流動床式パテンティング炉で焼
き入れし、パーライト変態終了後直ちに水冷した。この
時の引張り強さは132kgf/mm2であった。次い
で、デスケーリング、電解酸洗後、Cu浴とZn浴を通
すことによってCuおよびZnを2層めっきした。めっ
きはCu64.0%、付着量4.1g/kgである。続
いて、流動床式拡散炉にて再加熱し、熱拡散兼引抜き加
工性向上のための再加熱を行った。炉温は約600℃と
し、30秒間保持した。そして引き続き、併設の熱風炉
型ボックスで250℃まで8秒をかけて徐冷(冷却速度
37.5℃/sec)し、その後室温まで水冷し、巻き取っ
た。
【0019】2)次いで連続乾式伸線機により直径0.
70mm(減面率91.1%)まで乾式伸線した。ダイスは
アプローチ角10°、ベアリング0.30dの合金ダイスを使
用し、線速400m/min、11回引きで行った。次
いで、図2と図3に示す湿式伸線機により仕上げ直径
0.28mmのブラスめっきスチールワイヤを得た。潤
滑液は濃度10%の通常の湿式潤滑液を使用し、冷却循
環系により液温を32℃に保った。この工程のダイスは
アプローチ角10°、ベアリング0.30dを用い、線
速60m/minで11回引きした。そのうち6回を前
引きで行い(湿式伸線部分の総減面率の74.7%)、こ
の前引きを終えたワイヤをリールに巻取り、そのリール
を逆引き用湿式伸線機のペイオフ側に取付けて5回の逆
引きを行った。最後に仕上げダイス(ダブルスキンパス
ダイス)に導入し、減面率11%で逆引きした。このと
きのノーマルダイスによる減面率を9.0%とし、スキ
ンパス用ダイスによる減面率を2.0%とした。行程中
ワイヤ温度は150℃以下に保たれ、上がりワイヤ温度
は135℃であった。
【0020】3)以上のようにして得られたワイヤの特
性は、引張り強さ4085MPaであり、かつ100d
の捻回値は31回であった。しかもこの時のねじり回数
−トルク(ねじり速度30rppm)をねじり−トルク試験機で
測定したところ、デラミネーションの発生はなかった。
比較のため、ダイスアプローチ角を12°とし、他を上
記条件として湿式伸線した結果は、引張り強さ3960
MPa、捻回数25回で、デラミネーションは不合格であ
り、かつ伸線中に断線が多発した。また、前引き回数を
5回(湿式伸線部分の総減面率の67%)とし、逆引き回
数を6回とし、他を上記条件として湿式伸線した結果
は、引張り強さ4079MPa、捻回数20回で、デラミ
ネーションは不合格であった。また、仕上げダイスのス
キンパス用ダイスでの減面率を4.0%とし、他を上記
条件として湿式伸線した結果は、引張り強さ3995MP
a、捻回数22回で、デラミネーションは不合格であっ
た。仕上げダイスのスキンパス用ダイスでの減面率を
1.0%とし、他を上記条件として湿式伸線した結果
は、引張り強さ3981MPa、捻回数23回で、デラミ
ネーションは不合格であった。潤滑液温度を50℃と
し、他を上記条件として湿式伸線した結果は、引張り強
さ4085MPa、捻回数21回で、デラミネーションは
不合格であった。これはワイヤ温度が150℃以上に高
くなったためである。以上のことから、所定条件の逆引
きと、所定減面比のダブルダイスと、所定ダイスアプロ
ーチ角と、潤滑液温度条件の相乗効果によって高抗張力
特性とアンチデラミネーション特性が得られることが明
らかである。
【0021】実施例2 熱処理・メッキ・めっき拡散を直径2.45mmで行
い、他を実施例1と同条件で伸線したところ、引張り強
さ4189MPa、捻回数29回(100d)、デラミネーシ
ョン合格の良品が得られた。
【0022】
【発明の効果】以上説明した本発明によるときには、プ
レーンカーボン鋼線材を使用して引張り強度が3800
MPa以上の高抗張力でしかもデラミネーションが発生
しにくい特性を有するゴム補強用スチールワイヤを容易
に製造することができるというすぐれた効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱処理・めっき・めっき拡散工程の概
要を示す説明図である。
【図2】本発明における湿式伸線工程を模式的に示す平
面図である。
【図3】図2の前引き用伸線部と逆引き用伸線部の断面
図である。
【図4】前引き伸線状態を示す断面図である。
【図5】仕上げ伸線状態を示す拡大断面図である。
【図6】めっき付きスチールワイヤのトルク−捻回の関
係を示す線図である。
【符号の説明】
13a 前引き伸線部 13b 逆引き伸線部 14 潤滑液 18’ 仕上げダイス 18a ノーマルダイス 18b スキンパス用ダイス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 5/04 CEQ C22C 38/00 301 Y

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C量が0.80〜1.05%のプレーンカ
    ーボン鋼線材を使用し、これを所定中間径に伸線し熱処
    理・めっき・めっき拡散処理を施した後乾式伸線を行
    い、次いで目的線径まで湿式伸線を行って3800MP
    a以上のめっき付きスチールワイヤを得る方法であっ
    て、前記湿式伸線工程を2工程に分け、潤滑液温度35
    ℃以下にて後半の工程で総伸線回数の半数未満の回数で
    逆引きを行い、仕上げ引きをスキンパス減面比1.2〜
    3.9%のダブルダイスで行うことを特徴とするゴム補
    強用高抗張力スチールワイヤの製造法。
  2. 【請求項2】ダイスとしてアプローチ角(2α)が8〜1
    0°、ベアリングが0.25〜0.35dの焼結ダイヤ
    モンドニブを使用して行う請求項1に記載のゴム補強用
    高抗張力スチールワイヤの製造法。
JP29217294A 1994-11-01 1994-11-01 ゴム補強用高抗張力スチールワイヤの製造法 Pending JPH08132128A (ja)

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