JPH081326A - 水中加工装置 - Google Patents

水中加工装置

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JPH081326A
JPH081326A JP6135325A JP13532594A JPH081326A JP H081326 A JPH081326 A JP H081326A JP 6135325 A JP6135325 A JP 6135325A JP 13532594 A JP13532594 A JP 13532594A JP H081326 A JPH081326 A JP H081326A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、高品質な加工部をもつ水中加
工を行うための水中加工機を提供することにある。 【構成】高速気流を噴出する第1のノズルと、第1のノ
ズルの外周部に可撓性を有する第1のノズルの気密性を
保持するような固体隔壁を備え、該固体隔壁の裾部を外
周側から押圧する機構を備えた水中加工機。 【効果】従来の局部シールド水中溶接方法に比べ、気密
性のよい雰囲気下で水中加工ができるため、従来の加工
法による加工部に比べブローホール等の少ない優れた品
質の加工部を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水中で加工を行う装置
に係り、特に原子力装置,船舶,橋梁などの関連機器の
設置,修理,加工のために切断,研削,溶接,表面処理
を行う水中加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水中で金属や非金属を加工する場
合、例えば水中溶接の場合は、水を排除しない雰囲気で
被覆アーク溶接を行う湿式法は継手部にブローホール等
の欠陥が生じやすく信頼性の点で問題があった。また、
溶接部全体を排水室で覆い、その中で水を空気又はシー
ルドガスで置換した後、陸上での溶接法をそのまま適用
した乾式法の場合は、被溶接物の形状に応じた排水室が
必要となるため、その設備に多大な経費を要した。
【0003】そのため、加工部分の水を局部的に排除し
た空洞を作り、その空洞内で溶接や表面処理などの加工
を行う局部乾式法(以後、局部シールド法と記述する)が
水中加工においては主流となっている。
【0004】上記、局部シールド法による加工では、局
部シールド内から水を安定に排除することが重要とな
り、これに関して多くの方法が提案されている。例えば
特開昭49−79939 号公報では、シールドガスノズルを三
重にし、第1の放射ノズルからはシールドガスを第2の
放射ノズルからは気体の高速噴流を第3の放射ノズルか
らは水の高速噴流を放射し、シールド内の安定した気相
領域を形成する方法が開示されている。また、実開昭55
−116785号公報では、局部シールドの裾部に炭素繊維等
で構成されたスカート形仕切材を有する溶接用トーチが
開示されている。これらの方法でも通常の水中加工用途
に対しては十分な品質の加工部を得ることができた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、原子力関連装
置など加工部の品質向上が強く要望される分野では、局
部シールド内の微量の水分の残存が問題となる。また、
船舶,橋梁等補修等の一般的な分野でも、信頼性の高い
加工部を得ることができることが望ましい。最終的に
は、前述した溶接部全体を排出室で覆い、その水を空気
又はシールドガスで置換した乾式法を用いて得られる加
工部にできるだけ近い加工部を得ることが最も望ましい
が、上記従来技術ではその達成が困難であった。特開昭
49−79939 号に開示されている発明では、第3ノズルか
らの水の高速噴流でウォータカーテンを形成して局部シ
ールド内への水の浸入を防いでいるが、被加工物が複雑
形状である場合には形成されるウォータカーテンでは、
水の浸入を完全には防止することができない可能性があ
る。また実開昭55−116785号では溶接機の押し付け力を
作業者の力加減に頼っており、水の浸入を防ぐには熟練
を要する。また、原子炉内の補修は放射線の影響のため
実現できない。
【0006】本発明は上記の問題点を解決し、水中下の
複雑な形状部材の加工でもシールド内への水の浸入を防
止し、信頼性の高い加工ができる局部シールド機構を備
えた水中加工装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、水中で水を局部的に排除しながら
被加工物を加工する加工機を備えた水中加工装置におい
て、高速気流を噴出し局部的に水を排除するための高速
気流放出ノズルと、該ノズルの外周部に前記ノズル内の
気密性を保持できる形状の可撓性を有する固体隔壁を、
少なくとも2層以上備えている水中加工装置が提供され
る。
【0008】また、上記水中加工装置において、高速気
流を噴出し局部的に水を排除するための第1のノズル
と、前記第1のノズル内の気密性を保持できるような形
状の可撓性を有する固体隔壁を前記第1のノズルの外周
部に少なくとも1層備え、更に、前記固体隔壁の裾部を
該固体隔壁の外周部から被加工物の表面に押圧するため
の機構を備える水中加工装置が提供される。
【0009】また、上記水中加工装置において、高速気
流を噴出し局部的に水を排除するための第1のノズル
と、前記第1のノズル内の気密性を保持できるような形
状の可撓性を有する固体隔壁を前記第1のノズルの外周
部に少なくとも1層備え、更に、高速流体を噴出し、前
記固体隔壁の裾部を被加工物の表面に押圧するための第
2のノズルを該固体隔壁の外周部に備える水中加工装置
が提供される。
【0010】また、上記水中加工装置において、高速気
流を噴出し局部的に水を排除するための第1のノズル
と、前記第1のノズル内の気密性を保持できるような形
状の可撓性を有する固体隔壁を前記第1のノズルの外周
部に少なくとも1層備え、更に、高速流体を噴出し、前
記固体隔壁の裾部を被加工物の表面に押圧するための第
2のノズルを該固体隔壁の外周部に備え、更に、前記固
体隔壁を被加工物の表面に弾性体を用いて押圧する水中
加工装置が提供される。
【0011】また、上記水中加工装置において、高速気
流を噴出し局部的に水を排除するための第1のノズル
と、前記第1のノズル内の気密性を保持できるような形
状の可撓性を有する固体隔壁を前記第1のノズルの外周
部に少なくとも1層備え、更に、前記固体隔壁の裾部を
該固体隔壁の外周部から被加工物の表面に弾性体を用い
て押圧する水中加工装置が提供される。
【0012】また、上記の構成の水中加工装置におい
て、前記第1のノズルと固体隔壁は、それぞれ独立に移
動できる機構を備えることが好ましい。
【0013】また、上記水中加工装置において、前記高
速流体は空気,不活性ガス,水のいずれかであることが
好ましい。
【0014】また、上記水中加工装置において、前記可
撓性を有する固体隔壁は炭素繊維,シリコンウール,ガ
ラス繊維,セラミック繊維の群から選ばれた1種以上の
繊維から作製された布を加工したものからなることが好
ましい。
【0015】また、上記水中加工装置において、前記第
1のノズル内に雰囲気を感知するセンサーを備え、該セ
ンサーからの信号によって、前記固体隔壁の裾部を被加
工物の表面に押圧する押圧力を制御する機構を備えるこ
とが好ましい。
【0016】また、上記水中加工装置において、前記加
工機はアーク溶接機であってもよい。
【0017】また、上記水中加工装置において、前記加
工機はレーザー加工機であってもよい。
【0018】
【作用】本発明の第1は、高速気流を噴出し局部的に水
を排除するための高速気流放出ノズルと、該ノズルの外
周部に前記ノズル内の気密性を保持できる形状の可撓性
を有する固体隔壁を、少なくとも2層以上備えているこ
とを特徴とする水中加工装置である。従来の水中加工装
置では、水を遮蔽するための固体隔壁は1層であった
が、この場合シールド内から大きな気泡が放出される
と、その圧力でシールド内の気密が保持できなくなり、
水が浸入する可能性があった。固体隔壁を2層以上備え
ることにより、隔壁と隔壁の間の空間が水の浸入を防ぐ
ため気密の保持が可能となる。固体隔壁は例えば円筒
状,らっぱ状の形状を同心円状に重ね合わせた構造をし
ており、重ね合わせた固体隔壁の数を1層,2層と表現
している。気密性向上のためには、固体隔壁の間にある
程度の空間が必要である。この空間は、あまり大きすぎ
ても気密性保持の効果が少なくなる。前記ノズル内空間
の体積以下の空間体積であることが望ましい。
【0019】また、本発明の第2は、高速気流を噴出し
局部的に水を排除するための第1のノズルと、前記第1
のノズル内の気密性を保持できるような形状の可撓性を
有する固体隔壁を前記第1のノズルの外周部に備え、更
に、前記固体隔壁の裾部を該固体隔壁の外周部から被加
工物の表面に押圧するための機構を備える水中加工装置
である。
【0020】上記発明における特徴は可撓性を有する
固体隔壁が被加工物の微妙な凹凸に合わせて変形し、第
1のノズル内の気密性を保持する。固体隔壁を外周部
から被加工物の表面形状に合わせて押し付けることによ
り固体隔壁の被加工物表面への密着性が向上し、気密性
がより高まる。水中加工装置の水深や水深方向に対す
る溶接装置の向きに応じて、固体隔壁の外周部からの押
圧力を可変することによって、第1のノズル内の気密性
が最も良くなるように適宜に調節できる。これは固体隔
壁の外周部からの押圧力として、固体隔壁の外周部に第
2のノズルを備えた場合、第2のノズルからの高速流体
の流量を調節することによって、より微妙に押圧力を調
整可能となる。第1のノズル内に湿度センサーを設
け、湿度が最も低くなるように、固体隔壁の押圧力をコ
ンピュータを用いてフィードバック制御することによ
り、より気密性を高めることができる。
【0021】従来の技術においては、バネ,油圧,水圧
により固体隔壁を被加工物表面に押し付ける方法は知ら
れていたが、その方法は、固体隔壁を隔壁端部(被加工
物に接している側と反対側の端部)から押し付けるもの
であった。この方法では固体隔壁と被加工物表面接触部
の気密性が十分でない場合が生じる可能性があった。特
に、固体隔壁の構成材料が可撓性の良いものである場
合、その傾向が強かった。この問題に対し、本発明者ら
は固体隔壁の裾部(固体隔壁と被加工物表面の接触部近
傍)の外周部から押圧力を加えることによって第1のノ
ズル内の気密性を向上させることができることを見いだ
し本発明に至ったものである。この固体隔壁外周部から
の押圧力としては、バネ,ゴム等の弾性体を用いても良
いし、固体隔壁の外周部に第2のノズルを備えて、第2
のノズルから高速流体を固体隔壁の外側から固体隔壁に
沿って流すことにより、その流体の圧力により押し付け
ても良い。また、弾性体と第2のノズルからの高速流体
を併用してもよい。これらの固体隔壁の押圧力を変化さ
せれば、水中加工装置の水深,水深方向に対する溶接装
置の向きに応じて、第1のノズル内の気密性が最も良く
なるように調節できる。
【0022】その場合、気密性向上のキーとなるのは、
固体隔壁の形状である。固体隔壁が可撓性をもつ材料
で、できており更にらっぱ状にひろがった形状をしてい
ないと、固体隔壁の裾部を上記のように被加工物の表面
に押し付けることができない。更に、固体隔壁を第2の
ノズルの高速流体の噴出だけでなく、バネ,ゴム等の弾
性体での押圧を併用することによって、高速流体の噴出
量を低減できるため、第2のノズルや高速流体を移送す
る管の設計が容易となる。
【0023】また、第1のノズルと固体隔壁は単独に移
動する機構を備えることにより水中での加工と水のシー
ルドが容易となり、品質の高い水中加工が可能となる。
例えば、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接法によって
水中で溶接や表面処理を行う場合、溶接を開始する際、
アークを発生させるために、電極の先端を被加工部材の
表面に接触させ、アークの発生と同時に再度、基の位置
に戻る必要がある。ここで、前記、電極と一体となって
いる第1の水シールド用のノズルは固体隔壁と単独に移
動するため、固体隔壁は被加工部材の表面に接触した状
態で、前記、水シールド用のノズルだけを上下に移動で
きる。従って、固体壁より加工部への水の浸入が阻止さ
れ、安定した溶接が可能となる。
【0024】また、第2のノズルから噴出する高速流体
は空気,不活性ガス,水のいずれかであればよい。水中
加工を行う場合は、高速水流を用いると、空気,不活性
ガスに比べ効率の良い押圧力が得られるが、高速水流を
発生させるための設備が必要となる。空気,不活性ガス
を使用した場合は、高圧ガスボンベより減圧器を通して
第2のノズルに気体を供給すれば良いだけなので、設備
は高速水流を用いた場合に比べ簡略になる。高速流体と
して空気,不活性ガス,水のいずれを使うかはコストそ
の他の要求に合わせ適宜選択される。
【0025】固体隔壁の材質としては、炭素繊維,シリ
コンウール,ガラス繊維,セラミック繊維の単独または
それらの組合わせから構成されることが望ましい。固体
隔壁の材質としては、加工が溶接の場合には、高温のス
パッタが飛散するため耐熱性が要求される。また、被加
工物の表面の凹凸に合わせ変形して、高度の気密性を保
持するため可撓性が要求される。それらの要求を満たす
材料として、上記材質が選択される。炭素繊維は、可撓
性に優れ、他の材料に比べ価格が安いというメリットが
あるが、耐酸化性はあまり優れない。セラミック繊維は
耐酸化性は優れるものの、価格が炭素繊維に比べ高く、
可撓性も炭素繊維に比べると劣る。シリコンウール,ガ
ラス繊維はそれらの中間の性質をもっており、水中加工
機の必要特性に応じて適宜材質を選択する。固体隔壁は
これらの繊維を布状に織りあげたものを用い、それらを
適宜加工したものを用いる。加工とは、短冊上に切断
し、それらを複数枚重ねて円錐形のスカート状にするな
どのことをいう。布の厚さは0.5mm 以上が好ましい
が、あまり厚くなると可撓性が劣るため、5mm厚さを限
度として用いることが好ましい。
【0026】また、第2のノズルを用いる場合は、第2
のノズルの高速流体の流量は、第1のノズル内の気密性
が最も良くなるように調整されることが望ましい。この
調整は、第1のノズル内の気密性を常に監視し、水の浸
入が生じた場合は、高速流体の流量を多くし、固体隔壁
の被加工物への密着性を向上するようにすることが望ま
しい。また、高速流体の流量を多くすれば、気密性は向
上するが、過剰の流量は不経済なため、適当な流量を流
すことが望ましい。このため、第1のノズル内に湿度セ
ンサー,温度センサー,酸素センサー等を備付け、それ
らセンサーの情報に応じて、高速流体の流量を変化させ
る機構を設けることが望ましい。この調整にはマイクロ
コンピュータによる高速演算システムを用いて、リアル
タイムで制御することが最も望ましい。
【0027】また、水中加工装置としてアーク溶接機を
用いた場合は、被加工物の亀裂の補修等に適用できる。
【0028】水中加工装置としてレーザー加工機を用い
た場合は、微細な加工が可能になり、また、表面処理に
も適用できる。
【0029】以上の水中加工装置の第1のノズルには加
工用のノズルも備えられている。つまり、水を排除する
ための第1の水シールド用のノズルの内部に、加工用ノ
ズルが備えられ、これが一体化されている。なお、水を
排除するための第1のノズルから排出されるガスは、加
工部分を外気から保護するためのシールドの効果も有し
ている。加工用のノズルとしては、溶接,表面処理,切
断などのトーチ先端部分である。例えば、TIG溶接用
のタングステン電極,レーザ熱源先端の加工レンズやミ
ラー機構,溶射用のノズルなどである。
【0030】
【実施例】
(実施例1)図1に本発明の第1の実施例を示す。局部
的に水を排除する水シールド用ノズル1とその外周部に
水を遮蔽する固体隔壁4を備え、これらは単独に移動が
可能で更に固体隔壁4は加圧バネ5によって被加工部材
表面6の表面に押し付けられる機構を有し、更に前記固
体隔壁4の外周に水を排除,遮蔽する第2のノズル、即
ち、固体隔壁を加圧するための固体隔壁加圧用ノズル1
0を備えた加工装置である。固体隔壁4の裾部11は圧
縮空気又は圧縮ガスあるいは噴流水(すべて12と記
載)によって常に被加工材の表面に押圧され、被加工材
の表面に安定に接触している。このため、加工部材の表
面形状に応じて移動させながら水を安定して排除でき
る。従って、複雑形状の加工部材でも水中で安定に溶接
ができる。固体隔壁はカーボン繊維からなる厚さ0.5m
m の布をらっぱ状に10枚重ねて成型したものを使用し
ている。またシールドガスはArガスを用いた。
【0031】(実施例2)本発明をレーザー熱源により
原子炉装置機器の部材表面を加熱処理する表面改質に適
用した実施例を具体的に説明する。図2に本実施例で使
用したレーザー光13とその加工用のレンズ14並びに
水シールド用ノズル1の構造を示す。図2に示すよう
に、水を排除するための第1の水シールド用ノズル1の
内部には、表面改質用のレーザー加工用レンズ14が配
置され、これらが一体になっている。この場合の加工部
分を外気から保護するためのシールドガスは加工用のガ
ス吸入管15によって吸入される。
【0032】なお、水シールド用ノズル1の外側には水
を遮蔽するための固体隔壁4が配置されている。この固
体隔壁4は加圧バネ5及び固体隔壁の裾部加圧バネ16
によって被表面改質部材表面17に押し付けられる機構
を有している。ここで、第1の水シールド用ノズル1と
固体隔壁4は、前記、水シールド用ノズルの軸方向に対
して、単独に移動する構造になっている。これによっ
て、次に述べるように、水中での加工と水のシールドが
容易となり、品質の高い水中での表面改質が可能とな
る。
【0033】例えば、レーザー熱源により水中で表面改
質や熱処理を行う場合、被表面改質部材表面17に対す
るビーム光の焦点距離及びノズル高さを一定に保つこと
が重要である。本装置には、被表面改質部材表面17に
対するビーム光の焦点距離及びノズル高さを一定に制御
できる装置が備えられている。ここで、前記加工レンズ
14と一体となっている第1の水シールド用ノズル1は
固体隔壁4と単独に移動する。このため、水シールド用
の第1のノズルが上下に移動した場合でも、固体隔壁4
は被表面改質部材表面17に接触した状態で、水シール
ド用ノズル1だけが上下に移動できる。従って、加工部
への水の浸入が固体隔壁4によって阻止され、安定した
溶接が可能となる。
【0034】なお、本実施例ではカーボン繊維からなる
固体隔壁を使用し、シールドガスにはHeガス18を用
いた。
【0035】一方、両者の移動により母材表面との距離
が任意に調節できる。従って、開先形状および溶接姿勢
が変化した場合においても固体隔壁4を被表面改質部材
表面に十分に安定して接触できるため、水中下において
も安定した表面改質が可能となり、信頼性の高い表面改
質接部が得られる。
【0036】(実施例3)図3は本発明の水中溶接加工
装置を原子力プラント圧力容器内のシュラウド82へ適
用した例を示す。原子力プラントにおける炉内構造物は
多量の放射線が発せられている。このため、作業者の安
全を考慮して補修溶接は遠隔自動制御で行う必要があ
る。従って、水中溶接装置は、大気中(圧力容器の外あ
るいは水の影響の無い箇所)に設置された溶接電源85
より電力を供給し、制御装置86により任意の溶接条件
を与え、ケーブル87を通じ水中に設置された水シール
ドノズル88内の溶接トーチ89からアークを発して溶
接を行う。
【0037】図4に本実施例で使用した水シールドノズ
ル88の詳細構造を示す。
【0038】図4に示すように、水を排除するための水
シールドノズル88の内部にはシールド内から水を排除
するための水シールド用ノズル1とTIG溶接用のタン
グステン電極2が配置され、該水シールド用ノズル1と
一体になっている。なお、該水シールド用ノズル1から
はシールド内の水を排出するため、高速気流のガス3が
噴出される。該高速気流のガス3は加工部分を外気から
保護するためのシールドの効果も有している。
【0039】一方、該水シールド用ノズル1の外側には
水を遮蔽するための固体隔壁4及び4aが二重に配置さ
れている。ここで、該水シールド用ノズル1と固体隔壁
4aは、該水シールド用ノズル1の軸方向に対して、加
圧バネ5によって単独に移動する構造になっている。こ
れによって、次に述べるように、水中での加工と水のシ
ールドが容易となり、品質の高い水中での加工が可能と
なる。
【0040】例えば、TIG溶接法によって水中で溶接
や表面処理を行う場合、溶接の開始の際、アーク7を発
生させるため、タングステン電極2の先端を被加工部材
表面6に接触させ、アークの発生と同時に再度、基の位
置に戻る必要がある。ここで、前記、タングステン電極
2と一体となっている該水シールド用ノズル1は固体隔
壁4aと単独に移動する。このため、該水シールド用ノ
ズル1が上下に移動した場合でも、固体隔壁4及び4a
は被加工部材表面6に接触した状態で、該水シールド用
ノズル1だけが上下に移動できる。従って、加工部への
水の浸入が固体隔壁4aによって阻止され、安定した溶
接が可能となる。また、開先形状および溶接姿勢が変化
した場合においても固体隔壁4及び4aを被加工部材表
面6に十分に安定して接触できるため、水中下において
も安定した溶接が可能となり、信頼性の高い溶接部が得
られる。
【0041】なお、固体隔壁は、弾力性と可撓性に富む
材質が望ましい。本実施例では、耐熱ガラスクロスの両
面にシリコンゴムをコーティングしたフェルト状のもの
を用いた。ここで、固体隔壁4aは前記材質からなる厚
さ0.5mm のフェルト状のものを円錐形のスカート状に
して製作した。また、固体隔壁4aは該フエルトのもの
を幅3〜5mmの短冊状に切断して、これを2〜10枚重
ねて円錐形のスカート状にして製作した。これによっ
て、ノズル全体がフレキシブルとなり、スプリング作用
が有効に作用する。
【0042】本実施例では、シールド用ガス3にArガ
スを用いた。この場合の流量は30l/min である。
【0043】上記、実施例はTIG溶接にかぎらず、M
IG溶接,レーザ溶接,レーザ表面改質,レーザ切断な
どにも適用できる。本実施例によって原子炉内での水中
溶接が可能となる。
【0044】(実施例4)図5に示す実施例では更に複
雑形状の加工部材でも常に水を安定した状態で遮蔽でき
る水シールド用ノズルの構造を示す。局部的に水を排除
するための水シールド用ノズル1と更にその外周部に水
を遮蔽する固体隔壁4及び4aを備えた構造である。こ
こで、該水シールド用ノズル1と固体隔壁4及び4aは
加圧バネ5によって単独に移動が可能であることが特徴
である。これによって、実施例3で述べたように、水中
での加工と水のシールドが容易となり、品質の高い水中
での加工が可能となる。さらに、外側の固体隔壁4aは
加圧バネ5aによって被加工部材表面6の表面に押し付
けられる機構を有している。これによって、該固体隔壁
4aは被加工部材表面6に常に安定して接触するため、
シールド内への水の浸入を防止できる。
【0045】なお、本実施例で用いた固体隔壁は、実施
例4と同様である。
【0046】また、本実施例では、シールド用ガス3に
Arガスを用いた。この場合の流量は50l/min であ
る。このガスは加工部分を外気から保護するためのシー
ルドの効果も有している。
【0047】上記、実施例はTIG溶接にかぎらず、M
IG溶接,レーザ溶接,レーザ表面改質,レーザ切断な
どにも適用できる。本実施例によって原子炉内での水中
溶接が可能となった。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、高圧水中下においても
加工において、加工に適した雰囲気を安定に維持でき
る。従って、加工の姿勢や加工形状が変化した場合でも
信頼性の高い加工が可能となる。このため、本加工装置
を原子力装置の炉内機器や船舶の溶接や切断,熱処理な
どに適用した場合でも信頼性の高い加工部が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】弾性体と第2のノズルを併用した局部シールド
用水中TIG溶接装置を示す概略図。
【図2】固体隔壁裾部を弾性体で押圧した局部シールド
用水中レーザー加工機を示す概略図。
【図3】本発明の水中加工装置を原子力プラント圧力容
器の補修加工に適用した例を示す図。
【図4】固体隔壁を2層設けた局部シールド用水中レー
ザー加工機を示す概略図。
【図5】固体隔壁を2層設け、外側の固体隔壁裾部を弾
性体で押圧した局部シールド用水中レーザー加工機を示
す概略図。
【符号の説明】
1…水シールド用ノズル、2…タングステン電極、3…
シールド用ガス、4…固体隔壁、5…加圧バネ、6…被
加工部材表面、7…アーク、8…固体隔壁加圧調整ガイ
ド、9…固体隔壁取付け部材、10…固体隔壁加圧用ノ
ズル、11…固体隔壁の裾部、12…圧縮空気又は圧縮
ガスあるいは噴流水、13…レーザー光、14…加工レ
ンズ、15…ガス吸入管、16…固体隔壁裾部加圧バ
ネ、17…被表面改質部材表面、18…Heガス、82
…原子力プラント圧力容器内のシュラウド、85…大気
中(圧力容器の外あるいは水の影響の無い箇所)に設置
された水中溶接装置の溶接電源、86…制御装置、87
…ケーブル、88…水中に設置された水シールドノズ
ル、89…溶接トーチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 26/12 26/14 Z 37/00 A

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水中で水を局部的に排除しながら被加工物
    を加工する加工機を備えた水中加工装置において、 高速気流を噴出し局部的に水を排除するための高速気流
    放出ノズルと、 該ノズルの外周部に前記ノズル内の気密性を保持できる
    形状の可撓性を有する固体隔壁を、少なくとも2層以上
    備えていることを特徴とする水中加工装置。
  2. 【請求項2】水中で水を局部的に排除しながら被加工物
    を加工する加工機を備えた水中加工装置において、 高速気流を噴出し局部的に水を排除するための第1のノ
    ズルと、 前記第1のノズル内の気密性を保持できるような形状の
    可撓性を有する固体隔壁を前記第1のノズルの外周部に
    少なくとも1層備え、 更に、前記固体隔壁の裾部を該固体隔壁の外周部から被
    加工物の表面に押圧するための機構を備えることを特徴
    とする水中加工装置。
  3. 【請求項3】水中で水を局部的に排除しながら被加工物
    を加工する加工機を備えた水中加工装置において、 高速気流を噴出し局部的に水を排除するための第1のノ
    ズルと、 前記第1のノズル内の気密性を保持できるような形状の
    可撓性を有する固体隔壁を前記第1のノズルの外周部に
    少なくとも1層備え、 更に、高速流体を噴出し、前記固体隔壁の裾部を被加工
    物の表面に押圧するための第2のノズルを該固体隔壁の
    外周部に備えることを特徴とする水中加工装置。
  4. 【請求項4】水中で水を局部的に排除しながら被加工物
    を加工する加工機を備えた水中加工装置において、 高速気流を噴出し局部的に水を排除するための第1のノ
    ズルと、 前記第1のノズル内の気密性を保持できるような形状の
    可撓性を有する固体隔壁を前記第1のノズルの外周部に
    少なくとも1層備え、 更に、高速流体を噴出し、前記固体隔壁の裾部を被加工
    物の表面に押圧するための第2のノズルを該固体隔壁の
    外周部に備え、 更に、前記固体隔壁を被加工物の表面に弾性体を用いて
    押圧することを特徴とする水中加工装置。
  5. 【請求項5】水中で水を局部的に排除しながら被加工物
    を加工する加工機を備えた水中加工装置において、 高速気流を噴出し局部的に水を排除するための第1のノ
    ズルと、 前記第1のノズル内の気密性を保持できるような形状の
    可撓性を有する固体隔壁を前記第1のノズルの外周部に
    少なくとも1層備え、 更に、前記固体隔壁の裾部を該固体隔壁の外周部から被
    加工物の表面に弾性体を用いて押圧することを特徴とす
    る水中加工装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の水中加工
    装置において、 前記第1のノズルと固体隔壁は、それぞれ独立に移動で
    きることを特徴とする水中加工装置。
  7. 【請求項7】請求項3〜4のいずれかに記載の水中加工
    装置において、 前記高速流体は空気,不活性ガス,水のいずれかである
    ことを特徴とする水中加工装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の水中加工
    装置において、 前記可撓性を有する固体隔壁は炭素繊維,シリコンウー
    ル,ガラス繊維,セラミック繊維の群から選ばれた1種
    以上の繊維から作製された布を加工したものからなるこ
    とを特徴とする水中加工装置。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載の水中加工
    装置において、 前記第1のノズル内に雰囲気を感知するセンサーを備
    え、 該センサーからの信号によって、前記固体隔壁の裾部を
    被加工物の表面に押圧する押圧力を制御する機構を備え
    ることを特徴とする水中加工装置。
  10. 【請求項10】請求項1〜8のいずれかに記載の水中加
    工装置において、 前記加工機はアーク溶接機であることを特徴とする水中
    加工装置。
  11. 【請求項11】請求項1〜8のいずれかに記載の水中加
    工装置において、 前記加工機はレーザー加工機であることを特徴とする水
    中加工装置。
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