JPH08134029A - 高重合性単量体の製造方法 - Google Patents

高重合性単量体の製造方法

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JPH08134029A
JPH08134029A JP6275278A JP27527894A JPH08134029A JP H08134029 A JPH08134029 A JP H08134029A JP 6275278 A JP6275278 A JP 6275278A JP 27527894 A JP27527894 A JP 27527894A JP H08134029 A JPH08134029 A JP H08134029A
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俊一 長松
Tetsuo Kudo
哲雄 工藤
Takehiko Tejima
武彦 手島
Toshiyuki Aizawa
利行 相沢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は高純度で重合性の良好なのN
−ビニルカルボン酸アミドを容易に効率よく製造する方
法を提供することである。 【構成】 粗N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸
アミドまたは粗エチリデンビスカルボン酸アミドを熱分
解あるいは接触分解によってN−ビニルカルボン酸アミ
ドを製造する際に、その粗N−(1−アルコキシエチ
ル)カルボン酸アミドまたは粗エチリデンビスカルボン
酸アミド中のN−ビニルカルボン酸アミド含有量を10
重量%以下にし、あるいは粗N−(1−アルコキシエチ
ル)カルボン酸アミドまたは粗エチリデンビスカルボン
酸アミドの33重量%水溶液のpHが5〜10になるよ
うにpH調整をすることにより重合性の良好なのN−ビ
ニルカルボン酸アミドが製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、N−ビニルカルボン酸
アミドの製造方法に関し、さらに詳しくは粗N−(1−
アルコキシエチル)カルボン酸アミドまたは粗エチリデ
ンビスカルボン酸アミドを熱分解あるいは接触分解によ
ってN−ビニルカルボン酸アミドを製造する際に、その
粗N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドまた
は粗エチリデンビスカルボン酸アミド中のN−ビニルカ
ルボン酸アミド含有量を10重量%以下にし、あるいは
粗N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドまた
は粗エチリデンビスカルボン酸アミドの33重量%水溶
液のpHが5〜10になるようにpH調整をすることを
特徴とする高重合性N−ビニルカルボン酸アミド単量体
の製造方法およびそれを使用するN−ビニルカルボン酸
アミドのホモポリマーまたはコポリマーの製造方法に関
する。N−ビニルカルボン酸アミドは凝集剤、液体吸収
剤、増粘剤などに利用されるN−ビニルカルボン酸アミ
ド系ポリマーの製造に用いられる他、多方面の用途に向
けられる産業上、有用なモノマーである。
【0002】
【従来の技術】N−ビニルカルボン酸アミドの製造方法
についてこれまで多くの方法が提案されている。例え
ば、カルボン酸アミド、アセトアルデヒド及びアルコー
ルから中間体であるN−(1−アルコキシエチル)カル
ボン酸アミドを製造し、これを熱分解または接触分解に
より合成する方法が知られている。また、N−ビニルカ
ルボン酸アミドのもう一つの有力な合成法としてアセト
アルデヒドとカルボン酸アミドからエチリデンビスカル
ボン酸アミドを合成し、これをカルボン酸アミドとN−
ビニルカルボン酸アミドに分解する方法が用いられてい
る。これらの方法では蒸留、抽出、再結晶などのN−ビ
ニルカルボン酸アミドの精製工程が行われている。例え
ば、特開昭61−286069号明細書によれば、蒸留
ではN−ビニルホルムアミドへの未反応原料であるホル
ムアミドの混入は避けられないため、水と芳香族炭化水
素による抽出分離が開示されている。また、特開昭63
−132868号では混合有機溶媒からの冷却晶析によ
る方法、特開平2−188560号では無機塩水溶液と
芳香族炭化水素を用いた抽出による方法、米国特許44
01516号には多価アルコールを用いた抽出蒸留によ
る方法などが開示されている。
【0003】一方、N−ビニルカルボン酸アミドは単独
であるいは他のモノマーと共重合することによりN−ビ
ニルカルボン酸アミド系ポリマーが得られる。これらは
凝集剤、液体吸収剤、増粘剤などに利用されるが、いず
れも高分子量のものが望まれている。しかし、上記のい
ずれの場合も安定的に良好な重合性を示すN−ビニルカ
ルボン酸アミドを得ることは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は重合性
の良好なN−ビニルカルボン酸アミドを製造することに
あり、また、高分子量のN−ビニルカルボン酸アミド系
ポリマーを製造することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは重合性の良
好なN−ビニルカルボン酸アミドの製造方法について鋭
意検討したところ、驚くべき事に、粗N−(1−アルコ
キシエチル)カルボン酸アミドまたは粗エチリデンビス
カルボン酸アミドを熱分解あるいは接触分解によってN
−ビニルカルボン酸アミドを製造する際に、その粗N−
(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドまたは粗エ
チリデンビスカルボン酸アミド中のN−ビニルカルボン
酸アミド含有量を10重量%以下にし、あるいは粗N−
(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドまたは粗エ
チリデンビスカルボン酸アミドの33重量%水溶液のp
H(以下、単にpHと呼ぶ。)が5〜10になるように
pH調整をすることにより、高分子量のポリマーを合成
するためには使用されるN−ビニルカルボン酸アミドが
製造できることを見いだし、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明によれば、粗N−(1−
アルコキシエチル)カルボン酸アミドまたは粗エチリデ
ンビスカルボン酸アミドを熱分解あるいは接触分解によ
ってN−ビニルカルボン酸アミドを製造する際に、その
粗N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドまた
は粗エチリデンビスカルボン酸アミド中のN−ビニルカ
ルボン酸アミド含有量を10重量%以下、好ましくは、
5重量%以下、特に好ましくは、3重量%以下にし、あ
るいは粗N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミ
ドまたは粗エチリデンビスカルボン酸アミドのpHが5
〜10、好ましくは6〜8、特に好ましくは6.3〜
7.5、さらに好ましくは、N−ビニルカルボン酸アミ
ドの含有量を3重量%以下にし、かつ、pHが6.3〜
7.5になるようにpH調整をすることにより、重合性
の良好なN−ビニルカルボン酸アミドの製造方法が提供
され、また、それを使用することによりN−ビニルカル
ボン酸アミドのホモポリマーまたはコポリマーの製造方
法が提供される。
【0007】以下さらに詳しく本発明を説明する。本発
明で用いるN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸ア
ミドは次の一般式(I)、
【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 は水素原子または炭素数1〜
5のアルキル基を表す。)で示され、例えば、N−(1
−メトキシエチル)ホルムアミド、N−(1−エトキシ
エチル)ホルムアミド、N−(1−プロポキシエチル)
ホルムアミド、N−(1−イソプロポキシエチル)ホル
ムアミド、N−(1−ブトキシエチル)ホルムアミド、
N−(1−イソブトキシエチル)ホルムアミド、N−
(1−メトキシエチル)アセトアミド、N−(1−エト
キシエチル)アセトアミド、N−(1−プロポキシエチ
ル)アセトアミド、N−(1−イソプロポキシエチル)
アセトアミド、N−(1−ブトキシエチル)アセトアミ
ド、N−(1−イソブトキシエチル)アセトアミド、N
−(1−メトキシエチル)プロピオンアミド、N−(1
−エトキシエチル)プロピオンアミド、N−(1−プロ
ポキシエチル)プロピオンアミド、N−(1−イソプロ
ポキシエチル)プロピオンアミド、N−(1−ブトキシ
エチル)プロピオンアミド、N−(1−イソブトキシエ
チル)プロピオンアミド、N−(1−メトキシエチル)
イソブチルアミド、N−(1−エトキシエチル)イソブ
チルアミド、N−(1−プロポキシエチル)イソブチル
アミド、N−(1−イソプロポキシエチル)イソブチル
アミド、N−(1−ブトキシエチル)イソブチルアミ
ド、N−(1−イソブトキシエチル)イソブチルアミド
などが挙げられ、好ましくは、N−(1−メトキシエチ
ル)ホルムアミド、N−(1−メトキシエチル)アセト
アミド、N−(1−イソプロポキシエチル)アセトアミ
ド、N−(1−メトキシエチル)イソブチルアミド、さ
らに好ましくはN−(1−メトキシエチル)アセトアミ
ド、N−(1−イソプロポキシエチル)アセトアミドが
挙げられる。
【0008】また、本発明で用いるエチリデンビスカル
ボン酸アミドは次の一般式(II)、
【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 は前記の通り。)で示され、
例えば、エチリデンビスホルムアミド、エチリデンビス
アセトアミド、エチリデンビスプロピオンアミド、エチ
リデンビスイソブチルアミドなどが挙げられ、好ましく
はエチリデンビスホルムアミド、エチリデンビスアセト
アミド、さらに好ましくはエチリデンビスアセトアミド
が挙げられる。
【0009】本発明で、N−ビニルカルボン酸アミドと
は次の一般式(III)、 CH2 =CH−NR2 −COR3 (III) (式中、R1 、R2 、R3 は前記の通り。)で示され、
例えば、N−ビニルホルムアミド、N−メチル−N−ビ
ニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メチ
ル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニルプロピオンア
ミド、N−メチル−N−ビニルプロピオンアミド、N−
ビニルイソブチルアミド、N−メチル−N−ビニルイソ
ブチルアミドなどが挙げられ、好ましくはN−ビニルホ
ルムアミド、N−ビニルアセトアミド、さらに好ましく
はN−ビニルアセトアミドが挙げられる。
【0010】本発明に用いる粗N−(1−アルコキシエ
チル)カルボン酸アミドの合成方法について、特に制限
はないが、次のような方法が例示される。酸触媒の存在
下、アセトアルデヒド、カルボン酸アミドとアルコール
の縮合反応による方法、酸触媒の存在下、アセトアルデ
ヒドアセタールのカルボン酸アミドによる置換反応によ
る方法、エチリデンビスカルボン酸アミドのアルコール
による置換反応による方法、ビニルアルキルエーテルへ
のカルボン酸アミドの付加反応による方法などが挙げら
れる。
【0011】また、本発明に用いる粗エチリデンビスカ
ルボン酸アミドの合成方法について、特に制限はない
が、次のような方法が例示される。酸触媒の存在下、ア
セトアルデヒドとカルボン酸アミドの縮合反応による方
法、酸触媒の存在下、アセトアルデヒドアセタールのカ
ルボン酸アミドによる置換反応による方法、カルボン酸
ビニルとカルボン酸アミドによる反応による方法、ビニ
ルアルキルエーテルへのカルボン酸アミドの付加および
置換反応による方法などが挙げられる。
【0012】本発明で用いる粗N−(1−アルコキシエ
チル)カルボン酸アミドまたは粗エチリデンビスカルボ
ン酸アミド中にN−ビニルカルボン酸アミドが10重量
%以上含有される理由として種々挙げられるが、例え
ば、粗N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド
または粗エチリデンビスカルボン酸アミドを熱分解ある
いは接触分解によってN−ビニルカルボン酸アミドを合
成し、N−ビニルカルボン酸アミドの分離後に得られる
未反応のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミ
ドまたはエチリデンビスカルボン酸アミドとN−ビニル
カルボン酸アミドを含む混合物などが挙げられる。ま
た、上記の合成法などで得られたN−(1−アルコキシ
エチル)カルボン酸アミドまたはエチリデンビスカルボ
ン酸アミドを含む反応液を蒸留操作等で精製分離する際
に、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドま
たはエチリデンビスカルボン酸アミドの一部がN−ビニ
ルカルボン酸アミドに分解した場合などが挙げられる。
【0013】N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸
アミドまたはエチリデンビスカルボン酸アミド中のN−
ビニルカルボン酸アミドを10重量%以下にする方法に
ついて説明する。N−(1−アルコキシエチル)カルボ
ン酸アミドまたはエチリデンビスカルボン酸アミド中の
N−ビニルカルボン酸アミドが10重量%以下にする方
法であれば特に方法に制限はないが、その実施態様とし
ては例えば、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸
アミドまたはエチリデンビスカルボン酸アミドまたはそ
れらの溶液の精密蒸留法、共沸蒸留法、再結晶法、圧力
晶析法などの方法があり、それぞれの方法を単独で、あ
るいは組み合わせて用いることができる。なお、以上で
例示した方法の他、N−(1−アルコキシエチル)カル
ボン酸アミドまたはエチリデンビスカルボン酸アミドと
N−ビニルカルボン酸アミドが容易に分離できる方法で
あれば、特に制限はない。
【0014】以下、N−(1−アルコキシエチル)カル
ボン酸アミドまたはエチリデンビスカルボン酸アミド中
のN−ビニルカルボン酸アミドが10重量%以下にする
実施態様についてさらに詳細に説明する。本発明の方法
において、精密蒸留法で分離する場合の蒸留装置として
は特に制限はなく、1〜50段の理論段数を有する棚段
塔や充填塔が用いられるが、圧力損失が少なく、精留性
能の優れた精留塔を用いることが好ましく、このような
例として規則充填物を用いた充填塔が挙げられる。N−
(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド、エチリデ
ンビスカルボン酸アミドまたはN−ビニルカルボン酸ア
ミドはいずれも熱に対して変質し易いので可能な限り低
温で蒸留することが好ましい。従って、0.01から1
00mmHgの減圧下で蒸留が行われる。
【0015】本発明は連続的にも非連続的にも実施でき
るが、連続的操作の方が生産性、運転安定性などの点で
好ましい。還流比は特に制限はなく、N−ビニルカルボ
ン酸アミドの含有量、種類、蒸留塔の性能などに応じて
設定されるが、0.1〜20程度で充分であり、好まし
くは0.5〜10程度である。
【0016】本発明の方法において、N−(1−アルコ
キシエチル)カルボン酸アミドまたはエチリデンビスカ
ルボン酸アミド溶液の冷却による再結晶法で分離する場
合は、これらの溶液を直接冷却しても良いが、N−(1
−アルコキシエチル)カルボン酸アミド、エチリデンビ
スカルボン酸アミドまたはN−ビニルカルボン酸アミド
との反応性がなく、適度な溶解性を有する再結晶溶媒を
用いても良い。このような再結晶溶媒としては、例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレンなど芳香族炭化水
素、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキ
サン、ヘプタンなど脂肪族炭化水素、メタノール、エタ
ノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタ
ノール、tert−ブタノール、シクロヘキサノールな
どアルコール類、塩化メチレン、クロロフォルム、クロ
ルベンゼンなどハロゲン化炭化水素、アセトン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノンなどケトン類、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどエス
テル類、ジエチルエーテルなどエーテル類、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドな
どアミド類、ジメチルスルフォキシドなどが挙げられ、
特に、トルエン、シクロヘキサン、メタノール、イソプ
ロピルアルコールが好ましい。また、これらを組み合わ
せも用いられる。冷却温度はN−(1−アルコキシエチ
ル)カルボン酸アミド、エチリデンビスカルボン酸アミ
ドまたはN−ビニルカルボン酸アミドと再結晶溶媒の種
類や量によって適切な温度が異なるが、−20〜50
℃、好ましくは−10〜40℃である。
【0017】本発明で用いられる晶析装置としては連続
式、回分式のどちらでも、また、晶析方法も冷媒との熱
交換による方法でも溶媒の蒸発による濃縮と冷却による
方法でもよく、構造様式に厳密な条件はない。本発明で
用いられる結晶の分離装置についても真空圧や加圧を利
用するもの、重力や遠心力を利用するものなど特に制限
はない。本発明においては、晶析操作と分離操作を同一
装置内で行う固液分離器も用いることができる。このよ
うな例として、再結晶溶媒を用いない場合などには圧力
晶析機、流下液膜式晶析機(MWB分別晶析装置など)
や塔型連続晶析精製装置(BMC装置など)が好まし
い。また、高濃度のスラリーを濾過する場合にはローゼ
ンムンドフィルターのような自動ヌッチェフィルターが
好ましい。N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸ア
ミドまたはエチリデンビスカルボン酸アミドのpHを5
〜10に調整する方法について説明する。
【0018】N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸
アミドまたはエチリデンビスカルボン酸アミドのpHが
5より小さくなる原因として、これらに酢酸などカルボ
ン酸類が含まれていることによることが挙げられる。こ
れらのカルボン酸の混入の原因は明らかでないが、N−
(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドまたはエチ
リデンビスカルボン酸アミドの合成に用いたアセトアル
デヒドの酸化やカルボン酸アミドの加溶媒分解反応によ
る生成などが考えられる。
【0019】N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸
アミドまたはエチリデンビスカルボン酸アミドのpHを
5〜10に調整する方法であれば特に方法に制限はない
が、その実施態様としては例えば、N−(1−アルコキ
シエチル)カルボン酸アミドまたはエチリデンビスカル
ボン酸アミドまたはそれらの溶液の精密蒸留法、共沸蒸
留法、再結晶法、圧力晶析法、吸着剤などで処理する物
理的方法、また化学的な方法として酸または塩基による
中和による方法などがあり、それぞれの方法を単独で、
あるいは組み合わせて用いることができる。
【0020】これらの方法のうち、精密蒸留法、共沸蒸
留法、再結晶法、圧力晶析法などで処理する物理的方法
については、上述のN−ビニルカルボン酸アミドの除去
の場合と同様に行うことが出来る。吸着剤を用いる方法
としてアニオン交換樹脂を吸着剤として用いる方法が挙
げられる。また、化学的な方法として酸または塩基によ
る中和に用いる塩基性化合物としては炭酸ナトリウム、
炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、燐酸(水素)
ナトリウム、酢酸ナトリウムなどのナトリウム塩、炭酸
カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム、燐酸
(水素)カリウム、酢酸カリウムなどのカリウム塩など
が挙げられる。塩基性のN−(1−アルコキシエチル)
カルボン酸アミドまたはエチリデンビスカルボン酸アミ
ド溶液のpHを調整する場合は酸性化合物を添加するこ
とにより行う。この酸性化合物としては、塩酸、硫酸、
硝酸、リン酸、及びこれらの塩類など酸性無機化合物、
酢酸、フタル酸、クエン酸などカルボン酸類、フェノー
ル、ハイドロキノン、カテコールなど石炭酸類及びこれ
らの塩類など酸性有機化合物などが挙げられる。
【0021】なお、以上で例示した方法の他、N−(1
−アルコキシエチル)カルボン酸アミドまたはエチリデ
ンビスカルボン酸アミドのpHを容易に5〜10に調整
する方法であれば、特に制限はない。N−(1−アルコ
キシエチル)カルボン酸アミドおよびエチリデンビスカ
ルボン酸アミドのN−ビニルカルボン酸アミドへの変換
は熱分解や接触分解など公知の方法による。それらの反
応条件としては、たとえば、気相または液相で、反応温
度、60〜600℃、反応時間、0.3秒〜2時間、反
応圧力、0.1mmHg〜大気圧が挙げられる。接触分
解を行う場合に用いる触媒としては、カルボン酸のアル
カリ金属塩、例えば、酢酸カリウムなど、アルカリ金属
やアルカリ土類金属の酸化物、例えば、酸化マグネシウ
ムなどが挙げられる。
【0022】本発明において、いずれの場合もN−(1
−アルコキシエチル)カルボン酸アミドおよびエチリデ
ンビスカルボン酸アミドは酸が存在すると加溶媒分解、
または加水分解を起こす。従って、本発明で使用する製
造装置、分離装置、原料槽、製品容器、濾液槽などの付
帯設備は窒素や乾燥空気などの雰囲気下にすることが望
ましい。また、N−(1−アルコキシエチル)カルボン
酸アミドおよびエチリデンビスカルボン酸アミドの加水
分解反応を防ぐために、原料に少量の硫酸マグネシウム
などの乾燥剤を添加してもよい。
【0023】本発明において、粗N−(1−アルコキシ
エチル)カルボン酸アミドまたは粗エチリデンビスカル
ボン酸アミドを熱分解あるいは接触分解によってN−ビ
ニルカルボン酸アミドを製造する際に、その粗N−(1
−アルコキシエチル)カルボン酸アミドまたは粗エチリ
デンビスカルボン酸アミド中のN−ビニルカルボン酸ア
ミド含有量を10重量%以下、好ましくは、5重量%以
下、特に好ましくは、3重量%以下にし、あるいは粗N
−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドまたは粗
エチリデンビスカルボン酸アミドのpHが5〜10、好
ましくは6〜8、特に好ましくは6.3〜7.5、さら
に好ましくは、N−ビニルカルボン酸アミドの含有量を
3重量%以下にし、かつ、pHが6.3〜7.5になる
ようにpH調整をすることにより所望の高重合性のN−
ビニルカルボン酸アミドを得ることができる。N−ビニ
ルカルボン酸アミドの含有量がそれらの値を超えたN−
(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドまたはエチ
リデンビスカルボン酸アミドを熱分解あるいは接触分解
すると高重合性のN−ビニルカルボン酸アミドを得るこ
とは困難になる傾向にある。また、pHの値がそれらの
範囲を超えたN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸
アミドまたはエチリデンビスカルボン酸アミドを熱分解
あるいは接触分解すると高重合性のN−ビニルカルボン
酸アミドを得ることは困難になる傾向にある。
【0024】本発明により、重合性の良好なN−ビニル
カルボン酸アミドが得られる理由は明らかでないが、本
発明の方法により、N−(1−アルコキシエチル)カル
ボン酸アミドまたはエチリデンビスカルボン酸アミドか
ら熱分解反応あるいは接触分解反応で、N−ビニルカル
ボン酸アミドを合成する際にN−ビニルカルボン酸アミ
ドの重合に強い阻害作用を持つN−1,3−ブタジエニ
ルカルボン酸アミドの生成が抑制されるためと考えられ
る。本発明によれば、粗N−(1−アルコキシエチル)
カルボン酸アミドまたは粗エチリデンビスカルボン酸ア
ミドを熱分解あるいは接触分解によってN−ビニルカル
ボン酸アミドを製造する際に、その粗N−(1−アルコ
キシエチル)カルボン酸アミドまたは粗エチリデンビス
カルボン酸アミド中のN−ビニルカルボン酸アミド含有
量を10重量%以下にし、あるいは粗N−(1−アルコ
キシエチル)カルボン酸アミドまたは粗エチリデンビス
カルボン酸アミドの33重量%水溶液のpHが5〜10
になるようにpH調整をすることにより得られた高重合
性のN−ビニルカルボン酸アミドをモノマーとして使用
することによって、高分子量のN−ビニルカルボン酸ア
ミドのホモポリマーまたは他の共重合可能なモノマーと
のコポリマーを製造できる。
【0025】本発明でN−ビニルカルボン酸アミドと共
重合可能なモノマーとして代表的なものを具体的に例示
すれば、以下のごときものが挙げられる。
【0026】アクリル酸、メタクリル酸(以下、総称し
て(メタ)アクリル酸という。)またはそれらのナトリ
ウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;そのメチルエ
ステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエ
ステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチ
ルエステル、オクチルエステル、ノニルエステル、デシ
ルエステル、ヘキシルデシルエステル、オクタデシルエ
ステル等のアルキルエステル;そのヒドロキシエチルエ
ステル、ヒドロキシプロピルエステル、ヒドロキシブチ
ルエステル等のヒドロキシ低級アルキルエステル;その
ジメチルアミノメチルエステル、ジメチルアミノエチル
エステル、ジメチルアミノプロピルエステル、ジメチル
アミノブチルエステル、ジエチルアミノメチルエステ
ル、ジエチルアミノエチルエステル、ジエチルアミノプ
ロピルエステル、ジエチルアミノブチルエステル等の低
級アルキルアミノ基で置換された低級アルキルエステ
ル;そのトリメチルアンモニオエチルエステルハライ
ド、トリメチルアンモニオプロピルエステルハライド、
トリエチルアンモニオエチルエステルハライド、トリエ
チルアンモニオプロピルエステルハライド等の第4級ア
ンモニウム基で置換された低級アルキルエステルハライ
ド(ハライドはクロライドまたはブロマイドが好まし
い。);そのアミド;そのジメチルアミノメチルアミ
ド、ジメチルアミノエチルアミド、ジメチルアミノプロ
ピルアミド、ジメチルアミノブチルアミド、ジエチルア
ミノメチルアミド、ジエチルアミノエチルアミド、ジエ
チルアミノプロピルアミド、ジエチルアミノブチルアミ
ド等の低級アルキルアミノ基で置換された低級アルキル
アミド;そのトリメチルアンモニオエチルアミドハライ
ド、トリメチルアンモニオプロピルアミドハライド、ト
リエチルアンモニオエチルアミドハライド、トリエチル
アンモニオプロピルアミドハライド等の第4級アンモニ
ウム基で置換された低級アルキルアミドハライド;その
スルフォメチルアミド、スルフォエチルアミド、スルフ
ォプロピルアミド、スルフォブチルアミド、ソジウムス
ルフォメチルアミド、ソジウムスルフォエチルアミド、
ソジウムスルフォプロピルアミド、ソジウムスルフォブ
チルアミド、カリウムスルフォメチルアミド、カリウム
スルフォエチルアミド、カリウムスルフォプロピルアミ
ド、カリウムスルフォブチルアミド等のスルホン酸また
はアルカリ金属スルホン酸で置換された低級アルキルア
ミド;アクリロニトリル;メチルビニルエーテル、エチ
ルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビ
ニルエーテル等のビニルエーテル;メチルビニルケト
ン、エチルビニルケトン等のビニルケトン;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等の低級カルボン酸ビニル;無
水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸ナトリウム、マ
レイン酸カリウムなどが挙げられる。
【0027】これらの中で特に(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
プロピチル、(メタ)アクリル酸ブチル、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリル酸エステル、ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリル酸エステル、塩化トリメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミ
ド、スルフォプロピルアクリルアミド、スルフォブチル
アクリルアミド、ソジウムスルフォプロピルアクリルア
ミド、ソジウムスルフォブチルアクリルアミド、アクリ
ロニトリル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、酢酸
ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、無水マレイン酸
などが好ましいものとして挙げられる。
【0028】また、本発明でN−ビニルカルボン酸アミ
ドと共重合可能なモノマーとして1分子中に不飽和基を
2個以上有する化合物である架橋性モノマーまたは架橋
剤を使用することができる。重合プロセスについては必
ずしも制限はないが、従来公知の方法を用いることがで
きる。通常は溶液重合法、逆相懸濁重合法、逆相乳化重
合法等の方法によることが好ましい。例えば、溶液重合
法としては、水又は有機溶媒或いはこれらの混合溶媒等
の溶媒中にモノマー成分、架橋剤を均一に溶解し、真空
脱気あるいは窒素、炭酸ガス等の不活性ガスによる置換
等により系内の溶存酸素を除去した後、重合開始剤を添
加して反応させる。重合開始温度は通常−10〜60℃
程度であり、反応時間は1〜10時間程度である。以下
本発明の実施例を示すが、本発明の要旨を逸脱しない限
りこれらの実施例に限定されるものではない。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例と比較例を挙げて更に
詳しく説明するが、本発明は下記の例によって何ら限定
されるものではない。
【0030】実施例1 温度計およびドライアイス−エタノ−ルトラップを具備
した三つ口フラスコ(200ml)にアセトアミド5.
9g(0.1mol)、イソプロピルアルコ−ル40g
(0.67mol)、エチリデンビスアセトアミド2.
16g(15mmol)、アセトアルデヒドジイソプロ
ピルアセタール14.6g(0.1mol)を加え、4
5〜48℃で均一になるまで撹拌、溶解した。濃硫酸
0.43g(仕込み量に対して0.1wt%)をイソプ
ロピルアルコ−ル2g(33mmol)に溶解(以下の
実施例も同様)した液を加え撹拌後、アセトアルデヒド
17.6g(0.4mol)を滴下ロ−トで3分かけて
加えた、滴下終了後50℃で3時間反応を行なった後、
ガスクロマトグラフィ−で定量したところ、アセトアミ
ド転化率88%、N−(1−プロポキシエチル)アセト
アミドの選択率94%であり、副生物のエチリデンビス
アセトアミドの選択率5.3%であった。得られた反応
液のpHは1であった。この反応液に30%水酸化ナト
リウムを加え、pHを6.5に調整した後、100mm
Hgの減圧下、未反応のアセトアルデヒド、イソプロピ
ルアルコール、アセタールと反応で生成した水を留去し
た。残液を理論段数20段の蒸留塔を用いて環流比3、
10mmHgで減圧蒸留したところ、33重量%で測定
したpHが6.2で、1%のN−ビニルアセトアミドを
含むN−(1−プロポキシエチル)アセトアミドが得ら
れた。この液を450℃、滞留時間1秒でN−ビニルア
セトアミドをイソプロピルアルコールに熱分解した。
【0031】得られた分解液から150mmHgの減圧
下でイソプロピルアルコールを留去して濃縮したとこ
ろ、N−ビニルアセトアミド中のN−1,3−ブタジエ
ニルアセトアミドは15ppmであった。この液を25
℃に調整し、高圧容器内で1800kg/cm2 、40
℃で母液を分離した。純度99.9%、N−1,3−ブ
タジエニルアセトアミド3ppmのN−ビニルアセトア
ミドが得られた。このN−ビニルアセトアミドの重合性
を評価するため、蒸留水を加えて17重量%にし、窒素
置換後V−50(N,N’−アゾビス−(2−アミジノ
プロパン)2塩酸塩を500ppmくわえ、45℃恒温
水槽に浸した。10分後、ハイドロキノン1%水溶液で
9重量%に希釈しBL型粘度計を用いて、30℃、回転
数30RPMで粘度を測定したところ70cpsであっ
た。
【0032】比較例1 実施例1で得られたpH1の反応液をそのまま減圧蒸留
し、33重量%で測定したpHが3で、22%のN−ビ
ニルアセトアミドを含むN−(1−プロポキシエチル)
アセトアミドが得られた。この液を実施例1と同様に熱
分解し、濃縮したところ、N−ビニルアセトアミド中の
N−1,3−ブタジエニルアセトアミドは1200pp
mであった。この液を実施例1と同様に精製したとこ
ろ、純度99.8%、N−1,3−ブタジエニルアセト
アミド240ppmのN−ビニルアセトアミドが得られ
た。実施例1と同様に重合性評価試験を行ったところ、
粘度は5cpsであった。
【0033】実施例2 〔アセタール合成工程〕25段のガラス製オルダーショ
ウ型精留塔に上から5段目に0.5重量%の硫酸を含む
メタノールを毎時180gで導入し、上から15段目に
アセトアルデヒドを毎時72gで導入した。精留塔の下
部には水100gを入れた500mlフラスコを設けて
100℃に加熱し、フラスコ内容物を毎時29gで抜き
だした。フラスコ抜き出し液は実際上有機物が含まれて
いなかった。塔頂からは還流比2で221g/hのジメ
チルアセタール−メタノール混合物を抜きだした。留出
液には実際上水、アセトアルデヒドが含まれていなかっ
た。アセトアルデヒド転化率100%、ジメチルアセタ
ール収率100%であった。
【0034】〔アセタール分離工程〕25段のガラス製
オルダーショー型精留塔に上から1段目にノルマルヘキ
サンを毎時56gで導入し、上から10段目に28重量
%のメタノールを含むジメチルアセタールを毎時71g
で導入した。還流比6で塔頂の温度が50℃を維持する
ように加熱を行った。精留塔の下部にはジメチルアセタ
ールを100gを入れた500mlフラスコを設けて1
10℃の油浴に浸して加熱し、フラスコ内容物を毎時4
7gで抜きだした。フラスコ抜き出し液は実際上ノルマ
ルヘキサンを含まず、メタノールを0.3%含むジメチ
ルアセタールであった。塔頂からは80g/hのジメチ
ルアセタール−メタノール−ノルマルヘキサン混合物を
抜きだした。留出液、缶出液共に実際上水、アセトアル
デヒドが含まれていなかった。
【0035】〔N−(1−メトキシエチル)アセトアミ
ド合成工程〕アセタール分離工程で得られた高純度ジメ
チルアセタールとメタノール回収工程で得られたメタノ
ールを含むジメチルアセタールを混合し、これに乾燥し
たアセトアミドを溶解してアセトアミド/ジメチルアセ
タール/メタノールのモル比1/20/3の反応原料液
を調整した。強酸性イオン交換樹脂アンバーリスト15
を60ml充填した内径40mmの反応管下部からこの
液を毎時5mlで導入した。反応管のジャケットには5
5℃の温水を流し、反応温度を55℃に制御した。反応
器上部の出口から得られた反応液を定量分析すると反応
液のモル組成はおよそアセトアミド/ジメチルアセター
ル/メタノール/MEAで0/19/4/0.9であ
り、アセトアミド転化率98%、N−(1−メトキシエ
チル)アセトアミド(MEA)収率90%であった。
【0036】〔アセタール回収工程〕N−(1−メトキ
シエチル)アセトアミド合成工程で得られら反応液を1
00mmHgに減圧した伝熱面積0.04m2 のジャケ
ット付き薄膜式連続フラッシュエバポレーターに毎時6
00gで供給した。ジャケットには90℃の熱媒を循環
させた。エチリデンビスアセトアミドを5重量%含むN
−(1−メトキシエチル)アセトアミドからなる蒸発残
分が毎時17gで得られた。メタノール7重量%を含む
ジメチルアセタールからなる揮発成分を凝縮した液は毎
時583g得られた。
【0037】〔N−(1−メトキシエチル)アセトアミ
ド精製工程〕アセタール回収工程で得られた蒸発残分の
pHを測定したところ4.2であり、酢酸は450pp
m含まれていた。これに酢酸に対して1.1当量の炭酸
ナトリウムを添加し、11mmHgでN−(1−メトキ
シエチル)アセトアミドを単蒸留した。得られた留分の
N−(1−メトキシエチル)アセトアミド中のN−ビニ
ルアセトアミドは1.2%、pHは6.6であった。
【0038】〔メタノール回収工程〕25段のガラス製
オルダーショー型精留塔に上から10段目にアセタール
回収工程で得られる7重量%のメタノールを含むジメチ
ルアセタール留分を毎時200gで導入した。還流比6
で塔頂の温度が58℃を維持するように加熱を行った。
精留塔の下部に500mlフラスコを設けて110℃の
油浴に浸して加熱し、フラスコ内容物を毎時185gで
抜きだした。フラスコ抜き出し液はメタノールを5.6
重量%含むジメチルアセタールであった。塔頂からは毎
時15gのジメチルアセタール−メタノール共沸混合物
(メタノール24重量%)を抜きだした。
【0039】〔N−ビニルアセトアミド合成工程〕N−
(1−メトキシエチル)アセトアミド精製工程で得られ
たN−(1−メトキシエチル)アセトアミドからなる液
を毎分20mlで450℃に加熱し、40mmHgに減
圧した内径20mm、全長2mのステンレス反応管に供
給した。反応管出口に設けられた冷却器で熱分解反応で
生成したN−ビニルアセトアミドとメタノールの混合物
を凝縮し、回収した。N−ビニルアセトアミド中のN−
1,3−ブタジエニルアセトアミドは33ppmであ
り、N−(1−メトキシエチル)アセトアミドの転化率
は95%であった。
【0040】〔N−ビニルアセトアミド濃縮工程〕10
段のガラス製オルダーショー型精留塔に上から10段目
にN−ビニルアセトアミド合成工程で得られた反応液を
毎時200gで導入した。減圧度は200mmHg、還
流比2で塔頂の温度が40℃を維持するように加熱を行
った。精留塔の下部に500mlフラスコを設けて80
℃の油浴に浸して加熱し、フラスコ内容物を毎時155
gで抜きだした。フラスコ抜き出し液はN−ビニルアセ
トアミドを94重量%含む粗N−ビニルアセトアミド溶
液であった。塔頂からは毎時45gのメタノールを抜き
だした。
【0041】〔N−ビニルアセトアミド精製工程〕N−
ビニルアセトアミド合成工程で得られた粗N−ビニルア
セトアミド溶液を10段のガラス製オルダーショー型精
留塔に上から5段目に導入し、0.15mmHg、還流
比3で減圧下で精密蒸留を行った。純度98%、N−
1,3−ブタジエニルアセトアミド0.9ppmのN−
ビニルアセトアミドが得られた。このN−ビニルアセト
アミドの重合性を評価するため、実施例1と同様に重合
性評価試験を行ったところ、100cpsであった。
【0042】実施例3 実施例2の〔N−(1−メトキシエチル)アセトアミド
精製工程〕で炭酸ナトリウムに代えて炭酸カリウムを用
いたところ、得られた留分のN−(1−メトキシエチ
ル)アセトアミド中のN−ビニルアセトアミドは1.5
%、pHは6.5であった。さらに、〔N−ビニルアセ
トアミド精製工程〕ではN−ビニルアセトアミド合成工
程で得られたN−1,3−ブタジエニルアセトアミドを
33ppm含むN−ビニルアセトアミドのメタノール溶
液を50℃に調整し、高圧容器内で1800kg/cm
2 、50℃で母液を分離した。純度99.9%、N−
1,3−ブタジエニルアセトアミド6ppmのN−ビニ
ルアセトアミドが得られた。このN−ビニルアセトアミ
ドの重合性を評価するため、実施例1と同様に重合性評
価試験を行ったところ、50cpsであった。
【0043】比較例2 実施例2の〔N−(1−メトキシエチル)アセトアミド
精製工程〕で炭酸ナトリウムを添加しない以外は実施例
2と同様にN−ビニルアセトアミドを製造した。〔N−
(1−メトキシエチル)アセトアミド精製工程〕で得ら
れた留分のN−(1−メトキシエチル)アセトアミド中
のN−ビニルアセトアミドは1.0%、pHは4.0で
あった。〔N−ビニルアセトアミド精製工程〕で得られ
たN−ビニルアセトアミドにはN−1,3−ブタジエニ
ルアセトアミドが55ppm含まれ、実施例1と同様に
重合性評価試験を行ったところ、5cpsであった。
【0044】比較例3 実施例2の〔N−(1−メトキシエチル)アセトアミド
精製工程〕で炭酸ナトリウムを酢酸に対して10当量加
えた以外は実施例2と同様にN−ビニルアセトアミドを
製造した。〔N−(1−メトキシエチル)アセトアミド
精製工程〕で得られた留分のN−(1−メトキシエチ
ル)アセトアミド中のN−ビニルアセトアミドは11
%、pHは7.5であった。〔N−ビニルアセトアミド
精製工程〕で得られたN−ビニルアセトアミドにはN−
1,3−ブタジエニルアセトアミドが40ppm含ま
れ、実施例1と同様に重合性評価試験を行ったところ、
5cpsであった。
【0045】実施例4 実施例3の〔N−ビニルアセトアミド精製工程〕で得ら
れた母液の組成はN−(1−メトキシエチル)アセトア
ミドが47重量%、N−ビニルアセトアミド46重量
%、アセトアミド4重量%であった。この母液15重量
部と〔N−(1−メトキシエチル)アセトアミド精製工
程〕で得られた留分85重量部を混合した。混合液の組
成はN−(1−メトキシエチル)アセトアミドが91重
量%、N−ビニルアセトアミド8重量%、アセトアミド
1重量%、pHは6であった。この混合液を実施例2の
〔N−ビニルアセトアミド合成工程〕と同様に反応を行
い、N−1,3−ブタジエニルアセトアミドを67pp
m含むN−ビニルアセトアミドを得た。さらに、実施例
2と同様に〔N−ビニルアセトアミド濃縮工程〕を行
い、得られた濃縮液を50℃に調整し、高圧容器内で1
800kg/cm2 、50℃で母液を分離した。純度9
9.9%、N−1,3−ブタジエニルアセトアミド13
ppmのN−ビニルアセトアミドが得られた。このN−
ビニルアセトアミドの重合性を評価するため、実施例1
と同様に重合性評価試験を行ったところ、30cpsで
あった。
【0046】比較例4 実施例4において、母液25重量部と〔N−(1−メト
キシエチル)アセトアミド精製工程〕で得られた留分7
5重量部を混合した。混合液の組成はN−(1−メトキ
シエチル)アセトアミドが86重量%、N−ビニルアセ
トアミド13重量%、アセトアミド1重量%、pHは6
であった。この混合液を実施例2の〔N−ビニルアセト
アミド合成工程〕と同様に反応を行い、N−1,3−ブ
タジエニルアセトアミドを170ppm含むN−ビニル
アセトアミドを得た。さらに、実施例2と同様に〔N−
ビニルアセトアミド濃縮工程〕を行い、得られた濃縮液
を50℃に調整し、高圧容器内で1800kg/cm
2 、50℃で母液を分離した。純度99.9%、N−
1,3−ブタジエニルアセトアミド42ppmのN−ビ
ニルアセトアミドが得られた。このN−ビニルアセトア
ミドの重合性を評価するため、実施例1と同様に重合性
評価試験を行ったところ、5cpsであった。
【0047】実施例5 33重量%水溶液で測定した時のpHが6.5でN−
(1−メトキシエチル)アセトアミドが98wt%、ア
セトアミドが2wt%からなる液を毎分35gで420
℃に加熱し、100mmHgに減圧した内径21mm、
全長6mのステンレス反応管に供給した。反応管出口に
設けられた冷却器で熱分解反応で生成したN−ビニルア
セトアミドとメタノールの混合物を凝縮し、回収した。
N−ビニルアセトアミド中のN−1,3−ブタジエニル
アセトアミドは33ppmであり、N−(1−メトキシ
エチル)アセトアミドの転化率は85%であった。
【0048】10段のガラス製オルダーショー型精留塔
に上から10段目に得られた反応液を毎時200gで導
入した。減圧度は200mmHg、還流比2で塔頂の温
度が40℃を維持するように加熱を行った。精留塔の下
部に500mlフラスコを設けて80℃の油浴に浸して
加熱し、フラスコ内容物を毎時155gで抜きだした。
フラスコ抜き出し液はN−ビニルアセトアミドを94重
量%含む粗N−ビニルアセトアミド溶液であった。塔頂
からは毎時45gのメタノールを抜きだした。得られた
粗N−ビニルアセトアミド溶液を10段のガラス製オル
ダーショー型精留塔に上から5段目に導入し、0.15
mmHg、還流比3で減圧下で精密蒸留を行った。純度
98%、N−1,3−ブタジエニルアセトアミド0.9
ppmのN−ビニルアセトアミドが得られた。このN−
ビニルアセトアミドの重合性を評価するため、実施例1
と同様に重合性評価試験を行ったところ、100cps
であった。
【0049】参考例1 実施例5で得られたN−1,3−ブタジエニルアセトア
ミドを33ppm含むN−ビニルアセトアミドのメタノ
ール溶液からメタノールを留去し、N−ビニルアセトア
ミドを濃縮後50℃に調整し、高圧容器内で1800k
g/cm2 、50℃で母液を分離した。純度99.9
%、N−1,3−ブタジエニルアセトアミド2ppmの
N−ビニルアセトアミドが得られた。このN−ビニルア
セトアミドの重合性を評価するため、実施例1と同様に
重合性評価試験を行ったところ、80cpsであった。
【0050】実施例6〜10、比較例5〜8 実施例5において反応原料に種々の濃度のN−ビニルア
セトアミドを含むN−(1−メトキシエチル)アセトア
ミドを用いた反応結果と精製後のN−1,3−ブタジエ
ニルアセトアミドの含量とN−ビニルアセトアミドの重
合性評価試験結果を表1にまとめた。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、粗N−(1−アルコキ
シエチル)カルボン酸アミドまたは粗エチリデンビスカ
ルボン酸アミドを熱分解または接触分解によってN−ビ
ニルカルボン酸アミドを製造する際に、高重合性のN−
ビニルカルボン酸アミド単量体を得ることができ、その
高重合性単量体を使用して高分子量のN−ビニルカルボ
ン酸アミド系のポリマーを製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 手島 武彦 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電工 株式会社大分研究所内 (72)発明者 相沢 利行 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電工 株式会社大分研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗N−(1−アルコキシエチル)カルボ
    ン酸アミドまたは粗エチリデンビスカルボン酸アミドを
    熱分解あるいは接触分解によってN−ビニルカルボン酸
    アミドを製造する際に、その粗N−(1−アルコキシエ
    チル)カルボン酸アミドまたは粗エチリデンビスカルボ
    ン酸アミド中のN−ビニルカルボン酸アミド含有量を1
    0重量%以下にすることを特徴とする高重合性N−ビニ
    ルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
  2. 【請求項2】 粗N−(1−アルコキシエチル)カルボ
    ン酸アミドまたは粗エチリデンビスカルボン酸アミドを
    熱分解あるいは接触分解によってN−ビニルカルボン酸
    アミドを製造する際に、その粗N−(1−アルコキシエ
    チル)カルボン酸アミドまたは粗エチリデンビスカルボ
    ン酸アミドの33重量%水溶液のpHが5〜10になる
    ようにpH調整をすることを特徴とする高重合性N−ビ
    ニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
  3. 【請求項3】 粗N−(1−アルコキシエチル)カルボ
    ン酸アミドまたは粗エチリデンビスカルボン酸アミドを
    熱分解あるいは接触分解によってN−ビニルカルボン酸
    アミドを製造する際に、その粗N−(1−アルコキシエ
    チル)カルボン酸アミドまたは粗エチリデンビスカルボ
    ン酸アミド中のN−ビニルカルボン酸アミド含有量を1
    0重量%以下にし、かつその粗N−(1−アルコキシエ
    チル)カルボン酸アミドまたは粗エチリデンビスカルボ
    ン酸アミドの33重量%水溶液のpHが5〜10になる
    ようにpH調整をすることを特徴とする高重合性N−ビ
    ニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
  4. 【請求項4】 粗N−(1−低級アルコキシエチル)ア
    セトアミドを熱分解あるいは接触分解によってN−ビニ
    ルアセトアミドを製造する際に、その粗N−(1−低級
    アルコキシエチル)アセトアミドのN−ビニルアセトア
    ミド含有量を10重量%以下にすることを特徴とする高
    重合性N−ビニルアセトアミド単量体の製造方法。
  5. 【請求項5】 粗N−(1−低級アルコキシエチル)ア
    セトアミドを熱分解あるいは接触分解によってN−ビニ
    ルアセトアミドを製造する際に、その粗N−(1−アル
    コキシエチル)アセトアミドの33重量%水溶液のpH
    が5〜10になるようにpH調整をすることを特徴とす
    る高重合性N−ビニルアセトアミド単量体の製造方法。
  6. 【請求項6】 粗N−(1−アルコキシエチル)アセト
    アミドを熱分解あるいは接触分解によってN−ビニルア
    セトアミドを製造する際に、その粗N−(1−アルコキ
    シエチル)アセトアミド中のN−ビニルアセトアミド含
    有量を10重量%以下にし、かつその粗N−(1−アル
    コキシエチル)アセトアミドの33重量%水溶液のpH
    が5〜10になるようにpH調整をすることを特徴とす
    る高重合性N−ビニルアセトアミド単量体の製造方法。
  7. 【請求項7】 N−ビニルカルボン酸アミドのホモポリ
    マーまたは共重合可能なモノマーとのコポリマーの製造
    法において、請求項1乃至3に記載の方法で製造された
    高重合性N−ビニルカルボン酸アミドを使用することを
    特徴とするN−ビニルカルボン酸アミドのホモポリマー
    またはコポリマーの製造方法。
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