JPH08138841A - 透明導電性フィルムならびにそれを用いた透明面状ヒーター - Google Patents

透明導電性フィルムならびにそれを用いた透明面状ヒーター

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JPH08138841A
JPH08138841A JP26891194A JP26891194A JPH08138841A JP H08138841 A JPH08138841 A JP H08138841A JP 26891194 A JP26891194 A JP 26891194A JP 26891194 A JP26891194 A JP 26891194A JP H08138841 A JPH08138841 A JP H08138841A
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transparent
transparent conductive
conductive film
layer
film
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JP26891194A
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English (en)
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Shin Fukuda
福田  伸
Fumiharu Yamazaki
文晴 山崎
Nobuhiro Fukuda
信弘 福田
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 透明フィルム基板(A)の一主面に対し
て、少なくとも第1の透明誘電体層(B)、第2の透明
誘電体層(C)、第1の金属層(D)、第2の金属層
(E)とが、積層された透明導電層性フィルムにして、
ABEDBC、ABEDBC、もしくは、ABDEBC
の構成で形成されてなる透明導電性フィルムおよびこれ
に電極を形成してなる透明面状ヒーター。 【効果】 本発明にしたがえば、透明導電性フィルム
における透明導電性膜の耐酸性を改善し、さらに、電極
であるメッキの密着性を向上させることができる。した
がって、得られる透明面状ヒーターの耐久性の向上がは
かれるとともに、高生産性を有する透明面状ヒーターが
提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明導電性フィルムに
関し、さらに、前記フィルムを用いた透明な面状ヒータ
ーに関し、特に、液晶表示素子や冷凍ショウケース、冷
蔵ショーケース、自動車用デフロスターなどの窓部分に
用いられる透明性を有した面状発熱体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍ショーケースや冷蔵ショーケ
ースは、ガラス表面の結露防止の為に、ガラス表面に透
明導電層を形成し、これに所定の電力を印加し、窓面の
を加熱していたものが用いられてきた。また、近年、液
晶表示素子の需要が大きくなっており、寒冷地での使用
の場合、液晶の動作が遅くなる等の問題があり、液晶表
示素子にも温度制御用の透明面状ヒーターの必要性が高
まってきた。
【0003】従来、寒冷地などの条件下で使用される液
晶表示素子としては、例えば、特開昭58−12651
7号公報に提案されるように、メッシュ状の発熱抵抗体
を配置して加熱するものがあった。しかしながら、この
方法では、液晶素子全体を均一に加熱することは困難で
あり、また、不透明な金属から発熱抵抗体が液晶表示素
子を見る際に障害になる不都合が生じていた。
【0004】透明面状ヒーターの形成方法としては、ガ
ラスやプラスチックフィルム等の透明基板上に形成され
た透明導電膜上に、銀ペースト等の導電性塗料で電極を
形成したものや、電極としての信頼性向上のため、金属
箔を導電性塗料でサンドイッチしたものが用いられてき
た(例えば、特開平4−289685、特開平4−35
7692)。しかしながら、導電性塗料のみで形成した
電極は、塗料自身の抵抗が大きいことや、形成された電
極と透明導電膜との間の接触抵抗が高くなり易く、透明
面状ヒーターの大型化に電気の通電ムラが生じ、その為
に透明面状ヒーターに温度ムラが生じ易い。従って、透
明面全体が昇温しないという問題や電極接点近傍に電流
集中が起こって、透明面状ヒーターにヤケが起こる等の
問題があった。また、これらの改善策として導電性塗料
の間に導箔を挿入して積層して電極としたものはある
が、電極を形成するための製作工程が複雑となり、かつ
作業性が悪く製品のコストアップにつながっていた。
【0005】従来から知られている透明導電膜として
は、 (1)金、パラジウム、銀、銅等の金属薄膜 (2)酸化インジウム、酸化錫等の化合物半導体 (3)金、銀、パラジウム等の金属薄膜を、酸化チタ
ン、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス
等の酸化物薄膜で挟みこんだものが挙げられる。しかし
て、これらには以下のごとき特徴がある。
【0006】前記(1)は充分な可視光線透過率と導電
性の両方を満足する優れたものは得られない。前記
(2)の化合物半導体は、例えば、真空蒸着法、スパッ
タリング法等の真空中で実施される膜形成法や、ゾルゲ
ル法等の薄膜形成法により形成することができるが、酸
化インジウム等の薄膜で、表面抵抗が小さい透明導電膜
を得るためには、通常数100nm以上の膜厚が必要に
なり、その結果、充分な光線透過率を得られない上に、
膜の製造コストの上昇の原因となる。前記(3)の金属
薄膜を透明誘電体層である酸化物薄膜層で挟みこんだ積
層体の代表的な構成としては、酸化チタン/銀/酸化チ
タンや酸化インジウム/銀/酸化インジウム、酸化ビス
マス/金/酸化ビスマス等のサンドイッチ構造の積層体
が用いられていた。金属薄膜として銀薄膜あるいは銀と
金からなる薄膜を用いたものは、可視光線の領域での透
明性および導電性においてもすぐれており、好ましいも
のとして用いられてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、透明面
状ヒーターの金属電極を、前記(3)のタイプの透明導
電層上にメッキ法により形成することを検討した。その
際、透明導電膜上に金属電極を形成する際に、予め、酸
水溶液に浸漬し、前処理を行ったり、また、メッキ液そ
のものも酸性のものを用いる。しかしながら、酸化イン
ジウム等の酸化物薄膜や銀等の金属薄膜は、酸溶液への
浸漬により容易に溶解または凝集し、透明導電膜の抵抗
が変化する等の問題があることも見いだした。また、メ
ッキに際し、酸溶液に全く不溶の透明誘電体層のみを用
いた場合、メッキ層の密着性が充分でないことも見いだ
した。すなわち、本発明の課題は、透明導電膜の耐酸性
を改善し、さらに、電極であるメッキの密着性を向上さ
せることであり、したがって、透明面状ヒーターの耐久
性の向上および生産性の向上した透明面状ヒーターを提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らがか
かる課題を解決するために、鋭意調査を重ねた結果、メ
ッキを施す際に剥離を起こす部分は、前記(3)の構成
の透明導電膜を用いた場合、金属層、例えば銀等と、透
明誘電体層、例えば酸窒化珪素、窒化珪素等の界面であ
ることを見いだした。そこでさらに鋭意研究を重ねた結
果、銀および銀合金を主成分とする金属層の少なくとも
片面に、特定の金属層を積層することにより積層膜間の
密着性を飛躍的に改善させ、さらに、透明誘電体の層と
して、耐酸性の優れたものと酸に可溶なものを組み合わ
せ積層する方法を見いだし本発明に到達したのである。
【0009】すなわち、本発明は、透明フィルム基板
(A)の一主面に対して、少なくとも第1の透明誘電体
層(B)、第2の透明誘電体層(C)、第1の金属層
(D)、第2の金属層(E)とが、積層された透明導電
層性フィルムにして、BEDBC、BEDEBC、もし
くは、BDEBCの順の構成をもつ透明導電膜が、AB
EDBC、ABEDBC、もしくは、ABDEBCの構
成で形成されてなる透明導電性フィルムであり、また、
ここで、第1の金属層(D)が、銀、銀−金合金、銀−
銅合金、銀−パラジウム合金、銀−白金合金の群から選
ばれたものである透明導電性フィルムであり、また、こ
こで、第2の金属層(E)が、チタン、ジルコニウム、
タンタル、バナジウム、アルミニウムの群から選ばれた
単金属もしくは合金である透明導電性フィルムであり、
また、これらにおいて、第1の透明誘電体層(B)が、
耐酸性を有する層である透明導電性フィルムであり、ま
た、ここで、第1の透明誘電体層(B)が窒化珪素、も
しくは酸窒化珪素である透明導電性フィルムであり、ま
た、これらにおいて、第2の透明誘電体層(C)が、酸
性溶液に可溶である透明導電性フィルムであり、また、
ここで、第2の透明誘電体層(C)が酸化インジウムを
主体とする酸化物である透明導電性フィルムを要旨とす
るものである。
【0010】また、本発明は、上記したいずれかに記載
の透明導電性フィルムを準備し、該透明フィルム基板上
に設けられた透明導電膜を発熱面として使用するととも
に、該透明導電膜上に通電するための一対の金属電極を
形成してなる透明面状ヒーターであり、また、上記した
いずれかに記載の透明導電性フィルムを準備し、該透明
フィルム基板に、金属電極を形成するに際し、透明領域
を確保し、かつ、金属電極形成領域を露出させるよう
に、硬化型のレジスト樹脂からなる透明保護層を塗布、
硬化せしめ、該金属電極形成領域に電気メッキによって
金属電極を形成することを特徴とする透明面状ヒーター
を要旨とするものである。
【0011】以下、図面を参照しつつ本発明の好まし
い、実施の一例を説明する。まず、添付図面について説
明するに、図1は、本発明の透明面状ヒーターの好まし
い一例を示す断面図であり、図2および図3および図4
は、本発明に用いられる透明導電性フィルムの好ましい
一例を示す構成の断面図であり、図5は、本発明にあら
ざる、例えば比較例を示す構成の断面図である。また、
図6は、電極形成後の積層構造の一例を示す図である。
ここで、10は透明基板(A)、15は透明導電層、2
0は第1の透明誘電体層(B)、30は第2の透明誘電
体層(C)、40は第1の金属層(D)、50は第2の
金属層(E)、60は金属電極、70は透明な保護層を
示す。
【0012】さらに本発明を、より具体的な態様のレベ
ルにおいて説明すると、本発明の透明導電性フィルム
は、図2、図3もしくは図4に示したように(A)透明
基板10の片面に、400〜800nmの可視光領域に
おいて透明である(B,C)透明誘電体層20、30、
(D)銀または銀を主成分とする合金層からなる第1の
金属層、(E)チタン、ジルコニウム、タンタル、バナ
ジウム、アルミニウムの単金属もしくは合金層からなる
第2の金属層が順次積層されたものである。
【0013】なお、注意的に指摘しておけば、積層膜の
構成としては、ABEDBC、ABEDEBC、もしく
は、ABDEBC、ばかりでなく、その他、ABEDC
B、ABEDECB、ABDECB、ACEDBC、A
CEDEBC、ACDEBC、ACEDCB、ACED
ECB、ACDECB等の層構成も、当業者にとって本
発明の技術的範囲内における単なる設計条件の範囲内の
ものにすぎないことは容易に理解されよう。
【0014】本発明の透明面状ヒーターは、図1に示し
たように、透明基板10に形成された透明導電層15
上、より、正確には最外層の透明誘電体層30上におい
て、金属電極形成領域以外の部分にレジスト樹脂を塗
布、硬化して透明保護層70を形成させた後、電気メッ
キ法によりかくして形成せしめた金属電極形成領域に、
金属電極層60を形成することにより、作成される。さ
らに、好ましくは、該金属電極及び保護層上に機械的、
化学的な保護のために、樹脂またはフィルムからなる透
明な保護層を積層してなる透明面状ヒーターである。
【0015】これにより、透明導電層に損傷を与えるこ
となく、透明導電層上に実質的に、直接金属電極層を形
成しうることになるから、金属電極と透明導電層との電
気的接続を良くし、性能を向上させる作用効果を奏する
ものである。なお、図1に示したのは、作製の順になる
構成を示したものであって、金属電極と透明基板の間の
透明誘電体層(20、30)および金属層(40、5
0)が、電気メッキにより金属電極を形成する前後で必
ずしも同一でない、すなわち、電気メッキの工程におい
て、酸に溶解する層が一部が酸性溶液中で溶出すること
により、実質的にはなくなっていることは当業者が容易
に理解するところであろう。たとえば、その場合は、第
2の透明誘電体層は、電極形成部分では消失し、さら
に、メッキに伴う反応で第1の透明誘電体層の膜厚が減
少することもあり得るということである。
【0016】また、本発明の透明面状ヒーターの製造方
法は、透明高分子フィルム基板(A)の一主面に対し
て、少なくとも第1の透明誘電体層(B)、第2の透明
誘電体層(C)、第1の金属層(D)、第2の金属層
(E)とが、積層され、ABEDBC、ABEDEB
C、もしくは、ABDEBCの順に構成した透明導電膜
が形成された透明導電性フィルム基板に、金属電極を形
成するに際し、透明領域を確保し、かつ、金属電極形成
領域を露出させるように、硬化型のレジスト樹脂を塗布
硬化させ、該金属電極形成領域に電気メッキによって、
好ましくは、1μm〜50μm程度の厚みの金属電極を
形成することを特徴とする透明面状ヒーターを得るもの
である。
【0017】かくして、透明導電膜上に密着性の良い金
属電極を設けると共に、硬化型のレジスト樹脂からなる
保護層として、紫外線等を照射することによって硬化す
るアクリル系樹脂等のレジスト樹脂を用いることによ
り、金属電極形成領域の位置決定と同時に、透明導電膜
の保護層とを兼用した作用効果を奏しせしめることがで
きる。かくして、信頼性と作業効率を格段に高めた透明
面状ヒーターの製造方法が提供されるものである。
【0018】本発明で用いられる透明導電層からなる透
明導電膜は、図2、図3もしくは図4に示したように、
透明高分子フィルム等の透明基板10の一主面に、40
0〜800nmの可視光の領域において透明である2種
類の誘電体層(20、30)、後記詳述するように、銀
または銀を主体とした合金等からなる第1の金属層4
0、また後記詳述するように、チタン、ジルコニウム、
タンタル、バナジウム、アルミニウム等の単金属もしく
は合金である第2の金属薄膜40が積層されたものなの
である。
【0019】本発明に用いられる第1の透明誘電体層2
0は、実用膜厚すなわち、100nm程度の厚さにおい
ても、400〜800nmの可視光線領域に対して少な
くとも70%以上好ましくは80%以上の光線透過率を
有し、かつ、屈折率が1.6以上のものが好ましく、さ
らに、耐酸性を有していることが好ましい。例えば窒化
物を例示するならば、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、
窒化ガリウム、窒化珪素、酸窒化珪素、窒化インジウム
等であり、耐酸性が優れているという観点から、特に窒
化珪素、酸窒化珪素が好ましく用いられる。なお、窒化
珪素や酸窒化珪素に最大20原子%程度の水素が作製法
によっては含まれることがあることは当業者が理解して
いることであろうし、また、しばしば好ましいことでも
ある。
【0020】なお、本発明においてより具体的に耐酸性
が優れているとは、酸性のメッキ液中、例えば、pH=
3の溶液に実用時間、すなわち、10分間浸漬しても、
膜厚減少が10nm以下であることを言う。第2の透明
誘電体層30は、第1の透明誘電体層と同様に、実用膜
厚すなわち、100nm程度の厚さにおいても、400
〜800nmの可視光線に対して少なくとも70%以上
好ましくは80%以上の光線透過率を有し、かつ、屈折
率が1.6以上のものが好ましい。酸または、酸性溶液
に可溶であるという観点から、酸化インジウム、もしく
は20重量%以下の酸化錫を含有する酸化インジウムが
好ましく用いられる。この場合も、膜中に水素が最大2
0原子%程度含まれてもかまわないことは第1の透明誘
電体層の場合と同様である。なお、本発明において具体
的に酸に可溶であるとは、酸性のメッキ液中、例えば、
pH=3の溶液に、実用時間、例えば、10分間浸漬し
た場合、50nm以上溶解することを言う。
【0021】なお、最も外側に位置する透明誘電体層の
上に、さらに、0.5〜5nm程度の範囲で、銅、ニッ
ケル、パラジウム、金等の薄膜層を設けてもよい。かく
して、メッキを容易に行えることは当業者が理解しうる
ところである。第1の金属層としては、電気伝導性が優
れた金属が好ましく用いられ、具体的には、銀や、銀−
金合金、銀−白金合金、銀−銅合金、銀−パラジウム合
金等銀を主体とする合金が好適に用いられ、耐酸性の観
点から特に好ましいのは、銀−金合金、銀−白金合金、
銀−パラジウム合金である。第1の金属薄膜の厚さは電
気伝導性を保ちつつ透明性が得られる範囲で決定され、
具体的には、5から30nmの範囲が好ましく、より好
ましくは、7〜20nm、さらにより好ましくは、9〜
15nmである。
【0022】銀への合金元素添加は、銀の耐久性向上の
目的のために行われ、その添加量は、例えば、3〜30
原子%程度が好ましく、より好ましくは5〜15原子%
程度である。もちろんこの範囲外のものも使用できる
が、これより過少であると、銀層が酸性溶液で黄変する
等を充分防止できない場合もあり、また、これより過大
であると光線透過率や導電性が低下するので目的に応じ
て選択使用することが好ましい。なお、第1の金属層に
は、その性能を阻害しない程度で、タングステン、クロ
ム、モリブデン、チタン、タンタル、ニッケル、インジ
ウム等が含まれても良い。
【0023】第2の金属層としては、酸化物や窒化物の
安定な金属、すなわち、酸化物や窒化物の標準生成自由
エネルギーが負で大きなものが好ましく、チタン、アル
ミニウム、ジルコニウム、タンタル、銅、ニッケル、ク
ロム、鉄、マンガン、タングステン、バナジウム等を挙
げることができる。このうち、チタン、ジルコニウム、
バナジウム、タンタル、アルミニウムが特に好ましく用
いられる。第2の金属層の厚さは、第1の金属層と透明
誘電体層(20、30)との充分な密着性が得られ、か
つ、透明性が損なわれない範囲がよい。より具体的な厚
さを例示すれば、0.4nmから5nm程度である。こ
れより厚みが過少であると、充分な密着力が得られず、
これより過大であると透明性が低下する。しかしなが
ら、この範囲外の薄いもの、厚いものも目的によっては
使用可能であり、例えば透明性をある程度犠牲にしても
よい用途の場合には5nm以上の金属薄膜層を用いるこ
とを妨げるものではない。また、第2の金属薄膜層には
性能を阻害しない程度の不純物が含まれてもよい。な
お、ここで特に指摘したいことは、本発明において、第
2の金属層が例えばわずか0.4nmと云う極めて薄い
ものであるにかかわらず、その存在により密着性が飛躍
的に向上するのは驚くべきことであると言わねばならな
い。
【0024】透明誘電体層(20、30)の厚さは、可
視光透過率が最大になるように、もしくは、波長550
nmの光の透過率が最大になるように調整され、第1と
第2の透明誘電体層が隣接する場合には、その膜厚の合
計が、また、第1もしくは第2の透明誘電体層が単独に
用いられる場合には、単独層の膜厚が、20〜70nm
の範囲が好ましく、より好ましくは、30〜50nmで
ある。この透明誘電体層の厚さが、過大であると、光線
透過率が最大になる波長が550nmよりも長くなり、
逆に、薄すぎると光線透過率が最大になる波長が550
nmよりも短くなる。なお、透明誘電体層の膜厚の設定
自体は、当業者が必要に応じて通常おこなう設計変更の
範疇に入ることは容易に理解されよう。
【0025】本発明における金属層の作製は、例えば、
スパッタ法や真空蒸着法、イオンプレーティング法が好
ましく用いられる。ここでスパッタ法は、DCマグネト
ロンスパッタ法、rfマグネトロンスパッタ法、イオン
ビームスパッタ法等の総称である。スパッタ法では、例
えば、銀の薄膜を作製するときには、銀のターゲットを
用いてアルゴンガスをスパッタガスとして用いる。銀−
金合金薄膜を作製するときには銀−金合金ターゲットを
用いる。銀−白金合金、銀−銅合金、銀−パラジウム合
金薄膜を作製するときも同様の方法を用いれば良い。
【0026】真空蒸着法で合金薄膜を作製するときには
2元蒸着法やフラッシュ蒸着法が好ましく用いられる。
金属層を形成するのに湿式のメッキ法を用いることも可
能であるが、膜厚の制御の観点からは、スパッタ法や真
空蒸着法等の真空を用いる成膜法が好ましい。透明誘電
体層の作製法としては、例えば、ゾルゲル法の様な湿式
の方法も使用し得るが、金属層と同様にスパッタ法やイ
オンプレーティング法が好ましく用いられる。スパッタ
法では、絶縁物がターゲットの場合には、rfマグネト
ロンスパッタ法が好ましく用いられる。例えば、酸化イ
ンジウム薄膜を作製する場合に、スパッタ法を用いる
と、金属インジウムターゲットを用いて、スパッタガス
にアルゴン、反応性ガスに酸素を用いる反応性スパッタ
法もしくは、酸化インジウムのターゲットを用いて、ア
ルゴンをスパッタガスとして用いる通常のスパッタ法が
用いられる。なお、酸化インジウムをスパッタする時に
0.1〜3容量%の酸素を混合させても良い。窒化珪素
を作製する場合には、珪素のターゲットをアルゴンと窒
素のガスでスパッタする反応性スパッタ、もしくは、窒
化珪素のターゲットをアルゴンガスでスパッタする通常
のスパッタ法を用いれば良い。イオンプレーティング法
では、珪素を窒素プラズマ中で蒸発させて窒化珪素膜を
得ることができる。そのた、活性化反応蒸着法やプラズ
マCVD法により所望の膜をえることができることは言
うまでもない。プラズマCVD法では、例えば、シラン
と窒素、シランとアンモニア、シラザンと窒素、シラザ
ンとアンモニア等を原料として窒化珪素薄膜を形成でき
る。また、酸窒化物を作製するときには、窒素のかわり
に、窒素酸素混合ガスを使用すればよい。すなわち、窒
化作用のあるガスと酸化作用のあるガスを組み合わせて
用いればよいのである。
【0027】また、本発明でいう窒化珪素膜は、珪素/
窒素が0.75〜1.2の範囲であって、また、酸窒化
珪素は、珪素:酸素:窒素=1:0.1〜1.2:0.
6〜1.2の範囲に入るものである。また、薄膜中には
最大20原子%程度の水素が入っても良い。これらの薄
膜のX線回折法による測定では、非晶質のものであって
も結晶質のものであってもよいことがわかっている。ま
た、酸化インジュム、酸化チタン、窒化硼素、窒化アル
ミニウム等においても、化学量論的な組成からはずれた
ものになることがあるということ、および、結晶性も作
製法により異なるものができるのは当業者の理解してい
るところであって、要は適当な屈折率と透明度を有し、
さらに、耐酸性のある層と、酸に溶解する層を、本願に
示したように適宜積層した薄膜層が得られればよいとい
うことが重要な点なのである。
【0028】金属層や透明誘電体層の膜厚の測定には、
触針粗さ計、繰り返し反射干渉計、マイクロバランス、
水晶振動子法等があるが、水晶振動子法では成膜中に膜
厚測定が可能なので、所望の膜厚を得るのに適してい
る。また、前もって成膜の条件を定めておき、試験基材
上に成膜を行い、成膜時間と膜厚との関係を調べた上で
成膜時間により膜厚を制御する方法もある。例えば、M
(秒)間成膜した時の薄膜の膜厚を触針粗さ計で測定し
たところD(nm)であったとするとd(nm)の膜厚
を得るには、式( 1 )により、成膜時間T(秒)を決定
する。すなわち、 T=d×(M/D) (秒) ( 1 )である。 例えば、スパッタ法において、チタンを1000秒間成
膜したところ、100nmのチタン膜を得たとすると、
同一の成膜条件で1nmのチタン膜を得るには、10秒
間成膜すれば良いことになる。
【0029】水晶振動子法で膜厚を決めるときには、膜
厚がD(nm)の膜を製作した時の水晶振動子の周波数
の減少がF(Hz)であったとすると、d(nm)成膜
するには、式( 2 )により求められた周波数f(Hz)
が減少した時をもって膜厚を決定する。すなわち、 f=d×(F/D) ( 2 ) である。ここで、Dの決定は、触針粗さ計や繰り返し反
射干渉計等を用いればよい。本発明ではかくのごとき方
法により膜厚を決定しており、本発明で言うところの薄
膜層が、常識的な連続膜もしくは連続層の状態になって
いる必要はなく、例えば、島状の構造を有していてもよ
いことは当業者の理解しているところでもあり、また、
成書においても指摘されている(例えば、「薄膜の基本
技術」金原粲著、東京大学出版、頁89から94)。
【0030】透明フィルム基板、好ましくは、高分子フ
ィルム基材上に透明誘電体層を形成するときには、該基
材の前処理として、コロナ放電処理、プラズマ放電処
理、グロー放電処理、逆スパッタ処理、表面粗面化処
理、化学処理等を行うことや、公知のアンダーコートを
施したりすることは適宜行うことができる。
【0031】高分子フィルム上に形成された最大6層か
らなる透明導電層の波長550nmの光に対する光線透
過率は、70%以上であり、さらに、好ましくは75%
以上であり、さらに、より好ましくは80%以上であ
る。そのシート抵抗は、10Ω/sq以下である。ま
た、その組成構成は深さ方向の分析能力をもつ分析方法
により解析すことが可能である。具体的に挙げるとする
と、オージェ電子分光法、エックス線光電子分光法、2
次イオン質量分析法、ラザフォード後方散乱法等を用い
ることができる。特に、本発明になる積層体は微細な構
造を有しているので、ザラー回転法を併用したアルゴン
イオンエッチングにより深さ方向の分解能を向上させた
オージェ電子分光法が好ましく用いられる。
【0032】本発明の透明基板としては、400nm〜
800nmの可視光線領域において光線透過率が80%
以上、より好ましくは85%以上の基板であって、ガラ
スの他、透明なプラスチックフィルムを用いることが出
来る。薄さ、可撓性、耐衝撃性、連続生産性等の面から
プラスチックフィルムが好ましく用いられる。透明なも
のであれば、かならずしも、フィルムに限定されず、所
謂シートでもよいことは言うまでもない。
【0033】本発明において用いられるプラスチックを
例示するならば、ポリエチレンテレフタレ−ト(PE
T)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)等のポリエ
ステル、ポリアミド、ポリエ−テル、ポリスルフォン、
ポリエ−テルスルフォン(PES)、ポリカ−ボネ−
ト、ポリアリレ−ト、ポリエ−テルイミド、ポリエ−テ
ルエ−テルケトン(PEEK)、ポリイミド、アラミド
などのホモポリマ−またはコポリマ−からなるプラスチ
ックフィルムが挙げられる。本発明に用いられるプラス
チックフィルムの厚みは、通常5μm〜500μm、好
ましくは10μm〜200μmであり、さらに好ましく
は50μm〜150μmが適当である。
【0034】本発明の金属電極は、透明導電膜の金属電
極形成領域以外の部分に紫外線硬化型アクリル樹脂や熱
硬化型ポリエステル樹脂などの透明レジスト樹脂を塗布
硬化させて保護層を形成した後、直接、金属電極形成領
域に電気メッキ法により形成することが出来る。
【0035】本発明に用いられる保護層としては、硬化
後の550nmの波長の光線透過率が少なくとも70%
以上、さらに好ましくは80%以上が望ましい。保護層
の厚みは、通常1μm〜100μm、好ましくは5μm
〜50μmであり、さらに好ましくは10μm〜30μ
mが適当である。
【0036】本発明において電極は、メッキによって形
成できる金属であればいずれのものも使用できるが、電
気的特性や耐久性の観点から、銅、銀、ニッケル、クロ
ム、錫、鉛等の単金属もしくは合金、たとえば、ハンダ
の単層もしくは積層体からなることが好ましい。また、
メッキの方法は、無電解メッキも適用可能であるが、電
気メッキの方が生産性の観点から好ましく用いられる。
メッキを所望する部分にあらかじめ導電性の樹脂を塗布
しておくことも、設計の範囲内で行えることが理解でき
るであろう。電気メッキにおいては、銅をメッキするの
に、硫酸銅溶液、ニッケルをメッキするのに、硫酸ニッ
ケルやスルファミン酸ニッケル溶液を用いることができ
る。
【0037】本発明の透明面状ヒーターの金属電極及び
保護層を、機械的に、または水分等による腐食防止等の
化学的保護の為に、金属電極や保護層の上を覆うように
透明な保護層を設けても良い。透明な保護層としては、
550nmの波長の光線透過率が少なくとも70%以
上、さらに好ましくは80%以上が望ましい。透明な保
護層としては、透明基板として用いたプラスチックフィ
ルムを接着剤を用いて積層するか、ポリエステル、ポリ
オレフィン、アクリル樹脂等の有機物の他、シリコ−ン
系ハ−ドコ−ト剤、シリカゾル剤等を塗布して保護層と
して用いることも出来る。
【0038】本発明に用いられる透明な保護層の厚みと
しては、通常1μm〜200μm、好ましくは2μm〜
100μmであり、さらに好ましくは5μm〜50μm
が適当である。本発明の透明面状ヒーターを支持体に接
着する場合には、保護層上に接着層を設けることが好ま
しく行われる。この場合、透明性の高い一般的な粘着剤
や接着剤を使用することができる。好ましい接着剤を例
示するならば、アクリル系の感圧粘着剤、シアノアクリ
レート系反応型接着剤等がある。接着面には、必要に応
じてセパレーターを積層しておくことが好ましい。かく
して、作製された透明面状ヒーターの550nmの光に
対する光線透過率は、70%以上であり、より、好まし
くは75%以上であ、さらにより好ましくは80%以上
である。
【0039】なお、本発明の好ましい形態の例として図
1〜図4に、断面図の例を示したが、これらは、各薄膜
層を形成した順序に従って列記し、表記したものであ
る。すなわち、準備した透明導電性フィルムの透明導電
膜上に、特に電極を形成する際、該電極形成部分におい
ては、最終的に化学反応等によって各層の界面に別の化
合物、ひろくは、介在物や析出物等が生成されてもよ
く、あるいは、予め形成してあった層やその一部が別の
化合物に転化してもよく、あるいは、予め形成してあっ
た層またはその一部が溶液に溶解することにより、薄く
なるか、消失してもよい。なお、それが好ましい形態の
場合もあることは当然のことである。たとえば、好まし
い形態の例を示すと、図6に示す透明面状ヒーターの場
合、基材として準備した透明導電性フィルムは、その電
極形成過程において、その電極を形成する部分の第2の
透明誘電体層が、メッキ層を形成する際に、実質的に消
失していることがスパッタエッチングを併用したオージ
ェ電子分光法により確認されているのである。以下、実
施例により本発明の実施の態様の一例を説明する。
【0040】
【実施例】
(実施例1)可視光透過率89%、100μm厚のポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルムに上に、D
Cマグネトロンスパッタ法により、窒化珪素(SiN)
を40nm、チタンを1nm、銀を11nm、SiNを
20nm、酸化インジウム(InO)を30nm形成し
て、透明導電性膜を形成し、透明導電性フィルムとし
た。得られた積層体の透明導電性層上に、電極形成部分
を除いて紫外線(UV)硬化型透明レジストインクを塗
布し透明保護層を形成した。その後、pH4.5のスル
ファミン酸ニッケルメッキ浴で電気メッキを行い、電極
形成部分に、20μm厚みのニッケルメッキ膜を形成し
て電極とした。電極の大きさは125mm(長さ)×4
mm(幅)であり、電極の距離は90mmとした。
【0041】形成された透明面状ヒーターの両電極間の
抵抗は5.2Ωであった。端子間にリード線を取り付
け、この透明面状ヒーターを1mm厚のガラス板ではさ
み、−20℃の高温槽内に設置し、13Vの定電圧電源
を用いて通電した。ガラス表面の温度を赤外線温度計で
モニターしたところ、1分後には、+2℃になった。
【0042】(実施例2)可視光透過率89%、100
μm厚のPETフィルムに上に、DCマグネトロンスパ
ッタ法により、SiNを40nm、チタンを1nm、銀
を11nm、チタンを1nm、SiNを20nm、In
Oを30nm形成し、透明導電性膜を形成し、透明導電
性フィルムとした。得られた積層体の透明導電性層上
に、電極形成部分を除いて紫外線(UV)硬化型透明レ
ジストインクを塗布し透明保護層を形成した。その後、
pH4の硫酸ニッケルメッキ浴で電気メッキを行い、電
極形成部分に20μm厚みのニッケルメッキ膜を形成し
て電極とした。電極の大きさは125mm(長さ)×4
mm(幅)であり、電極の距離は90mmとした。
【0043】形成された透明面状ヒーターの両電極間の
抵抗は4.2Ωであった。端子間にリード線を取り付
け、この透明面状ヒーターを1mm厚のガラス板ではさ
み、−20℃の高温槽内に設置し、13Vの定電圧電源
を用いて通電した。ガラス表面の温度を赤外線温度計で
モニターしたところ、1分後には、+3℃になった。
【0044】(実施例3)可視光透過率89%、100
μm厚のPETフィルムに上に、DCマグネトロンスパ
ッタ法により、SiNを40nm、銀を11nm、チタ
ンを1nm、SiNを20nm、InOを30nm形成
し、透明導電性膜を形成し、透明導電性フィルムとし
た。得られた積層体の透明導電性層上に、電極形成部分
を除いて紫外線(UV)硬化型透明レジストインクを塗
布し透明保護層を形成した。その後、pH3.5の硫酸
銅メッキ浴で電気メッキを行い、電極形成部分に、20
μm厚みの銅メッキ膜を形成して電極とした。電極の大
きさは125mm(長さ)×4mm(幅)であり、電極
の距離は90mmとした。
【0045】形成された透明面状ヒーターの両電極間の
抵抗は4.8Ωであった。端子間にリード線を取り付
け、この透明面状ヒーターを1mm厚のガラス板ではさ
み、−20℃の高温槽内に設置し、13Vの定電圧電源
を用いて通電した。ガラス表面の温度を赤外線温度計で
モニターしたところ、1分後には、+3℃になった。
【0046】(実施例4)可視光透過率89%、100
μm厚のPETフィルムに上に、DCマグネトロンスパ
ッタ法により、SiNを40nm、チタンを1nm、銀
−10重量%金合金層を11nm、酸窒化珪素(SiO
N)を15nm、InOを30nm形成し、透明導電性
膜を形成し、透明導電性フィルムとした。得られた積層
体の透明導電性層上に、電極形成部分を除いて紫外線
(UV)硬化型透明レジストインクを塗布し透明保護層
を形成した。その後、pH3.5の硫酸銅メッキ浴で電
気メッキを行い、電極形成部分に、20μm厚みの銅メ
ッキ膜を形成して電極とした。電極の大きさは125m
m(長さ)×4mm(幅)であり、電極の距離は90m
mとした。
【0047】形成された透明面状ヒーターの両電極間の
抵抗は5.5Ωであった。端子間にリード線を取り付
け、この透明面状ヒーターを1mm厚のガラス板ではさ
み、−20℃の高温槽内に設置し、13Vの定電圧電源
を用いて通電した。ガラス表面の温度を赤外線温度計で
モニターしたところ、1分後には、+1℃になった。
【0048】(実施例5)可視光透過率88%、125
μm厚のPETフィルムに上に、高周波マグネトロンス
パッタ法により、SiNを40nm、タンタルを1n
m、銀−10重量%白金合金層を12nm、SiONを
15nm、InOを30nm形成し、透明導電性膜を形
成し、透明導電性フィルムとした。得られた積層体の透
明導電性層上に、電極形成部分を除いて紫外線(UV)
硬化型透明レジストインクを塗布し透明保護層を形成し
た。その後、pH4.5のスルファミン酸ニッケルメッ
キ浴で電気メッキを行い、電極形成部分に、20μm厚
みのニッケルメッキ膜を形成して電極とした。電極の大
きさは125mm(長さ)×4mm(幅)であり、電極
の距離は90mmとした。
【0049】形成された透明面状ヒーターの両電極間の
抵抗は4.8Ωであった。端子間にリード線を取り付
け、この透明面状ヒーターを1mm厚のガラス板ではさ
み、−20℃の高温槽内に設置し、13Vの定電圧電源
を用いて通電した。ガラス表面の温度を赤外線温度計で
モニターしたところ、1分後には、+1℃になった。
【0050】(実施例6)可視光透過率88%、125
μm厚のPETフィルムに上に、高周波マグネトロンス
パッタ法により、SiNを40nm、チタンを1.2n
m、銀−5重量%金合金層を12nm、チタンを1n
m、SiONを15nm、InOを30nm形成し、透
明導電性膜を形成し、透明導電性フィルムとした。得ら
れた積層体の透明導電性層上に、電極形成部分を除いて
紫外線(UV)硬化型透明レジストインクを塗布し透明
保護層を形成した。その後、pH3.5の硫酸銅メッキ
浴で電気メッキを行い、電極形成部分に、20μm厚み
の銅メッキ膜を形成して電極とした。電極の大きさは1
25mm(長さ)×4mm(幅)であり、電極の距離は
90mmとした。
【0051】形成された透明面状ヒーターの両電極間の
抵抗は5.1Ωであった。端子間にリード線を取り付
け、この透明面状ヒーターを1mm厚のガラス板ではさ
み、−20℃の高温槽内に設置し、13Vの定電圧電源
を用いて通電した。ガラス表面の温度を赤外線温度計で
モニターしたところ、1分後には、+2℃になった。
【0052】(実施例7)可視光透過率88%、125
μm厚のPETフィルムに上に、DCマグネトロンスパ
ッタ法により、SiNを40nm、ジルコニウムを1.
2nm、銀−10重量%金合金層を10nm、SiON
を10nm、InOを30nm形成し、透明導電性膜を
形成し、透明導電性フィルムとした。得られた積層体の
透明導電性層上に、電極形成部分を除いて紫外線(U
V)硬化型透明レジストインクを塗布し透明保護層を形
成した。 その後、pH3.5の硫酸銅メッキ浴で電気
メッキを行い、電極形成部分に、20μm厚みの銅メッ
キ膜を形成して電極とした。電極の大きさは125mm
(長さ)×4mm(幅)であり、電極の距離は90mm
とした。
【0053】形成された透明面状ヒーターの両電極間の
抵抗は4.9Ωであった。端子間にリード線を取り付
け、この透明面状ヒーターを1mm厚のガラス板ではさ
み、−20℃の高温槽内に設置し、13Vの定電圧電源
を用いて通電した。ガラス表面の温度を赤外線温度計で
モニターしたところ、1分後には、+3℃になった。
【0054】(実施例8)可視光透過率89%、100
μm厚のPETフィルムに上に、DCマグネトロンスパ
ッタ法により、SiNを40nm、アルミニウムを1.
2nm、銀−10重量%パラジウム合金層を10nm、
SiNを10nm、InOを30nm形成し、透明導電
性膜を形成し、透明導電性フィルムとした。得られた積
層体の透明導電性層上に、電極形成部分を除いて紫外線
(UV)硬化型透明レジストインクを塗布し透明保護層
を形成した。その後、pH3.5の硫酸銅メッキ浴で電
気メッキを行い、電極形成部分に、20μm厚みの銅メ
ッキ膜を形成して電極とした。電極の大きさは125m
m(長さ)×4mm(幅)であり、電極の距離は90m
mとした。
【0055】形成された透明面状ヒーターの両電極間の
抵抗は5.0Ωであった。端子間にリード線を取り付
け、この透明面状ヒーターを1mm厚のガラス板ではさ
み、−20℃の高温槽内に設置し、13Vの定電圧電源
を用いて通電した。ガラス表面の温度を赤外線温度計で
モニターしたところ、1分後には、+1℃になった。
【0056】(実施例9)可視光透過率89%、100
μm厚のPETフィルムに上に、DCマグネトロンスパ
ッタ法により、SiNを40nm、バナジウムを1.4
nm、銀−10重量%銅合金層を10nm、SiNを1
0nm、InOを30nm形成し、透明導電性膜を形成
し、透明導電性フィルムとした。得られた積層体の透明
導電性層上に、電極形成部分を除いて紫外線(UV)硬
化型透明レジストインクを塗布し透明保護層を形成し
た。その後、pH4.5のスルファミン酸ニッケルメッ
キ浴で電気メッキを行い、電極形成部分に、20μm厚
みのニッケルメッキ膜を形成して電極とした。電極の大
きさは125mm(長さ)×4mm(幅)であり、電極
の距離は90mmとした。
【0057】形成された透明面状ヒーターの両電極間の
抵抗は5.6Ωであった。端子間にリード線を取り付
け、この透明面状ヒーターを1mm厚のガラス板ではさ
み、−20℃の高温槽内に設置し、13Vの定電圧電源
を用いて通電した。ガラス表面の温度を赤外線温度計で
モニターしたところ、1分後には、+1℃になった。
【0058】(実施例10)可視光透過率89%、10
0μm厚のPETフィルムに上に、DCマグネトロンス
パッタ法により、SiNを40nm、バナジウムを1.
4nm、銀−10重量%銅合金層を10nm、SiNを
10nm、5重量%の酸化錫を含有するInOを30n
m形成し、透明導電性膜を形成し、透明導電性フィルム
とした。得られた積層体の透明導電性層上に、電極形成
部分を除いて紫外線(UV)硬化型透明レジストインク
を塗布し透明保護層を形成した。その後、pH3.5の
硫酸銅メッキ浴で電気メッキを行い、電極形成部分に、
20μm厚みの銅メッキ膜を形成して電極とした。電極
の大きさは125mm(長さ)×4mm(幅)であり、
電極の距離は90mmとした。
【0059】形成された透明面状ヒーターの両電極間の
抵抗は5.4Ωであった。端子間にリード線を取り付
け、この透明面状ヒーターを1mm厚のガラス板ではさ
み、−20℃の高温槽内に設置し、13Vの定電圧電源
を用いて通電した。ガラス表面の温度を赤外線温度計で
モニターしたところ、1分後には、+1℃になった。
【0060】(比較例1)実施例1と同サイズ、同構成
のPETフィルム上の透明導電膜上の両端に、4mm幅
で導電性塗料(銀ペースト)を塗布し、透明面状ヒータ
ーの電極とした。形成された透明面状ヒーターの両電極
間の抵抗は15.4Ωであった。端子間にリード線を取
り付け、この透明面状ヒーターを1mm厚のガラス板で
はさみ、−20℃の高温槽内に設置し、13Vの定電圧
電源を用いて通電した。ガラス表面の温度を赤外線温度
計でモニターしたが、1分後でも−18℃であった。
【0061】(比較例2)可視光透過率89%、100
μm厚のPETフィルムに上に、DCマグネトロンスパ
ッタ法により、SiNを40nm、銀−10重量%金合
金層を11nm、酸窒化珪素(SiON)を15nm形
成し、透明導電性膜を形成し、透明導電性フィルムとし
た。得られた積層体の透明導電性層上に、電極形成部分
を除いて紫外線(UV)硬化型透明レジストインクを塗
布し透明保護層を形成した。その後、pH3.5の硫酸
銅メッキ浴で電気メッキを行い、電極の形成を試みた
が、導電層面が剥離し、電極を形成することができなか
った。第2の透明導電層が無いとメッキが乗りにくいこ
とがわかる。
【0062】(比較例3)可視光透過率89%、100
μm厚のPETフィルムに上に、DCマグネトロンスパ
ッタ法により、SiNを40nm、銀−10重量%金合
金層を11nm、SiONを15nm、InOを30n
m形成し、透明導電性膜を形成し、透明導電性フィルム
とした。得られた積層体の透明導電性層上に、電極形成
部分を除いて紫外線(UV)硬化型透明レジストインク
を塗布し透明保護層を形成した。その後、pH3.5の
硫酸ニッケルメッキ浴で電気メッキを行い、電極の形成
を試みた。20μmのニッケル層が形成されたものの、
容易に剥離し通電試験を行うことができなかった。第2
の金属層が無い場合は、やはり本発明の目的を達成する
ことが出来ないことがわかる。
【0063】
【発明の効果】本発明にしたがえば、透明導電性フィル
ムにおける透明導電性膜の耐酸性を改善し、さらに、電
極であるメッキの密着性を向上させることができる。し
たがって、得られる透明面状ヒーターの耐久性の向上が
はかれるとともに、高生産性を有する透明面状ヒーター
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】透明面状ヒーターの好ましい断面構造を示す図
【図2】本発明にかかる透明導電性フィルムの断面構造
を示す図
【図3】本発明になる透明導電性フィルムの断面構造を
示す図
【図4】本発明にかかる透明導電性フィルムの断面構造
を示す図
【図5】本発明以外の透明導電性フィルムの断面構造の
1例を示す図
【図6】電極形成後の積層構造の一例を示す図
【符号の説明】
10 透明基板 15 透明導電層 20 第1の透明誘電体層 30 第2の透明誘電体層 40 第1の金属層 50 第2の金属層 60 金属電極 70 透明保護層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明フィルム基板(A)の一主面に対し
    て、少なくとも第1の透明誘電体層(B)、第2の透明
    誘電体層(C)、第1の金属層(D)、第2の金属層
    (E)とが、積層された透明導電層性フィルムにして、
    BEDBC、BEDEBC、もしくは、BDEBCの順
    の構成をもつ透明導電膜が、ABEDBC、ABEDB
    C、もしくは、ABDEBCの構成で形成されてなる透
    明導電性フィルム。
  2. 【請求項2】 第1の金属層(D)が、銀、銀−金合
    金、銀−銅合金、銀−パラジウム合金、銀−白金合金の
    群から選ばれたものである請求項1に記載の透明導電性
    フィルム。
  3. 【請求項3】 第2の金属層(E)が、チタン、ジルコ
    ニウム、タンタル、バナジウム、アルミニウムの群から
    選ばれた単金属もしくは合金である請求項1または2に
    記載の透明導電性フィルム。
  4. 【請求項4】 第1の透明誘電体層(B)が、耐酸性を
    有する層である請求項1〜3のいずれかに記載の透明導
    電性フィルム。
  5. 【請求項5】 第1の透明誘電体層(B)が窒化珪素、
    もしくは酸窒化珪素である請求項4に記載の透明導電性
    フィルム。
  6. 【請求項6】 第2の透明誘電体層(C)が、酸性溶液
    に可溶である請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電
    性フィルム。
  7. 【請求項7】 第2の透明誘電体層(C)が酸化インジ
    ウムを主体とする酸化物である請求項5に記載の透明導
    電性フィルム。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の透明導
    電性フィルムを準備し、該透明フィルム基板上に設けら
    れた透明導電膜を発熱面として使用するとともに、該透
    明導電膜上に通電するための一対の金属電極を形成して
    なる透明面状ヒーター。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載の透明導
    電性フィルムを準備し、該透明フィルム基板に、金属電
    極を形成するに際し、透明領域を確保し、かつ、金属電
    極形成領域を露出させるように、硬化型のレジスト樹脂
    からなる透明保護層を塗布、硬化せしめ、該金属電極形
    成領域に電気メッキによって金属電極を形成することを
    特徴とする透明面状ヒーター。
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