JPH0813945B2 - 有香インキ - Google Patents

有香インキ

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JPH0813945B2
JPH0813945B2 JP62260392A JP26039287A JPH0813945B2 JP H0813945 B2 JPH0813945 B2 JP H0813945B2 JP 62260392 A JP62260392 A JP 62260392A JP 26039287 A JP26039287 A JP 26039287A JP H0813945 B2 JPH0813945 B2 JP H0813945B2
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庄平 増田
久弥 増田
昌宏 松田
尚男 北野
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株式会社孔官堂
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は有香インキに関するものであり、本インキを
用いて印刷もしくは塗布により加工された商品は長期に
わたって特有の香りを発散しつづけ新しい機能的商品と
しての価値を付与されるものである。したがって本発明
は日用品,工業製品,広告媒体,芸術品その他に応用さ
れその産業上の利用分野は極めて広いものである。
〔従来の技術〕と〔発明が解決しようとする問題点〕 賦香剤を含有した塗布材としては、香料のシクロデ
キストリン包装化合物を含んだ粘着材(日特公開,昭58
−185372),無機多孔質に香料を吸着させたものを含
むエマルジョン接着剤(日特公開,昭58−162677),
無定形シリカに香料を吸着させたものを含むインキ(日
特公開,昭59−145298),ゼラチン膜でカプセル化し
た香料を含むインキ(日特公開,昭61−243871)が知ら
れている。一方、ジルコニウム化合物に香料を吸着させ
た材料に関しては本発明者らによる一連の研究を通じて
開発されてきた技術的成果だけがあり、ジルコン酸エ
ステルの加水分解物への香料の吸着体(特公昭55−2312
2)および多孔性リン酸ケイ酸ジルコニウム化合物に
香料を含浸させた粉粒体と有機系材料に香料を付着させ
た粉体との混合物(日特公開,昭62−4222)がある。本
発明者らは以上の技術的成果よりも更に効果的な性能を
有する高品位の有香インキとその硬化法に関して鋭意研
究を重ねた結果、極めて厳密に条件の限定された本発明
を完成するに到ったのである。
〔問題点を解決するための手段〕と〔作用〕 すなわち本発明者らは、比表面積が200〜600m2/gであ
る微細孔を有すると共にpHが5〜9である多孔性の中性
ジルコニウム化合物粉末100部に液体香料20〜100部を含
ませた粉体の表面を疎水性皮膜で覆い放射線硬化樹脂組
成物100〜500部と混練して得られた有香インキを発明し
たのである。
多孔性の中性ジルコニウム化合物粉末とは、比表面積
が200〜600m2/gである微細孔を有し、pHが5〜9好まし
くは6〜8であるジルコニウム化合物の粉末であって、
その粒度が0.05〜20ミクロンとくに好ましくは0.3〜5
ミクロンである微粉末である。このジルコニウム化合物
としては酸化ジルコニウム,ヒドロキシ酸化ジルコニウ
ム,ジルコニアゲル,有機酸ジルコニル(難溶性),リ
ン酸ジルコニウム,ケイ酸ジルコニウム,ホウ酸ジルコ
ニウム,アルミン酸ジルコニウム,リン酸ケイ酸ジルコ
ニウム,アンチモン酸ジルコニウム,ビスマス酸ジルコ
ニウム等があり、工業的にはリン酸ジルコニウム,ケイ
酸ジルコニウム,リン酸ケイ酸ジルコニウムおよびこれ
らの部分水和物が有利である。例えばリン酸ケイ酸ジル
コニウムは文献(日特公開,昭59−26912)にも明らか
にされているごとく一般に Zr(PO4)2y・(SiO2)z・nH2O なる組成(ただしy=0.02〜2.00,z=0.05〜16.00,n=
0〜10)を有するものであり、これ自身はかなり吸着活
性の高い形にされて提供されている。しかも乍らこのも
のは酸性が大でこれを水中に投入した場合、その大部分
は水に不溶であるとは言え、その水溶液のpHは1〜5を
示すものであり、これは香料成分と反応し香気を損なう
ものである。そして水と接触した場合これを中性的に保
持しようとするならば、塩基性物質をもってリン酸ケイ
酸ジルコニウムの酸性点を中和してやる必要があり、本
発明ではこのようなものが用いられるのである。例えば
本発明においてはZrO2を基準にとると(ZrO2)1(P2O5)
0.8〜1.0(SiO2)1.0〜2.0(A2O)0.1〜0.4の組成のもの
(ただしAはアルカリ金属またはアンモニウムイオンを
表す)がとくに良いのである。このように組成を勘案し
て適宜中性化されてpH5〜9好ましくはPH6〜8とくに好
ましくは7前後に調整されたリン酸ケイ酸ジルコニウム
において多孔性つまり比表面積が400〜450m2/gである粉
末は液体香料に対して著しい吸着性能を有する。また中
性でない塩基性の大きいリン酸ケイ酸ジルコニウムは香
料成分の部分的分解ならびに縮合反応を惹起して香調を
著しく変化させることも分かった。したがって本発明の
目的達成のためにはこの点にとくに留意せねばならなか
ったのである。このような中性ジルコニウム化合物粉
末,液体香料および放射線硬化樹脂組成物の使用比は本
発明者らの多くの実験を通じて明らかにされたものであ
り、多孔性の中性ジルコニウム化合物粉末100部に対し
液体香料20〜100部,放射線硬化樹脂組成物100〜500部
が最も優れた使用範囲の割合であることが明らかにされ
た。そしてこの範囲からはずれると有香インキとしての
性能の均衡が崩れ、放射線硬化が難しくなったり、予期
したような香気が発散しなかったり、液体香料が印刷面
上とか塗布面上に滲出(ブリード)してきたりして空気
酸化または光化学反応による香料の変質とか汚点の形成
が生じてくのである。
本発明者らは以上のような欠点を完全に排除するよう
な条件を探索した結果、上記の各原料の使用比率の保守
を本発明において規定すると共に、さらに本発明のより
一層の効果を保証し商品としての品質を高揚せしめる手
段として中性ジルコニウム化合物粉末に液体香料を含ま
せた粉体の表面を疎水性皮膜で覆ってやるという新しい
方法を見いだしたのである。液体香料の代表的な配合割
合を示すとトップノート15〜35%,ミドルノート10〜30
%,ベースノート45〜65%よりなっているが、これらは
別々に、または同時に中性ジルコニウム化合物粉末に吸
着または収着させて粉体とすることができる。この液体
香料を吸着または収着させた、つまり液体香料を含ませ
た粉体の表面は多かれ少なかれ液体香料によって濡れて
いることが微視的な試験によって見いだされることがあ
り,この香料が放射線硬化樹脂組成物中に泳ぎだして来
た場合、放射線の照射による有香インキの硬化が不完全
になると共に一方では香調の変化をもたらす原因となっ
たのである。このような現象はインキの調製時は勿論印
刷時もしくは塗布時にも起こるし、放射線の照射時にも
起こるものである。このような嫌悪すべき事態が起こら
ないようにするためには液体香料を含ませた粉体の表面
を疎水性皮膜で覆ってやることが必要である。つまり、
水と親和性のない有機系の膜形成物質すなわち、ワック
ス,高沸点炭化水素類,動植物系油脂,高沸点フッ素化
油,シリコーン油,シランカップリング剤,チタンカッ
プリング剤,ジルコンカップリング剤,ポリオレフィン
(オリゴマー),ポリエーテル(オリゴマー),ポリエ
ステル(オリゴマー),ポリケトン(オリゴマー),ポ
リ(メタ)アクリレート(オリゴマー),ロジン,ポリ
スチレン,クマロンインデン樹脂,石油樹脂,ケトン樹
脂,フッ素樹脂,シリコーン樹脂,エポキシ樹脂,フェ
ノール樹脂,メラミン樹脂,尿素樹脂,ポリアミド,ポ
リハロゲノオレフィン(オリゴマー),ゴム,塩化ゴ
ム,セルローズもしくは炭水化物あるいはそれらの誘導
体,ポリペプチド誘導体,シェラック(ワックス),ポ
リカーボネート,ポリビニル系樹脂,ポリアロマチック
ス等の単独もしくはこれらの混合物あるいはこれらと香
料の混合物を用いて粉体の表面を被覆してやることが肝
要である。この被覆法には非水溶剤中での液中マイクロ
カプセル化法,粉体を流動させ乍ら皮膜物質の液体,ペ
ーストまたは溶液を噴霧させる流動式カプセル化法とか
スプレードライ法,あるいは皮膜物質を放射線硬化樹脂
組成物中に溶解もしくは分散させておきこれに粉体を投
入して攪はんすることにより粉体の表面に自然的に又は
選択的に皮膜を形成させてやる即席方法等がある。とく
にこの即席方法によるときは粉体の皮膜形成と硬化樹脂
組成物の混練とが同時的に行われるので便利なこともあ
る。なお即席方法では比較的低分子量の放射線硬化樹脂
組成物を用いるのが疎水性皮膜を形成させるのに好都合
である。しかし乍ら微妙な香調を必要とする時とか高価
な香料を用いる場合にはカプセル化法もしくはスプレー
ドライ法によって別工程において粉体の表面を疎水性皮
膜で覆ってやる操作を丁寧に行ってやる方法が好ましい
のである。
いずれにせよ以上の被覆操作によって有香粉末が室温
で且つ空気雰囲気下で安定化するのであるが、中性ジル
コニウム化合物粉末100部に対し皮膜物質の使用量は
(香料が含まれている場合はこれを除いた量として)0.
1〜10部とくに好ましくは0.5〜5部程度使用される。
また別工程による被覆方法によった場合はその処理粉
体は乾燥雰囲気下で放射線硬化樹脂組成物に投入され混
練される。この混練は各成分の均一な分散,混合とその
濃度や粘度の調整のほかに、必要ならばレベリング剤の
混和,若干の香料の添加,フィラー粉体の混入,増感剤
の添加,酸化防止剤の添加あるいは顔料の添加をも兼ね
て行われることが多いが、これらの少なくとも一つが硬
化樹脂組成物に予め配合されてあるならば、これらのも
のに関してはその混入とか添加とかの操作を省略しうる
ことは勿論である。
本発明にいう放射線とは主として紫外線もしくは電子
線であり、紫外線の場合には若干の可視光線とか赤外線
の混入が行われる場合がある。放射線硬化樹脂組成物は
原則として低沸点溶剤を含まない方が良いのであるが印
刷,塗布の操作を容易にするため若干の溶剤を含むこと
が許容される。紫外線硬化樹脂とは紫外線で硬化するイ
ンキ中のバインダー樹脂成分のことであり、その成分と
しては一般に(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー,
ウレタン化(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー,多
官能性(メタ)アクリル酸オリゴマー,不飽和ポリエス
テル,エポキシ樹脂,エポキシ変性(メタ)アクリル酸
エステルオリゴマー等が用いられ、またその溶剤として
は反応性希釈剤がよく用いられる。そして印刷適性もし
くは塗料適性をよくするため、場合によっては有機溶剤
が加えられることがあるが、その使用量は可及的少ない
方が硬化に都合がよい。
香料を何らかの処理をすることなく従来から行われて
いるごとくそのままでインキに直接的に加えると、放射
線による重合が起こり難くなると共に香料の変質を来す
ので、若干の香料成分自身の添加が要求されるような場
合であっても、それは可及的少なく添加されるべきであ
る。特に低沸点香料が添加される場合は原則としてシク
ロデキストリンを含む有香粉末または有香ペースト状物
の細粒としてインキ中に加えられ混練されるべきであ
る。紫外線硬化インキの樹脂成分は光反応開始剤によっ
て速やかに硬化が進行するものであり、その重要なもの
としてはベンゾインエーテル,α−アシロキシムエステ
ル,アセトフェノン誘導体,ベンゾフェノン誘導体,ベ
ンジルケタール,ケトン−アミン系配合物,ジアゾニウ
ム塩等がある。紫外線照射による硬化はベンゾフェノン
やキノンのごとく水素引抜剤として作用して重合を開始
し、また一方ミヒラーケトンは励起分子内移動状態で反
応を行う。またキサントンやフルオレノンはアミンや硫
黄化合物から、電子ドナーが存在した場合水素引抜剤と
して働くのである。さらに色素をはじめとする市販の各
種増感剤は紫外線を吸収して励起状態となり酸素の存在
下と非存在下ではやや異なった反応経路をとるが重合を
好都合に進行させる。エポキシ樹脂の紫外線硬化触媒と
してはジチオール,ポリチオールがよく用いられる。
本発明における基体として用いられるものは紙,繊
維,プラスチックスフィルム,織物,プラスチックス成
型品,金属,セラミックス,木材,竹材,ゴム製品,皮
製品等を指し、着色インキを用いた場合には香りのある
各種の柄印刷ができ、また無色インキを用いた場合には
香りのある塗布ができる。なお本有香インキを用いて印
刷または塗布によって膜厚が1〜10ミクロンの樹脂硬化
層を形成したのち更にオーバーコート層を設けて表面保
護のための役目を果たせることも可能である。印刷また
は塗布は平版印刷,凸版印刷,スクリーン印刷,グラビ
ア印刷,オフセット印刷,フレキソ印刷,転写印刷,コ
ーティング法,インクジェット印刷,ローラー塗布法等
のいずれかによって行いうる。
本発明のインキの使用に際しての硬化は紫外線照射に
よって行う場合が多いのでまずこの操作等について説明
してみよう。紫外線照射は一般に0.5〜5秒の範囲で行
われることが多く、何回も光重合が行われる多層コーテ
ィングとか多層印刷を行う場合には1回の照射時間は短
くされる傾向にある。ここで用いられる紫外線硬化イン
キは、一般にオリゴマー(光重合性プレポリマー),モ
ノマー(反応性希釈剤,光重合性モノマー)が主体であ
り、必要に応じて増感剤(光重合開始剤)の添加量が増
減され、このほかに顔料,安定剤,接着性賦与剤,ミス
チング防止剤,ワックス等が添加されることがある。紫
外線硬化インキを用いる平版印刷では例えばカルトン印
刷にその特長が生かされており、カルトン用枚葉平版紫
外線硬化インキの代表的な組成はエポキシアクリレート
40部,ポリオールアクリレート27部,光重合開始剤4
部,トリメチロールプロパントリアクリレート4部,メ
チルハイドロキノン0.1部のほか顔料等10〜30部という
ような具合である。そして、この処方の顔料に相当する
部分を本発明にいう有香粉体におきかえれば有香インキ
になるのである。
オフセット印刷機をもちいて紫外線硬化インキ(ここ
では紫外線硬化ワニスという)をオーバープリントする
ほかに紫外線硬化ワニスをロールコーターやスクリーン
印刷機によってコーティングすることができる。このよ
うなオーバープリント用紫外線硬化ワニスの代表的な光
硬化性樹脂組成物の例を示すと、エポキシアクリレート
(オリゴマー)50部,トリメチロールプロパントリアク
リレート30部,1,6−ヘキサンジオールジアクリレート8
部,2−ヒドロキシ−2−メチルプロピエフェノン6部,
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン4部,
ワックス1部,ジエタノールアミン1部の混合物という
ようなものである。
さらに本発明のインキを電子線によって硬化させる場
合には、光重合開始剤,増感剤の使用は不要となり、且
つ不透明顔料の使用とか内面印刷,内面塗布の場合にも
適用して短時間内に目的が達成できる。インキの基本的
なバインダー樹脂成分については電子線硬化の場合と紫
外線硬化の場合とが類似しており、原料としてはポリエ
ステル(メタ)アクリレート,ポリエポキシ(メタ)ア
クリレート,ポリウレタン(メタ)アクリレート,ポリ
エーテル(メタ)アクリレート,ポリオール(メタ)ア
クリレート,エポキシ化ポリブタジエン,不飽和ポリエ
ステル,乾性油変性(メタ)アクリレート,ポリエチレ
ン,ポリスチレン,ポリ塩化ビニル,ポリブチレンテレ
フタレート等が用いられ、反応性希釈剤としては各種の
多官能性(メタ)アクリレートモノマー,ジ(メタ)ア
リル系モノマー,トリ(メタ)アリル系モノマー等が用
いられる。オフセット印刷用インキを例にとると顔料が
15〜60%含まれていても電子線硬化は速やかに起こる。
そしてインキ中に有香粉体の表面が疎水性皮膜で覆われ
た粉体が含まれていても1〜20Mradの通常の硬化条件内
で余り問題が起こらずにインキ膜を硬化しうるものであ
る。
一般的に紫外線硬化では投入される光のエネルギーの
15〜18%しか有効に利用できないが、電子線加速器によ
って投入されるエネルギーでは50〜60%が有効に利用で
きるとされており、電子線硬化は紫外線硬化の場合の1/
10程度の時間内で目的とする硬化が完了するのである。
〔実施例〕
本発明者らは多数の実験を行って本発明の優秀性を明
らかにしたのであるが、さらに本発明の技術的内容を説
明するため多数の実験例中より代表的な数例を選んで以
下に実施例として示すことにする。従って本発明は単に
実施例のみに限定して解釈されるべきではなく、本発明
の趣旨と精神を逸脱せざる限り任意にその実施態様を変
更して実施しうることは当然である。
実施例1 比表面積が400m2/g,平均粒径が0.5ミクロンである活
性リン酸ケイ酸ジルコニウム(第一稀元素化学工業株式
会社製,pH7.0)を強熱乾燥させ完全に脱水させた微粉末
150gにトップノート35重量%,ミドルノート20重量%お
よびベースノート45重量%であるローズの調合香料40g
を投入して窒素気流中で激しく攪はんして粉末とする。
ついで熔融したポリエチレンオリゴマー20gに上記ロー
ズ調合香料10gを混合したペースト状物を上記粉末に投
入して攪はんしてやると有香皮膜で覆われた有香組成物
ができる。この有香組成物を窒素気流中で激しく流動さ
せ乍らシリコーンワックスの希薄分散液をスプレーして
粉末の表面に薄いシリコーンワックス皮膜を形成させる
と安定化した有香粉体ができる。この有香粉体230gを紫
外線硬化インキ(東華色素株式会社製,UVベスト・キュ
アー変性メジウム)250gと充分混練してやるとローズの
香りの有香インキが得られた。このものは印刷物の表面
にオーバーコートし紫外線硬化させると印刷物に永続的
なローズの香りを付与することができる。
実施例2 ベンジルアセテート20部,ジャスミンアブソリュート
5部,フェニルエチルアルコール10部,ヒドロキシシト
ロネラール15部,リナロール10部およびヘキシルシンナ
ミックアルデハイド3部の香料混合物50gを水素添加ホ
ホバ油50gと60℃で混合し攪はんし乍ら徐々に冷却させ
て固形物となし次にこれを低温で粉砕して粉末とする。
この粉末30gをメタノール50gに溶解させ、これをpH6.5
の活性リン酸ケイ酸ジルコニウム微粉末(第一稀元素化
学工業株式会社製,pH6.5)100gに散布して激しく混合し
たのち、低温減圧下でメタノールを蒸発させたのち粉砕
して有香微粉体Aとする。
この操作によって微粉体Aはその表面に水素添加ホホ
バ油が相分離して浮き上がり、微粉体Aの表面が水素添
加ホホバ油で都合よく均一に覆われたものになる。
一方ゲラニオール40部,フェニルエチルアルコール10
部,ブルガリアローズアブソリュート10部,ゼラニウム
オイル8部およびオリスオイル2部の香料混合物80gの
香料混合物を活性リン酸ケイ酸ジルコニウム微粉末(第
一稀元素化学工業株式会社製,pH6.5)100gに散布して激
しく混合して完全に収着が完了するまで放置すると粉末
Bとなる。この粉末を窒素気流中で流動させ乍らマイク
ロクリスタリンワックスの希薄ペンタン溶液をスプレー
法により散布したのち乾燥し粉末の表面を薄いワックス
皮膜で覆ってやり有香微粉体Bとする。ついで有香微粉
体A50gと有香微粉体B50gとを混合して配合有香微粉体と
しておく。この配合有香微粉体100gを紫外線硬化インキ
(大日精化工業株式会社製,セイカビームPHC−2300)2
00gに投入して充分混練し均一なペースト状インキとす
る。このインキは優雅なジャスミン・ローズの香りの有
香インキであった。このものは印刷物の表面にオーバー
コートし紫外線硬化させると印刷物に半永続的なジャス
ミン・ローズ芳香を付与することができる。
実施例3〜31(比較例1〜17を含む) 各種の多孔性の中性ジルコニウム化合物粉末の効果と
他の多孔性粉末の効果とを比較するため表1に示す性質
を有する粉体(粒径0.5〜3ミクロンの脱水品)を調製
して実験を行った。これらの粉体100部にローズベース
香料液(フェニルエチルアルコール80部,ベンジルサリ
チレート5部,エチレンブラシレート4部,メチルヨノ
ン2部,アミルシンナミックアルデハイド1部,ムスク
アンブレット1部,ズドラベッツオイル1部,紫外線安
定剤1部,メタノール5部の混合物)30gを散布混合し
たのち減圧下にてメタノールを蒸発させた粉体に疎水性
皮膜剤として日本薬局方のパラフィンワックス3部を最
少量の石油エーテルに溶解した溶液を散布し充分に攪は
んしつつ減圧下に保って石油エーテルを蒸発させる。得
られた有香粉体を紫外線硬化インキ(東華色素株式会社
製,UVベスト・キュアー変性メジウム)200g中に投入し
て充分混練してやるとローズ調の香りの紫外線硬化用の
有香インキが得られた。この有香インキをオフセット印
刷機を用いて葉書の表面に5〜7ミクロンの厚さになる
よう塗布し10秒間40〜45℃で紫外線照射して硬化させた
のち室内で1週間放置した後、ローズ調の香りの試験を
行ったところ表1の結果が得られた。表1のNo.のうち
実施例3〜21と記したのは本発明の成果に関するもので
あり、比較例1〜17は実施例と対比するため行った実験
結果である。
表1において香りの試験結果は、有香インキを印刷し
た葉書について男,女各5人づつのパネリストによって
香調を官能テストし、原料であるローズベース香料液の
香調と比較して決定したものである。◎はパネリストの
8人以上が、○はパネリストの6人以上が香調の著しい
変化を認めなかったことを示す。また△はパネリストの
5人以上が、×はパネリストの8人以上が香調の変化を
確認したものであることを示す。
実施例22〜26 比表面積が440m2/g,平均粒径が1.7ミクロンである活
性アルミン酸ジルコニウム粉末(pH7.2)100gに表2に
示す香水90gを散布して密閉容器内で5時間激しく攪は
んして冷却したのち0℃に保ったデシケーター中で減圧
乾燥してエタノールを除去した粉末とする。ついでフッ
素樹脂オリゴマーを2%含有せしめたフレオン溶液300m
l中にこの粉末を投入し−20℃まで冷却して攪はんしつ
つ1夜放置すると有香粉末の表面がフッ素樹脂で覆われ
た粉体が得られるのでこれを濾別して乾燥すると安定化
した有香粉体となる。この有香粉体100gを紫外線硬化イ
ンキ(東華色素株式会社製,UVベスト・キュアー変性メ
ジウム)150g中に投入して充分混練してやると原料香水
に応じた有香インキが得られる。この方法で香水の香調
の紫外線による変色が心配される場合には紫外線安定剤
(例えばチバ・ガイギー社製,チヌビン等)を予め可及
的少量香水に加えておいてもよい。またこの有香インキ
を着色インキと混合すれば各色の有香インキとなる。こ
の有香インキを用いて実施例3〜21と同様に名刺にオー
バーコートして紫外線硬化させたのち香調を官能テスト
した結果は表2のとおりである。
ただし官能試験は実施例3〜21と同じであるが、実験
操作の関係からどうしても香水のトップノートの一部が
揮発し、この分だけ香りのバランスに変化を生じている
ことが認められた。この有香インキで印刷した名刺をビ
ニール製定期入れに入れ乾燥室内に放置しておいたとこ
ろ、約6ケ月間芳香を揮散した(香調は若干変化する
が、香水の特徴は失われずに保有された)。本実験は皮
手袋,絹手袋,ガラスブローチ,金属製イヤリング等に
も適用され良い結果が得られた。
実施例27 実施例22〜26で示した方法にしたがって、ブルガリア
ローズアブソリュート30gを活性ケイ酸ジルコニウム粉
体(pH7.2)100gに含浸させた粉末の表面をフッ素樹脂
で被覆して安定な有香粉体とする。この有香粉体100gを
アクリル変性アルキド樹脂100gおよびトリメチロールプ
ロパントリアクリレート20g,チタン白20gと混合してペ
ーストとなしたのち黒色に着色されたポリ塩化ビニルシ
ート上に塗布しさらに同じシートを上から重ね積層す
る。この積層シートに電子線加速器(300KV)を用いて
可及的短時間内に10Mradの電子線照射してやると有香イ
ンキ硬化物が中間層としてラミネートされたプラスチッ
クスシートができる。このものを適当に切断して下敷,
定規,栞(ブックマーク)等に加工すれば長期にわたっ
てローズオイルの芳香を発散せしめ、文房具としての商
品価値が倍加する。
〔発明の効果〕
本発明の有香インキは印刷法または塗布法により紙製
品,プラスチックス製品,繊維製品,ゴム製品,皮革製
品,金属製品,セラミックス製品,木工製品等の基体に
付着した後、容易に硬化させることができる。有香イン
キに含まれる香りは、硬化中においても、またその後に
おいても変化することが少なく、長期にわたって発散さ
せることができる。その香りは芳香ばかりでなく薬用,
殺菌用,殺虫用,防臭用(マスキング用)等の匂いにも
適用される。したがって本品は日用品,香粧品,食品包
装材,カド類,出版物,農業用品,病院用品,商店用品
から各種の産業用品にわたっての広い分野に応用される
可能性があり、その有効性は絶大なものであると考えら
れる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】比表面積が200〜600m2/gである微細孔を有
    すると共にpHが5〜9である多孔性の中性ジルコニウム
    化合物粉末100部に液体香料20〜100部を含ませた粉体の
    表面を疎水性皮膜で覆い放射線硬化樹脂組成物100〜500
    部と混練してなることを特徴とする有香インキ。
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