JPH08140361A - サイリスタ整流装置とサイリスタ始動装置 - Google Patents

サイリスタ整流装置とサイリスタ始動装置

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JPH08140361A
JPH08140361A JP6300159A JP30015994A JPH08140361A JP H08140361 A JPH08140361 A JP H08140361A JP 6300159 A JP6300159 A JP 6300159A JP 30015994 A JP30015994 A JP 30015994A JP H08140361 A JPH08140361 A JP H08140361A
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control signal
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commutation
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JP6300159A
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Norihiko Katajima
憲彦 片島
Masahiko Shibata
雅彦 柴田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 速度調整器15は同期機6の周波数信号が周
波数指令信号となるように電流指令信号を生成する。電
流調整器17は順変換器3の電流信号が電流指令信号と
なるように順変換器位相制御信号Θr1を出力する。余
裕角演算器20は順変換器の電流信号または電流指令信
号によって転流重なり角を演算し、この転流重なり角と
予め設定された逆変換器の転流余裕角とから転流重なり
角を見込んだ余裕角制御信号α2を演算出力する。遅延
信号生成器23は余裕角制御信号が位相進み側へ移行す
るとき最小の時間で余裕角制御信号に追従する逆変換器
位相制御信号Θr2を出力する一方、余裕角制御信号が
位相遅れ側へ移行するとき、所定の遅れを持って逆変換
器位相制御信号を出力する。 【効果】 転流失敗を回避し、安定した運転をすること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、他励式のサイリスタ整
流器によるサイリスタ整流装置とサイリスタ始動装置に
おいて、転流失敗を防止するに好適なサイリスタ整流装
置とサイリスタ始動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】サイリスタを用いた他励式のサイリスタ
整流装置は、電力変換装置の代表的なものとして種々の
用途に採用されている。ここでは、三相フルブリッジ位
相制御整流回路を用いた位相制御角によって逆変換動作
を行う場合の転流動作について説明する。
【0003】図9は、上記した逆変換動作をさせる原理
図を示し、直流電源Eは、リアクトルLを介して三相の
サイリスタ素子によるフルブリッジに接続している。そ
して、各アームからは、リアクトルL1,L2,L3を
介して交流電源er,es,etへ接続している。
【0004】まず、サイリスタ素子は、U→Z→V→X
→W→Yの順序で点弧される。今、サイリスタ素子Wと
サイリスタ素子Yが導通(図示黒塗のサイリスタ)して
いる状態を考えると、直流電流IdがリアクトルLを介
してサイリスタ素子WからリアクトルL3→交流電源e
t→交流電源es→リアクトルL2→サイリスタ素子Y
へ流れて直流電源Eへ戻る。
【0005】このとき、次に点弧されるサイリスタ素子
Uの両端にはサイリスタ素子Wを介して交流電源er,
et(ここで、Vrtとする)が印加されている。
【0006】次に、サイリスタ素子Uが点弧されると、
交流電源er,etは、図10に示すようにリアクトル
L1,L3の2つとサイリスタ素子Uとサイリスタ素子
Wを介して短絡される(図示太線部分)。この際、交流
電源Vrtによりサイリスタ素子Wに流れていた電流I
dcがサイリスタ素子へ転流していく。これを式で表す
と式(1)となる。
【0007】
【数1】
【0008】さらに、上記式(1)を転流期間で時間積
分すると、次の式(2)のようになり、その結果を整理
すると、次の式(3)が得られ、式(3)を変形すると
式(4)が求められる。
【0009】
【数2】
【0010】次に、上記式(4)の右辺第2項の直流電
流Idcは、次の式(5)で示されるから式(4)の右
辺は、次の式(6)となる。
【0011】
【数3】
【0012】これより、PU値の次の式(7)の定義に
より次の式(8)が求められる。
【0013】
【数4】
【0014】従って、上記式(4),(6),(8)か
ら次の式(9),(10)が得られる。
【0015】
【数5】
【0016】この結果から図9に示したサイリスタ素子
WからサイリスタUへ転流するための条件として図11
に示すように交流電源etが交流電源erより大きいT
点以前に転流が完了するように上記式(9),(10)
の制御進み角βを確保する必要がある。従って、図11
のT点以前に転流が完了しないと、転流失敗となる。
【0017】図12は、上記した他励式のサイリスタ整
流器を応用したサイリスタ始動装置の一例を示す構成図
である。
【0018】図において、三相電源に一次側が接続する
入力変圧器1の二次側が三相のサイリスタ素子による順
変換器2に接続されている。
【0019】順変換器2は、直流リアクトル3を介して
順変換器2に対応するサイリスタ素子による逆変換器4
に接続され、逆変換器4の各アームから交流リアクトル
5を介して負荷として同期機6に接続されている。
【0020】同期機6は、界磁巻線7へ励磁電流Ifを
図示省略する手段によって供給できるように構成される
と共に、回転子軸に連動して回転する速度パルス発生器
8が取付けられ、速度検出器14へ接続されている。
【0021】また、入力変圧器1の一次側には、順変換
器2の同期のための順変換器同期電源変圧器9が設けら
れ、逆変換器4の出力側には、逆変換器4の同期のため
の逆変換器同期電源変圧器10が設けられ、電圧検出器
19へ接続され、さらに、順変換器2の交流側には変流
器11が設けられて電流検出器16へ接続されている。
【0022】速度検出器14は、速度パルス発生器8が
出力する同期機6の回転数に比例した周波数のパルスを
入力し、同期機周波数信号fsを出力する。電流検出器
16は、変流器11の交流出力を整流し、変換器電流I
dに比例した変換器電流信号Iを出力する。
【0023】電圧検出器19は、逆変換器同期電源変圧
器10の交流出力を整流し逆交換器電圧信号V2を出力
する。
【0024】順変換器パルス発生器18は、順変換器同
期電源変圧器9の交流出力を入力し、同期電源位相を検
出すると共に、順変換器位相制御信号Θr1を入力し、
順変換器位相制御信号Θr1に対応したタイミングで順
変換器2の各サイリスタ素子に順次点弧パルス信号P1
を出力する。
【0025】逆変換器パルス発生器22は、逆変換器同
期電源変圧器10の交流出力を入力し、同期電源位相を
検出すると共に、逆変換器位相制御信号Θr2を入力
し、逆変換器位相制御信号Θr2に対応したタイミング
で逆変換器4の各サイリスタ素子に順次点弧パルス信号
P2を出力する。
【0026】制御装置13は、速度調整器15と電流調
整器17と余裕角演算器20と遅延信号生成器21とか
ら構成されている。
【0027】速度調整器15は、同期機周波数信号fs
と周波数設定値frとを入力し、その偏差信号を増幅し
て偏差信号が小さくなるように電流基準信号Irを出力
する。電流調整器17は、電流基準信号Irと変換器電
流信号Iを入力し、その偏差信号を増幅して偏差信号が
小さくなるように順変換器位相制御信号Θr1を出力す
る。
【0028】余裕角演算器20は、同期機周波数信号f
sと変換器電流信号Iと逆交換器電圧信号V2と転流余
裕角γ2とを入力して所定の演算を行って逆変換器4の
転流重なり角を見込んだ余裕角制御信号α2を出力す
る。
【0029】遅延信号生成器21は、余裕角制御信号α
2を入力し、余裕角制御信号α2の高周波成分を除去す
るために所定の遅れを持った逆変換器位相制御信号Θr
2を出力する。
【0030】以上の構成で、同期機6を加速するときの
サイリスタ始動装置の動作を説明する。
【0031】なお、同期機6の停止状態から所定の周波
数まで加速される間では同期機6の出力電圧Vsおよび
周波数fが十分大きな値に達していないため、逆交換器
電圧信号V2と同期機周波数信号fsとを入力しても余
裕角演算器20によって、余裕角制御信号α2を演算出
力することができない。
【0032】このため、同期機6を停止状態から所定の
周波数まで加速する間は、図示省略する別途設けられた
同期機6の回転子位置検出器から出力される回転子位置
信号に基づいて逆変換器4の点弧パルス信号P2を生成
する。
【0033】次に、同期機6が所定の周波数まで加速さ
れた後のサイリスタ始動装置の動作を説明する。
【0034】まず、界磁巻線7に所定の界磁電流Ifを
流すと、同期機6の回転周波数fに比例した出力電圧V
sが誘起される。
【0035】逆変換器4は、逆変換器パルス発生器22
による点弧パルス信号P2によって各サイリスタ素子が
点弧され同期機6によって誘起する逆の出力電圧Vsが
各サイリスタ素子へ印加され転流させる。この場合、図
9乃至図11で説明するように各サイリスタ素子が転流
失敗なく転流するためには、例えば、図13に示すよう
に転流重なり角μに対して転流余裕角γ2が確保されて
制御進み角βが有する関係が必要である。なお、図13
および以下の説明では転流余裕角γ2と転流重なり角μ
とを説明の都合上別々にしているが、実際には転流重な
り角μを包含して全体として転流余裕角γ2が設定して
ある。
【0036】このために、速度検出器14からの同期機
周波数信号fsと電圧検出器19からの逆交換器電圧信
号V2と変換器電流信号Iと予め設定された転流余裕角
γ2とが余裕角演算器20によって前記式(10)に対
応する(11),(12)に基づいて演算がされ、逆変
換器4の転流重なり角を見込んだ余裕角制御信号α2が
出力される。
【0037】
【数6】
【0038】なお、上記した式(11),(12)で表
される余裕角制御信号α2と転流余裕角γ2は、図13
に示すような関係となっており、式(11)の右の第2
項は転流重なり角μに相当するものであり、これは図1
1に示す転流重なり角μに対応している。
【0039】続いて、余裕角制御信号α2が図14に示
す遅延信号生成器21へ入力され、余裕角制御信号α2
と逆変換器位相制御信号Θr2とが減算器21aによっ
て偏差演算され、得られる偏差信号が積分器21bへ入
力される。この積分器21bにより高周波成分が除去さ
れる。このように、余裕角制御信号α2が所定の時定数
による一次遅れ要素によって遅延されて逆変換器位相制
御信号Θr2が出力される。
【0040】これによって、所定の転流余裕角γ2の設
定された逆変換器位相制御信号Θr2が逆変換器パルス
発生器22へ入力され逆変換器4のサイリスタ素子が点
弧パルス信号P1によって順次点弧される。
【0041】この結果、逆変換器4では、同期機6の出
力電圧Vsを電源としてインバータ運転を行い電力を同
期機6へ送出する。このとき逆変換器4の直流側には、
同期機6の出力電圧Vsと逆変換器位相制御信号Θr2
とに応じた直流電圧Vdc2が現れるが、この直流電圧
Vdc2に対して電流調整器17は変換器電流信号Iが
電流基準信号Irと一致するように順変換器位相制御信
号Θr1を調整し、順変換器直流電圧Vdc1を制御す
る。また、速度調整器15では、同期機周波数信号fs
が周波数設定値frと一致するように電流基準信号Ir
を増減し、同期機6を所定の周波数に維持する。
【0042】なお、入力変圧器1は電圧レベルの変換お
よび順変換器2のサイリスタ素子を短絡電力から保護す
るために、直流リアクトル3は変換器電流Idのリップ
ル抑制のために、交流リアクトル5は逆変換器4のサイ
リスタ素子を短絡電力から保護するために設けてある。
【0043】このように、遅延信号生成器21は順変換
器直流電圧Vdc1と逆変換器直流電圧Vdc2の電圧
リップルによって生じる変換器電流Idの電力リップル
により逆変換器位相制御信号Θr2が変動し、始動装置
の運転が不安定とならないように設けてある。
【0044】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図12
で説明したサイリスタ始動装置の制御装置13には次の
ような問題がある。
【0045】まず、余裕角演算器20により演算される
余裕角制御信号α2は式(11),(12)から分かる
ように変換器電流Idが小さい程遅れ位相となる(図1
3参照)。
【0046】すなわち、変換器電流Idが小さくなれば
対応する変換器電流信号Iが小さくなるから前記式(1
1)の第2項の転流重なり角μに相当する値が小さくな
り、制御進み角βも小さく遅れ位相側にある。従って、
逆変換器位相制御信号Θr2も遅れ位相側にある。この
ようなとき、同期機6の出力電圧Vsの急減や変換器電
流Idが急増すると、前記式(11)の第2項が急増
し、転流重なり角μに相当する値が大きくなる。これに
伴って、制御進み角βが大きくなるため、余裕角制御信
号α2も進み位相側となる。
【0047】ところが、逆変換器位相制御信号Θr2は
所定の遅れを持って移行するため逆変換器位相制御信号
Θr2は遅れ位相側にある。この結果、サイリスタ素子
の転流余裕角γ2が確保されず、転流失敗を起こしサイ
リスタ始動装置が停止する事態が発生する場合がある。
【0048】例えば、今、変換器電流Idが小さい運転
状態が維持されており、図15に示すように転流余裕角
γ2=10(度)、転流重なり角μ=2(度)、制御進
み角β=12(度)として、余裕角演算器20から余裕
角制御信号α2=168(度)が遅延信号生成器21へ
出力されている。そして、遅延信号生成器21からも時
間経過しているため逆変換器位相制御信号Θr2が約1
68(度)で出力されて逆変換器パルス発生器22から
の点弧パルス信号P2によって逆変換器4が安定に制御
されている。
【0049】その後、変換器電流信号Iが5倍以上急に
増加して、図16に示すように前記式(11)の第2項
の転流重なり角μ=10(度)が増加したとすると、余
裕角演算器20から余裕角制御信号α2=160(度)
が出力される。
【0050】これに対して、余裕角制御信号α2を入力
した遅延信号生成器21は、所定の遅れの時定数をもっ
て追従し、未だ図17に示すように逆変換器位相制御信
号Θr2は約168(度)のままとなっている。この結
果、逆変換器位相制御信号Θr2=168(度)でサイ
リスタ素子を点弧すれば、転流重なり角μ=20(度)
を加えると、180(度)をオーバーして転流出来ず転
流失敗が起きる。
【0051】ところで、サイリスタ整流器の負荷として
同期機6を用いていた場合について説明したが、同期機
6の代わりに交流電源を用いてサイリスタ整流器を転流
させる場合にも同様で転流失敗が生じることがある。
【0052】そこで、本発明は、余裕角制御を行うとき
の変換器電流の急増時においても、余裕角制御の安定性
を維持したまま転流失敗防止を実現するサイリスタ整流
装置とサイリスタ始動装置を提供することを目的とす
る。
【0053】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、交流
を直流へ順変換器位相制御信号に基づくパルス制御信号
により変換する順変換器と、該順変換器の直流出力を逆
変換器位相制御信号に基づくパルス制御信号により可変
周波数の交流電力へ変換し同期機へ供給するサイリスタ
素子による他励式の逆変換器と、同期機の周波数信号が
周波数の指令信号となるように電流指令信号を生成する
速度調整器と、順変換器の電流信号が電流指令信号とな
るように順変換器位相制御信号を出力する電流調整器
と、順変換器の電流信号または電流指令信号によって転
流重なり角を演算し、この転流重なり角と予め設定され
た逆変換器の転流余裕角とから転流重なり角を見込んだ
余裕角制御信号を演算出力する余裕角演算器と、余裕角
制御信号が位相進み側へ移行するとき最小の時間で余裕
角制御信号に追従する逆変換器位相制御信号を出力する
一方、余裕角制御信号が位相遅れ側へ移行するとき、所
定の遅れを持って逆変換器位相制御信号を出力する遅延
信号生成器とを設けるようにしたものである。
【0054】請求項2の発明は、請求項1記載のサイリ
スタ始動装置において、余裕角演算器は、順変換器へ入
力する電流信号と同期機の出力電圧信号および周波数信
号と予め設定された逆変換器の転流余裕角とから転流重
なり角を見込んだ余裕角制御信号を演算出力するように
したものである。
【0055】請求項3の発明は、請求項1記載のサイリ
スタ始動装置において、余裕角演算器は、順変換器へ入
力する電流信号と電流指令信号とのいずれか高値の信号
と同期機の出力電圧信号および周波数信号と予め設定さ
れた逆変換器の転流余裕角とから転流重なり角を見込ん
だ余裕角制御信号を演算出力するようにしたものであ
る。
【0056】請求項4の発明は、請求項1記載のサイリ
スタ始動装置において、余裕角演算器は、順変換器へ入
力する電流信号と同期機の界磁電流信号および周波数信
号と予め設定された逆変換器の転流余裕角とから転流重
なり角を見込んだ余裕角制御信号を演算出力するように
したものである。
【0057】請求項5の発明は、請求項1記載のサイリ
スタ始動装置において、余裕角演算器は、順変換器へ入
力する電流信号と電流指令信号とのいずれか高値の信号
と同期機の界磁電流信号および周波数信号と予め設定さ
れた逆変換器の転流余裕角とから転流重なり角を見込ん
だ余裕角制御信号を演算出力するようにしたものであ
る。
【0058】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5
記載のいずれかのサイリスタ始動装置において、遅延信
号生成器は、積分器を有する一次遅れ要素で構成し、余
裕角制御信号と逆変換器位相制御信号とを比較して遅れ
位相信号または進み位相信号を出力する比較器と、進み
位相信号が入力したとき積分器へ最小の時定数を設定す
る一方、遅れ位相信号を入力したとき、積分器へ大きな
時定数を設定する選択器を設けるようにしたものであ
る。
【0059】請求項7の発明は、第1の位相制御信号に
基づくパルス制御信号により交流を直流に変換する第1
サイリスタ整流器と、該第1サイリスタ整流器の直流出
力を第2の位相制御信号に基づくパルス制御信号により
可変周波数の交流電力へ変換し交流電源へ供給する他励
式の第2サイリスタ整流器と、第1サイリスタ整流器の
電流信号が電流指令信号となるように第1の位相制御信
号を出力する電流調整器と、第1サイリスタ整流器の電
流信号または電流指令信号によって転流重なり角を演算
し、この転流重なり角を予め設定された第2サイリスタ
整流器の転流余裕角とから転流重なり角を見込んだ余裕
角制御信号を演算出力する余裕角演算器と、余裕角制御
信号が位相進み側へ移行するとき最小の時間で余裕角制
御信号に追従する第2の位相制御信号を出力する一方、
余裕角制御信号が位相遅れ側へ移行するとき、所定の遅
れを持って前記第2の位相制御信号を出力する遅延信号
生成器とを設けるようにしたものである。
【0060】請求項8の発明は、請求項7記載のサイリ
スタ整流装置において、余裕角演算器は、第1サイリス
タ整流器の電流信号と同期機の出力電圧信号および周波
数信号と予め設定された第2サイリスタ整流器の転流余
裕角とから転流重なり角を見込んだ余裕角制御信号を演
算出力するようにしたものである。
【0061】請求項9の発明は、請求項7または請求項
8記載のサイリスタ整流装置において、余裕角演算器
は、第1サイリスタ整流器の電流信号と同期機の出力電
圧信号および周波数信号と予め設定された第2サイリス
タ整流器の転流余裕角とから転流重なり角を見込んだ余
裕角制御信号を演算出力するようにしたものである。
【0062】
【作用】請求項1の発明によれば、余裕角制御信号が進
み位相側へ移行するとき、即座に追従して逆変換器位相
制御信号が出力され、余裕角制御信号が遅れ位相側へ移
行するとき、所定の遅れをもって逆変換器位相制御信号
が出力される。すなわち、順変換器の電流信号が急増
し、余裕角制御信号が進み位相となっても即座に逆変換
器位相制御信号が出力される。従って、転流失敗を起こ
すことを回避することができる。
【0063】請求項2の発明によれば、順変換器の電流
信号が急増して余裕角制御信号が進み位相となっても即
座に逆変換器位相制御信号が出力され転流失敗を回避す
ることができる。また、余裕角制御信号が遅れ位相とな
ったとき、所定の遅れをもって逆変換器位相制御信号が
出力され安定した余裕角の制御がされる。従って、同期
機の確実な起動が行える。
【0064】請求項3の発明によれば、順変換器の電流
信号が急増して余裕角制御信号が進み位相となっても即
座に逆変換器位相制御信号が出力され転流失敗を回避す
ることができる。また、余裕角制御信号が遅れ位相とな
ったとき、所定の遅れをもって逆変換器位相制御信号が
出力され安定した余裕角の制御がされる。従って、同期
機の確実な起動が行える。
【0065】請求項4の発明によれば、順変換器の電流
信号が急増して余裕角制御信号が進み位相となっても即
座に逆変換器位相制御信号が出力され転流失敗を回避す
ることができる。また、余裕角制御信号が遅れ位相とな
ったとき、所定の遅れをもって逆変換器位相制御信号が
出力され安定した余裕角の制御がされる。従って、同期
機の確実な起動が行える。
【0066】請求項5の発明によれば、順変換器の電流
信号が急増して余裕角制御信号が進み位相となっても即
座に逆変換器位相制御信号が出力され転流失敗を回避す
ることができる。また、余裕角制御信号が遅れ位相とな
ったとき、所定の遅れをもって逆変換器位相制御信号が
出力され安定した余裕角の制御がされる。従って、同期
機の確実な起動が行える。
【0067】請求項6の発明によれば、余裕角制御信号
が進み位相側へ移行するとき、小さな時定数が選択され
迅速に逆変換器位相制御信号が出力され、余裕角制御信
号が遅れ位相側へ移行するとき、大きな時定数が選択さ
れ所定の遅れをもって逆変換器位相制御信号が出力され
る。すなわち、順変換器の電流信号が急増し、余裕角制
御信号が進み位相となっても小さな時定数で即座に逆変
換器位相制御信号が出力される。従って、転流失敗を起
こすことを回避することができる。
【0068】請求項7の発明によれば、余裕角制御信号
が進み位相側へ移行するとき、迅速に逆変換器位相制御
信号が出力され、余裕角制御信号が遅れ位相側へ移行す
るとき、所定の遅れをもって第2の位相制御信号が出力
される。すなわち、第1サイリスタ整流器の電流信号が
急増し、余裕角制御信号が進み位相となっても即座に第
2の位相制御信号が出力される。従って、転流失敗を起
こすことを回避することができる。
【0069】請求項8の発明によれば、第1サイリスタ
整流器の電流信号が急増して余裕角制御信号が進み位相
となっても即座に第2の位相制御信号が出力され転流失
敗を回避することができる。また、余裕角制御信号が遅
れ位相となったとき、所定の遅れをもって第2の位相制
御信号が出力され安定した余裕角の制御がされる。従っ
て、サイリスタ整流器を用いて確実で安定した制御がで
きる。
【0070】請求項9の発明によれば、余裕角制御信号
が進み位相側へ移行するとき、小さな時定数が選択され
迅速に第2の位相制御信号が出力され、余裕角制御信号
が遅れ位相側へ移行するとき、大きな時定数が選択され
所定の遅れをもって第2の位相制御信号が出力される。
すなわち、第1サイリスタ整流器の電流信号が急増し、
余裕角制御信号が進み位相となっても小さな時定数で即
座に第2の位相制御信号が出力される。従って、転流失
敗を起こすことを回避することができる。
【0071】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0072】図1は、本発明の第1実施例を示すサイリ
スタ始動装置の構成図であり、図12と同一符号は、同
一部分または相当部分を示し、両者が異なる点は、遅延
信号生成器21の代わりに遅延信号生成器23としたこ
とである。
【0073】遅延信号生成器23は、図2に示すように
減算器24と比較器25と選択器26と積分器27とか
ら構成されている。
【0074】減算器24は、余裕角制御信号α2と逆変
換器位相制御信号Θr2を入力し、余裕角制御信号α2
と逆変換器位相制御信号Θr2の偏差信号ΔΘr2を出
力する。比較器25は、偏差信号ΔΘr2を入力し、偏
差信号ΔΘr2が正(遅れ)の場合に比較結果信号CP
=1を出力し、偏差信号ΔΘr2が負(進み)の場合に
比較結果信号CP=0を出力する。
【0075】選択器26は、比較結果信号CPを入力
し、比較結果信号CP=1のとき遅れ用の大きな時定数
T1を積分器27へ設定し、比較結果信号CP=0のと
き進み用の最小の時定数T2を時定数Tとして積分器2
7へ設定する。積分器27は、偏差信号ΔΘr2を入力
し、設定された時定数Tで偏差信号ΔΘr2を積分し逆
変換器位相制御信号Θr2を出力する。
【0076】以上の構成で、速度検出器14からの同期
機周波数信号fsと電圧検出器19からの逆交換器電圧
信号V2と変換器電流信号Iと予め設定された転流余裕
角γ2とが余裕角演算器20によって前記の式(1
1),(12)に基づいて演算がされ、逆変換器4の転
流重なり角を見込んだ余裕角制御信号α2が遅延信号生
成器23へ出力される。
【0077】遅延信号生成器23では、図2に示すよう
に、まず、減算器24によって余裕角制御信号α2から
逆変換器位相制御信号Θr2が減算され偏差信号ΔΘr
2が比較器25へ入力される。
【0078】続いて、偏差信号ΔΘr2が正(遅れ)の
とき比較器25により比較結果信号CP=1が出力さ
れ、偏差信号ΔΘr2が負(進み)のとき比較器25に
より比較結果信号CP=0が出力される。
【0079】さらに、比較結果信号CPが、選択器26
へ入力され、選択器26により比較結果信号CP=1の
とき、積分器27へ遅れ用の大きな時定数T1が設定さ
れ、比較結果信号CP=0のとき進み用の最小の時定数
T2が設定される。
【0080】これによって、変換器電流Idが急に上昇
したとき、余裕角制御信号α2が進み位相側へ移行する
が、直ちに進み用の最小の時定数により即座に余裕角制
御信号α2に逆変換器位相制御信号Θr2を追従させ
る。一方、変換器電流Idが減少して遅れ位相側へ移行
したとき、大きな時定数によって遅れて追従するから電
流のリップルが除去され安定した制御がされる。
【0081】例えば、図3に示すように変換器電流信号
I等が急増して、転流重なり角μ=10(度)と増大し
たとすると、制御進み角β=20(度)が急増する。こ
れから余裕角演算器20が前記式(11),(12)よ
り演算して余裕角制御信号α2=160(度)を出力す
る。この場合に、遅延信号生成器23の減算器24によ
って偏差信号ΔΘr2=−10(度)が算出され、比較
器25が比較結果信号CP=0が出力される。
【0082】比較結果信号CP=0を入力する選択器2
6では、進み用の最小の時定数T2が積分器27へ設定
される。この結果、図3に示すように逆変換器位相制御
信号Θr2=150(度)が即座に余裕角制御信号α2
に追従して逆変換器位相制御信号Θr2’=約160
(度)と進み位相側へ移行する(図示矢印方向)。従っ
て、転流重なり角μ=10(度)が確保され転流失敗を
回避することができる。
【0083】一方、例えば、変換器電流信号Iが急減す
ると、図4に示すように転流重なり角μ=2(度)と小
さくなり、転流余裕角γ2=10(度)を加えると制御
進み角β=12(度)となる。これから、余裕角演算器
20から前記式(1),(2)により余裕角制御信号α
2=168(度)が出力される。続いて、遅延信号生成
器23の減算器24によって偏差信号ΔΘr2=18
(度)が算出され比較器25から比較結果信号CP=1
が出力される。
【0084】選択器26では、比較結果信号CP=1を
入力して遅れ用の大きな時定数T1が積分器27へ設定
される。この結果、今度は図4に示すように逆変換器位
相制御信号Θr2=150(度)から逆変換器位相制御
信号Θr2’=168(度)へ所定の遅れをもって遅れ
位相側へ移行する。この遅れ位相側へ逆変換器位相制御
信号Θr2’が移行しても転流重なり角μ=2(度)と
転流余裕角γ2=10(度)が確保されているから転流
失敗を起こすことはない。
【0085】このように、第1実施例によれば、余裕角
制御を用いる場合に余裕角制御出力に進み側と遅れ側で
遅延時間に変化をもたせることにより、従来の制御装置
に比べて余裕角制御の安定性を維持したまま、変換器電
流急増時の転流失敗を防止できるようにした。これによ
り、始動装置を高力率で運転しながら、さらに、確実な
同期機の起動が行える。
【0086】図5は、本発明の第2実施例を示す同期機
のサイリスタ始動装置の構成図である。
【0087】図5が、従来例を示す図12と同一符号
は、同一部分または相当部分を示し、両者が異なる点
は、高値選択回路28を追設すると共に、余裕角演算器
20の構成を異にし、余裕角演算器29としたことであ
る。
【0088】高値選択回路28は、電流検出器16が出
力する変換器電流信号Iと速度調整器15が出力する電
流基準信号Irを入力し、変換器電流信号Iと電流基準
信号Irのいずれかの最大値の信号を選択して余裕角制
御電流信号Ir’として出力するものである。
【0089】余裕角演算器29は、余裕角制御電流信号
Ir’と逆交換器電圧信号V2と同期機周波数信号fs
と転流余裕角γ2を入力して、余裕角制御信号α2を演
算出力する。
【0090】以上の構成で、速度検出器14からの同期
機周波数信号fsと電圧検出器19からの逆交換器電圧
信号V2と高値選択回路28からの余裕角制御電流信号
Ir’と予め設定された転流余裕角γ2とが余裕角演算
器20によって前記の式(1),(2)と同様にして演
算がされ、逆変換器4の転流重なり角を見込んだ余裕角
制御信号α2が遅延信号生成器23へ出力される。
【0091】遅延信号生成器23は、図2と同様となっ
ており、まず、減算器24によって余裕角制御信号α2
から逆変換器位相制御信号Θr2が減算され偏差信号Δ
Θr2が比較器25へ入力される。
【0092】続いて、偏差信号ΔΘr2が正(遅れ)の
とき比較器25により比較結果信号CP=1が出力さ
れ、偏差信号ΔΘr2が負(進み)のとき比較器25に
より比較結果信号CP=0が出力される。
【0093】さらに、比較結果信号CPが、選択器26
へ入力され、選択器26により比較結果信号CP=1の
とき、積分器27へ遅れ用の大きな時定数T1が設定さ
れ、比較結果信号CP=0のとき進み用の最小の時定数
T2が設定される。
【0094】これによって、変換器電流Idが急に上昇
したとき、余裕角制御信号α2が進み位相側へ移行する
が、直ちに進み用の最小の時定数により即座に余裕角制
御信号α2に逆変換器位相制御信号Θr2を追従させ
る。一方、変換器電流Idが減少して遅れ位相側へ移行
したとき、大きな時定数によって遅れて追従するから電
流のリップルが除去され安定した制御がされる。
【0095】このように、第2実施例によれば、電流基
準信号Irの急増に伴う変換器電流Idの急増に対して
は電流検出器16の検出遅延の影響を受けずに、予め逆
変換器位相制御信号Θr2を進めることができ、逆変換
器4の転流失敗を防止できる。このように、変換器電流
信号Iと電流基準信号Irとの最大値により余裕角制御
を行うことで電流基準信号Ir急増時の変換器電流Id
急増に対しては電流検出遅延の影響を受けない。さら
に、確実な転流失敗防止を実現できる。これにより、さ
らに、確実な同期機の起動が行えるようになる。
【0096】図6は、本発明の第3実施例を示すサイリ
スタ始動装置の構成図である。
【0097】図6が、従来例を示す図12と同一符号
は、同一部分または相当部分を示し、両者が異なる点
は、電圧検出器19の代わりに界磁電流検出器30を設
け、余裕角演算器20の構成を異にし、余裕角演算器3
1としたことである。
【0098】界磁電流検出器30は、同期機6の界磁電
流Ifを入力して界磁電流Ifに比例した界磁電流信号
If1を出力する。
【0099】余裕角演算器31は、変換器電流信号Iと
界磁電流信号If1と転流余裕角γ2を入力し所定の演
算式に従い、逆変換器4の転流重なり角を見込んだ余裕
角制御信号α2を出力するものである。
【0100】上記構成で、同期機6の界磁電流Ifが界
磁電流検出器30へ入力され、界磁電流Ifに比例した
界磁電流信号If1が出力される。余裕角演算器31で
は、変換器電流信号Iと界磁電流信号If1と転流余裕
角γ2とを入力し、次の式(13),(14)に従い演
算がされ、逆変換器4の転流重なり角を見込んだ余裕角
制御信号α2が出力される。
【0101】
【数7】
【0102】次に、遅延信号生成器23は、図2に示す
と同様に、まず、減算器24によって余裕角制御信号α
2から逆変換器位相制御信号Θr2が減算され偏差信号
ΔΘr2が比較器25へ入力される。
【0103】続いて、偏差信号ΔΘr2が正(遅れ)の
とき比較器25により比較結果信号CP=1が出力さ
れ、偏差信号ΔΘr2が負(進み)のとき比較器25に
より比較結果信号CP=0が出力される。
【0104】さらに、比較結果信号CPが、選択器26
へ入力され、選択器26により比較結果信号CP=1の
とき、積分器27へ遅れ用の大きな時定数T1が設定さ
れ、比較結果信号CP=0のとき進み用の最小の時定数
T2が設定される。
【0105】これによって、変換器電流Idが急に上昇
したとき、余裕角制御信号α2が進み位相側へ移行する
が、直ちに進み用の最小の時定数により即座に余裕角制
御信号α2に逆変換器位相制御信号Θr2を追従させ
る。一方、変換器電流Idが減少して遅れ位相側へ移行
したとき、大きな時定数によって遅れて追従するから電
流のリップルが除去され安定した制御がされる。
【0106】このように、第3実施例によれば、余裕角
制御を用いる場合に余裕角制御出力に進み側と遅れ側で
遅延時間に変化をもたせることにより、従来の制御装置
に比べて余裕角制御の安定性を維持したまま、変換器電
流急増時の転流失敗を防止できるようにした。これによ
り、始動装置を高力率で運転しながら、さらに、確実な
同期機の起動が行えるようになるという効果が得られ
る。
【0107】図7は、本発明の第4実施例を示す同期機
のサイリスタ始動装置の構成図である。
【0108】図7が、従来例を示す図12と同一符号
は、同一部分または相当部分を示し、両者が異なる点
は、高値選択回路28を追設し、電圧検出器19の代わ
りに界磁電流検出器30を設け、さらに、余裕角演算器
20の構成を異にし、余裕角演算器31としたことであ
る。
【0109】界磁電流検出器30は、同期機6の界磁電
流を検出して界磁電流信号If1を出力する。
【0110】余裕角演算器31は、界磁電流信号If1
と余裕角制御電流信号Ir’と転流余裕角γ2を入力し
て所定の演算式に従い逆変換器の重なり角を見込んだ余
裕角制御信号α2を出力する。
【0111】高値選択回路28は、変換器電流信号Iと
電流基準信号Irとを入力していずれか高値の信号を余
裕角制御電流信号Ir’として出力する。
【0112】以上の構成で、同期機6の界磁電流Ifが
余裕角演算器29へ入力され、界磁電流Ifに比例する
界磁電流信号If1が出力される。
【0113】次に、界磁電流信号If1と速度検出器1
4からの同期機周波数信号fsと高値選択回路28から
余裕角制御電流信号Ir’と予め設定された転流余裕角
γ2とが余裕角演算器31によって前記の式(3),
(4)と同様にして演算がされ、逆変換器4の転流重な
り角を見込んだ余裕角制御信号α2が遅延信号生成器2
3へ出力される。
【0114】遅延信号生成器23は、図2と同じ構成
で、まず、減算器24によって余裕角制御信号α2から
逆変換器位相制御信号Θr2が減算され偏差信号ΔΘr
2が比較器25へ入力される。
【0115】続いて、偏差信号ΔΘr2が正(遅れ)の
とき比較器25により比較結果信号CP=1が出力さ
れ、偏差信号ΔΘr2が負(進み)のとき比較器25に
より比較結果信号CP=0が出力される。
【0116】さらに、比較結果信号CPが、選択器26
へ入力され、選択器26により比較結果信号CP=1の
とき、積分器27へ遅れ用の大きな時定数T1が設定さ
れ、比較結果信号CP=0のとき進み用の最小の時定数
T2が設定される。
【0117】これによって、変換器電流Idが急に上昇
したとき、余裕角制御信号α2が進み位相側へ移行する
が、直ちに進み用の最小の時定数により即座に余裕角制
御信号α2に逆変換器位相制御信号Θr2を追従させ
る。一方、変換器電流Idが減少して遅れ位相側へ移行
したとき、大きな時定数によって遅れて追従するから電
流のリップルが除去され安定した制御がされる。
【0118】なお、サイリスタ始動装置運転中は同期機
の界磁電流Ifを予め決められた所定の値にしておく場
合が少なくない。この場合には、余裕角演算器の入力信
号のうち同期機周波数信号fs、逆交換器電圧信号V2
および界磁電流信号If1の検出は不要であり、この3
つの検出信号に関して余裕角演算器は予め決められた値
に基づいて余裕角制御を行えばよい。
【0119】このようにすれば、同期機の界磁電流If
を一定にしてサイリスタ始動装置を運転する場合には、
前述の実施例と同様の効果が得られる。
【0120】図8は、本発明の第5実施例を示す同期機
のサイリスタ整流装置の構成図である。
【0121】図8が、従来例を示す図12と同一符号
は、同一部分または相当部分を示し、両者が異なる点
は、同期機6の代わりに交流電源として逆変換器運転を
行い直流電源から交流電源に電力を供給するサイリスタ
整流器に適用したことである。
【0122】すなわち、第1実施例で説明した同期機6
の代わりに交流電源Vrとして速度パルス発生器8と速
度検出器14の代わりに交流電源周波数信号frを検出
する周波数検出器32におきかえ、速度調整器15を削
除して電流基準信号Irを固定とした点である。
【0123】以上の構成で、周波数検出器32から交流
電源周波数信号frと電圧検出器19からの逆交換器電
圧信号V2と変換器電流信号Iと予め設定された転流余
裕角γ2とが余裕角演算器20によって前記の式(1
1),(12)と同様にして演算がされ、逆変換器4の
転流重なり角を見込んだ余裕角制御信号α2が遅延信号
生成器23へ出力される。
【0124】遅延信号生成器23は、図2に示すと同様
の構成で、まず、減算器24によって余裕角制御信号α
2から逆変換器位相制御信号Θr2が減算され偏差信号
ΔΘr2が比較器25へ入力される。
【0125】続いて、偏差信号ΔΘr2が正(遅れ)の
とき比較器25により比較結果信号CP=1が出力さ
れ、偏差信号ΔΘr2が負(進み)のとき比較器25に
より比較結果信号CP=0が出力される。
【0126】さらに、比較結果信号CPが、選択器26
へ入力され、選択器26により比較結果信号CP=1の
とき、積分器27へ遅れ用の大きな時定数T1が設定さ
れ、比較結果信号CP=0のとき進み用の最小の時定数
T2が設定される。
【0127】これによって、変換器電流Idが急に上昇
したとき、余裕角制御信号α2が進み位相側へ移行する
が、直ちに進み用の最小の時定数により即座に余裕角制
御信号α2に逆変換器位相制御信号Θr2を追従させ
る。一方、変換器電流Idが減少して遅れ位相側へ移行
したとき、大きな時定数によって遅れて追従するから電
流のリップルが除去され安定した制御がされる。
【0128】このように、第5実施例によれば、余裕角
制御を用いる場合に余裕角制御出力に進み側と遅れ側で
遅延時間に変化をもたせることにより、従来の制御装置
に比べて余裕角制御の安定性を維持したまま、変換器電
流急増時の転流失敗を防止できるようにした。これによ
り、サイリスタ整流装置を高力率で、かつ、安定に運転
できる。
【0129】本実施例においても逆変換器4の運転の安
定化と転流失敗の防止が図られる。この場合において、
交流電源Vrの電圧および周波数が一定のシステムで
は、これら2つの値を検出する必要はなく、余裕角制御
は所定の電圧値と周波数値に基づいて行えばよい。
【0130】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、余裕角制御信号が進み位相側へ移行するとき、即
座に追従して逆変換器位相制御信号を出力し、余裕角制
御信号が遅れ位相側へ移行するとき、所定の遅れをもっ
て逆変換器位相制御信号を出力するようにしたために順
変換器の電流信号等が急増し、転流余裕角が急増しても
転流失敗を起こすことを回避することができる。
【0131】請求項2の発明によれば、順変換器の電流
信号が急増し、転流余裕角が急増しても転流失敗を回避
することができ、同期機の確実な起動が行える。
【0132】請求項3の発明によれば、順変換器の電流
信号が急増し、転流余裕角が急増しても転流失敗を回避
することができ、同期機の確実な起動が行える。
【0133】請求項4の発明によれば、順変換器の電流
信号が急増し、転流余裕角が急増しても転流失敗を回避
することができ、同期機の確実な起動が行える。
【0134】請求項5の発明によれば、順変換器の電流
信号が急増し、転流余裕角が急増しても転流失敗を回避
することができ、同期機の確実な起動が行える。
【0135】請求項6の発明によれば、余裕角制御信号
が進み位相側へ移行するとき、小さな時定数が選択され
迅速に逆変換器位相制御信号を出力し、余裕角制御信号
が遅れ位相側へ移行するとき、大きな時定数が選択され
所定の遅れをもって逆変換器位相制御信号を出力するよ
うにしたために順変換器の電流信号が急増し、余裕角制
御信号が進み位相となっても小さな時定数で即座に追従
して逆変換器位相制御信号が出力される。従って、転流
失敗を起こすことを回避することができる。
【0136】請求項7の発明によれば、余裕角制御信号
が進み位相側へ移行するとき、迅速に第2の位相制御信
号を出力し、余裕角制御信号が遅れ位相側へ移行すると
き、所定の遅れをもって第2の位相制御信号を出力する
ようにしたために第1サイリスタ整流器の電流信号が急
増し、余裕角制御信号が進み位相となっても即座に追従
して第2の位相制御信号が出力され、第2サイリスタ整
流器が転流失敗を起こすことを回避することができる。
【0137】請求項8の発明によれば、第1サイリスタ
整流器の電流信号が急増して余裕角制御信号が進み位相
となっても即座に第2の位相制御信号を出力し、転流失
敗を回避することができる。また、余裕角制御信号が遅
れ位相となったとき、所定の遅れをもって第2の位相制
御信号を出力し、安定した余裕角の制御ができる。従っ
て、サイリスタ整流器を用いて確実で安定した制御がで
きる。
【0138】請求項9の発明によれば、余裕角制御信号
が進み位相側へ移行するとき、小さな時定数を選択して
迅速に第2の位相制御信号を出力し、余裕角制御信号が
遅れ位相側へ移行するとき、大きな時定数を選択して所
定の遅れをもって第2の位相制御信号を出力するために
第1サイリスタ整流器の電流信号が急増し、余裕角制御
信号が進み位相となっても即座に追従して第2位相制御
信号を出力してサイリスタ整流器の転流失敗を起こすこ
とを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す同期機のサイリスタ
始動装置の構成図である。
【図2】図1の同期機のサイリスタ始動装置に備える遅
延信号生成器の構成図である。
【図3】図2の遅延信号生成器の第1の作用を示す説明
図である。
【図4】図2の遅延信号生成器の第2の作用を示す説明
図である。
【図5】本発明の第2実施例を示す同期機のサイリスタ
始動装置の構成図である。
【図6】本発明の第3実施例を示す同期機のサイリスタ
始動装置の構成図である。
【図7】本発明の第4実施例を示す同期機のサイリスタ
始動装置の構成図である。
【図8】本発明の第5実施例を示すサイリスタ整流装置
の構成図である。
【図9】他励式サイリスタ整流器の動作説明図である。
【図10】図9の転流動作を示す第1の説明図である。
【図11】図9の転流動作を示す説明図である。
【図12】従来例を示す同期機のサイリスタ始動装置の
構成図である。
【図13】図12に備える余裕角演算器の作用を示す説
明図である。
【図14】図12に備える遅延信号生成器の構成図であ
る。
【図15】図14の遅延信号生成器の第1の作用を示す
説明図である。
【図16】図14の遅延信号生成器の第2の作用を示す
説明図である。
【図17】図14の遅延信号生成器の第3の作用を示す
説明図である。
【符号の説明】
2 順変換器 3 直流リアクトル 4 逆変換器 5 交流リアクトル 6 同期機 8 速度パルス発生器 9 順変換器同期電源変圧器 10 同期電源変圧器 12 逆変換器同期電源変圧器 13 制御装置 14 速度検出器 15 速度調整器 16 電流検出器 17 電流調整器 18 順変換器パルス発生器 19 電圧検出器 20,28,31 余裕角演算器 22 逆変換器パルス発生器 23 遅延信号生成器 24 減算器 25 比較器 26 選択器 27 積分器 28 高値選択回路 30 界磁電流検出器 32 周波数検出器

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 順変換器位相制御信号に基づくパルス制
    御信号により交流を直流に変換する順変換器と、 該順変換器の直流出力を逆変換器位相制御信号に基づく
    パルス制御信号により可変周波数の交流電力へ変換し同
    期機へ供給するサイリスタ素子による他励式の逆変換器
    と、 前記同期機の周波数信号が周波数の指令信号となるよう
    に電流指令信号を生成する速度調整器と、 前記順変換器の電流信号が前記電流指令信号となるよう
    に順変換器位相制御信号を出力する電流調整器と、 前記順変換器の電流信号または前記電流指令信号によっ
    て転流重なり角を演算し、この転流重なり角と予め設定
    された前記逆変換器の転流余裕角とから転流重なり角を
    見込んだ余裕角制御信号を演算出力する余裕角演算器
    と、 前記余裕角制御信号が位相進み側へ移行するとき最小の
    時間で前記余裕角制御信号に追従する前記逆変換器位相
    制御信号を出力する一方、前記余裕角制御信号が位相遅
    れ側へ移行するとき、所定の遅れを持って前記逆変換器
    位相制御信号を出力する遅延信号生成器とを備えること
    を特徴とするサイリスタ始動装置。
  2. 【請求項2】 前記余裕角演算器は、前記順変換器へ入
    力する電流信号と前記同期機の出力電圧信号および周波
    数信号と予め設定された前記逆変換器の転流余裕角とか
    ら転流重なり角を見込んだ余裕角制御信号を演算出力す
    ることを特徴とする請求項1記載のサイリスタ始動装
    置。
  3. 【請求項3】 前記余裕角演算器は、前記順変換器へ入
    力する電流信号と前記電流指令信号とのいずれか高値の
    信号と前記同期機の出力電圧信号および周波数信号と予
    め設定された前記逆変換器の転流余裕角とから転流重な
    り角を見込んだ余裕角制御信号を演算出力することを特
    徴とする請求項1記載のサイリスタ始動装置。
  4. 【請求項4】 前記余裕角演算器は、前記順変換器へ入
    力する電流信号と前記同期機の界磁電流信号および周波
    数信号と予め設定された前記逆変換器の転流余裕角とか
    ら転流重なり角を見込んだ余裕角制御信号を演算出力す
    ることを特徴とする請求項1記載のサイリスタ始動装
    置。
  5. 【請求項5】 前記余裕角演算器は、前記順変換器へ入
    力する電流信号と前記電流指令信号とのいずれか高値の
    信号と前記同期機の界磁電流信号および周波数信号と予
    め設定された前記逆変換器の転流余裕角とから転流重な
    り角を見込んだ余裕角制御信号を演算出力することを特
    徴とする請求項1記載のサイリスタ始動装置。
  6. 【請求項6】 前記遅延信号生成器は、積分器を有する
    一次遅れ要素で構成し、前記余裕角制御信号と前記逆変
    換器位相制御信号とを比較して遅れ位相信号または進み
    位相信号を出力する比較器と、前記進み位相信号が入力
    したとき前記積分器へ最小の時定数を設定する一方、前
    記遅れ位相信号を入力したとき、前記積分器へ大きな時
    定数を設定する選択器を設けることを特徴とする請求項
    1乃至請求項5記載のいずれかのサイリスタ始動装置。
  7. 【請求項7】 第1の位相制御信号に基づくパルス制御
    信号により交流を直流に変換する第1サイリスタ整流器
    と、 該第1サイリスタ整流器の直流出力を第2の位相制御信
    号に基づくパルス制御信号により可変周波数の交流電力
    へ変換し交流電源へ供給する他励式の第2サイリスタ整
    流器と、 前記第1サイリスタ整流器の電流信号が電流指令信号と
    なるように前記第1の位相制御信号を出力する電流調整
    器と、 前記第1サイリスタ整流器の電流信号または電流指令信
    号によって転流重なり角を演算し、この転流重なり角を
    予め設定された前記第2サイリスタ整流器の転流余裕角
    とから転流重なり角を見込んだ余裕角制御信号を演算出
    力する余裕角演算器と、 余裕角制御信号が位相進み側へ移行するとき最小の時間
    で前記余裕角制御信号に追従する前記第2の位相制御信
    号を出力する一方、前記余裕角制御信号が位相遅れ側へ
    移行するとき、所定の遅れを持って前記第2の位相制御
    信号を出力する遅延信号生成器とを備えることを特徴と
    するサイリスタ整流装置。
  8. 【請求項8】 前記余裕角演算器は、前記第1サイリス
    タ整流器の電流信号と前記同期機の出力電圧信号および
    周波数信号と予め設定された前記第2サイリスタ整流器
    の転流余裕角とから転流重なり角を見込んだ余裕角制御
    信号を演算出力することを特徴とする請求項7記載のサ
    イリスタ整流装置。
  9. 【請求項9】 前記遅延信号生成器は、積分器を有する
    一次遅れ要素で構成し、前記余裕角制御信号と前記第2
    の位相制御信号とを比較して遅れ位相信号または進み位
    相信号を出力する比較器と、前記進み位相信号が入力し
    たとき前記積分器へ最小の時定数を設定する一方、前記
    遅れ位相信号を入力したとき、前記積分器へ大きな時定
    数を設定する選択器を設けることを特徴とする請求項7
    または請求項8記載のサイリスタ整流装置。
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