JPH08140612A - ケーキ用乳化油脂組成物 - Google Patents

ケーキ用乳化油脂組成物

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JPH08140612A
JPH08140612A JP6306967A JP30696794A JPH08140612A JP H08140612 A JPH08140612 A JP H08140612A JP 6306967 A JP6306967 A JP 6306967A JP 30696794 A JP30696794 A JP 30696794A JP H08140612 A JPH08140612 A JP H08140612A
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oil
cake
fat
emulsified oil
emulsified
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JP6306967A
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Hiroki Kamiyama
弘樹 上山
Kesatoshi Suzuki
今朝利 鈴木
Hidekazu Takahashi
秀和 高橋
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い乳化安定性を有し、またケーキ生地を調
製する際の油脂の添加を熟練した技術の必要なく、容易
に行うことができ、更にボリューム感のある、軽い食感
のケーキを製造するのに好適なケーキ用乳化油脂組成物
を提供する。 【構成】 全組成物量に対して10〜90重量%の油脂
が水中に乳化分散されてなる乳化油脂組成物であって、
該乳化油脂組成物中に0.01〜5重量%のポリグリセ
リン脂肪酸エステル及び1.5〜4.5重量%の加工澱
粉が含有されており、かつ5℃で流動能を維持すること
を特徴とするケーキ用乳化油脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケーキ製造用の乳化油
脂組成物の改良に関する。更に詳しくは、本発明は、生
地の調製時における油脂のハンドリング性(油脂を溶か
したり、油脂を添加する際の温度を調節するような作
業)を改善し、またボリューム感があり、軽い食感のケ
ーキを製造するのに好適なケーキ用乳化油脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】スポンジケーキ、バターケーキ、あるい
はパウンドケーキなどのケーキ類は、卵(全卵)、砂
糖、及び小麦粉(薄力粉)を主原料とし、これに膨剤
(ベーキングパウダー)や必要により油脂(バター、マ
ーガリン、ショートニングなどの固形油脂)を加えて作
られる。これらのケーキ生地の調製は、卵の起泡性を利
用した共立て法(全卵と砂糖を用いて泡立てておき、こ
れに小麦粉を加えて生地を作る)や、別立て法(全卵を
卵黄と卵白に分け、別々に砂糖を加えて泡立てた後、こ
れらの双方を混合し、最後に小麦粉を加えて生地を作る
方法)が多用されている。しかし近年では、更に起泡剤
(モノグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステルなどが混合された界面活
性剤)、あるいはこれらの界面活性剤、油脂及び水から
なる起泡性乳化油脂組成物を加えることによって量産化
に適したオールインミックス法(上記の原料を一度に混
合して生地を作る方法)などの方法も一般的になって来
ている。なお、原料として油脂を使用する場合には、上
記のような方法で調製した生地に更に油脂(常温で固形
のバターなどの場合には、加熱して溶解させ、液体状又
は流動状態のもの)を添加する、所謂後油法を組み合わ
せた方法で最終的に生地が調製されている。
【0003】上記共立て法や別立て法は、スポンジケー
キ生地の代表的な製法であるが、卵のホイップ加減や小
麦粉、油脂の添加の方法などが難しく、ボリューム感の
あるケーキを安定して製造するには、非常に熟練した技
術が必要とされる。特に、油脂には消泡作用があり、起
泡させた生地に後油法に従い油脂を添加すると、生地中
の気泡がつぶれ、ボリューム感あるケーキを作ることが
難しくなる。このため従来から油脂を予め60〜80℃
に調温して、起泡させた生地に手早く混合する方法が採
られている。この方法は比較的気泡の消失が少なく、良
好な方法と言えるが、この方法をうまく行うには、相当
の熟練した技術が必要とされる。またこのような方法を
行うためには予め油脂を溶かし、調温しなければならな
いとの面倒な作業も伴う。
【0004】油脂を含む高含泡性のケーキ生地を別立て
法、共立て法で調製する際に、卵の泡を安定に保つのに
好適なケーキ用乳化油脂が提案されている(特開昭64
−16554号公報)。このケーキ用乳化油脂を用いる
ことで、ケーキ生地調製時の油脂の添加が容易になり、
その作業性は改善されると記載されているが、乳化油脂
自体の乳化安定性が充分でなく、離水を生じる場合があ
り、またこのケーキ用乳化油脂を用いて得られるケーキ
の口どけ感も充分とはいえない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高い乳化安
定性を有し、またケーキ生地を調製する際の油脂の添加
を熟練した技術の必要なく、容易に行うことができ、更
にボリューム感のある、軽い食感のケーキを製造するの
に好適なケーキ用乳化油脂組成物を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、全組成物量に
対して10〜90重量%の油脂が水中に乳化分散されて
なる乳化油脂組成物であって、該乳化油脂組成物中に
0.01〜5重量%のポリグリセリン脂肪酸エステル及
び1.5〜4.5重量%の加工澱粉が含有されており、
かつ5℃で流動能を維持することを特徴とするケーキ用
乳化油脂組成物にある。
【0007】本発明は、以下の態様であることが好まし
い。 (1)油脂の固体脂含量(SFC)が、20℃で10%
以上(特に15%以上)で、35℃で7%以下(特に5
%以下)である。 (2)油脂の上昇融点が、30℃〜38℃の範囲にあ
る。 (3)乳化油脂組成物中に、0.1〜2重量%のポリグ
リセリン脂肪酸エステルが含有されている。 (4)ポリグリセリン脂肪酸エステルが、グリセリンの
平均重合度が4〜10のポリグリセリンと炭素数18の
飽和脂肪酸とのモノエステル又はジエステルである。
【0008】(5)乳化油脂組成物中に、2.0〜4.
2重量%の加工澱粉が含まれている。 (6)加工澱粉が、30℃で10000cpの粘度の澱
粉糊液とした場合の離水率が、20%以下(特に、15
%以下)を示すものである。 (7)乳化油脂組成物の5℃における粘度が、500〜
20000cp、更に好ましくは、1000〜1000
0cpである。
【0009】以下に本発明のケーキ用乳化油脂組成物
(以下単に、乳化油脂組成物と称する場合がある)につ
いて説明する。本発明で用いることができる油脂は、特
に制限はないが、得られるケーキの良好な口溶け感やコ
クなどの固体脂特有の食感が得られるように、20℃の
固体脂含量(SFC)が6%以上(更に好ましくは、1
0%以上、特に15%以上)で、35℃のSFCが12
以下(更に好ましくは、7%以下、特に5%以下)を示
すものであることが好ましい。また油脂の上昇融点は、
30〜38℃の範囲にあることが好ましい。これらの油
脂の例としては、菜種油、パーム油、コーン油、ヤシ
油、カカオ脂などの植物油脂、及びこれらの硬化油、乳
脂、ラード、魚油などの動物性油脂、及びこれらの硬化
油脂を挙げることができる。これらは、二種以上組み合
わせて使用することができる。なお、上記油脂の固体脂
含量(SFC)の値は、パルスNMR法(D.Waddington
1986 :Analysis of Oils and Fats,R.J.Hamilton and
J.B.Rossell(Ed.),341-399, Elsevier Applied Science
Publishers, New York)によって測定した。また上昇
融点は、「基準油脂分析試験法(2.3.4.2-90)(日本油
化学協会編)」に従い測定した。
【0010】油脂は、乳化油脂組成物中に、10〜90
重量%(好ましくは、40〜60重量%)含まれる。油
脂の含有量が10重量%未満の乳化油脂組成物では、ケ
ーキ配合における必要な油脂量に対して多量の乳化油脂
組成物を添加しなければならず、一方、このように多量
の乳化油脂組成物を添加した場合には相対的に必要以上
の水相成分を加えたことになるため、適用できるケーキ
の種類が限定され、好ましくない。また油脂の含有量が
90重量%を越えた乳化油脂組成物では、安定した水中
油型の乳化物が得にくくなる。
【0011】本発明で用いることができるポリグリセリ
ン脂肪酸エステルは、グリセリンの平均重合度が4〜1
0のポリグリセリンと炭素数16〜18の飽和脂肪酸と
のモノエステル、又はジエステルであることが好まし
い。更に好ましくは、グリセリンの平均重合度が4〜1
0のポリグリセリンと炭素数18の飽和脂肪酸とのモノ
エステル、又はジエステル、特にモノエステルである。
これらは、二種以上を組み合わせて使用することができ
る。また市販品を使用することができる。ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルは、乳化油脂組成物中に、0.01〜
5.0重量%(好ましくは、0.1〜2.0重量%)含
有されている。ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量
が0.01重量%未満では、安定な乳化物になりにく
く、その含有量が5.0重量%を越えると風味が損なわ
れ易くなる。
【0012】本発明で用いることができる加工澱粉は、
天然の澱粉を原料としてリン酸エステル化処理、あるい
は加熱加圧処理により得られたものであることが好まし
い。原料となる澱粉としては、特に制限はなく、種々の
ものが使用できる。例えば、ワキシー澱粉、タピオカ澱
粉、コーン澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、及び
甘藷糖澱粉を挙げることができる。なお、上記のような
リン酸エステル化処理方法、あるいは加熱加圧処理方法
は、公知の方法が利用できる。このような処理により、
澱粉の膨潤、老化、そして離水現象が抑制される。
【0013】本発明で用いる加工澱粉は、30℃で10
000cpの粘度に調整した場合の加工澱粉の糊液の離
水率が、25%以下(更に好ましくは、20%以下、特
に15%以下)を示すものであることが好ましい。な
お、本明細書において、上記離水率は、以下の方法で測
定した値である。加工澱粉(粉末:水分19%)をビー
カー中で蒸留水(25℃)に溶解又は分散させ、これを
沸騰水浴中で攪拌させながら加工澱粉を糊化させる。そ
して澱粉糊液の粘度を30℃で10000cpとなるよ
うに調整し、これをサンプル瓶に100g取り、密閉し
て5℃で1週間冷蔵する。その後、離水した澱粉糊液を
予め水(蒸留水3ml)で湿らせた濾紙を用いて濾過
し、濾液の重量を測定する。なお、上記澱粉糊液の粘度
は、B型粘度計(東京計器(株)製)を用いて測定し
た。離水率は、以下の式を用いて算出することができ
る。 上記の方法で得た代表的な加工澱粉の離水率を以下に記
載する。ワキシー澱粉(9.3%)、タピオカ澱粉(1
9.5%)、馬鈴薯澱粉(12.1%)、コーン澱粉
(5.6%)
【0014】加工澱粉は、乳化油脂組成物中に、1.5
〜4.5重量%(好ましくは、2.0〜4.2重量%)
含有されている。加工澱粉の含有量が1.5重量%未満
では、安定な乳化物になりにくく、その含有量が4.5
重量%を越えると乳化油脂組成物自体の粘度が増大し、
ケーキ生地調製時の作業性が低下するため好ましくな
い。
【0015】本発明のケーキ用乳化油脂組成物は、油脂
10〜90重量%、水0.5〜88.49重量%、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル0.01〜5重量%及び加工
澱粉1.5〜4.5重量%からなり、常法に従い製造す
ることができる。すなわち、まずポリグリセリン脂肪酸
エステルと加工澱粉とを水に加え、加熱してポリグリセ
リン脂肪酸エステルを完全に溶解する。得られた溶解、
混合液に油脂を少量ずつ加え、ホモミキサなどでミキシ
ングして予備乳化を行う。次いで、この予備乳化物を均
質化機(例えば、ホモゲナイザ)を用いて均質化するこ
とにより、本発明に従う水中油型のケーキ用乳化油脂組
成物を得ることができる。得られた乳化油脂組成物は、
加熱殺菌を行ってもよい。なお、本発明の乳化油脂組成
物は、所望により製菓材料、その他の材料を添加するこ
ともできる。以上のようにして得られる、本発明に従う
乳化油脂組成物は、5℃で流動能を維持するが、具体的
には、その5℃の粘度が、500cp〜20000cp
の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは、100
0cp〜10000cpの範囲である。なお、5℃は、
通常の冷蔵時の温度であり、この時の乳化油脂組成物が
流動能を有するとは、冷蔵状態のものを取り出して生地
の製造にそのまま使用できることを意味する。
【0016】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
更に具体的に説明する。なお、以下の「部」又は「%」
は重量基準である。
【0017】[実施例1] (ケーキ用乳化油脂組成物の調製)以下の方法に従い、
表1に示す配合の水中油型のケーキ用乳化油脂組成物を
調製した。水にポリグリセリン脂肪酸エステルと天然澱
粉、又は加工澱粉を加え、65℃に加熱して完全に溶解
させた。次にこれに65℃に加熱して融解させた油脂を
少量ずつ加え、ホモミキサで予備乳化を行い、更にホモ
ゲナイザを用いて充分に均質化した。最後に得られた乳
化物を加熱殺菌し、5℃に冷却して水中油型のケーキ用
乳化油脂組成物を得た。得られた組成物は、5℃で2週
間冷蔵保存した。なお、表1に示す離水率は、前記の規
定方法に従い算出した。油脂のSFC(固体脂含量)
は、前記パルスNMR法を利用した測定装置(SFC9
00A、アステック(株)製)を用いて測定した。上昇
融点(M.P.)も前記の規定方法に従い測定した。ま
た乳化油脂組成物の5℃の粘度は、B型粘度計(東京計
器(株)製)を用いて測定した。
【0018】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 乳化物 実 施 例 比 較 例 の配合 1 2 3 4 1 2 3 4 5 6 ──────────────────────────────────── 菜種油 − − − 25 45 − − − − − パーム油 45 − − − − 45 45 45 45 45 カカオ脂 − 50 − − − − − − − − 乳脂 − − 55 − − − − − − − 魚油硬化油 − − − 25 − − − − − − (IV50) ──────────────────────────────────── 水 51.3 46.6 41.9 46.0 51.3 51.995 45.5 53.3 48.8 52.8 ──────────────────────────────────── ポリグリセリン脂肪酸エステル MS-310 − − − 0.3 − − − − − − MS-500 0.7 0.9 1.1 − 0.7 0.005 6.5 0.7 0.7 0.7 MSW-750 − − − 1.2 − − − − − − ──────────────────────────────────── 加工澱粉(離水率:12.1%) VA70 3.0 2.5 2.0 2.5 3.0 3.0 3.0 1.0 5.5 − ──────────────────────────────────── 天然澱粉(離水率:30.5%) バレイショ − − − − − − − − − 1.5 ──────────────────────────────────── SFC(固体脂含量) (20℃) 14.4 86.0 13.2 20.4 0.0 14.4 14.4 14.4 14.4 14.4 (35℃) 5.6 7.0 0.8 3.2 0.0 5.6 5.6 5.6 5.6 5.6 ──────────────────────────────────── M.P. 37.9 35.0 33.0 34.5 − 37.9 37.9 37.9 37.9 37.9 ──────────────────────────────────── 粘度 5200 6800 8100 6500 4100 − 5100 1500 31200 − (5℃) ────────────────────────────────────
【0019】上記ポリグリセリン脂肪酸エステル(商品
名:MS−310、MS−500、及びMSW−75
0)は、それぞれ阪本薬品工業(株)製のグリセリンの
平均重合度が、4、6及び10のポリグリセリンと炭素
数18の飽和脂肪酸とから得られたモノエステルであ
る。上記「VA70」は、松谷化学工業(株)製のファ
リネックスVA70(商品名)として市販されている、
馬鈴薯澱粉を原料とした加工澱粉である。上記「バレイ
ショ」は、和光純薬工業(株)製の天然の馬鈴薯澱粉で
ある。
【0020】[ケーキ用乳化油脂組成物としての評価]
以上のようにして得られたケーキ用乳化油脂組成物の乳
化状態を製造直後、及び5℃で2週間保存後において調
べた。その結果を下記の表2に示す。
【0021】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 製造直後の乳化状態 5℃、2週間保存後の乳化状態 ──────────────────────────────────── 実施例1 良好 良好 同 2 良好 良好 同 3 良好 良好 同 4 良好 良好 ──────────────────────────────────── 比較例1 良好 良好 同 2 油分離 固化 同 3 良好 良好 同 4 良好 水分離 同 5 流動性消失 流動性消失 同 6 離水 水分離 ────────────────────────────────────
【0022】上記の表2の結果から、本発明に従う乳化
油脂組成物は、製造直後、また保存後においても高い乳
化安定性を有していることがわかる。
【0023】[ケーキの製造及びケーキの評価]上記の
乳化油脂組成物(5℃に2週間保存後のもの)を用いて
下記配合のケーキ生地を調製した。 (1)共立て法の後油法によるケーキ生地の調製 ──────────────────────────────────── 実施例1〜4、 コントロール 配合 及び比較例1〜6 比較例7 比較例8 ──────────────────────────────────── 全卵 150部 150部 150部 砂糖 120部 120部 120部 薄力粉 100部 100部 100部 ベーキングパウダー 1部 1部 1部 乳化油脂組成物 40部 − − バター − 20部 − 菜種油 − − 20部 水 − 20部 20部 ────────────────────────────────────
【0024】全卵と砂糖を充分にミキシングしてホイッ
プさせ(比重0.40前後)、これに薄力粉、及びベー
キングパウダーを加え、軽くミキシングして生地比重が
0.45になるように調節した。最後に、乳化油脂組成
物(実施例1〜4及び比較例1〜6)を加え、軽くミキ
シングしてケーキ生地を調製した。
【0025】またコントロールとして、上記の調製法に
おいて、乳化油脂組成物の代わりに、バターと水(比較
例7)又は液体油(菜種油)と水(比較例8)を用いて
上記と同様な方法でケーキ生地を調製した。
【0026】得られたケーキ生地を焼き型(直径18c
m、高さ6cm)に400g流し込み、180℃で、4
0分間焼成してケーキを製造した。得られたケーキにつ
いてそのボリューム感、及び口溶け感を評価した。ケー
キのボリューム感は、以下の一般的に行われている「な
たね置換法」で評価した。「なたね置換法」一定容器に
なたねをすりきりまで入れた後、ケーキをそのなかに投
入する。次いでなたねをすりきり、あふれたなたねの体
積をメスシリンダーで測定する。口溶け感の評価は、専
門パネルによる官能評価にて行った。評価基準は、以下
の通りである。 AA:良好である BB:余りよくない CC:悪
【0027】また上記ケーキ生地調製において、乳化油
脂組成物あるいは油脂を添加する際の作業性についても
評価した。評価基準は、以下の通りである。 AA:流動性があり、添加し易く、作業性は良い。 BB:流動性はあるが、水分離を生じ、攪拌させながら
添加する必要があり、作業性は余りよくない。 CC:固体、あるいは流動状でなく、溶かしたり、調温
して添加する必要があり作業は面倒である。 結果を下記の表3に示す。
【0028】
【表3】
【0029】上記表3の結果から、本発明に従う乳化油
脂組成物(実施例1〜4)は、ケーキ生地の調製に際し
て、流動状であり生地中への添加が容易に行うことがで
き、またこの乳化油脂組成物により、該乳化油脂組成物
の生地に対する消泡作用が少ないためボリューム感のあ
るケーキを作ることができる。また得られたケーキは、
口溶け感も良好で固体油脂特有の軽い食感を有してい
た。一方、比較用の乳化油脂組成物(比較例1〜6)を
用いた場合や、バター、菜種油を用いた場合には、ケー
キのボリューム感、口溶け感、及び作業性のすべての点
において満足の行く結果は得られなかった。
【0030】 (2)オールインミックス法の後油法によるケーキ生地の製造 ──────────────────────────────────── 実施例1〜4、 コントロール 配合 及び比較例1〜6 比較例7 比較例8 ──────────────────────────────────── 全卵 150部 150部 150部 砂糖 120部 120部 120部 薄力粉 100部 100部 100部 ベーキングパウダー 1部 1部 1部 起泡性乳化油脂 15部 15部 15部 乳化油脂組成物 60部 − − バター − 30部 − 菜種油 − − 30部 水 − 30部 30部 ────────────────────────────────────
【0031】全卵に砂糖、起泡性乳化油脂(ハイロフテ
ィー、(花王(株)製)を加えてミキシングし、起泡性
乳化油脂を充分に分散させてから薄力粉、及びベーキン
グパウダーを加え、軽くミキシングしてから生地比重が
0.45になるまでホイップした。次に、前記のケーキ
用乳化油脂組成物(実施例1〜4及び比較例1〜6)を
添加し、軽くミキシングしてケーキ生地を調製した。
【0032】またコントロールとして、上記の調製法に
おいて、乳化油脂組成物の代わりに、バターと水(比較
例7)又は液体油(菜種油)と水(比較例8)を用いて
上記と同様な方法でケーキ生地を調製した。
【0033】得られたケーキ生地を用いて前記と同様な
方法でケーキを焼成し、得られたケーキについて前記と
同様に評価した。また生地調製時の作業性についても前
記と同様に評価した。結果を下記の表4に示す。
【0034】
【表4】
【0035】上記表4の結果から、オールインミックス
法による生地の調製においても上記表3の結果(共立て
法による生地の調製)と同様に、本発明に従う乳化油脂
組成物(実施例1〜4)を使用することで、生地中への
油脂の添加が容易に行うことができ、またボリューム感
のある、そして口溶け感も良好なケーキを作ることがで
きる。
【0036】
【発明の効果】本発明のケーキ用乳化油脂組成物は、乳
化安定性が高く、また流動状であるためケーキ生地調製
時の生地への添加を熟練した技術を必要とされることな
く、容易に、そしてうまく行うことができ、このため油
脂を添加する際の作業が大幅に簡略化できる。またこの
乳化油脂組成物は、生地に対する消泡作用も少なく、従
ってボリューム感のあるケーキを作ることができる。更
に得られたケーキは、固体脂を用いた場合の特有な軽い
食感を有しており、口溶けも良好である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全組成物量に対して10〜90重量%の
    油脂が水中に乳化分散されてなる乳化油脂組成物であっ
    て、該乳化油脂組成物中に0.01〜5重量%のポリグ
    リセリン脂肪酸エステル及び1.5〜4.5重量%の加
    工澱粉が含有されており、かつ5℃で流動能を維持する
    ことを特徴とするケーキ用乳化油脂組成物。
  2. 【請求項2】 油脂の固体脂含量が、20℃で6%以
    上、35℃で12%以下である請求項1に記載のケーキ
    用乳化油脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリグリセリン脂肪酸エステルが、グリ
    セリンの平均重合度が4〜10のポリグリセリンと炭素
    数16〜18の飽和脂肪酸とのモノエステル又はジエス
    テルである請求項1に記載のケーキ用乳化油脂組成物。
  4. 【請求項4】 加工澱粉が、天然澱粉のリン酸エステル
    化処理、あるいは加熱加圧処理により調製されたもので
    ある請求項1に記載のケーキ用乳化油脂組成物。
  5. 【請求項5】 加工澱粉が、30℃で10000cpの
    粘度の澱粉糊液とした場合の離水率が、25%以下を示
    すものである請求項1又は4に記載のケーキ用乳化油脂
    組成物。
JP6306967A 1994-11-16 1994-11-16 ケーキ用乳化油脂組成物 Withdrawn JPH08140612A (ja)

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