JPH0814067B2 - フェルト状成形物とその製造方法 - Google Patents

フェルト状成形物とその製造方法

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JPH0814067B2
JPH0814067B2 JP63066818A JP6681888A JPH0814067B2 JP H0814067 B2 JPH0814067 B2 JP H0814067B2 JP 63066818 A JP63066818 A JP 63066818A JP 6681888 A JP6681888 A JP 6681888A JP H0814067 B2 JPH0814067 B2 JP H0814067B2
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均 岡野
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は繊維綿と樹脂バインダーからなり、その最表面
部は立毛繊維の少ない平滑面で、表面部は繊維綿が樹脂
バインダーで強固に固定された表面強度の良好な高密度
層であり、この表面部と一体化した内部は繊維綿が樹脂
バインダーで暖く固定された弾力性ある低密度層である
表面強度及びクッション性の良好なフェルト状成形物と
その製造方法である。このフェルト状成形物は上記の特
徴により使用耐久性及びクッション性が良く、ベッド
用、座布団用、カーペット用、畳用、包装用及びその他
の用途のクッション材として最適である。
〈従来の技術〉 本発明のフェルト状成形物は従来の厚手不織布の部類
に属し、特に樹脂バインダー使用乾式不織布に該当す
る。従来、不織布には上記の不織布の他に樹脂バインダ
ー使用湿式不織布、ニードルパンチング不織布、水流絡
合不織布及びメルトブローン不織布などがあり、それぞ
れ製造方法が異なり、その製品もそれぞれ特徴を有す
る。しかし、これら従来の不織布製造法では表面部だけ
強力に樹脂固着すること、ニードルパンチングするこ
と、或いは水流絡合することは難しく、仮りにできても
これら処理だけでは表面部の固定が不十分であるため、
本発明のごとき最表面が立毛繊維の少ない平滑面で表面
部に表面強度の良好な高密度層と、その内部に弾力性あ
る低密度層を有する一体構造の不織布は造られていな
い。
したがって、従来の厚手の不織布をベッド用などのク
ッション材として使用する場合は、比較的柔らかくて弾
力性のある厚手の不織布の表面に布や組織のしっかりし
た薄手の不織布を貼って、表面強度の補強をして使用し
ている。
薄物の不織布で、ニードルパンチングの後に表面の密
度を大にし、この部分にのみ接着材を付着して形成した
ものが実開昭61−82991号に記載され、また、繊維の種
類、繊度、構成比率を変えて密度の異なるウエブを個々
に作り、高密度ウエブを外層にした積層体に嵩高性、多
孔性を発現する熱硬化性のエマルジョンを含浸させて製
造する方法が特開昭51−139971号に見られる。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかし、従来のこのような方法ではこれら表面補強材
と厚手の不織布に一体性がないために、使用耐久性が劣
る、クッション性が良くないなどの欠点が生じ、更にコ
スト高になる、生産性が悪いなどの欠点も出ている。本
発明は、このような問題点を一挙に解決した全く新しい
構造のフェルト状成形物とその製造方法を提供するもの
である。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は繊維綿(4)と樹脂バインダー(5)からな
るフェルト状成形物(1)であって、硬質表面層(2)
と軟質弾性芯層(3)とが連続的に一体形成されてなる
ことを特徴とするフェルト状成形物である。
更には、フェルト状成形物(1)は60〜90重量%の繊
維綿と40〜10重量%の樹脂バインダーからなり、この成
形物の見掛密度が0.06〜0.3g/cm3、厚さが3〜50mm、圧
縮弾性率が50%以上であり、少なくとも厚さ0.5mm以内
が硬質表面層(2)を形成し、その表面層(2)は繊維
綿が樹脂バインダーで強固に固定された表面強度の良好
な高密度層を形成しており、かつその見掛け密度は0.08
〜0.4g/cm3であり、この表面層(2)と連続一体化した
軟質弾性芯層(3)は繊維綿が樹脂バインダーで緩く固
定された弾力性のある低密度層で、特に、少なくとも成
形物全体の厚みの1/2以上の厚みを占め、見掛け密度が
0.05〜0.25g/cm3と低く、かつ前記表面層(2)と軟質
弾性芯層(3)との見掛け密度比が1.1〜2.0であること
を特徴とする。
本発明のフェルト状成形物の好適な製造方法は次のと
おりである。すなわち、60〜90重量%の繊維綿塊に40〜
10重量%の樹脂バインダーを付与し、開繊、層状に展開
して繊維マット(6)とした後、このバインダーの融点
ないし融点より110℃高い温度域で、しかも成形時の繊
維マット(6)の形態変化に於て、圧縮率が97〜50%で
減圧時の圧縮回復率が5〜60%となる温度、圧力及び時
間の条件で加熱加圧成形し、直ちに減圧して繊維マット
(6)の圧縮回復率が5〜60%の形態の状態で樹脂バイ
ンダーの融点以下の温度にまで冷却し固定化して表裏の
硬質表面層(2)と軟質弾性芯層(3)とが連続的に一
体成形させることを特徴とする。
本発明を更に詳しく説明するに当たり、物性値の測定
方法について述べると、フェルト状成形物及びその一部
分の圧さ測定はJIS−L−1096に準じたダイヤルゲージ
式厚さ測定器(圧荷重50g/cm2)を使用し、最初の繊維
マットの厚さ及び成形時の圧縮率算出の為の圧縮間隙の
測定はスチール物差し、ノギス或いは隙みゲージを使用
した。なおフェルト状成形物の表面部及び内部の見掛け
密度の測定試料はこの製品の断面各部分を割漉機で分解
して作成した。また用語の定義では圧縮率=(繊維マッ
ト厚さ−圧縮間隙)÷繊維マット厚さ×100、圧縮回復
率=フェルト状成形物の厚さ÷繊維マット厚さ×100と
した。更にフェルト状成形物の圧縮弾性率及び破裂強さ
の測定はJIS−L−1096に準じ、引張強さ及び引裂強さ
の測定はJIS−L−1085に準じた。
本発明を図面を参照しながら、更に詳しく説明する
と、次のようである。本発明の表面強度及びクッション
性の良好なフェルト状成形物(1)は60〜90重量%の繊
維綿(4)と40〜10重量%の樹脂バインダー(5)から
なる。繊維綿(4)の量が60重量%以下即ち樹脂バイン
ダー量が40%以上だとフェルト状成形物は硬くなりクッ
ション性が悪くなる。また繊維綿の量が90重量%以上即
ち樹脂バインダー量が10重量%以下であると表面部の表
面強度は勿論のこと内部の強度も低下して実用性が無く
なる。なお樹脂バインダーの一部或いは全部を熱融着性
の繊維綿で置き換えることもできる。次に本発明のフェ
ルト状成形物(1)の全体の厚さは3〜50mmである。3m
m以下では薄過ぎて表面部と内部との見掛け密度差を出
し難くクッション性も良くない。また、50mm以上では厚
過ぎて成形時中央部に熱が伝わり難く樹脂バインダー
(5)による繊維綿の固定が悪くて強度不良となる。ま
た、全体の見掛け密度は0.06〜0.3g/cm3である。0.06g/
cm3以下だと全体強度、表面強度及びクッション性が不
足し、0.3g/cm3以上だと硬過ぎてクッション性が悪くな
る。
次に本発明の最大の特徴は、最表面は繊維綿が半ば皮
膜化した樹脂バインダーで強固に固定された立毛繊維の
少ない平滑面で、更に少なくとも厚さ0.5mm以内の表面
部は繊維綿が樹脂バインダーで強固に固定された高密度
層を形成していることである。半ば皮膜化した平滑面及
び高密度層は優れた表面強度を生みだす。表面部のこの
高密度層は厚さが0.5mm以上で、多くの場合1〜2mmに及
ぶ。硬質表面層(2)の見掛け密度は0.08〜0.4g/cm3
ある。見掛け密度が0.08g/cm3以下では柔らか過ぎて表
面強度が悪く、また0.4g/cm3以上では表面が硬過ぎてク
ッション性が低下する。
更に本発明の第2の特徴は、この硬質表面層(2)と
一体構造の軟質弾性芯層(3)は繊維綿が樹脂バインダ
ーで緩く固定された弾力性のある低密度層であり、特に
少なくとも全体の厚みの1/2以上の厚みを占める中央部
は見掛け密度が0.05〜0.25g/cm3と表面部に較べて顕著
に低いことである。見掛け密度が0.05g/cm3以下では内
部の繊維組織の固定が十分でなく崩壊しやすいし、柔ら
か過ぎて逆にクッション性が低下する。また、0.25g/cm
3以上では軟質弾性芯層(3)が硬過ぎてクッション性
が低下する。
更に本発明の第3の特徴は硬質表面層(2)と軟質弾
性芯層(3)、特に後者の中央部との密度バランスであ
り、見掛け密度比1.1〜2.0が適している。この見掛け密
度比が1.1以下だと両層の密度差が小さ過ぎ、全体とし
て高過ぎてクッション性が悪いか、逆に柔らか過ぎて表
面強度が不足し使用耐久性が低下する。また見掛け密度
比が2.0以上であると両層の密度差が大き過ぎ、硬質表
面層(2)のみが硬くなり過ぎクッション性が低下する
か、あるいは軟質弾性芯層(3)が柔らか過ぎて形態が
崩壊しやすい。上記のごとく最適見掛け密度範囲にある
フェルト状成形物(1)は圧縮弾性率が50%以上にな
り、クッション材として最適のクッション性を持つこと
になる。なお全層の構成は高密度の硬質表面層(2)の
直ぐ下に低密度の軟質弾性芯層(3)がありその境界が
明瞭な場合が多いが、高密度の硬質表面層(2)と低密
度の軟質弾性芯層(3)との間で徐々に密度が低下して
境界の明瞭でない場合もある。
本発明で用いる繊維綿(4)はポリエステル繊維、ナ
イロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ビニ
ロン繊維などの合成繊維、レーヨン繊維、アセテート繊
維などの化学繊維、木綿、羊毛、絹、麻などの天然繊維
のいずれでもよく、また混合使用でもよい。なお本発明
で用いるこれらの繊維綿(4)は正規の原料を用いたも
のの他に、紡績工程、不織布製造工程、染織工程、縫製
工程などで発生する屑綿、屑糸、屑布、或いは使用済み
の衣料などを開繊した回収屑綿でもよい。綿は開繊維を
用いて開繊し、更にラッパーやウエーバーなどの機械を
用いて開繊、所定厚さの層状に展開し繊維マット(6)
とする。
本発明で用いる樹脂バインダー(5)の樹脂は、通常
使用されている市販の熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹
脂が使用できる。熱硬化性樹脂としては、例えばフェノ
ール樹脂があり、熱可塑性樹脂としては、例えばポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、
ナイロン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、SBS、NBRなどが
ある。使用する樹脂バインダーの形状は粉状、直径3〜
10mmの小塊状、繊維状、ネット状、及び溶媒に溶解又は
分散させた液状等の形態で用いる。使用方法としては樹
脂バインダー(5)の形状によって使い分け、前記開繊
から繊維マット製造までの任意の工程中に、繊維綿
(4)に粉体を散布する方法、液体をスプレーする方
法、塗布する方法、浸漬する方法あるいは繊維マット
(6)中に混入する方法などがある。また融点の異なる
複数の繊維綿を用いる場合は低融点側の繊維綿を樹脂バ
インダーとして或いはその一部として利用することがで
きる。樹脂バインダー(5)の選定に当たって重要なこ
とは、主体となる繊維綿(4)の融点よりも低融点の樹
脂を選ぶことである。
なお、本発明の目的の一部は表面部の密度が内部に比
べて高いフェルト状成形物を提供することにあるが、そ
の為には使用する繊維マットの表面部の樹脂バインダー
濃度を内部に比べて予め増やしておくことも有効であ
る。その方法の一例は、表面部と内部の樹脂バインダー
濃度が同じの繊維マットを造り、この繊維マットの表面
に樹脂バインダー粉或いは液を乗せる方法がある。更に
この繊維マットには、着色剤、酸化防止剤、吸湿剤、消
臭剤、増量剤等を予め添加しておくこともできる。
次に本発明において好適な加熱加圧成形条件について
述べる。成形はプレス機を用いて行なう。プレス機は不
連続の平盤プレス機でも、連続式のロール式プレス機或
いはベルト式プレス機であってもよい。これらプレス機
によるプレス工程の後には表面を平滑にし、かつその形
態を好ましい圧縮回復率(好ましい厚さ)で冷却固定化
する冷却用の金属板式、スチールベルト式、或いはロー
ル式プレス設備が必要である。加熱加圧成形は樹脂バイ
ンダーが溶融し繊維綿は溶融し難い、しかも繊維マット
量表面部にかかる温度圧力効果が中央部にかかる温度圧
力効果よりも強くなる加熱加圧条件を選ぶ。その為に
は、加熱設備は熱プレス機からの熱伝道で繊維マット表
面から徐々に内部に伝熱する方式、赤外線ヒーター、遠
赤外線ヒーターからの副射熱でプレス機や繊維マット表
面を加熱して繊維マット表面から徐々に内部に伝熱する
方式が有効である。なお熱風加熱等対流で表面と内部を
ほぼ均一に加熱する方式は好ましくない。但し熱風等で
繊維マットを予備加熱して最終的には上記熱プレス機で
加熱する併用方式は有効である。具体的には60〜90重量
%の繊維綿塊に40〜10重量%の樹脂バインダーの融点な
いし融点より110℃高い温度範囲で、しかも成形時の繊
維マット(6)の形態変化に於て、圧縮率が60〜96%で
減圧時の圧縮回復率が50〜5%となる温度と圧力及び時
間の条件で前記プレス機を用いて加熱加圧成形し、直ち
に減圧して、前記冷却用のプレス設備で繊維マットの圧
縮回復率を50〜5%の形態に保ち、加圧或いは表面摩擦
しながら樹脂バインダーの融点以下の温度にまで冷却し
固定する。成形温度が融点以下ではしっかりと固定され
た成形物ができないし、融点より110℃以上高い温度で
焦げて悪臭を放つ。また、圧縮率が96%以上で圧縮回復
率が5%以下になると全体が硬くなり過ぎてクッション
性が無くなり、圧縮率が60%以下で圧縮回復率が50%以
上になると柔らか過ぎて表面強度が不足し使用耐久性が
低下する。なお上記の最適条件を満足する因子は繊維マ
ットの厚さ、見掛け密度、成形の温度、圧縮率(成形時
の温度、圧力、厚み設定、時間等が関与)、及び成形後
の圧縮回復率(成形時の圧縮率、冷却時のプレス設備の
厚み設定等が関与)であり、これら因子の条件の総合し
たものが結果として成形製品の良否に現れる。成形時の
圧力と時間以外の最適条件は上記の如くである。圧力と
時間の条件は温度の影響をも考慮して上記の最適圧縮率
及び最適圧縮回復率になる圧力と時間を選ぶ。圧力は0.
1〜100kg/cm2、時間は1〜300秒の条件から選び得る。
更に最適の圧縮率、圧縮回復率を得るための有利な方法
としては、加熱加圧成形時、及び冷却固定化時に上下の
プレス盤、ロールあるいはベルトの間に所定の間隙を保
つための厚み設定装置やスペーサーを設ける方法があ
る。これら装置の使用により、成形の温度、圧力、時間
の条件が最適条件より若干ずれても、最適の圧縮率及び
圧縮回復率を得ることができる。なお加熱成形時採用の
間隙設定値と冷却固定化時採用の間隙設定値は厚さが異
なってもよい。
加熱加圧成形処理は上記の如く一段で実施する方法の
他に、弱い加熱加圧条件で予備成形を行なって後、上記
の如き本成形を行なういわゆる二段成形法も実施でき
る。この場合、第一段目の圧縮率(即ち厚さ)は第二段
目を圧縮回復率以上にとどめて、第二段目では第1段成
形前の厚さに対して前記の最適圧縮率及び圧縮回復率に
なるような条件を採用する。二段成形法の利点は、第一
段目で比較的形態の安定した繊維マットを得るので、第
二段目の本成形での取り扱いが容易であること、及び平
板状以外の形状の成形物も容易に造れる利点もある。
〈作用及び発明の効果〉 本発明のフェルト状成形物(1)は本発明の原料、原
料組成と加熱加圧成形条件によってのみ造り得る。即ち
繊維綿(4)に樹脂バインダー(5)を付与し、開繊、
所定厚さの層状に展開して造った繊維マット(6)を、
この樹脂バインダー(5)が溶融し繊維綿(4)は溶融
し難い、しかも繊維マットの最表面部にかかる温度圧力
効果が中央部にかかる温度圧力効果よりも強くなる加熱
加圧条件で成形して後、緻密な平滑面を得るための圧着
或いは摩擦冷却固定化処理を行なうことにより、最表面
部には繊維綿(4)が樹脂バインダー(5)で強固に固
定された立毛繊維の少ない平滑面で表面部は繊維が樹脂
バインダーで強固に固定された表面強度の良好な高密度
層であり、その内部には繊維綿(4)が樹脂バインダー
(5)で緩く固定され硬質表面層(2)の見掛け密度よ
りも低い密度で弾力性のある低密度層であり、従来品に
は見られなかった組成と構造の使用耐久性及びクッショ
ン性の良好なフェルト状成形物を得る。
〈実施例〉 以下に本発明の実施態様を具体例で説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 縫製工程で発生したポリエステル綿混の布屑を開繊維
に掛けて屑綿を製造した。得られた屑綿に融点135℃の
ポリエチレン樹脂粉末を繊維/樹脂の重量比率が4/1と
なる量でほぼ均一に混入させた後、簡単なカードにかけ
て繊維マット(6)を造った。この繊維マット(6)は
厚みが60mmで、見掛け密度が0.028g/cm3で、ふわふわし
た状態のものであった。
次に上記繊維マット(6)に下記の方法で平板型の加
熱加圧成形を行なった。先ず、この繊維マット(6)を
2枚のクロムメッキした鉄製平板型の間に置いた。な
お、この2枚の平板型の間の4隅には、成形時繊維マッ
ト(6)の厚みを一定に保ち、また、最表面部と内部と
に加熱加圧効果の差を持たせる為に、厚さ13mmの鉄板小
片をスペーサーとして置いた。そのスペーサーの設置に
より成形時の適正温度圧力範囲が広くなり、更には繊維
マット(6)の最表面部は加熱加圧効果を受け易く、内
部、特に中央部は加熱加圧効果を受け難くなり好都合と
なる。次に、予め210℃に昇温した油圧式平盤熱プレス
機の定盤の上に上記の繊維マット(6)を挟んだ鉄製平
板型を載せて加圧力30kg/cm2で60秒間プレスし(圧縮率
78%)、次にこの繊維マット及びスペーサーを挟んだ鉄
板型を直ちに別の水冷式冷却プレス機へ移して、加圧力
5kg/cm2で120秒間冷却プレスした後、取り出した。
得られた平板状のフェルト状成形物(1)は全体の厚
さが15mmで(圧縮回復率25%)、見掛け密度が0.11g/cm
3で、最表面は繊維面が半ば皮膜化した樹脂バインダー
で強固に固定された立毛繊維の少ない平滑面で、厚さ約
1mmの表面部には繊維綿が樹脂バインダーで強固に固定
された表面強度の良好な高密度層が形成されており、こ
の部分の見掛け密度は0.15g/cm3であり、内部には繊維
綿(4)が樹脂バインダー(5)で緩く固定された弾力
性のある低密度層が形成されており、特に中央部(厚さ
8mm)の見掛け密度は0.08g/cm3であった。
このフェルト状成形物(1)は第1表に示す如く従来
品に比べて優れた諸物性値を有する。なお、表面強度は
特殊な方法のセロテープ剥離試験によった。試験方法は
第1表の脚注に示した。
そのフェルト状成形物(1)は上記の諸性質により使
用耐久性及びクッション性が良好でベッド用、座布団用
クッション材として最適である。
比較例1 実施例1と同じ繊維マットを使用し、鉄線で造った上
下一対の網目状コンベアベルトの間にこの繊維マットを
挟んで、予め190℃に加熱した熱風処理室内を240秒間通
過させた。その室内通過時には上下コンベヤベルトの間
隙が13mmになるように厚み設定装置の設定をし、多数対
の非加熱プレスロールでこのコンベアベルトを押さえる
方式で繊維マットの加熱加圧処理をした。この際の圧縮
率は78%であった。室内通過後空気冷却方式でその繊維
マットを冷却し、コンベヤベルトから取り出し、厚さ18
mm(圧縮回復率 30%)見掛け密度0.094g/cm3とフェル
ト状成形物を得た。このフェルト状成形物は成形時に熱
風が繊維マット表面だけでなく内部にまでほぼ均一に通
過した為に、更には面状でなく網目状の加圧を行なった
為に、表面部と内部との見掛け密度の差を造り得ずクッ
ション性が劣り、また樹脂バインダーによる最表面及び
表面部の繊維固定も不十分で、最表面には無数の繊維が
乱立し最表面及び表面部の表面強度も悪い。そのフェル
ト状成形物の諸物性値を第1表に示す。
このフェルト状成形物はベット用クッション材として
用いるには、表面強度が不十分である為、表面に布又は
組織のしっかりした薄手の不織布を貼って表面強度の補
強をして使用している。
比較例2 実施例1と同じ繊維マットを使用し、実施例1で用い
たと同じ熱プレス機及び2枚のクロムメッキを施した鉄
製平板型を使用して加熱成形処理をした。但し、スペー
サーは使用しなかった。すなわち、予め210℃に昇温し
た油圧式平盤熱プレス機の定盤の上に繊維マットを挟ん
だ鉄製平板型を乗せて加圧力50kg/cm2で60秒間熱プレス
し(圧縮率96.7%)、次に、この繊維マットを挟んだ鉄
板型を直ちに別の水冷式冷却プレス機へ移して加圧力5k
g/cm2で120秒間冷却プレスして取り出した。得られた平
板形のフェルト状成形物は全体の厚さが2.5mm(圧縮回
復率 4.2%)と薄く、見掛け密度が0.68g/cm3と高密度
で表面部と内部との密度差もなく、ベニヤ板状の硬いも
のであり、クッション材には適さない。
実施例2 比較例1で造ったフェルト状成形物(厚さ18mm、見掛
け密度0.94g/cm3)を使用し、これを実施例1と同じ熱
プレス機、2枚のクロムメッキ処理鉄製平板型及び厚さ
13mmの鉄板小片スペーサーを使用して、実施例1と同じ
加熱加圧成形条件(温度210℃、加圧力30kg/cm2、時間4
0秒間)と、実施例1と同じ冷却プレス条件(加圧力5kg
/cm2、時間120秒間)で処理した。このようにして得ら
れたフェルト状成形物は厚さが14mm、全体の見掛け密度
が0.12g/cm3で、立毛繊維の少ない緻密な最表面を有す
る表面層(厚さ 1mm)は見掛け密度が0.17g/cm3と高
く、その内部の弾力性ある低密度層は特に中央部(厚さ
8mm)の見掛け密度が0.09g/cm3と低く、実施例1とほ
ぼ同等の外観、断面構造及び物性値を有した。この物性
値を第1表に示す。
このものは、上記のように実施例1と同等の諸物性に
より使用耐久性及びクッション性が良好でベット用、座
布団用及びその他のクッション材として最適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のフェルト状成形物の断面拡大図、第2
図は成形前繊維マットの断面拡大図である。 (1)フェルト状成形物、(2)硬質表面層 (3)軟質弾性芯層、(4)繊維綿 (5)樹脂バインダー、(6)繊維マット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維綿(4)と樹脂バインダー(5)から
    なり、硬質表面層(2)と軟質弾性芯層(3)とが連続
    的に一体形成されてなるフェルト状成形物であって、該
    フェルト状成形物(1)は全層にわたって60〜90重量%
    の繊維綿(4)と40〜10重量%の樹脂バインダー(5)
    からなり、該成形物の見掛け密度が0.06〜0.3g/cm3、厚
    さが3〜50mm、圧縮弾性率が50%以上であり、少なくと
    も厚さ0.5mm以内が硬質表面層(2)を形成し、該硬質
    表面層(2)は繊維綿(4)が樹脂バイダー(5)で強
    固に固定された表面強度の良好な高密度層を形成してお
    り、該表面層の見掛け密度は0.08〜0.4g/cm3であり、該
    表面層(2)と連続一体化した軟質弾性芯層(3)は繊
    維綿(4)が樹脂バインダー(5)で暖く固定された弾
    力性のある低密度層で特に少なくとも成形物全体の厚み
    の1/2以上の厚みを占め、見掛け密度が0.05〜0.25g/cm3
    と低く、かつ前記硬質表面層(2)と軟質弾性芯層
    (3)との見掛け密度比が1.1〜2.0であることを特徴と
    するフェルト状成形物。
  2. 【請求項2】60〜90重量%の繊維綿(4)塊に40〜10重
    量%の樹脂バインダー(5)を付与し、開繊、層状に展
    開して繊維マット(6)とした後、樹脂バインダー
    (5)の融点ないし融点より110℃高い温度域で、しか
    も成形時の繊維マット(6)の形態変化に於て、圧縮率
    が60〜96%で減圧時の圧縮回復率が50〜5%となる温
    度、圧力及び時間の条件で加熱加圧成形し、直ちに減圧
    して繊維マット(6)の圧縮回復率が50〜5%の形態の
    状態で樹脂バインダー(5)の融点以下の温度にまで冷
    却し固定化して表裏の硬質表面層(2)と軟質弾性芯層
    (3)とが連続的に一体成形させることを特徴とするフ
    ェルト状成形物の製造方法。
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