JPH0814113B2 - 構造物際埋設管路部の耐震設計方法 - Google Patents

構造物際埋設管路部の耐震設計方法

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JPH0814113B2
JPH0814113B2 JP1203497A JP20349789A JPH0814113B2 JP H0814113 B2 JPH0814113 B2 JP H0814113B2 JP 1203497 A JP1203497 A JP 1203497A JP 20349789 A JP20349789 A JP 20349789A JP H0814113 B2 JPH0814113 B2 JP H0814113B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は地震の発生に伴って地盤中に液状化現象の発
生が予測されるとき、マンホール等の構造物際に配設さ
れる管路部における管路の損傷を防止することのできる
構造物際埋設管路部の耐震設計方法に関するものであ
る。
[従来の技術] 地震に伴って地盤の液状化現象が発生する場合には、
地中に埋設された構造物や管路が地盤の液状化による浮
力や地盤変状等によって損傷を受けることが知られてい
る。従って地震に際して地盤の液状化現象が発生する恐
れのある地域においては次に示す様な工法を適用するこ
とがある。
地盤の液状化による土中の過剰間隙内に形成される
水圧の解消を目的として、マンホール等の構造物を施工
するに際し、グラベル・ドレーン工法を採用する。
浮力及び地盤変状による管路の変形を抑制すること
を目的として抗基礎工法等を採用する。
管路に発生する応力を低減する目的で管路中に可撓
性を有する管継手を介在させる。
[発明が解決しようとする課題] 上記従来の施工法を実施するに際しては、地震時にお
ける地盤の液状化現象の発生についての予測は一応行な
われている。しかし実際の構造物際埋設管路部の設計に
おいては、次に示す様な問題が残されていた。
液状化の発生に伴なう外力の予測が十分に設計に折
り込まれていない為、上記対策基礎工法による効果が実
際上どの程度発揮されているのか把握できていない。
管路の変位に対応する手段として可撓性管継手を利
用することがあるが、該管継手の配設位置を変更するこ
とによって、管路破損の度合いに差異が現われることが
予測されてはいるものの、実際の設計においては、該管
継手の配設位置をどこにすれば良いかということを決め
る為の設計手法を確立するまでには至っていない。
管を浮上や沈下に対して耐久性のある形状に設計す
ること、具体的に言えば地盤の液状化時における管自体
の破損を防止するのに適した液状化対策管をどの様なも
のにするかについては検討されていない。
上記に示した様に耐久性を有する管を採用するこ
とが検討されていないので、当然これを上記対策基礎工
法に組み合わせて総合的な対策をたてるという点につい
ても全く検討されていなかった。
要するに、従来から行われてきた地震対策では、構造
物、または埋設管路について個別に対策が施されてきた
にすぎず、埋設管路を含んだ構造物際埋設管路部の耐震
構造については、それらに加わる外力の解析もなされて
いない。
従って、構造物をある区域内に複数配置し、それらの
構造物に埋設管を接続する場合では、個々の構造物毎に
最適な管路を決定することができず、構造物際埋設管路
部の構成を全て同じにせざるを得ないのが現状である。
このような施工方法では、過剰品質によるコストアップ
を招くか、または一部に耐力不足の構造物際埋設管路部
が形成されてしまうという不都合があった。
特にマンホール等の構造物際管路部においては、液
状化現象発生時に構造物及び管路部に大きな外力を受け
ることが予測されているが、この管路部における破損対
策については十分満足できる様な技術が確立されていな
かった。
そこで本発明者らは、埋設配管計画地区における地盤
の液状化現象の発生予測に対応することを基本思想と
し、構造物及び管路に作用する外力を正確に推定し、構
造物際管路部における安全性を評価しつつ適正な対策基
礎工法及び液状化対策管の採用を検討し、構造物際埋設
管路部の耐震設計を行なうことが必要であると考え、種
々研究を重ねて本発明を完成した。
[課題を解決するための手段] 第一の本発明は、地盤に埋設される構造物、及びその
構造物に接続される埋設管,管継手から構成される埋設
管路を含む構造物際埋設管路部について、埋設される前
記地盤の種別及び地盤ばね定数から定まる地盤特性と、
埋設管の構成から定まる管体特性と、埋設管を接合する
管継手の構成から定まる管継手特性に基づいて構造物際
埋設管路部の構造を決定する耐震設計方法であって、 (a)地震による地盤の液状化によって構造物に加わる
浮力を推定し、その推定浮力に基づく構造物の浮上有無
の判定、(b)地震による地盤の沈下量を推定し、その
推定沈下量と地震対策を施した第1の埋設管路の許容沈
下量との比較、(c)沈下量が第1の埋設管路の許容沈
下量以下の場合に、地震対策を施さない第2の埋設管路
の採用を想定し、推定地盤沈下量に基づく第2の埋設管
路の管体に生じる応力及び管継手に生じる屈曲角の算
出、(d)前記応力及び屈曲角が第2の埋設管路の管体
及び管継手の許容値を越えるか否かの判断、(e)前記
応力及び屈曲角が第2の埋設管路の管体及び管継手の許
容値以下の場合における、第2の埋設管路の埋設深さと
地下水位の深さとの比較、(f)第2の埋設管路の埋設
深さが地下水位の深さ以上に深い場合に、地震による地
盤の液状化による第2の埋設管路に加わる浮力を推定
し、その推定浮力による第2の埋設管路の管体に生じる
応力及び管継手に生じる屈曲角の算出、(g)前記推定
浮力が第2の埋設管路の管体及び管継手の許容値を越え
るか否かの判断、の各手順を含み、 手順(a)において構造物が浮上すると判定された場
合には浮上防止工法の採用(h)を決定し、手順(b)
において沈下量が第1の埋設管路の許容沈下量を越える
場合に、第1の埋設管路の採用に加え別の液状化対策工
法の採用(i)を決定し、手順(d)において第2の埋
設管路の管体及び管継手の許容値を越える場合に、第1
の埋設管路の採用(j)を決定し、手順(e)において
第2の埋設管路の埋設深さが地下水位の深さに達しない
場合に第2の埋設管路の採用(k)を決定し、手順
(g)において推定浮力により管体に生じる応力及び管
継手に生じる屈曲角が第2の埋設管路の管体及び管継手
の許容値を越える場合に、第1の埋設管路の採用(j)
を決定し、許容値を越えない場合に第2の埋設管路の採
用(k)を決定する構造物際埋設管路部の耐震設計方法
である。
第二の本発明は、地盤に埋設される構造物、及びその
構造物に接続される埋設管,管継手から構成される埋設
管路を含む構造物際埋設管路部について、埋設される地
盤の種別及び地盤ばね定数から定まる地盤特性と、埋設
管の構成から定まる管体特性と、埋設管を接合する管継
手の構成から定まる管継手特性に基づいて構造物際埋設
管路部の構造を決定する耐震設計方法であって、 埋設管路の埋設深さが地下水位以上に深い場合に、地
震による地盤の液状化によって埋設管路に加わる浮力を
推定し、その推定浮力によって埋設管路の管体に生じる
応力及び管継手に生じる屈曲角を算定し、推定浮力によ
って管体に生じる応力及び管継手に生じる屈曲角が、埋
設管路の管体及び管継手の許容範囲内であるか否かに基
づき、地震対策を施してある管路または地震対策を施し
ていない管路のいずれかの採用を判断する構造物際埋設
管路部の耐震設計方法である。
[作用及び実施例] 第1図は本発明方法の代表的な実施例を示すフローチ
ャートである。なお本実施例では、地盤の液状化現象の
発生が予測されて上記フローチャートにおける各手順を
行なうに当たっては、予め構造物としてのマンホール及
び該マンホールに固定接続される管路部において、これ
らに作用する浮力及び地盤沈下量(以下両者を合わせて
液状化外力と言うこともある)並びに地盤ばね定数を予
め算定しておくものとする。ただし以下[I]〜[II
I]に詳述する推定は、夫々が独立して算定できるもの
であるため、下記実施例の記載順序に限定されず任意に
入れ換えても良い。
[I]まず地盤液状化時の地盤沈下量を推定するに当た
っては、第1表をもとに埋設配管計画地区における地盤
種別を決定する。
次いで第2に示す過去の震央分布及びマグニチュード
を基にして地震発生を想定し、設計地区における地震発
生時のマグニチュード及び震央距離を算出し、さらに第
2表による算定式によって第1表に示した各地盤種別に
おける最大水平加速度[Amax(gal)]を求める。尚該
最大水平加速度は道路橋示方書に示された推定式に基づ
く。
ただし第2表中のMは設計地区における予測マグニチ
ュードであり、Δは震央距離とし、震央から設計地区ま
での距離を示す。
そして地盤の沈下量δは次の(1−a)式又は(1−
b)式によって推定する。
(I−a)盛土のある場合; (I−b)盛土のない場合; ただし上記推定式は、1964年:新潟地震、1968年:十
勝沖地震、1973年:根室半島沖地震、1978年:宮城県沖
地震、1983年:日本海中部地震の5つの地震における40
4地点の沈下震害資料を基に、回帰分析手法を用いて誘
導したものであり、この推定式の適用範囲は第3表に示
す通りである。
また砂層の平均N値[]は、総層数をn,i層のN値
をNiとしたとき、 によって算出する。
[II]次に地盤の液状化時におけるマンホール及び管路
部に作用する浮力は、地盤が完全液状化状態となったと
仮定し、飽和砂の単位体積重量[γ(kgf/cm3)]を
1.8×10-3kgf/cm3とし、次の(2−a)及び(2−b)
式によって推定する。
(II−a)マンホールの浮力[Fm(kgf)]; Fm=γ・Vm−γ・Vm …(2−a) (II−b)管路の単位長さ当たりに作用する浮力 [fp(kgf/cm)]; fp=γ・π・D2/4−Wp …(2−b) ただしγはマンホールの単位体積重量 (kgf/cm3)、 Vmはマンホールの体積(cm3)、 Wpは管路の単位長さ当たりの自重 (kgf/cm3)、 Dは管路の外径(cm)、とする。
[III]また、地盤の液状化時における沈下に対する地
盤ばね定数は、砂地盤での管路上方抵抗力実験の結果を
もとにして次の(3−a)式によって求める。
即ち沈下に対するばね定数kは、 log10k=A・log10δ+B …(3−a) によって設定する。ただしδは想定地盤沈下量(cm)と
し、A及びBは管路周辺地盤及び想定地盤沈下量に対応
した係数とし、後述する最大発生歪みを算出する際の係
数A,Bは管路埋設位置が地下水位深(飽和砂地盤)の場
合(第4表参照)と、沈下水位以浅(排水砂地盤)の場
合(第5表参照)により埋設深さごとに異なる値とな
る。
一方地盤の液状化時に管路が浮力を受けるときの地盤
ばね定数は、大型剪断砂槽を用いた管路−マンホールの
浮上実験の結果から、ガス導管耐震設計指針に示された
地盤ばね定数(0.6kgf/cm3)の1/1000〜1/3000であるこ
とが確認されており、後述する管路の応答計算では0.00
06kgf/cm3…(3−b)と仮定した。
上記地盤に沈下量、地盤ばね定数及びマンホールと管
路の浮力を基礎データとしてマンホール際埋設管路部の
耐震設計を第1図に示すフローチャートに従って説明す
る。
手順(a):まず最初に、構造物に加わる浮力を推定
し、マンホールが浮上するか否かを判断する。
後述する液状化抵抗指数PLが5を超える場合には、液
状化発生の可能性がきわめて高く、マンホールの浮上に
ついての検討を行なわなければならない。ただし液状化
に対する抵抗率FLが1.0を超える地盤に埋設される場合
には、過剰間隙水圧がマンホールに直接作用することが
ないため、浮上に対する検討は不要となる。上記液状化
抵抗率FLは(動的せん断強度:R)/(地震時せん断応力
比率;L)によって導かれ、土層の液状化の判定に用いら
れる(道路橋示書・V対震設計編に準拠する)。また液
状化抵抗指数PLは ▲∫20 0▼FW(z)dz で示される液状化現象による構造物への影響度のひとつ
の指標である。
ただし、 F=1−FL(FL≦1.0) F=0(FL>1.0) W(z)=10−0.5z z;地表面からの深さ、 即ち、マンホールの浮上りに対する安全性の検討は液
状化抵抗指数PLの値が5を超え、液状化抵抗率FLが1以
下の地盤に設置されるマンホール対象とし、下記(4)
式に示す浮上の安全率Fuによって算出する。
ただしWs:上載土の荷重(t)[水の重量を含む]、 WB:マンホールの自重(t)、 Qs:上載土の剪断抵抗(t)、 QB:マンホール側面の摩擦抵抗(t)、 Us:マンホール底面に作用する静水圧による揚
圧力(t)、 Ud:マンホール底面に作用する過剰間隙水圧に
よる揚圧力(t)、 とし、上記揚圧力[Ud]は、 Ud=Δu・A=Lu・σv′・A …(5) によって求める。
ただしA:マンホール底面積(m2)、 σv′:静水圧状態におけるマンホール底面位
置での有効上載圧(t/m2)、 Lu :過剰間隙水圧比でLu=Δu/σv′、 Δu :過剰間隙水圧(t/m3) とする。
そして、上記浮上り安全率FUが1以下となり、マンホ
ールが浮上すると判断されたときには、浮上防止効果の
確実性、施工性及び経済性等を考慮して砕石置換工法
(グラベル・ドレーン工法)や砕石ドレーンパイル工
法、又はグラベル・ネット工法等のうちからマンホール
が浮上りを起こさない様な浮上工法の採用を決定する。
手順(b):前項[I]において(1−a),(1−
b)式で求めた地盤沈下量σを用い、第1の埋設管路と
しての液状対策管に対象とした検討を行う。
具体的には、第5図に示す様な構造の液状化対策管を
採用することを想定し、手順(b)において推定した地
盤沈下量σの値が、その液状化対策管によって許容可能
な範囲であるか否かを判断する。
すなわち、液状化対策管を採用した場合、後述する最
大曲げ歪み及び継手屈曲角が許容値を満足できる程度の
地盤沈下量であると判断された場合には、手順(c)に
進み、対応不可能な地盤沈下量であると判断された場合
には、手順(i)へ進む。
手順(i):手順(b)における判断の結果、地盤沈
下量が液状化対策管の適用によっても対応しきれない限
界を超えると判断された場合は、さらに構造物際管路部
及び管路に対しても杭による支持固定工法,矢板による
固定工法,或は砕石埋め戻し工法等を併用し、地盤沈下
による管路の破損を防止できる浮上防止工法の採用を決
定する。
手順(c):手順(b)で推定した地盤沈下量σ及び
前項[III]で求めた地盤ばね定数kを用い、弾性床上
の梁理論を基にした微分方程式により逐次応答計算を行
ないながら、一般管による最適な構造物際管路部の設計
を行なう。即ち、液状対策管について許容範囲であれ
ば、液状対策を施さない一般管でも対応できる可能性が
あるため、一般管を対象とした検討を行う。
上記検討に当たっては第3図(断面説明図)に示す一
般管のモデルを用い、継手配設位置とマンホール壁面と
の距離Lを逐次変更して下記(6−a),(6−b)式
を採用し、発生応力及び継手屈曲角が許容値以下となる
マンホール際管路部において最適な継手位置を算定す
る。ここに、最大曲げ歪み[εmax]は次の(6−a)
式によって算出し、継手回転角[θrot]は(6−b)
式によって算出する。
(f1)最大曲げ歪み算出式; (f2)継手屈曲角算出式; ただしβ=K/(4EI),K=πkDとし、ここに、EI:管の
断面剛性、D=管外径、k:地盤ばね定数,δ:地盤沈下
量、L:固定端部から継手までの距離、KR:継手屈曲特性
である。
手順(d):上記距離Lの変更によって最大曲げ歪み
及び継手回転角が許容値を超えるか否かを判定する。
なお、上記許容値は管材料,口径,継手の構造等によ
って異なる値となるが、例えば電力ケーブル用塩化ビニ
ル管では材料の降伏応力度は1000kg/cm2であるので、安
全率を3とし許容最大曲げ歪みを330kgt/cm2としてい
る。また継手屈曲角についてはケーブル引込時に導通不
能を起こす角度が4.6度であることから、若干の余裕を
見て許容値は4度に設定している。
手順(d)において許容値を越える場合には、一般管
を使用することができないため、液状化対策管の採用を
決定する(手順(j)参照)。
一方、手順(d)において許容値を越えない場合に
は、一般管の使用を前提としてさらに液状化現象発生時
におけるマンホール際管路部の浮力に関しても考察しな
ければならない。従って、手順(e)において、一般管
による管路部の埋設深さが地下水位より深いか浅いかを
判断する。
判断の結果、該管路部の埋設深さが地下水位より浅い
ものについては、以下に続く浮力に対する検討を必要と
しないので、一般管による管路部の採用を決定する(手
順(k)参照)。
手順(f):判断の結果、該管路部の埋設深さが地下
水位より深く埋設されるものには以下に示す管路部の浮
上について検討を加えなければならない。つまり(2−
b)式によって求められ管路部の浮力Fp、及び(3−
b)に示す地盤ばね定数kを用いて液状化時における管
路部の浮力に対する構造物際管路部の安全性を検討す
る。
それには、まず第4図(A)(断面説明図)に示す管
路モデルについて、最大応答を発生する液状化範囲とし
て距離Lを次式によって推定する。
上記(7−a)式によって推定した距離Lを基に第4
図(B)に示すモデルについてL=L1+L2の条件下で最
大曲げ歪み[εθ]及び継手回転角θの応答計算を次に
示す(7−b),(7−c)式によって逐次行なう。
(k1)マンホール際管路部の最大曲げ歪み 算出式; (k2)継手屈曲角算出式; ただしβ=K/(4EI),K=πkDとし、ここに、EI:管の
断面剛性、D=管外径、k:地盤ばね定数、fp:液状化時
浮力、L:固定端部から継手までの距離、KR:継手屈曲特
性である。
手順(g):上記の応答計算により最大曲げ歪み及び
継手屈曲角が許容値を超えるか否かを検討し、許容値以
上の場合には前述の沈下による対策と同様、液状対策化
管の採用を決定する(手順(j)参照)。なおこの手順
における許容値は、上述した手順(d)の判断における
許容値に準じるものとする。
一方、手順(g)において、最大曲げ歪み及び継手回
転角が許容値以下のときは液状化時の浮上りに対する検
討は十分なされたものと考えられ、一般管を採用を決定
し(手順(k)参照)、処理を終了する。
上述した第1図の手順によれば、第6表に分類される
浮上防止工法、地震対策を施した埋設管路、地震対策を
施していない埋設管路、地震対策と併用する液状化対策
工法のうちの1つの選択、または複数の組み合わせによ
って最適な構造物際埋設管路部の構成を決定することが
できる。
第5図はマンホール際管路部における液状化対策管の
実施例を示す説明図であり、マンホール際短管1には特
開昭62-2090号公報に示す様な積層管を採用し、さらに
これに接続される受挿管2にも同様の積層管を用い、該
積層管の積層部分長さを適宜選定し、液状化時に生じる
外力に対して適正な安全性を保持できる様に設計したも
のである。
上述したマンホール際埋設管路部における耐震設計方
法の手順は、可能な範囲で任意に変換することができ、
また上記(1−a)〜(7−c)式に示す複雑な計算は
電算機を用いて行うことが好ましい。
また地震時における地盤の液状化に伴ない、液状化層
の流動によって水平方向への永久地盤変状が引き起こさ
れることが知られている。該永久地盤変状が発生するか
否かの予測は(イ)液状化発生予測、(ロ)地形的予測
及び(ハ)地質的予測によって行なうことができ、地盤
変状量Dは実測値に基づく統計的な方法[例えば次の
(8)式による方法]が考え出されている。
D=0.75 H・3θ …(8) ただしHは液状化層厚(m)、θは地球面勾配と液状
化層下面勾配の最大値とする。
従って永久地盤変状の発生が予測される場合には、永
久地盤変状に対するマンホール際管路部における対策と
して、継手部を伸縮可撓性に優れ、且つ離脱防止機構を
備えたものとしたり、またこの継手部における過剰な屈
曲を防ぐ対策を施した継手部構造を採用することとす
る。また構造物及び管路における水平方向の流動を防ぐ
ために固定地盤との接続固定性を高める目的で、構造物
及び管路を杭や矢板を使って固定する工法を適用するこ
ととする。
[発明の効果] 本発明の耐震設計方法は以上の様な手順によるもので
あり、地震時に発生する地盤の液状化現象及びこれによ
る外力を正確に推定できる様になり、構造物際埋設管路
部において破損等を引き起こさない様に、適正な液状化
対策管の採用が行えると共に、適正な対策施工々法が構
造物及び管路部に採用できる様になった。従って液状化
現象の発生により破損を引き起こすことのない構造物際
管路部の設計を迅速に行なえる様になった。
本発明によれば、構造物をある区域内に複数配置し、
それらの構造物に埋設管を接続する場合であっても、個
々の構造物毎に最適な管路を迅速に決定することが可能
になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明における代表的な実施手順例を示すフロ
チャート、第2図は有史以来の震央分布及びマグニチュ
ードを示す説明図、第3図は地盤沈下によるマンホール
際管路部における応答計算用のモデルを示す断面説明
図、第4図(A)は液状化時の浮力に対して応答計算を
行なう管路モデルを示す断面説明図、第4図(B)は継
手部を設けた管路モデルを示す断面説明図、第5図はマ
ンホール際埋設管路部に液状化対策管を設けた例を示す
説明図である。 1…マンホール際短管、2…受挿管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−215879(JP,A) 特開 平2−230327(JP,A) 特開 昭62−2090(JP,A) 特開 昭63−165621(JP,A) 特開 昭56−100919(JP,A) 特公 昭57−7254(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地盤に埋設される構造物、及びその構造物
    に接続される埋設管,管継手から構成される埋設管路を
    含む構造物際埋設管路部について、埋設される前記地盤
    の種別及び地盤ばね定数から定まる地盤特性と、前記埋
    設管の構成から定まる管体特性と、前記埋設管を接合す
    る前記管継手の構成から定まる管継手特性に基づいて前
    記構造物際埋設管路部の構造を決定する耐震設計方法で
    あって、 (a)地震による地盤の液状化によって前記構造物に加
    わる浮力を推定し、その推定浮力に基づく前記構造物の
    浮上有無の判定、 (b)地震による地盤の沈下量を推定し、その推定沈下
    量と地震対策を施した第1の埋設管路の許容沈下量との
    比較、 (c)前記沈下量が前記第1の埋設管路の許容沈下量以
    下の場合に、地震対策を施さない第2の埋設管路の採用
    を想定し、前記推定地盤沈下量に基づく前記第2の埋設
    管路の管体に生じる応力及び前記管継手に生じる屈曲角
    の算出、 (d)前記応力及び前記屈曲角が前記第2の埋設管路の
    管体及び管継手の許容値を越えるか否かの判断、 (e)前記応力及び前記屈曲角が前記第2の埋設管路の
    管体及び管継手の許容値以下の場合における、前記第2
    の埋設管路の埋設深さと地下水位の深さとの比較、 (f)前記第2の埋設管路の埋設深さが前記地下水位の
    深さ以上に深い場合に、地震による地盤の液状化による
    前記第2の埋設管路に加わる浮力を推定し、その推定浮
    力による前記第2の埋設管路の管体に生じる応力及び管
    継手に生じる屈曲角の算出、 (g)前記推定浮力が前記第2の埋設管路の管体及び管
    継手の許容値を越えるか否かの判断、 の各手順を含み、 手順(a)において前記構造物が浮上すると判定された
    場合には浮上防止工法の採用(h)を決定し、 手順(b)において前記沈下量が前記第1の埋設管路の
    許容沈下量を越える場合に、前記第1の埋設管路の採用
    に加え別の液状化対策工法の採用(i)を決定し、 手順(d)において第2の埋設管路の管体及び管継手の
    許容値を越える場合に、前記第1の埋設管路の採用
    (j)を決定し、 手順(e)において前記第2の埋設管路の埋設深さが前
    記地下水位の深さに達しない場合に前記第2の埋設管路
    の採用(k)を決定し、 手順(g)において前記推定浮力により前記管体に生じ
    る応力及び管継手に生じる屈曲角が前記第2の埋設管路
    の管体及び管継手の許容値を越える場合に、前記第1の
    埋設管路の採用(j)を決定し、許容値を越えない場合
    に前記第2の埋設管路の採用(k)を決定することを特
    徴とする構造物際埋設管路部の耐震設計方法。
  2. 【請求項2】地盤に埋設される構造物、及びその構造物
    に接続される埋設管,管継手から構成される埋設管路を
    含む構造物際埋設管路部について、埋設される前記地盤
    の種別及び地盤ばね定数から定まる地盤特性と、前記埋
    設管の構成から定まる管体特性と、前記埋設管を接合す
    る前記管継手の構成から定まる管継手特性に基づいて前
    記構造物際埋設管路部の構造を決定する耐震設計方法で
    あって、 前記埋設管路の埋設深さが地下水位以上に深い場合に、
    地震による地盤の液状化によって前記埋設管路に加わる
    浮力を推定し、 その推定浮力によって前記埋設管路の管体に生じる応力
    及び管継手に生じる屈曲角を算定し、 前記推定浮力によって前記管体に生じる応力及び前記管
    継手に生じる屈曲角が、前記埋設管路の管体及び管継手
    の許容範囲内であるか否かに基づき、地震対策を施して
    ある管路または地震対策を施していない管路のいずれか
    の採用を判断することを特徴とする構造物際埋設管路部
    の耐震設計方法。
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