JPH08142905A - 走行クローラの操向装置 - Google Patents

走行クローラの操向装置

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JPH08142905A
JPH08142905A JP28369094A JP28369094A JPH08142905A JP H08142905 A JPH08142905 A JP H08142905A JP 28369094 A JP28369094 A JP 28369094A JP 28369094 A JP28369094 A JP 28369094A JP H08142905 A JPH08142905 A JP H08142905A
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hydraulic
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 左右一対の走行クローラの速度及び回転方向
を任意に無段階にて調節して、直進性能及び旋回性能を
向上させる。 【構成】 第1油圧ポンプ33と第1油圧モータ34と
から成る走行用の油圧式駆動手段32からの動力を、左
右一対の遊星歯車機構31,31の太陽歯車40,40
に入力して左右一対の走行クローラへの出力軸21a,
21bに伝達させる一方、第2油圧ポンプ60と第2油
圧モータ61とから成る旋回用の油圧式駆動手段62か
らの動力を、左右一対のパワークラッチ35a,35b
及びパワーブレーキ36a,36bを介してリングギヤ
42,42に入力する。走行用及び旋回用の両油圧式駆
動手段32,62の出力調節及びパワークラッチ及びパ
ワーブレーキの作動にて、左右の走行クローラの駆動速
度及び駆動方向を任意に調節可能に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、刈取脱穀できるコンバ
インや、農作業用または土木用のトラクタ等、左右一対
の走行クローラを備えた走行車両における操向装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、コンバインやトラクタ等の走
行車両における走行部を、左右一対の走行クローラにて
構成し、左右各走行クローラを、一つの油圧ポンプと油
圧モータとの組により駆動する構成、換言すれば、左右
の走行クローラを左右独立の油圧駆動系統(2ポンプ、
2モータ形式)にて駆動させて、刈取作業時の作物列に
沿っての操向制御と、通常の直進走行制御とを実行する
ことは、例えば特公昭54−34972号公報や、実開
平3−116422号公報等に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この構成によれば、通
常の直進走行制御においては、路面状況による走行クロ
ーラとのスリップが発生し易いから、左右の油圧駆動の
出力をそれぞれ独立的に調節して、左右両側の走行クロ
ーラへ伝達する回転数を等しく調節することが困難であ
った。
【0004】また、直進走行から旋回走行に入るとき、
左右の走行クローラへの動力伝達のタイミング、つま
り、左右の油圧駆動機構の切換えタイミングがずれ易
く、左右の走行クローラへの駆動力の伝達に段差がで
き、走行車両の加減速の変化が激しく直進と旋回との間
で滑らかな移行ができず、旋回フィーリングが悪いとい
う問題があった。
【0005】さらに、走行機体を停止した状態におい
て、誤って左右いずれか一方の油圧駆動機構を作動させ
てしまうと、その場で走行機体が旋回してしまうという
危険があった。本発明の目的は、これらの従来の技術の
問題を解決し、直進走行性能、旋回性能を向上させ、操
作し易い走行クローラの操向装置を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明の走行クローラの操向装置は、
油圧ポンプと油圧モータとから成る走行用の油圧式駆動
手段からの動力を、左右一対の遊星歯車機構の太陽歯車
に入力して走行車両における左右一対の走行クローラへ
の出力軸に伝達させるように構成する一方、油圧ポンプ
と油圧モータとから成る旋回用の油圧式駆動手段からの
動力を、左右一対のパワークラッチとパワーブレーキ機
構を介して前記一方の遊星歯車機構におけるリングギヤ
と他方の遊星歯車機構におけるリングギヤとに伝達する
ように構成したものである。
【0007】請求項2記載の発明の走行クローラの操向
装置は、油圧ポンプと油圧モータとから成る走行用の油
圧式駆動手段からの動力を、左右一対の遊星歯車機構に
おけるリングギヤに入力して走行車両における左右一対
の走行クローラへの出力軸に伝達させるように構成する
一方、油圧ポンプと油圧モータとから成る旋回用の油圧
式駆動手段からの動力を、左右一対のパワークラッチと
パワーブレーキ機構を介して前記一方の遊星歯車機構に
おける太陽歯車と他方の遊星歯車機構における太陽歯車
とに伝達するように構成したものである。
【0008】
【発明の作用・効果】従って、請求項1記載の発明によ
れば、走行用の油圧式駆動手段にて直進走行を実行する
とき、左右一対のパワークラッチとパワーブレーキ機構
の作動にて左右一対の遊星歯車機構における両リングギ
ヤを固定させるから、走行車両における左右一対の走行
クローラへの出力軸に同一方向、同一回転数を伝達させ
ることができるので、泥濘等走行面の状態が悪くても、
左右の走行クローラの回転数を一致させて直進走行し易
くなり、直進性能が向上する。
【0009】また、走行用の油圧式駆動手段を作動させ
た状態で、旋回用の油圧式駆動手段を作動させ、且つ左
右一対のパワークラッチとパワーブレーキ機構を適宜に
作動させることにより、任意の走行速度で且つ任意の旋
回半径にて無段階の旋回作業に移行でき、その移行が極
めて滑らかに実行でき、旋回性能及びその操作性能が向
上するという効果を奏する。
【0010】そして、走行用の油圧式駆動手段を停止し
た状態で、旋回用の油圧式駆動手段を作動させ、前記リ
ングギヤを互いに逆回転させると、左右の走行クローラ
は同一回転数で回転方向を互いに逆としたスピンターン
を行うことができ、そのときの旋回速度も任意に調節す
ることができる。さらに、走行機体を停止した状態にお
いて、誤って左右いずれか一方の油圧駆動機構を作動さ
せてしまっても、前記左右一対のパワークラッチとパワ
ーブレーキ機構を作動させておけば、旋回用の駆動力が
走行クローラに伝達されず、その場で走行機体が不用意
に旋回してしまうという危険を防止できるという効果も
奏する。
【0011】請求項2の発明は、前記請求項1における
遊星歯車機構の太陽歯車とリングギヤとの関係を逆にし
たもので、直進走行を実行するとき、走行用の油圧式駆
動手段にて左右一対の遊星歯車機構のリングギヤに各々
入力し、左右一対のパワークラッチとパワーブレーキ機
構の作動にて左右一対の遊星歯車機構における両太陽歯
車を固定させるから、走行車両における左右一対の走行
クローラへの出力軸に同一方向、同一回転数を伝達させ
ることができるので、泥濘等走行面の状態が悪くても、
左右の走行クローラの回転数を一致させて直進走行し易
くなり、直進性能が向上する。
【0012】また、請求項2の発明では、走行用の油圧
式駆動手段を作動させた状態で、旋回用の油圧式駆動手
段を作動させ、且つ左右一対のパワークラッチとパワー
ブレーキ機構を適宜に作動させることにより、任意の走
行速度で且つ任意の旋回半径にて無段階の旋回作業に移
行でき、その移行が極めて滑らかに実行でき、旋回性能
及びその操作性能が向上するという効果を奏する。
【0013】そして、請求項2の発明では、走行用の油
圧式駆動手段を停止した状態で、旋回用の油圧式駆動手
段を作動させ、前記太陽歯車を互いに逆回転させると、
左右の走行クローラは同一回転数で回転方向を互いに逆
としたスピンターンを行うことができ、そのときの旋回
速度も任意に調節することができる。さらに、走行機体
を停止した状態において、誤って左右いずれか一方の油
圧駆動機構を作動させてしまっても、前記左右一対のパ
ワークラッチとパワーブレーキ機構を作動させておけ
ば、旋回用の駆動力が走行クローラに伝達されず、その
場で走行機体が不用意に旋回してしまうという危険を防
止できるという効果も奏する。
【0014】
【実施例】次に、本発明をコンバインに適用した実施例
について説明すると、図1は左右一対の走行クローラ2
a,2bを有する走行車両である汎用コンバインの走行
機体1の側面図であり、該走行機体1上には脱穀装置3
を搭載し、該脱穀装置3における扱室内の扱胴4をその
軸線が走行機体1の進行方向に沿うように配設し、その
下方には受け網とシーブ等による揺動選別装置5と唐箕
フアン6の風による風選別装置とを備え、脱穀装置3の
側方に脱穀済みの穀粒を貯留する籾タンクを搭載してあ
る。
【0015】刈取前処理装置7は、前記脱穀装置3の前
部に開口し、昇降用油圧シリンダ8にて昇降自在な角筒
状のフイーダハウス9(内部にチエンスコンベヤ9aを
備える)と、該フイーダハウス9の前端に連設した横長
のバケット状のプラットホーム10と、該プラットホー
ム10内に横設した横長の掻き込みオーガ11と、その
前方上部位置のタインバー付きリール12と、プラット
ホーム10下面側に左右長手に配設したバリカン状の刈
刃14とから成る。また、刈取前処理装置7の前部左右
両端には、前向きに突出する左右一対の分草体15を備
えている。
【0016】左右の走行クローラ2a,2bは、それぞ
れ、後述する操向装置20の左右の出力軸21a,21
bから出力される動力にて回転駆動する起動輪22,2
2と、走行機体1の後端側に後向き付勢された誘導輪2
3,23とに巻掛けられた履帯24,24と、各履帯2
4の下側内周面を支持する懸下輪(下部転輪)25等か
らなる。
【0017】次に、操向装置20の構成について説明す
る。ミッションケース30内に、後述する左右一対の遊
星歯車機構31,31と、第1油圧ポンプ33及び第1
油圧モータ34からなる走行用の油圧式駆動手段32
と、旋回操作のための第2油圧ポンプ60と第2油圧モ
ータ61とからなる旋回用の油圧式駆動手段62と、左
右一対のパワークラッチ35a,35b及びパワーブレ
ーキ36a,36bとを備えた旋回操作機構37を備え
る。
【0018】左右一対の遊星歯車機構31,31は左右
対称状であって、同一半径上に複数(実施例では3つ)
の遊星歯車39,39,39がそれぞれ回転自在に軸支
された左右一対の腕輪38,38をミッションケース3
0内にて同軸線上にて適宜隔てて相対向させて配置す
る。前記各遊星歯車39にそれぞれ噛み合う太陽歯車4
0,40を固着した太陽軸41の左右両端は、両腕輪3
8,38の内側にてその回転中心部に位置する軸受に回
転自在に軸支されている。
【0019】内周面の内歯と外周面の外歯とを備えたリ
ングギヤ42は、その内歯が前記3つの39,39,3
9にそれぞれ噛み合うように、太陽軸41と同心状に配
置されており、このリングギヤ42は、前記太陽軸41
上または、前記腕輪38の外側面から外向きに突出する
中心軸43上に軸受を介して回転自在に軸支される。前
記走行用の油圧式駆動手段32における容量可変式の第
1油圧ポンプ33の回転斜板の角度を変更調節すること
により、第1油圧モータ34への圧油の吐出方向と吐出
量とを変更して、当該第1油圧モータ34の回転方向及
び回転数が調節可能に構成されている。第1油圧モータ
34からの回転動力は、入力軸44の入力歯車45から
副変速機構の歯車46,47,48を介して、太陽軸4
1に固定したセンター歯車49に伝達される。
【0020】そして、前記走行用の油圧式駆動手段32
からの回転動力は、前記太陽軸41上に固定した前記セ
ンター歯車49を介して、前記左右一対の遊星歯車機構
31,31に伝達され、前記左側の腕輪38の中心軸4
3に固着した伝動歯車53を、左側の出力軸21aに固
着した伝動歯車54に噛み合わせて出力する。同様に、
右側の腕輪38の中心軸43に固着した伝動歯車53
を、右側の出力軸21bに固着した伝動歯車54に噛み
合わせて出力する(図2参照)。
【0021】なお、歯車48が取付くブレーキ軸50に
は図示しないブレーキ機構が設けられている。また、歯
車46に噛み合う歯車51を介して作業機等への回転力
を伝達するPTO軸52に出力する。図2に示すよう
に、旋回操作機構37は、左右一対のパワークラッチ3
5a,35bを内装した回転外筒55と、この回転外筒
55の外側左右に配置した左右一対のパワーブレーキ3
6a,36bと、前記回転外筒55の左右のパワークラ
ッチ35a,35bと、その左右のパワーブレーキ36
a,36bとに跨がって配置された回転内筒57,57
に固着した伝動歯車58,58と、前記回転外筒55を
正逆回転させるための第2油圧モータ61と、この第2
油圧モータ61に適宜圧油を導入する第2油圧ポンプ6
0とからなる旋回用の油圧式駆動手段62とにより構成
されている。前記第2油圧モータ61の出力軸63は、
前記回転内筒57内に回転自在に挿通され、回転外筒5
5に連結してある。なお、前記パワークラッチ35a,
35b及びパワーブレーキ36a,36bは図示しない
油圧式アクチュエータによりON・OFF作動させる。
【0022】また、図2では左側の伝動歯車58は前記
左側の遊星歯車機構31におけるリングギヤ42の外歯
に直接噛み合い、右側の伝動歯車58は逆転歯車59を
介して前記右側の遊星歯車機構31におけるリングギヤ
42の外歯に噛み合う。走行機体1の操縦部における座
席に設けた一本の操作レバー(図示せず)は、平面視で
前後方向と左右方向との互いに直交する2つの方向に動
かすことが可能で、走行速度の調節と操向操作を同時に
実行できるようにしたものである。
【0023】実施例では、前記操作レバーを略垂直状に
上向きに立てた時を中立位置とし、前方向に回動すると
走行機体1を前進させ、後方向に回動させると後退さ
せ、且つその走行速度は操作レバーの前後傾斜角度(垂
直に対する傾き角度)が大きくなる程速くなるように設
定するものであり、操作レバーを左右に傾動するときは
その方向に走行機体1を旋回させ、左右傾斜角度が大き
くなる程旋回半径を小さくする(小廻りさせる)よう
に、走行用の油圧式駆動手段32及び旋回用の油圧式駆
動手段62、並びに前記左右のパワークラッチ及びパワ
ーブレーキのON・OFF操作するものである。
【0024】この構成により、走行用の油圧式駆動機構
32を作動し、第1油圧モータ34を回転駆動させる
と、伝動歯車48からセンター歯車49に入力した回転
駆動力は、左右両側の遊星歯車機構31,31の太陽歯
車40,40、遊星歯車39,39、腕輪38,38を
介して左右両側の中心軸43,43を回転させる。この
状態にて、直進走行するには、左右両側のパワーブレー
キ36a,36bを共にONとし、左右両側のパワーク
ラッチ35a,35bを共にOFFにする。
【0025】この状態では、旋回用の第2油圧モータ6
1を駆動して回転外筒55が回転していても、パワーク
ラッチ35a,35bがOFFでは、強制的に回転させ
られている回転外筒55に対して回転内筒57は自由で
ある一方、パワーブレーキ36a,36bのONでは回
転内筒57,57がミッションケースの固定部に押しつ
けられて、回転内筒57,57は固定(停止)させられ
るから、左右両側の伝動歯車58,58、逆転歯車59
は固定状態となり、これら伝動歯車59と逆転歯車60
に噛み合うリングギヤ42,42は固定状態となる。こ
の状態では、前述のようにセンター歯車49から入力さ
れた回転動力は、左右両側の太陽歯車40,40に同一
回転数にて伝達され、左右両側の遊星歯車機構の遊星歯
車39、腕歯車38を介して左右両側の出力軸21a,
21bに平等に同方向回転力が出力されるので、直進走
行ができる。
【0026】またこの直進状態では、左右両側のパワー
ブレーキの作動(ON)により、左右両側のリングギヤ
42,42をミッションケース30側に固定したと同様
の機能を有し、左右いずれか一方の走行クローラが畝、
石、泥濘等の路面状況によりスリップすることなく直進
することができる。次に、スピンターン操向について説
明すると、走行用の油圧式駆動手段32を停止した状態
では、前記太陽軸41及び左右両側の太陽歯車40,4
0は固定される。この状態にて、旋回用の油圧式駆動手
段62を例えば正回転駆動させると、出力軸63を介し
て回転外筒55が正回転する。そして、左右両側のパワ
ーブレーキ36a,36bをOFF(制動しない状態)
にし、且つ左右両側のパワークラッチ35a,35bを
ONとすると、左右両側の回転内筒57,57、ひいて
は左右両側の伝動歯車58,58は同方向に同一回転す
る。そして、左伝動歯車57は、左リングギヤ42に直
接噛み合い、右伝動歯車57は逆転歯車59を介して右
リングギヤ42に噛み合って動力伝達されるので、左の
遊星歯車39、腕歯車38からなる遊星歯車機構は逆回
転する一方、右の遊星歯車39、腕歯車38からなる遊
星歯車機構は正回転することになる。従って、左走行ク
ローラ2aは後進する一方、右走行クローラ2bは前進
するので、走行機体1はその場で、左にスピンターンす
ることになる。
【0027】なお、走行用の油圧式駆動手段32を停止
した状態(走行機体1停止状態)では、操作レバーに設
けた旋回指令スイッチを押下したときのみ、前記左右両
側のパワーブレーキ36a,36bをOFF(制動しな
い状態)にし、且つ左右両側のパワークラッチ35a,
35bをONとする作動が実行されるように制御してお
けば、不用意に操作レバーを左または右に傾ける誤操作
を実行しても、パワーブレーキはON、パワークラッチ
35a,35bをOFFの状態を保持するので、走行機
体1がいきなりスピンターンするという事故を防止でき
る。
【0028】図4は、横軸に前記操作レバーの左右傾動
角度、縦軸に左右の走行クローラの走行速度(m/se
c.)を採ったもので、実線及び点線はスピンターンの状
態を示し、実線A1、点線a1は左走行クローラ2aを
示し、実線B1、点線b1は右走行クローラ2bを示
す。実線A1、点線a1は前進(+符号)、実線B1、
点線b1は後進(−符号)であり、操作レバーの左方向
または右方向(旋回方向)の同一傾斜角度に対して、左
右両走行クローラの走行速度の絶対値は同じであること
を示す。なお、実線と点線とは操作レバーの前傾角度の
大小、つまり走行速度の大小によるものである。従っ
て、操作レバーの前傾角度、または後傾角度と左右傾斜
角度を変更することにより、任意の速さでスピンターン
を無段階調節することができる。
【0029】前記図4と同様に、横軸に前記操作レバー
の左右傾動角度、縦軸に左右の走行クローラの走行速度
(m/sec.)を採った図5で示す実線A3(右走行クロ
ーラ2b)と、実線B3(左走行クローラ2a)の走行
状態では、右走行クローラ2bは直進走行時と同じ前進
速度(例えば1.5m/s)を維持し、左走行クローラ
2aを減速させて旋回するものであり、この場合、旋回
用の油圧駆動手段62を作動させて、第2油圧モータ6
1の正回転力を出力軸63に伝達し、回転外筒55を正
回転させる。この状態で、右リングギヤ42を固定すべ
く、右パワーブレーキ36bはON、右パワークラッチ
35bをOFFにする一方、左リングギヤ42を正回転
すべく、左パワークラッチ35aをON、左パワーブレ
ーキ36aをOFFにするのである。この旋回態様で
は、旋回外側の走行クローラは直進時と同一前進速度の
まま、旋回内側の走行クローラの速度を減速する、また
は操作レバーの傾きが大きい時には後進するというもの
である。
【0030】図5の一点鎖線は、緩旋回〜急旋回までを
任意の速さで且つ旋回半径を任意に無段階調節する場合
であって、旋回外側の走行クローラは増速させると同時
に、旋回内側の走行クローラは逆に減速させる旋回態様
(倍速ターンと称する)を採る。例えば、左右両走行ク
ローラ2a,2bを2.0(m/sec.)にて前進走行さ
せている状態から右旋回する場合、左走行クローラ2a
がx(m/sec.)の速度増速する一方(一点鎖線A4参
照)、右走行クローラ2bは前記と同じ値x(m/se
c.)の速度減速することになる(一点鎖線B4参照)。
即ち、左走行クローラ2aは、2.0+x(m/sec.)
で走行し、右走行クローラ2bは2.0−x(m/se
c.)にて走行して右旋回することになる。また、この増
速・減速x(m/sec.)は、操作レバーの傾斜角度によ
り任意に無段階に調節できるから、減速側の走行速度0
の状態にもできる。
【0031】この場合、走行用の油圧式駆動手段32を
作動させた状態で、前記スピンターンと同様に旋回用油
圧式駆動手段62を作動させ、このとき左右両側のパワ
ーブレーキ36a,36bをOFF(制動しない状態)
にし、且つ左右両側のパワークラッチ35a,35bを
ONとすると、左右のリングギヤ42,42を互いに逆
方向に回転させることで実現できるのである。
【0032】なお、伝動歯車46,47箇所等に副変速
機構を設け、この副変速機構でセンター歯車49への回
転数が高速となるように変速したときには、前記第2油
圧モータ61の出力回転数を減速させた状態で前記倍速
ターンを実行すると、増速される旋回外側の走行クロー
ラの走行速度と減速される旋回内側の走行クローラの速
度との絶対差の増加傾向が抑制されることになり、旋回
時のショックを関帆することができる。
【0033】この種の操向装置では、走行用の油圧式駆
動手段32の第1油圧ポンプ33及び第1油圧モータ3
4を馬力(容量)の大きなものを使用し、旋回用の油圧
式駆動手段62の第2油圧ポンプ60及び第2油圧モー
タ61の馬力(容量)を小さいものに設定することがで
き、エネルギー効率が向上する。なお、走行速度が一定
(所定)の値以上のとき、旋回操作をすると、遠心力が
大きくなって、搭乗者が旋回外側に振り回されて走行機
体1から落ちる危険がある。そこで、車速(走行速度)
が一定以上の時に旋回操作を実行すると、走行速度が減
速されるように、第1油圧ポンプ33の吐出量制御と第
2油圧ポンプ60の吐出量制御とを機械的、または電気
的に連動させるように構成することが好ましい。さら
に、走行用の油圧式駆動手段32において、操作レバー
が中立位置(停止位置)近傍にあるとき、旋回操作が出
来ないようにする機械的または電気的な制限手段を設け
ておけば、誤って操作レバーに触れて、作業者が予期し
ないときに旋回するという危険を防止できる。
【0034】なお、前記図2の実施例に代えて、走行用
の油圧式駆動手段32からの伝動歯車48を介して、左
右両側のリングギヤ42,42に同一方向、同一回転数
にて動力伝達する一方、前記センター歯車49を省略
し、且つ左右の太陽歯車40,40が互いに独立的に回
転可能に太陽軸41を左右に分割し、旋回用の油圧式駆
動手段62の第2油圧モータ61の回転力を、左の伝動
歯車58及びこれに噛み合う歯車(図示しない)を介し
て左の太陽歯車40に入力し、同様に右の伝動歯車58
及びこれに噛み合う逆転歯車59及びこれに噛み合う歯
車(図示しない)を介して右の太陽歯車40に入力する
ように構成すれば、太陽歯車の機能とリングギヤの機能
が前記図2の実施例のものと逆になるだけで、操向装置
の機能としては同等に考えることができる。
【0035】本発明は、農作業機ばかりでなく、ブルド
ーザ等の土木用の走行車両にも適用できることはいうま
でもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの側面図である。
【図2】操向装置の動力伝達ブロック図である。
【図3】操向装置の側面図である。
【図4】スピンターン時の左右走行クローラの走行速度
の変化を示す説明図である。
【図5】他の旋回態様による左右走行クローラの走行速
度の変化を示す説明図である。
【符号の説明】
20 操向装置 21a,21b 出力軸 30 ミッションケース 31,31 遊星歯車機構 32 走行用の油圧式駆動手段 33 油圧ポンプ 34 油圧モータ 35a,35b パワークラッチ 36a,36b パワーブレーキ 37 旋回操作機構 38 腕輪 39 遊星歯車 40 太陽歯車 42 リングギヤ 49 センター歯車 55 回転外筒 56 アクチュエータ 57 回転内筒 58,58 伝動歯車 59 逆転歯車

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ポンプと油圧モータとから成る走行
    用の油圧式駆動手段からの動力を、左右一対の遊星歯車
    機構の太陽歯車に入力して走行車両における左右一対の
    走行クローラへの出力軸に伝達させるように構成する一
    方、油圧ポンプと油圧モータとから成る旋回用の油圧式
    駆動手段からの動力を、左右一対のパワークラッチとパ
    ワーブレーキ機構を介して前記一方の遊星歯車機構にお
    けるリングギヤと他方の遊星歯車機構におけるリングギ
    ヤとに伝達するように構成したことを特長とする走行ク
    ローラの操向装置。
  2. 【請求項2】 油圧ポンプと油圧モータとから成る走行
    用の油圧式駆動手段からの動力を、左右一対の遊星歯車
    機構におけるリングギヤに入力して走行車両における左
    右一対の走行クローラへの出力軸に伝達させるように構
    成する一方、油圧ポンプと油圧モータとから成る旋回用
    の油圧式駆動手段からの動力を、左右一対のパワークラ
    ッチとパワーブレーキ機構を介して前記一方の遊星歯車
    機構における太陽歯車と他方の遊星歯車機構における太
    陽歯車とに伝達するように構成したことを特長とする走
    行クローラの操向装置。
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