JPH08143971A - 方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents
方向性けい素鋼板の製造方法Info
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- JPH08143971A JPH08143971A JP29267494A JP29267494A JPH08143971A JP H08143971 A JPH08143971 A JP H08143971A JP 29267494 A JP29267494 A JP 29267494A JP 29267494 A JP29267494 A JP 29267494A JP H08143971 A JPH08143971 A JP H08143971A
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- annealing
- decarburization
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- silicon steel
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 方向性けい素鋼板の製造方法において脱炭焼
鈍の際、雰囲気ガス中に不可避に混入するCOの濃度を6
%以下に維持する。具体的には、脱炭焼鈍前鋼板のC含
有量とライン速度に応じて、H2−H2O −N2ガス流量を制
御するなどの方法がある。 【効果】 サブスケールの過剰な生成を防止する条件の
下で、弊害を伴うことなしに脱炭焼鈍での脱炭反応を促
進することのできる。特に、板厚が厚い場合には、Cの
拡散距離が長くなり、サブスケール生成による脱炭阻害
傾向が明瞭になるため、この発明の適用すればその効果
は顕著である。
鈍の際、雰囲気ガス中に不可避に混入するCOの濃度を6
%以下に維持する。具体的には、脱炭焼鈍前鋼板のC含
有量とライン速度に応じて、H2−H2O −N2ガス流量を制
御するなどの方法がある。 【効果】 サブスケールの過剰な生成を防止する条件の
下で、弊害を伴うことなしに脱炭焼鈍での脱炭反応を促
進することのできる。特に、板厚が厚い場合には、Cの
拡散距離が長くなり、サブスケール生成による脱炭阻害
傾向が明瞭になるため、この発明の適用すればその効果
は顕著である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、方向性けい素鋼板の
製造方法、なかでも脱炭焼鈍に工夫を加えることによっ
て生産性の向上と製品品質の安定化を図る方法に関する
ものである。
製造方法、なかでも脱炭焼鈍に工夫を加えることによっ
て生産性の向上と製品品質の安定化を図る方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】方向性けい素鋼板は軟磁性材料として、
主に変圧器あるいは回転機器等の鉄心材料として使用さ
れるもので、磁気特性として磁束密度が高く、鉄損及び
磁気歪が小さいことが要求される。近年、エネルギー事
情の悪化に伴い、磁気特性に優れた方向性けい素鋼板の
ニーズは高まっている。
主に変圧器あるいは回転機器等の鉄心材料として使用さ
れるもので、磁気特性として磁束密度が高く、鉄損及び
磁気歪が小さいことが要求される。近年、エネルギー事
情の悪化に伴い、磁気特性に優れた方向性けい素鋼板の
ニーズは高まっている。
【0003】磁気特性に優れた方向性けい素鋼板を得る
には、{110}〈001〉方位いわゆるゴス方位に高
度に集積した2次再結晶組織を得ることが必要である。
そしてかかる方向性けい素鋼板の一般的な製造方法で
は、ゴス方位に高度に集積した2次再結晶組織を得るた
めに必要なインヒビターを含む方向性けい素鋼スラブを
加熱して熱間圧延を行った後、必要に応じて均一化焼鈍
を行い、1回又は中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延に
よって最終製品板厚とし、次いで脱炭焼鈍を行った後、
鋼板にMgO 等を主成分とする焼鈍分離剤を塗布しから、
コイル状に巻取り、高温仕上げ焼鈍が行われる。
には、{110}〈001〉方位いわゆるゴス方位に高
度に集積した2次再結晶組織を得ることが必要である。
そしてかかる方向性けい素鋼板の一般的な製造方法で
は、ゴス方位に高度に集積した2次再結晶組織を得るた
めに必要なインヒビターを含む方向性けい素鋼スラブを
加熱して熱間圧延を行った後、必要に応じて均一化焼鈍
を行い、1回又は中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延に
よって最終製品板厚とし、次いで脱炭焼鈍を行った後、
鋼板にMgO 等を主成分とする焼鈍分離剤を塗布しから、
コイル状に巻取り、高温仕上げ焼鈍が行われる。
【0004】このような方向性けい素鋼板の製造工程に
おける重要なポイントはいくつかあるが、その中のひと
つに、脱炭焼鈍工程で鋼中のCを0.003 wt%以下のでき
るだけ低い量に脱炭することが挙げられる。これは、製
品中に多量のCが残留すると鉄損の増大が著しくなり、
かつ磁気時効によって製品の磁気特性が経時劣化するこ
とから、この悪影響を防ぐためである。
おける重要なポイントはいくつかあるが、その中のひと
つに、脱炭焼鈍工程で鋼中のCを0.003 wt%以下のでき
るだけ低い量に脱炭することが挙げられる。これは、製
品中に多量のCが残留すると鉄損の増大が著しくなり、
かつ磁気時効によって製品の磁気特性が経時劣化するこ
とから、この悪影響を防ぐためである。
【0005】とはいえ、Cは方向性けい素鋼板の製造工
程での結晶組織制御上で重要な役割を担うため、方向性
けい素鋼スラブへのCの添加は不可欠である。つまり、
方向性けい素鋼板は、鉄損低減のために通常2.5 %以上
のSiを含有している。このような高Siの成分系の場合
に、熱間圧延に至るまでの製造工程でC含有量が0.01%
以下になると、α−γ変態がほとんど起こらなくなるた
め、熱間圧延後の結晶組織に粗大な伸長粒が多くなっ
て、熱延結晶組織が不均一となる。このように熱延結晶
組織が不均一では、途中工程の冷間圧延と1次再結晶焼
鈍によっても、正常な2次再結晶を発現させる上で必要
な結晶組織が得られないため、磁気特性の劣化が生じ
る。このような理由で方向性けい素鋼スラブへCをある
程度の量で添加することは不可欠であるため、方向性け
い素鋼板を製造するに当たっては、最終仕上げ焼鈍まで
の途中工程において脱炭焼鈍を行うことが必要である。
程での結晶組織制御上で重要な役割を担うため、方向性
けい素鋼スラブへのCの添加は不可欠である。つまり、
方向性けい素鋼板は、鉄損低減のために通常2.5 %以上
のSiを含有している。このような高Siの成分系の場合
に、熱間圧延に至るまでの製造工程でC含有量が0.01%
以下になると、α−γ変態がほとんど起こらなくなるた
め、熱間圧延後の結晶組織に粗大な伸長粒が多くなっ
て、熱延結晶組織が不均一となる。このように熱延結晶
組織が不均一では、途中工程の冷間圧延と1次再結晶焼
鈍によっても、正常な2次再結晶を発現させる上で必要
な結晶組織が得られないため、磁気特性の劣化が生じ
る。このような理由で方向性けい素鋼スラブへCをある
程度の量で添加することは不可欠であるため、方向性け
い素鋼板を製造するに当たっては、最終仕上げ焼鈍まで
の途中工程において脱炭焼鈍を行うことが必要である。
【0006】通常の脱炭焼鈍においては、H2濃度と露点
との調整により雰囲気酸化性を一定に制御された湿水素
雰囲気ガス中において、700 〜900 ℃の温度範囲で一定
時間の均熱処理を行うことにより実施される。このと
き、鋼板内部から鋼板表面に拡散してきたCが、鋼板表
面においてH2O と反応してCOガスとなり、鋼板からCが
除去される。このときの反応は式(1) のとおりである。
との調整により雰囲気酸化性を一定に制御された湿水素
雰囲気ガス中において、700 〜900 ℃の温度範囲で一定
時間の均熱処理を行うことにより実施される。このと
き、鋼板内部から鋼板表面に拡散してきたCが、鋼板表
面においてH2O と反応してCOガスとなり、鋼板からCが
除去される。このときの反応は式(1) のとおりである。
【数1】 C+H2O → CO +H2 (1)
【0007】上記の反応式に従って脱炭反応が起こるの
と同時に、鋼中に含有されるSiがH2O により酸化され
て、主としてSiO2及びFe2SiO4 からなるサブスケールが
形成される。このときの反応は式(2) 、(3) のとおりで
ある。
と同時に、鋼中に含有されるSiがH2O により酸化され
て、主としてSiO2及びFe2SiO4 からなるサブスケールが
形成される。このときの反応は式(2) 、(3) のとおりで
ある。
【数2】 Si+2H2O → SiO2 +2H2 (2) Si+2Fe+4H2O → Fe2SiO4+4H2 (3) 上記の反応のなかでも式(2) の反応は、極めて低い露点
から進行するため、通常の工業用ガスを使用する場合に
はサブスケールの生成が必ず生じる。
から進行するため、通常の工業用ガスを使用する場合に
はサブスケールの生成が必ず生じる。
【0008】このように方向性けい素鋼板の製造工程中
の脱炭焼鈍において、不可避的な現象であるサブスケー
ルの生成は、脱炭の速やかな進行という点では不利であ
る。これは生成したサブスケールが、鋼板内部から鋼板
表面へのCの拡散を阻害する結果、鋼板表面における式
(1) の反応が遅くなるためである。それゆえ、十分な脱
炭を行うためには、脱炭焼鈍前のC含有量に応じて、一
定時間以上の脱炭焼鈍を行う必要がある。したがって、
脱炭すべきC量が多い場合には脱炭焼鈍の作業能率に大
幅な低下を生じるのは勿論のこと、長時間の脱炭焼鈍に
よりサブスケールの生成量も過剰となるため、以下に述
べるようにフォルステライト質絶縁被膜の形成にも問題
を生じる。
の脱炭焼鈍において、不可避的な現象であるサブスケー
ルの生成は、脱炭の速やかな進行という点では不利であ
る。これは生成したサブスケールが、鋼板内部から鋼板
表面へのCの拡散を阻害する結果、鋼板表面における式
(1) の反応が遅くなるためである。それゆえ、十分な脱
炭を行うためには、脱炭焼鈍前のC含有量に応じて、一
定時間以上の脱炭焼鈍を行う必要がある。したがって、
脱炭すべきC量が多い場合には脱炭焼鈍の作業能率に大
幅な低下を生じるのは勿論のこと、長時間の脱炭焼鈍に
よりサブスケールの生成量も過剰となるため、以下に述
べるようにフォルステライト質絶縁被膜の形成にも問題
を生じる。
【0009】前述したように、方向性けい素鋼板の脱炭
焼鈍においてサブスケールの生成は不可避的に起こる現
象である。このサブスケールを巧妙に利用したのがフォ
ルステライト質絶縁被膜である。フォルステライト質絶
縁被膜は一般に以下のような過程によって形成される。
焼鈍においてサブスケールの生成は不可避的に起こる現
象である。このサブスケールを巧妙に利用したのがフォ
ルステライト質絶縁被膜である。フォルステライト質絶
縁被膜は一般に以下のような過程によって形成される。
【0010】まず、所望の最終板厚に冷間圧延された方
向性けい素鋼板用の最終冷延板を、湿水素中で700 ℃か
ら900 ℃の温度で連続焼鈍を行う。この焼鈍により 冷間圧延後の組織を、最終仕上げ焼鈍において適正な
2次再結晶が起こるように、1次再結晶させ、 最終仕上げ焼鈍における2次再結晶を完全に行わせる
と共に製品の磁気特性の時効劣化を防止するため、鋼中
に0.01〜0.10wt%程度含まれる炭素を、0.003 wt%以下
まで脱炭し、さらに 鋼中Siの酸化によって、SiO2を含むサブスケールを鋼
板表層に生成させる。
向性けい素鋼板用の最終冷延板を、湿水素中で700 ℃か
ら900 ℃の温度で連続焼鈍を行う。この焼鈍により 冷間圧延後の組織を、最終仕上げ焼鈍において適正な
2次再結晶が起こるように、1次再結晶させ、 最終仕上げ焼鈍における2次再結晶を完全に行わせる
と共に製品の磁気特性の時効劣化を防止するため、鋼中
に0.01〜0.10wt%程度含まれる炭素を、0.003 wt%以下
まで脱炭し、さらに 鋼中Siの酸化によって、SiO2を含むサブスケールを鋼
板表層に生成させる。
【0011】その後、MgO を主成分とする焼鈍分離剤を
鋼板上に塗布し、コイル状に巻取ってから、還元あるい
は非酸化性雰囲気中において1000℃から1200℃程度の高
温で仕上げ焼鈍を行うことにより、式(4) で示される固
相反応によってフォルステライト質絶縁被膜を形成させ
るのである。
鋼板上に塗布し、コイル状に巻取ってから、還元あるい
は非酸化性雰囲気中において1000℃から1200℃程度の高
温で仕上げ焼鈍を行うことにより、式(4) で示される固
相反応によってフォルステライト質絶縁被膜を形成させ
るのである。
【数3】 2MgO + SiO2 → Mg2SiO4 (4)
【0012】このフォルステライト質絶縁被膜は、1μ
m 程度の微細結晶が緻密に集積したセラミックス被膜で
あり、上述のごとく、脱炭焼鈍において鋼板表層に生成
した、SiO2を含有するサブスケールを一方の原料物質と
して、その鋼板上に生成するものであるから、このサブ
スケールの種類、量、分布等は、フォルステライトの核
生成や粒成長挙動に影響を及ぼし、さらにはフォルステ
ライト結晶粒の粒界や粒そのものの強度にも影響を及ぼ
し、したがって仕上げ焼鈍後の被膜品質にも多大な影響
を及ぼすのである。例えば、長時間の脱炭焼鈍によって
サブスケールの生成量が過剰になった場合には、フォル
ステライト質絶縁被膜が厚くなり過ぎるため、占積率の
低下を生じるのは勿論のこと、被膜外観の均一性及び密
着性の劣化並びに点状にフォルステライト質絶縁被膜が
欠落する欠陥を生じ易く、また磁気特性の劣化もしばし
ば生じる。
m 程度の微細結晶が緻密に集積したセラミックス被膜で
あり、上述のごとく、脱炭焼鈍において鋼板表層に生成
した、SiO2を含有するサブスケールを一方の原料物質と
して、その鋼板上に生成するものであるから、このサブ
スケールの種類、量、分布等は、フォルステライトの核
生成や粒成長挙動に影響を及ぼし、さらにはフォルステ
ライト結晶粒の粒界や粒そのものの強度にも影響を及ぼ
し、したがって仕上げ焼鈍後の被膜品質にも多大な影響
を及ぼすのである。例えば、長時間の脱炭焼鈍によって
サブスケールの生成量が過剰になった場合には、フォル
ステライト質絶縁被膜が厚くなり過ぎるため、占積率の
低下を生じるのは勿論のこと、被膜外観の均一性及び密
着性の劣化並びに点状にフォルステライト質絶縁被膜が
欠落する欠陥を生じ易く、また磁気特性の劣化もしばし
ば生じる。
【0013】また、他方の原料物質であるMgO を主体と
する焼鈍分離剤は、水に懸濁したスラリーとして鋼板に
塗布されることから、乾燥させた後も物理的に吸着した
H2Oを保有する他、一部が水和してMg(OH)2 に変化して
いる。そのため、仕上げ焼鈍中に800 ℃付近まで少量な
がらH2O を放出し続ける。このH2O により、仕上げ焼鈍
中に鋼板表面は酸化される。この酸化もフォルステライ
ト被膜の生成挙動に影響を及ぼすとともに、インヒビタ
ーの酸化や分解につながることから、この追加酸化が多
いと磁気特性の劣化する原因となる。このMgO が放出す
るH2O による酸化の受け易さも、脱炭焼鈍で形成された
サブスケールの物性に大きく影響される。
する焼鈍分離剤は、水に懸濁したスラリーとして鋼板に
塗布されることから、乾燥させた後も物理的に吸着した
H2Oを保有する他、一部が水和してMg(OH)2 に変化して
いる。そのため、仕上げ焼鈍中に800 ℃付近まで少量な
がらH2O を放出し続ける。このH2O により、仕上げ焼鈍
中に鋼板表面は酸化される。この酸化もフォルステライ
ト被膜の生成挙動に影響を及ぼすとともに、インヒビタ
ーの酸化や分解につながることから、この追加酸化が多
いと磁気特性の劣化する原因となる。このMgO が放出す
るH2O による酸化の受け易さも、脱炭焼鈍で形成された
サブスケールの物性に大きく影響される。
【0014】以上の説明から明らかなように、脱炭焼鈍
工程の能率向上のみならず、サブスケール生成量過多に
起因するフォルステライト質絶縁被膜の品質劣化及び磁
気特性の劣化を防止するという観点からも、方向性けい
素鋼板の脱炭焼鈍において脱炭を速やかに行うことは、
重要な技術課題である。
工程の能率向上のみならず、サブスケール生成量過多に
起因するフォルステライト質絶縁被膜の品質劣化及び磁
気特性の劣化を防止するという観点からも、方向性けい
素鋼板の脱炭焼鈍において脱炭を速やかに行うことは、
重要な技術課題である。
【0015】方向性けい素鋼板の脱炭焼鈍に関する従来
技術としては、例えば、特開昭61−190021号公報に開示
されているように、脱炭焼鈍前の鋼板表面にアルカリ金
属塩水溶液を塗布する方法、特公昭59−10412 号公報に
開示されているように、脱炭焼鈍前の鋼板表面に鉄メッ
キを施す方法などが公知となっている。
技術としては、例えば、特開昭61−190021号公報に開示
されているように、脱炭焼鈍前の鋼板表面にアルカリ金
属塩水溶液を塗布する方法、特公昭59−10412 号公報に
開示されているように、脱炭焼鈍前の鋼板表面に鉄メッ
キを施す方法などが公知となっている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上掲特
開昭61−190021号公報に開示された、脱炭焼鈍前の鋼板
表面にアルカリ金属塩水溶液を塗布する方法では、鋼板
表面に塗布されたアルカリ金属がサブスケール品質の劣
化をもたらすため、フォルステライト質絶縁被膜に外観
の不均一、密着性の低下、点状の被膜欠陥等の品質劣化
をしばしば生じるという問題点があった。また、前掲特
公昭59−10412 号公報に開示された、脱炭焼鈍前の鋼板
表面に鉄メッキを施す方法では、鉄メッキ量のばらつき
によって脱炭促進効果が安定しないという問題点があっ
た。
開昭61−190021号公報に開示された、脱炭焼鈍前の鋼板
表面にアルカリ金属塩水溶液を塗布する方法では、鋼板
表面に塗布されたアルカリ金属がサブスケール品質の劣
化をもたらすため、フォルステライト質絶縁被膜に外観
の不均一、密着性の低下、点状の被膜欠陥等の品質劣化
をしばしば生じるという問題点があった。また、前掲特
公昭59−10412 号公報に開示された、脱炭焼鈍前の鋼板
表面に鉄メッキを施す方法では、鉄メッキ量のばらつき
によって脱炭促進効果が安定しないという問題点があっ
た。
【0017】この発明は、上記の問題点を有利に解決し
ようとするものであり、サブスケールの過剰な生成を防
止する条件の下で、弊害を伴うことなしに脱炭焼鈍での
脱炭反応を促進することのできる方向性けい素鋼板の製
造方法を提案することを目的とする。
ようとするものであり、サブスケールの過剰な生成を防
止する条件の下で、弊害を伴うことなしに脱炭焼鈍での
脱炭反応を促進することのできる方向性けい素鋼板の製
造方法を提案することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】発明者らは、脱炭焼鈍に
おける脱炭反応を促進する方法について研究を重ね、そ
の一環として脱炭反応に及ぼす焼鈍雰囲気ガス成分の影
響について詳細な調査を行った。その結果、脱炭焼鈍に
よって必然的に発生するCOガスに関しては従来全く着目
されていなかったが、このCOガス濃度を所定濃度以下に
維持することによって脱炭反応が促進されることを見出
し、この発明を完成するに至った。
おける脱炭反応を促進する方法について研究を重ね、そ
の一環として脱炭反応に及ぼす焼鈍雰囲気ガス成分の影
響について詳細な調査を行った。その結果、脱炭焼鈍に
よって必然的に発生するCOガスに関しては従来全く着目
されていなかったが、このCOガス濃度を所定濃度以下に
維持することによって脱炭反応が促進されることを見出
し、この発明を完成するに至った。
【0019】すなわち、この発明は、方向性けい素鋼板
用スラブを熱間圧延した後、1回又は中間焼鈍を挟む2
回の冷間圧延を施し、次いで脱炭焼鈍を施し、さらにMg
O を主体とする焼鈍分離剤を塗布してから、最終仕上げ
焼鈍を施す一連の工程よりなる方向性けい素鋼板の製造
方法において、上記脱炭焼鈍の際、雰囲気ガス中に不可
避に混入するCOの濃度を6%以下に維持することを特徴
とする方向性けい素鋼板の製造方法である。
用スラブを熱間圧延した後、1回又は中間焼鈍を挟む2
回の冷間圧延を施し、次いで脱炭焼鈍を施し、さらにMg
O を主体とする焼鈍分離剤を塗布してから、最終仕上げ
焼鈍を施す一連の工程よりなる方向性けい素鋼板の製造
方法において、上記脱炭焼鈍の際、雰囲気ガス中に不可
避に混入するCOの濃度を6%以下に維持することを特徴
とする方向性けい素鋼板の製造方法である。
【0020】
【作用】以下に、この発明に至った実験及びその結果に
ついて述べる。C:0.044 wt%(以下、単に%で示
す)、Si:3.33%、Mn:0.069 %、Se:0.023 %及びS
b:0.026 %を含有し、残部がFe及び不可避的不純物か
らなる方向性けい素鋼板用素材を熱間圧延した後、900
℃で均一化焼鈍を行い、冷間圧延を、980 ℃で2分間の
中間焼鈍を挟んで2回行って最終冷延板厚0.35mmとし
た。次いで、これらの冷延板を脱脂して表面を清浄化し
た後、不可避に混入するCO濃度を種々に変化させたH2−
H2O −N2雰囲気中にて820 ℃で脱炭焼鈍を施した。この
脱炭焼鈍のとき、H2濃度は50%、露点は62℃とすること
により、焼鈍雰囲気の酸化性P(H2O) /P(H2)を0.55と
一定にした。また、CO濃度の調整は、N2及びCOの分圧を
調節することにより、CO濃度を0〜10%の範囲で変化さ
せた。さらに、脱炭焼鈍時間は3分、4分及び5分の3
種とした。
ついて述べる。C:0.044 wt%(以下、単に%で示
す)、Si:3.33%、Mn:0.069 %、Se:0.023 %及びS
b:0.026 %を含有し、残部がFe及び不可避的不純物か
らなる方向性けい素鋼板用素材を熱間圧延した後、900
℃で均一化焼鈍を行い、冷間圧延を、980 ℃で2分間の
中間焼鈍を挟んで2回行って最終冷延板厚0.35mmとし
た。次いで、これらの冷延板を脱脂して表面を清浄化し
た後、不可避に混入するCO濃度を種々に変化させたH2−
H2O −N2雰囲気中にて820 ℃で脱炭焼鈍を施した。この
脱炭焼鈍のとき、H2濃度は50%、露点は62℃とすること
により、焼鈍雰囲気の酸化性P(H2O) /P(H2)を0.55と
一定にした。また、CO濃度の調整は、N2及びCOの分圧を
調節することにより、CO濃度を0〜10%の範囲で変化さ
せた。さらに、脱炭焼鈍時間は3分、4分及び5分の3
種とした。
【0021】上記の脱炭焼鈍を行った後、鋼中のC含有
量と酸素目付量を化学分析によって求めた。なお、酸素
目付量は、サブスケールの量的指標として重要であり、
これが不足すると密着性の悪い不均一なフォルステライ
ト質絶縁被膜が形成され易い。逆に酸素目付量が過剰に
なっても密着性の悪い不均一なフォルステライト質絶縁
被膜が形成され易く、かつ点状の欠陥も発生し易い。
量と酸素目付量を化学分析によって求めた。なお、酸素
目付量は、サブスケールの量的指標として重要であり、
これが不足すると密着性の悪い不均一なフォルステライ
ト質絶縁被膜が形成され易い。逆に酸素目付量が過剰に
なっても密着性の悪い不均一なフォルステライト質絶縁
被膜が形成され易く、かつ点状の欠陥も発生し易い。
【0022】さらに、脱炭焼鈍後の試料に、1%のTiO2
と2%のSrSO4 を含有するMgO 焼鈍分離剤をスラリーと
して塗布、乾燥させた後、N2雰囲気中、850 ℃で50時間
の2次再結晶焼鈍と、引き続くH2雰囲気中での1200℃で
5時間の純化焼鈍を行った。その鋼板について、フォル
ステライト質絶縁被膜の均一性を評価した。このフォル
ステライト質絶縁被膜の均一性を、上述した脱炭焼鈍後
のC含有量及び酸素目付量と共に、焼鈍雰囲気中のCO濃
度との関係で図1に示す。
と2%のSrSO4 を含有するMgO 焼鈍分離剤をスラリーと
して塗布、乾燥させた後、N2雰囲気中、850 ℃で50時間
の2次再結晶焼鈍と、引き続くH2雰囲気中での1200℃で
5時間の純化焼鈍を行った。その鋼板について、フォル
ステライト質絶縁被膜の均一性を評価した。このフォル
ステライト質絶縁被膜の均一性を、上述した脱炭焼鈍後
のC含有量及び酸素目付量と共に、焼鈍雰囲気中のCO濃
度との関係で図1に示す。
【0023】図1によれば、CO濃度が3%以下である場
合には、3分間という短時間の脱炭焼鈍によってもC含
有量は0.003 %以下に低減しており、かつ酸素目付量が
1.4〜1.6 g/m2の適正なレベルとなっているため、フォ
ルステライト質絶縁被膜の外観も均一である。また、CO
濃度が3〜6%の場合には、4分間の脱炭焼鈍によって
C含有量を0.003 %以下に低減することが可能である。
また、このときの酸素目付量は最大で1.8 〜1.9 g/m2の
レベルに留まっているため、フォルステライト質絶縁被
膜の外観が均一である。これに対してCO濃度が6%を超
える場合には、C含有量を0.003 %以下に低減するため
に必要な焼鈍時間は4分間超と多大な時間が必要になる
ばかりか、酸素目付量が2.0g/m2 を超過するため、フォ
ルステライト質絶縁被膜の外観も不均一であることがわ
かる。
合には、3分間という短時間の脱炭焼鈍によってもC含
有量は0.003 %以下に低減しており、かつ酸素目付量が
1.4〜1.6 g/m2の適正なレベルとなっているため、フォ
ルステライト質絶縁被膜の外観も均一である。また、CO
濃度が3〜6%の場合には、4分間の脱炭焼鈍によって
C含有量を0.003 %以下に低減することが可能である。
また、このときの酸素目付量は最大で1.8 〜1.9 g/m2の
レベルに留まっているため、フォルステライト質絶縁被
膜の外観が均一である。これに対してCO濃度が6%を超
える場合には、C含有量を0.003 %以下に低減するため
に必要な焼鈍時間は4分間超と多大な時間が必要になる
ばかりか、酸素目付量が2.0g/m2 を超過するため、フォ
ルステライト質絶縁被膜の外観も不均一であることがわ
かる。
【0024】なお、以上の実験例は最終冷延板厚が0.35
mmの場合について示したが、これは板厚が厚くなるとC
の拡散距離が長くなり、サブスケール生成による脱炭阻
害傾向が顕著に現われるため、この発明の効果が大きい
と判断したからである。実験データとして示してはいな
いが、発明者らは最終冷延板厚が0.23mm、0.27mm、0.30
mmの場合についても同様の実験を行い、CO濃度を6%以
下に維持すれば、脱炭焼鈍後のC含有量を0.003 %以下
に低減させ、かつ酸素目付量も適正なレベル範囲内に制
御できることを確認している。
mmの場合について示したが、これは板厚が厚くなるとC
の拡散距離が長くなり、サブスケール生成による脱炭阻
害傾向が顕著に現われるため、この発明の効果が大きい
と判断したからである。実験データとして示してはいな
いが、発明者らは最終冷延板厚が0.23mm、0.27mm、0.30
mmの場合についても同様の実験を行い、CO濃度を6%以
下に維持すれば、脱炭焼鈍後のC含有量を0.003 %以下
に低減させ、かつ酸素目付量も適正なレベル範囲内に制
御できることを確認している。
【0025】また、この実験例では、素材C量が0.044
%の例について示したが、素材C量が0.10%以下の範囲
であれば、同様の結果が得られることを確認している。
%の例について示したが、素材C量が0.10%以下の範囲
であれば、同様の結果が得られることを確認している。
【0026】さらに、以上の実験例はインヒビターとし
て、MnSeとSbを含有する鋼種で示したが、この発明はこ
れに限らず AlN−MnSe系、 AlN−MnSe−Sb系、 AlN−Mn
S 系、MnS 系等、他のインヒビターを含有する方向性け
い素鋼板のいずれでも同様の結果が得られた。
て、MnSeとSbを含有する鋼種で示したが、この発明はこ
れに限らず AlN−MnSe系、 AlN−MnSe−Sb系、 AlN−Mn
S 系、MnS 系等、他のインヒビターを含有する方向性け
い素鋼板のいずれでも同様の結果が得られた。
【0027】以上述べたところから明らかなように、こ
の発明に従い、脱炭焼鈍の際、雰囲気ガス中に不可避に
混入するCOの濃度を6%以下に維持することによって、
脱炭焼鈍後のC含有量を0.003 %以下に低減すること
と、適正な酸素目付量を確保することとの両立が実現で
きることがわかった。したがって、この発明では脱炭焼
鈍時に維持する雰囲気ガス中のCO濃度を6%以下にす
る。特に、CO濃度を3%以下に維持することは、脱炭焼
鈍時間の短縮化、ひいては生産性の向上を実現するため
に望ましい。
の発明に従い、脱炭焼鈍の際、雰囲気ガス中に不可避に
混入するCOの濃度を6%以下に維持することによって、
脱炭焼鈍後のC含有量を0.003 %以下に低減すること
と、適正な酸素目付量を確保することとの両立が実現で
きることがわかった。したがって、この発明では脱炭焼
鈍時に維持する雰囲気ガス中のCO濃度を6%以下にす
る。特に、CO濃度を3%以下に維持することは、脱炭焼
鈍時間の短縮化、ひいては生産性の向上を実現するため
に望ましい。
【0028】この点、従来の脱炭焼鈍法においては、前
述のとおり脱炭焼鈍の際に発生するCOガスに関しては全
く着目されていなかったことから、焼鈍炉の炉内雰囲気
制御に関しても、露点や酸化性が制御されるのみで、CO
濃度については何の配慮も払われずに雰囲気ガス流量は
所定の値に固定されていた。このため、従来法では、特
に焼鈍前の素材について板厚が厚いものやC含有量が高
いものを脱炭焼鈍する場合に、炉内のCO濃度が一時的に
でも6%を超えることが往々にして見られ、それ故に脱
炭焼鈍の促進を図ることができなかったのである。
述のとおり脱炭焼鈍の際に発生するCOガスに関しては全
く着目されていなかったことから、焼鈍炉の炉内雰囲気
制御に関しても、露点や酸化性が制御されるのみで、CO
濃度については何の配慮も払われずに雰囲気ガス流量は
所定の値に固定されていた。このため、従来法では、特
に焼鈍前の素材について板厚が厚いものやC含有量が高
いものを脱炭焼鈍する場合に、炉内のCO濃度が一時的に
でも6%を超えることが往々にして見られ、それ故に脱
炭焼鈍の促進を図ることができなかったのである。
【0029】このように、この発明に従い、脱炭焼鈍の
際、雰囲気ガス中に不可避に混入するCOの濃度を6%以
下に維持することにより、脱炭が促進さるメカニズムは
未だ明らかにはなっていないが、COガスが多量に存在に
すれば式(1) に示す脱炭反応の逆反応が加速されるため
に脱炭が阻害され、したがって、このCOガスを減少させ
ることで、脱炭反応の阻害要因が解消するためではない
かと考えられる。
際、雰囲気ガス中に不可避に混入するCOの濃度を6%以
下に維持することにより、脱炭が促進さるメカニズムは
未だ明らかにはなっていないが、COガスが多量に存在に
すれば式(1) に示す脱炭反応の逆反応が加速されるため
に脱炭が阻害され、したがって、このCOガスを減少させ
ることで、脱炭反応の阻害要因が解消するためではない
かと考えられる。
【0030】この発明において、雰囲気ガス中のCO濃度
を6%以下に低減する具体的な手法としては、脱炭焼鈍
前鋼板のC含有量とライン速度に応じて、H2−H2O −N2
ガス流量を制御する方法、脱炭焼鈍ライン内の適切な箇
所で雰囲気ガスを排出すると共に新しい雰囲気ガスを炉
内に導入する方法など、いくつかの方法があげられる
が、このような手法の一つ又は二つ以上を行えばよい。
要は炉内CO濃度を6%以下に制御可能な手法であれば、
いかなる方法によってもよい。
を6%以下に低減する具体的な手法としては、脱炭焼鈍
前鋼板のC含有量とライン速度に応じて、H2−H2O −N2
ガス流量を制御する方法、脱炭焼鈍ライン内の適切な箇
所で雰囲気ガスを排出すると共に新しい雰囲気ガスを炉
内に導入する方法など、いくつかの方法があげられる
が、このような手法の一つ又は二つ以上を行えばよい。
要は炉内CO濃度を6%以下に制御可能な手法であれば、
いかなる方法によってもよい。
【0031】次に、この発明における方向性珪素鋼板用
素材の好適な成分組成について説明する。Cは、熱間圧
延時のα−γ変態を利用して結晶組織の改善を行うため
に必要であるが、余りに多すぎると脱炭がこの発明をも
ってしても難しくなるので、0.02〜0.10%の範囲が好適
である。
素材の好適な成分組成について説明する。Cは、熱間圧
延時のα−γ変態を利用して結晶組織の改善を行うため
に必要であるが、余りに多すぎると脱炭がこの発明をも
ってしても難しくなるので、0.02〜0.10%の範囲が好適
である。
【0032】Siは、鋼板の電気抵抗を高め、鉄損特性を
向上するために必要な成分であるが、少なすぎると鋼板
の電気抵抗が小さくなって渦電流損が増大するために良
好な鉄損特性が得られず、多すぎると冷間圧延が困難と
なるので、2.5 〜4.5 %程度の範囲が好適である。
向上するために必要な成分であるが、少なすぎると鋼板
の電気抵抗が小さくなって渦電流損が増大するために良
好な鉄損特性が得られず、多すぎると冷間圧延が困難と
なるので、2.5 〜4.5 %程度の範囲が好適である。
【0033】このC、Siの他、方向性けい素鋼板用素材
には、1次再結晶組織の中からゴス方位以外の粒成長を
抑制することにより、ゴス方位の粒のみを選択的に成長
させるという2次再結晶に不可欠の機能を有するインヒ
ビターの形成成分を含有することが必須である。このイ
ンヒビターには、AlN ,MnSe,MnS 等のように微細析出
物として機能するものと、Sb, Sn等のように粒界偏析に
よって機能するものの2つのタイプが知られている。現
在の方向性けい素鋼板の製造において主要な機能を発揮
しているのは、前者の析出物として機能するタイプのも
のであり、この発明においては、MnSe系,MnS 系,AlN
系、 AlN−MnSe系、 AlN−MnS 系等いずれのインヒビタ
ー系を用いる場合でも適用できる。なお、AlN は強い抑
制力を有するため、AlN を含むインヒビター系の場合
は、高磁束密度の製品を得ることができるとされている
には、1次再結晶組織の中からゴス方位以外の粒成長を
抑制することにより、ゴス方位の粒のみを選択的に成長
させるという2次再結晶に不可欠の機能を有するインヒ
ビターの形成成分を含有することが必須である。このイ
ンヒビターには、AlN ,MnSe,MnS 等のように微細析出
物として機能するものと、Sb, Sn等のように粒界偏析に
よって機能するものの2つのタイプが知られている。現
在の方向性けい素鋼板の製造において主要な機能を発揮
しているのは、前者の析出物として機能するタイプのも
のであり、この発明においては、MnSe系,MnS 系,AlN
系、 AlN−MnSe系、 AlN−MnS 系等いずれのインヒビタ
ー系を用いる場合でも適用できる。なお、AlN は強い抑
制力を有するため、AlN を含むインヒビター系の場合
は、高磁束密度の製品を得ることができるとされている
【0034】Mnは、インヒビター成分として必要である
が、過剰になるとインヒビターの粒子径が粗大化して粒
成長抑制力が低下するため、0.03〜0.30%の範囲が好適
である。
が、過剰になるとインヒビターの粒子径が粗大化して粒
成長抑制力が低下するため、0.03〜0.30%の範囲が好適
である。
【0035】Se及び/又はSは、インヒビター成分とし
て必要であるが、過剰になると仕上げ焼鈍での純化が困
難となるため、合計で0.01〜0.05%の範囲が好適であ
る。
て必要であるが、過剰になると仕上げ焼鈍での純化が困
難となるため、合計で0.01〜0.05%の範囲が好適であ
る。
【0036】Al及びNは、AlN インヒビターを形成する
ために必要である。Alは、少なすぎると磁束密度が低下
し、多すぎると2次再結晶が安定しなくなるため、酸可
溶Alとして0.01〜0.05%の範囲が好適である。また、N
は、少なすぎるとAlN インヒビターの量が不足して磁束
密度が低下し、多すぎるとブリスターと呼ばれる表面欠
陥が製品に多発するため、0.004 〜0.012 %の範囲が好
適である。
ために必要である。Alは、少なすぎると磁束密度が低下
し、多すぎると2次再結晶が安定しなくなるため、酸可
溶Alとして0.01〜0.05%の範囲が好適である。また、N
は、少なすぎるとAlN インヒビターの量が不足して磁束
密度が低下し、多すぎるとブリスターと呼ばれる表面欠
陥が製品に多発するため、0.004 〜0.012 %の範囲が好
適である。
【0037】さらに、この発明では、上述した粒界偏析
によって機能するインヒビターSb、Sn等を併用して用い
ることができる。特に、磁界800A/mにおける磁束密度B
8 値で1.92T 以上という極めて優れた磁気特性を有する
高級方向性けい素鋼板を製造するに当たっては、析出物
タイプのみならず、粒界偏析タイプのインヒビターをも
併用して、これらのインヒビター効果を最大限に発揮さ
せることが有利である。
によって機能するインヒビターSb、Sn等を併用して用い
ることができる。特に、磁界800A/mにおける磁束密度B
8 値で1.92T 以上という極めて優れた磁気特性を有する
高級方向性けい素鋼板を製造するに当たっては、析出物
タイプのみならず、粒界偏析タイプのインヒビターをも
併用して、これらのインヒビター効果を最大限に発揮さ
せることが有利である。
【0038】Sb、Sn等の粒界偏析型インヒビター成分
は、その添加量が少なすぎると磁気特性への改善効果が
少なく、多すぎるとぜい化やフォルステライト被膜への
悪影響が生じるため、0.01〜0.30%の範囲が好適であ
る。
は、その添加量が少なすぎると磁気特性への改善効果が
少なく、多すぎるとぜい化やフォルステライト被膜への
悪影響が生じるため、0.01〜0.30%の範囲が好適であ
る。
【0039】また、熱間圧延時の表面ぜい化に起因する
表面欠陥を防止するために、0.10%以下のMoを添加する
ことも有効である。
表面欠陥を防止するために、0.10%以下のMoを添加する
ことも有効である。
【0040】次に、この発明の好適製造条件について説
明する。上記の好適成分組成に調整した溶鋼を、連続鋳
造または造塊−分塊法により、所定厚みのスラブとした
のち、インヒビター成分であるSe,SやAlを完全に固溶
させるために1350〜1450℃に加熱する。上記のスラブ加
熱後、熱間圧延を行い、次いで必要に応じて熱延板焼鈍
を施す。次いで、1回又は中間焼鈍を挟む2回の冷間圧
延により、0.20〜0.40mm程度の最終製品板厚に仕上げ
る。
明する。上記の好適成分組成に調整した溶鋼を、連続鋳
造または造塊−分塊法により、所定厚みのスラブとした
のち、インヒビター成分であるSe,SやAlを完全に固溶
させるために1350〜1450℃に加熱する。上記のスラブ加
熱後、熱間圧延を行い、次いで必要に応じて熱延板焼鈍
を施す。次いで、1回又は中間焼鈍を挟む2回の冷間圧
延により、0.20〜0.40mm程度の最終製品板厚に仕上げ
る。
【0041】次いで、脱炭焼鈍を施すわけであるが、こ
の脱炭焼鈍は、既に述べたこの発明に従う脱炭焼鈍条件
に従って行うことが肝要である。焼鈍温度は、700 〜90
0 ℃程度の範囲で行えば良い。
の脱炭焼鈍は、既に述べたこの発明に従う脱炭焼鈍条件
に従って行うことが肝要である。焼鈍温度は、700 〜90
0 ℃程度の範囲で行えば良い。
【0042】その後、鋼板表面に MgOを主成分とする焼
鈍分離剤を塗布してから、1000〜1200℃で3〜50h 程度
の2次再結晶焼鈍および純化焼鈍を施して製品板とす
る。なお、その後さらに、りん酸塩系の上塗りコーティ
ングを施すことは有利である。
鈍分離剤を塗布してから、1000〜1200℃で3〜50h 程度
の2次再結晶焼鈍および純化焼鈍を施して製品板とす
る。なお、その後さらに、りん酸塩系の上塗りコーティ
ングを施すことは有利である。
【0043】
実施例1 C:0.069 %、Si:3.34%、Mn:0.073 %、Se:0.023
%、sol.Al:0.026 %、N:0.0083%及びSb:0.024 %
を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる方向性
けい素鋼板用スラブを板厚2.6 mmに熱間圧延した後、10
00℃で均一化焼鈍を行い、次いで冷間圧延を、1100℃で
2分間の中間焼鈍を挟んで2回行って最終冷延板厚0.35
mmとした。この冷延板をアルカリ脱脂して表面を清浄化
した後、炉内に導いたH2−H2O −N2ガスと脱炭により不
可避に発生したCOガスとの混合雰囲気中にて840 ℃で3
分、4分及び5分間の脱炭焼鈍を行った。この脱炭焼鈍
のとき、H2濃度は50%、露点は62℃とすることによっ
て、焼鈍雰囲気の酸化性P (H2O)/P(H2)を0.55で一定
とし、さらに炉内に流すH2−H2O −N2ガスのトータル流
量を制御することにより、CO濃度を0〜8%の範囲で変
化させた。かかる脱炭焼鈍後の鋼板のC含有量及び酸素
目付量についても化学分析を行った。
%、sol.Al:0.026 %、N:0.0083%及びSb:0.024 %
を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる方向性
けい素鋼板用スラブを板厚2.6 mmに熱間圧延した後、10
00℃で均一化焼鈍を行い、次いで冷間圧延を、1100℃で
2分間の中間焼鈍を挟んで2回行って最終冷延板厚0.35
mmとした。この冷延板をアルカリ脱脂して表面を清浄化
した後、炉内に導いたH2−H2O −N2ガスと脱炭により不
可避に発生したCOガスとの混合雰囲気中にて840 ℃で3
分、4分及び5分間の脱炭焼鈍を行った。この脱炭焼鈍
のとき、H2濃度は50%、露点は62℃とすることによっ
て、焼鈍雰囲気の酸化性P (H2O)/P(H2)を0.55で一定
とし、さらに炉内に流すH2−H2O −N2ガスのトータル流
量を制御することにより、CO濃度を0〜8%の範囲で変
化させた。かかる脱炭焼鈍後の鋼板のC含有量及び酸素
目付量についても化学分析を行った。
【0044】次いで、5%のTiO2を含有するMgO 焼鈍分
離剤をスラリーとして塗布、乾燥させた後、H2雰囲気中
での1200℃で10時間の2次再結晶・純化焼鈍を行った。
この後、りん酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成
分とするコーティングを施した。
離剤をスラリーとして塗布、乾燥させた後、H2雰囲気中
での1200℃で10時間の2次再結晶・純化焼鈍を行った。
この後、りん酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成
分とするコーティングを施した。
【0045】このようにして得られた製品の、磁界800
A/m における磁束密度B8 値、1.7T,50Hzにおける鉄損W
17/50値、被膜の曲げ密着性、及び被膜外観の均一性に
ついて調査した。この被膜の曲げ密着性は、5mm間隔で
種々の径になる丸棒のそれぞれに試験片を巻き付け、被
膜のはく離が生じない最小径で評価した。これらの結果
を上述した脱炭焼鈍後のC含有量及び酸素目付量(O
量)と併せて表1に示す。
A/m における磁束密度B8 値、1.7T,50Hzにおける鉄損W
17/50値、被膜の曲げ密着性、及び被膜外観の均一性に
ついて調査した。この被膜の曲げ密着性は、5mm間隔で
種々の径になる丸棒のそれぞれに試験片を巻き付け、被
膜のはく離が生じない最小径で評価した。これらの結果
を上述した脱炭焼鈍後のC含有量及び酸素目付量(O
量)と併せて表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1より、CO濃度を6.5 〜8%とし、焼鈍
時間を3分間としたNo. 7,8,9では、酸素目付量レ
ベルが適正で、被膜外観も良好であるけれども、脱炭焼
鈍後のC含有量が0.003 %以上と高い。この結果、B8
に若干の劣化、W17/50に無視できない劣化が生じている
ことがわかる。また、CO濃度を6.5 〜8%とし、かつ焼
鈍時間を5分間としたNo. 10,11, 12では、脱炭焼鈍の
C含有量は0.003 %以下に低減されているけれども、酸
素目付量が2.0 g/m2以上となっている。このため、フォ
ルステライト質絶縁被膜の外観と密着性に劣化を生じて
おり、磁気特性にも大幅な劣化を生じていることがわか
る。これらに対して、この発明に従う適合例であるNo.
1〜6では、3又は4分間の脱炭焼鈍によってC含有量
は0.003%以下に低減できており、かつ酸素目付量も適
正なレベルになっていることがわかる。この結果、製品
の品質は磁気特性及び被膜品質の双方において優れてい
る。
時間を3分間としたNo. 7,8,9では、酸素目付量レ
ベルが適正で、被膜外観も良好であるけれども、脱炭焼
鈍後のC含有量が0.003 %以上と高い。この結果、B8
に若干の劣化、W17/50に無視できない劣化が生じている
ことがわかる。また、CO濃度を6.5 〜8%とし、かつ焼
鈍時間を5分間としたNo. 10,11, 12では、脱炭焼鈍の
C含有量は0.003 %以下に低減されているけれども、酸
素目付量が2.0 g/m2以上となっている。このため、フォ
ルステライト質絶縁被膜の外観と密着性に劣化を生じて
おり、磁気特性にも大幅な劣化を生じていることがわか
る。これらに対して、この発明に従う適合例であるNo.
1〜6では、3又は4分間の脱炭焼鈍によってC含有量
は0.003%以下に低減できており、かつ酸素目付量も適
正なレベルになっていることがわかる。この結果、製品
の品質は磁気特性及び被膜品質の双方において優れてい
る。
【0048】実施例2 C:0.038 %、Si:3.25%、Mn:0.070 %、Se:0.024
%及びSb:0.023 %を含有し、残部がFe及び不可避的不
純物からなる方向性けい素鋼板用スラブを板厚2.6mm に
熱間圧延した後、900 ℃で均一化焼鈍を行い、次いで冷
間圧延を、970℃で2分間の中間焼鈍を挟んで2回行っ
て最終冷延板厚0.35mmとした。この冷延板をアルカリ脱
脂して表面を清浄化した後、炉内に導いたH2−H2O −N2
ガスと脱炭により不可避に発生したCOガスとの混合雰囲
気中にて820 ℃で3分、4分及び5分間の脱炭焼鈍を行
った。この脱炭焼鈍のとき、H2濃度は50%、露点は62℃
とすることによって、焼鈍雰囲気の酸化性P (H2O)/P
(H2)を0.55で一定とし、さらに炉内に流すH2−H2O −N2
ガスのトータル流量を制御することにより、CO濃度を0
〜8%の範囲で変化させた。
%及びSb:0.023 %を含有し、残部がFe及び不可避的不
純物からなる方向性けい素鋼板用スラブを板厚2.6mm に
熱間圧延した後、900 ℃で均一化焼鈍を行い、次いで冷
間圧延を、970℃で2分間の中間焼鈍を挟んで2回行っ
て最終冷延板厚0.35mmとした。この冷延板をアルカリ脱
脂して表面を清浄化した後、炉内に導いたH2−H2O −N2
ガスと脱炭により不可避に発生したCOガスとの混合雰囲
気中にて820 ℃で3分、4分及び5分間の脱炭焼鈍を行
った。この脱炭焼鈍のとき、H2濃度は50%、露点は62℃
とすることによって、焼鈍雰囲気の酸化性P (H2O)/P
(H2)を0.55で一定とし、さらに炉内に流すH2−H2O −N2
ガスのトータル流量を制御することにより、CO濃度を0
〜8%の範囲で変化させた。
【0049】次いで、1%のTiO2と2%のSrSO4 を含有
するMgO 焼鈍分離剤をスラリーとして塗布、乾燥させた
後、N2雰囲気中850 ℃で50時間の2次再結晶焼鈍と、引
き続くH2雰囲気中での1200℃で10時間の純化焼鈍を行っ
た。この後、実施例と同様の処理を行い、得られた製品
について実施例1と同様の調査を行った。これらの結果
を表2に示す。
するMgO 焼鈍分離剤をスラリーとして塗布、乾燥させた
後、N2雰囲気中850 ℃で50時間の2次再結晶焼鈍と、引
き続くH2雰囲気中での1200℃で10時間の純化焼鈍を行っ
た。この後、実施例と同様の処理を行い、得られた製品
について実施例1と同様の調査を行った。これらの結果
を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】表2より、CO濃度を6.5 〜8%とし、焼鈍
時間を3分間としたNo. 7,8,9では、酸素目付量レ
ベルが適正で、被膜外観も良好であるけれども、脱炭焼
鈍後のC含有量が0.003 %以上と高い。この結果、B8
に若干の劣化、W17/50に無視できない劣化が生じている
ことがわかる。また、CO濃度を6.5 〜8%、焼鈍時間を
5分間としたNo. 10,11, 12では、脱炭焼鈍のC含有量
は0.003 %以下に低減しているけれども、酸素目付量が
2.0 g/m2以上となっている。このため、フォルステライ
ト質絶縁被膜の外観と密着性に劣化を生じており、磁気
特性にも大幅な劣化を生じていることがわかる。これら
に対して、この発明に従う適合例であるNo. 1〜6で
は、3又は4分間の脱炭焼鈍によってC含有量は0.003
%以下に低減できており、かつ酸素目付量も適正なレベ
ルになっていることがわかる。この結果、製品の品質は
磁気特性及び被膜品質の双方において優れている。
時間を3分間としたNo. 7,8,9では、酸素目付量レ
ベルが適正で、被膜外観も良好であるけれども、脱炭焼
鈍後のC含有量が0.003 %以上と高い。この結果、B8
に若干の劣化、W17/50に無視できない劣化が生じている
ことがわかる。また、CO濃度を6.5 〜8%、焼鈍時間を
5分間としたNo. 10,11, 12では、脱炭焼鈍のC含有量
は0.003 %以下に低減しているけれども、酸素目付量が
2.0 g/m2以上となっている。このため、フォルステライ
ト質絶縁被膜の外観と密着性に劣化を生じており、磁気
特性にも大幅な劣化を生じていることがわかる。これら
に対して、この発明に従う適合例であるNo. 1〜6で
は、3又は4分間の脱炭焼鈍によってC含有量は0.003
%以下に低減できており、かつ酸素目付量も適正なレベ
ルになっていることがわかる。この結果、製品の品質は
磁気特性及び被膜品質の双方において優れている。
【0052】
【発明の効果】この発明によれば、脱炭促進と適正量の
サブスケール確保を同時に実現できる。したがって、生
産性の向上と製品品質の安定に寄与できる。
サブスケール確保を同時に実現できる。したがって、生
産性の向上と製品品質の安定に寄与できる。
【図1】脱炭焼鈍後のC含有量、酸素目付量及びフォル
ステライト被膜外観と脱炭焼鈍におけるCO濃度との関係
を示すグラフである。
ステライト被膜外観と脱炭焼鈍におけるCO濃度との関係
を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 方向性けい素鋼板用スラブを熱間圧延し
た後、1回又は中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施し、
次いで脱炭焼鈍を施し、さらにMgO を主体とする焼鈍分
離剤を塗布してから、最終仕上げ焼鈍を施す一連の工程
よりなる方向性けい素鋼板の製造方法において、 上記脱炭焼鈍の際、雰囲気ガス中に不可避に混入するCO
の濃度を6%以下に維持することを特徴とする方向性け
い素鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29267494A JPH08143971A (ja) | 1994-11-28 | 1994-11-28 | 方向性けい素鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29267494A JPH08143971A (ja) | 1994-11-28 | 1994-11-28 | 方向性けい素鋼板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08143971A true JPH08143971A (ja) | 1996-06-04 |
Family
ID=17784837
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29267494A Pending JPH08143971A (ja) | 1994-11-28 | 1994-11-28 | 方向性けい素鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08143971A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN117396617A (zh) * | 2021-05-28 | 2024-01-12 | 杰富意钢铁株式会社 | 取向性电磁钢板的制造方法 |
-
1994
- 1994-11-28 JP JP29267494A patent/JPH08143971A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN117396617A (zh) * | 2021-05-28 | 2024-01-12 | 杰富意钢铁株式会社 | 取向性电磁钢板的制造方法 |
| US20240263285A1 (en) * | 2021-05-28 | 2024-08-08 | Jfe Steel Corporation | Method of manufacturing grain-oriented electrical steel sheet |
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