JPH08145948A - 還元性オリゴ糖の質量分析法 - Google Patents

還元性オリゴ糖の質量分析法

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JPH08145948A
JPH08145948A JP28204594A JP28204594A JPH08145948A JP H08145948 A JPH08145948 A JP H08145948A JP 28204594 A JP28204594 A JP 28204594A JP 28204594 A JP28204594 A JP 28204594A JP H08145948 A JPH08145948 A JP H08145948A
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reducing
oligosaccharide
mass
aminophenyl
oligosaccharides
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Masahiko Okamoto
昌彦 岡本
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】還元性オリゴ糖の還元末端にトリアルキル(p
−アミノフェニル)アンモニウム塩を作用させて得られ
うるオリゴ糖を大気圧イオン化法によってイオン化する
工程を含むことを特徴とする還元性オリゴ糖の質量分析
法、および該質量分析法による質量スペクトルの情報か
ら還元性オリゴ糖の構造を解析することを特徴とする還
元性オリゴ糖の分析方法。 【効果】本発明質量分析法により、極めて微量な試料の
場合においても、還元性オリゴ糖の検出および分子量の
確認が可能になった。また、該分析法による質量スペク
トルの情報から還元性オリゴ糖の構造を容易に解析する
ことができるようになった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、還元性オリゴ糖の質量
分析法およびその利用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】還元性オリゴ糖とは、重合度(DP)2
から数10程度までの糖であって、その末端に位置する
構成単糖のアノマー炭素原子が置換を受けていない糖
(したがって、アルカリ溶液で還元性を有する)をい
う。このような還元性オリゴ糖が有する構造は、極めて
多様でかつ複雑である。近年、糖鎖関連化合物が有する
糖鎖が、生体の分化、増殖、受精、免疫や細胞、ウィル
ス、細菌等との相互作用に関与することが明らかになっ
てきており、この糖鎖を医薬品として利用しようという
研究が盛んになってきている。これは、糖鎖における多
様性な構造が種々の生理作用、機能と深く関連するため
であり、このため、その糖鎖の構造を明らかにすること
は極めて重要である。そこで最近では、質量分析法を利
用することによって還元性オリゴ糖を高感度で分析する
方法が用いられるようになってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これまでに開発された
還元性オリゴ糖の質量分析法としては、例えば、還元性
オリゴ糖をメチル誘導体、アセチル誘導体、2−アミノ
ピリジン(PA)誘導体等の各種誘導体に導いた後、高
速原子衝撃イオン化(FAB)法でイオン化することに
よって質量分析する手法が知られているが、多様でかつ
複雑な構造を有する還元性オリゴ糖を分析するには、こ
れらの最新の方法においても未だ感度的に十分でなく、
また得られる構造に関する有益な情報が少ない等の点で
必ずしも満足できるものではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような状況下、本発
明者らは鋭意検討を行った結果、微量な試料の場合にお
いても、還元性オリゴ糖の還元末端にある種の試薬を作
用させて得られうるオリゴ糖を特定なイオン化法によっ
てイオン化し、該イオン化により生成する分子イオン及
び多数のフラグメントイオンを質量数/電荷数(m/
z)に従って分離し、各イオンの強度を記録してm/z
の順序に並べた質量スペクトルから有益な情報が得られ
ることを見い出し、該情報から還元性オリゴ糖の構造を
より確実に解析することができることを見い出し、本発
明を完成した。すなわち、本発明は、還元性オリゴ糖の
還元末端にトリアルキル(p−アミノフェニル)アンモ
ニウム塩を作用させて得られうるオリゴ糖を大気圧イオ
ン化法によってイオン化する工程を含むことを特徴とす
る還元性オリゴ糖の質量分析法(以下、本発明質量分析
法と記す。)、さらに該質量分析法による質量スペクト
ルの情報から還元性オリゴ糖の構造を解析することを特
徴とする還元性オリゴ糖の分析方法を提供するものであ
る。
【0005】以下、さらに詳細に本発明を説明する。ま
ず、分析目的である還元性オリゴ糖は、大気圧イオン化
法による質量分析に適するように、その還元末端にトリ
アルキル(p−アミノフェニル)アンモニウム塩を作用
させる前処理を行う。該前処理は、たとえば、下記の2
段階の反応で行う。 (1) 第1反応 還元性オリゴ糖にトリアルキル(p−アミノフェニル)
アンモニウム塩を通常溶媒中にて反応させる。該反応に
用いられる溶媒としては、たとえば、酢酸等の有機酸と
水との混合液等があげられる。ここで混合される水の量
は、還元性オリゴ糖及びトリアルキル(p−アミノフェ
ニル)アンモニウム塩を溶解させるのに必要な少量の水
を意味し、例えば、80%(容量比)程度以上になるよ
うな量をあげることができる。本反応に用いられるトリ
アルキル(p−アミノフェニル)アンモニウム塩として
は、例えば、トリメチル(p−アミノフェニル)アンモ
ニウム クロライド、トリエチル(p−アミノフェニ
ル)アンモニウム クロライド、トリブチル(p−アミ
ノフェニル)アンモニウム クロライド等をあげること
ができ、好ましくはトリメチル(p−アミノフェニル)
アンモニウム クロライド等があげられる。該試薬の量
は、還元性オリゴ糖に対して、大過剰量、好ましくは約
15倍モル量から約30倍モル量である。上記処理温度
は、通常約80℃から約100℃、好ましくは約85℃
から約95℃の範囲であり、処理時間は通常約3分間か
ら約10分間程度である。 (2) 第2反応 第1反応によって得られた反応物にトリアルキル(p−
アミノフェニル)アンモニウム塩及び還元剤を通常溶媒
中にて反応させる。該反応に用いられる溶媒としては、
たとえば、酢酸等の有機酸と水との混合液等があげられ
る。ここで混合される水の量は、還元性オリゴ糖及びト
リアルキル(p−アミノフェニル)アンモニウム塩を溶
解させるのに必要な少量の水を意味し、例えば、80%
(容量比)程度以上になるような量をあげることができ
る。本反応に用いられるトリアルキル(p−アミノフェ
ニル)アンモニウム塩は第1反応で用いられたものと同
一な化合物を使用する。該試薬の量は、還元性オリゴ糖
に対して、大過剰量、好ましくは約8倍モル量から約1
5倍モル量である。また、還元剤としては、例えば、シ
アン化水素化ホウ素ナトリウム等を用いることができ
る。シアン化水素化ホウ素ナトリウムの場合、還元性オ
リゴ糖に対して、約65倍モル量から約85倍モル量程
度を使用するとよい。上記処理温度は、通常約80℃か
ら約100℃、好ましくは約85℃から約95℃の範囲
であり、処理時間は通常約45分間から約90分間であ
る。処理終了後は、減圧下で濃縮することにより、所望
の誘導体を得ることができる。また、必要に応じて、再
結晶、クロマトグラフィー等の通常の方法によりさらに
精製することもできる。
【0006】上記処理で用いられるトリアルキル(p−
アミノフェニル)アンモニウム塩は、例えば、以下の方
法によって市販の化合物または公知な化合物から合成す
ることができる。ジアルキル(p−アミノフェニル)ア
ンモニウム塩にベンジルオキシカルボニルクロライドを
反応させて、アミノ基を保護した後、アルキルハライド
を反応させることによってトリアルキル〔p−(ベンジ
ルオキシカルボニルアミノ)フェニル〕アンモニウム塩
を得る。これら反応は、通常溶媒中で行う。上記反応に
用いられる溶媒としては、たとえば、メタノール、エタ
ノール等の親水性溶媒等があげられる。上記反応に用い
られるジアルキル(p−アミノフェニル)アンモニウム
塩としては、たとえば、ジメチル(p−アミノフェニ
ル)アンモニウムクロライド、ジエチル(p−アミノフ
ェニル)アンモニウムクロライド等があげられる。上記
反応に用いられるアルキルハライドとしては、たとえ
ば、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル等があげられる。上記
反応に用いられる試剤の量は、ジアルキル(p−アミノ
フェニル)アンモニウム塩に対して、ベンジルオキシカ
ルボニルクロライドは約10倍モル量から約30倍モル
量、好ましくは約15倍モル量から約20倍モル量であ
り、またアルキルハライドは約5倍モル量から約15倍
モル量、好ましくは約7倍モル量から約10倍モル量で
ある。上記反応温度は、通常約50℃から約100℃、
好ましくは約80℃から約90℃の範囲であり、反応時
間は通常約1時間から約2時間である。反応終了後は、
生成したトリアルキル〔p−(ベンジルオキシカルボニ
ルアミノ)フェニル〕アンモニウム塩を通常の水素添加
反応で処理することによって所望のトリアルキル(p−
アミノフェニル)アンモニウム塩を得ることができる。
また、必要に応じて、再結晶、クロマトグラフィー等の
通常の方法によりさらに精製することもできる。
【0007】上記のように調製されたオリゴ糖を、大気
圧イオン化法のインターフェイスを装備した質量分析計
に導入することによって質量分析する。本発明で用いら
れる大気圧イオン化法としては、例えば、エレクトロス
プレー・イオン化法あるいはイオンスプレー・イオン化
法等をあげることができる。そして市販のインターフェ
イス(エレクトロスプレー・イオン化法)としては、例
えば、Finnigan Mat社製のAPI用インターフェイスが
あげられる。また、質量分析計としては、磁場型、四重
極型、イオントラップ型、フーリエ変換−イオンサイク
ロトロン共鳴型等の質量分析計をあげることができる
が、好ましくは、四重極型質量分析計をあげることがで
きる。より好ましくは、タンデム型の四重極型質量分析
計があげられる。なお、市販の四重極型質量分析計とし
ては、例えば、TSQ−700型クロマトグラフィー・
タンデム型質量分析計(Finnigan Mat社製)等があげら
れる。試料を、大気圧イオン化法のインターフェイスを
装備した質量分析計に導入する方法としては、例えば、
高速液体クロマトグラフィー、シリンジポンプ等をあげ
ることができる。好ましくはシリンジポンプを用いるこ
とがよい。
【0008】このようにして、還元性オリゴ糖の還元末
端にトリアルキル(p−アミノフェニル)アンモニウム
塩を作用させて得られうるオリゴ糖を大気圧イオン化法
によってイオン化し、該イオン化により生成する分子イ
オン及び多数のフラグメントイオンを質量数/電荷数
(m/z)に従って分離し、各イオンの強度を記録して
m/zの順序に並べた質量スペクトルの有益な情報(例
えば、還元末端側の各々のフラグメントイオンの質量
差)から還元性オリゴ糖の構造(例えば、構成単糖の配
列)を解析することができる。さらに必要に応じて、酵
素や抗体を用いる生化学的手法やNMR等のスペクトル
による解析手法、その他の構成単糖成分分析手法等によ
る解析を相補的に用いると一層確実な構造解析が可能に
なる。また、従来の質量分析方法による質量スペクトル
では、マトリクスや不純物のイオンが混在することから
解析が難しくなる場合があったが、本発明質量分析法に
よる質量スペクトルでは、プロダクトイオンを表すシグ
ナルピークが明瞭になるために解析が容易になる。これ
は未知な還元性オリゴ糖の構造解析上きわめて有用なこ
とである。
【0009】以下、実施例により詳細に説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
【実施例】
実施例1 〔トリメチル(p−アミノフェニル)アンモ
ニウム塩を用いる還元性オリゴ糖の前処理方法〕 40μlの酢酸を含んだ350μlの純水にトリメチル
(p−アミノフェニル)アンモニウムクロライド(以
下、TMAPAと記す。)10mgを溶解した。得られ
た溶液に還元性オリゴ糖としてマルトペンタオース(モ
デル化合物として用いる)2mgを加え、90℃、5分
間反応を行った。反応終了後、該反応物を、あらかじめ
40μlの酢酸を含んだ350μlの純水にTMAPA
4mgおよびシアン化水素化ホウ素ナトリウム10mg
を溶解した液に加え、90℃、60分間反応を行った。
反応終了後、該反応物を凍結乾燥することによって、還
元末端にトリアルキル(p−アミノフェニル)アンモニ
ウム塩を作用させて得られうるオリゴ糖(以下、TMA
PAによる誘導体と記す。構造式:
【化1】 )を得た。
【0010】実施例2 (各種の質量分析法による還元
性オリゴ糖の分析) 還元性オリゴ糖としてマルトペンタオースを用いた。該
還元性オリゴ糖を(1)ヨウ化メチルによる誘導化、
(2)酢酸による誘導化、(3)TMAPAによる誘導
化、(4)2−アミノピリジン(以下、PAと記す。)
による誘導化で得られるメチル誘導体、アセチル誘導
体、TMAPAによる誘導体、またはPAによる誘導体
を調製〔(3)の誘導化方法は実施例1に記載した。ま
た(3)以外の誘導化方法は下記の参考例に記載し
た。〕し、調製された各種誘導体および非誘導化マルト
ペンタオースを高速原子衝撃イオン化(FAB)法〔正
・負モード〕あるいはエレクトロスプレー・イオン化
(ESI)法〔正モード〕によって質量分析した。そし
て、調製された各種誘導体および非誘導化マルトペンタ
オースの各イオン化法におけるイオン化効率を比較し
た。その結果を表1(非誘導化マルトペンタオースを試
料にした場合のイオン化効率に対する各種誘導体のイオ
ン化効率の比で表す。)に示す。表1から明らかなよう
に、本発明質量分析法は他質量分析法に比較して顕著な
感度向上(特に非誘導化マルトペンタオース−ESI法
との比較において5000倍向上)が認められた。そし
て本発明質量分析法では、20 fmol という超微量でも明
瞭なスペクトルが得られることが判った。
【0011】
【表1】 ──────────────────────────────────── FAB ESI 備考 正 負 正 ──────────────────────────────────── メチル誘導体 11 0.1 − アセチル誘導体 60 0.1 − TMAPAによる誘導体 1 0.1 5000 本発明 PAによる誘導体 3 1 100 非誘導化マルトペンタオース 1 1 1 ────────────────────────────────────
【0012】実施例3 (TMAPAによる誘導体の質
量分析による質量スペクトルの情報に基づく構造解析) 実施例1によって得られるTMAPAによる誘導体をE
SI用インターフェースでイオン化させた際に生じる2
価イオン〔M+Na〕2 + を親イオンとしたプロダクト
イオンに関する質量スペクトルを測定した。得られた質
量スペクトルを図1に示す。その結果、得られた質量ス
ペクトル(図1)には、還元性オリゴ糖の還元末端から
の構造情報を有するY、Z両シリーズ(図3参照)のシ
ークエンスイオンを表すシグナルピークが認められ、上
記シークエンスイオン間の質量差から、分子イオン〔M
+ 〕からヘキソース単位での脱離が生じるという化学構
造上での情報を数多く得ることができた(表2および図
2参照)。これらの有益な情報から還元性オリゴ糖の構
造を解析することが可能である。一方、TMAPAによ
る誘導体以外の実施例2に記載される誘導体について、
上記と同様な方法によって質量スペクトルを測定した
が、主としてYシリーズのシークエンスイオンを表す質
量スペクトルしか得ることができず、化学構造上での情
報の有益さという点で劣った。
【0013】
【表2】 ──────────────────────────────────── Yシリーズのプロダクトイオン Zシリーズのプロダクトイオン m/Z ピーク差 m/Z ピーク差 ──────────────────────────────────── 〔M+ 〕 963 − 963 − Y4 800 163 784 179 Y3 638 162 622 162 Y2 476 162 460 162 Y1 314 162 298 162 ───────────────────────────────────
【0014】参考例 (還元性オリゴ糖における各種の
前処理方法) 還元性オリゴ糖としてマルトペンタオースを用いた。 (A)ヨウ化メチルによる誘導化方法 Ciucanu とKerek の方法[ I.Ciucanu and F.Kerek,Carb
ohydrate Research,131,209(1984)]に準じて行った。還
元性オリゴ糖50mg(0.28mmol相当量)にD
MSO1mlを加えて混合した後、この混合液に200
mgの粉末状NaOH(あるいは300mgの粉末状KOH )
を添加した。該混合液を攪拌しながらヨウ化メチル1m
lを加えた後、30分間(KOH の場合には60分間)攪
拌を続けた。反応終了後、純水1mlを加え、クロロホ
ルム1mlで3回抽出した。回収したクロロホルム画分
を純水1mlで3回洗浄した後、該クロロホルム画分を
濃縮し、目的とするメチル誘導体(化2)を得た。
【化2】 (B)酢酸による誘導化による誘導化方法 DeU らの方法[ A.DeU and P.R.Tiller,Biochem.Biophy
s.Res.Commun.,135,1126(1986)]に準じて行った。還元
性オリゴ糖10mg(0.011mmol相当量)に無
水トリフルオロ酢酸:酢酸(2:1) 500μlを加
えて混合した後、この混合液を室温下で60分間攪拌し
た。反応終了後、窒素ガスを流して溶媒を蒸発させた。
残渣からのジクロロメタン2mlによる3回抽出で回収
された抽出液を純水1mlで洗浄した後、該ジクロロメ
タン画分を回収した。回収されたジクロロメタン画分に
窒素ガスを流して溶媒を蒸発させることによって、目的
とするアセチル誘導体(化3)を得た。
【化3】 (C)2−アミノピリジンによる誘導化方法 近藤らの方法[ A.Kondo,J.Suzuki,N.Kuraya,S.Hase,I.K
ate,T.Ikenaka,Agric.Biol.Chem.,54,2169(1990)] に準
じて行った。なお、本誘導化は市販キット(Takara Pal
Station Pyridyl amination reagent :糖鎖分析用)及
び市販装置(Takara Pal Station モデル4000:糖鎖ピ
リジルアミノ化自動装置)を用いて行った。還元性オリ
ゴ糖45ng−45μg(50pmol−50nmol
相当量)にカップリング試薬(2-Aminopyridine/酢酸:
3mg/ml)20μlを加え、90℃60分間反応を行っ
た。反応終了後、該反応混合物に還元試薬(Borane-dim
ethylamine complex/酢酸)20μlを添加し、80
℃、60分間反応を行った。反応終了後、トリエチルア
ミン/メタノール20μlおよびトルエン40μlを加
えて混合した後、この混合物に窒素ガスを流しながら、
該混合物を60℃10分間減圧下で乾固した。得られた
残渣にメタノール20μlおよびトルエン40μlを加
えて再び混合した後、この混合物に窒素ガスを流しなが
ら、該混合物を60℃で10分間減圧下で乾固した。得
られた残渣にトルエン50μlを加えて再び混合した
後、この混合物に窒素ガスを流しながら、該混合物を6
0℃10分間減圧下で乾固することによって、PAによ
る誘導体(化4)を得た。
【化4】
【0015】
【発明の効果】本発明質量分析法により、極めて微量な
試料の場合においても、還元性オリゴ糖の検出および分
子量の確認が可能になった。また、該分析法による質量
スペクトルの有益な情報から還元性オリゴ糖の構造を解
析することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】TMAPAによる誘導体をESI用インターフ
ェースでイオン化させた際に生じる2価イオン〔M+N
a〕2 + を親イオンとしたプロダクトイオンに関する質
量スペクトルを示す図である。
【図2】TMAPAによる誘導体の還元末端からの構造
情報を有するY、Z両シリーズのシークエンスイオンに
関する化学構造式を示す図である。ここで「Y」とは、
Yシリーズのプロダクトイオンを意味し、「Z」とは、
Zシリーズのプロダクトイオンを意味する。
【図3】質量分析スペクトルにおける還元性オリゴ糖の
各フラグメントイオンに関する系統的な命名法を表す図
である。非還元末端側に電荷を有するフラグメントイオ
ンはA,B,Cと名付け、還元末端側に電荷を有するフ
ラグメントイオンはX,Y,Zとする。AとXは環開裂
を示すフラグメントイオンで、コンマで区切った上付き
文字により開裂した2本の結合を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】還元性オリゴ糖の還元末端にトリアルキル
    (p−アミノフェニル)アンモニウム塩を作用させて得
    られうるオリゴ糖を大気圧イオン化法によってイオン化
    する工程を含むことを特徴とする還元性オリゴ糖の質量
    分析法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の還元性オリゴ糖の質量分析
    法による質量スペクトルの情報から還元性オリゴ糖の構
    造を解析することを特徴とする還元性オリゴ糖の分析方
    法。
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