JPH08146200A - X線位相差顕微鏡 - Google Patents

X線位相差顕微鏡

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JPH08146200A
JPH08146200A JP6289387A JP28938794A JPH08146200A JP H08146200 A JPH08146200 A JP H08146200A JP 6289387 A JP6289387 A JP 6289387A JP 28938794 A JP28938794 A JP 28938794A JP H08146200 A JPH08146200 A JP H08146200A
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JP
Japan
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ray
optical system
diffracted
phase
rays
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JP6289387A
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English (en)
Inventor
Hisao Fujisaki
久雄 藤崎
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高強度、高コントラストの観察像が得られ、
しかも小型のX線源を用いることができる実用的なX線
位相差顕微鏡を提供すること。 【構成】 少なくとも、X線源205,207 と、該X線源20
5,207 からのX線を集光して観察試料211 に照射する照
明光学系であって、多層膜X線反射鏡208 を用いた照明
光学系と、該照明光学系によるX線集光位置に前記観察
試料211 を保持する試料容器211'と、前記観察試料211
を透過した全て又は略全ての非回折X線212 が入射する
ように設置してなる光学素子であって、入射したX線の
位相を変化させ、かつ強度を低減させる光学素子216,21
6'と、該光学素子に入射しない回折X線と、該光学素子
により位相を変化させ、かつ強度を低減させた非回折X
線とを集光して観察試料像217 を形成する結像光学系で
あって、前記照明光学系よりも大きい開口数を有するウ
ォルタ鏡またはシュワルツシルト鏡214 を用いた結像光
学系と、前記観察試料像217 を検出する撮像系218 と、
を備えたX線位相差顕微鏡。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、観察試料と、その周囲
との位相差を利用してコントラストを得るX線位相差顕
微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の生物工学技術の発展は、光学顕微
鏡や電子顕微鏡などの観察手段に負うところが大きい。
光学顕微鏡は、液体中の生きた生体試料を扱えるのが特
長であるが、可視光の波長に空間分解能が制限される。
また、電子顕微鏡は空間分解能は高いが、真空中に試料
を置かなければならず、電子線が透過する窓材が存在し
ないため、生きたままでは生体試料を観察できなかっ
た。
【0003】そこで、生体試料を生きたまま高分解能で
観察できる可能性を持つX線顕微鏡が注目され、その開
発がなされている。そして、現在では、微細精密工学の
発展によりX線顕微鏡用のX線光学素子の性能が向上
し、X線顕微鏡の試験機が作られるまでになっている。
X線源では、従来の電子衝撃式に代わって、レーザ励起
プラズマX線源やZピンチプラズマX線源などが開発さ
れ、実験室サイズの高輝度X線源が使えるようになって
いる。なお、プラズマ自体の大きさは100μmφ程度
である。
【0004】試料像観察におけるコントラストを得るた
めに、これまでは試料と周囲とのX線吸収の差を利用し
てきたが、生体試料はX線吸収によって損傷を受けやす
い。そのため、最近では試料と周囲との位相差を利用し
てコントラストを得るX線位相差顕微鏡の研究・開発が
始められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これまでに、図4
(A)に示すようなゾーンプレートを用いたX線位相差
顕微鏡が提案されている。図4(A)では、シンクロト
ロン放射光光源からのX線406をゾーンプレート40
8で集光し、再拡散するX線をゾーンプレート408’
で平行化し、試料411に照射する。 試料411で回
折されずに通過したX線412は、ゾーンプレート41
4で回折され、焦点419に設置した位相板416およ
び吸収板416’を通過した後位相が90゜ずれて、し
かも振幅が小さくなって(減光されて)撮像器418に
到達する(X線412’)。
【0006】試料411で回折されたX線413は、ゾ
ーンプレート414で回折された後焦点419に設置し
た位相板416および吸収板416’をほとんど通らず
に撮像器418に到達する(X線413’)。撮像器に
到達する前記X線412’とX線413’の干渉の結
果、像417が形成される。
【0007】この方式では、ゾーンプレートを3枚使用
する必要がある。ゾーンプレートは集光率が低く、しか
も口径の小さなものしか作れないので、ゾーンプレート
では十分な強度の平行X線が得られない。そのため、こ
の方式は実用的でない(観察像の強度が低すぎる)とい
う問題点がある。そこで、現状では(実用上は)、X線
を試料に集光することで必要なX線強度を得ることが試
みられている。例えば、ゾーンプレートが2枚で済む図
4(B)の方式による実験がこれまでに試みられてい
る。図4(B)では、シンクロトロン放射光光源からの
X線426をゾーンプレート428で集光して試料43
1に照射する。
【0008】試料431で回折されずに通過したX線4
32はゾーンプレート434で回折された後、X線43
2の通過域を網羅するように設置した位相板436を通
ることで位相が90゜ずれる。そして、撮像器438に
到達する(X線432’)。一方、試料431で回折さ
れたX線433は、ゾーンプレート434で回折され、
一部が位相板436を通り、残りは位相板436を通ら
ずに撮像器438に到達する(X線433’)。
【0009】撮像器に到達するX線432’とX線43
3’の干渉の結果、像437が形成される。しかしなが
ら、この場合、試料で回折されたX線のうち、位相板を
通って位相がずれるX線が負の干渉をするので、図4
(A)の方式に比べて像437のコントラストが悪くな
るという問題点がある。本発明は、かかる問題点に鑑み
てなされたものであり、高強度、高コントラストの観察
像が得られ、しかも小型のX線源を用いることができる
実用的なX線位相差顕微鏡を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は第一
に「少なくとも、X線源と、該X線源からのX線を集光
して観察試料に照射する照明光学系であって、多層膜X
線反射鏡を用いた照明光学系と、該照明光学系によるX
線集光位置に前記観察試料を保持する試料容器と、前記
観察試料を透過した全て又は略全ての非回折X線が入射
するように設置してなる光学素子であって、入射したX
線の位相を変化させ、かつ強度を低減させる光学素子
と、該光学素子に入射しない回折X線と、該光学素子に
より位相を変化させ、かつ強度を低減させた非回折X線
とを集光して観察試料像を形成する結像光学系であっ
て、前記照明光学系よりも大きい開口数を有するウォル
タ鏡またはシュワルツシルト鏡を用いた結像光学系と、
前記観察試料像を検出する撮像系と、を備えたX線位相
差顕微鏡(請求項1)」を提供する。
【0011】また、本発明は第二に「少なくとも、X線
源と、該X線源からのX線を集光して観察試料に照射す
る照明光学系であって、多層膜X線反射鏡を用いた照明
光学系と、該照明光学系によるX線集光位置に前記観察
試料を保持する試料容器と、前記観察試料により回折し
た回折X線と前記観察試料を透過した非回折X線とを集
光する結像光学系であって、前記照明光学系よりも大き
い開口数を有するウォルタ鏡またはシュワルツシルト鏡
を用いた結像光学系と、該結像光学系からの全て又は略
全ての非回折X線が入射するように設置してなる光学素
子であって、入射したX線の位相を変化させ、かつ強度
を低減させる光学素子と、該光学素子に入射しない前記
結像光学系からの回折X線と、該光学素子により位相を
変化させ、かつ強度を低減させた前記結像光学系からの
非回折X線とにより形成された観察試料像を検出する撮
像系と、を備えたX線位相差顕微鏡(請求項2)」を提
供する。
【0012】また、本発明は第三に、「前記X線源をレ
ーザープラズマX線源またはZピンチプラズマX線源と
したことを特徴とする請求項1または2記載のX線位相
差顕微鏡(請求項3)」を提供する。
【0013】
【作用】本発明のX線位相差顕微鏡では、高強度、高コ
ントラストの観察像が得られ、しかも小型のX線源を用
いることができる。即ち、本発明のX線位相差顕微鏡で
は、入射したX線の位相を変化させ、かつ強度を低減さ
せる光学素子を、観察試料と観察試料像形成位置との間
に設置することにより、該光学素子に入射して位相が変
化する一部の回折X線(負の干渉の原因となる)の強度
を低減している。
【0014】そのため、従来のX線位相差顕微鏡におい
て問題となっていた位相が変化した回折X線の負の干渉
によるコントラストの低下を抑制することができる(従
来よりも高コントラストの観察像が得られる)。また、
本発明では、クリティカル照明が可能な照明光学系(ゾ
ーンプレートよりも開口数と集光率が大きい多層膜X線
反射鏡の使用)とし、かつ該照明光学系よりも開口数が
大きい結像光学系(ウォルタ鏡またはシュワルツシルト
鏡の使用)としているので、従来よりも高強度で高コン
トラストの観察像が得られ、しかも小型のX線源を用い
ることができる。
【0015】以下、本発明のX線位相差顕微鏡にかかる
位相差法を、簡便のため通常の可視光用レンズを用いる
光学顕微鏡における位相差法の原理を引用して説明す
る。厚さd、屈折率n’の透明な試料が屈折率nの透明
な媒質中にあるとき、照明光の角振動数をω、波長を
λ、時間をt、円周率をπとすると、媒質を通った光波
A0 、試料を通った光波A1 は、振幅はおなじであるか
ら1として、 A0 =sin(ωt) A1 =sin(ωt+ε) ε=2π(n’−n)d/λ と表される。εは屈折率の違いによる位相の遅れであ
る。A0 とA1 の差をAdとすると、 Ad =A1 −A0 =2sin(ε/2)cos(ωt+ε/2) =2sin(ε/2)sin(ωt+π/2+ε/2) となる。試料を通った光波A1 は、A0 とAd の和で表
され、εが小さいとすると、 A1 =A0 +Ad Ad =ε・sin(ωt+π/2) となる。図3を参照して、試料を通った光波A1 は非回
折光A0 と回折光Ad の和であることが分かる。
【0016】図3(A)に示したように、照明が平行光
でなされたとき、対物レンズ(集光光学系の一例)31
4の焦点位置319に位相板(位相を変化させる光学素
子の一例)316と吸収板(強度を変化させる光学素子
の一例)316’を置いて、吸収板316’によりA0
の振幅をε倍し、位相板316により位相を90゜遅ら
せると、 A0 =ε・sin(ωt+π/2) A1 =2ε・sin(ωt+π/2) となり、振幅比が2:1、強度比が4:1で、試料が明
るく見えるブライトコントラストが得られる。
【0017】また、A0 の振幅をε倍し、位相を270
゜遅らせる(90゜進める)と、 A0 =ε・sin(ωt−π/2) A1 =ε{sin(ωt−π/2)+sin(ωt+π/2)} =0 となり、試料が暗くみえるダークコントラストが得られ
る。
【0018】以上は、通常の可視光用レンズを用いる光
学顕微鏡における位相差法の原理説明であるが、図4
(A)に示したように、X線顕微鏡においても平行X線
で試料を照明する場合には適用できる。ところが、前述
したように、ゾーンプレートを用いて試料照明用の平行
X線を得るX線顕微鏡では、現状のゾーンプレートの集
光率が低く、しかも口径が小さいので、十分な強度の平
行X線が得られない。
【0019】また、X線源からの十分な強度の平行X線
で試料を直接照明しようとすると、光源が極めて大きく
なってしまう(例えば、シンクロトロン放射光源)。そ
のため、本発明では、高強度、高コントラストの観察像
が得られ、しかも小型のX線源を用いることができる実
用的なX線位相差顕微鏡を得るために、平行X線で試料
を照明するのではなく、試料に対してクリティカル照明
を行うこととした。
【0020】そこで、このクリティカル照明における位
相差法について説明する。図3(B)に示したように、
照明光329のNAを対物レンズ(結像光学系の一例)
334のNAより小さくし、対物レンズ334の後方に
照明光をちょうどカバーするか、或いは僅かに大きい位
相板(入射X線の位相を変化させる光学素子の一例)3
36と吸収板(入射X線の強度を低減させる光学素子の
一例)336’を設置する。
【0021】吸収板336’により非回折光A0 の振幅
をε倍し、位相板336により非回折光A0 の位相を9
0゜遅らせると、レンズ面積とレンズ上で非回折光が当
たる部分の面積の比を1:rとして、 A0 =ε・sin(ωt+π/2) Ad =(1−r)ε・sin(ωt+π/2)+rε2 ・sin(ωt+π) ≒(1−r)ε・sin(ωt+π/2) A1 =(2ーr)ε・sin(ωt+π/2) となり、振幅比が(2−r):1、強度比が(2−r)
2 :1で、試料が明るく見えるブライトコントラストが
得られる。rが小さいほどコントラストが良くなる。
【0022】非回折光A0 の振幅をε倍し、位相を27
0゜遅らせる(90゜進める)と、 A0 =ε・sin(ωt−π/2) Ad =(1−r)ε・sin(ωt+π/2)+rε2 ・sin(ωt) ≒(1−r)ε・sin(ωt+π/2) A1 =ε{sin(ωt−π/2)+sin(ωt+π/2)} −rε・sin(ωt+π/2) =rε・sin(ωt−π/2) となり、振幅比が1:r、強度比が1:r2 で、試料が
暗くみえるダークコントラストが得られる。rが小さい
ほどコントラストが良くなる。
【0023】なお、前記位相板による入射X線の位相変
化量は、入射X線の波長に依存するので、位相変化量を
特定値(例えば、90°または270°)に固定する上
では入射X線(即ち、照明X線)の波長幅ができるだけ
小さい方が好ましい。そのため、本発明にかかる照明光
学系には、集光と分光が同時にでき、しかも開口数と集
光率がゾーンプレートよりも大きい多層膜X線反射鏡を
用いている。
【0024】また、本発明にかかるX線源をレーザープ
ラズマX線源またはZピンチプラズマX線源とすれば、
X線位相差顕微鏡全体を小型化できるので好ましい(請
求項3)。以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。
【0025】
【実施例1】結像光学系にウォルタ鏡を用いた本実施例
のX線位相差顕微鏡を図1に示す。図1(A)は構成
図、図1(B)は結像光学系の詳細説明図である。高輝
度パルスレーザ光101を、集光レンズ102によって
真空容器103に設けられたレーザー光取り込み窓10
3’を通して、標的104の表面に集光すると、プラズ
マ105が発生する。
【0026】プラズマ105は、X線106を放射する
(X線源の一例であるレーザープラズマX線源)。同時
に放射される可視光や紫外光など不要な光及び飛散物を
フィルタ107で除去し、多層膜X線集光鏡(照明光学
系の一例)108で特定波長のX線109だけを集光
し、試料槽(試料容器)111’内の試料111に照射
する。
【0027】円錐状に集光するX線109のうち、結像
に寄与しない部分は遮蔽板110で除去する。遮蔽板1
10がないと、ウォルタ鏡(結像光学系の一例)114
で反射されずに撮像器(撮像系の一例)118に直接入
射するX線がバックグラウンドとしてコントラストを低
下させる。この遮蔽板110は、幾何学的には試料11
1の後方のウォルタ鏡114の手前や後方においてもよ
いことになるが、余分に照射したX線が試料111に損
傷を与える懸念があるので、試料111の手前に置くこ
とが望ましい。
【0028】X線109は試料111に当たると、一部
は回折されずに透過し、一部は回折される。ウォルタ鏡
114で反射されない回折X線は遮蔽板115で除去
し、コントラストの低下を防止する。試料111によっ
て回折されなかったX線112は、ウォルタ鏡114で
反射されて撮像器118に向かうが、ウォルタ鏡114
の後方で位相板116および吸収板116’を透過し、
位相が90゜、あるいは270゜ずれ、かつ減光された
X線112’が結像に寄与する。
【0029】一方、試料111によって回折されたX線
113は、ウォルタ鏡114で反射されて撮像器118
に向かうが、ウォルタ鏡114の後方で位相板116お
よび吸収板116’の外側を通り、位相および振幅が変
わらないままのX線113’が結像に寄与する。即ち、
X線112’とX線113’との干渉の結果、像117
が撮像器118上に形成される。
【0030】
【実施例2】結像光学系にシュワルツシルト鏡を用いた
本実施例のX線位相差顕微鏡を図2に示す。図2(A)
は構成図、図2(B)は結像光学系の詳細説明図であ
る。高輝度パルスレーザ光201を、集光レンズ202
によって真空容器203に設けられたレーザー光取り込
み窓203’を通して、標的204の表面に集光する
と、プラズマ205が発生する。
【0031】プラズマ205はX線206を放射する
(X線源の一例であるレーザープラズマX線源)。同時
に放射される可視光や紫外光など不要な光及び飛散物を
フィルタ207で除去し、多層膜X線集光鏡(照明光学
系の一例)208で特定波長のX線209だけを集光
し、試料槽(試料容器)211’内の試料211に照射
する。
【0032】円錐状に集光するX線209のうち、結像
に寄与しない部分は、コントラストの低下防止と試料2
11の損傷防止(X線を余分に照射すると、試料に損傷
を与える懸念がある)のために、遮蔽板210で除去す
る。X線209は試料211に当たると、一部は回折さ
れずに透過し、一部は回折される。
【0033】試料211によって回折されなかったX線
212は、シュワルツシルト鏡214の手前で位相板2
16および吸収板216’を透過し、位相が90゜、あ
るいは270゜ずれ、かつ減光されたX線212’がシ
ュワルツシルト鏡214で反射されて撮像器(撮像系の
一例)118に向かい、結像に寄与する。一方、試料2
11によって回折されたX線213は、位相板216お
よび吸収板216’の外側を通り、シュワルツシルト鏡
214で反射され、撮像器218に向かい、位相および
振幅が変わらないままのX線213’が結像に寄与す
る。
【0034】即ち、X線212’とX線213’との干
渉の結果、像217が撮像器218上に形成される。以
上のように、前記二つの実施例では、入射したX線の位
相を変化させ、かつ強度を低減させる光学素子を、観察
試料と観察試料像形成位置との間に設置することによ
り、該光学素子に入射して位相が変化する一部の回折X
線(負の干渉の原因となる)の強度を低減している。
【0035】そのため、従来のX線位相差顕微鏡におい
て問題となっていた位相が変化した回折X線の負の干渉
によるコントラストの低下を抑制することができる(従
来よりも高コントラストの観察像が得られる)。また、
前記二つの実施例では、照明光学系をクリティカル照明
が可能な照明光学系(ゾーンプレートよりも開口数と集
光率が大きい多層膜X線反射鏡の使用)とし、かつ該照
明光学系よりも開口数が大きい結像光学系(ウォルタ鏡
またはシュワルツシルト鏡の使用)としているので、従
来よりも高強度で高コントラストの観察像が得られ、し
かも小型のX線源を用いることができる。
【0036】なお、前記二つの実施例において、結像光
学系にウォルタ鏡を使用する例ではウォルタ鏡の後方
に、また結像光学系にシュワルツシルト鏡を使用する例
では、シュワルツシルト鏡の手前に、位相板および吸収
板をそれぞれ設置したが、位相板および吸収板の位置は
これらに限らず、試料の後方であれば結像光学系の手前
でも後方でもよい。
【0037】また、位相板と吸収板とは一体であっても
よいし、分離していてもよい。位相板が吸収板を兼ねて
いてもよい。前記二つの実施例では、非回折X線が内側
に、回折X線が外側になるように光学配置をとったが、
これらの変形として、非回折X線が外側に、回折X線が
内側になるような光学配置をとることも可能である。
【0038】この場合、照明光学系と結像光学系のNA
を一致させ、非回折光が手前側に(結像光学系がウォル
タ鏡の場合)、または外側に(結像光学系がシュワルツ
シルト鏡の場合)それぞれ当たるように、遮蔽板11
0、210の径を設定する。このとき、位相板及び吸収
板は輪帯状になる。
【0039】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明のX線位
相差顕微鏡は、高強度、高コントラストの観察像が得ら
れ、しかも小型のX線源を用いることができる。また、
小型のX線源を用いることができるので、X線位相差顕
微鏡全体の小型化も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例1のX線位相差顕微鏡であり、
(A)は構成図、(B)は結像光学系の詳細説明図であ
る。
【図2】は、実施例2のX線位相差顕微鏡であり、
(A)は構成図、(B)は結像光学系の詳細説明図であ
る。
【図3】は、位相差顕微鏡の原理説明図であり、(A)
は平行光照明を用いた場合、(B)はクリティカル照明
を用いた場合の各説明図である。
【図4】は、従来のX線位相差顕微鏡の例であり、
(A)は平行X線照明を用いた場合、(B)はクリティ
カルX線照明を用いた場合の各説明図である。
【符号の説明】
101、201 高輝度パルスレーザ光 102、201 レーザ光集光レンズ 103、203 真空容器 103’203’レーザ光取り込み窓 104、204 標的板 105、205 プラズマ 106、206 X線 107、207 フィルタ 108、208 多層膜X線反射鏡(照明光学系の一
例) 109、209 集光X線 110、210 遮蔽板 111、211 観察試料 111’211’試料槽(試料容器) 112、212 非回折X線 113、213 回折X線 114 ウォルタ鏡(結像光学系の一例) 214 シュワルツシルト鏡(結像光学系の一例) 115 遮蔽板 116、216 位相板 116’216’吸収板 117、217 像 118、218 撮像器(撮像系の一例) 305、325 点光源 306、322 発散光 308、328 コンデンサレンズ(照明光学系の一
例) 309 平行照明光 329 クリティカル照明光 311、331 観察試料 312、332 非回折光 312’332’非回折光 313、333 回折光 313’333’回折光 314、334 対物レンズ(結像光学系の一例) 316、336 位相板 316’336’吸収板 317、337 像 318、338 撮像器(撮像系の一例) 319 焦点 406、426 シンクロトロン放射光光源からのX線 408、428 コンデンサゾーンプレート(照明光学
系の一例) 408’ X線平行化ゾーンプレート(照明光学
系の一例) 411、431 観察試料 412、432、非回折X線 413、433 回折X線 414、434 対物ゾーンプレート(結像光学系の一
例) 416、436 位相板 416’ 吸収板 417、437 像 418、438 撮像器(撮像系の一例) 419 焦点 以 上

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、 X線源と、 該X線源からのX線を集光して観察試料に照射する照明
    光学系であって、多層膜X線反射鏡を用いた照明光学系
    と、 該照明光学系によるX線集光位置に前記観察試料を保持
    する試料容器と、 前記観察試料を透過した全て又は略全ての非回折X線が
    入射するように設置してなる光学素子であって、入射し
    たX線の位相を変化させ、かつ強度を低減させる光学素
    子と、 該光学素子に入射しない回折X線と、該光学素子により
    位相を変化させ、かつ強度を低減させた非回折X線とを
    集光して観察試料像を形成する結像光学系であって、前
    記照明光学系よりも大きい開口数を有するウォルタ鏡ま
    たはシュワルツシルト鏡を用いた結像光学系と、 前記観察試料像を検出する撮像系と、を備えたX線位相
    差顕微鏡。
  2. 【請求項2】 少なくとも、 X線源と、 該X線源からのX線を集光して観察試料に照射する照明
    光学系であって、多層膜X線反射鏡を用いた照明光学系
    と、 該照明光学系によるX線集光位置に前記観察試料を保持
    する試料容器と、 前記観察試料により回折した回折X線と前記観察試料を
    透過した非回折X線とを集光する結像光学系であって、
    前記照明光学系よりも大きい開口数を有するウォルタ鏡
    またはシュワルツシルト鏡を用いた結像光学系と、 該結像光学系からの全て又は略全ての非回折X線が入射
    するように設置してなる光学素子であって、入射したX
    線の位相を変化させ、かつ強度を低減させる光学素子
    と、 該光学素子に入射しない前記結像光学系からの回折X線
    と、該光学素子により位相を変化させ、かつ強度を低減
    させた前記結像光学系からの非回折X線とにより形成さ
    れた観察試料像を検出する撮像系と、を備えたX線位相
    差顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記X線源をレーザープラズマX線源ま
    たはZピンチプラズマX線源としたことを特徴とする請
    求項1または2記載のX線位相差顕微鏡。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100570344C (zh) 2005-03-10 2009-12-16 中国科学院上海光学精密机械研究所 时间分辨x射线衍射仪
CN110940488A (zh) * 2019-11-11 2020-03-31 中国科学院西安光学精密机械研究所 一种WolterⅠ型非球面反射镜角分辨率检测系统及方法

Cited By (3)

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CN110940488A (zh) * 2019-11-11 2020-03-31 中国科学院西安光学精密机械研究所 一种WolterⅠ型非球面反射镜角分辨率检测系统及方法
CN110940488B (zh) * 2019-11-11 2020-11-17 中国科学院西安光学精密机械研究所 一种WolterⅠ型非球面反射镜角分辨率检测系统及方法

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