JPH08149981A - T細胞α鎖による抗原特異的免疫制御の方法 - Google Patents
T細胞α鎖による抗原特異的免疫制御の方法Info
- Publication number
- JPH08149981A JPH08149981A JP5337265A JP33726593A JPH08149981A JP H08149981 A JPH08149981 A JP H08149981A JP 5337265 A JP5337265 A JP 5337265A JP 33726593 A JP33726593 A JP 33726593A JP H08149981 A JPH08149981 A JP H08149981A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chain
- antigen
- tcr
- tcrα
- cells
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/705—Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
- C07K14/70503—Immunoglobulin superfamily
- C07K14/7051—T-cell receptor (TcR)-CD3 complex
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P37/00—Drugs for immunological or allergic disorders
- A61P37/08—Antiallergic agents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N2799/00—Uses of viruses
- C12N2799/02—Uses of viruses as vector
- C12N2799/021—Uses of viruses as vector for the expression of a heterologous nucleic acid
- C12N2799/027—Uses of viruses as vector for the expression of a heterologous nucleic acid where the vector is derived from a retrovirus
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Immunology (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Gastroenterology & Hepatology (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Public Health (AREA)
- Pulmonology (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- Toxicology (AREA)
- Zoology (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Saccharide Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 抗原特異的に免疫応答を調節する方法を提供
する。 【構成】 抗原を該抗原と特異的な有効量のTCRα鎖
と接触させて、TCRα鎖が抗原特異的に免疫応答を調
節することからなる、抗原に対する免疫応答を調節する
方法。 【効果】 本発明のTCRα鎖を使用することにより、
高度免疫または免疫不全症状を治療できる。
する。 【構成】 抗原を該抗原と特異的な有効量のTCRα鎖
と接触させて、TCRα鎖が抗原特異的に免疫応答を調
節することからなる、抗原に対する免疫応答を調節する
方法。 【効果】 本発明のTCRα鎖を使用することにより、
高度免疫または免疫不全症状を治療できる。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は1991年8月30日出願の特許
出願番号Serial No.07/752,820の
一部継続出願である。
出願番号Serial No.07/752,820の
一部継続出願である。
【0002】
1.発明の分野 本発明は、抗原特異的に免疫系を制御する方法に関す
る。興味のある抗原と結合することのできるT細胞レセ
プターα鎖は特定抗原への免疫応答を抑制または増強す
るようにデザインされたプロトコルに用いられる。本明
細書で記載される治療プロトコルはアレルギー、自己免
疫、移植拒絶および癌の治療に使用できる。
る。興味のある抗原と結合することのできるT細胞レセ
プターα鎖は特定抗原への免疫応答を抑制または増強す
るようにデザインされたプロトコルに用いられる。本明
細書で記載される治療プロトコルはアレルギー、自己免
疫、移植拒絶および癌の治療に使用できる。
【0003】
2.関連技術の記載 免疫学者らは免疫応答を制御するメカニズムを発見する
べく免疫系を長い間研究してきた。その結果、非特異的
に全体として免疫応答を抑制または増強する各種医薬ま
たはプロトコルが用いられてきた。しかしながら、この
型の制御は全免疫系に影響を及ぼすために満足のいくも
のではなかった。これは、特定抗原のみに対する免疫応
答の制御をもたらすような免疫系の特定成分の理解に基
づくものではないのである。例えば、アレルギーの治療
においては、個人の全免疫系を抑制することなく、特定
のアレルゲンへの免疫応答を選択的に抑制することが有
利となるであろう。可溶性T細胞レセプターα鎖が免疫
応答の抗原特異的媒介物であるという発見に部分的に基
づく本明細書に記載し、特許請求する発明は、特定抗原
への免疫応答を抑制または増強するためにT細胞レセプ
ターα鎖を使用する方法に関する。
べく免疫系を長い間研究してきた。その結果、非特異的
に全体として免疫応答を抑制または増強する各種医薬ま
たはプロトコルが用いられてきた。しかしながら、この
型の制御は全免疫系に影響を及ぼすために満足のいくも
のではなかった。これは、特定抗原のみに対する免疫応
答の制御をもたらすような免疫系の特定成分の理解に基
づくものではないのである。例えば、アレルギーの治療
においては、個人の全免疫系を抑制することなく、特定
のアレルゲンへの免疫応答を選択的に抑制することが有
利となるであろう。可溶性T細胞レセプターα鎖が免疫
応答の抗原特異的媒介物であるという発見に部分的に基
づく本明細書に記載し、特許請求する発明は、特定抗原
への免疫応答を抑制または増強するためにT細胞レセプ
ターα鎖を使用する方法に関する。
【0004】2.1.免疫応答の制御 外来抗原が個体に導入されると、T細胞およびB細胞と
してそれぞれ知られる機能的に異なるリンパ球集団によ
って仲介される細胞性免疫応答と体液性免疫応答の2つ
の主要要素からなる免疫応答が引き出される。T細胞は
免疫系において種々の他の細胞型を”ヘルプ”するか、
または、活性化するリンホカインを産生することによっ
て、抗原刺激に応答する。さらに、ある種のT細胞は細
胞障害性なエフェクター細胞となりうる。一方、B細胞
の応答は、主として抗原と直接結合する分泌産物である
抗体からなる。ヘルパーT細胞(TH)は、その細胞表
面上にCD4と呼ばれる糖タンパク質を発現することに
よって、細胞障害性T細胞やB細胞から区別できる。C
D4+ヘルパーT細胞が他の細胞型を制御するメカニズ
ムはまだ十分には説明されていないが、CD4+T細胞
集団におけるある種のサブセットの役割が研究されてき
た(Mosmann and Coffman, 1989, Ann. Rev.Immunol.
7:145-173)。タイプ1ヘルパー細胞(TH1)は、活性
化されてインターロイキン−2(IL−2)およびγ−
インターフェロンを産生し、一方タイプ2ヘルパー細胞
(TH2)はIL−4およびIL−5を産生する。リンホ
カイン産生の特徴に基づくと、TH1は他のT細胞の増殖
の促進に関与するように思われ、一方TH2因子は特に、
B細胞の増殖、抗体合成、および抗体のクラススイッチ
を制御している。さらに、TH1によって産生されるγ−
インターフェロンはTH2の増殖と機能を阻害するので、
これら2つのTH集団は相互に制御しているのかも知れ
ない。
してそれぞれ知られる機能的に異なるリンパ球集団によ
って仲介される細胞性免疫応答と体液性免疫応答の2つ
の主要要素からなる免疫応答が引き出される。T細胞は
免疫系において種々の他の細胞型を”ヘルプ”するか、
または、活性化するリンホカインを産生することによっ
て、抗原刺激に応答する。さらに、ある種のT細胞は細
胞障害性なエフェクター細胞となりうる。一方、B細胞
の応答は、主として抗原と直接結合する分泌産物である
抗体からなる。ヘルパーT細胞(TH)は、その細胞表
面上にCD4と呼ばれる糖タンパク質を発現することに
よって、細胞障害性T細胞やB細胞から区別できる。C
D4+ヘルパーT細胞が他の細胞型を制御するメカニズ
ムはまだ十分には説明されていないが、CD4+T細胞
集団におけるある種のサブセットの役割が研究されてき
た(Mosmann and Coffman, 1989, Ann. Rev.Immunol.
7:145-173)。タイプ1ヘルパー細胞(TH1)は、活性
化されてインターロイキン−2(IL−2)およびγ−
インターフェロンを産生し、一方タイプ2ヘルパー細胞
(TH2)はIL−4およびIL−5を産生する。リンホ
カイン産生の特徴に基づくと、TH1は他のT細胞の増殖
の促進に関与するように思われ、一方TH2因子は特に、
B細胞の増殖、抗体合成、および抗体のクラススイッチ
を制御している。さらに、TH1によって産生されるγ−
インターフェロンはTH2の増殖と機能を阻害するので、
これら2つのTH集団は相互に制御しているのかも知れ
ない。
【0005】B細胞とT細胞応答はいずれも免疫抗原に
対するその精巧な特異性を顕著な特徴とするが、その抗
原認識のメカニズムは異なっている。抗体は固体表面上
または溶液中で抗原と直接結合するが、T細胞は抗原提
示細胞の表面などの固相上に存在する抗原と反応するの
みである。また、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)
でコードされるクラスIまたはクラスII分子存在下で抗
原がT細胞に提示されなければならない。MHCは異な
る免疫機能をもつタンパク質をコードする一群の遺伝子
を言う。クラスIの遺伝子産物はあらゆる細胞に見ら
れ、主な移植の拒絶反応の標的である。クラスIIの遺伝
子産物は、各種造血系の細胞上で主として発現され、免
疫応答中の細胞−細胞間の相互作用に関与する。クラス
IとクラスIIタンパク質はいずれも抗原提示細胞の表面
上にある抗原のレセプターとしても機能することが示さ
れた。T細胞と抗原との間の相互作用における他のレベ
ルの複雑さは、MHCのハプロタイプ(複合体中のすべ
ての対立遺伝子の組み合わせ)が、抗原提示細胞と応答
T細胞との間で同じ場合にのみ起こることである。した
がって、特定抗原に特異的なT細胞は、適合するMHC
を発現する細胞によって抗原が提示される場合にのみ応
答することになる。この現象はMHC−拘束として知ら
れている。
対するその精巧な特異性を顕著な特徴とするが、その抗
原認識のメカニズムは異なっている。抗体は固体表面上
または溶液中で抗原と直接結合するが、T細胞は抗原提
示細胞の表面などの固相上に存在する抗原と反応するの
みである。また、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)
でコードされるクラスIまたはクラスII分子存在下で抗
原がT細胞に提示されなければならない。MHCは異な
る免疫機能をもつタンパク質をコードする一群の遺伝子
を言う。クラスIの遺伝子産物はあらゆる細胞に見ら
れ、主な移植の拒絶反応の標的である。クラスIIの遺伝
子産物は、各種造血系の細胞上で主として発現され、免
疫応答中の細胞−細胞間の相互作用に関与する。クラス
IとクラスIIタンパク質はいずれも抗原提示細胞の表面
上にある抗原のレセプターとしても機能することが示さ
れた。T細胞と抗原との間の相互作用における他のレベ
ルの複雑さは、MHCのハプロタイプ(複合体中のすべ
ての対立遺伝子の組み合わせ)が、抗原提示細胞と応答
T細胞との間で同じ場合にのみ起こることである。した
がって、特定抗原に特異的なT細胞は、適合するMHC
を発現する細胞によって抗原が提示される場合にのみ応
答することになる。この現象はMHC−拘束として知ら
れている。
【0006】1970年に、ガーションおよびコンドー
(Gershon and Kondo, 1970, Immunology 18:723)は、
T細胞が免疫応答の過程で負の影響も及ぼし得ることを
提唱した。この免疫制御の考えは当初疑問視されたが、
抗原が一定の免疫応答によって排除されて継続的な応答
がもはや必要でなくなった後の、免疫系の恒常性維持に
対する概念的な構成を提供したので、多くの免疫学者に
よって受け入れられるようになった。それ以降、抗原特
異的なサプレッサーT細胞(Ts)が多くの実験系で報
告されてきた(Green et al., 1983, Ann. Rev. Immuno
l. 1:439-463;Dorf and Benacerraf, 1984, Ann. Rev.
Immunol. 2:127-158)。
(Gershon and Kondo, 1970, Immunology 18:723)は、
T細胞が免疫応答の過程で負の影響も及ぼし得ることを
提唱した。この免疫制御の考えは当初疑問視されたが、
抗原が一定の免疫応答によって排除されて継続的な応答
がもはや必要でなくなった後の、免疫系の恒常性維持に
対する概念的な構成を提供したので、多くの免疫学者に
よって受け入れられるようになった。それ以降、抗原特
異的なサプレッサーT細胞(Ts)が多くの実験系で報
告されてきた(Green et al., 1983, Ann. Rev. Immuno
l. 1:439-463;Dorf and Benacerraf, 1984, Ann. Rev.
Immunol. 2:127-158)。
【0007】Ts作用のメカニズムを解明しようとする
試みの中で、T細胞培養上清中に多数の可溶性媒介物が
発見された。したがって、TsはTサプレッサー因子
(TsF)の放出を介して機能し、次いでそのTsFは
その他のT細胞やB細胞に作用することが推論された。
異なるTsサブセットとそのTsFとの間の複合体相互
作用を明瞭にするために、実験データに基づいて精巧な
モデルが提唱された(Asherson et al., 1986, Ann. Re
v. Immunol. 4:37-68)。
試みの中で、T細胞培養上清中に多数の可溶性媒介物が
発見された。したがって、TsはTサプレッサー因子
(TsF)の放出を介して機能し、次いでそのTsFは
その他のT細胞やB細胞に作用することが推論された。
異なるTsサブセットとそのTsFとの間の複合体相互
作用を明瞭にするために、実験データに基づいて精巧な
モデルが提唱された(Asherson et al., 1986, Ann. Re
v. Immunol. 4:37-68)。
【0008】T細胞の機能的に異なるサブセットに対し
て特異的な細胞表面マーカーが同定されたので、Tsお
よびそのTsFに特徴的なマーカーの検索が試みられ
た。Ts表面の表現型の研究は最初、これらが細胞障害
性の可能性を有するT細胞によって共有されるマーカー
であるCD8(Lyt−2)を発現することを示した。
1976年になって、マウスでTsによって特異的に発
現される構造と反応すると思われる抗血清が報告された
(Murphy et al., 1976, J. Exp. Med. 144:699;Tada e
t al., 1976, J. Exp. Med. 144:713)。抗原をコード
する遺伝子のマッピング研究によって、これはマウスM
HC内のI−EαとI−Eβとの間のI領域に配置され
た。この遺伝子座はI−Jと呼ばれた。
て特異的な細胞表面マーカーが同定されたので、Tsお
よびそのTsFに特徴的なマーカーの検索が試みられ
た。Ts表面の表現型の研究は最初、これらが細胞障害
性の可能性を有するT細胞によって共有されるマーカー
であるCD8(Lyt−2)を発現することを示した。
1976年になって、マウスでTsによって特異的に発
現される構造と反応すると思われる抗血清が報告された
(Murphy et al., 1976, J. Exp. Med. 144:699;Tada e
t al., 1976, J. Exp. Med. 144:713)。抗原をコード
する遺伝子のマッピング研究によって、これはマウスM
HC内のI−EαとI−Eβとの間のI領域に配置され
た。この遺伝子座はI−Jと呼ばれた。
【0009】1980年代初期に、細胞性免疫の分野は
現象学から分子レベルの特性決定へと移っていった。こ
の移り変わりによって、T細胞レセプター(TCR)の
特性決定(下記セクション2.2参照)、各種リンホカ
インの同定、ならびにMHCタンパク質の三次元構造の
解明などの多くの発見が得られた。しかしながら、分子
クローニングの技法をT細胞媒介性の抑制研究に応用す
ることは実を結ばなかった。例えば、TsFを均一にな
るまで生化学的に精製する試みは大部分成功しなかっ
た。マウスMHCのI領域の遺伝子が単離され配列決定
されたとき、I−J遺伝子を説明するためにI−Eαと
I−Eβの間のDNAでは十分でないと思われた。さら
に、TCR β遺伝子の再配列のために多くの顔ぶれの
T細胞クローンとT細胞ハイブリドーマを試験したとこ
ろ、ヘルパーおよび細胞障害性T細胞のみがこのような
再配列を含んでおり、すべての試験したTsが陰性であ
ったが、これはTsが機能性レセプターを発現していな
いことを示している(Hedrick et al., 1985, Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA 82:531-535)。
現象学から分子レベルの特性決定へと移っていった。こ
の移り変わりによって、T細胞レセプター(TCR)の
特性決定(下記セクション2.2参照)、各種リンホカ
インの同定、ならびにMHCタンパク質の三次元構造の
解明などの多くの発見が得られた。しかしながら、分子
クローニングの技法をT細胞媒介性の抑制研究に応用す
ることは実を結ばなかった。例えば、TsFを均一にな
るまで生化学的に精製する試みは大部分成功しなかっ
た。マウスMHCのI領域の遺伝子が単離され配列決定
されたとき、I−J遺伝子を説明するためにI−Eαと
I−Eβの間のDNAでは十分でないと思われた。さら
に、TCR β遺伝子の再配列のために多くの顔ぶれの
T細胞クローンとT細胞ハイブリドーマを試験したとこ
ろ、ヘルパーおよび細胞障害性T細胞のみがこのような
再配列を含んでおり、すべての試験したTsが陰性であ
ったが、これはTsが機能性レセプターを発現していな
いことを示している(Hedrick et al., 1985, Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA 82:531-535)。
【0010】2.2.T細胞レセプターの構造と機能 抗原に対するTおよびB細胞応答の特異性はこれらの細
胞によって発現される独特のレセプターの機能である。
B細胞がそのレセプターを抗体の形で分泌することが発
見されて、B細胞レセプターの研究は急速に進展した。
形質細胞腫は、元来モノクローナルである抗体産生細胞
の自然に発生する腫瘍である。これらの腫瘍は、抗体分
子の初期の精製ならびにその構造の特性決定に用いられ
た均質なタンパク質を絶えず提供してきた(Potter, 19
72, Physiol. Res. 52:631-710)。今や、細胞表面形が
膜貫通結合(transmembrane ancho
ring)のドメインを含む以外は、抗体がその膜結合
性対応物(counterpart)と同一であること
が証明された(Tonegawa, 1983, Nature 302:575-58
1)。
胞によって発現される独特のレセプターの機能である。
B細胞がそのレセプターを抗体の形で分泌することが発
見されて、B細胞レセプターの研究は急速に進展した。
形質細胞腫は、元来モノクローナルである抗体産生細胞
の自然に発生する腫瘍である。これらの腫瘍は、抗体分
子の初期の精製ならびにその構造の特性決定に用いられ
た均質なタンパク質を絶えず提供してきた(Potter, 19
72, Physiol. Res. 52:631-710)。今や、細胞表面形が
膜貫通結合(transmembrane ancho
ring)のドメインを含む以外は、抗体がその膜結合
性対応物(counterpart)と同一であること
が証明された(Tonegawa, 1983, Nature 302:575-58
1)。
【0011】一方、TCRに関する初期の研究では、T
CRの分泌形を検出することに成功せず、したがって、
可溶性抗体を使用するアプローチは有効に用いられなか
った。さらに、T細胞の抗原認識におけるMHC拘束の
発見はTCRの分析に別のレベルの困難さを付け加える
こととなった(Zinkernagel and Doherty, 1974, Natur
e 248:701-702)。当時、単一のTCRが抗原とMHC
の両方に結合することを説明できるのか、あるいは2つ
の別々のレセプターが関与するのかは議論の分かれると
ころであった。しかしながら、TCRがB細胞レセプタ
ーと同一でないことは明瞭であると思われていた。
CRの分泌形を検出することに成功せず、したがって、
可溶性抗体を使用するアプローチは有効に用いられなか
った。さらに、T細胞の抗原認識におけるMHC拘束の
発見はTCRの分析に別のレベルの困難さを付け加える
こととなった(Zinkernagel and Doherty, 1974, Natur
e 248:701-702)。当時、単一のTCRが抗原とMHC
の両方に結合することを説明できるのか、あるいは2つ
の別々のレセプターが関与するのかは議論の分かれると
ころであった。しかしながら、TCRがB細胞レセプタ
ーと同一でないことは明瞭であると思われていた。
【0012】モノクローナル抗体、組換えDNA法およ
び抗原特異的T細胞の長期間培養法の進展の到来によ
り、1980年代にはTCRの同定がおおいに容易にな
った。T細胞のクローン集団に対して作成されたモノク
ローナル抗体は免疫T細胞とのみ特異的に反応すること
が見いだされた(Allison et al., 1982, J. Immunol.1
29:2293; Haskin et al., 1983, J. Exp. Med. 157:114
9; Samelson et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA 80:6972)。これらの免疫沈降T細胞膜に対するクロ
ーン特異的抗体の使用により、SDS−PAGEで4
6,000ダルトンの分子量のバンドが明らかとなっ
た。非還元的条件下では90,000ダルトンのバンド
が検出され、これはTCRの二量体構造を示唆した。次
の実験により、機能性TCRがαおよびβとして知られ
る2つのジスルフィド結合した糖タンパク質からなるヘ
テロダイマーであることが確立された(Marrack and Ka
ppler,1987, Science 238:1073-1079)。ほぼ同じ頃、
αおよびβ鎖をコードする相補的DNA(cDNA)ク
ローンがヒトおよびマウスで単離された(Hedrick et a
l., 1984, Nature 308:149-153; Hedrick et al., 198
4, Nature 308:153-158;Yanagi et al., 1984, Nature
308:145-149)。cDNAの配列分析により、コーディ
ング配列は抗体のコーディング配列と類似の再配列され
た遺伝子セグメントからなることが示された。受容細胞
中へのαおよびβ遺伝子の移入ということにより、抗原
特異性とMHC拘束を付与するのに必要かつ十分である
ことが示された(Dembic et al., 1986, Nature 320:23
2-238)。したがって、ヘテロダイマーTCRが抗原と
MHCとの組み合わせの認識を司ると思われる。いくつ
かの研究は、αおよびβ可変領域が抗原およびMHCの
認識方向にゆがめられていることを示唆する(Kappler
et al., 1987, Cell 49:263-271; Winoto et al., 198
6, Nature 324:679-682;.Tan et al., 1988, Cell 54:2
47-261)が、他方その他の研究は、認識がレセプター全
体によって現われる性質であることを示唆する(Kuo an
d Hood, 1987, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:7614-7
618; Danska etal., 1990, J. Exp. Med. 172:27-3
3)。
び抗原特異的T細胞の長期間培養法の進展の到来によ
り、1980年代にはTCRの同定がおおいに容易にな
った。T細胞のクローン集団に対して作成されたモノク
ローナル抗体は免疫T細胞とのみ特異的に反応すること
が見いだされた(Allison et al., 1982, J. Immunol.1
29:2293; Haskin et al., 1983, J. Exp. Med. 157:114
9; Samelson et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA 80:6972)。これらの免疫沈降T細胞膜に対するクロ
ーン特異的抗体の使用により、SDS−PAGEで4
6,000ダルトンの分子量のバンドが明らかとなっ
た。非還元的条件下では90,000ダルトンのバンド
が検出され、これはTCRの二量体構造を示唆した。次
の実験により、機能性TCRがαおよびβとして知られ
る2つのジスルフィド結合した糖タンパク質からなるヘ
テロダイマーであることが確立された(Marrack and Ka
ppler,1987, Science 238:1073-1079)。ほぼ同じ頃、
αおよびβ鎖をコードする相補的DNA(cDNA)ク
ローンがヒトおよびマウスで単離された(Hedrick et a
l., 1984, Nature 308:149-153; Hedrick et al., 198
4, Nature 308:153-158;Yanagi et al., 1984, Nature
308:145-149)。cDNAの配列分析により、コーディ
ング配列は抗体のコーディング配列と類似の再配列され
た遺伝子セグメントからなることが示された。受容細胞
中へのαおよびβ遺伝子の移入ということにより、抗原
特異性とMHC拘束を付与するのに必要かつ十分である
ことが示された(Dembic et al., 1986, Nature 320:23
2-238)。したがって、ヘテロダイマーTCRが抗原と
MHCとの組み合わせの認識を司ると思われる。いくつ
かの研究は、αおよびβ可変領域が抗原およびMHCの
認識方向にゆがめられていることを示唆する(Kappler
et al., 1987, Cell 49:263-271; Winoto et al., 198
6, Nature 324:679-682;.Tan et al., 1988, Cell 54:2
47-261)が、他方その他の研究は、認識がレセプター全
体によって現われる性質であることを示唆する(Kuo an
d Hood, 1987, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:7614-7
618; Danska etal., 1990, J. Exp. Med. 172:27-3
3)。
【0013】CD3は、TCRと非共有結合的に結合
し、かつTCRの占有が引き金となるT細胞活性化に至
る膜内外の一連のシグナル伝達に関与するポリペプチド
の複合体である(Clevers et al., 1988, Ann. Rev. Im
munol. 6:629)。抗体によるCD3の直接刺激はT細胞
活性化の通常の経路を模倣することが示された(Meuere
t al., 1983, J. Exp. Med. 158:988)。T細胞表面へ
のCD3の輸送には、これが完全なヘテロダイマーTC
R複合体と細胞内で結合することが必要である。TCR
αおよびβ鎖の両方とCD3ポリペプチドの複合体は
小胞体で組み立てられることが示された(Minami et a
l., 1987, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:2688-2692;
Alarcon et al., 1988, J. Biol. Chem. 236:2953-296
1)。正しく形成された完全なレセプターであるTCR
/CD3は次いで機能性ユニットとして細胞表面に輸送
される。不完全に組み立てられたレセプター複合体はゴ
ルジ体を通ってリソソームに輸送され、そこで分解され
る。したがって、非結合αおよびβ鎖は通常T細胞の外
部に接近できないように思われる。完全なTCRαおよ
びβレセプターでさえも分泌形では細胞外で容易に検出
されない。今まで、抗原認識におけるその機能はT細胞
表面で更にヘテロダイマーの形に限定されていると考え
られてきた。
し、かつTCRの占有が引き金となるT細胞活性化に至
る膜内外の一連のシグナル伝達に関与するポリペプチド
の複合体である(Clevers et al., 1988, Ann. Rev. Im
munol. 6:629)。抗体によるCD3の直接刺激はT細胞
活性化の通常の経路を模倣することが示された(Meuere
t al., 1983, J. Exp. Med. 158:988)。T細胞表面へ
のCD3の輸送には、これが完全なヘテロダイマーTC
R複合体と細胞内で結合することが必要である。TCR
αおよびβ鎖の両方とCD3ポリペプチドの複合体は
小胞体で組み立てられることが示された(Minami et a
l., 1987, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:2688-2692;
Alarcon et al., 1988, J. Biol. Chem. 236:2953-296
1)。正しく形成された完全なレセプターであるTCR
/CD3は次いで機能性ユニットとして細胞表面に輸送
される。不完全に組み立てられたレセプター複合体はゴ
ルジ体を通ってリソソームに輸送され、そこで分解され
る。したがって、非結合αおよびβ鎖は通常T細胞の外
部に接近できないように思われる。完全なTCRαおよ
びβレセプターでさえも分泌形では細胞外で容易に検出
されない。今まで、抗原認識におけるその機能はT細胞
表面で更にヘテロダイマーの形に限定されていると考え
られてきた。
【0014】今や、αβTCRは機能性T細胞の大部分
で発現されることが明らかとなった。γδヘテロダイマ
ーからなる第2のタイプのTCRが同定されたが、これ
らのレセプターは末梢T細胞の一部でのみ発現されてお
り、その抗原特異的認識への関与はまだ証明されていな
い。構造的には、T細胞のαβおよびγδレセプターは
一次配列、遺伝子の組織化およびDNAの再配列様式の
点で抗体分子ときわめて相同である(Davis and Bjorkm
an, 1988, Nature 334:395-402)。しかしながら、T細
胞抗原は以下の2つの主要な面で抗体と区別される:T
CRは細胞表面にのみ見い出され、MHCでコードされ
る分子の存在下においてのみ抗原を認識する。
で発現されることが明らかとなった。γδヘテロダイマ
ーからなる第2のタイプのTCRが同定されたが、これ
らのレセプターは末梢T細胞の一部でのみ発現されてお
り、その抗原特異的認識への関与はまだ証明されていな
い。構造的には、T細胞のαβおよびγδレセプターは
一次配列、遺伝子の組織化およびDNAの再配列様式の
点で抗体分子ときわめて相同である(Davis and Bjorkm
an, 1988, Nature 334:395-402)。しかしながら、T細
胞抗原は以下の2つの主要な面で抗体と区別される:T
CRは細胞表面にのみ見い出され、MHCでコードされ
る分子の存在下においてのみ抗原を認識する。
【0015】2.3.可溶性T細胞レセプター 最近の研究は、ある場合にはTCRが細胞からはずれる
または放出されることを示唆する(Guy et al., 1989,
Science 244:1477-1480; Fairchild et al., 1990, J.
Immunol. 145:2001-2009)。しかしながら、このような
分泌された分子が完全なTCRであるのか、部分的断片
であるのか、またはTCRと交差反応性のエピトープを
もつ他の分子であるのかは示されていない。本明細書で
記載する実施例によって示される発見以前は、機能的に
活性なTCRα鎖が残りのTCR成分とは独立にT細胞
から放出されうるという考えは論争の的であり、疑問視
されていた。Klausnerとその同僚(Bonifacino
et al., 1990, Science 247:79-82)は、TCRαは保
持され、CD3δと複合体を形成しないときには小胞体
で分解されることを示し、さらに(Minami et al., 198
7, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:2688-2692)CD3
−TCR複合体の一部として細胞表面に輸送されないT
CRαはリソソームで分解されることを示した。これら
の観察は、TCRαが細胞から放出される経路を否定す
るものである。同様に保持され、小胞体で分解されるT
CRβの研究(Wileman et al., 1990, Cell Regulatio
n 1:907-919)は、TCRの組み立てと輸送はもっと複
雑であることを示唆する。例えば、TCRβ外来遺伝子
(transgene) を発現するSCIDマウスでは、TCRβ
は、TCRαまたはCD3成分の非存在下に、未熟な胸
腺細胞の表面上で発現される(Kishi et al., 1991, EM
BO J. 10:93-100)。また、VDJとCβ1ドメインのみ
を含む、切形の(truncated) TCRβ鎖遺伝子を構築す
ると、このような分子は分解されるという予測に反して
分泌された(Gascoigne, 1990, J. Biol.Chem. 265:929
6-9301)。したがって、ある種の細胞では、TCRは少
量で、おそらくは他の未同定分子との複合体の形および
/または翻訳後の切形(truncatedform)で放出される可
能性が存在する。
または放出されることを示唆する(Guy et al., 1989,
Science 244:1477-1480; Fairchild et al., 1990, J.
Immunol. 145:2001-2009)。しかしながら、このような
分泌された分子が完全なTCRであるのか、部分的断片
であるのか、またはTCRと交差反応性のエピトープを
もつ他の分子であるのかは示されていない。本明細書で
記載する実施例によって示される発見以前は、機能的に
活性なTCRα鎖が残りのTCR成分とは独立にT細胞
から放出されうるという考えは論争の的であり、疑問視
されていた。Klausnerとその同僚(Bonifacino
et al., 1990, Science 247:79-82)は、TCRαは保
持され、CD3δと複合体を形成しないときには小胞体
で分解されることを示し、さらに(Minami et al., 198
7, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:2688-2692)CD3
−TCR複合体の一部として細胞表面に輸送されないT
CRαはリソソームで分解されることを示した。これら
の観察は、TCRαが細胞から放出される経路を否定す
るものである。同様に保持され、小胞体で分解されるT
CRβの研究(Wileman et al., 1990, Cell Regulatio
n 1:907-919)は、TCRの組み立てと輸送はもっと複
雑であることを示唆する。例えば、TCRβ外来遺伝子
(transgene) を発現するSCIDマウスでは、TCRβ
は、TCRαまたはCD3成分の非存在下に、未熟な胸
腺細胞の表面上で発現される(Kishi et al., 1991, EM
BO J. 10:93-100)。また、VDJとCβ1ドメインのみ
を含む、切形の(truncated) TCRβ鎖遺伝子を構築す
ると、このような分子は分解されるという予測に反して
分泌された(Gascoigne, 1990, J. Biol.Chem. 265:929
6-9301)。したがって、ある種の細胞では、TCRは少
量で、おそらくは他の未同定分子との複合体の形および
/または翻訳後の切形(truncatedform)で放出される可
能性が存在する。
【0016】TCRαに対する抗体と反応する未同定の
可溶性制御因子または因子群の存在を多数の実験が報告
している。例えば、合成ポリペプチド抗原であるpol
y18、plus 1−Adに特異的なCD4+ヘルパー
T細胞ハイブリドーマA1.1のin vitroアッ
セイにおいて、無細胞系での免疫制御活性が検出され
た;すなわち、該因子の厳密な抗原特異性がT細胞ハイ
ブリドーマの特異性と一致した(Zheng et al., 1988,
J. Immunol. 140:1351-1358)。TCR VαおよびV
βに対応するアンチセンスオリゴヌクレオチドが細胞表
面のTCR−CD3発現を特異的に阻害することが見い
だされたが、VαへのアンチセンスのみがA1.1の可
溶性制御活性の産生を阻害するが、Vβ(または対照オ
リゴヌクレオチド)は阻害しなかった(Zheng et al.,
1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:3758-3762)。
ごく最近の研究において、A1.1の抗原特異的制御活
性体がTCRαに特異的なモノクローナル抗体カラムに
結合し、これから溶出され、代謝的に標識した上清から
の46,000ダルトンの分子量のタンパク質として決
定された;この活性体は抗−TCRβ、抗−TCR V
β、または抗−CD3ε抗体によっては結合されない
(Bissonnette et al., 1991, J. Immunol. 146:2898-2
907)。TCRα鎖抗原決定基を共有するが、表面TC
R由来ではないTs活性体が報告されているが、性状決
定されていない(Collins et al., 1990, J. Immunol.
145:2809-2812)。Takada(1990, J. Immunol. 1
45:2846-2853 )もTCRα鎖抗原決定基を共有するT
s活性体を報告するが、これはMHC拘束であった。こ
れらの結果とは対照的に、Fairchild(1990,
J.Immunol. 145:2001-2009)は、抗−TCR Cαと反
応するが、抗−VβおよびTCR−β抗体とも反応する
DNP−特異的Ts因子を報告した。本明細書に記載す
る発見以前は、観察される抗原特異的制御活性を司る可
溶性の免疫制御媒介物としてTCRαの役割を同定し、
またこれを説明した者は誰もいなかった。
可溶性制御因子または因子群の存在を多数の実験が報告
している。例えば、合成ポリペプチド抗原であるpol
y18、plus 1−Adに特異的なCD4+ヘルパー
T細胞ハイブリドーマA1.1のin vitroアッ
セイにおいて、無細胞系での免疫制御活性が検出され
た;すなわち、該因子の厳密な抗原特異性がT細胞ハイ
ブリドーマの特異性と一致した(Zheng et al., 1988,
J. Immunol. 140:1351-1358)。TCR VαおよびV
βに対応するアンチセンスオリゴヌクレオチドが細胞表
面のTCR−CD3発現を特異的に阻害することが見い
だされたが、VαへのアンチセンスのみがA1.1の可
溶性制御活性の産生を阻害するが、Vβ(または対照オ
リゴヌクレオチド)は阻害しなかった(Zheng et al.,
1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:3758-3762)。
ごく最近の研究において、A1.1の抗原特異的制御活
性体がTCRαに特異的なモノクローナル抗体カラムに
結合し、これから溶出され、代謝的に標識した上清から
の46,000ダルトンの分子量のタンパク質として決
定された;この活性体は抗−TCRβ、抗−TCR V
β、または抗−CD3ε抗体によっては結合されない
(Bissonnette et al., 1991, J. Immunol. 146:2898-2
907)。TCRα鎖抗原決定基を共有するが、表面TC
R由来ではないTs活性体が報告されているが、性状決
定されていない(Collins et al., 1990, J. Immunol.
145:2809-2812)。Takada(1990, J. Immunol. 1
45:2846-2853 )もTCRα鎖抗原決定基を共有するT
s活性体を報告するが、これはMHC拘束であった。こ
れらの結果とは対照的に、Fairchild(1990,
J.Immunol. 145:2001-2009)は、抗−TCR Cαと反
応するが、抗−VβおよびTCR−β抗体とも反応する
DNP−特異的Ts因子を報告した。本明細書に記載す
る発見以前は、観察される抗原特異的制御活性を司る可
溶性の免疫制御媒介物としてTCRαの役割を同定し、
またこれを説明した者は誰もいなかった。
【0017】可溶性TCR分子を産生させるためにTC
Rトランスメンブラン(膜貫通)領域を置換または削除
する3つの主な戦略が試みられた。最も直接的なアプロ
ーチでは、翻訳終止コドンをTCRαまたはTCRα/
βダイマーの上流に導入した。cDNAでトランスフェ
クションしたCOS−1細胞、COS−7細胞またはH
ela細胞中で、TCRαはゴルジ体に入る前に非リソ
ソーム区画中で迅速に分解されることが報告されている
(Wileman et al., Cell.Biol. 110:973-986,1990; Li
ppincott-Schwartz et al., Cell, 54:209-220, 1988;
Baniyash et al., J. Biol. Chem. 263:9874-9878, 198
8; Bonifacino et al., Science 247:79-82, 1990; Bon
ifacino et al., Cell 63:503-513, 1990; Manolios et
al., Science 249:274-277, 1990; Shin et al., Scie
nce 259:1901-1904, 1993)。第2の戦略では、TCR
αおよびβ鎖の細胞外VおよびCドメインを、胎盤のア
ルカリ性ホスファターゼまたはThy−1分子のグリコ
シル−ホスファチジルイノシトール膜アンカーとつなぎ
替えた(Lin et al., Science 249:677-679, 1990;Slan
etz et al., Eur. J. Immunol. 21:179-183, 1991)。
細胞をホスファチジルイノシトール特異的ホスホリパー
ゼCで処理することにより、対応する脂質に結合したT
CRポリペプチドが可溶形態で膜から放出され、可溶化
TCRαβヘテロダイマーは抗−クロノタイプのモノク
ローナル抗体と特異的に反応することが示された。しか
しながら、放出されたTCRポリペプチドの収率は少な
すぎたので、この分子を臨床的用途に用いることはでき
なかった。第3のアプローチは、TCRと免疫グロブリ
ンの不変領域(Gregoire et al., Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 88:8077-8081, 1991; Weber et al., Nature 3
56:793-796, 1992)およびCD3のゼータ鎖(Engel et
al., Science 256:1318-1321, 1992)とのハイブリッ
ドタンパク質を作ることであった。これらの融合タンパ
ク質は骨髄細胞または白血病細胞のトランスフェクショ
ンによって培地中に分泌され、これらの可溶性TCR類
は、対応する細胞表面に結合したTCRのすべての血清
学的に検出されるエピトープを保持していることが示さ
れた。しかしながら、これらの融合タンパク質は抗原の
低親和性認識を示し、免疫原性であるかも知れない。さ
らに、TCRα鎖のみの機能的発現は一度も成功しなか
った。
Rトランスメンブラン(膜貫通)領域を置換または削除
する3つの主な戦略が試みられた。最も直接的なアプロ
ーチでは、翻訳終止コドンをTCRαまたはTCRα/
βダイマーの上流に導入した。cDNAでトランスフェ
クションしたCOS−1細胞、COS−7細胞またはH
ela細胞中で、TCRαはゴルジ体に入る前に非リソ
ソーム区画中で迅速に分解されることが報告されている
(Wileman et al., Cell.Biol. 110:973-986,1990; Li
ppincott-Schwartz et al., Cell, 54:209-220, 1988;
Baniyash et al., J. Biol. Chem. 263:9874-9878, 198
8; Bonifacino et al., Science 247:79-82, 1990; Bon
ifacino et al., Cell 63:503-513, 1990; Manolios et
al., Science 249:274-277, 1990; Shin et al., Scie
nce 259:1901-1904, 1993)。第2の戦略では、TCR
αおよびβ鎖の細胞外VおよびCドメインを、胎盤のア
ルカリ性ホスファターゼまたはThy−1分子のグリコ
シル−ホスファチジルイノシトール膜アンカーとつなぎ
替えた(Lin et al., Science 249:677-679, 1990;Slan
etz et al., Eur. J. Immunol. 21:179-183, 1991)。
細胞をホスファチジルイノシトール特異的ホスホリパー
ゼCで処理することにより、対応する脂質に結合したT
CRポリペプチドが可溶形態で膜から放出され、可溶化
TCRαβヘテロダイマーは抗−クロノタイプのモノク
ローナル抗体と特異的に反応することが示された。しか
しながら、放出されたTCRポリペプチドの収率は少な
すぎたので、この分子を臨床的用途に用いることはでき
なかった。第3のアプローチは、TCRと免疫グロブリ
ンの不変領域(Gregoire et al., Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 88:8077-8081, 1991; Weber et al., Nature 3
56:793-796, 1992)およびCD3のゼータ鎖(Engel et
al., Science 256:1318-1321, 1992)とのハイブリッ
ドタンパク質を作ることであった。これらの融合タンパ
ク質は骨髄細胞または白血病細胞のトランスフェクショ
ンによって培地中に分泌され、これらの可溶性TCR類
は、対応する細胞表面に結合したTCRのすべての血清
学的に検出されるエピトープを保持していることが示さ
れた。しかしながら、これらの融合タンパク質は抗原の
低親和性認識を示し、免疫原性であるかも知れない。さ
らに、TCRα鎖のみの機能的発現は一度も成功しなか
った。
【0018】VαおよびVβポリペプチドの融合タンパ
ク質を用いる大腸菌中でのTCRの発現が以前に報告さ
れている(Soo Hoo et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA 89:4759-4763, 1992)。しかしながら、タンパク質
の1%のみが再生タンパク質として回収できた。本発明
では、再生タンパク質の収率はサイトカインなどの典型
的な可溶性タンパク質と同程度であり、このため臨床用
途に均一なTCRα分子を提供することができる。
ク質を用いる大腸菌中でのTCRの発現が以前に報告さ
れている(Soo Hoo et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA 89:4759-4763, 1992)。しかしながら、タンパク質
の1%のみが再生タンパク質として回収できた。本発明
では、再生タンパク質の収率はサイトカインなどの典型
的な可溶性タンパク質と同程度であり、このため臨床用
途に均一なTCRα分子を提供することができる。
【0019】大腸菌中で動物タンパク質を発現するため
に、多くの研究者によって種々の系が開発されてきた。
しかしながら、この生物中で異種遺伝子を発現するには
多くの困難に遭遇することが多い。例えば、コドン使用
パターンとその翻訳開始シグナルにおいて、大腸菌と動
物遺伝子の間には有意な差異があり、このため細菌のリ
ボソーム上での動物mRNAの有効な翻訳が妨害される
(Orormo et al., Nucl. Acids Res. 10:2971-2996, 19
82 )。あるいは、大腸菌中で合成された異種タンパク
質は、宿主細胞のプロテアーゼ活性のために、有意なレ
ベルにまで蓄積されないかも知れない(Gottesman, Ann
u. Rev. Genet. 23:163-198, 1989)。さらに、TCR
などの分泌分子または膜結合の分子は、安定性と溶解性
のためにグリコシル化およびジスルフィド架橋される必
要があるので、治療的に有用なタンパク質の物理的性状
が問題となりうる。このような安定性化のための工程を
細菌の細胞質中で行うことはできないので、大腸菌中で
生産された異種タンパク質は”封入体”(inclusion bod
ies)として知られる不溶性の凝集物をしばしば形成する
(Schein et al., Bio/Technology 7:1141-1149, 198
9)。本発明は大腸菌の封入体中に切形のTCRαポリ
ペプチドを発現させ、生物的に活性なTCRαを再生お
よび精製する方法を提供する。
に、多くの研究者によって種々の系が開発されてきた。
しかしながら、この生物中で異種遺伝子を発現するには
多くの困難に遭遇することが多い。例えば、コドン使用
パターンとその翻訳開始シグナルにおいて、大腸菌と動
物遺伝子の間には有意な差異があり、このため細菌のリ
ボソーム上での動物mRNAの有効な翻訳が妨害される
(Orormo et al., Nucl. Acids Res. 10:2971-2996, 19
82 )。あるいは、大腸菌中で合成された異種タンパク
質は、宿主細胞のプロテアーゼ活性のために、有意なレ
ベルにまで蓄積されないかも知れない(Gottesman, Ann
u. Rev. Genet. 23:163-198, 1989)。さらに、TCR
などの分泌分子または膜結合の分子は、安定性と溶解性
のためにグリコシル化およびジスルフィド架橋される必
要があるので、治療的に有用なタンパク質の物理的性状
が問題となりうる。このような安定性化のための工程を
細菌の細胞質中で行うことはできないので、大腸菌中で
生産された異種タンパク質は”封入体”(inclusion bod
ies)として知られる不溶性の凝集物をしばしば形成する
(Schein et al., Bio/Technology 7:1141-1149, 198
9)。本発明は大腸菌の封入体中に切形のTCRαポリ
ペプチドを発現させ、生物的に活性なTCRαを再生お
よび精製する方法を提供する。
【発明が解決しようとする課題】本発明はTCRαを使
用して抗原特異的に免疫応答を調節する方法及びそれに
用いるTCRαを生産する方法を提供することを目的と
する。
用して抗原特異的に免疫応答を調節する方法及びそれに
用いるTCRαを生産する方法を提供することを目的と
する。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、抗原特異的に
免疫応答を調節するのにTCRα鎖を利用する方法に関
する。 in vitro で評価できる次の2つの重要な特徴を
示すTCRα鎖を、本発明の実施に際しての製造及び使
用のために選択する:本発明の方法に使用するTCRα
鎖は、興味のある抗原に結合可能でなければならなず、
かつ、本明細書に記載される補助成分の存在下で、その
抗原に対して生じる特異的免疫応答を、例えば、該抗原
特異的免疫応答を抑制又は増強することによって調節し
なくてはならない。
免疫応答を調節するのにTCRα鎖を利用する方法に関
する。 in vitro で評価できる次の2つの重要な特徴を
示すTCRα鎖を、本発明の実施に際しての製造及び使
用のために選択する:本発明の方法に使用するTCRα
鎖は、興味のある抗原に結合可能でなければならなず、
かつ、本明細書に記載される補助成分の存在下で、その
抗原に対して生じる特異的免疫応答を、例えば、該抗原
特異的免疫応答を抑制又は増強することによって調節し
なくてはならない。
【0021】かかる性質を示すTCRα鎖は、ヒト若し
くは動物においてin vivo で、又はin vitro で、抗原
特異的免疫応答のダウンレギュレーション又はアップレ
ギュレーションのために記載された手順で有利に使用す
ることができる。例えば、高度免疫応答、例えば、アレ
ルギー、自己免疫疾患、又は移植片拒絶の患者に、補助
成分の存在下で抗原特異的免疫応答を抑制する、原因と
なる抗原に特異的なTCRα鎖の有効投与量をin vivo
で投与することができる。逆に、免疫抑制された患者の
体液を、免疫抑制作用を示す可溶性TCRα鎖の存在に
ついて試験することができる。患者の該抗原についての
免疫応答の増強は、可溶性TCRα鎖に特異的な抗体を
使用して該TCRα鎖を除去又は中和することによっ
て、又は該TCRα鎖の発現を阻害するアンチセンスオ
リゴヌクレオチドによって行うことができる。
くは動物においてin vivo で、又はin vitro で、抗原
特異的免疫応答のダウンレギュレーション又はアップレ
ギュレーションのために記載された手順で有利に使用す
ることができる。例えば、高度免疫応答、例えば、アレ
ルギー、自己免疫疾患、又は移植片拒絶の患者に、補助
成分の存在下で抗原特異的免疫応答を抑制する、原因と
なる抗原に特異的なTCRα鎖の有効投与量をin vivo
で投与することができる。逆に、免疫抑制された患者の
体液を、免疫抑制作用を示す可溶性TCRα鎖の存在に
ついて試験することができる。患者の該抗原についての
免疫応答の増強は、可溶性TCRα鎖に特異的な抗体を
使用して該TCRα鎖を除去又は中和することによっ
て、又は該TCRα鎖の発現を阻害するアンチセンスオ
リゴヌクレオチドによって行うことができる。
【0022】本発明で使用するTCRα鎖を評価するの
に使用できる in vitro 分析法が本明細書に記載されて
いる。例えば、抗原結合を評価するのに幾つかのイムノ
アフィニティー法を使用することができ、試験されるT
CRα鎖の調節機能を評価するには以下に詳細に記載す
るプラーク形成細胞(PFC)分析法(以下、PFC分
析法という)を使用することができる。簡単に説明すれ
ば、このPFC分析法においては、試験されるべきTC
Rα鎖を、補助成分の存在下で、異種赤血球の如き免疫
原性のある溶解性担体と結合した興味のある抗原を含有
する脾臓細胞培養物に添加する。TCRα鎖の免疫調節
作用は、該培養物中のプラーク形成細胞の発生により示
される、2、3日で生じる免疫応答を吟味することによ
って評価される。即ち、免疫応答により、該担体(例え
ば、赤血球)に対する補体結合抗体を産生する細胞が生
じるが、これら細胞を、該細胞を補体及び該担体(例え
ば、赤血球)と混合して単一層に形成する分析法により
検出することができる。該担体の細胞溶解により、1つ
のプラーク形成細胞(PFC)の存在に対応して、1つ
の澄んだプラークが生成する。培養液においてPFC生
成が阻害されれば、結合した抗原に特異的なTCRα鎖
の介在により免疫応答が抑制されたことを示す。以下に
より詳細に説明するように、該分析法に使用する補助成
分は、T細胞を刺激するのに使用される抗原に直接結合
する、TCRα鎖の如き可溶性因子を除いた刺激された
T細胞の上清から調製される。該補助成分はそれ自体及
びそれだけでは、TCRα鎖が存在しなければ免疫応答
に何ら作用しない。
に使用できる in vitro 分析法が本明細書に記載されて
いる。例えば、抗原結合を評価するのに幾つかのイムノ
アフィニティー法を使用することができ、試験されるT
CRα鎖の調節機能を評価するには以下に詳細に記載す
るプラーク形成細胞(PFC)分析法(以下、PFC分
析法という)を使用することができる。簡単に説明すれ
ば、このPFC分析法においては、試験されるべきTC
Rα鎖を、補助成分の存在下で、異種赤血球の如き免疫
原性のある溶解性担体と結合した興味のある抗原を含有
する脾臓細胞培養物に添加する。TCRα鎖の免疫調節
作用は、該培養物中のプラーク形成細胞の発生により示
される、2、3日で生じる免疫応答を吟味することによ
って評価される。即ち、免疫応答により、該担体(例え
ば、赤血球)に対する補体結合抗体を産生する細胞が生
じるが、これら細胞を、該細胞を補体及び該担体(例え
ば、赤血球)と混合して単一層に形成する分析法により
検出することができる。該担体の細胞溶解により、1つ
のプラーク形成細胞(PFC)の存在に対応して、1つ
の澄んだプラークが生成する。培養液においてPFC生
成が阻害されれば、結合した抗原に特異的なTCRα鎖
の介在により免疫応答が抑制されたことを示す。以下に
より詳細に説明するように、該分析法に使用する補助成
分は、T細胞を刺激するのに使用される抗原に直接結合
する、TCRα鎖の如き可溶性因子を除いた刺激された
T細胞の上清から調製される。該補助成分はそれ自体及
びそれだけでは、TCRα鎖が存在しなければ免疫応答
に何ら作用しない。
【0023】本発明は、部分的に、T細胞ハイブリドー
マにより構造的に分泌される可溶性TCRα鎖を見出し
たことに基づく。実施例で明らかにするように、この分
泌されたTCRα鎖はその抗原に直接結合でき、補助成
分の存在下で、該抗原に対して普通に生じる免疫応答を
抑制する。しかしながら、本発明は、あらゆるTCRα
鎖遺伝子をクローン化し、発現し、そして、本明細書に
記載した技術及び方法を使用して、本発明を実施するに
際して該遺伝子産物をその適性について試験することが
できるので、天然に分泌されたTCRα鎖を使用するこ
とだけに限定されない。加えて、本明細書に記載した分
析法は、抗原特異的に免疫調節機能を示す他の分子、例
えば、抗体、他のTCR成分を評価するのに使用でき
る。
マにより構造的に分泌される可溶性TCRα鎖を見出し
たことに基づく。実施例で明らかにするように、この分
泌されたTCRα鎖はその抗原に直接結合でき、補助成
分の存在下で、該抗原に対して普通に生じる免疫応答を
抑制する。しかしながら、本発明は、あらゆるTCRα
鎖遺伝子をクローン化し、発現し、そして、本明細書に
記載した技術及び方法を使用して、本発明を実施するに
際して該遺伝子産物をその適性について試験することが
できるので、天然に分泌されたTCRα鎖を使用するこ
とだけに限定されない。加えて、本明細書に記載した分
析法は、抗原特異的に免疫調節機能を示す他の分子、例
えば、抗体、他のTCR成分を評価するのに使用でき
る。
【0024】本発明の1態様においては、融合パートナ
ーとしてラットカルモジュリンを使用することに基づく
新規な融合遺伝子発現系を提供する。該系は、好ましく
は、生物活性を有するTCRαタンパク質の高発現及び
精製に使用することができる。大腸菌内でのラットカル
モジュリンの発現は、大腸菌trpプロモーター及びt
rpAターミネーターを含有する発現ベクターを用いる
ことによりうまく行われてきた(マツキら, Biotech, A
ppl. Biochem., 12:284-291, 1990)。この系では、ラッ
トカルモジュリンcDNAを、5’非翻訳配列を削除し
て大腸菌リボソーム結合部位についてのコンセンサス配
列を取り込むように修飾した。翻訳開始コドンの周囲の
大腸菌コンセンサスヌクレオチド配列に適する、N末端
アミノ酸のための多くのコドンが選ばれた。大腸菌内で
の発現を誘発することによって、可溶性ラットカルモジ
ュリンは全細胞性タンパク質の30%を越える割合を占
めた。フェニル−セファロースカラムクロマトグラフィ
ーを使用して、純度90%の組み換えカルモジュリン約
100mgが1リッターの培養液から得られた。本発明
においてラットカルモジュリン遺伝子の3’末端でTC
Rα遺伝子を融合するために、トロンビンにより認識さ
れるプロテアーゼ切断部位をコードする追加の配列、つ
まりLys−Val−Pro−Arg−Gly(チャン
(Chang), Eur. J. Biochem., 151:217-224, 1985)をカ
ルモジュリンのC末端に挿入する。この工夫は、次の多
くの理由で、TCRαタンパク質を切り離すのを可能に
する:1)発現レベルが高い、2)融合タンパク質が可
溶型で発現される、3)該タンパク質の精製が驚くほど
簡単である、4)各TCRαタンパク質についての個々
の再生(refolding) プロセスが不要である。
ーとしてラットカルモジュリンを使用することに基づく
新規な融合遺伝子発現系を提供する。該系は、好ましく
は、生物活性を有するTCRαタンパク質の高発現及び
精製に使用することができる。大腸菌内でのラットカル
モジュリンの発現は、大腸菌trpプロモーター及びt
rpAターミネーターを含有する発現ベクターを用いる
ことによりうまく行われてきた(マツキら, Biotech, A
ppl. Biochem., 12:284-291, 1990)。この系では、ラッ
トカルモジュリンcDNAを、5’非翻訳配列を削除し
て大腸菌リボソーム結合部位についてのコンセンサス配
列を取り込むように修飾した。翻訳開始コドンの周囲の
大腸菌コンセンサスヌクレオチド配列に適する、N末端
アミノ酸のための多くのコドンが選ばれた。大腸菌内で
の発現を誘発することによって、可溶性ラットカルモジ
ュリンは全細胞性タンパク質の30%を越える割合を占
めた。フェニル−セファロースカラムクロマトグラフィ
ーを使用して、純度90%の組み換えカルモジュリン約
100mgが1リッターの培養液から得られた。本発明
においてラットカルモジュリン遺伝子の3’末端でTC
Rα遺伝子を融合するために、トロンビンにより認識さ
れるプロテアーゼ切断部位をコードする追加の配列、つ
まりLys−Val−Pro−Arg−Gly(チャン
(Chang), Eur. J. Biochem., 151:217-224, 1985)をカ
ルモジュリンのC末端に挿入する。この工夫は、次の多
くの理由で、TCRαタンパク質を切り離すのを可能に
する:1)発現レベルが高い、2)融合タンパク質が可
溶型で発現される、3)該タンパク質の精製が驚くほど
簡単である、4)各TCRαタンパク質についての個々
の再生(refolding) プロセスが不要である。
【0025】5.発明の詳細な説明 本発明は、抗原特異的免疫応答の制御における、T細胞
抗原レセプターの抗原−結合性α鎖の使用を包含する。
本発明のある面に従えば、TCRα鎖の、抗原と結合す
る能力および該抗原に特異的な免疫応答を調節する能力
を評価する。この目的に使用するin vitroアッ
セイを本明細書に記載する。適当な活性を示すTCRα
鎖を、例えば、組換えDNA法および/または化学合成
法で大量に生産し、特定抗原に対する免疫応答をアップ
レギュレーションまたはダウンレギュレーションするた
めに使用できる。例えば、過敏症反応、自己免疫応答お
よび移植片拒絶応答が、これらに対応する抗原に特異的
でかつ抗原特異的抑制を誘導するTCRα鎖を用いて抑
制できる。あるいは、特定抗原に対する免疫応答を特異
的に増強するために、このようなα鎖の除去、または個
体中におけるこのようなα鎖の生産の阻害によって、抗
原に対する免疫を増大することができる。逆に、抗原に
対する免疫応答を増大するTCRα鎖を同定して利用す
ることができる。
抗原レセプターの抗原−結合性α鎖の使用を包含する。
本発明のある面に従えば、TCRα鎖の、抗原と結合す
る能力および該抗原に特異的な免疫応答を調節する能力
を評価する。この目的に使用するin vitroアッ
セイを本明細書に記載する。適当な活性を示すTCRα
鎖を、例えば、組換えDNA法および/または化学合成
法で大量に生産し、特定抗原に対する免疫応答をアップ
レギュレーションまたはダウンレギュレーションするた
めに使用できる。例えば、過敏症反応、自己免疫応答お
よび移植片拒絶応答が、これらに対応する抗原に特異的
でかつ抗原特異的抑制を誘導するTCRα鎖を用いて抑
制できる。あるいは、特定抗原に対する免疫応答を特異
的に増強するために、このようなα鎖の除去、または個
体中におけるこのようなα鎖の生産の阻害によって、抗
原に対する免疫を増大することができる。逆に、抗原に
対する免疫応答を増大するTCRα鎖を同定して利用す
ることができる。
【0026】本発明は、部分的には、抗原と直接結合
し、該抗原に対して生じる免疫応答を抑制するTCRα
鎖の分泌形を発見したことに基づく。特に、抗原と結合
し、かつ適当な補助成分(accessory com
ponent)の存在下に該抗原に対する免疫応答を阻
害するTCRα鎖の分泌形を継続的に放出する合成ポリ
ペプチド抗原、poly 18、plus 1−Adに
特異的なCD4+ヘルパーT細胞ハイブリドーマである
A1.1が記載される。本明細書に記載するA1.1
TCRα鎖遺伝子の単離およびそのpoly 18非反
応性T細胞系への移入(下記セクション6参照)、なら
びにA1.1 TCRα鎖遺伝子のin vitroで
の転写および翻訳産物がこの制御活性を媒介することを
示したこと(下記セクション7参照)は、TCRβ鎖遺
伝子ではなく、TCRα鎖遺伝子が、抗原と直接結合
し、かつ制御機能を媒介する制御因子をコードする役目
をもっていることを示している。TCRα鎖の生産と抗
原特異的免疫制御剤としてのその使用を以下のセクショ
ンに詳述し、かつ実施例として記載する。
し、該抗原に対して生じる免疫応答を抑制するTCRα
鎖の分泌形を発見したことに基づく。特に、抗原と結合
し、かつ適当な補助成分(accessory com
ponent)の存在下に該抗原に対する免疫応答を阻
害するTCRα鎖の分泌形を継続的に放出する合成ポリ
ペプチド抗原、poly 18、plus 1−Adに
特異的なCD4+ヘルパーT細胞ハイブリドーマである
A1.1が記載される。本明細書に記載するA1.1
TCRα鎖遺伝子の単離およびそのpoly 18非反
応性T細胞系への移入(下記セクション6参照)、なら
びにA1.1 TCRα鎖遺伝子のin vitroで
の転写および翻訳産物がこの制御活性を媒介することを
示したこと(下記セクション7参照)は、TCRβ鎖遺
伝子ではなく、TCRα鎖遺伝子が、抗原と直接結合
し、かつ制御機能を媒介する制御因子をコードする役目
をもっていることを示している。TCRα鎖の生産と抗
原特異的免疫制御剤としてのその使用を以下のセクショ
ンに詳述し、かつ実施例として記載する。
【0027】5.1.TCRα鎖の生産 本発明は、抗原−結合性および免疫制御活性の両方を有
するTCRα鎖(αおよびβの完全なT細胞表面抗原レ
セプターではない)に関する。抗原特異的制御活性をも
つ抗原結合性TCRαタンパク質が種々の方法により生
産される。例えば、TCRα鎖タンパク質の発現は組換
えDNA法および/または既知のアミノ酸配列に基づく
化学合成法により達成される。あるいは、この活性体を
持続的に放出するT細胞株の培養上清からTCRα鎖を
直接精製することができる。
するTCRα鎖(αおよびβの完全なT細胞表面抗原レ
セプターではない)に関する。抗原特異的制御活性をも
つ抗原結合性TCRαタンパク質が種々の方法により生
産される。例えば、TCRα鎖タンパク質の発現は組換
えDNA法および/または既知のアミノ酸配列に基づく
化学合成法により達成される。あるいは、この活性体を
持続的に放出するT細胞株の培養上清からTCRα鎖を
直接精製することができる。
【0028】5.1.1.TCRα鎖の評価 このようなTCRα鎖生産に使用する方法のいかんにか
かわらず、分子の抗原結合能力および免疫制御活性は評
価されなければならない。例えば、TCRα鎖が興味あ
る抗原と直接結合する能力は、ELISA(酵素結合イ
ムノソルベントアッセイ)、免疫沈降、ウエスタンブロ
ット、またはラジオイムノアッセイなどを含むアッセイ
系で通常使用する抗体に変えてTCRα鎖を用いる改変
免疫アッセイ法によって評価できるが、これに限定され
るものではない。
かわらず、分子の抗原結合能力および免疫制御活性は評
価されなければならない。例えば、TCRα鎖が興味あ
る抗原と直接結合する能力は、ELISA(酵素結合イ
ムノソルベントアッセイ)、免疫沈降、ウエスタンブロ
ット、またはラジオイムノアッセイなどを含むアッセイ
系で通常使用する抗体に変えてTCRα鎖を用いる改変
免疫アッセイ法によって評価できるが、これに限定され
るものではない。
【0029】抗原結合性TCRα鎖の免疫制御能力は、
抗原特異的な方法で免疫応答を検出できるいかなるアッ
セイ系を用いて評価してもよい。例えば、本明細書に記
載し、実施したPFCアッセイを用いて、特定抗原に向
けられた免疫応答を抑制するTCRα鎖を同定できる。
ヒツジ赤血球(SRBC)などの高度に免疫原性を持つ
担体の存在下に脾臓細胞を培養すると、免疫応答が生じ
てプラーク形成細胞が生じる。培養脾臓細胞をSRBC
(または適当な溶血可能な担体)および補体と混合し、
混合物を単層として培養することにより、培養物当たり
のPFCの数をアッセイできる。透明なプラークに囲ま
れた細胞(例えば、溶血赤血球)をPFCとして計測す
る。脾臓細胞培養におけるPFC生成の阻害、すなわち
PFC/培養の数の減少は、免疫応答の抑制を示す。T
CRα鎖の抑制活性を試験して、抑制が抗原特異的であ
ることを確認するために、以下のPFCアッセイを行っ
てもよい:興味ある抗原をSRBCと結合させ(Ag−
SRBC)、非免疫マウスからの脾臓細胞に加える。該
抗原に特異的なTCRα鎖の免疫制御効果は、以下に記
載する補助成分の存在下に試験すべきTCRα鎖を培養
物に加えることにより(すなわち、補助成分は試験すべ
きTCRα鎖を加える前、または同時に加えるべきであ
る)評価できる。対照培養物には、補助成分の非存在下
にTCRα鎖を加えるか、その逆であり、あるいは無関
係な抗原を使用することができる。培養後、PFC/培
養の数を各条件から評価する。試験培養物におけるPF
C産生の阻害は、対照で観察された阻害と比較して、試
験したTCRα鎖が、培養系で通常生じる免疫応答を抗
原特異的に抑制することを示す。
抗原特異的な方法で免疫応答を検出できるいかなるアッ
セイ系を用いて評価してもよい。例えば、本明細書に記
載し、実施したPFCアッセイを用いて、特定抗原に向
けられた免疫応答を抑制するTCRα鎖を同定できる。
ヒツジ赤血球(SRBC)などの高度に免疫原性を持つ
担体の存在下に脾臓細胞を培養すると、免疫応答が生じ
てプラーク形成細胞が生じる。培養脾臓細胞をSRBC
(または適当な溶血可能な担体)および補体と混合し、
混合物を単層として培養することにより、培養物当たり
のPFCの数をアッセイできる。透明なプラークに囲ま
れた細胞(例えば、溶血赤血球)をPFCとして計測す
る。脾臓細胞培養におけるPFC生成の阻害、すなわち
PFC/培養の数の減少は、免疫応答の抑制を示す。T
CRα鎖の抑制活性を試験して、抑制が抗原特異的であ
ることを確認するために、以下のPFCアッセイを行っ
てもよい:興味ある抗原をSRBCと結合させ(Ag−
SRBC)、非免疫マウスからの脾臓細胞に加える。該
抗原に特異的なTCRα鎖の免疫制御効果は、以下に記
載する補助成分の存在下に試験すべきTCRα鎖を培養
物に加えることにより(すなわち、補助成分は試験すべ
きTCRα鎖を加える前、または同時に加えるべきであ
る)評価できる。対照培養物には、補助成分の非存在下
にTCRα鎖を加えるか、その逆であり、あるいは無関
係な抗原を使用することができる。培養後、PFC/培
養の数を各条件から評価する。試験培養物におけるPF
C産生の阻害は、対照で観察された阻害と比較して、試
験したTCRα鎖が、培養系で通常生じる免疫応答を抗
原特異的に抑制することを示す。
【0030】試験系で使用した補助成分は、T細胞を刺
激するために使用された抗原と直接結合するTCRα鎖
を含むあらゆる可溶性因子を除いた刺激されたT細胞の
上清を含む。その結果、補助成分自体は免疫応答を抑制
しない。抗原特異的PFCアッセイで用いられた担体/
インディケーターでin vivo刺激されたT細胞か
ら補助成分は産生される。例えば、Ag−SRBCがタ
ーゲットである上記のPFCアッセイ系に用いる補助成
分の調製には以下の手法が使用できる。SRBC−免疫
したマウスに由来する脾臓細胞からB細胞を除去し、豊
富なT細胞を培養するか、または再生産可能で継続的な
培養上清の供給源として使用できるT細胞ハイブリドー
マを産生するのに使用する。PFCアッセイを用いて、
抗−SRBC免疫応答を阻害するT細胞培養物の上清の
能力を試験する。該PFCアッセイでは、T細胞上清の
存在下または非存在下に培養脾臓細胞にSRBCを加え
る。抗−SRBC応答を阻害することが見いだされたT
細胞培養上清を次いでSRBCで吸着し、SRBCと直
接結合する可溶性TCRα鎖のようなすべての可溶性因
子を除去する。次いでPFCアッセイを用いて、吸着さ
れた上清の抗−SRBC免疫応答阻害能力を試験する。
抗−SRBC応答を阻害しないこれらの吸着された上清
は、抗原特異的免疫抑制活性を示すTCRα鎖を同定す
るようにデザインされたPFCアッセイ(すなわち、A
g−SRBCターゲットを用いるPFCアッセイ)にお
ける補助成分として使用される。あるいは、吸着工程を
必要としない補助成分を産生するT細胞ハイブリーマ;
例えば、培養上清中に補助成分を構成的に産生する、下
記のセクション8(図1参照)に記載のハイブリーマ3
−1−Vを作成してもよい。したがって、補助成分は、
それ自身に阻害的ではないが、TCRα鎖などの抗原特
異的因子が抗原特異的な方法で免疫応答を抑制できるよ
うな1またはそれ以上の因子を含む。このようなアッセ
イ系の実例を下記のセクション6.1.5.に記載す
る。
激するために使用された抗原と直接結合するTCRα鎖
を含むあらゆる可溶性因子を除いた刺激されたT細胞の
上清を含む。その結果、補助成分自体は免疫応答を抑制
しない。抗原特異的PFCアッセイで用いられた担体/
インディケーターでin vivo刺激されたT細胞か
ら補助成分は産生される。例えば、Ag−SRBCがタ
ーゲットである上記のPFCアッセイ系に用いる補助成
分の調製には以下の手法が使用できる。SRBC−免疫
したマウスに由来する脾臓細胞からB細胞を除去し、豊
富なT細胞を培養するか、または再生産可能で継続的な
培養上清の供給源として使用できるT細胞ハイブリドー
マを産生するのに使用する。PFCアッセイを用いて、
抗−SRBC免疫応答を阻害するT細胞培養物の上清の
能力を試験する。該PFCアッセイでは、T細胞上清の
存在下または非存在下に培養脾臓細胞にSRBCを加え
る。抗−SRBC応答を阻害することが見いだされたT
細胞培養上清を次いでSRBCで吸着し、SRBCと直
接結合する可溶性TCRα鎖のようなすべての可溶性因
子を除去する。次いでPFCアッセイを用いて、吸着さ
れた上清の抗−SRBC免疫応答阻害能力を試験する。
抗−SRBC応答を阻害しないこれらの吸着された上清
は、抗原特異的免疫抑制活性を示すTCRα鎖を同定す
るようにデザインされたPFCアッセイ(すなわち、A
g−SRBCターゲットを用いるPFCアッセイ)にお
ける補助成分として使用される。あるいは、吸着工程を
必要としない補助成分を産生するT細胞ハイブリーマ;
例えば、培養上清中に補助成分を構成的に産生する、下
記のセクション8(図1参照)に記載のハイブリーマ3
−1−Vを作成してもよい。したがって、補助成分は、
それ自身に阻害的ではないが、TCRα鎖などの抗原特
異的因子が抗原特異的な方法で免疫応答を抑制できるよ
うな1またはそれ以上の因子を含む。このようなアッセ
イ系の実例を下記のセクション6.1.5.に記載す
る。
【0031】逆に、免疫応答を増強するTCRα鎖が同
様の方法で同定される。このような場合、吸着前にはP
FC産生の増加を示し、吸着後は活性を示さないT細胞
ハイブリーマまたはT細胞培養上清から調製した補助成
分を、Ag−SRBCに対する免疫応答を抗原特異的に
増強するTCRα鎖を同定するようにデザインされたP
FCアッセイに用いることができる。上記のアッセイ系
は免疫応答を評価するために非感作脾臓細胞培養物を用
いており、また補助成分の調製に担体−感作脾臓細胞培
養物を用いているので、培養脾臓細胞には動物由来の供
給源(例えば、マウス、ラット、ウサギおよび非ヒト霊
長類)を使用することに限定されうる。しかしながら、
ヒトTCRα鎖の免疫制御活性の試験に使用することは
できる。実際、多くのヒト免疫機能が動物を基礎とする
アッセイ系で試験されている。例えば、補体媒介性の溶
血などのヒト抗体エフェクター機能、および抗体依存性
細胞の細胞障害性がそれぞれ動物血清と動物エフェクタ
ー細胞を用いて実施できる。しかしながら、動物脾臓細
胞培養物に代えてヒト細胞培養物を用いて上記のPFC
アッセイを改変することが好ましい。例えば、特定抗原
に対する免疫応答に及ぼすTCRα鎖の影響は、Tho
masら(1980, J. Immunol. 125:2402)(Thomas, 19
82, J. Immunol. 128:1386も参照のこと)の記載する逆
溶血PFCアッセイを用いて評価することができる。こ
のアッセイ系では、ポークウィードマイトジェンで刺激
したT細胞の上清を補助成分の供給源として用いること
ができる。
様の方法で同定される。このような場合、吸着前にはP
FC産生の増加を示し、吸着後は活性を示さないT細胞
ハイブリーマまたはT細胞培養上清から調製した補助成
分を、Ag−SRBCに対する免疫応答を抗原特異的に
増強するTCRα鎖を同定するようにデザインされたP
FCアッセイに用いることができる。上記のアッセイ系
は免疫応答を評価するために非感作脾臓細胞培養物を用
いており、また補助成分の調製に担体−感作脾臓細胞培
養物を用いているので、培養脾臓細胞には動物由来の供
給源(例えば、マウス、ラット、ウサギおよび非ヒト霊
長類)を使用することに限定されうる。しかしながら、
ヒトTCRα鎖の免疫制御活性の試験に使用することは
できる。実際、多くのヒト免疫機能が動物を基礎とする
アッセイ系で試験されている。例えば、補体媒介性の溶
血などのヒト抗体エフェクター機能、および抗体依存性
細胞の細胞障害性がそれぞれ動物血清と動物エフェクタ
ー細胞を用いて実施できる。しかしながら、動物脾臓細
胞培養物に代えてヒト細胞培養物を用いて上記のPFC
アッセイを改変することが好ましい。例えば、特定抗原
に対する免疫応答に及ぼすTCRα鎖の影響は、Tho
masら(1980, J. Immunol. 125:2402)(Thomas, 19
82, J. Immunol. 128:1386も参照のこと)の記載する逆
溶血PFCアッセイを用いて評価することができる。こ
のアッセイ系では、ポークウィードマイトジェンで刺激
したT細胞の上清を補助成分の供給源として用いること
ができる。
【0032】5.1.2.T細胞の選択 本発明の方法で用いるTCRα鎖の供給源および/また
はTCRα鎖の生産に用いる遺伝物質の供給源として使
用できる抗原特異的T細胞は、当業界で周知の多数のi
n vitro法により作成および選択できる。T細胞
の供給源は末梢血、リンパ節、脾臓、およびその他のリ
ンパ球器官、ならびに腫瘍結節のようなT細胞が浸潤す
る組織部位でありうる。密度勾配遠心またはCD2、C
D3、CD4、CD8などのT細胞表面マーカーに対す
る抗体を用いる細胞ソーティング法によって、T細胞画
分を他のタイプの細胞から分離してよい。これらの方法
は、パニング、アフィニティクロマトグラフィー、フロ
ーサイトメトリー、磁気ビーズ分離などを含むがこれに
限定されない。T細胞では発現されないマーカーに対す
る抗体を用いて非T細胞集団を除去するか、あるいは種
々の基質への付着などの非T細胞の膜の性質を利用して
T細胞の比率を増す、ネガティブ選択法を用いることも
できる。さらに興味あるT細胞サブセットを選択するに
は、ヘルパーおよび細胞障害性/サプレッサーT細胞の
選択にはそれぞれ抗−CD4および抗−CD8のような
より特異的なマーカー、または記憶細胞のようなT細胞
サブセット上で発現したマーカーに対する抗体を用いて
上記の方法を応用できる。
はTCRα鎖の生産に用いる遺伝物質の供給源として使
用できる抗原特異的T細胞は、当業界で周知の多数のi
n vitro法により作成および選択できる。T細胞
の供給源は末梢血、リンパ節、脾臓、およびその他のリ
ンパ球器官、ならびに腫瘍結節のようなT細胞が浸潤す
る組織部位でありうる。密度勾配遠心またはCD2、C
D3、CD4、CD8などのT細胞表面マーカーに対す
る抗体を用いる細胞ソーティング法によって、T細胞画
分を他のタイプの細胞から分離してよい。これらの方法
は、パニング、アフィニティクロマトグラフィー、フロ
ーサイトメトリー、磁気ビーズ分離などを含むがこれに
限定されない。T細胞では発現されないマーカーに対す
る抗体を用いて非T細胞集団を除去するか、あるいは種
々の基質への付着などの非T細胞の膜の性質を利用して
T細胞の比率を増す、ネガティブ選択法を用いることも
できる。さらに興味あるT細胞サブセットを選択するに
は、ヘルパーおよび細胞障害性/サプレッサーT細胞の
選択にはそれぞれ抗−CD4および抗−CD8のような
より特異的なマーカー、または記憶細胞のようなT細胞
サブセット上で発現したマーカーに対する抗体を用いて
上記の方法を応用できる。
【0033】抗原特異的なT細胞系は、適当な照射抗原
提示細胞およびサイトカインの存在下に、最適濃度の特
定抗原で繰り返し刺激することにより、in vitr
oで作成できる。抗原−提示細胞は自己由来またはMH
C適合性の供給源から得るべきであり、これはマクロフ
ァージ、樹枝状細胞、ランゲルハンス細胞、EBV−形
質転換B細胞または未分離の末梢血単核細胞でありう
る。サイトカインはインターロイキン1、2、4および
6などの天然または組換え型の各種インターロイキンを
含みうる。このような方法の1例については、例えば、
Tanaka et al., 1990, J. Immunol. 145:2846-2853を参
照されたい。
提示細胞およびサイトカインの存在下に、最適濃度の特
定抗原で繰り返し刺激することにより、in vitr
oで作成できる。抗原−提示細胞は自己由来またはMH
C適合性の供給源から得るべきであり、これはマクロフ
ァージ、樹枝状細胞、ランゲルハンス細胞、EBV−形
質転換B細胞または未分離の末梢血単核細胞でありう
る。サイトカインはインターロイキン1、2、4および
6などの天然または組換え型の各種インターロイキンを
含みうる。このような方法の1例については、例えば、
Tanaka et al., 1990, J. Immunol. 145:2846-2853を参
照されたい。
【0034】照射した支持細胞(feeder cel
l)、抗原およびサイトカインの存在下に、限界希釈ク
ローニング法を用いるT細胞クローニングにより、抗原
特異的T細胞のクローン集団を得ることができる。ある
いは、抗原特異的T細胞と、BW5147やBW110
0などの融合パートナー腫瘍株との融合、次いでHAT
選択と再クローニングを行うことによってT細胞ハイブ
リドーマを作製できる。抗原特異的T細胞もまた、CD
3に対するモノクローナル抗体を使用することによりク
ローン化し、増殖することができる。in vivo供
給源から直接得た細胞を用いて、T細胞クローンおよび
T細胞ハイブリドーマを作成し、次いで抗原特異性を試
験して選択することができ、あるいはまた、抗原特異的
T細胞系をクローニングおよび融合の前に確認すること
ができる。T細胞クローンは7−14日毎に抗原または
抗−CD3で繰り返し刺激することにより長期間培養状
態に維持し、次いでサイトカインで増大させることがで
き、一方、T細胞ハイブリドーマは定期的な抗原刺激を
行うことなく適当な培地中で生育させることができる。
l)、抗原およびサイトカインの存在下に、限界希釈ク
ローニング法を用いるT細胞クローニングにより、抗原
特異的T細胞のクローン集団を得ることができる。ある
いは、抗原特異的T細胞と、BW5147やBW110
0などの融合パートナー腫瘍株との融合、次いでHAT
選択と再クローニングを行うことによってT細胞ハイブ
リドーマを作製できる。抗原特異的T細胞もまた、CD
3に対するモノクローナル抗体を使用することによりク
ローン化し、増殖することができる。in vivo供
給源から直接得た細胞を用いて、T細胞クローンおよび
T細胞ハイブリドーマを作成し、次いで抗原特異性を試
験して選択することができ、あるいはまた、抗原特異的
T細胞系をクローニングおよび融合の前に確認すること
ができる。T細胞クローンは7−14日毎に抗原または
抗−CD3で繰り返し刺激することにより長期間培養状
態に維持し、次いでサイトカインで増大させることがで
き、一方、T細胞ハイブリドーマは定期的な抗原刺激を
行うことなく適当な培地中で生育させることができる。
【0035】モノクローナルなT細胞集団の抗原特異性
は、増殖および/または抗原に応答してこれらの細胞が
産生するリンホカイン産生を測定するin vitro
アッセイで評価できる。T細胞の表現型は種々のT細胞
マーカーに対する抗体で染色することにより確認でき
る。このような抗原特異的T細胞は、構成的にTCRα
鎖を分泌するか、またはそのα鎖の放出のためには活性
化シグナルを必要としうる。好ましくは、組換えDNA
および/または化学合成法によってTCRα鎖を生産す
るのに必要な遺伝子物質の供給源として抗原特異的T細
胞を用いてもよい。このアプローチを用いて、天然に生
じるTCRα鎖を分泌しないかもしれないある種の抗原
−特異的T細胞を、本発明に従って用いられるTCRα
鎖の遺伝子物質の供給源として使用することができる。
は、増殖および/または抗原に応答してこれらの細胞が
産生するリンホカイン産生を測定するin vitro
アッセイで評価できる。T細胞の表現型は種々のT細胞
マーカーに対する抗体で染色することにより確認でき
る。このような抗原特異的T細胞は、構成的にTCRα
鎖を分泌するか、またはそのα鎖の放出のためには活性
化シグナルを必要としうる。好ましくは、組換えDNA
および/または化学合成法によってTCRα鎖を生産す
るのに必要な遺伝子物質の供給源として抗原特異的T細
胞を用いてもよい。このアプローチを用いて、天然に生
じるTCRα鎖を分泌しないかもしれないある種の抗原
−特異的T細胞を、本発明に従って用いられるTCRα
鎖の遺伝子物質の供給源として使用することができる。
【0036】5.1.3.TCRα鎖コーディング配列
の単離 cDNA調製のためのメッセンジャーRNA(mRN
A)は所望のα鎖を生産する細胞供給源から得ることが
でき、一方TCRαのためのゲノミック配列はあらゆる
細胞供給源から得ることができる。上記セクション5.
1.2.で記載するようにして作成したT細胞はいずれ
もTCRα鎖のコーディング配列の供給源として、およ
び/またはcDNAまたはゲノミックライブラリーを調
製するために利用できる。さらに、リンパ球器官(例え
ば、脾臓、リンパ節、胸腺および末梢血リンパ球)の一
部をすりつぶして、DNAまたはRNA抽出の供給源と
して使用できる。あるいは、T細胞株をDNAまたはR
NAの簡便な供給源として使用できる。TCRαコーデ
ィング配列を含む遺伝子操作された微生物または細胞株
を、この目的のためのDNAの簡便な供給源として使用
できる。
の単離 cDNA調製のためのメッセンジャーRNA(mRN
A)は所望のα鎖を生産する細胞供給源から得ることが
でき、一方TCRαのためのゲノミック配列はあらゆる
細胞供給源から得ることができる。上記セクション5.
1.2.で記載するようにして作成したT細胞はいずれ
もTCRα鎖のコーディング配列の供給源として、およ
び/またはcDNAまたはゲノミックライブラリーを調
製するために利用できる。さらに、リンパ球器官(例え
ば、脾臓、リンパ節、胸腺および末梢血リンパ球)の一
部をすりつぶして、DNAまたはRNA抽出の供給源と
して使用できる。あるいは、T細胞株をDNAまたはR
NAの簡便な供給源として使用できる。TCRαコーデ
ィング配列を含む遺伝子操作された微生物または細胞株
を、この目的のためのDNAの簡便な供給源として使用
できる。
【0037】cDNAまたはゲノミックライブラリーは
当業界で周知の方法を用いて作成したDNA断片から調
製できる。TCRα配列の一部と相同なヌクレオチドプ
ローブでこのようなライブラリーをスクリーニングする
ことによりTCRαをコードする断片を同定できる。こ
の点において、ヒトおよびマウスではTCRαのための
単一の不変領域遺伝子(Cα)が存在することに注意す
べきである。どちらの種についてもCαをコードするヌ
クレオチド配列が公知であるので、不変領域と相同なD
NAプローブを当業界での標準法で合成して、上記セク
ション5.1.2.で記載したようなT細胞から、TC
Rα遺伝子またはTCRα cDNAの合成に使用でき
るmRNA転写物を単離し、このようなT細胞から調製
したcDNAライブラリー中の適当なTCRα配列また
はゲノミッククローンを同定するのに用いることができ
る。あるいは、所望のTCRα鎖の可変領域に特異的な
オリゴヌクレオチドを構築できるが、この場合には可変
領域の配列によりケースバイケースでデザインしなけれ
ばならない。不変領域に基づいてデザインされたオリゴ
ヌクレオチドプローブは、あらゆるTCRα鎖遺伝子ま
たはコーディング配列を”釣りあげる”のに使用できる
ので、この点において有利である。コーディング配列の
一部をクローニングおよび発現に使用できるが、全長ク
ローン、すなわちTCRαのための全コーディング領域
を含むものが発現には好ましい。この目的には、DNA
の単離、適当な制限断片の作成、クローンとライブラリ
ーの構築、および組換え体をスクリーニングするための
当業者に周知の技術を使用できる。当業者に公知の方法
をこの目的に使用できる。例えば、Maniatisら
(1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Co
ld Spring Harbor Laboratory, N.Y.)に記載の方法を
参照されたい。下記セクション6の実施例による特定の
態様においては、TCRα鎖遺伝子のための完全ヌクレ
オチドコーディング配列が図2に示すT細胞ハイブリド
ーマ、A1.1から単離された。
当業界で周知の方法を用いて作成したDNA断片から調
製できる。TCRα配列の一部と相同なヌクレオチドプ
ローブでこのようなライブラリーをスクリーニングする
ことによりTCRαをコードする断片を同定できる。こ
の点において、ヒトおよびマウスではTCRαのための
単一の不変領域遺伝子(Cα)が存在することに注意す
べきである。どちらの種についてもCαをコードするヌ
クレオチド配列が公知であるので、不変領域と相同なD
NAプローブを当業界での標準法で合成して、上記セク
ション5.1.2.で記載したようなT細胞から、TC
Rα遺伝子またはTCRα cDNAの合成に使用でき
るmRNA転写物を単離し、このようなT細胞から調製
したcDNAライブラリー中の適当なTCRα配列また
はゲノミッククローンを同定するのに用いることができ
る。あるいは、所望のTCRα鎖の可変領域に特異的な
オリゴヌクレオチドを構築できるが、この場合には可変
領域の配列によりケースバイケースでデザインしなけれ
ばならない。不変領域に基づいてデザインされたオリゴ
ヌクレオチドプローブは、あらゆるTCRα鎖遺伝子ま
たはコーディング配列を”釣りあげる”のに使用できる
ので、この点において有利である。コーディング配列の
一部をクローニングおよび発現に使用できるが、全長ク
ローン、すなわちTCRαのための全コーディング領域
を含むものが発現には好ましい。この目的には、DNA
の単離、適当な制限断片の作成、クローンとライブラリ
ーの構築、および組換え体をスクリーニングするための
当業者に周知の技術を使用できる。当業者に公知の方法
をこの目的に使用できる。例えば、Maniatisら
(1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Co
ld Spring Harbor Laboratory, N.Y.)に記載の方法を
参照されたい。下記セクション6の実施例による特定の
態様においては、TCRα鎖遺伝子のための完全ヌクレ
オチドコーディング配列が図2に示すT細胞ハイブリド
ーマ、A1.1から単離された。
【0038】あるいは、直接クローン化できるTCRα
配列のcDNAまたはゲノムのコピーを作製するため
に、特異的TCRα配列に由来するオリゴヌクレオチド
プローブをPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法のプライ
マーとして用いることができる。かかるPCR法の総説
については、例えば、Gelfand,D.H.,19
89の”PCR法、DNA増幅の原理と応用”(Ed.,
H.A.Erlich, Stockton Press, N.Y.); および”分子生
物学における最近のプロトコル”(Vol.2, Ch.15,Eds.
Ausubel et al., John Willey & Sons, 1988)を参照さ
れたい。
配列のcDNAまたはゲノムのコピーを作製するため
に、特異的TCRα配列に由来するオリゴヌクレオチド
プローブをPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法のプライ
マーとして用いることができる。かかるPCR法の総説
については、例えば、Gelfand,D.H.,19
89の”PCR法、DNA増幅の原理と応用”(Ed.,
H.A.Erlich, Stockton Press, N.Y.); および”分子生
物学における最近のプロトコル”(Vol.2, Ch.15,Eds.
Ausubel et al., John Willey & Sons, 1988)を参照さ
れたい。
【0039】TCRαコーディング配列を同定しクロー
ン化する方法のいかんにかかわらず、発現クローニング
法はスクリーニングの手間を実質的に減少させるために
利用できる。最近になって、抗体遺伝子をクローニング
し発現させる1段階法が報告されている(McCafferty e
t al., 1990, Nature 348:552-554; Winter and Milste
in, 1991, Nature 349:293-299)。この技法に基づい
て、TCRα鎖遺伝子を、λやfdなどのバクテリオフ
ァージのコートタンパク質遺伝子に隣接する部位でベク
ター中に直接クローニングできる。TCRα遺伝子をも
つファージはその表面上に融合タンパク質を発現し、そ
の結果、抗原またはTCRα−特異的抗体を含むカラム
を用いて結合活性をもつファージ粒子を選択および単離
できる。正しいTCRα遺伝子を同定するのに、一過性
遺伝子発現系もまた利用できる。例えば、COS細胞系
(例えば、Gerard & Gluzman, 1986, Mol. Cell. Biol.
6(12) 4570-4577)を使用できるが、CD3δ鎖遺伝子
と同時トランスフェクションしておいたCOS細胞の抽
出物中でTCRα鎖の発現を検出すべきである(Bonifa
cino et al., 1990, Cell 63:503-513)。
ン化する方法のいかんにかかわらず、発現クローニング
法はスクリーニングの手間を実質的に減少させるために
利用できる。最近になって、抗体遺伝子をクローニング
し発現させる1段階法が報告されている(McCafferty e
t al., 1990, Nature 348:552-554; Winter and Milste
in, 1991, Nature 349:293-299)。この技法に基づい
て、TCRα鎖遺伝子を、λやfdなどのバクテリオフ
ァージのコートタンパク質遺伝子に隣接する部位でベク
ター中に直接クローニングできる。TCRα遺伝子をも
つファージはその表面上に融合タンパク質を発現し、そ
の結果、抗原またはTCRα−特異的抗体を含むカラム
を用いて結合活性をもつファージ粒子を選択および単離
できる。正しいTCRα遺伝子を同定するのに、一過性
遺伝子発現系もまた利用できる。例えば、COS細胞系
(例えば、Gerard & Gluzman, 1986, Mol. Cell. Biol.
6(12) 4570-4577)を使用できるが、CD3δ鎖遺伝子
と同時トランスフェクションしておいたCOS細胞の抽
出物中でTCRα鎖の発現を検出すべきである(Bonifa
cino et al., 1990, Cell 63:503-513)。
【0040】TCRαのクローニングおよび発現のため
の本発明の実施において、ヌクレオチドコーディング配
列の縮重のために、あらゆる公知の抗原特異的TCRα
鎖遺伝子の類似のアミノ酸配列をコードする他のDNA
配列を使用してもよい。このような変更は欠失、付加ま
たは異なるヌクレオチド残基による置換を含むが、これ
によって同一または機能的に均等な遺伝子産物をコード
する配列が得られる。遺伝子産物は配列内のアミノ酸残
基の欠失、付加または置換を含んでもよいが、これはサ
イレントチェンジであり生物活性を持つ産物を生産す
る。このようなアミノ酸の置換は含まれる残基の極性、
電荷、溶解度、疎水性、親水性および/または両親媒性
の類似性に基づいて実施することができる。例えば、負
に荷電したアミノ酸はアスパラギン酸およびグルタミン
酸を含み;正に荷電したアミノ酸はリジンおよびアルギ
ニンを含み;同様の親水性度をもつ非荷電極性側鎖を有
するアミノ酸は以下のものを含む:ロイシン、イソロイ
シン、バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グ
ルタミン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チ
ロシン。
の本発明の実施において、ヌクレオチドコーディング配
列の縮重のために、あらゆる公知の抗原特異的TCRα
鎖遺伝子の類似のアミノ酸配列をコードする他のDNA
配列を使用してもよい。このような変更は欠失、付加ま
たは異なるヌクレオチド残基による置換を含むが、これ
によって同一または機能的に均等な遺伝子産物をコード
する配列が得られる。遺伝子産物は配列内のアミノ酸残
基の欠失、付加または置換を含んでもよいが、これはサ
イレントチェンジであり生物活性を持つ産物を生産す
る。このようなアミノ酸の置換は含まれる残基の極性、
電荷、溶解度、疎水性、親水性および/または両親媒性
の類似性に基づいて実施することができる。例えば、負
に荷電したアミノ酸はアスパラギン酸およびグルタミン
酸を含み;正に荷電したアミノ酸はリジンおよびアルギ
ニンを含み;同様の親水性度をもつ非荷電極性側鎖を有
するアミノ酸は以下のものを含む:ロイシン、イソロイ
シン、バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グ
ルタミン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チ
ロシン。
【0041】TCRα鎖配列は、安定性および半減期を
改良するなど、in vivoで使用できるような改良
された性質をもつ遺伝子産物を得るように修飾できる。
例えば、TCRα鎖遺伝子またはその可変領域を、Ig
Gなどのヒト免疫グロブリン遺伝子の不変領域と連結す
ることによってハイブリッド遺伝子を構築できる。これ
に応用できる技術については、Capon et al., 1989, Na
ture 337:525-531を参照されたい。
改良するなど、in vivoで使用できるような改良
された性質をもつ遺伝子産物を得るように修飾できる。
例えば、TCRα鎖遺伝子またはその可変領域を、Ig
Gなどのヒト免疫グロブリン遺伝子の不変領域と連結す
ることによってハイブリッド遺伝子を構築できる。これ
に応用できる技術については、Capon et al., 1989, Na
ture 337:525-531を参照されたい。
【0042】5.1.4.α鎖コーディング配列の発現 生物学的に活性を持つTCRα鎖を発現させるために
は、TCRαをコードするヌクレオチド配列または上記
セクション5.1.3に記載する機能的均等物を、適当
な発現ベクター、すなわち挿入したコーディング配列の
転写および翻訳に必要な要素を含むベクター中に挿入す
る。TCRαコーディング配列の修飾形は安定性、生産
性、精製または発現産物の収率を増強するように操作で
きる。例えば、TCRαと異種タンパク質を含む融合タ
ンパク質または切断可能な融合タンパク質を発現するよ
うに操作することができる。このような融合タンパク質
はアフィニティクロマトグラフィー、例えば異種タンパ
ク質に特異的なカラム上に固定することにより容易に単
離される。切断部位がTCRα部分と異種タンパク質と
の間に操作されている場合、切断部位を分断する適当な
酵素または薬剤で処理することによりクロマトグラフィ
ーカラムからTCRα鎖が放出される(例えば、Booth
et al., 1988, Immunol. Lett. 19:65-70;および Garde
lla et al., 1990, J. Biol. Chem. 265:15854-15859
)。
は、TCRαをコードするヌクレオチド配列または上記
セクション5.1.3に記載する機能的均等物を、適当
な発現ベクター、すなわち挿入したコーディング配列の
転写および翻訳に必要な要素を含むベクター中に挿入す
る。TCRαコーディング配列の修飾形は安定性、生産
性、精製または発現産物の収率を増強するように操作で
きる。例えば、TCRαと異種タンパク質を含む融合タ
ンパク質または切断可能な融合タンパク質を発現するよ
うに操作することができる。このような融合タンパク質
はアフィニティクロマトグラフィー、例えば異種タンパ
ク質に特異的なカラム上に固定することにより容易に単
離される。切断部位がTCRα部分と異種タンパク質と
の間に操作されている場合、切断部位を分断する適当な
酵素または薬剤で処理することによりクロマトグラフィ
ーカラムからTCRα鎖が放出される(例えば、Booth
et al., 1988, Immunol. Lett. 19:65-70;および Garde
lla et al., 1990, J. Biol. Chem. 265:15854-15859
)。
【0043】TCRαコーディング配列および適当な転
写/翻訳制御シグナルを含む発現ベクターの構築には当
業者に公知の方法を使用できる。これらの方法はin
vitroの組換えDNA技法、合成法およびin v
ivo組換え/遺伝子組換えを含む。例えば、Maniatis
et al., 1989, Molecular Cloning A Laboratory Manu
al, Cold Spring Harbor Laboratory, N.Y.を参照のこ
と。
写/翻訳制御シグナルを含む発現ベクターの構築には当
業者に公知の方法を使用できる。これらの方法はin
vitroの組換えDNA技法、合成法およびin v
ivo組換え/遺伝子組換えを含む。例えば、Maniatis
et al., 1989, Molecular Cloning A Laboratory Manu
al, Cold Spring Harbor Laboratory, N.Y.を参照のこ
と。
【0044】TCRαコーディング配列の発現には種々
の宿主−発現ベクター系を用いることができる。これら
はTCRαコーディング配列を含む組換えバクテリオフ
ァージDNA、プラスミドDNAまたはコスミドDNA
発現ベクターで形質転換された細菌などの微生物;TC
Rαコーディング配列を含む組換え酵母発現ベクターで
形質転換された酵母;TCRαコーディング配列を含む
組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモ
ザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、
TMV)で感染するか、または組換えプラスミド発現ベ
クター(例えば、Tiプラスミド)で形質転換された植
物細胞系;TCRαコーディング配列を含む組換えウイ
ルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)で感染
した昆虫細胞系;あるいはTCRαコーディング配列を
含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、レトロウイ
ルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス)で感染し
た動物細胞系、または安定な発現をするように操作され
た形質転換された動物細胞系を含むが、これに限定され
ない。下記のセクショ7に記載する実施例に示すよう
に、発現産物のグリコシル化はTCRα免疫制御活性に
は必要でないように思われる。したがって、細菌発現系
を高収率のTCRα生産に利用することが有利でありえ
る。しかしながら、グリコシル化は免疫制御活性には必
要でないけれども、in vivoで適用するには重要
であるかも知れない;例えば、グリコシル化産物はin
vivoで半減期が増加することが示されるかも知れ
ない。このような場合、翻訳および翻訳後の修飾ができ
るような発現系、例えば哺乳動物、昆虫、酵母または植
物発現系を用いることができる。
の宿主−発現ベクター系を用いることができる。これら
はTCRαコーディング配列を含む組換えバクテリオフ
ァージDNA、プラスミドDNAまたはコスミドDNA
発現ベクターで形質転換された細菌などの微生物;TC
Rαコーディング配列を含む組換え酵母発現ベクターで
形質転換された酵母;TCRαコーディング配列を含む
組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモ
ザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、
TMV)で感染するか、または組換えプラスミド発現ベ
クター(例えば、Tiプラスミド)で形質転換された植
物細胞系;TCRαコーディング配列を含む組換えウイ
ルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)で感染
した昆虫細胞系;あるいはTCRαコーディング配列を
含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、レトロウイ
ルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス)で感染し
た動物細胞系、または安定な発現をするように操作され
た形質転換された動物細胞系を含むが、これに限定され
ない。下記のセクショ7に記載する実施例に示すよう
に、発現産物のグリコシル化はTCRα免疫制御活性に
は必要でないように思われる。したがって、細菌発現系
を高収率のTCRα生産に利用することが有利でありえ
る。しかしながら、グリコシル化は免疫制御活性には必
要でないけれども、in vivoで適用するには重要
であるかも知れない;例えば、グリコシル化産物はin
vivoで半減期が増加することが示されるかも知れ
ない。このような場合、翻訳および翻訳後の修飾ができ
るような発現系、例えば哺乳動物、昆虫、酵母または植
物発現系を用いることができる。
【0045】使用する宿主/ベクター系により、構成お
よび誘導プロモーター、転写エンハンサー要素、転写タ
ーミネーターなどを含む多数の適当な転写および翻訳要
素を発現ベクターに使用できる(例えば、Bitter et a
l., 1987, Methods in Enzymolozy 153:516-544参
照)。例えば、バクテリア系でクローニングするには、
バクテリオファージλのpL、plac、ptrp、p
tac(ptrp−lacハイブリッドプロモーター)
などの誘導プロモーターを使用できる。哺乳動物細胞系
でクローニングするには、哺乳動物細胞のゲノム由来の
プロモーター(例えば、メタロチオネインプロモータ
ー)または哺乳動物ウイルス由来のプロモーター(例え
ば、レトロウイルスのロングターミナルリピート;アデ
ノウイルス後期プロモーター;ワクシニアウイルス7.
5Kプロモーター)を使用できる。組換えDNAまたは
合成法によって作成したプロモーターも挿入したTCR
αコーディング配列の転写をさせるために使用できる。
よび誘導プロモーター、転写エンハンサー要素、転写タ
ーミネーターなどを含む多数の適当な転写および翻訳要
素を発現ベクターに使用できる(例えば、Bitter et a
l., 1987, Methods in Enzymolozy 153:516-544参
照)。例えば、バクテリア系でクローニングするには、
バクテリオファージλのpL、plac、ptrp、p
tac(ptrp−lacハイブリッドプロモーター)
などの誘導プロモーターを使用できる。哺乳動物細胞系
でクローニングするには、哺乳動物細胞のゲノム由来の
プロモーター(例えば、メタロチオネインプロモータ
ー)または哺乳動物ウイルス由来のプロモーター(例え
ば、レトロウイルスのロングターミナルリピート;アデ
ノウイルス後期プロモーター;ワクシニアウイルス7.
5Kプロモーター)を使用できる。組換えDNAまたは
合成法によって作成したプロモーターも挿入したTCR
αコーディング配列の転写をさせるために使用できる。
【0046】細菌系では、発現すべきTCRαの使用目
的によって、多数の発現ベクターを有利に選択できる。
例えば、大量のTCRαを生産しようとするときは、容
易に精製できる高レベルの融合タンパク質産物の発現を
導くベクターが好ましい。TCRαの回収を助ける切断
部位を含むように操作されたものが好ましい。このよう
なベクターは大腸菌発現ベクターpUR278(Ruther
et al., 1983, EMBOJ. 2:1791)を含むが、これに限定
されない。該ベクターでは、TCRαコーディング配列
をlac Zコーディング領域とインフレームでベクタ
ーに連結し、その結果、ハイブリッドTCRα−lac
Zタンパク質が産生されるようにする;pINベクター
(Inouye & Inouye, 1985, Nucleic acids Res. 13:310
1-3109; Van Heeke & Schuster, 1989, J. Biol. Chem.
264:5503-5509)等。
的によって、多数の発現ベクターを有利に選択できる。
例えば、大量のTCRαを生産しようとするときは、容
易に精製できる高レベルの融合タンパク質産物の発現を
導くベクターが好ましい。TCRαの回収を助ける切断
部位を含むように操作されたものが好ましい。このよう
なベクターは大腸菌発現ベクターpUR278(Ruther
et al., 1983, EMBOJ. 2:1791)を含むが、これに限定
されない。該ベクターでは、TCRαコーディング配列
をlac Zコーディング領域とインフレームでベクタ
ーに連結し、その結果、ハイブリッドTCRα−lac
Zタンパク質が産生されるようにする;pINベクター
(Inouye & Inouye, 1985, Nucleic acids Res. 13:310
1-3109; Van Heeke & Schuster, 1989, J. Biol. Chem.
264:5503-5509)等。
【0047】酵母では、構成または誘導プロモーターを
含む多数のベクターを使用できる。総説としては、Curr
ent Protocols in Molecular Biology, Vol. 2, 1988,
Ed.Ausubel et al., Greene Publish. Assoc. & Wiley
Interscience, Ch. 13; Grant et al., 1987, Expressi
on and Secretion Vectors for Yeast, in Methodsin E
nzymology, Eds. Wu & Grossman, 31987, Acad. Press,
N.Y., Vol. 153, pp.516-544; Glover, 1986, DNA Clo
ning, Vol.II, IRL Press, Wash., D.C., Ch.3; および
Bitter, 1987, Heterologous Gene Expression in Yeas
t, Methods in Enzymology, Eds. Berger & Kimmel, Ac
ad. Press, N.Y., Vol.152, pp.673-684; および The M
olecular Biology of the Yeast Saccaromyces, 1982,
Eds. Strathern et al., Cold Spring Harbor Press, V
ols. I and II を参照されたい。ADHまたはLEU2
などの構成酵母プロモーターまたはGALなどの誘導プ
ロモーターを使用できる(Cloning in Yeast, Ch.3, R.
Rothstein In:DNA Cloning Vol.11, A Practical Appr
oach, Ed. DM Glover, 1986, IRL Press, Wash.,D.
C.)。あるいは、外来DNA配列の酵母染色体への組み
込みを促進するベクターを使用してもよい。
含む多数のベクターを使用できる。総説としては、Curr
ent Protocols in Molecular Biology, Vol. 2, 1988,
Ed.Ausubel et al., Greene Publish. Assoc. & Wiley
Interscience, Ch. 13; Grant et al., 1987, Expressi
on and Secretion Vectors for Yeast, in Methodsin E
nzymology, Eds. Wu & Grossman, 31987, Acad. Press,
N.Y., Vol. 153, pp.516-544; Glover, 1986, DNA Clo
ning, Vol.II, IRL Press, Wash., D.C., Ch.3; および
Bitter, 1987, Heterologous Gene Expression in Yeas
t, Methods in Enzymology, Eds. Berger & Kimmel, Ac
ad. Press, N.Y., Vol.152, pp.673-684; および The M
olecular Biology of the Yeast Saccaromyces, 1982,
Eds. Strathern et al., Cold Spring Harbor Press, V
ols. I and II を参照されたい。ADHまたはLEU2
などの構成酵母プロモーターまたはGALなどの誘導プ
ロモーターを使用できる(Cloning in Yeast, Ch.3, R.
Rothstein In:DNA Cloning Vol.11, A Practical Appr
oach, Ed. DM Glover, 1986, IRL Press, Wash.,D.
C.)。あるいは、外来DNA配列の酵母染色体への組み
込みを促進するベクターを使用してもよい。
【0048】植物発現ベクターを使用する場合、TCR
αコーディング配列の発現には多数のプロモーターのい
ずれで行ってもよい。例えば、CaMVの35S RN
Aおよび19S RNAプロモーターなどのウイルスプ
ロモーター(Brisson et al., 1984, Nature 310:511-5
14);またはTMVへのコートタンパク質プロモーター
(Takamatsu et al., 1987, EMBO J. 6:307-311)を使
用できる;あるいは、RUBISCOの小サブユニット
などの植物プロモーター(Coruzzi et al., 1984, EMBO
J. 3:1671-1680; Broglie et al., 1984, Science 22
4:838-843);またはダイズhsp17.5−Eまたは
hsp17.3−Bなどのヒートショックプロモーター
(Gurley et al., 1986, Mol. Cell. Biol. 6:559-56
5)を使用できる。これらの構築物をTiプラスミド、
Riプラスミド、植物ウイルスベクター、直接DNA形
質転換、マイクロインジェクション、エレクトロポレー
ションなどを用いて植物に導入できる。このような技法
の総説については、例えば、Weissbach & Weissbach, 1
988, Methods for Plant Molecular Biology, Academic
Press, NY, Section VIII, pp.421-463; および Griers
on & Corey, 1988, Plant Molecular Biology, 2d Ed.,
Blackie, London, Ch.7-9 を参照されたい。TCRα
の発現に用いることのできる別の発現系は昆虫系であ
る。このような系の1つでは、オートグラファ・カリフ
ォルニカ(Autographa californi
ca)核多角体病ウイルス(AcNPV)が外来遺伝子
の発現に使用される。このウイルスはスポドプテラ・フ
ルギペルダ(Spodopterafrugiperd
a)細胞中で増殖する。TCRαコーディング配列をこ
のウイルスの非本質的領域(例えば、多角体遺伝子)に
クローン化し、AcNPVプロモーター(例えば、多角
体プロモーター)の制御下におくことができる。TCR
αコーディング配列をうまく挿入すると、多角体遺伝子
の不活化および非閉塞(non−occluded)組
換えウイルス(すなわち、多角体遺伝子によってコード
されるタンパク質性のコートを欠くウイルス)の生産を
もたらす。次いでこれらの組換えウイルスを用いてスト
ドプテラ・フルギペルダ細胞を感染し、該細胞中で挿入
遺伝子を発現させる(例えば、Smith et al., 1983, J.
Viol.46:584; Smith, 米国特許第4,215,051
号を参照)。
αコーディング配列の発現には多数のプロモーターのい
ずれで行ってもよい。例えば、CaMVの35S RN
Aおよび19S RNAプロモーターなどのウイルスプ
ロモーター(Brisson et al., 1984, Nature 310:511-5
14);またはTMVへのコートタンパク質プロモーター
(Takamatsu et al., 1987, EMBO J. 6:307-311)を使
用できる;あるいは、RUBISCOの小サブユニット
などの植物プロモーター(Coruzzi et al., 1984, EMBO
J. 3:1671-1680; Broglie et al., 1984, Science 22
4:838-843);またはダイズhsp17.5−Eまたは
hsp17.3−Bなどのヒートショックプロモーター
(Gurley et al., 1986, Mol. Cell. Biol. 6:559-56
5)を使用できる。これらの構築物をTiプラスミド、
Riプラスミド、植物ウイルスベクター、直接DNA形
質転換、マイクロインジェクション、エレクトロポレー
ションなどを用いて植物に導入できる。このような技法
の総説については、例えば、Weissbach & Weissbach, 1
988, Methods for Plant Molecular Biology, Academic
Press, NY, Section VIII, pp.421-463; および Griers
on & Corey, 1988, Plant Molecular Biology, 2d Ed.,
Blackie, London, Ch.7-9 を参照されたい。TCRα
の発現に用いることのできる別の発現系は昆虫系であ
る。このような系の1つでは、オートグラファ・カリフ
ォルニカ(Autographa californi
ca)核多角体病ウイルス(AcNPV)が外来遺伝子
の発現に使用される。このウイルスはスポドプテラ・フ
ルギペルダ(Spodopterafrugiperd
a)細胞中で増殖する。TCRαコーディング配列をこ
のウイルスの非本質的領域(例えば、多角体遺伝子)に
クローン化し、AcNPVプロモーター(例えば、多角
体プロモーター)の制御下におくことができる。TCR
αコーディング配列をうまく挿入すると、多角体遺伝子
の不活化および非閉塞(non−occluded)組
換えウイルス(すなわち、多角体遺伝子によってコード
されるタンパク質性のコートを欠くウイルス)の生産を
もたらす。次いでこれらの組換えウイルスを用いてスト
ドプテラ・フルギペルダ細胞を感染し、該細胞中で挿入
遺伝子を発現させる(例えば、Smith et al., 1983, J.
Viol.46:584; Smith, 米国特許第4,215,051
号を参照)。
【0049】真核細胞系、そして好ましくは哺乳動物発
現系は、発現した哺乳動物タンパク質の適切な翻訳後修
飾をおこすことが可能である。一次転写の適切なプロセ
シング、グリコシル化、リン酸化、および遺伝子産物の
有利な分泌のための細胞の仕組みをもつ真核細胞をTC
Rα発現のための宿主細胞として使用すべきである。哺
乳動物細胞系が好ましい。このような宿主細胞系はCH
O、VERO、BHK、HeLa、COS、MDCK、
−293およびW138を含んでもよいが、これに限定
されない。
現系は、発現した哺乳動物タンパク質の適切な翻訳後修
飾をおこすことが可能である。一次転写の適切なプロセ
シング、グリコシル化、リン酸化、および遺伝子産物の
有利な分泌のための細胞の仕組みをもつ真核細胞をTC
Rα発現のための宿主細胞として使用すべきである。哺
乳動物細胞系が好ましい。このような宿主細胞系はCH
O、VERO、BHK、HeLa、COS、MDCK、
−293およびW138を含んでもよいが、これに限定
されない。
【0050】例えば好ましいプロセシングおよび/また
は他のT細胞分子との結合のために、T細胞宿主中での
TCRαの生産はその活性を増強するかも知れない。こ
のような発現が好ましい場合には、T細胞腫瘍細胞株、
T細胞ハイブリドーマ,補助成分を生産するT細胞、ま
たは免疫制御因子を生産するT細胞を含むが、これに限
定されないT細胞宿主が使用できる。
は他のT細胞分子との結合のために、T細胞宿主中での
TCRαの生産はその活性を増強するかも知れない。こ
のような発現が好ましい場合には、T細胞腫瘍細胞株、
T細胞ハイブリドーマ,補助成分を生産するT細胞、ま
たは免疫制御因子を生産するT細胞を含むが、これに限
定されないT細胞宿主が使用できる。
【0051】組換えウイルスまたは発現を指示するため
のウィルス要素を用いる哺乳動物細胞系を操作できる。
例えば、アデノウイルス発現ベクターを用いる場合に
は、TCRαコーディング配列をアデノウイルス転写/
翻訳制御複合体、例えば後期プロモーターおよび3分節
系リーダー配列と連結できる。このキメラ遺伝子を次い
でin vitroまたはin vivo組換えによっ
てアデノウイルスゲノム中に挿入してもよい。ウイルス
ゲノムの非本質的領域(例えば、領域E1またはE3)
への挿入は、生存可能でかつ感染宿主中でTCRα鎖を
発現できる組換えウイルスをもたらす(例えば、Logan
& Shenk, 1984, Proc. Natl. Acad. Sci.USA 81:3655-3
659 参照)。あるいは、ワクシニアウイルス7.5Kプ
ロモーターが使用できる(例えば、Mackett et al., 19
82, Proc. Natl. Acad. Sci. USA79:7415-7419; Macket
t et al., 1984, J. Virol. 49:857-864; Panicali et
al., 1982, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79:4927-4931
参照)。特に興味あるのは、染色体外要素として複製す
る能力をもつウシパピローマウイルスに基づくベクター
である(Sarver et al., 1981, Mol. Cell. Biol. 1:48
6)。このDNAがマウス細胞中に入ったすぐ後に、プ
ラスミドは細胞当たり約100から200コピーで複製
する。挿入されたcDNAの転写は宿主染色体へのプラ
スミドの組み込みを必要としないので、高レベルの発現
をもたらす。これらのベクターはneo遺伝子などの選
択可能なマーカーをプラスミド中に含むことにより安定
な発現に使用できる。あるいは、レトロウイルスゲノム
を修飾して、宿主細胞中でのTCRα鎖遺伝子の導入と
発現ができるベクターとして用いることができる。(Co
ne & Mulligan, 1984, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 8
1:6349-6353)。高レベルの発現は、メタロチオネインI
IAプロモーターおよびヒートショックプロモーターを
含むが、これに限定されない誘導可能なプロモーターを
用いて達成することもできる。
のウィルス要素を用いる哺乳動物細胞系を操作できる。
例えば、アデノウイルス発現ベクターを用いる場合に
は、TCRαコーディング配列をアデノウイルス転写/
翻訳制御複合体、例えば後期プロモーターおよび3分節
系リーダー配列と連結できる。このキメラ遺伝子を次い
でin vitroまたはin vivo組換えによっ
てアデノウイルスゲノム中に挿入してもよい。ウイルス
ゲノムの非本質的領域(例えば、領域E1またはE3)
への挿入は、生存可能でかつ感染宿主中でTCRα鎖を
発現できる組換えウイルスをもたらす(例えば、Logan
& Shenk, 1984, Proc. Natl. Acad. Sci.USA 81:3655-3
659 参照)。あるいは、ワクシニアウイルス7.5Kプ
ロモーターが使用できる(例えば、Mackett et al., 19
82, Proc. Natl. Acad. Sci. USA79:7415-7419; Macket
t et al., 1984, J. Virol. 49:857-864; Panicali et
al., 1982, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79:4927-4931
参照)。特に興味あるのは、染色体外要素として複製す
る能力をもつウシパピローマウイルスに基づくベクター
である(Sarver et al., 1981, Mol. Cell. Biol. 1:48
6)。このDNAがマウス細胞中に入ったすぐ後に、プ
ラスミドは細胞当たり約100から200コピーで複製
する。挿入されたcDNAの転写は宿主染色体へのプラ
スミドの組み込みを必要としないので、高レベルの発現
をもたらす。これらのベクターはneo遺伝子などの選
択可能なマーカーをプラスミド中に含むことにより安定
な発現に使用できる。あるいは、レトロウイルスゲノム
を修飾して、宿主細胞中でのTCRα鎖遺伝子の導入と
発現ができるベクターとして用いることができる。(Co
ne & Mulligan, 1984, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 8
1:6349-6353)。高レベルの発現は、メタロチオネインI
IAプロモーターおよびヒートショックプロモーターを
含むが、これに限定されない誘導可能なプロモーターを
用いて達成することもできる。
【0052】組換えタンパク質を長期間、高収率で産生
させるには、安定な発現が好ましい。ウイルスの複製オ
リジンを含む発現ベクターをむしろ用いて、適当な発現
制御要素(例えば、プロモーター、エンハンサー、配
列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位など)に
よって制御されるTCRα cDNA、および選択可能
なマーカーで宿主細胞を形質転換できる。組換えプラス
ミド中における選択可能なマーカーは、選択耐性を与
え、細胞の染色体中にプラスミドを安定に組み込ませ、
増殖してフォーカスを形成し、次いでこれをクローン化
して細胞系中に増やすことができる。例えば、外来DN
Aの導入の後、操作された細胞を高栄養培地中で1−2
日生育させ、次いで選択培地に切り替えてもよい。多数
の選択系が使用でき、これには、それぞれtk-、hg
prt-またはaprt-細胞中で用いることができる、
単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wigler et a
l., 1977, Cell 11:223)、ヒポキサンチン−グアニン
ホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska & Szyb
alski, 1962, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 48:202
6)、およびアデニンホスホリボシルトランスフェラー
ゼ(Lowry et al., 1980, Cell 22:817)遺伝子が含ま
れるが、これらに限定されるものではない。また、メト
トレキセートへの耐性を与えるdhfr(Wigler et a
l., 1980, Natl. Acad.Sci. USA 77:3567; O'Hare et a
l., 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:1527 );
マイコフェノール酸への耐性を与えるgpt(Mulligan
& Berg, 1981,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:207
2);アミノグリコシドG−418への耐性を与えるn
eo(Colberre-Garapin et al., 1981, J. Mol. Biol.
150:1);およびヒグロマイシンへの耐性を与えるhy
gro(Santerre et al., 1984, Gene 30:147)遺伝子
のための選択の基礎としては、代謝拮抗物質耐性を用い
ることができる。最近、さらなる選択可能な遺伝子、す
なわち細胞がトリプトファンの代わりにインドールを利
用するようにさせるtrpB;ヒスチジンの代わりにヒ
スチノールを細胞が利用するようにさせるhisD(Ha
rtman & Mulligan, 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA
85:8047);およびオルニチンデカルボキシラーゼ阻害
剤である2−(ジフルオロメチル)−DL−オルニチ
ン、DFMOへの耐性を与えるODC(オルニチンデカ
ルボキシラーゼ)(McConlogue L., 1987, In: Current
Communications in Molecular Biology, Cold Spring
Harbor Laboratory ed.)が記載されている。
させるには、安定な発現が好ましい。ウイルスの複製オ
リジンを含む発現ベクターをむしろ用いて、適当な発現
制御要素(例えば、プロモーター、エンハンサー、配
列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位など)に
よって制御されるTCRα cDNA、および選択可能
なマーカーで宿主細胞を形質転換できる。組換えプラス
ミド中における選択可能なマーカーは、選択耐性を与
え、細胞の染色体中にプラスミドを安定に組み込ませ、
増殖してフォーカスを形成し、次いでこれをクローン化
して細胞系中に増やすことができる。例えば、外来DN
Aの導入の後、操作された細胞を高栄養培地中で1−2
日生育させ、次いで選択培地に切り替えてもよい。多数
の選択系が使用でき、これには、それぞれtk-、hg
prt-またはaprt-細胞中で用いることができる、
単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wigler et a
l., 1977, Cell 11:223)、ヒポキサンチン−グアニン
ホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska & Szyb
alski, 1962, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 48:202
6)、およびアデニンホスホリボシルトランスフェラー
ゼ(Lowry et al., 1980, Cell 22:817)遺伝子が含ま
れるが、これらに限定されるものではない。また、メト
トレキセートへの耐性を与えるdhfr(Wigler et a
l., 1980, Natl. Acad.Sci. USA 77:3567; O'Hare et a
l., 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:1527 );
マイコフェノール酸への耐性を与えるgpt(Mulligan
& Berg, 1981,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:207
2);アミノグリコシドG−418への耐性を与えるn
eo(Colberre-Garapin et al., 1981, J. Mol. Biol.
150:1);およびヒグロマイシンへの耐性を与えるhy
gro(Santerre et al., 1984, Gene 30:147)遺伝子
のための選択の基礎としては、代謝拮抗物質耐性を用い
ることができる。最近、さらなる選択可能な遺伝子、す
なわち細胞がトリプトファンの代わりにインドールを利
用するようにさせるtrpB;ヒスチジンの代わりにヒ
スチノールを細胞が利用するようにさせるhisD(Ha
rtman & Mulligan, 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA
85:8047);およびオルニチンデカルボキシラーゼ阻害
剤である2−(ジフルオロメチル)−DL−オルニチ
ン、DFMOへの耐性を与えるODC(オルニチンデカ
ルボキシラーゼ)(McConlogue L., 1987, In: Current
Communications in Molecular Biology, Cold Spring
Harbor Laboratory ed.)が記載されている。
【0053】5.1.5.TCRα鎖発現産物の精製 遺伝的に操作された細胞によるTCRαタンパク質産物
の発現は、例えばウエスタンブロットやラジオイムノ−
沈降、酵素連結イムノアッセイなどのイムノアッセイに
よって免疫学的に評価できる。しかしながら、発現系の
成功を最終的に試験するには、生物学的に活性を持つT
CRα遺伝子産物の産生を見ることである。宿主細胞が
遺伝子産物を分泌する場合には、培養した形質移入宿主
細胞から得た無細胞培地のTCRαまたはその免疫制御
活性をアッセイするとよい。遺伝子産物が分泌されない
場合には、細胞溶解産物のこのような活性をアッセイす
る。いずれの場合でも、TCRα活性の評価には多数の
アッセイを用いることができ、これらには発現したTC
Rαの抗体への結合能力を測定するアッセイ、上記セク
ション5.1.1.で記載し、かつ下記セクション6.
1.5.で実例を示すPFCアッセイなどの免疫機能を
評価するアッセイを含むが、これらに限定されない。
の発現は、例えばウエスタンブロットやラジオイムノ−
沈降、酵素連結イムノアッセイなどのイムノアッセイに
よって免疫学的に評価できる。しかしながら、発現系の
成功を最終的に試験するには、生物学的に活性を持つT
CRα遺伝子産物の産生を見ることである。宿主細胞が
遺伝子産物を分泌する場合には、培養した形質移入宿主
細胞から得た無細胞培地のTCRαまたはその免疫制御
活性をアッセイするとよい。遺伝子産物が分泌されない
場合には、細胞溶解産物のこのような活性をアッセイす
る。いずれの場合でも、TCRα活性の評価には多数の
アッセイを用いることができ、これらには発現したTC
Rαの抗体への結合能力を測定するアッセイ、上記セク
ション5.1.1.で記載し、かつ下記セクション6.
1.5.で実例を示すPFCアッセイなどの免疫機能を
評価するアッセイを含むが、これらに限定されない。
【0054】いったん高レベルの生物学的に活性なTC
Rαを生産するクローンを同定したら、このクローンを
増やして大量のタンパク質を生産するのに使用できる。
該タンパク質は当業界で周知の方法により精製でき、こ
の方法にはイムノアフィニティー精製、高速液体クロマ
トグラフィーなどを含むクロマトグラフ法を含むが、こ
れらに限定されない。タンパク質が培養細胞によって分
泌される場合には、TCRαは培地から容易に回収され
うる。
Rαを生産するクローンを同定したら、このクローンを
増やして大量のタンパク質を生産するのに使用できる。
該タンパク質は当業界で周知の方法により精製でき、こ
の方法にはイムノアフィニティー精製、高速液体クロマ
トグラフィーなどを含むクロマトグラフ法を含むが、こ
れらに限定されない。タンパク質が培養細胞によって分
泌される場合には、TCRαは培地から容易に回収され
うる。
【0055】T細胞の粗培養培地からTCRαを精製す
る方法は、クローン化した発現産物の精製にも適用でき
る。例えば、下記の実施例で用いたA1.1細胞からの
TCRαを、硫酸アンモニウム沈殿とそれに続くアフィ
ニティークロマトグラフィーによってT細胞の粗培養培
地から精製することができる(Zheng et al., 1988,J.
Immunol. 140:1351-1358; Bissonnette et al., 1991,
J. Immunol. 146:2898-2907)。すべてのマウスTCR
α鎖上に共有される抗原決定基または抗原またはその特
異的抗原エピトープを含む抗原あるいは断片に特異的な
精製モノクローナル抗体を、臭化シアンで活性化したセ
ファロース4B(Pharmacia)に結合させ、ア
フィニティークロマトグラフィーに使用できる。このよ
うにして粗培養培地から精製したタンパク質の生物学的
活性は3000倍に増えていることが示された。あるい
は、異なるVα遺伝子ファミリーの産物に対して作製さ
れた抗体であっても、どの特定のVα遺伝子セグメント
が問題のα鎖タンパク質をコードしているかが分かって
いれば使用できる。さらに、特定のTCRα鎖の可変領
域に対する抗体を作製して、これを他の無関係なTCR
α鎖の混合物からα鎖を精製するのに使用することがで
きる。この場合には、十分な量のタンパク質が存在して
いれば、混合培養(bulk culture)T細胞の粗培養培地か
らでも特定のα鎖を単離できる。
る方法は、クローン化した発現産物の精製にも適用でき
る。例えば、下記の実施例で用いたA1.1細胞からの
TCRαを、硫酸アンモニウム沈殿とそれに続くアフィ
ニティークロマトグラフィーによってT細胞の粗培養培
地から精製することができる(Zheng et al., 1988,J.
Immunol. 140:1351-1358; Bissonnette et al., 1991,
J. Immunol. 146:2898-2907)。すべてのマウスTCR
α鎖上に共有される抗原決定基または抗原またはその特
異的抗原エピトープを含む抗原あるいは断片に特異的な
精製モノクローナル抗体を、臭化シアンで活性化したセ
ファロース4B(Pharmacia)に結合させ、ア
フィニティークロマトグラフィーに使用できる。このよ
うにして粗培養培地から精製したタンパク質の生物学的
活性は3000倍に増えていることが示された。あるい
は、異なるVα遺伝子ファミリーの産物に対して作製さ
れた抗体であっても、どの特定のVα遺伝子セグメント
が問題のα鎖タンパク質をコードしているかが分かって
いれば使用できる。さらに、特定のTCRα鎖の可変領
域に対する抗体を作製して、これを他の無関係なTCR
α鎖の混合物からα鎖を精製するのに使用することがで
きる。この場合には、十分な量のタンパク質が存在して
いれば、混合培養(bulk culture)T細胞の粗培養培地か
らでも特定のα鎖を単離できる。
【0056】TCRαコーディング配列を、切断可能な
融合タンパク質としてコードするように操作した場合に
は、アフィニティー精製法を用いてTCRαの精製を容
易に行うことができる。例えば、プロテアーゼ因子Xa
切断認識配列を、TCRαのカルボキシル末端とマルト
ース結合タンパク質との間に操作できる。得られる融合
タンパク質は、マルトース結合タンパク質が結合するア
ミロースを結合させたカラムを用いて容易に精製でき
る。次いでTCRα融合タンパク質を、マルトース含有
緩衝液で溶出し、次いでファクターXaで処理する。切
断したTCRα鎖を第2のアミロースカラムに通してさ
らに精製してマルトース結合タンパク質(New En
gland Biolabs,Beverly,MA)
を除去する。本発明のこの面を用いると、あらゆる切断
部位または酵素切断基質を、TCRα配列と、精製に使
用しうる結合パトナー(例えばそれに対するイムノアフ
ィニティカラムを調製できる抗原)をもつ第2のペプチ
ドまたはタンパク質との間に操作することができる。
融合タンパク質としてコードするように操作した場合に
は、アフィニティー精製法を用いてTCRαの精製を容
易に行うことができる。例えば、プロテアーゼ因子Xa
切断認識配列を、TCRαのカルボキシル末端とマルト
ース結合タンパク質との間に操作できる。得られる融合
タンパク質は、マルトース結合タンパク質が結合するア
ミロースを結合させたカラムを用いて容易に精製でき
る。次いでTCRα融合タンパク質を、マルトース含有
緩衝液で溶出し、次いでファクターXaで処理する。切
断したTCRα鎖を第2のアミロースカラムに通してさ
らに精製してマルトース結合タンパク質(New En
gland Biolabs,Beverly,MA)
を除去する。本発明のこの面を用いると、あらゆる切断
部位または酵素切断基質を、TCRα配列と、精製に使
用しうる結合パトナー(例えばそれに対するイムノアフ
ィニティカラムを調製できる抗原)をもつ第2のペプチ
ドまたはタンパク質との間に操作することができる。
【0057】5.1.6.TCRα鎖を生産するための
別法 いったん特異的TCRα鎖遺伝子が分子的にクローン化
され、そのDNA配列が決定されると、そのタンパク質
産物は上記したものに加えて多数の方法によって生産す
ることができる。例えば、DNA配列から演繹されるア
ミノ酸配列基づいて、固相化学合成法を用いてTCRα
鎖を全面的にまたは部分的に生産できる(Creighton, 1
983, Proteins Structures and Molecular Principles,
W.H. Freeman and Co., N.Y. pp.50-60参照)。このア
プローチは分子の活性部位に対応するタンパク質の小さ
い部分を作製するのに特に有用である。抗原と結合する
TCRα鎖の場合、VおよびJ遺伝子セグメントによっ
てコードされるタンパク質のアミノ末端にある可変領域
が抗原結合に重要である可能性が高い。したがって、α
鎖の可変領域に対応する合成ペプチドが生産されてもよ
い。さらに、α鎖不変領域の特定部分を含む大きいペプ
チドであっても、例えばもしもその領域が完全な免疫制
御応答を達成するさいに補助因子と相互作用するために
重要であることが分かっている場合には、合成してよ
い。
別法 いったん特異的TCRα鎖遺伝子が分子的にクローン化
され、そのDNA配列が決定されると、そのタンパク質
産物は上記したものに加えて多数の方法によって生産す
ることができる。例えば、DNA配列から演繹されるア
ミノ酸配列基づいて、固相化学合成法を用いてTCRα
鎖を全面的にまたは部分的に生産できる(Creighton, 1
983, Proteins Structures and Molecular Principles,
W.H. Freeman and Co., N.Y. pp.50-60参照)。このア
プローチは分子の活性部位に対応するタンパク質の小さ
い部分を作製するのに特に有用である。抗原と結合する
TCRα鎖の場合、VおよびJ遺伝子セグメントによっ
てコードされるタンパク質のアミノ末端にある可変領域
が抗原結合に重要である可能性が高い。したがって、α
鎖の可変領域に対応する合成ペプチドが生産されてもよ
い。さらに、α鎖不変領域の特定部分を含む大きいペプ
チドであっても、例えばもしもその領域が完全な免疫制
御応答を達成するさいに補助因子と相互作用するために
重要であることが分かっている場合には、合成してよ
い。
【0058】クローン化DNA配列に基づいてTCRα
鎖を生産する別の方法は、in vitroの無細胞系
におけるその遺伝子の転写および翻訳である。下記セク
ション7で実施例として示す特定の態様においては、A
1.1 TCRα鎖遺伝子をin vitroで転写お
よび翻訳すると、その産物はSDS−PAGEで約3
2,000ダルトンの分子量のタンパク質であることが
示された。このタンパク質は非グリコシル化TCRαポ
リペプチド鎖に対応する。このような無細胞のin v
itro系は大スケールのタンパク質の産生のためには
設計されないが、このアプローチの利点は、他のタンパ
ク質合成の非存在下に特定の免疫学的反応における特定
のTCRα鎖の寄与を決定的に示す方法を提供すること
である。
鎖を生産する別の方法は、in vitroの無細胞系
におけるその遺伝子の転写および翻訳である。下記セク
ション7で実施例として示す特定の態様においては、A
1.1 TCRα鎖遺伝子をin vitroで転写お
よび翻訳すると、その産物はSDS−PAGEで約3
2,000ダルトンの分子量のタンパク質であることが
示された。このタンパク質は非グリコシル化TCRαポ
リペプチド鎖に対応する。このような無細胞のin v
itro系は大スケールのタンパク質の産生のためには
設計されないが、このアプローチの利点は、他のタンパ
ク質合成の非存在下に特定の免疫学的反応における特定
のTCRα鎖の寄与を決定的に示す方法を提供すること
である。
【0059】抗体結合部位によってタンパク質のコンホ
メーションを分子的に模倣することは、特定TCRα鎖
の結合特異性と同様の結合特異性をもつタンパク質を生
産する別の方法を提供する。例えば、抗−イディオタイ
プ抗体または同じ抗原決定基に対するモノクローナル抗
体は、TCRα鎖の可変ドメインと構造的に同一の結合
部位を有するかも知れない。本明細書で記載するPFC
アッセイで評価されるTCRα鎖免疫制御機能を示すこ
のような抗体をTCRα鎖の代わりに使用できる。一定
の状況下、例えばかかる抗体が天然型α鎖よりも長いi
n vivo半減期を有することが示されたような場合
には、このような抗体を使用することが好ましい。以下
に記載する別の治療的応用においては、TCRα鎖と結
合し、かつこれを中和するモノクローナル抗体が望まし
い。これらの抗体はin vitroの診断アッセイ、
例えばラジオイムノアッセイ、ELISAなどの人体を
循環するTCRα鎖の検出にも使用できる。このような
モノクローナル抗体は当業界で周知の技法を用いて容易
に大量生産ができる。
メーションを分子的に模倣することは、特定TCRα鎖
の結合特異性と同様の結合特異性をもつタンパク質を生
産する別の方法を提供する。例えば、抗−イディオタイ
プ抗体または同じ抗原決定基に対するモノクローナル抗
体は、TCRα鎖の可変ドメインと構造的に同一の結合
部位を有するかも知れない。本明細書で記載するPFC
アッセイで評価されるTCRα鎖免疫制御機能を示すこ
のような抗体をTCRα鎖の代わりに使用できる。一定
の状況下、例えばかかる抗体が天然型α鎖よりも長いi
n vivo半減期を有することが示されたような場合
には、このような抗体を使用することが好ましい。以下
に記載する別の治療的応用においては、TCRα鎖と結
合し、かつこれを中和するモノクローナル抗体が望まし
い。これらの抗体はin vitroの診断アッセイ、
例えばラジオイムノアッセイ、ELISAなどの人体を
循環するTCRα鎖の検出にも使用できる。このような
モノクローナル抗体は当業界で周知の技法を用いて容易
に大量生産ができる。
【0060】TCRαを模倣する抗体の生産には、これ
に限定する訳ではないが、マウス、ウサギ、ハムスタ
ー、ラットおよび非ヒト霊長類を含む各種の宿主動物を
所望の抗原または抗−TCRα鎖抗体で感作してTCR
α鎖を模倣する抗体を産生させて、該TCRα鎖のその
抗原への抗原特異的結合を競合的に阻害する能力、なら
びに本明細書で記載するPFCアッセイで評価する抗原
に対する特異的免疫応答を制御する能力を測定する。T
CRα鎖と結合し、かつこれを中和する抗体を生産する
には、宿主動物をTCRα鎖自体で感作する。宿主の種
により免疫応答を増強するために各種のアジュバントが
使用でき、これにはフロインドの完全および不完全アジ
ュバント、水酸化アルミニウムなどの鉱物ゲル、リソレ
シチンなどの界面活性剤、プルロニックポリオール、ポ
リアニオン、ペプチド、オイル懸濁物、キーホールリン
ペットヘモシアニン、ジニトロフェノール、ならびにB
CG(baccile Calmette−Gueri
n)やコルネバクテリウム・プルバム(Coryneb
acterium parvum)などの潜在的に有用
なヒトアジュバントを含むが、これらに限定されない。
に限定する訳ではないが、マウス、ウサギ、ハムスタ
ー、ラットおよび非ヒト霊長類を含む各種の宿主動物を
所望の抗原または抗−TCRα鎖抗体で感作してTCR
α鎖を模倣する抗体を産生させて、該TCRα鎖のその
抗原への抗原特異的結合を競合的に阻害する能力、なら
びに本明細書で記載するPFCアッセイで評価する抗原
に対する特異的免疫応答を制御する能力を測定する。T
CRα鎖と結合し、かつこれを中和する抗体を生産する
には、宿主動物をTCRα鎖自体で感作する。宿主の種
により免疫応答を増強するために各種のアジュバントが
使用でき、これにはフロインドの完全および不完全アジ
ュバント、水酸化アルミニウムなどの鉱物ゲル、リソレ
シチンなどの界面活性剤、プルロニックポリオール、ポ
リアニオン、ペプチド、オイル懸濁物、キーホールリン
ペットヘモシアニン、ジニトロフェノール、ならびにB
CG(baccile Calmette−Gueri
n)やコルネバクテリウム・プルバム(Coryneb
acterium parvum)などの潜在的に有用
なヒトアジュバントを含むが、これらに限定されない。
【0061】モノクローナル抗体は連続的継代細胞系に
よって抗体分子の生産をもたらすいかなる技法によって
調製してもよい。これに限定する訳ではないが、最初に
KohlerおよびMilstein(Nature, 1975,
256:495-497)によって記載されたハイブリドーマ法、
ヒトB細胞ハイブリドーマ法(Kosbor et al., 1983,Im
munology Today, 4:72 Cote et al., 1983, Proc. Nat
l. Acad. Sci. 80:2026-2030)およびRBV−ハイブリ
ドーマ法(Cole et al., 1985, Monoclonal Antibodies
and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp.77-9
6)を含む。適当な抗原特異性のマウス抗体分子からの
遺伝子をヒト抗体分子由来の遺伝子とスプライシングし
て”キメラ抗体”を作製するために開発された技術を使
用できる(例えば、Morrison et al., 1984, Proc. Nat
l. Acad. Sci. 81:6851-6855; Neuberger et al., 198
4, Nature, 312:604-608; Takeda et al., 1985, Natur
e 314:452-454)。さらに、単鎖抗体の生産のために記
載された技術(米国特許第4,946,778号)を単
鎖抗体の生産に応用できる。
よって抗体分子の生産をもたらすいかなる技法によって
調製してもよい。これに限定する訳ではないが、最初に
KohlerおよびMilstein(Nature, 1975,
256:495-497)によって記載されたハイブリドーマ法、
ヒトB細胞ハイブリドーマ法(Kosbor et al., 1983,Im
munology Today, 4:72 Cote et al., 1983, Proc. Nat
l. Acad. Sci. 80:2026-2030)およびRBV−ハイブリ
ドーマ法(Cole et al., 1985, Monoclonal Antibodies
and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp.77-9
6)を含む。適当な抗原特異性のマウス抗体分子からの
遺伝子をヒト抗体分子由来の遺伝子とスプライシングし
て”キメラ抗体”を作製するために開発された技術を使
用できる(例えば、Morrison et al., 1984, Proc. Nat
l. Acad. Sci. 81:6851-6855; Neuberger et al., 198
4, Nature, 312:604-608; Takeda et al., 1985, Natur
e 314:452-454)。さらに、単鎖抗体の生産のために記
載された技術(米国特許第4,946,778号)を単
鎖抗体の生産に応用できる。
【0062】特定の所望の結合部位を含む抗体断片を公
知の方法で作製できる。例えば、このような断片はこれ
に限定する訳ではないが、抗体分子のペプシン消化によ
って生産されるF(ab’)2断片、およびF(a
b’)2断片のジスルフィド架橋を還元して作成される
Fab断片を含む。あるいは、所望の特異性を有するモ
ノクローナルFab断片の迅速かつ容易な同定を可能に
するFab発現ライブラリー(Huse et al., 1989, Sci
ence, 246:1275-1281)の構築のために記載された方法
を使用することができる。
知の方法で作製できる。例えば、このような断片はこれ
に限定する訳ではないが、抗体分子のペプシン消化によ
って生産されるF(ab’)2断片、およびF(a
b’)2断片のジスルフィド架橋を還元して作成される
Fab断片を含む。あるいは、所望の特異性を有するモ
ノクローナルFab断片の迅速かつ容易な同定を可能に
するFab発現ライブラリー(Huse et al., 1989, Sci
ence, 246:1275-1281)の構築のために記載された方法
を使用することができる。
【0063】5.2.免疫調節剤としてのTCRα鎖の
使用 TCRα鎖の抗原特異的免疫制御活性は、ヒトまたは動
物被験者におけるinvivoおよびin vitro
での広範囲な利用を提供する。抗原と結合することがで
き、かつin vitroでアッセイした免疫制御活性
を示すいかなるTCRα鎖、またはその断片、およびそ
の誘導体も本発明の方法の実施に使用できる。補助成分
の因子が被験者の血清中に存在する場合には、TCRα
鎖を単独の活性剤として投与できる。しかしながら、T
CRα鎖は補助成分に見られる生物学的に活性な因子、
成長因子または阻害物質と組み合わせて投与されうる。
抗原と結合することができ、かつ該抗原に対して通常生
じる免疫応答を抑制するTCRα鎖は、過敏症、移植拒
絶、および自己免疫障害などの抗原特異的免疫応答のダ
ウンレギュレーションに特に有用でありうる。あるい
は、このようなTCRα鎖またはこのようなTCRα鎖
と結合する因子の除去または中和は、癌や免疫不全症な
どの疾患に対する免疫応答を増強する手段として有用で
ありうる。本発明の別の態様においては、免疫応答を増
強する抗原に特異的なTCRα鎖を利用して、このよう
な抗原特異的な応答をin vivoで増強することが
できる。
使用 TCRα鎖の抗原特異的免疫制御活性は、ヒトまたは動
物被験者におけるinvivoおよびin vitro
での広範囲な利用を提供する。抗原と結合することがで
き、かつin vitroでアッセイした免疫制御活性
を示すいかなるTCRα鎖、またはその断片、およびそ
の誘導体も本発明の方法の実施に使用できる。補助成分
の因子が被験者の血清中に存在する場合には、TCRα
鎖を単独の活性剤として投与できる。しかしながら、T
CRα鎖は補助成分に見られる生物学的に活性な因子、
成長因子または阻害物質と組み合わせて投与されうる。
抗原と結合することができ、かつ該抗原に対して通常生
じる免疫応答を抑制するTCRα鎖は、過敏症、移植拒
絶、および自己免疫障害などの抗原特異的免疫応答のダ
ウンレギュレーションに特に有用でありうる。あるい
は、このようなTCRα鎖またはこのようなTCRα鎖
と結合する因子の除去または中和は、癌や免疫不全症な
どの疾患に対する免疫応答を増強する手段として有用で
ありうる。本発明の別の態様においては、免疫応答を増
強する抗原に特異的なTCRα鎖を利用して、このよう
な抗原特異的な応答をin vivoで増強することが
できる。
【0064】5.2.1.抗原特異的免疫抑制 抗原特異的免疫抑制を示す抗原結合性TCRα鎖は、免
疫反応が有害であり、抗原特異的にこのような応答を抑
制することが好ましい状態の治療に使用できる。本発明
により治療されるこのような疾患は、これに限定する訳
ではないが、過敏症(タイプI−IV)、自己免疫疾患な
らびに器官や組織の移植後の移植片拒絶応答を含む。
疫反応が有害であり、抗原特異的にこのような応答を抑
制することが好ましい状態の治療に使用できる。本発明
により治療されるこのような疾患は、これに限定する訳
ではないが、過敏症(タイプI−IV)、自己免疫疾患な
らびに器官や組織の移植後の移植片拒絶応答を含む。
【0065】過敏症は通常4群に分類される。タイプI
反応は抗原特異的IgEが引き金となるマスト細胞の脱
顆粒反応から生じる即時型過敏症である。タイプIの疾
患の例には、花粉、カビ胞子、昆虫の一部分、動物のふ
け、ハチおよびヘビ毒、工業的ダスト、ハウスダスト、
食品および薬剤などの物質によって引き起こされる通常
のアレルギーを含む。タイプII反応は、特定抗体、通常
はIgGおよびIgMの、細胞破壊に至る標的細胞への
作用によって引き起こされる。タイプIIの疾患の例に
は、輸血反応、胎児赤芽球症、自己免疫溶血性貧血、重
症筋無力症およびグレーヴス病を含む。タイプIII反応
は、抗原−抗体複合体形成とそれに続く抗体エフェクタ
ーメカニズムの活性化によって引き起こされる。タイプ
IIIの疾患の例には、免疫複合糸球体腎炎、グッドパス
チュア症候群およびある型の関節炎を含む。タイプIV反
応はT細胞、マクロファージ、繊維芽細胞およびその他
の細胞型を含む細胞−媒介性反応である。これらはまた
遅延型過敏症とも呼ばれる。アレルギー性接触皮膚炎が
このタイプの代表例である。
反応は抗原特異的IgEが引き金となるマスト細胞の脱
顆粒反応から生じる即時型過敏症である。タイプIの疾
患の例には、花粉、カビ胞子、昆虫の一部分、動物のふ
け、ハチおよびヘビ毒、工業的ダスト、ハウスダスト、
食品および薬剤などの物質によって引き起こされる通常
のアレルギーを含む。タイプII反応は、特定抗体、通常
はIgGおよびIgMの、細胞破壊に至る標的細胞への
作用によって引き起こされる。タイプIIの疾患の例に
は、輸血反応、胎児赤芽球症、自己免疫溶血性貧血、重
症筋無力症およびグレーヴス病を含む。タイプIII反応
は、抗原−抗体複合体形成とそれに続く抗体エフェクタ
ーメカニズムの活性化によって引き起こされる。タイプ
IIIの疾患の例には、免疫複合糸球体腎炎、グッドパス
チュア症候群およびある型の関節炎を含む。タイプIV反
応はT細胞、マクロファージ、繊維芽細胞およびその他
の細胞型を含む細胞−媒介性反応である。これらはまた
遅延型過敏症とも呼ばれる。アレルギー性接触皮膚炎が
このタイプの代表例である。
【0066】自己免疫疾患とは、免疫系が自己抗原と反
応することによって組織破壊に至る一群の疾患をいう。
これらの応答は抗体、自己反応性T細胞、またはその両
方によって媒介される。その状態の多くは過敏症として
上記したものと重複する。いくつかの重要な自己免疫疾
患には糖尿病、自己免疫甲状腺炎、多発性硬化症、リュ
ーマチ性関節炎、全身性紅斑性狼瘡、および重症筋無力
症が含まれる。
応することによって組織破壊に至る一群の疾患をいう。
これらの応答は抗体、自己反応性T細胞、またはその両
方によって媒介される。その状態の多くは過敏症として
上記したものと重複する。いくつかの重要な自己免疫疾
患には糖尿病、自己免疫甲状腺炎、多発性硬化症、リュ
ーマチ性関節炎、全身性紅斑性狼瘡、および重症筋無力
症が含まれる。
【0067】MHCについての基本的理解が組織のタイ
プ分けに技術的進歩をもたらし、これによって器官や組
織の移植の成功率が実質的に改良された。今日一般に行
われている移植手術のいくつかは、腎臓、心臓、肝臓、
皮膚、膵臓小島および骨髄などの器官および組織を含
む。しかしながら、供与者と受容者が遺伝的に同一でな
い状況においては、移植片拒絶が起こり得る。
プ分けに技術的進歩をもたらし、これによって器官や組
織の移植の成功率が実質的に改良された。今日一般に行
われている移植手術のいくつかは、腎臓、心臓、肝臓、
皮膚、膵臓小島および骨髄などの器官および組織を含
む。しかしながら、供与者と受容者が遺伝的に同一でな
い状況においては、移植片拒絶が起こり得る。
【0068】上記した特定の疾患に限定する訳ではない
が、これを含むすべての状況にとって、不都合な免疫反
応のダウンレギュレーションが宿主にとって有益であ
る。この点において、抗原特異的TCRαは、その他の
正常な免疫機能をすべて保持しながら、T細胞、抗体ま
たはその両方によって媒介される免疫応答を特異的に抑
制するのに使用できる。例えば、実験的アレルギー性脳
脊髄炎(EAE)は、精製ミエリン塩基性タンパク質を
投与することによってマウスに誘導できるヒト多発性硬
化症の動物モデルである。THがこの疾患の病原論に決
定的な役割を演じることが示された(Wraith et al., 1
989, Cell 57:709-715)。一定のマウス系統において自
己反応性T細胞によって認識される抗原決定基の数は限
定されている。さらに、自己免疫TCRの構築に使用さ
れたVαおよびVβ遺伝子セグメントも同様に限定され
るので、少数の脳炎発生エピトープに対するT細胞応答
の多数が同一TCRをもつ。TCR抗原決定基に対する
抗体を用いてin vivoでの抗原特異的T細胞を除
いて、これによって疾患からの保護を得ることに成功し
ている(Owhashi and Heber-Katz, 1988, J. Exp. Med.
168:2153-2164)。本発明を実施するには、このような
自己反応性T細胞からTCRα鎖遺伝子を単離し、適当
な宿主細胞中で発現させ、そのin vitroおよび
in vivoでの抗原特異的免疫応答の抑制能力を試
験すればよい。この目的にTCRα鎖を使用すること
は、多発性硬化症や重症筋無力症などのある種のヒト疾
患において自己免疫T細胞が検出され、これらも同様に
ある種のVαおよびVβ対立遺伝子に限定された用途を
有するという最近の知見(Oksenberg et al., 1989, Pr
oc.Natl. Acad. Sci. USA 86:988-992 )に照らして特
に重要である。
が、これを含むすべての状況にとって、不都合な免疫反
応のダウンレギュレーションが宿主にとって有益であ
る。この点において、抗原特異的TCRαは、その他の
正常な免疫機能をすべて保持しながら、T細胞、抗体ま
たはその両方によって媒介される免疫応答を特異的に抑
制するのに使用できる。例えば、実験的アレルギー性脳
脊髄炎(EAE)は、精製ミエリン塩基性タンパク質を
投与することによってマウスに誘導できるヒト多発性硬
化症の動物モデルである。THがこの疾患の病原論に決
定的な役割を演じることが示された(Wraith et al., 1
989, Cell 57:709-715)。一定のマウス系統において自
己反応性T細胞によって認識される抗原決定基の数は限
定されている。さらに、自己免疫TCRの構築に使用さ
れたVαおよびVβ遺伝子セグメントも同様に限定され
るので、少数の脳炎発生エピトープに対するT細胞応答
の多数が同一TCRをもつ。TCR抗原決定基に対する
抗体を用いてin vivoでの抗原特異的T細胞を除
いて、これによって疾患からの保護を得ることに成功し
ている(Owhashi and Heber-Katz, 1988, J. Exp. Med.
168:2153-2164)。本発明を実施するには、このような
自己反応性T細胞からTCRα鎖遺伝子を単離し、適当
な宿主細胞中で発現させ、そのin vitroおよび
in vivoでの抗原特異的免疫応答の抑制能力を試
験すればよい。この目的にTCRα鎖を使用すること
は、多発性硬化症や重症筋無力症などのある種のヒト疾
患において自己免疫T細胞が検出され、これらも同様に
ある種のVαおよびVβ対立遺伝子に限定された用途を
有するという最近の知見(Oksenberg et al., 1989, Pr
oc.Natl. Acad. Sci. USA 86:988-992 )に照らして特
に重要である。
【0069】本発明によると、上記の症状は、関連抗原
に対して生じる免疫応答を抑制する、その抗原に特異的
な有効投与量のTCRα鎖を患者に投与することによっ
て治療されうる。使用するTCRα鎖の選択は、本明細
書で記載するPFCアッセイなどのin vitroの
免疫制御アッセイにより評価できる。TCRα鎖は各種
の方法で投与され、これには注射、注入、腹腔内および
経口が含まれるが、これらに限定されない。TCRαお
よびその関連誘導体、類似体、例えば、可変領域に由来
するペプチドを単独活性剤として、または他の化合物と
組み合わせて使用できる。このような組成物は、リン酸
緩衝化食塩水、食塩水および滅菌水などの生理学的に許
容できる担体とともに投与されうる。あるいは、TCR
αの送達にリポソームを使用できる。この点において、
リポソームは細胞特異的抗原を認識しこれと結合する抗
体と複合体とし、これによってTCRα組成物の”ター
ゲッティング”手段を提供する。
に対して生じる免疫応答を抑制する、その抗原に特異的
な有効投与量のTCRα鎖を患者に投与することによっ
て治療されうる。使用するTCRα鎖の選択は、本明細
書で記載するPFCアッセイなどのin vitroの
免疫制御アッセイにより評価できる。TCRα鎖は各種
の方法で投与され、これには注射、注入、腹腔内および
経口が含まれるが、これらに限定されない。TCRαお
よびその関連誘導体、類似体、例えば、可変領域に由来
するペプチドを単独活性剤として、または他の化合物と
組み合わせて使用できる。このような組成物は、リン酸
緩衝化食塩水、食塩水および滅菌水などの生理学的に許
容できる担体とともに投与されうる。あるいは、TCR
αの送達にリポソームを使用できる。この点において、
リポソームは細胞特異的抗原を認識しこれと結合する抗
体と複合体とし、これによってTCRα組成物の”ター
ゲッティング”手段を提供する。
【0070】有効投与量とはin vivoで関連抗原
に対して生じたであろう免疫応答を抑制するのに必要な
量である。使用するTCRαの量は投与法、他の活性化
合物の使用などにより変化する。一般に、0.1μg〜
100μg/mlの循環血清レベルをもたらすような投
与量が用いられる。抗原特異的応答を抑制するための最
も有効な濃度は、下記のセクション6.1.5.に記載
するPFCアッセイのようなin vitroアッセイ
に各種濃度のTCRαを加え、達成した阻害レベルをモ
ニターすることにより決定される。
に対して生じたであろう免疫応答を抑制するのに必要な
量である。使用するTCRαの量は投与法、他の活性化
合物の使用などにより変化する。一般に、0.1μg〜
100μg/mlの循環血清レベルをもたらすような投
与量が用いられる。抗原特異的応答を抑制するための最
も有効な濃度は、下記のセクション6.1.5.に記載
するPFCアッセイのようなin vitroアッセイ
に各種濃度のTCRαを加え、達成した阻害レベルをモ
ニターすることにより決定される。
【0071】5.2.2.抗原特異的免疫刺激 ある種の疾患は不十分なまたは欠陥性の免疫応答から起
こる。免疫応答の障害は免疫系の特定部分の欠如または
常軌を逸した機能によるか、あるいはこれらの応答を特
異的にダウンレギュレーションする因子の存在によるか
もしれない。後者の場合、例えば特定抗原に向けられた
免疫応答を抑制する抗原特異的TCRαが患者によって
過剰生産されているかも知れない。このような場合、T
CRαの除去または中和はこのような抑制から応答細胞
を救い、これによってそれが認識する抗原に対する有効
性を増大させるであろう。本明細書に記載するPFCア
ッセイを用いて、抗原特異的免疫抑制効果を示す循環性
または可溶性TCRα鎖の存在について、血清などの患
者の体液をアッセイすることができる。次いで、循環性
抑制分子を除去または中和するためにTCRα鎖への抗
体を用いて患者を治療することができる。
こる。免疫応答の障害は免疫系の特定部分の欠如または
常軌を逸した機能によるか、あるいはこれらの応答を特
異的にダウンレギュレーションする因子の存在によるか
もしれない。後者の場合、例えば特定抗原に向けられた
免疫応答を抑制する抗原特異的TCRαが患者によって
過剰生産されているかも知れない。このような場合、T
CRαの除去または中和はこのような抑制から応答細胞
を救い、これによってそれが認識する抗原に対する有効
性を増大させるであろう。本明細書に記載するPFCア
ッセイを用いて、抗原特異的免疫抑制効果を示す循環性
または可溶性TCRα鎖の存在について、血清などの患
者の体液をアッセイすることができる。次いで、循環性
抑制分子を除去または中和するためにTCRα鎖への抗
体を用いて患者を治療することができる。
【0072】腫瘍特異的免疫応答が示されているにもか
かわらず、連続的に腫瘍が増殖することはT細胞媒介性
の抑制で説明できる。種々の実験的腫瘍系において、抗
原特異的TsおよびTsFの排除が、潜在的な抗−腫瘍
応答を明らかにすることが報告されている(North, 198
2, J. Exp. Med. 55:106-107; Hellstrom et al., 197
8, J. Exp. Med. 49:799-804; Nepom et al., 1977, Bi
ochim. Biophy. Acta.121-148)。抗原特異的サプレッ
サー因子が、腫瘍細胞によって、または腫瘍抗原のある
種の抑制原因エピトープを認識する際に活性化されるT
sによって直接放出されるのかも知れない(Sercarz an
d Krzych, 1991, Immunol. Today 12:111-118)。元来
はTsFに対して生じたモノクローナル抗体が、T細胞
ハイブリドーマによって産生される腫瘍特異的Tサプレ
ッサー因子とも反応するのかも知れない(Steele et a
l., 1985, J. Immunol. 134:2767-2778)。この抗体と
結合するTsFのいくつかは、抗−TCRα抗体と結合
する。したがって、腫瘍抗原に対する適当な特異性をも
つTCRα鎖は、腫瘍免疫性の低下(dampenin
g)に関与し、この場合、このようなTCRαの除去ま
たは中和は、腫瘍特異性応答の回復および増強に有利で
あるだろう。
かわらず、連続的に腫瘍が増殖することはT細胞媒介性
の抑制で説明できる。種々の実験的腫瘍系において、抗
原特異的TsおよびTsFの排除が、潜在的な抗−腫瘍
応答を明らかにすることが報告されている(North, 198
2, J. Exp. Med. 55:106-107; Hellstrom et al., 197
8, J. Exp. Med. 49:799-804; Nepom et al., 1977, Bi
ochim. Biophy. Acta.121-148)。抗原特異的サプレッ
サー因子が、腫瘍細胞によって、または腫瘍抗原のある
種の抑制原因エピトープを認識する際に活性化されるT
sによって直接放出されるのかも知れない(Sercarz an
d Krzych, 1991, Immunol. Today 12:111-118)。元来
はTsFに対して生じたモノクローナル抗体が、T細胞
ハイブリドーマによって産生される腫瘍特異的Tサプレ
ッサー因子とも反応するのかも知れない(Steele et a
l., 1985, J. Immunol. 134:2767-2778)。この抗体と
結合するTsFのいくつかは、抗−TCRα抗体と結合
する。したがって、腫瘍抗原に対する適当な特異性をも
つTCRα鎖は、腫瘍免疫性の低下(dampenin
g)に関与し、この場合、このようなTCRαの除去ま
たは中和は、腫瘍特異性応答の回復および増強に有利で
あるだろう。
【0073】患者中における天然型TCRα鎖の活性
は、その活性を中和する、すなわち抗原との結合能力お
よび/または得られる抗原特異的免疫抑制効果を中和す
る該α鎖に特異的な抗体をin vivo投与すること
により阻害されるであろう(上記セクション5.1.
4.参照)。TCRαの不変または可変領域への抗体が
使用できるが、その特定抗原に特異的なTCRα鎖のみ
が中和され、これによって免疫応答が抗原特異的な方法
で増強されるので、可変領域に結合するものが好ましい
かもしれない。あるいは、検出可能なレベルの可溶性腫
瘍抗原特異的TCRα鎖をもつ癌患者の血清を、抗体を
含むカラムにex vivoで通す、すなわちプラズマ
フェレーシスによって、α鎖または抗原またはそのペプ
チドに吸着させることができる。
は、その活性を中和する、すなわち抗原との結合能力お
よび/または得られる抗原特異的免疫抑制効果を中和す
る該α鎖に特異的な抗体をin vivo投与すること
により阻害されるであろう(上記セクション5.1.
4.参照)。TCRαの不変または可変領域への抗体が
使用できるが、その特定抗原に特異的なTCRα鎖のみ
が中和され、これによって免疫応答が抗原特異的な方法
で増強されるので、可変領域に結合するものが好ましい
かもしれない。あるいは、検出可能なレベルの可溶性腫
瘍抗原特異的TCRα鎖をもつ癌患者の血清を、抗体を
含むカラムにex vivoで通す、すなわちプラズマ
フェレーシスによって、α鎖または抗原またはそのペプ
チドに吸着させることができる。
【0074】in vivoの使用のためには、抗体を
注射、注入、腹腔および経口を含むが、これに限定され
ない各種の方法で投与することができる。抗体はリン酸
緩衝化食塩水、食塩水および滅菌水を含む生理学的に許
容できる担体中で投与する。抗体の使用量は投与方法、
他の活性化合物の使用などにより変化するが、一般には
遊離の全身性TCRα鎖のすべてでなくともその大半が
結合するような飽和投与量である。ex vivo吸着
のためには、抗体またはカラムに結合させる抗原の量
は、患者の血清中のすべての遊離のTCRα鎖でなくと
もその大半を除去するのに十分な量である。
注射、注入、腹腔および経口を含むが、これに限定され
ない各種の方法で投与することができる。抗体はリン酸
緩衝化食塩水、食塩水および滅菌水を含む生理学的に許
容できる担体中で投与する。抗体の使用量は投与方法、
他の活性化合物の使用などにより変化するが、一般には
遊離の全身性TCRα鎖のすべてでなくともその大半が
結合するような飽和投与量である。ex vivo吸着
のためには、抗体またはカラムに結合させる抗原の量
は、患者の血清中のすべての遊離のTCRα鎖でなくと
もその大半を除去するのに十分な量である。
【0075】特定の免疫抑制性TCRα鎖の発現および
全身性放出を阻害して、これによって抗原特異的免疫応
答を選択的に増強するために、アンチセンスオリゴヌク
レオチドを使用できる。この点においては、触媒活性を
示す相補的オリゴヌクレオチド、すなわちリボザイムの
アプローチを使用できる。一般的には例えば、PCT国
際公開WO90/11364;Sarver et al., 1990, S
cience 247:1222-1225を参照されたい。完全TCRαを
使用するよりも、Vαアンチセンスまたは各TCRα鎖
に対するリボザイムオリゴヌクレオチドを使用する方
が、興味ある特定TCRαのみを阻害するので好まし
い。この目的のためには、公知のいかなるTCRα鎖配
列のmRNAに相補的なヌクレアーゼ耐性アンチセンス
Vαオリゴデオキシヌクレオチドを合成してもよい。こ
れが抗原特異的T細胞に取り込まれると、これらの薬剤
が塩基対によってその相補的なmRNA配列とハイブリ
ダイズし、翻訳をブロックしてコードされるタンパク質
産物の産生を阻止しうる(このような技術の総説として
は、Green et al., 1986, Ann. Rev. Biochem. 55:569-
597を参照)。
全身性放出を阻害して、これによって抗原特異的免疫応
答を選択的に増強するために、アンチセンスオリゴヌク
レオチドを使用できる。この点においては、触媒活性を
示す相補的オリゴヌクレオチド、すなわちリボザイムの
アプローチを使用できる。一般的には例えば、PCT国
際公開WO90/11364;Sarver et al., 1990, S
cience 247:1222-1225を参照されたい。完全TCRαを
使用するよりも、Vαアンチセンスまたは各TCRα鎖
に対するリボザイムオリゴヌクレオチドを使用する方
が、興味ある特定TCRαのみを阻害するので好まし
い。この目的のためには、公知のいかなるTCRα鎖配
列のmRNAに相補的なヌクレアーゼ耐性アンチセンス
Vαオリゴデオキシヌクレオチドを合成してもよい。こ
れが抗原特異的T細胞に取り込まれると、これらの薬剤
が塩基対によってその相補的なmRNA配列とハイブリ
ダイズし、翻訳をブロックしてコードされるタンパク質
産物の産生を阻止しうる(このような技術の総説として
は、Green et al., 1986, Ann. Rev. Biochem. 55:569-
597を参照)。
【0076】本発明の別の態様においては、興味ある抗
原に特異的であって、かつ特異的免疫応答を増強するT
CRα鎖を上記セクション5.1.1.に記載したよう
にして同定できる。特定抗原に対する患者の免疫応答を
増強するために、治療的に有効な投与量のこのようなT
CRα鎖を患者に投与してよい。べつの態様において
は、本発明は実質的に純粋な融合ポリペプチドR1−
[X1]−R2(式中、R1は担体ペプチド、R2は構造遺
伝子によってコードされるポリペプチド、そしてX1は
タンパク質分解酵素認識配列である)を提供する。”担
体ペプチド”は融合ペプチド配列のアミノ末端に位置す
る。原核生物の場合、本発明の融合ポリペプチドの担体
ペプチドは融合タンパク質を封入体、外質、外膜、また
は好ましくは外部環境へと輸送するように機能しうる。
真核生物の場合、担体ペプチドは小胞体を通って融合ポ
リペプチドを輸送するように機能すると信じられる。次
いで分泌タンパク質はゴルジ体を通って、分泌小胞へ
と、そして細胞外空間へと、そして好ましくは外部環境
へと輸送される。本発明の担体ペプチドはカルモデュリ
ン(calmodulin)ポリペプチドを含むが、こ
れに限定されない。本発明に従って使用できる担体ペプ
チドの範疇は、プレプロペプチドおよびタンパク質分解
酵素認識部位を含む外膜ペプチドを含む。許容できる担
体ペプチドはまたホルモンのアミノ末端プロ領域を含
む。本明細書に記載する同様の性質をもつ他の担体ペプ
チドは当業者に公知であり、過度の実験を必要とせずに
容易に確認できる。
原に特異的であって、かつ特異的免疫応答を増強するT
CRα鎖を上記セクション5.1.1.に記載したよう
にして同定できる。特定抗原に対する患者の免疫応答を
増強するために、治療的に有効な投与量のこのようなT
CRα鎖を患者に投与してよい。べつの態様において
は、本発明は実質的に純粋な融合ポリペプチドR1−
[X1]−R2(式中、R1は担体ペプチド、R2は構造遺
伝子によってコードされるポリペプチド、そしてX1は
タンパク質分解酵素認識配列である)を提供する。”担
体ペプチド”は融合ペプチド配列のアミノ末端に位置す
る。原核生物の場合、本発明の融合ポリペプチドの担体
ペプチドは融合タンパク質を封入体、外質、外膜、また
は好ましくは外部環境へと輸送するように機能しうる。
真核生物の場合、担体ペプチドは小胞体を通って融合ポ
リペプチドを輸送するように機能すると信じられる。次
いで分泌タンパク質はゴルジ体を通って、分泌小胞へ
と、そして細胞外空間へと、そして好ましくは外部環境
へと輸送される。本発明の担体ペプチドはカルモデュリ
ン(calmodulin)ポリペプチドを含むが、こ
れに限定されない。本発明に従って使用できる担体ペプ
チドの範疇は、プレプロペプチドおよびタンパク質分解
酵素認識部位を含む外膜ペプチドを含む。許容できる担
体ペプチドはまたホルモンのアミノ末端プロ領域を含
む。本明細書に記載する同様の性質をもつ他の担体ペプ
チドは当業者に公知であり、過度の実験を必要とせずに
容易に確認できる。
【0077】本発明のある態様においては、担体ペプチ
ドが発現ベクター中に含まれ、これは特に担体タンパク
質のN−末端近傍に特異的に位置する。本発明の実施例
で使用するベクターはカルモデュリンヌクレオチド配列
を使用するが、融合タンパク質を小胞体(真核生物の場
合)へと、そして外部環境へと、または封入体(原核生
物の場合)へと輸送する手段を提供する他の配列も本発
明には同様に有効であろう。上記したこのような配列は
当業者には公知である。
ドが発現ベクター中に含まれ、これは特に担体タンパク
質のN−末端近傍に特異的に位置する。本発明の実施例
で使用するベクターはカルモデュリンヌクレオチド配列
を使用するが、融合タンパク質を小胞体(真核生物の場
合)へと、そして外部環境へと、または封入体(原核生
物の場合)へと輸送する手段を提供する他の配列も本発
明には同様に有効であろう。上記したこのような配列は
当業者には公知である。
【0078】本発明の担体ペプチドのカルボキシ末端
は、構造遺伝子によってコードされるポリペプチドが融
合タンパク質から容易に分離できるように、タンパク質
分解酵素認識部位を含む。切断認識部位に差異があれ
ば、タンパク質分解の特異性の異なる酵素が存在する可
能性がある。好ましくは、切断部位はトロンビンによっ
て認識される配列、Lys−Val−Pro−Arg−
Glyである。この認識部位は、構造遺伝子によってコ
ードされる予期せぬ程高レベルの活性タンパク質の産生
を可能にする。ファクターXaプロテアーゼによって認
識されるような他の切断部位は当業者に知られるように
なるであろう。
は、構造遺伝子によってコードされるポリペプチドが融
合タンパク質から容易に分離できるように、タンパク質
分解酵素認識部位を含む。切断認識部位に差異があれ
ば、タンパク質分解の特異性の異なる酵素が存在する可
能性がある。好ましくは、切断部位はトロンビンによっ
て認識される配列、Lys−Val−Pro−Arg−
Glyである。この認識部位は、構造遺伝子によってコ
ードされる予期せぬ程高レベルの活性タンパク質の産生
を可能にする。ファクターXaプロテアーゼによって認
識されるような他の切断部位は当業者に知られるように
なるであろう。
【0079】本発明の融合ポリペプチドは構造遺伝子に
よってコードされるポリペプチドを、好ましくは融合ポ
リペプチドのカルボキシ末端に含む。いかなる構造遺伝
子も該担体ペプチドと切断部位と共同して発現される。
構造遺伝子は、融合ポリペプチドが単一のユニットとし
て発現されるように、発現ベクター中で担体および切断
部位と機能しうるように結合される。本発明の融合ポリ
ペプチドの産生に使用できる構造遺伝子の例は、TCR
αの細胞膜外ドメインのみを含む切形のTCRαをコー
ドする。
よってコードされるポリペプチドを、好ましくは融合ポ
リペプチドのカルボキシ末端に含む。いかなる構造遺伝
子も該担体ペプチドと切断部位と共同して発現される。
構造遺伝子は、融合ポリペプチドが単一のユニットとし
て発現されるように、発現ベクター中で担体および切断
部位と機能しうるように結合される。本発明の融合ポリ
ペプチドの産生に使用できる構造遺伝子の例は、TCR
αの細胞膜外ドメインのみを含む切形のTCRαをコー
ドする。
【0080】本発明は実質的に純粋なポリペプチドを提
供する。ここで使用する”実質的に純粋な”とは、天然
で結合しうる他のタンパク質、脂質、炭化水素または他
の物質を実質的に含まないポリペプチドをいう。ポリペ
プチドのエピトープに結合するモノクローナル抗体を用
いるアフィニティークロマトグラフィーなどのタンパク
質精製のための標準法を用いてポリペプチドを精製する
ことが当業者には可能である。実質的に純粋なポリペプ
チドはポリアクリルアミドゲルで単一の主要バンドをも
たらす。ポリペプチドの純度はアミノ末端アミノ酸配列
分析によって決定できる。ポリペプチドには、ポリペプ
チドの活性が保持されている限り、該ポリペプチドの機
能的断片も含まれる。ポリペプチドの生物学的活性を有
するより小さいペプチドも本発明に含まれる。
供する。ここで使用する”実質的に純粋な”とは、天然
で結合しうる他のタンパク質、脂質、炭化水素または他
の物質を実質的に含まないポリペプチドをいう。ポリペ
プチドのエピトープに結合するモノクローナル抗体を用
いるアフィニティークロマトグラフィーなどのタンパク
質精製のための標準法を用いてポリペプチドを精製する
ことが当業者には可能である。実質的に純粋なポリペプ
チドはポリアクリルアミドゲルで単一の主要バンドをも
たらす。ポリペプチドの純度はアミノ末端アミノ酸配列
分析によって決定できる。ポリペプチドには、ポリペプ
チドの活性が保持されている限り、該ポリペプチドの機
能的断片も含まれる。ポリペプチドの生物学的活性を有
するより小さいペプチドも本発明に含まれる。
【0081】本発明はまた、融合ポリペプチドをコード
するポリヌクレオチドも提供する。これらのポリヌクレ
オチドはDNA、cDNA、およびRNA配列を含む。
融合ポリペプチドの全部または一部をコードするすべて
のポリヌクレオチドもまた、その切断産物が生物学的活
性を有するポリヌクレオチドをコードする限り、ここに
含まれると理解される。このようなポリヌクレオチド
は、天然、合成、および故意に変更を加えたポリヌクレ
オチドを含む。例えば、ポリヌクレオチドに部位特異的
突然変異を誘発することができる。ポリヌクレオチド配
列はまた、アンチセンス配列および遺伝コードの結果と
して縮重する配列を含む。天然には20のアミノ酸が存
在し、これらの多くが1以上のコドンによって特定され
る。したがって、ヌクレオチド配列によってコードされ
る融合ポリペプチドのアミノ酸配列が機能的に変化しな
い限り、すべての縮重ヌクレオチド配列が本発明に含ま
れる。
するポリヌクレオチドも提供する。これらのポリヌクレ
オチドはDNA、cDNA、およびRNA配列を含む。
融合ポリペプチドの全部または一部をコードするすべて
のポリヌクレオチドもまた、その切断産物が生物学的活
性を有するポリヌクレオチドをコードする限り、ここに
含まれると理解される。このようなポリヌクレオチド
は、天然、合成、および故意に変更を加えたポリヌクレ
オチドを含む。例えば、ポリヌクレオチドに部位特異的
突然変異を誘発することができる。ポリヌクレオチド配
列はまた、アンチセンス配列および遺伝コードの結果と
して縮重する配列を含む。天然には20のアミノ酸が存
在し、これらの多くが1以上のコドンによって特定され
る。したがって、ヌクレオチド配列によってコードされ
る融合ポリペプチドのアミノ酸配列が機能的に変化しな
い限り、すべての縮重ヌクレオチド配列が本発明に含ま
れる。
【0082】本発明のDNA配列は上記したいくつかの
方法によって得ることができる。例えば、当業界で周知
のハイブリダイゼーション法を用いてDNAを単離でき
る。これに限定する訳ではないが、これらには1)共有
するヌクレオチド配列を検出するための、ゲノミックま
たはcDNAライブラリーへのプローブのハイブリダイ
ゼーション;2)共有する構造上の特徴を検出するため
の、発現ライブラリーの抗体スクリーニング;および
3)ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)による合成を含
む。
方法によって得ることができる。例えば、当業界で周知
のハイブリダイゼーション法を用いてDNAを単離でき
る。これに限定する訳ではないが、これらには1)共有
するヌクレオチド配列を検出するための、ゲノミックま
たはcDNAライブラリーへのプローブのハイブリダイ
ゼーション;2)共有する構造上の特徴を検出するため
の、発現ライブラリーの抗体スクリーニング;および
3)ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)による合成を含
む。
【0083】所望のポリペプチド産物のアミノ酸残基の
全配列が分かっている場合には、DNA配列の合成法は
しばしばえり抜きの方法である。所望のポリペプチドの
アミノ酸残基の全配列が未知の場合には、DNA配列の
直接合成は不可能であり、えり抜きの方法はcDNA配
列の合成である。cDNA配列を単離する標準法の中
で、高レベルで遺伝子発現をするドナー細胞中に豊富な
mRNAの逆転写から誘導されるプラスミドまたはファ
ージが有するcDNAライブラリーを形成するこは興味
深い。ポリメラーゼ連鎖反応法と組み合わせて使用する
と、まれな発現産物であってもクローン化できる。ポリ
ペプチドのアミノ酸配列のかなりの部分が分かっている
場合には、ターゲットのcDNA中に推定的に存在する
配列を複製する、標識した1本または2本鎖のDNAま
たはRNAプローブ配列を作製して、これをあらかじめ
1本鎖形に変性しておいたcDNAのクローン化コピー
上で実施するDNA/DNAハイブリダイゼーション法
に使用してもよい(Jay et al., Nucl. Acid Res. 11:2
325, 1983)。
全配列が分かっている場合には、DNA配列の合成法は
しばしばえり抜きの方法である。所望のポリペプチドの
アミノ酸残基の全配列が未知の場合には、DNA配列の
直接合成は不可能であり、えり抜きの方法はcDNA配
列の合成である。cDNA配列を単離する標準法の中
で、高レベルで遺伝子発現をするドナー細胞中に豊富な
mRNAの逆転写から誘導されるプラスミドまたはファ
ージが有するcDNAライブラリーを形成するこは興味
深い。ポリメラーゼ連鎖反応法と組み合わせて使用する
と、まれな発現産物であってもクローン化できる。ポリ
ペプチドのアミノ酸配列のかなりの部分が分かっている
場合には、ターゲットのcDNA中に推定的に存在する
配列を複製する、標識した1本または2本鎖のDNAま
たはRNAプローブ配列を作製して、これをあらかじめ
1本鎖形に変性しておいたcDNAのクローン化コピー
上で実施するDNA/DNAハイブリダイゼーション法
に使用してもよい(Jay et al., Nucl. Acid Res. 11:2
325, 1983)。
【0084】本発明の融合ポリペプチドをコードするD
NA配列は、適当な宿主細胞中にDNA移入することに
よってin vitroで発現させることができる。”
宿主細胞”とは、その中でベクターを増殖させ、そのD
NAを発現させる細胞である。この語はまた、当該宿主
細胞のすべての子孫も含む。複製中に突然変異が起こり
得るので、すべての子孫が親細胞と同一ではないかも知
れないことが理解される。しかしがら、このような子孫
も”宿主細胞”という語を使用する場合には含まれる。
本発明の好ましい宿主細胞はE.coli,S.aur
eusおよびP.aeruginosaを含むが、その
他の当業界で公知のグラム陰性およびグラム陽性生物
も、発現ベクターが宿主中における発現を可能にする複
製オリジンを含む限り、使用できる。安定な移入法、言
い換えれば外来DNAが継続的に宿主中で維持される方
法は当業界で公知である。
NA配列は、適当な宿主細胞中にDNA移入することに
よってin vitroで発現させることができる。”
宿主細胞”とは、その中でベクターを増殖させ、そのD
NAを発現させる細胞である。この語はまた、当該宿主
細胞のすべての子孫も含む。複製中に突然変異が起こり
得るので、すべての子孫が親細胞と同一ではないかも知
れないことが理解される。しかしがら、このような子孫
も”宿主細胞”という語を使用する場合には含まれる。
本発明の好ましい宿主細胞はE.coli,S.aur
eusおよびP.aeruginosaを含むが、その
他の当業界で公知のグラム陰性およびグラム陽性生物
も、発現ベクターが宿主中における発現を可能にする複
製オリジンを含む限り、使用できる。安定な移入法、言
い換えれば外来DNAが継続的に宿主中で維持される方
法は当業界で公知である。
【0085】本発明においては、ポリヌクレオチド配列
を組換え発現ベクター中に挿入できる。”組換え発現ベ
クター”の語は、TCRαの遺伝子配列と、例えば担体
ペプチドおよび切断部位とを挿入または組み込むように
操作された、当業界で公知のプラスミド、ウイルスまた
は他のビヒクルをいう。このような発現ベクターは、挿
入された遺伝子配列の宿主による有効な翻訳を容易にす
るプロモーター配列を含む。発現ベクターは典型的には
複製オリジン、プロモーター、ならびに形質転換された
細胞の表現型の選択を可能にする特定遺伝子を含む。本
発明の使用に適したベクターは、これに限定される訳で
はないが、細菌中での発現に用いられるT7−ベースの
発現ベクター(Rosenberg et al., Gene 56:125, 198
7)、哺乳動物細胞中での発現に用いられるpMSXN
D発現ベクター(Lee and Nathans,J. Biol. Chem. 26
3:3521, 1988)および昆虫細胞中での発現に用いられる
バキュロウイルス由来のベクターを含む。DNAセグメ
ントは、プロモーター(例えば、T7、メタロチオネイ
ンI、またはポリヘドリンプロモーター)などの制御要
素と機能しうるように結合されてベクター中に存在しう
る。
を組換え発現ベクター中に挿入できる。”組換え発現ベ
クター”の語は、TCRαの遺伝子配列と、例えば担体
ペプチドおよび切断部位とを挿入または組み込むように
操作された、当業界で公知のプラスミド、ウイルスまた
は他のビヒクルをいう。このような発現ベクターは、挿
入された遺伝子配列の宿主による有効な翻訳を容易にす
るプロモーター配列を含む。発現ベクターは典型的には
複製オリジン、プロモーター、ならびに形質転換された
細胞の表現型の選択を可能にする特定遺伝子を含む。本
発明の使用に適したベクターは、これに限定される訳で
はないが、細菌中での発現に用いられるT7−ベースの
発現ベクター(Rosenberg et al., Gene 56:125, 198
7)、哺乳動物細胞中での発現に用いられるpMSXN
D発現ベクター(Lee and Nathans,J. Biol. Chem. 26
3:3521, 1988)および昆虫細胞中での発現に用いられる
バキュロウイルス由来のベクターを含む。DNAセグメ
ントは、プロモーター(例えば、T7、メタロチオネイ
ンI、またはポリヘドリンプロモーター)などの制御要
素と機能しうるように結合されてベクター中に存在しう
る。
【0086】例えば、本発明の融合ペプチドの発現は、
酵素β−ガラクトシダーゼの調節によりラクトース利用
を媒介するラクトースまたはlacオペロンを含む大腸
菌の染色体DNAの制御下におかれうる。lac制御系
はIPTGにより誘導しうる。IPTGが添加されるま
でlacプロモーターの抑制を許すlac Iqリプレ
ッサー遺伝子を含むようにプラスミドを構築できる。当
業界で公知のその他のプロモーター系は、ベータラクタ
マーゼ、ラムダプロモーター、プロテインAプロモータ
ー、およびトリプトファンプロモーター系を含む。これ
らが最もよく使用されるが、他の微生物プロモーターも
同様に使用できる。ベクターはレプリコン部位ならびに
宿主細胞と適合性の種に由来する制御配列を含む。さら
に、ベクターは、形質転換された細胞中での表現型選択
を提供することのできる特定遺伝子を含むことができ
る。例えば、ベータラクタマーゼ遺伝子は、ベータラク
タマーゼ遺伝子をもつベクターを含む形質転換細胞にア
ンピシリン耐性を与える。
酵素β−ガラクトシダーゼの調節によりラクトース利用
を媒介するラクトースまたはlacオペロンを含む大腸
菌の染色体DNAの制御下におかれうる。lac制御系
はIPTGにより誘導しうる。IPTGが添加されるま
でlacプロモーターの抑制を許すlac Iqリプレ
ッサー遺伝子を含むようにプラスミドを構築できる。当
業界で公知のその他のプロモーター系は、ベータラクタ
マーゼ、ラムダプロモーター、プロテインAプロモータ
ー、およびトリプトファンプロモーター系を含む。これ
らが最もよく使用されるが、他の微生物プロモーターも
同様に使用できる。ベクターはレプリコン部位ならびに
宿主細胞と適合性の種に由来する制御配列を含む。さら
に、ベクターは、形質転換された細胞中での表現型選択
を提供することのできる特定遺伝子を含むことができ
る。例えば、ベータラクタマーゼ遺伝子は、ベータラク
タマーゼ遺伝子をもつベクターを含む形質転換細胞にア
ンピシリン耐性を与える。
【0087】本発明の融合ポリペプチドをコードするポ
リヌクレオチド配列を原核または真核生物中で発現させ
ることができる。宿主は微生物、酵母、昆虫および哺乳
動物有機体を含みうる。真核のまたはウイルスの配列を
もつDNA配列を原核細胞中で発現させる方法は当業界
で周知である。宿主中で発現および複製できる生物学的
に機能的なウイルスおよびプラスミドDNAベクターが
当業界で公知である。このようなベクターは本発明のD
NA配列を組み込むのに使用できる。本発明の宿主細胞
は融合タンパク質の切断部位を認識する酵素を自然にコ
ードしてよい。しかしながら、その中で融合ポリペプチ
ドの発現が望まれる宿主が切断部位を認識する酵素を固
有にもっていない場合には、このような酵素をコードす
る遺伝子配列を、融合タンパク質のためのポリヌクレオ
チド配列とともに宿主細胞に同時トランスフェクション
することができる。
リヌクレオチド配列を原核または真核生物中で発現させ
ることができる。宿主は微生物、酵母、昆虫および哺乳
動物有機体を含みうる。真核のまたはウイルスの配列を
もつDNA配列を原核細胞中で発現させる方法は当業界
で周知である。宿主中で発現および複製できる生物学的
に機能的なウイルスおよびプラスミドDNAベクターが
当業界で公知である。このようなベクターは本発明のD
NA配列を組み込むのに使用できる。本発明の宿主細胞
は融合タンパク質の切断部位を認識する酵素を自然にコ
ードしてよい。しかしながら、その中で融合ポリペプチ
ドの発現が望まれる宿主が切断部位を認識する酵素を固
有にもっていない場合には、このような酵素をコードす
る遺伝子配列を、融合タンパク質のためのポリヌクレオ
チド配列とともに宿主細胞に同時トランスフェクション
することができる。
【0088】組換えDNAによる宿主細胞の形質転換は
当業者に周知の慣用法によって実施できる。宿主が大腸
菌などの原核生物である場合には、DNA取り込みので
きるコンピテント細胞を、指数的成長期の後に回収した
細胞から調製し、次いで当業界で周知の方法によってC
aCl2法で処理することができる。あるいは、MgCl2 ま
たはRbClを用いることもできる。形質転換はまた、宿主
細胞の原形質体が形成された後に、またはエレクトロポ
レーションにより行うことができる。
当業者に周知の慣用法によって実施できる。宿主が大腸
菌などの原核生物である場合には、DNA取り込みので
きるコンピテント細胞を、指数的成長期の後に回収した
細胞から調製し、次いで当業界で周知の方法によってC
aCl2法で処理することができる。あるいは、MgCl2 ま
たはRbClを用いることもできる。形質転換はまた、宿主
細胞の原形質体が形成された後に、またはエレクトロポ
レーションにより行うことができる。
【0089】宿主が真核生物の場合、リン酸カルシウム
共沈殿、マイクロインジェクションなどの慣用的な機械
的方法、エレクトロポレーション、リポソームに封入し
たプラスミドやウイルスベクターの挿入のようなDNA
トランスフェクション法を使用できる。真核生物細胞は
また、本発明の融合ポリペプチドをコードするDNA配
列と、単純ヘルペスチミシンキナーゼ遺伝子などの選択
可能な表現型をコードする第2の外来DNA分子とで同
時トランスフェクションできる。別の方法では、真核細
胞を一時的に感染または形質転換してタンパク質を発現
させるために、シミアンウイルス40(SV40)また
はウシパピローマウイルスなどの真核ウイルスベクター
を使用する(Eukaryotic Viral Vectors, Cold Spring
Harbor Laboratory, Gluzman ed., 1982)。
共沈殿、マイクロインジェクションなどの慣用的な機械
的方法、エレクトロポレーション、リポソームに封入し
たプラスミドやウイルスベクターの挿入のようなDNA
トランスフェクション法を使用できる。真核生物細胞は
また、本発明の融合ポリペプチドをコードするDNA配
列と、単純ヘルペスチミシンキナーゼ遺伝子などの選択
可能な表現型をコードする第2の外来DNA分子とで同
時トランスフェクションできる。別の方法では、真核細
胞を一時的に感染または形質転換してタンパク質を発現
させるために、シミアンウイルス40(SV40)また
はウシパピローマウイルスなどの真核ウイルスベクター
を使用する(Eukaryotic Viral Vectors, Cold Spring
Harbor Laboratory, Gluzman ed., 1982)。
【0090】本発明の微生物または真核生物で発現させ
たポリペプチドの単離および精製法は、例えば分取クロ
マトグラフィーによる分離、およびモノクローナルまた
はポリクローナル抗体などの使用を含む免疫学的分離な
どのいかなる慣用法によっても行うことができる。以上
の記載は本発明を一般的に記載する。以下の特定の実施
例を参照することにより本発明はさらに完全に理解され
るが、該実施例は説明の目的で記載するものであり、本
発明の範囲を限定するものではない。
たポリペプチドの単離および精製法は、例えば分取クロ
マトグラフィーによる分離、およびモノクローナルまた
はポリクローナル抗体などの使用を含む免疫学的分離な
どのいかなる慣用法によっても行うことができる。以上
の記載は本発明を一般的に記載する。以下の特定の実施
例を参照することにより本発明はさらに完全に理解され
るが、該実施例は説明の目的で記載するものであり、本
発明の範囲を限定するものではない。
【0091】
6.実施例:レトロウィルス遺伝子移入により証明され
るTCRα鎖の免疫調節活性 6.1. 材料及び方法 6.1.1. 動物 C57B1/10及びC57B1/6動物をジャクソン
・ラボラトリーズ(バーハーバー,ME)から購入し
た。 6.1.2. 細胞株 A1.1(フォテダー(Foteder) ら, 1985, J. Immunol.
135:3028-3033)、B9(フォテダーら, 1985, J. Immun
ol. 135:3028-3033)、BW1100(ホワイト(White)
ら, 1989, J. Immunol. 143:1822-1825)、175.2(グ
ライヘンハウス(Glaichenhaus)ら, 1991, J. Immunol.
146:2095)及びA1.1TCR遺伝子を発現するこれら細
胞株の誘導体(以下の6.1.4.節を参照のこと)を、RP
MI1640+10%FCS中で維持した。また、多く
の細胞株を無タンパク、無血清培地(セル・バイオテク
ノロジーズ,ロックビル,MD)にも順応させた。
るTCRα鎖の免疫調節活性 6.1. 材料及び方法 6.1.1. 動物 C57B1/10及びC57B1/6動物をジャクソン
・ラボラトリーズ(バーハーバー,ME)から購入し
た。 6.1.2. 細胞株 A1.1(フォテダー(Foteder) ら, 1985, J. Immunol.
135:3028-3033)、B9(フォテダーら, 1985, J. Immun
ol. 135:3028-3033)、BW1100(ホワイト(White)
ら, 1989, J. Immunol. 143:1822-1825)、175.2(グ
ライヘンハウス(Glaichenhaus)ら, 1991, J. Immunol.
146:2095)及びA1.1TCR遺伝子を発現するこれら細
胞株の誘導体(以下の6.1.4.節を参照のこと)を、RP
MI1640+10%FCS中で維持した。また、多く
の細胞株を無タンパク、無血清培地(セル・バイオテク
ノロジーズ,ロックビル,MD)にも順応させた。
【0092】6.1.3. 抗体及び抗原 CD3εに特異性を有するモノクローナル抗体(145
−2C11,ハムスターIgG)(レオ(Leo) ら, 198
7, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:1374-1378)、及び
TCR Cαに特異性を有するモノクローナル抗体(H
28−710.16,ハムスターlgG)(ベッカー (Be
cker) ら, 1989, Cell 58: 911-921)をプロテインAア
フィニティクロマトグラフィー(プロテインA Superos
e, ファルマシア)により精製した。表面CD3の蛍光
染色及びFACS分析(ゼング(Zheng) ら, 1989, Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA 86: 3758-3762)及びH28
−710での抗体アフィニティクロマトグラフィーを先
に記載されたようにして行った(ビソネッテ (Bissonet
te) ら, 1991, J. Immunol 146:28-98-2907 )。SRB
Cは、モース・バイオロジカルズ(エドモントン,A
B)又はコロラド・シアラム社(デンバー,CO)から
購入した。選択合成ポリペプチド、つまりポリ18及び
その構造に基づくペプチド(図4に挙げた)を、先に記
載されたようにして調製した(フォテダーら, 1985, J.
Immunol. 135:3028-3033)。
−2C11,ハムスターIgG)(レオ(Leo) ら, 198
7, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:1374-1378)、及び
TCR Cαに特異性を有するモノクローナル抗体(H
28−710.16,ハムスターlgG)(ベッカー (Be
cker) ら, 1989, Cell 58: 911-921)をプロテインAア
フィニティクロマトグラフィー(プロテインA Superos
e, ファルマシア)により精製した。表面CD3の蛍光
染色及びFACS分析(ゼング(Zheng) ら, 1989, Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA 86: 3758-3762)及びH28
−710での抗体アフィニティクロマトグラフィーを先
に記載されたようにして行った(ビソネッテ (Bissonet
te) ら, 1991, J. Immunol 146:28-98-2907 )。SRB
Cは、モース・バイオロジカルズ(エドモントン,A
B)又はコロラド・シアラム社(デンバー,CO)から
購入した。選択合成ポリペプチド、つまりポリ18及び
その構造に基づくペプチド(図4に挙げた)を、先に記
載されたようにして調製した(フォテダーら, 1985, J.
Immunol. 135:3028-3033)。
【0093】6.1.4. T細胞ハイブリドーマ内へのTC
R遺伝子のレトロウィルス移入 全細胞RNAを通常のグアニジン−イソチオシアネート
及び塩化セシウム法により109 細胞から単離した。ポ
リA+ RNAは、オリゴ−dTセルロースアフィニティ
クロマトグラフィーにより回収した。第1鎖合成をオリ
ゴ−dTプライマーと逆転写酵素を使用して行い、第2
鎖合成をDNAポリメラーゼI及びRNアーゼ(RNase)
Hを使用して行った。メチル化された平滑末端二本鎖
(ds)cDNAをEcoRIリンカーに連結した。E
coRI消化に続いて、dscDNAをその大きさにつ
いてアガロースゲル上で選別し、スペルミン沈澱により
精製し、そしてλgt10内にクローン化した。該λD
NAを in vitro でパッケージした(ギガパックゴール
ド,ストラタジーン,ラホヤ,CA)。約200,000
個のプラークを、32P放射性ラベル化Cα及びCβプロ
ーブを使用する in situハイブリダイゼーションにより
スクリーニングした。該CαプローブとCβプローブ
は、(牛インシュリン特異的T細胞ハイブリドーマから
調製した)cDNAライブラリーをスクリーニングする
のに使用した。標準ジデオキシ配列決定用に、陽性クロ
ーンからの挿入DNAをM13mp18及びM13mp
19に連結した。
R遺伝子のレトロウィルス移入 全細胞RNAを通常のグアニジン−イソチオシアネート
及び塩化セシウム法により109 細胞から単離した。ポ
リA+ RNAは、オリゴ−dTセルロースアフィニティ
クロマトグラフィーにより回収した。第1鎖合成をオリ
ゴ−dTプライマーと逆転写酵素を使用して行い、第2
鎖合成をDNAポリメラーゼI及びRNアーゼ(RNase)
Hを使用して行った。メチル化された平滑末端二本鎖
(ds)cDNAをEcoRIリンカーに連結した。E
coRI消化に続いて、dscDNAをその大きさにつ
いてアガロースゲル上で選別し、スペルミン沈澱により
精製し、そしてλgt10内にクローン化した。該λD
NAを in vitro でパッケージした(ギガパックゴール
ド,ストラタジーン,ラホヤ,CA)。約200,000
個のプラークを、32P放射性ラベル化Cα及びCβプロ
ーブを使用する in situハイブリダイゼーションにより
スクリーニングした。該CαプローブとCβプローブ
は、(牛インシュリン特異的T細胞ハイブリドーマから
調製した)cDNAライブラリーをスクリーニングする
のに使用した。標準ジデオキシ配列決定用に、陽性クロ
ーンからの挿入DNAをM13mp18及びM13mp
19に連結した。
【0094】本明細書に記載の実施例で使用する全ての
レトロウィルスベクターはN2ベクターの誘導体である
(ケラー (Keller) ら, 1985, Nature 318:149-154)。
A1.1TCRα及びβcDNAは全配列を決定した。簡
単に説明すれば、A1.1αcDNAは、Vα1.2(アーデ
ン(Arden) ら, 1985, Nature 316:783-787)及びJαT
A65遺伝子セグメントを使用し、A1.1βcDNA
は、Vβ6(バース(Barth) ら, 1985, Nature 316:517-5
23)、Dβ2(スイ(Sui) ら, 1984, Nature 311:344-34
9)及びJβ2.7(ガスコイン(Gascoigne) ら, 1984, Nat
ure 310:387-391)遺伝子セグメントを使用する。α鎖
cDNAの発現をレトロウィルスLTRから始め、β鎖
の発現をTCR Vβ2 プロモーター及びTCRβエン
ハンサーの制御下で行った。両挿入物をN2ベクターの
XhoI部位内にクローン化した。これら構築物をパッ
ケージング細胞株ψ2(マーン (Mann) ら, 1983, Cell
33: 153-159)及びPA317(ミラー (Miller) 及び
ブチモア(Buttimore) ら, 1986, Mol. Cell. Biol., 6:
2895-2902)内にトランスフェクションした。該クロー
ン化されたプロデューサー細胞株は、標準法(ミラー及
びブチモアら, 1986, Mol. Cell. Biol., 6: 2895-290
2)により測定したところ、5×105 〜1×10 6 の
力価を有した。受容体T細胞ハイブリドーマを、該プロ
デューサー細胞株の上清により、記載されたようにして
(ケラーら, 1985, Nature 318:149-154)感染させ、G
418(0.8〜1.0mg/ml)中で10日間選択し
た。A1.1αを発現する175.2細胞の場合には、抗C
D3で蛍光染色してからFACStarプラス(ベクト
ン−ディッキンソン)を使用した細胞選別により更に選
択を行った。形質導入されたTCR遺伝子の発現は、抗
Vβ6 モノクローナル抗体(パイネ(Payne) ら, 1988,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:7695-7698)又は抗CD
3のいずれかを使用するFACS分析により、又はコン
トロール及び感染した受容体T細胞ハイブリドーマから
のRNAのPCR分析により確認した。Vα1 及びCα
遺伝子セグメントに特異的なプライマーをPCRに使用
した。増幅した産物をA1.1αcDNAの接合部領域に
特異的な5’末端ラベル化アンチセンスオリゴヌクレオ
チドとハイブリダイズさせた。
レトロウィルスベクターはN2ベクターの誘導体である
(ケラー (Keller) ら, 1985, Nature 318:149-154)。
A1.1TCRα及びβcDNAは全配列を決定した。簡
単に説明すれば、A1.1αcDNAは、Vα1.2(アーデ
ン(Arden) ら, 1985, Nature 316:783-787)及びJαT
A65遺伝子セグメントを使用し、A1.1βcDNA
は、Vβ6(バース(Barth) ら, 1985, Nature 316:517-5
23)、Dβ2(スイ(Sui) ら, 1984, Nature 311:344-34
9)及びJβ2.7(ガスコイン(Gascoigne) ら, 1984, Nat
ure 310:387-391)遺伝子セグメントを使用する。α鎖
cDNAの発現をレトロウィルスLTRから始め、β鎖
の発現をTCR Vβ2 プロモーター及びTCRβエン
ハンサーの制御下で行った。両挿入物をN2ベクターの
XhoI部位内にクローン化した。これら構築物をパッ
ケージング細胞株ψ2(マーン (Mann) ら, 1983, Cell
33: 153-159)及びPA317(ミラー (Miller) 及び
ブチモア(Buttimore) ら, 1986, Mol. Cell. Biol., 6:
2895-2902)内にトランスフェクションした。該クロー
ン化されたプロデューサー細胞株は、標準法(ミラー及
びブチモアら, 1986, Mol. Cell. Biol., 6: 2895-290
2)により測定したところ、5×105 〜1×10 6 の
力価を有した。受容体T細胞ハイブリドーマを、該プロ
デューサー細胞株の上清により、記載されたようにして
(ケラーら, 1985, Nature 318:149-154)感染させ、G
418(0.8〜1.0mg/ml)中で10日間選択し
た。A1.1αを発現する175.2細胞の場合には、抗C
D3で蛍光染色してからFACStarプラス(ベクト
ン−ディッキンソン)を使用した細胞選別により更に選
択を行った。形質導入されたTCR遺伝子の発現は、抗
Vβ6 モノクローナル抗体(パイネ(Payne) ら, 1988,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:7695-7698)又は抗CD
3のいずれかを使用するFACS分析により、又はコン
トロール及び感染した受容体T細胞ハイブリドーマから
のRNAのPCR分析により確認した。Vα1 及びCα
遺伝子セグメントに特異的なプライマーをPCRに使用
した。増幅した産物をA1.1αcDNAの接合部領域に
特異的な5’末端ラベル化アンチセンスオリゴヌクレオ
チドとハイブリダイズさせた。
【0095】6.1.5. 抗原特異的調節活性の in vitro
分析 A1.1誘導抗原特異的調節活性を分析するために、簡単
な抗原特異的系を用いた(ゼングら, 1988, J. Immunol
140:1351-1358; ビソネッテら, 1991, J. Immunol 14
6:28-98-2907;ゼングら, 1989, Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 86: 3758-3762)。C57B1/6又はC57B
1/10マウスからの脾臓細胞(1×10 7 )を、10
%FCS及び5×10-5M 2−MEを補充したRPM
I1640の1ml培養液の中に入れた。各培養液に、
ポリ18又は置換されたポリペプチドと結合した1%S
RBC50μlを加えた。該培養液に、“補助成分”
(10〜15%)と共に又は“補助成分”なしで、濾過滅菌
したハイブリドーマ上清を添加することによって、抑制
活性を評価した。この補助成分は、前記の5.1.1.節に記
載したようにして(ゼングら, 1988, J. Immunol 140:1
351-1358; ビソネッテら, 1991, J. Immunol 146:28-98
-2907 を参照のこと)、SRBCに免疫感作した動物か
らのマウスT細胞を培養した後、その上清をSRBCで
吸着して調製した。また、T細胞ハイブリドーマの培養
上清、つまり3−1−V(以下の8節に記載されてい
る)を補助上清として使用してもよい(図1)。該培養
液を37℃で加湿した92%空気/8%CO2 中でイン
キュベートし、5日後に抗SRBCPFC評価を行っ
た。本明細書に示した全ての実験において、T細胞ハイ
ブリドーマの上清も該補助上清も、単独で添加した場合
には免疫応答に影響を与えなかった。従って、本明細書
に記載した全コントロール及び実験培養液は補助上清を
含有し、補助上清なしの結果は示されていない。
分析 A1.1誘導抗原特異的調節活性を分析するために、簡単
な抗原特異的系を用いた(ゼングら, 1988, J. Immunol
140:1351-1358; ビソネッテら, 1991, J. Immunol 14
6:28-98-2907;ゼングら, 1989, Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 86: 3758-3762)。C57B1/6又はC57B
1/10マウスからの脾臓細胞(1×10 7 )を、10
%FCS及び5×10-5M 2−MEを補充したRPM
I1640の1ml培養液の中に入れた。各培養液に、
ポリ18又は置換されたポリペプチドと結合した1%S
RBC50μlを加えた。該培養液に、“補助成分”
(10〜15%)と共に又は“補助成分”なしで、濾過滅菌
したハイブリドーマ上清を添加することによって、抑制
活性を評価した。この補助成分は、前記の5.1.1.節に記
載したようにして(ゼングら, 1988, J. Immunol 140:1
351-1358; ビソネッテら, 1991, J. Immunol 146:28-98
-2907 を参照のこと)、SRBCに免疫感作した動物か
らのマウスT細胞を培養した後、その上清をSRBCで
吸着して調製した。また、T細胞ハイブリドーマの培養
上清、つまり3−1−V(以下の8節に記載されてい
る)を補助上清として使用してもよい(図1)。該培養
液を37℃で加湿した92%空気/8%CO2 中でイン
キュベートし、5日後に抗SRBCPFC評価を行っ
た。本明細書に示した全ての実験において、T細胞ハイ
ブリドーマの上清も該補助上清も、単独で添加した場合
には免疫応答に影響を与えなかった。従って、本明細書
に記載した全コントロール及び実験培養液は補助上清を
含有し、補助上清なしの結果は示されていない。
【0096】6.1.6. T細胞誘導タンパク質へのビオチ
ン複合ペプチドの直接結合 ペプチドEYK(EYA)4EYK及びEYKEYAEY
AAYAEYAEYKを、記載されたようにして(ベイ
ヤー(Bayer) 及びウィルチェック (Wilcheck),1980, Me
thods Biochem. Anal., 26:1-45)ビオチンと複合化さ
せ、改良ELISA分析法(ガリナ(Gallina) ら, 199
0, J. Immunol., 145:3570-3577)により細胞上清にお
ける抗原結合活性を評価した。無タンパク、無血清培地
で成育した細胞株からの上清をセントリコン30濾過シ
ステム(アミコン,ダンバース,MA)上で約50〜2
00分の1に濃縮し、炭酸緩衝液(pH9.6)で種々の
濃度に希釈して、イムノロンIIプレート(ダイナテッ
ク,シャンティリー,VA)上に37℃で2時間コーテ
ィングした。PBS+0.05%ツィーン20で洗浄後、
結合した物質を1:500の希釈度で100μlのビオ
チン化ペプチドと共に37℃で1時間インキュベート
し、洗浄し、1:2000に希釈したエキストラアビジ
ン−アルカリ性ホスファターゼ複合体(シグマ)と共に
インキュベートし、洗浄し、そしてリン酸ニトロフェニ
ル基質(シグマ)で発色させた。適当にインキュベート
した(4℃で一晩であることが多い)後にOD410n
mを測定した。幾つかの実験において、結合についての
競合性を評価するために、ウェルあたり100ng〜1
μgの(ビオチンなしの)ペプチド、並びに活性ビオチ
ン化ペプチドを添加した。
ン複合ペプチドの直接結合 ペプチドEYK(EYA)4EYK及びEYKEYAEY
AAYAEYAEYKを、記載されたようにして(ベイ
ヤー(Bayer) 及びウィルチェック (Wilcheck),1980, Me
thods Biochem. Anal., 26:1-45)ビオチンと複合化さ
せ、改良ELISA分析法(ガリナ(Gallina) ら, 199
0, J. Immunol., 145:3570-3577)により細胞上清にお
ける抗原結合活性を評価した。無タンパク、無血清培地
で成育した細胞株からの上清をセントリコン30濾過シ
ステム(アミコン,ダンバース,MA)上で約50〜2
00分の1に濃縮し、炭酸緩衝液(pH9.6)で種々の
濃度に希釈して、イムノロンIIプレート(ダイナテッ
ク,シャンティリー,VA)上に37℃で2時間コーテ
ィングした。PBS+0.05%ツィーン20で洗浄後、
結合した物質を1:500の希釈度で100μlのビオ
チン化ペプチドと共に37℃で1時間インキュベート
し、洗浄し、1:2000に希釈したエキストラアビジ
ン−アルカリ性ホスファターゼ複合体(シグマ)と共に
インキュベートし、洗浄し、そしてリン酸ニトロフェニ
ル基質(シグマ)で発色させた。適当にインキュベート
した(4℃で一晩であることが多い)後にOD410n
mを測定した。幾つかの実験において、結合についての
競合性を評価するために、ウェルあたり100ng〜1
μgの(ビオチンなしの)ペプチド、並びに活性ビオチ
ン化ペプチドを添加した。
【0097】6.2. 結果 6.2.1. TCRβを伴った又は伴わないTCRαの移入
が抗原特異的活性をもたらす能力を与える 図3Bに示すように、EYK(EYA)4と結合したSR
BCが培養液中に存在する場合に、A1.1の上清による
抗SRBC PFC応答の阻害が認められたが、結合し
ていないSRBC又は他のペプチドと結合したSRBC
が存在する場合は認められなかった。A1.1により証明
される免疫調節活性の優れた抗原特異性は以前に記載さ
れており(ゼングら, 1988, J. Immunol 140:1351-135
8; ビソネッテら, 1991, J. Immunol 146:28-98-2907
)、これら結果の幾つかを図4に纏めた。
が抗原特異的活性をもたらす能力を与える 図3Bに示すように、EYK(EYA)4と結合したSR
BCが培養液中に存在する場合に、A1.1の上清による
抗SRBC PFC応答の阻害が認められたが、結合し
ていないSRBC又は他のペプチドと結合したSRBC
が存在する場合は認められなかった。A1.1により証明
される免疫調節活性の優れた抗原特異性は以前に記載さ
れており(ゼングら, 1988, J. Immunol 140:1351-135
8; ビソネッテら, 1991, J. Immunol 146:28-98-2907
)、これら結果の幾つかを図4に纏めた。
【0098】細胞株175.2はTCRβ及びCD3成分
を発現するが、機能性TCRα遺伝子を欠いている(グ
ライヘンハウスら, 1991, J. Immunol. 146:2095)。1
75.2細胞をA1.1−TCRαを発現するレトロウィル
スで感染して(前記の6.1.4.節を参照のこと)該細胞を
G418中で選択し、次いで、CD3+ 細胞の細胞選別
により更に選択した。選択した細胞上でのCD3の発現
(図3A)により、TCRα鎖が該選択した細胞(17
5.2−A1.1α)内で発現されることが確認された。1
75.2−A1.1αからの上清を集めて in vitro 分析法
で試験した。図3Bに示すように、これらの上清はA1.
1の上清と同じ抗原特異的調節活性を示したが、175.
2からの上清は活性を持たなかった。175.2のもとの
TCR及び特異性はA1.1のものと完全に無関係である
(グライヘンハウスら, 1991, J.Immunol. 146:2095)
から、これらの結果は、A1.1TCRα鎖遺伝子の発現
が抗原特異的調節活性をもたらすことに帰着することを
明らかにしている。加えて、この免疫調節活性はTCR
αに対する抗体を添加することにより中和され得、これ
は、該上清中で分泌されたTCRα鎖がこの活性の原因
であることを示している(図5)。コントロールとし
て、図6A及びBは、A1.1により認識されたものとは
異なるポリ18のエピトープに特異的なT細胞ハイブリ
ドーマBB19からのTCRα遺伝子のトランスフェク
ションが、175.2の2つのサブクローン(AF5及び
AF6)の細胞表面上でのCD3発現を誘発したことを
示している。しかしながら、親クローンBB19のよう
に、該トランスフェクタントはそれらの上清中に如何な
る免疫調節活性ももたらさなかった(図7)。従って、
ポリ18特異的T細胞の全てが免疫調節活性を有するT
CRα鎖を分泌するとは限らない。
を発現するが、機能性TCRα遺伝子を欠いている(グ
ライヘンハウスら, 1991, J. Immunol. 146:2095)。1
75.2細胞をA1.1−TCRαを発現するレトロウィル
スで感染して(前記の6.1.4.節を参照のこと)該細胞を
G418中で選択し、次いで、CD3+ 細胞の細胞選別
により更に選択した。選択した細胞上でのCD3の発現
(図3A)により、TCRα鎖が該選択した細胞(17
5.2−A1.1α)内で発現されることが確認された。1
75.2−A1.1αからの上清を集めて in vitro 分析法
で試験した。図3Bに示すように、これらの上清はA1.
1の上清と同じ抗原特異的調節活性を示したが、175.
2からの上清は活性を持たなかった。175.2のもとの
TCR及び特異性はA1.1のものと完全に無関係である
(グライヘンハウスら, 1991, J.Immunol. 146:2095)
から、これらの結果は、A1.1TCRα鎖遺伝子の発現
が抗原特異的調節活性をもたらすことに帰着することを
明らかにしている。加えて、この免疫調節活性はTCR
αに対する抗体を添加することにより中和され得、これ
は、該上清中で分泌されたTCRα鎖がこの活性の原因
であることを示している(図5)。コントロールとし
て、図6A及びBは、A1.1により認識されたものとは
異なるポリ18のエピトープに特異的なT細胞ハイブリ
ドーマBB19からのTCRα遺伝子のトランスフェク
ションが、175.2の2つのサブクローン(AF5及び
AF6)の細胞表面上でのCD3発現を誘発したことを
示している。しかしながら、親クローンBB19のよう
に、該トランスフェクタントはそれらの上清中に如何な
る免疫調節活性ももたらさなかった(図7)。従って、
ポリ18特異的T細胞の全てが免疫調節活性を有するT
CRα鎖を分泌するとは限らない。
【0099】この観察結果を更に究明するために、もう
1つの細胞株、つまりB9をA1.1のTCRα又はβを
保持するレトロウィルスベクターで感染させた。A1.1
のように、B9はTCRα及びβの両方を発現し、I−
Ad で示される抗原、つまりポリ18に応答してIL2
を産生する(フォテダーら, 1985, J. Immunol. 135:30
28-3033)。図8に示すように、B9ではなくA1.1から
の上清が抗原特異的調節活性を示し、A1.1TCRα鎖
を発現するB9細胞(B9−A1.1α)もこの活性をも
たらしたが、A1.1TCRβ鎖を発現するB9細胞(B
9−A1.1β)はもたらさなかった。A1.1からのTC
Rαとβの両方を発現するB9細胞(B9−A1.1α
β)は該調節活性をもたらしたので、後者はTCRβの
遮断作用によるのではない。
1つの細胞株、つまりB9をA1.1のTCRα又はβを
保持するレトロウィルスベクターで感染させた。A1.1
のように、B9はTCRα及びβの両方を発現し、I−
Ad で示される抗原、つまりポリ18に応答してIL2
を産生する(フォテダーら, 1985, J. Immunol. 135:30
28-3033)。図8に示すように、B9ではなくA1.1から
の上清が抗原特異的調節活性を示し、A1.1TCRα鎖
を発現するB9細胞(B9−A1.1α)もこの活性をも
たらしたが、A1.1TCRβ鎖を発現するB9細胞(B
9−A1.1β)はもたらさなかった。A1.1からのTC
Rαとβの両方を発現するB9細胞(B9−A1.1α
β)は該調節活性をもたらしたので、後者はTCRβの
遮断作用によるのではない。
【0100】B9−A1.1αの上清を固定化抗TCRα
抗体で抗体アフィニティクロマトグラフィーにより分画
して、抗原特異的調節活性について試験した。この分析
において、SRBCに結合した4つのペプチドのパネル
を使用した。図9に示すように、B9−A1.1αからの
可溶性活性成分が抗TCRαに結合して溶出した。置換
されていないペプチド及び(残基3又は10で置換され
たペプチドではなく)アミノ酸7で置換されたペプチド
について認められた特異性は、A1.1からの抗原特異的
活性の特徴を示している(ビソネッテら, 1991, J. Imm
unol 146:2898-2907)(図4を参照のこと)。先に議論
したように、この特異性は、A1.1TCRにより認識さ
れるポリ18エピトープと相関関係を有している(ビソ
ネッテら, 1991, J. Immunol 146:28-98-2907 )。
抗体で抗体アフィニティクロマトグラフィーにより分画
して、抗原特異的調節活性について試験した。この分析
において、SRBCに結合した4つのペプチドのパネル
を使用した。図9に示すように、B9−A1.1αからの
可溶性活性成分が抗TCRαに結合して溶出した。置換
されていないペプチド及び(残基3又は10で置換され
たペプチドではなく)アミノ酸7で置換されたペプチド
について認められた特異性は、A1.1からの抗原特異的
活性の特徴を示している(ビソネッテら, 1991, J. Imm
unol 146:2898-2907)(図4を参照のこと)。先に議論
したように、この特異性は、A1.1TCRにより認識さ
れるポリ18エピトープと相関関係を有している(ビソ
ネッテら, 1991, J. Immunol 146:28-98-2907 )。
【0101】B9に加えて、レトロウィルスベクターを
用いて、A1.1TCRα遺伝子をもう1つのポリ18特
異的細胞株、つまりB1.1に形質導入した。G418で
の選択ののち、B1.1−A1.1α細胞株が抗原特異的免
疫調節活性をもたらすことが見出された。なお、もとの
細胞株(B1.1)はこれをもたらさない。かくして、2
つのTCRα+b+ (bはβを表す)T細胞ハイブリドー
マ(B9,B1.1)及び1つのTCRα-b+ T細胞ハイ
ブリドーマ(175.2)が、A1.1TCRα遺伝子の遺
伝子移入後にポリ18特異的調節活性をもたらした。T
CRβ非存在下でのA1.1TCRαの発現が抗原特異的
調節活性をもたらすことができるか否かを更に明らかに
するために、A1.1TCRα又はA1.1TCRβをBW
1100細胞に移入した。BW1100細胞は完全なT
CRα及びβを欠いている(ホワイトら, 1989, J. Imm
unol., 143:1822-1825)ので、TCRα遺伝子移入のあ
らゆる効果が直接TCRαによるものとなる。図10に
示すように、BW1100−A1.1βではなくBW11
00−A1.1αからの上清が免疫調節活性を示した。他
の遺伝子移入実験で、この活性はA1.1の抗原特異性を
示した。
用いて、A1.1TCRα遺伝子をもう1つのポリ18特
異的細胞株、つまりB1.1に形質導入した。G418で
の選択ののち、B1.1−A1.1α細胞株が抗原特異的免
疫調節活性をもたらすことが見出された。なお、もとの
細胞株(B1.1)はこれをもたらさない。かくして、2
つのTCRα+b+ (bはβを表す)T細胞ハイブリドー
マ(B9,B1.1)及び1つのTCRα-b+ T細胞ハイ
ブリドーマ(175.2)が、A1.1TCRα遺伝子の遺
伝子移入後にポリ18特異的調節活性をもたらした。T
CRβ非存在下でのA1.1TCRαの発現が抗原特異的
調節活性をもたらすことができるか否かを更に明らかに
するために、A1.1TCRα又はA1.1TCRβをBW
1100細胞に移入した。BW1100細胞は完全なT
CRα及びβを欠いている(ホワイトら, 1989, J. Imm
unol., 143:1822-1825)ので、TCRα遺伝子移入のあ
らゆる効果が直接TCRαによるものとなる。図10に
示すように、BW1100−A1.1βではなくBW11
00−A1.1αからの上清が免疫調節活性を示した。他
の遺伝子移入実験で、この活性はA1.1の抗原特異性を
示した。
【0102】6.2.2. TCRαの遺伝子移入は直接抗原
結合活性をもたらすことと相関関係がある ここに記載した実験は、A1.1から放出されたTCRα
鎖が抗原に直接結合することを明らかにするものであ
る。それは、このTCRα鎖に生物学的活性を付与す
る、他の細胞のものと比較して際立った特徴である。図
11Aに示すように、A1.1及びA1.1TCRαを発現
する細胞株からの上清は、改良ELISA分析法(前記
の6.1.6.を参照のこと)で検出される抗原結合成分を含
有している。この抗原結合は、未ラベル化ペプチドによ
り効果的に競合されたが、2つの不適当なペプチドによ
っては競合されなかった(図11B)。これら2つのペ
プチドのうちの1つはただ1つの残基でのみ該抗原性ペ
プチドと相違している。この置換は、抗原提示分析 (an
tigen presentation assay) においてA1.1TCRにつ
いての(ボイヤー(Boyer) ら, 1990, Eur. J. Immunol.
20: 2145-2148)及びA1.1誘導調節活性についての
(ビソネッテら, 1991, J. Immunol 146:28-98-2907 )
ペプチドの抗原性を消失させることが以前に示されてい
る。これら結果は、抗原結合活性が、A1.1TCRαを
発現する細胞の生物学的に活性な産物であることを示し
ており、かつ、この分子による抗原結合の特徴がその生
物学的活性を付与していることを示している。
結合活性をもたらすことと相関関係がある ここに記載した実験は、A1.1から放出されたTCRα
鎖が抗原に直接結合することを明らかにするものであ
る。それは、このTCRα鎖に生物学的活性を付与す
る、他の細胞のものと比較して際立った特徴である。図
11Aに示すように、A1.1及びA1.1TCRαを発現
する細胞株からの上清は、改良ELISA分析法(前記
の6.1.6.を参照のこと)で検出される抗原結合成分を含
有している。この抗原結合は、未ラベル化ペプチドによ
り効果的に競合されたが、2つの不適当なペプチドによ
っては競合されなかった(図11B)。これら2つのペ
プチドのうちの1つはただ1つの残基でのみ該抗原性ペ
プチドと相違している。この置換は、抗原提示分析 (an
tigen presentation assay) においてA1.1TCRにつ
いての(ボイヤー(Boyer) ら, 1990, Eur. J. Immunol.
20: 2145-2148)及びA1.1誘導調節活性についての
(ビソネッテら, 1991, J. Immunol 146:28-98-2907 )
ペプチドの抗原性を消失させることが以前に示されてい
る。これら結果は、抗原結合活性が、A1.1TCRαを
発現する細胞の生物学的に活性な産物であることを示し
ており、かつ、この分子による抗原結合の特徴がその生
物学的活性を付与していることを示している。
【0103】6.3. 考察 ここに提示したデータは、TCRα鎖がA1.1細胞から
放出され、(本発明者らの生物学的分析においてはSR
BCに結合した)特異的抗原に結合し、そしてin vitro
でのSRBCへの免疫応答の阻害の誘発に関係してい
ることを明白に証明している。CD4+ T細胞ハイブリ
ドーマ、つまりA1.1は、合成抗原ポリ18及び関連ペ
プチドに特異的な免疫調節活性を構成的に放出する(ゼ
ングら,1988, J. Immunol 140:1351-1358; ビソネッテ
ら, 1991, J. Immunol 146:28-98-2907 )。ここに記載
したような他のT細胞株の中へのA1.1TCRα遺伝子
の遺伝子移入は、この抗原特異的調節活性を構成的にも
たらす能力を与える(図3、8、9及び10)。A1.1
TCRβ鎖の移入は、この作用をもたらすこともそれに
干渉することもない(図8)。各形質導入された受容体
T細胞株により産生する可溶性活性成分の抗原特異性は
A1.1のものと同一である。この活性成分は、モノクロ
ーナル抗TCRα抗体と結合し(図9)、その溶出した
活性成分はA1.1上清により示されるのと(ビソネッテ
ら, 1991, J. Immunol 146:28-98-2907 )同じ厳密な抗
原特異性を示した。
放出され、(本発明者らの生物学的分析においてはSR
BCに結合した)特異的抗原に結合し、そしてin vitro
でのSRBCへの免疫応答の阻害の誘発に関係してい
ることを明白に証明している。CD4+ T細胞ハイブリ
ドーマ、つまりA1.1は、合成抗原ポリ18及び関連ペ
プチドに特異的な免疫調節活性を構成的に放出する(ゼ
ングら,1988, J. Immunol 140:1351-1358; ビソネッテ
ら, 1991, J. Immunol 146:28-98-2907 )。ここに記載
したような他のT細胞株の中へのA1.1TCRα遺伝子
の遺伝子移入は、この抗原特異的調節活性を構成的にも
たらす能力を与える(図3、8、9及び10)。A1.1
TCRβ鎖の移入は、この作用をもたらすこともそれに
干渉することもない(図8)。各形質導入された受容体
T細胞株により産生する可溶性活性成分の抗原特異性は
A1.1のものと同一である。この活性成分は、モノクロ
ーナル抗TCRα抗体と結合し(図9)、その溶出した
活性成分はA1.1上清により示されるのと(ビソネッテ
ら, 1991, J. Immunol 146:28-98-2907 )同じ厳密な抗
原特異性を示した。
【0104】この実施例は、TCRα鎖がCD3/TC
R複合体から独立した形で細胞から放出され、そして抗
原特異的免疫応答を調節することも明確に証明してい
る。具体的には、BW1100へのA1.1TCRα遺伝
子の移入は、BW1100がTCRβを完全に欠いてい
るにもかかわらず、抗原特異的調節活性を構成的にもた
らした(図10)。ここに記載した結果は、PFC分析
においてこの分子に活性を与えるものはA1.1TCRα
鎖による抗原の直接認識であること(図11)、及び他
のT細胞はエピープに直接結合できないTCRα鎖を放
出するためにかかる活性を示さないことも示している。
R複合体から独立した形で細胞から放出され、そして抗
原特異的免疫応答を調節することも明確に証明してい
る。具体的には、BW1100へのA1.1TCRα遺伝
子の移入は、BW1100がTCRβを完全に欠いてい
るにもかかわらず、抗原特異的調節活性を構成的にもた
らした(図10)。ここに記載した結果は、PFC分析
においてこの分子に活性を与えるものはA1.1TCRα
鎖による抗原の直接認識であること(図11)、及び他
のT細胞はエピープに直接結合できないTCRα鎖を放
出するためにかかる活性を示さないことも示している。
【0105】本発明の範囲を限定するつもりはないが、
TCRαがどのようにして免疫応答を媒介するかについ
て、この時点で少なくとも2つのモデルを提案すること
ができる。例えば、TCRαと抗原の複合体が免疫原性
であるので、TCRへの調節的免疫応答をもたらす可能
性がある。最近の研究は、特異的T細胞(リダー(Lide
r) ら, 1988, Science 239:181-183 ; サン(Sun) ら, 1
988, Nature 332:843-845) 又はTCRのV領域におけ
る領域に対応するペプチド(バンデンバルク (Vandenba
rk) ら, 1989, Nature 341:541-544; ハウエル (Howel
l) ら, 1989, Science 246: 668-670) での免疫感作
が、in vivo で劇的な免疫調節作用をもたらし得ること
を示している。A1.1TCRα鎖に関連する調節作用
は、 in vitro でのかかるTCR“ワクチン法”の形態
を象徴しているかも知れない。
TCRαがどのようにして免疫応答を媒介するかについ
て、この時点で少なくとも2つのモデルを提案すること
ができる。例えば、TCRαと抗原の複合体が免疫原性
であるので、TCRへの調節的免疫応答をもたらす可能
性がある。最近の研究は、特異的T細胞(リダー(Lide
r) ら, 1988, Science 239:181-183 ; サン(Sun) ら, 1
988, Nature 332:843-845) 又はTCRのV領域におけ
る領域に対応するペプチド(バンデンバルク (Vandenba
rk) ら, 1989, Nature 341:541-544; ハウエル (Howel
l) ら, 1989, Science 246: 668-670) での免疫感作
が、in vivo で劇的な免疫調節作用をもたらし得ること
を示している。A1.1TCRα鎖に関連する調節作用
は、 in vitro でのかかるTCR“ワクチン法”の形態
を象徴しているかも知れない。
【0106】また、ある未確認分子が抗原結合TCRα
鎖と結合してこの第2分子が該系に生物学的機能を付与
しているかも知れない。例えば、イワタら(イワタら,
1989, J. Immunol., 143:3917-3924)は、グリコシル化
阻害活性を有する分子と、幾つかのT細胞ハイブリドー
マの上清の中に放出された、TCR決定基を保持する分
子との可溶性複合体を記載している。
鎖と結合してこの第2分子が該系に生物学的機能を付与
しているかも知れない。例えば、イワタら(イワタら,
1989, J. Immunol., 143:3917-3924)は、グリコシル化
阻害活性を有する分子と、幾つかのT細胞ハイブリドー
マの上清の中に放出された、TCR決定基を保持する分
子との可溶性複合体を記載している。
【0107】7.実施例: in vitro 転写及び翻訳によ
る生物学的に活性なTCRα鎖の産生 7.1. 材料及び方法 7.1.1. in vitro 転写及び翻訳 DNAオリゴヌクレオチドプローブをマウスのCα及び
Cβ遺伝子の既知の配列に基づいて設計した。該プロー
ブを合成してポリ18特異的A1.1ハイブリドーマ細胞
から調製したcDNAライブラリーをスクリーニングす
るのに用いた。A1.1からの完全長TCRα及びTCR
βcDNAの特性決定を行い、そしてBluescriptベクタ
ー(ストラタジェン,ラホヤ,CA)内にクローン化し
た。Cα及びCβの両方についてのRNAを真核性 in
vitro 転写系(BRL,ガイセルブルグ,MD)を使用
して in vitro で転写した。次いで、該RNAをウサギ
網状赤血球溶解産物系(BRL,ガイセルブルグ,M
D)を使用して in vitro で翻訳した。オートラジオグ
ラフィー用に、35S−Met(ニューイングランドヌク
レアー,ボストン,MA)を該翻訳に含めた。生物学的
分析用に放射性ヌクレオチドの非存在下で該物質を翻訳
した。次いで、 in vitro で翻訳された該材料を、モノ
クローナル抗TCRα又は抗TCRβ抗体でのアフィニ
ティクロマトグラフィーにより濃縮した。ラベル化した
物質をSDS−PAGEにより分析し、エンハンスで処
理し、そしてX線フィルムに暴露した。前記の6.1.5.節
に記載した系におけるようにして、生物学的活性を分析
した。
る生物学的に活性なTCRα鎖の産生 7.1. 材料及び方法 7.1.1. in vitro 転写及び翻訳 DNAオリゴヌクレオチドプローブをマウスのCα及び
Cβ遺伝子の既知の配列に基づいて設計した。該プロー
ブを合成してポリ18特異的A1.1ハイブリドーマ細胞
から調製したcDNAライブラリーをスクリーニングす
るのに用いた。A1.1からの完全長TCRα及びTCR
βcDNAの特性決定を行い、そしてBluescriptベクタ
ー(ストラタジェン,ラホヤ,CA)内にクローン化し
た。Cα及びCβの両方についてのRNAを真核性 in
vitro 転写系(BRL,ガイセルブルグ,MD)を使用
して in vitro で転写した。次いで、該RNAをウサギ
網状赤血球溶解産物系(BRL,ガイセルブルグ,M
D)を使用して in vitro で翻訳した。オートラジオグ
ラフィー用に、35S−Met(ニューイングランドヌク
レアー,ボストン,MA)を該翻訳に含めた。生物学的
分析用に放射性ヌクレオチドの非存在下で該物質を翻訳
した。次いで、 in vitro で翻訳された該材料を、モノ
クローナル抗TCRα又は抗TCRβ抗体でのアフィニ
ティクロマトグラフィーにより濃縮した。ラベル化した
物質をSDS−PAGEにより分析し、エンハンスで処
理し、そしてX線フィルムに暴露した。前記の6.1.5.節
に記載した系におけるようにして、生物学的活性を分析
した。
【0108】7.2. 結果 T細胞ハイブリドーマ、つまりA1.1から他のT細胞株
へのTCRα遺伝子の移入が、抗原特異的免疫調節活性
をもたらす能力を移入したという前記の6節における研
究結果に加えて、この遺伝子により産生される純粋な組
み換えTCRαタンパク質がこの系において生物学的活
性を有するか否かを確認することが重要である。以前の
研究では、かかる生物学的に活性な因子をつくるT細胞
からのmRNAが in vitro で翻訳されて調節活性を生
じ得ることが示されている。それから類推して、TCR
αRNAの in vitro 翻訳が、生物学的に活性なタンパ
ク質を生成するかも知れない。 7.2.1. in vitro 転写及び翻訳産物 in vitro での転写及び翻訳により、非グリコシル化T
CRαタンパク質について32,000ダルトンの予測し
た大きさのタンパク質が生成し、このタンパク質は抗T
CRα抗体に特異的に結合して抗TCRβ抗体には結合
しないことが分かった(図12及び13)。 7.2.2. in vitro でつくられた翻訳産物の免疫調節活
性 該TCRαタンパク質は、PFC分析において生物活性
を有することが分かり、そしてこの活性は抗TCRα抗
体に完全に結合(そして溶出)した(図13)。図13
Aにおいて、 in vitro で翻訳されたTCRαからの免
疫調節活性は抗TCRβ抗体カラムの濾液(非吸着画
分)中に及び抗TCRα抗体カラムの溶出液(吸着画
分)中に見出された。活性濾液(抗TCRβ)及び溶出
液(抗TCRα)の力価測定により、これら活性が類似
のものであることが示された。in vitro で転写され翻
訳されたTCRαは免疫調節活性を示したが、TCRβ
RNAから産生されたタンパク質は示さなかった。
へのTCRα遺伝子の移入が、抗原特異的免疫調節活性
をもたらす能力を移入したという前記の6節における研
究結果に加えて、この遺伝子により産生される純粋な組
み換えTCRαタンパク質がこの系において生物学的活
性を有するか否かを確認することが重要である。以前の
研究では、かかる生物学的に活性な因子をつくるT細胞
からのmRNAが in vitro で翻訳されて調節活性を生
じ得ることが示されている。それから類推して、TCR
αRNAの in vitro 翻訳が、生物学的に活性なタンパ
ク質を生成するかも知れない。 7.2.1. in vitro 転写及び翻訳産物 in vitro での転写及び翻訳により、非グリコシル化T
CRαタンパク質について32,000ダルトンの予測し
た大きさのタンパク質が生成し、このタンパク質は抗T
CRα抗体に特異的に結合して抗TCRβ抗体には結合
しないことが分かった(図12及び13)。 7.2.2. in vitro でつくられた翻訳産物の免疫調節活
性 該TCRαタンパク質は、PFC分析において生物活性
を有することが分かり、そしてこの活性は抗TCRα抗
体に完全に結合(そして溶出)した(図13)。図13
Aにおいて、 in vitro で翻訳されたTCRαからの免
疫調節活性は抗TCRβ抗体カラムの濾液(非吸着画
分)中に及び抗TCRα抗体カラムの溶出液(吸着画
分)中に見出された。活性濾液(抗TCRβ)及び溶出
液(抗TCRα)の力価測定により、これら活性が類似
のものであることが示された。in vitro で転写され翻
訳されたTCRαは免疫調節活性を示したが、TCRβ
RNAから産生されたタンパク質は示さなかった。
【0109】7.3. 考察 上に詳述した実験を前記の6節に記載した研究と結び付
けると、組み換えTCRαが生物学的機能を有している
ことは明らかである。かくして、かかる生物学的に活性
な因子をコードするTCRα鎖遺伝子は、種々の発現系
で発現されて生物学的活性を有する産物、即ち、その標
的抗原に向けられた免疫応答を特異的に抑制できるTC
Rα鎖を産生することができる。
けると、組み換えTCRαが生物学的機能を有している
ことは明らかである。かくして、かかる生物学的に活性
な因子をコードするTCRα鎖遺伝子は、種々の発現系
で発現されて生物学的活性を有する産物、即ち、その標
的抗原に向けられた免疫応答を特異的に抑制できるTC
Rα鎖を産生することができる。
【0110】8.実施例:補助成分活性をもたらすT細
胞ハイブリドーマの生成 8.1. 材料及び方法 8.1.1. 動物 C57B1/6動物をジャクソン・ラボラトリーズ(バ
ーハーバー,ME)から購入した。 8.1.2. 細胞系及び試薬 BW1100及びT細胞ハイブリドーマをRPMI16
40+10%FCS中で維持した。CD4に向けられた
モノクローナル抗体(GK1.5)(ジアリナス(Dialyna
s) ら, 1983, Immunol. Rev., 74:29)をアメリカン・
タイプ・カルチャー・コレクション(ロックビル,M
D)から得た。ウサギ及びモルモットの補体をそれぞれ
サイカン (SciCan) (エドモントン,アルベルタ,カナ
ダ)及びGIBCO(グランドアイランド,NY)から
得た。両補体試料を使用前にまず低バックグラウンド活
性についてスクリーニングした。抗ラットIgG抗体で
コーティングした磁性ビーズをダイナール(Dynal) から
購入した。
胞ハイブリドーマの生成 8.1. 材料及び方法 8.1.1. 動物 C57B1/6動物をジャクソン・ラボラトリーズ(バ
ーハーバー,ME)から購入した。 8.1.2. 細胞系及び試薬 BW1100及びT細胞ハイブリドーマをRPMI16
40+10%FCS中で維持した。CD4に向けられた
モノクローナル抗体(GK1.5)(ジアリナス(Dialyna
s) ら, 1983, Immunol. Rev., 74:29)をアメリカン・
タイプ・カルチャー・コレクション(ロックビル,M
D)から得た。ウサギ及びモルモットの補体をそれぞれ
サイカン (SciCan) (エドモントン,アルベルタ,カナ
ダ)及びGIBCO(グランドアイランド,NY)から
得た。両補体試料を使用前にまず低バックグラウンド活
性についてスクリーニングした。抗ラットIgG抗体で
コーティングした磁性ビーズをダイナール(Dynal) から
購入した。
【0111】8.1.3. T細胞ハイブリドーマの生成 SRBCに免疫感作したC57B1/6マウスからの脾
臓細胞を得て、補体の存在下、CD4に対する抗体(G
K1.5)で処理した。全てのIgG+ 細胞を除去するた
めに、該CD4を除いた細胞を引き続き抗ラットIgG
抗体でコーティングした磁性ビーズ(ダイナールビー
ズ)と反応させた。残ったT細胞をリンフォライトM
(lympholyte M) (セダーラン・ラボラトリーズ,P
A)上で遠心分離し、成育可能なT細胞をPEGの存在
下で1:1の比率でBW1100と融合させた。ハイブ
リドーマを、ヒポキサンチン、チミジン、アミノプテリ
ン及びウアバインの存在下で選択した。フィラー細胞と
してマウス赤血球を使用した。成育について陽性と判断
されたウェルの上清を、前記の6.1.5.に詳細に記載した
ようにして、PFC分析において、A1.1の上清と組み
合わせて補助上清と置き代わる能力について試験した。
活性を有する培養液を二次培養液に分割し、二次細胞株
の活性を再試験した。活性を有する二次細胞株を再度分
割して、活性を有するものを0.4細胞/ウェルでクロー
ン化した。クローンを活性について再スクリーニングし
た。
臓細胞を得て、補体の存在下、CD4に対する抗体(G
K1.5)で処理した。全てのIgG+ 細胞を除去するた
めに、該CD4を除いた細胞を引き続き抗ラットIgG
抗体でコーティングした磁性ビーズ(ダイナールビー
ズ)と反応させた。残ったT細胞をリンフォライトM
(lympholyte M) (セダーラン・ラボラトリーズ,P
A)上で遠心分離し、成育可能なT細胞をPEGの存在
下で1:1の比率でBW1100と融合させた。ハイブ
リドーマを、ヒポキサンチン、チミジン、アミノプテリ
ン及びウアバインの存在下で選択した。フィラー細胞と
してマウス赤血球を使用した。成育について陽性と判断
されたウェルの上清を、前記の6.1.5.に詳細に記載した
ようにして、PFC分析において、A1.1の上清と組み
合わせて補助上清と置き代わる能力について試験した。
活性を有する培養液を二次培養液に分割し、二次細胞株
の活性を再試験した。活性を有する二次細胞株を再度分
割して、活性を有するものを0.4細胞/ウェルでクロー
ン化した。クローンを活性について再スクリーニングし
た。
【0112】8.2. 結果 8.2.1. T細胞ハイブリドーマは補助成分活性をもたら
す CD4+ T細胞及びIgG+ B細胞を除いたSRBC免
疫感作マウス脾臓細胞をBW1100と融合した。クロ
ーニング後、かかるT細胞ハイブリドーマの1つ、つま
り3−1−Vが、A1.1上清の存在下で試験した場合に
抗原特異的免疫調節活性の媒介において補助上清と置き
代われる補助活性を培養上清中にもたらすことが分かっ
た(図1)。3−1−V上清は、それがA1.1TCRα
遺伝子の天然に分泌された産物であるか in vitro で翻
訳された産物であるかに関わり無く、A1.1上清との組
み合わせで機能する。従って、抗原特異的TCRα鎖と
共に使用する補助成分を再現性よくかつ構造的に分泌す
るT細胞のモノクローナル集団を得ることができる。
す CD4+ T細胞及びIgG+ B細胞を除いたSRBC免
疫感作マウス脾臓細胞をBW1100と融合した。クロ
ーニング後、かかるT細胞ハイブリドーマの1つ、つま
り3−1−Vが、A1.1上清の存在下で試験した場合に
抗原特異的免疫調節活性の媒介において補助上清と置き
代われる補助活性を培養上清中にもたらすことが分かっ
た(図1)。3−1−V上清は、それがA1.1TCRα
遺伝子の天然に分泌された産物であるか in vitro で翻
訳された産物であるかに関わり無く、A1.1上清との組
み合わせで機能する。従って、抗原特異的TCRα鎖と
共に使用する補助成分を再現性よくかつ構造的に分泌す
るT細胞のモノクローナル集団を得ることができる。
【0113】9.実施例:TCRα遺伝子のcDNAク
ローニング 当該技術分野で周知の技術を使用してT細胞からcDN
Aライブラリーを調製することができる。ヒト及びマウ
スにおけるTCRα(Cα)のための単一のC領域遺伝
子をコードするヌクレオチド配列は既知である(ウィル
ソン(Willson)ら, Immunol. Rev., 101:149-172, 198
8)ので、Cαに相同なDNAプローブは標準法により
合成でき、かかるライブラリーをスクリーニングしてT
CRαcDNAを同定するのに用いることができる。ま
た、特異的TCRα配列から誘導したオリゴヌクレオチ
ドプローブをPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法(ムリ
ス (Mullis) ら, Method in Enzymol., 155: 335-350,
1987)におけるプライマーとして使用して、直接にクロ
ーン化され得るTCRα配列のcDNAを生成すること
ができる(ローマン−ローマン(Roman-Roman) ら, 199
1, Eur. J. Immunol.,21:927-933)。
ローニング 当該技術分野で周知の技術を使用してT細胞からcDN
Aライブラリーを調製することができる。ヒト及びマウ
スにおけるTCRα(Cα)のための単一のC領域遺伝
子をコードするヌクレオチド配列は既知である(ウィル
ソン(Willson)ら, Immunol. Rev., 101:149-172, 198
8)ので、Cαに相同なDNAプローブは標準法により
合成でき、かかるライブラリーをスクリーニングしてT
CRαcDNAを同定するのに用いることができる。ま
た、特異的TCRα配列から誘導したオリゴヌクレオチ
ドプローブをPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法(ムリ
ス (Mullis) ら, Method in Enzymol., 155: 335-350,
1987)におけるプライマーとして使用して、直接にクロ
ーン化され得るTCRα配列のcDNAを生成すること
ができる(ローマン−ローマン(Roman-Roman) ら, 199
1, Eur. J. Immunol.,21:927-933)。
【0114】ヘルパーT細胞ハイブリドーマ、つまりA
1.1は上に記載されており(フォテダーら, 1985, J. I
mmunol. 135: 3028-3033)、ポリ18(ポリ(Glu−
Tyr−Lys−(Glu−Tyr−Ala)5))と命
名した合成ポリペプチドに特異的なTCRα及びβ分子
を発現し、そして特異抗原及びI−Adの存在下で、リ
ンフォカインを放出する。このT細胞ハイブリドーマ
は、抗原特異的抑制に関与するポリ18特異的可溶性因
子の構成的産生も行う。A1.1により産生した因子がA
1.1細胞上でTCRにより示されたのと同じ優れた抗原
特異性を示したこと(ゼングら, 1988, J. Immunol 14
0:1351-1358)、及びA1.1誘導因子の免疫調節活性が
少なくとも部分的にTCRαタンパク質によりコードさ
れたこと(ビソネッテら, 1991, J. Immunol 146:28-98
-2907 )が示されている。
1.1は上に記載されており(フォテダーら, 1985, J. I
mmunol. 135: 3028-3033)、ポリ18(ポリ(Glu−
Tyr−Lys−(Glu−Tyr−Ala)5))と命
名した合成ポリペプチドに特異的なTCRα及びβ分子
を発現し、そして特異抗原及びI−Adの存在下で、リ
ンフォカインを放出する。このT細胞ハイブリドーマ
は、抗原特異的抑制に関与するポリ18特異的可溶性因
子の構成的産生も行う。A1.1により産生した因子がA
1.1細胞上でTCRにより示されたのと同じ優れた抗原
特異性を示したこと(ゼングら, 1988, J. Immunol 14
0:1351-1358)、及びA1.1誘導因子の免疫調節活性が
少なくとも部分的にTCRαタンパク質によりコードさ
れたこと(ビソネッテら, 1991, J. Immunol 146:28-98
-2907 )が示されている。
【0115】A1.1細胞のTCRαcDNAをCαプロ
ーブを使用してcDNAライブラリーからクローン化し
た。慣用のグアニジン−イソチオシアネート及び塩化セ
シウム法により、mRNAを109 細胞から単離し、オ
リゴ−dTセルロースアフィニティクロマトグラフィー
により回収した。オリゴ−dTプライマー及び逆転写酵
素を使用して第1鎖cDNAを合成し、DNAポリメラ
ーゼI及びRNアーゼHを使用して第2鎖cDNAを合
成した。メチル化した平滑末端二本鎖cDNAをEco
RIリンカーに連結した。EcoRI消化に続いて、該
DNAをその大きさについてアガロースゲルに対して選
別し、スペルミン沈澱により精製し、λgt10内にク
ローン化した。該ファージDNAを in vitro でギガパ
ックゴールド(商標)(ストラタジェン)を使用してパ
ッケージした。約200,000個のプラークを、32P放
射性ラベル化Cαプローブを使用した in situハイブリ
ダイゼーションによりスクリーニングした。陽性クロー
ンからの挿入DNAを標準ジデオキシ配列決定用にM1
3mp18内に連結した。A1.1TCRαcDNAの完
全ヌクレオチド配列を図14に示す。
ーブを使用してcDNAライブラリーからクローン化し
た。慣用のグアニジン−イソチオシアネート及び塩化セ
シウム法により、mRNAを109 細胞から単離し、オ
リゴ−dTセルロースアフィニティクロマトグラフィー
により回収した。オリゴ−dTプライマー及び逆転写酵
素を使用して第1鎖cDNAを合成し、DNAポリメラ
ーゼI及びRNアーゼHを使用して第2鎖cDNAを合
成した。メチル化した平滑末端二本鎖cDNAをEco
RIリンカーに連結した。EcoRI消化に続いて、該
DNAをその大きさについてアガロースゲルに対して選
別し、スペルミン沈澱により精製し、λgt10内にク
ローン化した。該ファージDNAを in vitro でギガパ
ックゴールド(商標)(ストラタジェン)を使用してパ
ッケージした。約200,000個のプラークを、32P放
射性ラベル化Cαプローブを使用した in situハイブリ
ダイゼーションによりスクリーニングした。陽性クロー
ンからの挿入DNAを標準ジデオキシ配列決定用にM1
3mp18内に連結した。A1.1TCRαcDNAの完
全ヌクレオチド配列を図14に示す。
【0116】ハチ毒ホスホリパーゼA2 (PLA2 )に
特異的なTCRα及びβ鎖を発現するPLA2 特異的グ
リコシル化阻害因子(GIF)産生ハイブリドーマ(3
B3)が確立されている(モリら, Int. Immunol., 5:8
33-842, 1993)。このT細胞ハイブリドーマは、同類の
抗原及び抗原提示細胞での刺激で、免疫抑制因子、つま
りGIF、及びPLA2 結合GIFを構成的に産生す
る。蓄積された証拠により、抗原結合GIFが in vivo
で該抗原への免疫応答を特異的に抑制すること、及び該
抗原結合GIFが該細胞上で発現しているTCRαによ
り少なくとも部分的にコードされるかも知れないことが
示されている(イワタら, J. Immunol., 141:3270-327
7, 1988; イワタら, J. Immunol., 143:3917-3924, 198
9; モリら,Int. Immunol., 5:833-842, 1993)。
特異的なTCRα及びβ鎖を発現するPLA2 特異的グ
リコシル化阻害因子(GIF)産生ハイブリドーマ(3
B3)が確立されている(モリら, Int. Immunol., 5:8
33-842, 1993)。このT細胞ハイブリドーマは、同類の
抗原及び抗原提示細胞での刺激で、免疫抑制因子、つま
りGIF、及びPLA2 結合GIFを構成的に産生す
る。蓄積された証拠により、抗原結合GIFが in vivo
で該抗原への免疫応答を特異的に抑制すること、及び該
抗原結合GIFが該細胞上で発現しているTCRαによ
り少なくとも部分的にコードされるかも知れないことが
示されている(イワタら, J. Immunol., 141:3270-327
7, 1988; イワタら, J. Immunol., 143:3917-3924, 198
9; モリら,Int. Immunol., 5:833-842, 1993)。
【0117】3B3細胞のTCRαcDNAを、ムリス
ら, Nucl. Acids. Res., 8:3895-3950, 1980に記載され
た方法に従ってPCRによりクローン化した。ファース
トトラック(商標)mRNA単離キット(インビトロゲ
ン (Invitrogen) )を使用して、5×107 3B3細胞
からmRNAを単離した。cDNA合成システム(ファ
ルマシア)を使用してcDNAを生成させた。その生成
後に、T4リガーゼ(タカラ)を使用してcDNAを
5’末端及び3’末端で連結して環状DNAを構築し
た。マウスCαDNAをコードするオリゴヌクレオチド
プライマーをDNA/RNA合成装置(アプライド・バ
イオシステムズ)によりホスホルアミダイト(phosphora
midite) 法を用いて合成した(バウケージ (Beaucage)
ら, Tetrahedron Lett., 22: 1859-1862, 1981)。
ら, Nucl. Acids. Res., 8:3895-3950, 1980に記載され
た方法に従ってPCRによりクローン化した。ファース
トトラック(商標)mRNA単離キット(インビトロゲ
ン (Invitrogen) )を使用して、5×107 3B3細胞
からmRNAを単離した。cDNA合成システム(ファ
ルマシア)を使用してcDNAを生成させた。その生成
後に、T4リガーゼ(タカラ)を使用してcDNAを
5’末端及び3’末端で連結して環状DNAを構築し
た。マウスCαDNAをコードするオリゴヌクレオチド
プライマーをDNA/RNA合成装置(アプライド・バ
イオシステムズ)によりホスホルアミダイト(phosphora
midite) 法を用いて合成した(バウケージ (Beaucage)
ら, Tetrahedron Lett., 22: 1859-1862, 1981)。
【0118】これらプライマーの配列は以下の通りであ
る。 5’−GTGGTCCAGTTGAGGTCTGCAA
GA−3’ 5’−TTGAAAGTTTAGGTTCATATC−
3’ PCRは、TaqlDNAポリメラーゼ(タカラ)によ
り、鋳型cDNA、プライマー及びdNTPの存在下、
サーモ・サイクラー(thermo cycler) 中で行った。PC
Rの条件は、変性工程が94℃で1分;アニーリング工
程が54℃で1分;及び伸長工程が72℃で2分で、こ
れらを35サイクルした。増幅したcDNAを、TAク
ローニングシステム(商標)(インビトロゲン)のpC
R1000ベクター内にサブクローン化した。該挿入物
のDNA配列は、ジデオキシ配列決定法(サンガー (Sa
nger) ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74: 5463-546
7,1977)により確認した。3つの異なるTCRαcDN
Aをクローン化し配列決定した。それらのうちの2つ
は、3B3ハイブリドーマの融合パートナー細胞、つま
りBW5147(チエン(Chien) ら, Nature, 312:31-3
5, 1984 ; クマー(Kumar) ら, J. Exp. Med., 170: 218
3-2188, 1989)から生じたものであると同定された。他
のTCRαcDNAはBW5147内では発現されない
ことが、このTCRα遺伝子の異なる部分をコードする
幾つかのPCRプライマーを使用して確認された。この
ことは、このTCRαがPLA2 特異的T細胞から生じ
たことを示すものである。このTCRαcDNAをコー
ドする2つの独立クローンを単離し、それらのDNA配
列が同一であることを確認した。この3B3誘導TCR
αcDNAのDNA配列を図15に示す。このTCRα
cDNAは268アミノ酸オープンリーディングフレー
ムをコードし、最初の20アミノ酸はシグナルペプチド
であると同定された(マクエリゴット (McElligott)
ら, J. Immunol., 140:4123-4131, 1988)。
る。 5’−GTGGTCCAGTTGAGGTCTGCAA
GA−3’ 5’−TTGAAAGTTTAGGTTCATATC−
3’ PCRは、TaqlDNAポリメラーゼ(タカラ)によ
り、鋳型cDNA、プライマー及びdNTPの存在下、
サーモ・サイクラー(thermo cycler) 中で行った。PC
Rの条件は、変性工程が94℃で1分;アニーリング工
程が54℃で1分;及び伸長工程が72℃で2分で、こ
れらを35サイクルした。増幅したcDNAを、TAク
ローニングシステム(商標)(インビトロゲン)のpC
R1000ベクター内にサブクローン化した。該挿入物
のDNA配列は、ジデオキシ配列決定法(サンガー (Sa
nger) ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74: 5463-546
7,1977)により確認した。3つの異なるTCRαcDN
Aをクローン化し配列決定した。それらのうちの2つ
は、3B3ハイブリドーマの融合パートナー細胞、つま
りBW5147(チエン(Chien) ら, Nature, 312:31-3
5, 1984 ; クマー(Kumar) ら, J. Exp. Med., 170: 218
3-2188, 1989)から生じたものであると同定された。他
のTCRαcDNAはBW5147内では発現されない
ことが、このTCRα遺伝子の異なる部分をコードする
幾つかのPCRプライマーを使用して確認された。この
ことは、このTCRαがPLA2 特異的T細胞から生じ
たことを示すものである。このTCRαcDNAをコー
ドする2つの独立クローンを単離し、それらのDNA配
列が同一であることを確認した。この3B3誘導TCR
αcDNAのDNA配列を図15に示す。このTCRα
cDNAは268アミノ酸オープンリーディングフレー
ムをコードし、最初の20アミノ酸はシグナルペプチド
であると同定された(マクエリゴット (McElligott)
ら, J. Immunol., 140:4123-4131, 1988)。
【0119】10.実施例:大腸菌内での組み換えTCR
αの発現−直接発現 10.1. TCRαのための発現プラスミドの構築 A1.1TCRαの細胞外領域をコードする発現プラスミ
ドを構築するために、オリゴヌクレオチドをプライマー
として使用してPCRによりDNAフラグメントを増幅
した。細胞外領域においてアミノ酸26〜240をコー
ドし、5’末端にClaI制限部位、Shine-Dalgano 配
列(シェラー(Scherer) ら, Nucl. Acids. Res., 8:389
5-3950, 1980)及びmet開始コドンを含み、3’末端
に2つの停止コドンとBamHI制限部位を含むA1.1
TCRαcDNAを2つのプライマーによりPCRを使
用して増幅した。これらプライマーの配列は以下の通り
である。 5’−AACATCGATTAATTTATTAAAA
CTTAAGGAGGTATATTATGAGCCCA
GAATCCCTCAGTGTCC−3’ 5’−AACGGATCCCTATTATTGAAAG
TTTAGGTTCATATC−3’
αの発現−直接発現 10.1. TCRαのための発現プラスミドの構築 A1.1TCRαの細胞外領域をコードする発現プラスミ
ドを構築するために、オリゴヌクレオチドをプライマー
として使用してPCRによりDNAフラグメントを増幅
した。細胞外領域においてアミノ酸26〜240をコー
ドし、5’末端にClaI制限部位、Shine-Dalgano 配
列(シェラー(Scherer) ら, Nucl. Acids. Res., 8:389
5-3950, 1980)及びmet開始コドンを含み、3’末端
に2つの停止コドンとBamHI制限部位を含むA1.1
TCRαcDNAを2つのプライマーによりPCRを使
用して増幅した。これらプライマーの配列は以下の通り
である。 5’−AACATCGATTAATTTATTAAAA
CTTAAGGAGGTATATTATGAGCCCA
GAATCCCTCAGTGTCC−3’ 5’−AACGGATCCCTATTATTGAAAG
TTTAGGTTCATATC−3’
【0120】他に断らない限り、各PCRサイクルの変
性工程は94℃で1分に設定し、伸長工程は72℃で2
分であった。該DNAフラグメントをClaI及びBa
mHIで消化し、trpプロモーター及びtrpAター
ミネーターを保持する発現プラスミドpST811ベク
ター(図16、特開昭63−269983)内にその特
有のClaI及びBamHI部位においてクローン化し
た。pST811−A1.1TCRαS5と呼ぶ新規なプ
ラスミド(図17)でコンピテントRR1大腸菌宿主細
胞を形質転換した。プラスミド含有細胞の選択は、pS
T811ベクター上に保持された抗生物質(アンピシリ
ン)耐性マーカー遺伝子によった。合成オリゴヌクレオ
チド及び全TCRα遺伝子のDNA配列を、プラスミド
DNAのDNA配列決定法により確認した。26〜20
3アミノ酸をコードする、異なる切形のA1.1TCRα
を含有するもう1つの発現プラスミドを以下の3’末端
のプライマーを使用して構築した。 5’−CGTTGGTCTGTTCGAAGTGGAT
TATCCGTAGGCAA−3’ 増幅したDNAをpST811ベクターに挿入して、p
ST811−A1.1TCRαS3と呼ぶ発現プラスミド
を生成した。
性工程は94℃で1分に設定し、伸長工程は72℃で2
分であった。該DNAフラグメントをClaI及びBa
mHIで消化し、trpプロモーター及びtrpAター
ミネーターを保持する発現プラスミドpST811ベク
ター(図16、特開昭63−269983)内にその特
有のClaI及びBamHI部位においてクローン化し
た。pST811−A1.1TCRαS5と呼ぶ新規なプ
ラスミド(図17)でコンピテントRR1大腸菌宿主細
胞を形質転換した。プラスミド含有細胞の選択は、pS
T811ベクター上に保持された抗生物質(アンピシリ
ン)耐性マーカー遺伝子によった。合成オリゴヌクレオ
チド及び全TCRα遺伝子のDNA配列を、プラスミド
DNAのDNA配列決定法により確認した。26〜20
3アミノ酸をコードする、異なる切形のA1.1TCRα
を含有するもう1つの発現プラスミドを以下の3’末端
のプライマーを使用して構築した。 5’−CGTTGGTCTGTTCGAAGTGGAT
TATCCGTAGGCAA−3’ 増幅したDNAをpST811ベクターに挿入して、p
ST811−A1.1TCRαS3と呼ぶ発現プラスミド
を生成した。
【0121】10.2. TCRα産生大腸菌の培養 プラスミドpST811−A1.1TCRαS5又はpS
T811−A1.1TCRαS3を保持するRR1大腸菌
を、50μg/mlのアンピシリンを含有する50ml
のルリア培地中で培養し、一晩37℃で成育した。該接
種源培養液を0.8%グルコース、0.4%カザミノ酸、1
0mg/リッターチアミン及び50mg/リッターアン
ピシリンからなる1リッターのM9培地に他の菌が入ら
ないように移し、3時間37℃で培養した。この最初の
インキュベーションの終盤に、40mgのインドールア
クリル酸を添加し、該培養液を更に5時間37℃でイン
キュベートした。
T811−A1.1TCRαS3を保持するRR1大腸菌
を、50μg/mlのアンピシリンを含有する50ml
のルリア培地中で培養し、一晩37℃で成育した。該接
種源培養液を0.8%グルコース、0.4%カザミノ酸、1
0mg/リッターチアミン及び50mg/リッターアン
ピシリンからなる1リッターのM9培地に他の菌が入ら
ないように移し、3時間37℃で培養した。この最初の
インキュベーションの終盤に、40mgのインドールア
クリル酸を添加し、該培養液を更に5時間37℃でイン
キュベートした。
【0122】11. 実施例:大腸菌内での組み換えTCR
αの発現−融合発現系 11.1. 発現プラスミドの構築 マツキらは、カルモジュリンcDNA及びtrpプロモ
ーターを保持するラットカルモジュリン発現プラスミ
ド、つまりpTCAL7を開発した(マツキら,Biotec
h. Appl. Biochem., 12: 284-291, 1990)(図18)。
融合タンパク質を発現するために、トロンビン切断配列
も含有するカルモジュリンcDNAの3’末端に幾つか
のクローニング部位を生じさせた。詳しくは、pTCA
L7に挿入されたカルモジュリンcDNAを次の2つの
プライマーを使用するPCRにより増幅した:1つはC
laI部位を含有するカルモジュリンcDNAの5’末
端をコードし、他の1つはカルモジュリンcDNAの
3’末端の配列、つまりトロンビン切断部位及びBam
HI、XbaI、NotI及びBgl II 部位を与え
た。 5’−CGCAATCGATTAATTTATTAAA
ACTTAAGGAGGTATATTATGGCA−
3’ 5’−GAAGATCTGCGGCCGCTCTAGA
GGATCCACGCGGAACCAGTTTTGCA
GTCATC−3’ 増幅したDNAフラグメントをClaI及びBgl II
で消化し、ClaI及びBgl II で消化したpTCA
L7プラスミドのより大きなフラグメントに挿入した。
pCF1と呼ぶこの新規なプラスミド(図19)でコン
ピテントDH5大腸菌宿主細胞を形質転換した。該合成
オリゴヌクレオチドのDNA配列は、DNA配列決定法
により確認した。
αの発現−融合発現系 11.1. 発現プラスミドの構築 マツキらは、カルモジュリンcDNA及びtrpプロモ
ーターを保持するラットカルモジュリン発現プラスミ
ド、つまりpTCAL7を開発した(マツキら,Biotec
h. Appl. Biochem., 12: 284-291, 1990)(図18)。
融合タンパク質を発現するために、トロンビン切断配列
も含有するカルモジュリンcDNAの3’末端に幾つか
のクローニング部位を生じさせた。詳しくは、pTCA
L7に挿入されたカルモジュリンcDNAを次の2つの
プライマーを使用するPCRにより増幅した:1つはC
laI部位を含有するカルモジュリンcDNAの5’末
端をコードし、他の1つはカルモジュリンcDNAの
3’末端の配列、つまりトロンビン切断部位及びBam
HI、XbaI、NotI及びBgl II 部位を与え
た。 5’−CGCAATCGATTAATTTATTAAA
ACTTAAGGAGGTATATTATGGCA−
3’ 5’−GAAGATCTGCGGCCGCTCTAGA
GGATCCACGCGGAACCAGTTTTGCA
GTCATC−3’ 増幅したDNAフラグメントをClaI及びBgl II
で消化し、ClaI及びBgl II で消化したpTCA
L7プラスミドのより大きなフラグメントに挿入した。
pCF1と呼ぶこの新規なプラスミド(図19)でコン
ピテントDH5大腸菌宿主細胞を形質転換した。該合成
オリゴヌクレオチドのDNA配列は、DNA配列決定法
により確認した。
【0123】11.2. TCRαのための発現プラスミドの
構築 アミノ酸21〜241をコードする、3B3由来TCR
α細胞外領域のDNAフラグメントを、それぞれ5’末
端用にXbaI部位を含有し、3’末端用に停止コドン
とNotI部位を含有する2つのプライマーを使用する
PCRにより、pCR1000−3B3TCRαプラス
ミドから増幅した。それらプライマーの配列は以下の通
りである。 5'−GCTCTAGAGGACAGCAAGTGCAG
CAGAGT−3' 5'−AAGCGGCCGCTTAGTTTTGAAAG
TTTAGGTT−3' 増幅したDNAフラグメントをXbaI及びNotIで
消化したpCF1プラスミドと連結した。pCF1−3
B3TCRαと呼ぶこの新規なプラスミド(図20)で
コンピテントW3110大腸菌細胞を形質転換し、その
DNA配列を確認した。
構築 アミノ酸21〜241をコードする、3B3由来TCR
α細胞外領域のDNAフラグメントを、それぞれ5’末
端用にXbaI部位を含有し、3’末端用に停止コドン
とNotI部位を含有する2つのプライマーを使用する
PCRにより、pCR1000−3B3TCRαプラス
ミドから増幅した。それらプライマーの配列は以下の通
りである。 5'−GCTCTAGAGGACAGCAAGTGCAG
CAGAGT−3' 5'−AAGCGGCCGCTTAGTTTTGAAAG
TTTAGGTT−3' 増幅したDNAフラグメントをXbaI及びNotIで
消化したpCF1プラスミドと連結した。pCF1−3
B3TCRαと呼ぶこの新規なプラスミド(図20)で
コンピテントW3110大腸菌細胞を形質転換し、その
DNA配列を確認した。
【0124】アミノ酸26〜240をコードするA1.1
由来TCRαcDNAも、以下の2つのプライマーを使
用して上記の方法によりpCF1に挿入して、新規な発
現プラスミドpCF1−A1.1TCRαS5を構築し
た。 5’−GATCTAGACAGAGCCCAGAATC
CCTCAGTG−3’ 5’−AAGCGGCCGCTTATTGAAAGTT
TAGGTTCATATC−3’ TCRαを産生する大腸菌の培養は実施例10に記載し
た。この発現系において、カルモジュリン3B3TCR
α又はカルモジュリンA1.1TCRαS5の融合タンパ
ク質が可溶型で発現され、全タンパク質の約10%であ
った(図21)。
由来TCRαcDNAも、以下の2つのプライマーを使
用して上記の方法によりpCF1に挿入して、新規な発
現プラスミドpCF1−A1.1TCRαS5を構築し
た。 5’−GATCTAGACAGAGCCCAGAATC
CCTCAGTG−3’ 5’−AAGCGGCCGCTTATTGAAAGTT
TAGGTTCATATC−3’ TCRαを産生する大腸菌の培養は実施例10に記載し
た。この発現系において、カルモジュリン3B3TCR
α又はカルモジュリンA1.1TCRαS5の融合タンパ
ク質が可溶型で発現され、全タンパク質の約10%であ
った(図21)。
【0125】12. 実施例:組み換えTCRαの精製 12.1. 組み換えTCRαの精製及び再生−直接発現系 A1.1TCRαS5を発現する細胞約1g湿量を30m
lの水に懸濁し、フレンチ−プレスにより562kg/cm
2 (8000psi)で4回破壊した。破壊した細胞ペ
レットを4℃で15000×g、10分間の遠心分離に
より得、水で2回洗浄した。SDSポリアクリルアミド
ゲル電気泳動分析により、該ペレットの大部分がA1.1
TCRαS5タンパク質であることが明らかになった
(図22)。1〜2mgと見積もられる不溶性のA1.1
TCRαS5を含有するペレット画分を4mlの適当な
混合液に添加して、該混合液中の成分の最終濃度が8M
尿素、50mM酢酸ナトリウム及び0.1mM EDTA
となるようにした。該混合液を室温に3時間維持してA
1.1TCRαS5を可溶化した。残存する不溶性物質を
室温で15000×gで10分間遠心分離して除去し
た。
lの水に懸濁し、フレンチ−プレスにより562kg/cm
2 (8000psi)で4回破壊した。破壊した細胞ペ
レットを4℃で15000×g、10分間の遠心分離に
より得、水で2回洗浄した。SDSポリアクリルアミド
ゲル電気泳動分析により、該ペレットの大部分がA1.1
TCRαS5タンパク質であることが明らかになった
(図22)。1〜2mgと見積もられる不溶性のA1.1
TCRαS5を含有するペレット画分を4mlの適当な
混合液に添加して、該混合液中の成分の最終濃度が8M
尿素、50mM酢酸ナトリウム及び0.1mM EDTA
となるようにした。該混合液を室温に3時間維持してA
1.1TCRαS5を可溶化した。残存する不溶性物質を
室温で15000×gで10分間遠心分離して除去し
た。
【0126】可溶性A1.1TCRαS5の再生/再酸化
のために、上清画分を40mlの適当な混合液にゆっく
りと攪拌しながら添加して、該混合液中の成分の最終濃
度が2.5M尿素、5mM酢酸ナトリウム、0.01mM
EDTA、50mMトリスHCl(pH8.5)、1mM
グルタチオン(還元型)及び0.1mMグルタチオン(酸
化型)となるようにした。4℃で16時間経過した後、
400μlのトリフルオロアセテート(TFA)を該混
合液に添加した。該混合液を、室温下、1ml/分の流
速で、0.1%(v/v)TFA/水で平衡化した逆相バ
イダック(Vydac) C4カラム(1×10cm)にかけ
た。該サンプルをカラムにかけた後、カラムを10%
(v/v)アセトニトリルの0.1%TFA/水で洗浄し
た。カラムに結合したA1.1TCRαS5物質をアセト
ニトリル30〜40%(v/v)の濃度勾配の0.1%T
FA/水で溶出させた。C4カラムから取った画分溶液
を還元することなくSDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動により分析し、画分25〜30に精製されたA1.
1TCRαS5タンパク質を同定した。これら画分をプ
ールし真空条件下で乾燥した。該乾燥タンパク質をPB
Sに溶解したが、他の類似の緩衝液を使用してもよい。
A1.1TCRαS3を上記と同じ操作により精製して再
生を行った。
のために、上清画分を40mlの適当な混合液にゆっく
りと攪拌しながら添加して、該混合液中の成分の最終濃
度が2.5M尿素、5mM酢酸ナトリウム、0.01mM
EDTA、50mMトリスHCl(pH8.5)、1mM
グルタチオン(還元型)及び0.1mMグルタチオン(酸
化型)となるようにした。4℃で16時間経過した後、
400μlのトリフルオロアセテート(TFA)を該混
合液に添加した。該混合液を、室温下、1ml/分の流
速で、0.1%(v/v)TFA/水で平衡化した逆相バ
イダック(Vydac) C4カラム(1×10cm)にかけ
た。該サンプルをカラムにかけた後、カラムを10%
(v/v)アセトニトリルの0.1%TFA/水で洗浄し
た。カラムに結合したA1.1TCRαS5物質をアセト
ニトリル30〜40%(v/v)の濃度勾配の0.1%T
FA/水で溶出させた。C4カラムから取った画分溶液
を還元することなくSDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動により分析し、画分25〜30に精製されたA1.
1TCRαS5タンパク質を同定した。これら画分をプ
ールし真空条件下で乾燥した。該乾燥タンパク質をPB
Sに溶解したが、他の類似の緩衝液を使用してもよい。
A1.1TCRαS3を上記と同じ操作により精製して再
生を行った。
【0127】12.2. 組み換えTCRαの精製−融合発現
系 3B3TCRαを発現する細胞約1g湿量を100ml
の50mMトリスHCl緩衝液(pH8.0)に懸濁し、
フレンチ−プレスにより562kg/cm2 (8000ps
i)で4回破壊した。4℃で15000×g、10分間
の遠心分離により上清を取り、2mMグルタチオン(還
元型)及び0.2mMグルタチオン(酸化型)を含有する
50mMトリスHCl緩衝液に対して、4℃で一晩透析
した。該サンプル溶液を適当な混合液に添加して、該混
合液中の成分の最終濃度が150mM NaCl、1m
M CaCl2 及び5mM MgCl2 となるようにし
た。この混合液を、50mMトリスHCl(pH8.
0)、150mM NaCl、1mM CaCl2 及び
5mM MgCl2 で平衡化したフェニルセファロース
6の流れが速く高さが低いサブカラム(ファルマシア,
3×6cm)に4℃でかけ、0.5ml/分の流速で流し
た。同じ緩衝液でカラムを洗浄した後、カルモジュリン
−TCRα融合タンパク質を50mMトリスHCl(p
H8.0)で溶出し、SDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動により分析した結果、該融合タンパク質は高度に
純化されていることが示された(図23)。
系 3B3TCRαを発現する細胞約1g湿量を100ml
の50mMトリスHCl緩衝液(pH8.0)に懸濁し、
フレンチ−プレスにより562kg/cm2 (8000ps
i)で4回破壊した。4℃で15000×g、10分間
の遠心分離により上清を取り、2mMグルタチオン(還
元型)及び0.2mMグルタチオン(酸化型)を含有する
50mMトリスHCl緩衝液に対して、4℃で一晩透析
した。該サンプル溶液を適当な混合液に添加して、該混
合液中の成分の最終濃度が150mM NaCl、1m
M CaCl2 及び5mM MgCl2 となるようにし
た。この混合液を、50mMトリスHCl(pH8.
0)、150mM NaCl、1mM CaCl2 及び
5mM MgCl2 で平衡化したフェニルセファロース
6の流れが速く高さが低いサブカラム(ファルマシア,
3×6cm)に4℃でかけ、0.5ml/分の流速で流し
た。同じ緩衝液でカラムを洗浄した後、カルモジュリン
−TCRα融合タンパク質を50mMトリスHCl(p
H8.0)で溶出し、SDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動により分析した結果、該融合タンパク質は高度に
純化されていることが示された(図23)。
【0128】該溶出画分を、150mM NaClを含
有する50mMトリスHCl緩衝液(pH8.0)に対し
て4℃で一晩透析した。50mlの透析した画分にCa
Cl 2 を最終2.5mM濃度まで添加し、1%のトロンビ
ン(シグマ)を加えて25℃で6時間インキュベートし
て該融合タンパク質を消化した。消化を止めるために、
EDTAを4mMの最終濃度まで該反応液に添加し、次
いで、50mMトリスHCl緩衝液(pH8.0)に対し
て透析した。透析後、該混合液を限外濾過により5ml
まで濃縮して、2倍濃度のPBS緩衝液で平衡化された
TSK G2000ゲル濾過カラム(東洋曹達)にか
け、HPLCにより3ml/分の流速で分画した。2m
gの精製された3B3TCRαタンパク質が画分24〜
26に回収された。
有する50mMトリスHCl緩衝液(pH8.0)に対し
て4℃で一晩透析した。50mlの透析した画分にCa
Cl 2 を最終2.5mM濃度まで添加し、1%のトロンビ
ン(シグマ)を加えて25℃で6時間インキュベートし
て該融合タンパク質を消化した。消化を止めるために、
EDTAを4mMの最終濃度まで該反応液に添加し、次
いで、50mMトリスHCl緩衝液(pH8.0)に対し
て透析した。透析後、該混合液を限外濾過により5ml
まで濃縮して、2倍濃度のPBS緩衝液で平衡化された
TSK G2000ゲル濾過カラム(東洋曹達)にか
け、HPLCにより3ml/分の流速で分画した。2m
gの精製された3B3TCRαタンパク質が画分24〜
26に回収された。
【0129】13. 実施例:組み換えTCRαの生物学的
活性 13.1. 組み換えA1.1TCRαの in vitro 免疫抑制活
性 組み換えA1.1TCRαの生物活性を評価するために、
簡単な抗原特異的系を使用した(ゼングら, 1988, J. I
mmunol 40:1351-1358 ; ゼングら, 1989, Proc. Natl.
Acad. Sci. USA 86: 3758-3762 ;ビソネッテら, 1991,
J. Immunol 146:2898-2907)。C57B1/6又はC5
7B1/10マウスからの1×107 個の脾臓細胞を、
10%FCS及び5×10-5M 2−メルカプトエタノ
ール(2−ME)を補充したRPMI1640の1ml
培養液に入れた。ポリ18(EYK(EYA)5)又は置
換されたポリペプチドと結合した50μlの1%SRB
Cを各培養液に加えた。該培養液に、“補助成分”(1
0〜15%)と共に又は“補助成分”なしで組み換えT
CRαを添加することによって抑制活性を評価した。こ
の補助成分は、SRBCに免疫感作した動物からのマウ
スT細胞を培養した後、その上清をSRBCで吸着して
調製した。該培養液を37℃で加湿した92%空気/8
%CO2 中でインキュベートし、5日後に抗SRBC
PFC評価(プラーク形成細胞)を行った。本明細書に
示した全ての実験において、A1.1細胞培養上清を正の
コントロールとして使用した。組み換えA1.1TCRα
S5(c.f.実施例10.1)の免疫抑制活性は、図24aに
示す投与量依存挙動において認められた。この図は、2
つのコード化した実験からの結果を示しており、組み換
えTCRα分子を力価測定し、次いで、各希釈液をコー
ド化したものである。組み換えA1.1TCRαS3(c.
f.実施例10.1)の免疫抑制活性も、投与量依存的に認め
られた(図24b)。
活性 13.1. 組み換えA1.1TCRαの in vitro 免疫抑制活
性 組み換えA1.1TCRαの生物活性を評価するために、
簡単な抗原特異的系を使用した(ゼングら, 1988, J. I
mmunol 40:1351-1358 ; ゼングら, 1989, Proc. Natl.
Acad. Sci. USA 86: 3758-3762 ;ビソネッテら, 1991,
J. Immunol 146:2898-2907)。C57B1/6又はC5
7B1/10マウスからの1×107 個の脾臓細胞を、
10%FCS及び5×10-5M 2−メルカプトエタノ
ール(2−ME)を補充したRPMI1640の1ml
培養液に入れた。ポリ18(EYK(EYA)5)又は置
換されたポリペプチドと結合した50μlの1%SRB
Cを各培養液に加えた。該培養液に、“補助成分”(1
0〜15%)と共に又は“補助成分”なしで組み換えT
CRαを添加することによって抑制活性を評価した。こ
の補助成分は、SRBCに免疫感作した動物からのマウ
スT細胞を培養した後、その上清をSRBCで吸着して
調製した。該培養液を37℃で加湿した92%空気/8
%CO2 中でインキュベートし、5日後に抗SRBC
PFC評価(プラーク形成細胞)を行った。本明細書に
示した全ての実験において、A1.1細胞培養上清を正の
コントロールとして使用した。組み換えA1.1TCRα
S5(c.f.実施例10.1)の免疫抑制活性は、図24aに
示す投与量依存挙動において認められた。この図は、2
つのコード化した実験からの結果を示しており、組み換
えTCRα分子を力価測定し、次いで、各希釈液をコー
ド化したものである。組み換えA1.1TCRαS3(c.
f.実施例10.1)の免疫抑制活性も、投与量依存的に認め
られた(図24b)。
【0130】13.2. 組み換えA1.1TCRαの抗原特異
的免疫抑制活性 A1.1誘導TCRα鎖の優れた免疫特異性は記載されて
いる(ビソネッテら,1991, J. Immunol 146:2898-2907;
グリーン (Green)ら, 1991, Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 88: 8475-8479)。TCRα鎖の免疫抑制活性は、
ポリ18又はEYKEYAEYAEYAEYAを使用し
たときに認められるが、EYAEYAEYAEYAEY
A及びEYKEYAEYAAYAEYAの如き置換され
たペプチドを使用したときは検出されなかった。かくし
て、組み換えA1.1TCRαS5の抗原特異性は、これ
ら4つのペプチドを使用することにより評価された。組
み換えTCRαタンパク質は、ポリ18又はEYKEY
AEYAEYAEYAが共に存在する場合だけ4×10
-10 Mの最終濃度で抑制活性を示した(図25)。該図
は四回の実験からの結果を表しており、その左側に掲げ
た各ペプチド(又は生理食塩水)をコード化した試験管
に添加したものである。次いで、該コード化した試料を
使用してSRBCに結合し、補助上清存在下で分析培養
した。補助上清が存在しないどの場合にも、抑制は認め
られなかった。なお、各実験については、異なったコー
ドを用いていた。
的免疫抑制活性 A1.1誘導TCRα鎖の優れた免疫特異性は記載されて
いる(ビソネッテら,1991, J. Immunol 146:2898-2907;
グリーン (Green)ら, 1991, Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 88: 8475-8479)。TCRα鎖の免疫抑制活性は、
ポリ18又はEYKEYAEYAEYAEYAを使用し
たときに認められるが、EYAEYAEYAEYAEY
A及びEYKEYAEYAAYAEYAの如き置換され
たペプチドを使用したときは検出されなかった。かくし
て、組み換えA1.1TCRαS5の抗原特異性は、これ
ら4つのペプチドを使用することにより評価された。組
み換えTCRαタンパク質は、ポリ18又はEYKEY
AEYAEYAEYAが共に存在する場合だけ4×10
-10 Mの最終濃度で抑制活性を示した(図25)。該図
は四回の実験からの結果を表しており、その左側に掲げ
た各ペプチド(又は生理食塩水)をコード化した試験管
に添加したものである。次いで、該コード化した試料を
使用してSRBCに結合し、補助上清存在下で分析培養
した。補助上清が存在しないどの場合にも、抑制は認め
られなかった。なお、各実験については、異なったコー
ドを用いていた。
【0131】13.3. 組み換えTCRαのin vivo 免疫抑
制活性 組み換えTCRαがin vivo で免疫応答を調節するか否
かを評価するために、組み換え3B3TCRαタンパク
質を、ハチ毒PLA2 で免疫感作したマウスに投与し
た。抗原として、ハチ毒PLA2 のDNP(ジニトロフ
ェニル)誘導体を標準操作により調製した。Balb/
Cマウスを、2mgのミョウバンに吸着させたDNP−
PLA2 10μgの腹腔内注射により免疫感作した。組
み換え3B3TCRαを、−1、0、2、4、6日目に
1回当たり5μgの投与量で腹腔内注射し、コントロー
ルのマウスにはPBSだけを投与した。免疫後2週間目
に各マウスから血清を採取し、抗DNP−IgG1及び
抗DNP−IgEをELISA(イワタら, J. Immuno
l., 141:3270-3277, 1988)により測定した。抗DNP
−IgG1及び抗DNP−IgEはかなり抑制された
(表1)。抗原特異性を評価するために、DNP−オボ
アルブミンを抗原として使用して組み換え3B3TCR
αの活性を評価した。予測通り、DNP−オボアルブミ
ンへの抗DNP抗体応答は、組み換えTCRαで免疫感
作されたマウスの処理によって影響を受けなかった。
制活性 組み換えTCRαがin vivo で免疫応答を調節するか否
かを評価するために、組み換え3B3TCRαタンパク
質を、ハチ毒PLA2 で免疫感作したマウスに投与し
た。抗原として、ハチ毒PLA2 のDNP(ジニトロフ
ェニル)誘導体を標準操作により調製した。Balb/
Cマウスを、2mgのミョウバンに吸着させたDNP−
PLA2 10μgの腹腔内注射により免疫感作した。組
み換え3B3TCRαを、−1、0、2、4、6日目に
1回当たり5μgの投与量で腹腔内注射し、コントロー
ルのマウスにはPBSだけを投与した。免疫後2週間目
に各マウスから血清を採取し、抗DNP−IgG1及び
抗DNP−IgEをELISA(イワタら, J. Immuno
l., 141:3270-3277, 1988)により測定した。抗DNP
−IgG1及び抗DNP−IgEはかなり抑制された
(表1)。抗原特異性を評価するために、DNP−オボ
アルブミンを抗原として使用して組み換え3B3TCR
αの活性を評価した。予測通り、DNP−オボアルブミ
ンへの抗DNP抗体応答は、組み換えTCRαで免疫感
作されたマウスの処理によって影響を受けなかった。
【0132】これらの結果は、組み換えTCRαタンパ
ク質の抗原特異的な免疫抑制活性を示している。どのマ
ウスも組み換えTCRαタンパク質への副作用を示さな
かった。これは、自己免疫疾患及びアレルギーの如き障
害を媒介する免疫応答を抑制するのに、該組み換えTC
Rαタンパク質を使用できる可能性を示すものである。
ク質の抗原特異的な免疫抑制活性を示している。どのマ
ウスも組み換えTCRαタンパク質への副作用を示さな
かった。これは、自己免疫疾患及びアレルギーの如き障
害を媒介する免疫応答を抑制するのに、該組み換えTC
Rαタンパク質を使用できる可能性を示すものである。
【0133】 表1 組み換え3B3TCRαによるBalb/cマウスの 抗ハプテン抗体応答の抑制 ────────────────────────────────── 抗 DNP IgE(μg/ml) a 抗 DNP IgG1 (μg/ml) a ────────────────────────────────── PBS (N=4) 0.50 ± 0.26 56.8 ± 9.8 3B3TCRα (N=6) 0.12 ± 0.03 b 5.8 ± 2.6 b ────────────────────────────────── a)ミョウバン吸着DNP−PLA2 での免疫感作後2週間 b)p<0.05
【0134】本発明は、本発明の1側面を説明する意図
のもとに例示したこれら態様によってはその範囲を限定
されるものではなく、また、機能的に等価であるあるゆ
る微生物が本発明の範囲内にある。事実、本明細書に示
し記載した発明に加えて本発明を部分的に変更した多様
な態様が、前記の記載及び添付の図面から当業者に明白
となるであろう。かかる変更した態様は添付の特許請求
の範囲の範囲内にある。本明細書で引用した全ての刊行
物は参照によりそっくりそのまま本明細書に取り込まれ
る。
のもとに例示したこれら態様によってはその範囲を限定
されるものではなく、また、機能的に等価であるあるゆ
る微生物が本発明の範囲内にある。事実、本明細書に示
し記載した発明に加えて本発明を部分的に変更した多様
な態様が、前記の記載及び添付の図面から当業者に明白
となるであろう。かかる変更した態様は添付の特許請求
の範囲の範囲内にある。本明細書で引用した全ての刊行
物は参照によりそっくりそのまま本明細書に取り込まれ
る。
【図1】図1は、T細胞ハイブリドーマ、つまり3−1
−Vが、A1.1細胞からの抗原特異的TCRα鎖の存在
下で免疫調節活性を媒介する補助成分を産生することを
示している。
−Vが、A1.1細胞からの抗原特異的TCRα鎖の存在
下で免疫調節活性を媒介する補助成分を産生することを
示している。
【図2】図2は、A1.1細胞から単離したTCRα遺伝
子の完全ヌクレオチド配列を示している。該遺伝子のC
領域に下線が付してある。
子の完全ヌクレオチド配列を示している。該遺伝子のC
領域に下線が付してある。
【図3】図3は、A1.1細胞から175.2細胞へのTC
Rαの遺伝子移入(175.2−A1.1α)が抗原特異的
調節活性をもたらす能力を与えることを示している。
(A)A1.1TCRαの移入前後の175.2細胞上での
CD3の発現。(B)関連する抗原、(C)担体(SR
BC)単独、及び(D)関連しないコントロール抗原、
の存在下でのA1.1、175.2、及び175.2−A1.1
α上清中の抗原特異的調節活性。
Rαの遺伝子移入(175.2−A1.1α)が抗原特異的
調節活性をもたらす能力を与えることを示している。
(A)A1.1TCRαの移入前後の175.2細胞上での
CD3の発現。(B)関連する抗原、(C)担体(SR
BC)単独、及び(D)関連しないコントロール抗原、
の存在下でのA1.1、175.2、及び175.2−A1.1
α上清中の抗原特異的調節活性。
【図4】図4は、ハイブリドーマA1.1からのTCRα
鎖の調節活性を試験するのに用いたペプチドを示してい
る。
鎖の調節活性を試験するのに用いたペプチドを示してい
る。
【図5】図5は、A1.1細胞によりもたらされた免疫調
節活性がTCRα鎖への抗体により中和されることを示
している。
節活性がTCRα鎖への抗体により中和されることを示
している。
【図6】図6は、A1.1TCRαの移入及び抗CD3抗
体での選択後の(A)AF5細胞及び(B)AF6細胞
(175.2の2つのサブクローン)上でのCD3の発現
を示している。
体での選択後の(A)AF5細胞及び(B)AF6細胞
(175.2の2つのサブクローン)上でのCD3の発現
を示している。
【図7】図7は、BB19細胞から175.2細胞へのT
CRαの遺伝子移入は抗原特異的免疫調節活性をもたら
す能力を与えないことを示している。
CRαの遺伝子移入は抗原特異的免疫調節活性をもたら
す能力を与えないことを示している。
【図8】図8は、A1.1細胞からB9細胞へのTCRα
の遺伝子移入(B9−A1.1α)が抗原特異的調節活性
をもたらす能力を与えることを示している。
の遺伝子移入(B9−A1.1α)が抗原特異的調節活性
をもたらす能力を与えることを示している。
【図9】図9は、B9−A1.1αから放出された調節活
性が抗TCRαと結合して、A1.1細胞からの該活性と
同じ抗原特異性を示すことを示している。
性が抗TCRαと結合して、A1.1細胞からの該活性と
同じ抗原特異性を示すことを示している。
【図10】図10は、TCRβを欠いている細胞内での
A1.1TCRαの発現が抗原特異的調節活性をもたらす
のに十分であることを示している。
A1.1TCRαの発現が抗原特異的調節活性をもたらす
のに十分であることを示している。
【図11】図11は、A1.1TCRαを発現するA1.1
及び他の細胞系の上清中の抗原特異的結合活性を示して
いる。
及び他の細胞系の上清中の抗原特異的結合活性を示して
いる。
【図12】図12は、 in vitro で翻訳されたA1.1T
CRα及びβポリペプチドのSDS−PAGEを示して
いる。
CRα及びβポリペプチドのSDS−PAGEを示して
いる。
【図13】図13は、 in vitro で翻訳されたA1.1T
CRα遺伝子産物の調節活性は抗TCRαと結合するが
抗TCRβとは結合しないことを示している。
CRα遺伝子産物の調節活性は抗TCRαと結合するが
抗TCRβとは結合しないことを示している。
【図14】図14は、A1.1TCRαcDNAの完全ヌ
クレオチド配列及び演繹されるアミノ酸配列を示してい
る。
クレオチド配列及び演繹されるアミノ酸配列を示してい
る。
【図15】図15は、3B3由来TCRαcDNAの完
全ヌクレオチド配列及び演繹されるアミノ酸配列を示し
ている。
全ヌクレオチド配列及び演繹されるアミノ酸配列を示し
ている。
【図16】図16は、trpプロモーター及びtrpA
ターミネーターを保持する発現プラスミドpST811
を示している。
ターミネーターを保持する発現プラスミドpST811
を示している。
【図17】図17は、発現プラスミドpST811−A
1.1TCRαS5を示している。
1.1TCRαS5を示している。
【図18】図18は、ラットカルモジュリンcDNA及
びtrpプロモーターを保持する発現プラスミドpTC
AL7を示している。
びtrpプロモーターを保持する発現プラスミドpTC
AL7を示している。
【図19】図19は、ラットカルモジュリン及びtrp
プロモーターを保持しかつpTCAL7からの追加のク
ローニング部位を含有する発現プラスミドpCF1を示
している。
プロモーターを保持しかつpTCAL7からの追加のク
ローニング部位を含有する発現プラスミドpCF1を示
している。
【図20】図20は、発現プラスミドpCF1−3B3
TCRαを示している。
TCRαを示している。
【図21】図21は、2つの発現プラスミドからの大腸
菌産生カルモジュリン−TCRαのSDS−PAGEを
示している。
菌産生カルモジュリン−TCRαのSDS−PAGEを
示している。
【図22】図22は、大腸菌発現A1.1TCRαS5タ
ンパク質のSDS−PAGEを示している。
ンパク質のSDS−PAGEを示している。
【図23】図23は、大腸菌発現3B3TCRα(カル
モジュリン−TCRα融合タンパク質)のSDS−PA
GEを示している。
モジュリン−TCRα融合タンパク質)のSDS−PA
GEを示している。
【図24】図24は、組み換えA1.1TCRαS5(図
24a)及び組み換えA1.1TCRαS3(図24b)
の免疫抑制活性が投与量依存性であることを示してい
る。
24a)及び組み換えA1.1TCRαS3(図24b)
の免疫抑制活性が投与量依存性であることを示してい
る。
【図25】図25は、ポリ18又はEYKEYAEYA
EYAEYAを使用したときにTCRα鎖の免疫抑制活
性が認められることを示している。
EYAEYAを使用したときにTCRα鎖の免疫抑制活
性が認められることを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 7/00 8318−4H 14/725 8318−4H 19/00 8318−4H C12N 1/21 8828−4B C12P 21/02 C 9282−4B G01N 33/53 D K //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 1/21 C12R 1:445) (C12N 1/21 C12R 1:38) (72)発明者 ダグラス アール. グリーン アメリカ合衆国 92130 カリフォルニア 州 サンディエゴ, ティネボルン サー クル 4153 (72)発明者 アラン フォテダー アメリカ合衆国 92130 カリフォルニア 州 サンディエゴ, ナンバー 65 ケラ ム コート 13167 (72)発明者 レイド ピー. ビッソネット アメリカ合衆国 92130 カリフォルニア 州 サンディエゴ, ナンバー 105 カ ーメル ビュー 4039 (72)発明者 三箇山 俊文 日本国群馬県群馬郡群馬町福島314−5 (72)発明者 石井 保之 アメリカ合衆国 92122 カリフォルニア 州 サンディエゴ, カミニト メリアー ド 4082
Claims (45)
- 【請求項1】抗原を該抗原と特異的な有効量のTCRα
鎖と接触させて、TCRα鎖が抗原特異的に免疫応答を
調節することからなる、抗原に対する免疫応答を調節す
る方法。 - 【請求項2】補助成分の存在下にTCRα鎖を抗原と接
触させる請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】補助成分が、TCRα鎖の非存在下では免
疫調節効果を有していない刺激されたT細胞によって産
生される可溶性因子を含む請求項2に記載の方法。 - 【請求項4】補助成分が、可溶性TCRα鎖を除いた刺
激されたT細胞によって産生される可溶性因子を含む請
求項3に記載の方法。 - 【請求項5】補助成分がT細胞ハイブリドーマによって
産生される請求項4に記載の方法。 - 【請求項6】TCRα鎖が抗原特異的に免疫応答を抑制
する請求項1、2、3、4または5のいずれかに記載の
方法。 - 【請求項7】TCRα鎖が抗原特異的に免疫応答を増強
する請求項1、2、3、4または5のいずれかに記載の
方法。 - 【請求項8】TCRα鎖を、該TCRα鎖と結合するた
めの有効量で該TCRα鎖に特異的な抗体と接触させ、
これによって免疫応答を増強することからなる、TCR
α鎖によって抑制された抗原特異的免疫応答を増強する
方法。 - 【請求項9】抗体を固定化して、TCRα鎖を除去する
請求項8に記載の方法。 - 【請求項10】抗体がTCRα鎖と結合してその活性を
中和する請求項8に記載の方法。 - 【請求項11】T細胞をTCRα鎖メッセージと相補的
なアンチセンスオリゴヌクレオチドと接触させて、TC
Rα鎖の発現および分泌が阻害される、T細胞によって
分泌されるTCRα鎖によって抑制された抗原特異的免
疫応答を増強する方法。 - 【請求項12】アンチセンスオリゴヌクレオチドがTC
Rα鎖メッセージの可変領域と相補的である請求項11
に記載の方法。 - 【請求項13】以下の工程: (a)溶血可能な担体と結合した抗原を含む脾臓細胞の
試験培養を、補助成分の存在下に、PFC生成によって
示唆される免疫応答が起きるのに十分な時間で、TCR
α鎖を含むことが疑われる試料に暴露し;そして(b)
試験培養中のPFC生成を試料を含まない対照培養と比
較し、ここで対照と比較したPFC生成の減少が、抗原
特異的に免疫応答を抑制するTCRα鎖の存在を示し、
また対照と比較したPFC生成の増加が、抗原特異的に
免疫応答を増強するTCRα鎖の存在を示す、からな
る、抗原に対する免疫応答を調節する可溶性抗原特異的
TCRα鎖を体液中で検出する方法。 - 【請求項14】TCRα鎖が抗原特異的に免疫応答を抑
制する請求項13に記載の方法。 - 【請求項15】TCRα鎖が抗原特異的に免疫応答を増
強する請求項13に記載の方法。 - 【請求項16】以下の工程: (a)溶血可能な担体と結合した抗原を含む脾臓細胞の
試験培養を、補助成分の存在下に、PFC生成によって
示される免疫応答が起きるのに十分な時間で、精製TC
Rα鎖に暴露し;そして(b)試験培養中のPFC生成
を精製TCRα鎖を含まない対照培養と比較し、ここで
対照と比較したPFC生成の減少が、TCRα鎖が抗原
特異的に免疫応答を抑制することを示し、また対照と比
較したPFC生成の増加が、TCRα鎖が抗原特異的に
免疫応答を増強することを示す、からなるin vit
roアッセイ系で評価するときに、抗原と結合すること
ができ、かつ該抗原に対する免疫応答を調節する精製T
CRα鎖。 - 【請求項17】抗原特異的に免疫応答を抑制する請求項
16に記載の精製TCRα鎖。 - 【請求項18】抗原特異的に免疫応答を増強する請求項
16に記載の精製TCRα鎖。 - 【請求項19】以下の式: R1−[X1]−R2 (式中、R1は担体ペプチド、X1はタンパク質分解酵素
認識配列、そしてR2は構造遺伝子によってコードされ
るポリペプチドである)で示される実質的に純粋な融合
ポリペプチド。 - 【請求項20】担体ペプチドがカルモデュリンである請
求項19に記載の融合ポリペプチド。 - 【請求項21】構造遺伝子によってコードされるポリペ
プチドがT細胞レセプターアルファ(TCRα)鎖であ
る請求項19に記載の融合ポリペプチド。 - 【請求項22】TCRα鎖が該ポリペプチドの細胞膜外
ドメインである請求項21に記載の融合ポリペプチド。 - 【請求項23】タンパク質分解酵素認識配列がトロンビ
ンによって認識される請求項19に記載の融合ポリペプ
チド。 - 【請求項24】タンパク質分解酵素認識配列が Lys−Val−Pro−Arg−Gly である請求項23に記載の融合ポリペプチド。
- 【請求項25】請求項19に記載の融合ポリペプチドを
コードする単離されたポリヌクレオチド配列。 - 【請求項26】請求項25に記載のポリヌクレオチド配
列を含む組換え発現ベクター。 - 【請求項27】ベクターがウイルスである請求項26に
記載のベクター。 - 【請求項28】ベクターがプラスミドである請求項26
に記載のベクター。 - 【請求項29】ベクターが表現型選択マーカーDNA配
列を含む請求項28に記載のベクター。 - 【請求項30】表現型選択マーカーが、β−ラクタマー
ゼおよびクロラムフェニコールアセチルトランスフェラ
ーゼからなる群より選択される請求項29に記載のベク
ター。 - 【請求項31】請求項26に記載のベクターを含む宿主
細胞。 - 【請求項32】宿主細胞が真核である請求項31に記載
の宿主細胞。 - 【請求項33】宿主細胞が原核である請求項31に記載
の宿主細胞。 - 【請求項34】原核細胞がエシェリキア・コリ(Esc
herichiacoli)、スタフィロコッカス・ア
ウレウス(Staphylococcusaureu
s)およびシュードモナス・エルジノーサ(Pseud
monasaeruginosa)からなる群より選択
される請求項33に記載の宿主細胞。 - 【請求項35】以下の工程: (a)TCRα鎖をコードするポリヌクレオチド配列を
機能しうる結合様式で含むベクターで形質転換した宿主
細胞を培養し;そして(b)実質的に純粋で生物学的に
活性なTCRα鎖を単離する、からなる、実質的に純粋
で生物学的に活性なTCRα鎖の生産方法。 - 【請求項36】TCRα鎖をコードするポリヌクレオチ
ドが以下の式: R1−[X1] (式中、R1は担体ペプチド、そしてX1はタンパク質分
解酵素認識配列である)のポリペプチドをコードするポ
リヌクレオチドと機能しうるように結合されている請求
項35に記載の方法。 - 【請求項37】担体ペプチドがカルモデュリンである請
求項36に記載の方法。 - 【請求項38】タンパク質分解酵素認識配列がトロンビ
ンによって認識される請求項36に記載の方法。 - 【請求項39】タンパク質分解酵素認識配列が Lys−Val−Pro−Arg−Gly である請求項38に記載の方法。
- 【請求項40】TCRα鎖が該ポリペプチドの細胞膜外
ドメインである請求項35に記載の方法。 - 【請求項41】融合ペプチドからTCRα鎖部分を切断
することをさらに含む請求項36に記載の方法。 - 【請求項42】免疫抑制に必要量の実質的に精製された
TCRα鎖および医薬的に不活性な担体を含む医薬組成
物。 - 【請求項43】TCRα鎖が細胞膜外ドメインである請
求項42に記載の医薬組成物。 - 【請求項44】TCRα鎖が細胞膜外ドメインである請
求項1、8または13のいずれかに記載の方法。 - 【請求項45】TCRα鎖が細胞膜外ドメインである請
求項16に記載のTCRα鎖。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US16549693A | 1993-12-13 | 1993-12-13 | |
| US08/165496 | 1993-12-13 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08149981A true JPH08149981A (ja) | 1996-06-11 |
Family
ID=22599145
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5337265A Pending JPH08149981A (ja) | 1993-12-13 | 1993-12-28 | T細胞α鎖による抗原特異的免疫制御の方法 |
Country Status (6)
| Country | Link |
|---|---|
| EP (1) | EP0737076A1 (ja) |
| JP (1) | JPH08149981A (ja) |
| CN (1) | CN1145589A (ja) |
| AU (1) | AU1403495A (ja) |
| CA (1) | CA2179018A1 (ja) |
| WO (1) | WO1995016462A1 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1999016885A1 (en) * | 1997-09-26 | 1999-04-08 | Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. | Killer t cell receptor recognizing human immunodeficiency virus |
| JP2009508517A (ja) * | 2005-09-22 | 2009-03-05 | コーエン,イルン,アール | T細胞受容体定常ドメインの免疫原性断片及びそれに由来するペプチド |
Families Citing this family (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1997043411A1 (en) * | 1996-05-10 | 1997-11-20 | Kirin Beer Kabushiki Kaisha | T-cell receptor alpha-chain constant-region peptides, processes for producing the peptides, and use thereof |
| GB0223399D0 (en) * | 2002-10-09 | 2002-11-13 | Avidex Ltd | Receptors |
| FR2919065B1 (fr) | 2007-07-19 | 2009-10-02 | Biomerieux Sa | Procede de dosage de l'apolipoproteine ai pour le diagnostic in vitro du cancer colorectal |
| FR2919063B1 (fr) | 2007-07-19 | 2009-10-02 | Biomerieux Sa | Procede de dosage du leucocyte elastase inhibitor pour le diagnostic in vitro du cancer colorectal. |
| CA2693098C (fr) | 2007-07-19 | 2019-06-18 | Yasemin Ataman-Onal | Procede de dosage de la proteine de liaison hepatique aux acides gras, de l'antigene carcino-embryonnaire, et de l'antigene carbohydrate 19-9 pour le diagnostic in vitro du cancercolorectal |
| FR2919060B1 (fr) * | 2007-07-19 | 2012-11-30 | Biomerieux Sa | Procede de dosage de l'ezrine pour le diagnostic in vitro du cancer colorectal. |
| CA2729219A1 (en) | 2008-06-23 | 2010-01-21 | Perkinelmer Health Sciences, Inc. | Kinase substrates |
| EP2989120A4 (en) | 2013-04-25 | 2017-04-19 | Carmel-Haifa University Economic Corp. | Synthetic anti-inflammatory peptides and use thereof |
| WO2021147891A1 (zh) * | 2020-01-21 | 2021-07-29 | 苏州克睿基因生物科技有限公司 | 一种经修饰的免疫效应细胞及其用途 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3875730B2 (ja) * | 1993-02-22 | 2007-01-31 | サノフィ・アベンティス株式会社 | 自己免疫疾患の予防治療剤 |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP5337265A patent/JPH08149981A/ja active Pending
-
1994
- 1994-12-13 WO PCT/US1994/014542 patent/WO1995016462A1/en not_active Ceased
- 1994-12-13 CN CN94194995A patent/CN1145589A/zh active Pending
- 1994-12-13 AU AU14034/95A patent/AU1403495A/en not_active Abandoned
- 1994-12-13 EP EP95905413A patent/EP0737076A1/en not_active Withdrawn
- 1994-12-13 CA CA002179018A patent/CA2179018A1/en not_active Abandoned
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1999016885A1 (en) * | 1997-09-26 | 1999-04-08 | Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. | Killer t cell receptor recognizing human immunodeficiency virus |
| JP2009508517A (ja) * | 2005-09-22 | 2009-03-05 | コーエン,イルン,アール | T細胞受容体定常ドメインの免疫原性断片及びそれに由来するペプチド |
| US9078843B2 (en) | 2005-09-22 | 2015-07-14 | Irun R. Cohen | Immunogenic fragments of T-cell receptor constant domains and peptides derived therefrom |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| EP0737076A1 (en) | 1996-10-16 |
| CA2179018A1 (en) | 1995-06-22 |
| WO1995016462A1 (en) | 1995-06-22 |
| CN1145589A (zh) | 1997-03-19 |
| AU1403495A (en) | 1995-07-03 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP7452880B2 (ja) | Ssx2抗原を識別するt細胞受容体 | |
| KR102557834B1 (ko) | 신규의 세포 태그의 발현 | |
| EP3472208B9 (en) | T cell receptors and uses thereof | |
| KR100496307B1 (ko) | 사람b7.1및/또는b7.2영장류화된형태에특이적인원숭이모노클로날항체및이것의약제학적조성물 | |
| US9150635B2 (en) | ILT3 polypeptides and uses thereof | |
| CN112714769A (zh) | Ror-1特异性嵌合抗原受体及其用途 | |
| US7700102B2 (en) | Nucleic acids encoding CD100 molecules | |
| CN108884140A (zh) | 修饰的嵌合受体及相关组合物和方法 | |
| CA3158025A1 (en) | Anti-bcma chimeric antigen receptors | |
| CA2392477A1 (en) | B7-h1, a novel immunoregulatory molecule | |
| JP2009240311A (ja) | 活性化されたt細胞の表面上のレセプタ:act−4 | |
| WO1996013593A2 (en) | Soluble single chain t cell receptors | |
| CZ304451B6 (cs) | Molekula mutantu CTLA4 či nukleové kyseliny, vektor a hostitelský vektorový systém, hostitelská buňka, způsob přípravy proteinu mutantu CTLA4 a jeho použití, farmaceutická kompozice a způsob regulace | |
| KR20030028466A (ko) | 새로운 수상 세포 상호자극 분자 | |
| US20040054145A1 (en) | Truncated cd200 | |
| JP2002543787A (ja) | 白血球免疫グロブリン様受容体(lir)と命名された免疫調節因子のファミリー | |
| CA2292415A1 (en) | B7-binding molecules for treating immune diseases | |
| JPH08149981A (ja) | T細胞α鎖による抗原特異的免疫制御の方法 | |
| WO2001088159A2 (en) | Cd28 synthebody for the modulation of immune responses | |
| US20240374727A1 (en) | Binding domain | |
| WO2021016887A1 (zh) | 识别ssx2抗原短肽的t细胞受体 | |
| US5807714A (en) | Method of production of antigen-specific glycosylation inhibiting factor | |
| WO1998009638A1 (en) | INHIBITION OF MAST CELL ACTIVATION BY gp49-BASED MECHANISMS AND REAGENTS | |
| JP3578787B2 (ja) | 生物学的に活性なポリペプチドの組換え製造方法 | |
| WO2025111562A1 (en) | Mhc class ii protein complexes |