JPH08153854A - 強誘電体薄膜キャパシタの製造方法 - Google Patents
強誘電体薄膜キャパシタの製造方法Info
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- JPH08153854A JPH08153854A JP577295A JP577295A JPH08153854A JP H08153854 A JPH08153854 A JP H08153854A JP 577295 A JP577295 A JP 577295A JP 577295 A JP577295 A JP 577295A JP H08153854 A JPH08153854 A JP H08153854A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、絶縁耐圧特性を改善し、実際のデバ
イスに応用が可能な薄膜を形成できることを主要な目的
とする。 【構成】基板上に電気伝導性の金属薄膜または酸化物薄
膜からなる下部電極層を形成し、下部電極層上に目的の
強誘電体材料の構成元素に相当する複数金属の有機化合
物からなる前駆体混合物を主成分とする薄膜を形成し、
該薄膜を加熱酸化して金属酸化物薄膜を形成し、形成さ
れた強誘電体薄膜に少なくとも1回の急速昇温加熱処理
を施し、該強誘電体薄膜上に電気伝導性の金属薄膜又は
酸化物薄膜からなる上部電極層を形成し、上部電極層及
び強誘電体薄膜、下部電極層等を所定の形状にエッチン
グ加工してキャパシタ構造を形成し、これに再加熱処理
を行う工程でなる強誘電体薄膜キャパシタの製法におい
て、急速昇温加熱処理温度が目的とする強誘電体材料の
結晶化温度以上であることを特徴とする。
イスに応用が可能な薄膜を形成できることを主要な目的
とする。 【構成】基板上に電気伝導性の金属薄膜または酸化物薄
膜からなる下部電極層を形成し、下部電極層上に目的の
強誘電体材料の構成元素に相当する複数金属の有機化合
物からなる前駆体混合物を主成分とする薄膜を形成し、
該薄膜を加熱酸化して金属酸化物薄膜を形成し、形成さ
れた強誘電体薄膜に少なくとも1回の急速昇温加熱処理
を施し、該強誘電体薄膜上に電気伝導性の金属薄膜又は
酸化物薄膜からなる上部電極層を形成し、上部電極層及
び強誘電体薄膜、下部電極層等を所定の形状にエッチン
グ加工してキャパシタ構造を形成し、これに再加熱処理
を行う工程でなる強誘電体薄膜キャパシタの製法におい
て、急速昇温加熱処理温度が目的とする強誘電体材料の
結晶化温度以上であることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、強誘電体薄膜の残留
分極特性を利用した不揮発性半導体メモリや圧電焦電セ
ンサ、さらにはトランデューサ、アクチュエータ等の電
子デバイスに供する酸化物強誘電体薄膜キャパシタの製
造方法に関するものであり、特に絶縁耐圧特性に優れた
強誘電体薄膜キャパシタの製法に関するものである。
分極特性を利用した不揮発性半導体メモリや圧電焦電セ
ンサ、さらにはトランデューサ、アクチュエータ等の電
子デバイスに供する酸化物強誘電体薄膜キャパシタの製
造方法に関するものであり、特に絶縁耐圧特性に優れた
強誘電体薄膜キャパシタの製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、強誘電体化合物は、その特異な電
気特性を利用して多くの分野に利用されている。例え
ば、圧電性を利用した圧電フィルタや超音波トランスデ
ューサに、また焦電性を利用して赤外線センサやパイロ
ビジコンに、あるいは電気光学効果を利用した光変調素
子や光シャッタ等の多方面に応用されている。さらにこ
れらの材料の薄膜を利用した電子デバイスも考案され、
薄膜化の検討が精力的になされている。特に、残留分極
の安定性を利用した強誘電体薄膜キャパシタ搭載の不揮
発性メモリデバイスは、最近の記憶容量の高密度化、高
集積化競争を背景に最も注目されている分野である。
気特性を利用して多くの分野に利用されている。例え
ば、圧電性を利用した圧電フィルタや超音波トランスデ
ューサに、また焦電性を利用して赤外線センサやパイロ
ビジコンに、あるいは電気光学効果を利用した光変調素
子や光シャッタ等の多方面に応用されている。さらにこ
れらの材料の薄膜を利用した電子デバイスも考案され、
薄膜化の検討が精力的になされている。特に、残留分極
の安定性を利用した強誘電体薄膜キャパシタ搭載の不揮
発性メモリデバイスは、最近の記憶容量の高密度化、高
集積化競争を背景に最も注目されている分野である。
【0003】こうした多用途に応じて競って研究されて
いる代表材料として、PZT(チタン酸ジルコン酸
鉛)、PLZT(チタン酸ジルコン酸ランタン鉛)等、
一連の鉛含有複合酸化物強誘電体が挙げられ、多年にわ
ったて多くの研究者により実用化の検討が続けられてい
る。
いる代表材料として、PZT(チタン酸ジルコン酸
鉛)、PLZT(チタン酸ジルコン酸ランタン鉛)等、
一連の鉛含有複合酸化物強誘電体が挙げられ、多年にわ
ったて多くの研究者により実用化の検討が続けられてい
る。
【0004】また、その他の有望な強誘電材料として、
本発明者らによって明かにされた米国特許出願9651
90(1992年10月23日出願)、USP9811
33(1992年11月24日出願)記載のビスマス層
状ペロブスカイト型酸化物強誘電体の薄膜がある。この
材料は従来のPZT,PLZT等の薄膜に比較して分極
反転疲労(多数回分極反転を繰り返し行うことにより分
極反転能が低下して徐々に分極量が減衰する現象)特性
に優れており、その長所を活かして不揮性メモリデバイ
ス、その他の電子、光学デバイスへの応用が期待されて
いる。
本発明者らによって明かにされた米国特許出願9651
90(1992年10月23日出願)、USP9811
33(1992年11月24日出願)記載のビスマス層
状ペロブスカイト型酸化物強誘電体の薄膜がある。この
材料は従来のPZT,PLZT等の薄膜に比較して分極
反転疲労(多数回分極反転を繰り返し行うことにより分
極反転能が低下して徐々に分極量が減衰する現象)特性
に優れており、その長所を活かして不揮性メモリデバイ
ス、その他の電子、光学デバイスへの応用が期待されて
いる。
【0005】ビスマス層状ペロブスカイト型酸化物強誘
電体(以下、ビスマス層状化合物と呼ぶ)は下記の一般
式(1)で表される組成を有し、その単位結晶格子内に
頂点共有したペロブスカイト様結晶構造からなり強誘電
性を発現する部分(一部組成には非強誘電性のものもあ
る)と、これに隣接した酸化ビスマスからなる非強誘電
性部の2つの部分で構成される繰り返し単位を有する層
状構造を持ち、c軸方向に極端に長い単位格子を有す
る。
電体(以下、ビスマス層状化合物と呼ぶ)は下記の一般
式(1)で表される組成を有し、その単位結晶格子内に
頂点共有したペロブスカイト様結晶構造からなり強誘電
性を発現する部分(一部組成には非強誘電性のものもあ
る)と、これに隣接した酸化ビスマスからなる非強誘電
性部の2つの部分で構成される繰り返し単位を有する層
状構造を持ち、c軸方向に極端に長い単位格子を有す
る。
【0006】 (Bi2 O2 )2+(Am-1 Bm O3m+1)2- (1) A=Bi,Pb,Ba,Sr,Ca,Na,K,Cdの
内から選ばれる1つもしくは複数元素からなる任意比率
による組み合わせ。
内から選ばれる1つもしくは複数元素からなる任意比率
による組み合わせ。
【0007】B=Ti,Nb,Ta,W,Mo,Fe,
Co,Crの内から選ばれる1つもしくは複数元素から
なる任意比率による組み合わせ。m=1〜5の自然数。
このビスマス層状化合物のうち、実用デバイスに応用で
きる強誘電性を示すものとしては、Bi4 Ti3 O
12(チタン酸ビスマス)を始めとしてSrBi4 Ti4
O15(チタン酸ストロンチウムビスマス)、SrBi2
Ta2 O9 (タンタル酸ストロンチウムビスマス)Sr
Bi2 Nb2 O9 (ニオブ酸ストロンチウムビスマス)
等が挙げられる。またこれらの2種類もしくはそれ以上
の組み合せによる固溶体薄膜、例えばSrBi2 Nb1
Ta1 O9 も優れた強誘電性を示すことが知られてい
る。
Co,Crの内から選ばれる1つもしくは複数元素から
なる任意比率による組み合わせ。m=1〜5の自然数。
このビスマス層状化合物のうち、実用デバイスに応用で
きる強誘電性を示すものとしては、Bi4 Ti3 O
12(チタン酸ビスマス)を始めとしてSrBi4 Ti4
O15(チタン酸ストロンチウムビスマス)、SrBi2
Ta2 O9 (タンタル酸ストロンチウムビスマス)Sr
Bi2 Nb2 O9 (ニオブ酸ストロンチウムビスマス)
等が挙げられる。またこれらの2種類もしくはそれ以上
の組み合せによる固溶体薄膜、例えばSrBi2 Nb1
Ta1 O9 も優れた強誘電性を示すことが知られてい
る。
【0008】これらの鉛含有複合酸化物強誘電体やビス
マス層状化合物の薄膜を基板上に形成するためには、一
般的な薄膜形成方法、即ちスパッタ法に代表される真空
成膜法、ゾルゲル法、有機化合物熱分解法(MOD法)
に代表される溶液塗布法、化学気相蒸気法(CVD
法)、ミストデポジション(溶液状原料を微小な霧滴状
にして基板上に堆積させるCVD類似の方法)等があ
る。
マス層状化合物の薄膜を基板上に形成するためには、一
般的な薄膜形成方法、即ちスパッタ法に代表される真空
成膜法、ゾルゲル法、有機化合物熱分解法(MOD法)
に代表される溶液塗布法、化学気相蒸気法(CVD
法)、ミストデポジション(溶液状原料を微小な霧滴状
にして基板上に堆積させるCVD類似の方法)等があ
る。
【0009】スパッタリング等の真空成膜法において
は、基板上である程度の結晶化を行わせ、かつ内部応力
の蓄積を防止して基板密着性を向上させるために、基板
加熱が常套手段として用いられる。しかし、上記ビスマ
ス層状化合物の組成中ビスマス、鉛含有複合酸化物強誘
電体中の鉛等の酸化物は他の金属元素または酸化物に比
較して飽和蒸気圧が非常に大きく、高真空下ではさらに
容易に蒸発して、得られる薄膜の組成はターゲットもし
くは蒸発源の組成とは大きくずれてしまうという問題が
あり、再現性、制御性共に未だ確立されてはいない。
は、基板上である程度の結晶化を行わせ、かつ内部応力
の蓄積を防止して基板密着性を向上させるために、基板
加熱が常套手段として用いられる。しかし、上記ビスマ
ス層状化合物の組成中ビスマス、鉛含有複合酸化物強誘
電体中の鉛等の酸化物は他の金属元素または酸化物に比
較して飽和蒸気圧が非常に大きく、高真空下ではさらに
容易に蒸発して、得られる薄膜の組成はターゲットもし
くは蒸発源の組成とは大きくずれてしまうという問題が
あり、再現性、制御性共に未だ確立されてはいない。
【0010】そのため三元系、四元系化合物のような複
雑な組成を有する化合物薄膜を正確に組成制御し、常温
常圧環境下で大面積に成膜するには、ゾルゲル法、MO
D法が有利である。次いでこれらの方法と共通の原料溶
液を利用できるミストデポジション法がこれに準ずる。
MOD法については本発明者らはビスマス層状化合物薄
膜の成膜プロセスに関し米国特許出願65656(19
92年5月21日出願)の出願を行っている。
雑な組成を有する化合物薄膜を正確に組成制御し、常温
常圧環境下で大面積に成膜するには、ゾルゲル法、MO
D法が有利である。次いでこれらの方法と共通の原料溶
液を利用できるミストデポジション法がこれに準ずる。
MOD法については本発明者らはビスマス層状化合物薄
膜の成膜プロセスに関し米国特許出願65656(19
92年5月21日出願)の出願を行っている。
【0011】ゾルゲル法やMOD法によって金属有機化
合物の前駆体混合物からなる塗膜を乾燥し、次いで急速
昇温加熱による仮焼処理を施すことにより、続くアニー
ル処理での結晶化反応を促進し、組成的にも安定した結
晶化膜を得、電気的特性にも優れた薄膜キャパシタを形
成することができる。しかし、本発明者らがさらなる研
究を重ねたところ、この従来プロセスでは残留分極量の
絶対値やヒステリシスカーブの飽和特性などは耐疲労特
性とともに良好な再現性を得ることができたが、薄膜の
絶縁耐圧特性が低く、PZT薄膜では5〜10Vでリー
ク電流が増加し、ビスマス層状化合物においては2〜3
Vの直流低電圧でも絶縁破壊を起こす場合があることが
判明した。
合物の前駆体混合物からなる塗膜を乾燥し、次いで急速
昇温加熱による仮焼処理を施すことにより、続くアニー
ル処理での結晶化反応を促進し、組成的にも安定した結
晶化膜を得、電気的特性にも優れた薄膜キャパシタを形
成することができる。しかし、本発明者らがさらなる研
究を重ねたところ、この従来プロセスでは残留分極量の
絶対値やヒステリシスカーブの飽和特性などは耐疲労特
性とともに良好な再現性を得ることができたが、薄膜の
絶縁耐圧特性が低く、PZT薄膜では5〜10Vでリー
ク電流が増加し、ビスマス層状化合物においては2〜3
Vの直流低電圧でも絶縁破壊を起こす場合があることが
判明した。
【0012】強誘電体薄膜キャパシタの実用レベルとし
ては半導体デバイス応用で少なくとも5Vの印加電圧に
対して絶縁性が保たれ、リーク電流が少ない薄膜が必要
である。こうした鉛含有複合酸化物強誘電体やビスマス
層状化合物の薄膜の耐圧特性の速やかな改善が要求され
ていた。
ては半導体デバイス応用で少なくとも5Vの印加電圧に
対して絶縁性が保たれ、リーク電流が少ない薄膜が必要
である。こうした鉛含有複合酸化物強誘電体やビスマス
層状化合物の薄膜の耐圧特性の速やかな改善が要求され
ていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この発明はこうした事
情を考慮してなされたもので、従来プロセスによる鉛含
有複合酸化物強誘電体及びビスマス層状化合物の薄膜の
絶縁耐圧特性を改善し、実際のデバイスに応用が可能な
当該化合物の薄膜を形成できる強誘電体薄膜キャパシタ
の製造方法を提供することを目的とする。
情を考慮してなされたもので、従来プロセスによる鉛含
有複合酸化物強誘電体及びビスマス層状化合物の薄膜の
絶縁耐圧特性を改善し、実際のデバイスに応用が可能な
当該化合物の薄膜を形成できる強誘電体薄膜キャパシタ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は実用デバイス
用途に供すべく、これに関わる鉛含有複合酸化物強誘電
体及びビスマス層状化合物薄膜の絶縁耐圧性改善を、金
属有機化合物前駆体からなる薄膜を加熱酸化して得た金
属酸化物薄膜を、従来プロセスよりも高い温度、詳しく
は目的とする鉛含有複合酸化物強誘電体又はビスマス層
状化合物強誘電体の結晶化温度よりも高温にて急速昇温
加熱による極短時間の仮焼処理を行い、次いで同結晶化
温度よりも高い温度にて相対的に長時間の焼成処理を行
うことにより解決した。
用途に供すべく、これに関わる鉛含有複合酸化物強誘電
体及びビスマス層状化合物薄膜の絶縁耐圧性改善を、金
属有機化合物前駆体からなる薄膜を加熱酸化して得た金
属酸化物薄膜を、従来プロセスよりも高い温度、詳しく
は目的とする鉛含有複合酸化物強誘電体又はビスマス層
状化合物強誘電体の結晶化温度よりも高温にて急速昇温
加熱による極短時間の仮焼処理を行い、次いで同結晶化
温度よりも高い温度にて相対的に長時間の焼成処理を行
うことにより解決した。
【0015】本発明による強誘電体薄膜キャパシタの製
造方法について以下に詳しく説明する。この発明は、半
導体基板上に電気伝導性の金属薄膜または酸化物薄膜か
らなる下部電極層を形成する工程と、下部電極層上に目
的の強誘電体材料の構成元素に相当する複数金属の有機
化合物からなる前駆体混合物を主成分とする薄膜を形成
する工程と、この薄膜を加熱酸化して金属酸化物薄膜を
形成する工程と、形成された酸化物薄膜に少なくとも1
回の急速昇温加熱処理を施す工程と、形成された強誘電
体薄膜上に電気伝導性の金属薄膜または酸化物薄膜から
なる上部電極層を形成する工程と、上部電極層及び強誘
電体薄膜、下部電極層などを所定の形状にエッチング加
工してキャパシタ構造を形成する工程と、これに再加熱
処理を行う工程でなる強誘電体薄膜キャパシタの製造方
法において、急速昇温加熱処理温度が目的とする強誘電
体材料の結晶化温度以上であることを特徴とする強誘電
体薄膜キャパシタの製造方法である。
造方法について以下に詳しく説明する。この発明は、半
導体基板上に電気伝導性の金属薄膜または酸化物薄膜か
らなる下部電極層を形成する工程と、下部電極層上に目
的の強誘電体材料の構成元素に相当する複数金属の有機
化合物からなる前駆体混合物を主成分とする薄膜を形成
する工程と、この薄膜を加熱酸化して金属酸化物薄膜を
形成する工程と、形成された酸化物薄膜に少なくとも1
回の急速昇温加熱処理を施す工程と、形成された強誘電
体薄膜上に電気伝導性の金属薄膜または酸化物薄膜から
なる上部電極層を形成する工程と、上部電極層及び強誘
電体薄膜、下部電極層などを所定の形状にエッチング加
工してキャパシタ構造を形成する工程と、これに再加熱
処理を行う工程でなる強誘電体薄膜キャパシタの製造方
法において、急速昇温加熱処理温度が目的とする強誘電
体材料の結晶化温度以上であることを特徴とする強誘電
体薄膜キャパシタの製造方法である。
【0016】この発明において、前記強誘電体薄膜が一
般式(1)で表現されるビスマス層状化合物であること
を特徴とする。 (Bi2 O2 )2+(Am-1 Bm O3m+1)2- (1) A=Bi,Pb,Ba,Sr,Ca,Na,K,Cdの
内から選ばれる1つもしくは複数元素からなる任意比率
による組み合わせ。
般式(1)で表現されるビスマス層状化合物であること
を特徴とする。 (Bi2 O2 )2+(Am-1 Bm O3m+1)2- (1) A=Bi,Pb,Ba,Sr,Ca,Na,K,Cdの
内から選ばれる1つもしくは複数元素からなる任意比率
による組み合わせ。
【0017】B=Ti,Nb,Ta,W,Mo,Fe,
Co,Crの内から選ばれる1つもしくは複数元素から
なる任意比率による組み合わせ。m=1〜5の自然数。
Co,Crの内から選ばれる1つもしくは複数元素から
なる任意比率による組み合わせ。m=1〜5の自然数。
【0018】この発明において、前記強誘電体薄膜が一
般式(2)で表現されるPZTもしくはその変性体であ
ることを特徴とする。 (Pb1-x+a Ax )(Zr1-y-z Tiy Bz )O3 +βMeO (2) a=0〜0.2 A=Ca,Sr,Ba,Th,La,Y,Sm,Dy,
Ce,Bi,Sbのうちから選ばれる1つもしくは複数
元素からなる任意比率による組み合わせ。
般式(2)で表現されるPZTもしくはその変性体であ
ることを特徴とする。 (Pb1-x+a Ax )(Zr1-y-z Tiy Bz )O3 +βMeO (2) a=0〜0.2 A=Ca,Sr,Ba,Th,La,Y,Sm,Dy,
Ce,Bi,Sbのうちから選ばれる1つもしくは複数
元素からなる任意比率による組み合わせ。
【0019】x=0〜0.3 y=0〜0.9 B=Hf,Sn,Nb,Ta,W,Moのうちから選ば
れる1つもしくは複数元素からなる任意比率による組み
合わせ。
れる1つもしくは複数元素からなる任意比率による組み
合わせ。
【0020】z=0〜0.3 β=0〜0.05 Me=La,Y,Sm,Dy,Ce,Bi,Sb,N
b,Ta,W,Mo,Cr,Co,Ni,Fe,Cu,
Si,Ge,U,Scのうちから選ばれる1つもしくは
複数元素からなる任意比率による組み合わせ。
b,Ta,W,Mo,Cr,Co,Ni,Fe,Cu,
Si,Ge,U,Scのうちから選ばれる1つもしくは
複数元素からなる任意比率による組み合わせ。
【0021】
【作用】この発明において、金属有機化合物の熱分解に
よって形成される下部電極上の金属酸化物薄膜中には金
属原子と分解解離した有機物残渣が多く含有されてお
り、全体には全く結晶構造を含まない非晶質状態になっ
ている。これを少なくとも1回の急速昇温加熱処理を目
的の強誘電体材料の結晶化温度以上で施すことにより強
誘電体薄膜を形成する。この工程の初期段階において前
記金属酸化物薄膜中に目的とする酸化物強誘電体の微小
な結晶核が無数に発生させることができる。薄膜は急激
な温度変化を伴って結晶化温度以上に一気に加熱され、
これにより引き起こされる機械的な引っ張りやせん断応
力、熱的な歪み、集中が生じてこれらを中心に核生成さ
れ、無数の核を瞬時に発生させると考えられる。
よって形成される下部電極上の金属酸化物薄膜中には金
属原子と分解解離した有機物残渣が多く含有されてお
り、全体には全く結晶構造を含まない非晶質状態になっ
ている。これを少なくとも1回の急速昇温加熱処理を目
的の強誘電体材料の結晶化温度以上で施すことにより強
誘電体薄膜を形成する。この工程の初期段階において前
記金属酸化物薄膜中に目的とする酸化物強誘電体の微小
な結晶核が無数に発生させることができる。薄膜は急激
な温度変化を伴って結晶化温度以上に一気に加熱され、
これにより引き起こされる機械的な引っ張りやせん断応
力、熱的な歪み、集中が生じてこれらを中心に核生成さ
れ、無数の核を瞬時に発生させると考えられる。
【0022】急速昇温加熱処理の条件(昇温速度、処理
温度及び保持時間)を適当に選ぶことによって結晶核の
発生密度を制御でき、さらに保持時間に対応した結晶成
長を促す。発生させる結晶核の密度を高めることにより
粒子間の距離も密度に比例して短くなり効率的で均一な
結晶化反応が促進され、同時に結晶粒同士の融合も起こ
り粒径の揃った緻密な強誘電体薄膜が短時間で形成され
る。
温度及び保持時間)を適当に選ぶことによって結晶核の
発生密度を制御でき、さらに保持時間に対応した結晶成
長を促す。発生させる結晶核の密度を高めることにより
粒子間の距離も密度に比例して短くなり効率的で均一な
結晶化反応が促進され、同時に結晶粒同士の融合も起こ
り粒径の揃った緻密な強誘電体薄膜が短時間で形成され
る。
【0023】本発明の成膜プロセスで形成された鉛含有
複合酸化物強誘電体及びビスマス層状化合物薄膜からな
る薄膜キャパシタは各結晶粒子表面の欠陥層が少なく、
粒界層に分散する非強誘電相も最小限に抑えられた緻密
な膜構造によって極めて優れた絶縁耐圧性を示す。
複合酸化物強誘電体及びビスマス層状化合物薄膜からな
る薄膜キャパシタは各結晶粒子表面の欠陥層が少なく、
粒界層に分散する非強誘電相も最小限に抑えられた緻密
な膜構造によって極めて優れた絶縁耐圧性を示す。
【0024】さらに急速昇温加熱処理は、非常に短時間
で結晶成成させるために、薄膜組成中の蒸発欠乏し易い
酸化ビスマスや酸化鉛の化合物が結晶格子中に取り込ま
れて加熱焼成時にも失われず、組成の制御が容易になり
薄膜の表面、内部ともに欠陥密度の低い均質な薄膜を得
ることができる。
で結晶成成させるために、薄膜組成中の蒸発欠乏し易い
酸化ビスマスや酸化鉛の化合物が結晶格子中に取り込ま
れて加熱焼成時にも失われず、組成の制御が容易になり
薄膜の表面、内部ともに欠陥密度の低い均質な薄膜を得
ることができる。
【0025】この発明において、強誘電体薄膜は、式
(1)のビスマス層状化合物である。従って、本発明に
関わるビスマス層状化合物強誘電体は2次元的に広がり
を有する酸化ビスマス層と強誘電性ペロブスカイト構造
が規則的に重なり合って形成する繰り返し単位からなる
層状結晶構造を有する。多くのビスマス層状化合物は鉛
含有複合酸化物に比べて分極反転疲労に対する耐久性が
高い。
(1)のビスマス層状化合物である。従って、本発明に
関わるビスマス層状化合物強誘電体は2次元的に広がり
を有する酸化ビスマス層と強誘電性ペロブスカイト構造
が規則的に重なり合って形成する繰り返し単位からなる
層状結晶構造を有する。多くのビスマス層状化合物は鉛
含有複合酸化物に比べて分極反転疲労に対する耐久性が
高い。
【0026】本発明の成膜プロセスをもってビスマス層
状化合物を成膜することによって、分極反転疲労特性に
優れ、かつ高絶縁耐圧性の強誘電体薄膜キャパシタを提
供できる。
状化合物を成膜することによって、分極反転疲労特性に
優れ、かつ高絶縁耐圧性の強誘電体薄膜キャパシタを提
供できる。
【0027】この発明において、強誘電体薄膜は、式
(2)のPZTもしくはその変性体である。従って、本
発明に関わるPZT系強誘電体は大きな分極性能を有
し、キャパシタ面積を小さくしても大きな電流を取り出
すことができ、メモリ用途などにおいて記憶容量の高密
度化、セル面積の小型化に有利である。
(2)のPZTもしくはその変性体である。従って、本
発明に関わるPZT系強誘電体は大きな分極性能を有
し、キャパシタ面積を小さくしても大きな電流を取り出
すことができ、メモリ用途などにおいて記憶容量の高密
度化、セル面積の小型化に有利である。
【0028】本発明の成膜プロセスをもって鉛含有複合
酸化物強誘電体薄膜を成膜することによって、分極反転
疲労特性に優れ、かつ高絶縁耐圧性の強誘電体薄膜キャ
パシタを提供できる。
酸化物強誘電体薄膜を成膜することによって、分極反転
疲労特性に優れ、かつ高絶縁耐圧性の強誘電体薄膜キャ
パシタを提供できる。
【0029】
(比較例1)従来プロセスによるSrBi2 Ta2 O9
薄膜を形成してキャパシタを構成しこれを比較例1とし
た。
薄膜を形成してキャパシタを構成しこれを比較例1とし
た。
【0030】前駆体溶液としてSr,Bi,Taの各2
エチルヘキサン酸塩のキシレン溶液を用い、Biを化学
量論比に対して10%過剰に添加した。塗布濃度を0.
15Mとし、振り切り速度2000rpmで200nm
白金電極を設けたシリコン基板上に成膜した。塗膜の乾
燥を250℃で5分間行った後、ランプアニーラを用い
て125℃/秒の昇温速度で725℃まで加熱し酸素中
で30秒間の急速昇温ベークを施した。塗布成膜からベ
ークまでの工程を3回繰り返して多層膜とし、酸素気流
中で800℃、60分間のアニール(1次アニール)を
行った。その結果、膜厚240nmのSrBi2 Ta2
O9 薄膜を得た。膜厚200nmの上部白金電極を強誘
電体薄膜上にスパッタ成膜し、イオンミルを用いてエッ
チングを行ってキャパシタを形成した。キャパシタ面積
は100μm×100μm(=10000μm2 )であ
る。最後に基板全体を酸素気流中で800℃、30分間
の2次アニールを行った。
エチルヘキサン酸塩のキシレン溶液を用い、Biを化学
量論比に対して10%過剰に添加した。塗布濃度を0.
15Mとし、振り切り速度2000rpmで200nm
白金電極を設けたシリコン基板上に成膜した。塗膜の乾
燥を250℃で5分間行った後、ランプアニーラを用い
て125℃/秒の昇温速度で725℃まで加熱し酸素中
で30秒間の急速昇温ベークを施した。塗布成膜からベ
ークまでの工程を3回繰り返して多層膜とし、酸素気流
中で800℃、60分間のアニール(1次アニール)を
行った。その結果、膜厚240nmのSrBi2 Ta2
O9 薄膜を得た。膜厚200nmの上部白金電極を強誘
電体薄膜上にスパッタ成膜し、イオンミルを用いてエッ
チングを行ってキャパシタを形成した。キャパシタ面積
は100μm×100μm(=10000μm2 )であ
る。最後に基板全体を酸素気流中で800℃、30分間
の2次アニールを行った。
【0031】上記比較例1と同じ溶液を用いて以下の実
施例を作成した。特に記載されていないプロセスパラメ
ータは比較例1と同一である。 (実施例1)急速昇温加熱処理を125℃/秒の昇温速
度、保持温度800℃、保持時間30秒間の条件で行い
膜厚240nmの3層膜を作成した。その後、1次アニ
ールを行なわずに、膜厚200nmの上部白金電極を強
誘電体薄膜上にスパッタ成膜し、イオンミルを用いてエ
ッチングを行ってキャパシタを形成した。最後に基板全
体を酸素気流中で800℃、30分間の2次アニールを
施してこれを実施例1とした。
施例を作成した。特に記載されていないプロセスパラメ
ータは比較例1と同一である。 (実施例1)急速昇温加熱処理を125℃/秒の昇温速
度、保持温度800℃、保持時間30秒間の条件で行い
膜厚240nmの3層膜を作成した。その後、1次アニ
ールを行なわずに、膜厚200nmの上部白金電極を強
誘電体薄膜上にスパッタ成膜し、イオンミルを用いてエ
ッチングを行ってキャパシタを形成した。最後に基板全
体を酸素気流中で800℃、30分間の2次アニールを
施してこれを実施例1とした。
【0032】(実施例2)急速昇温加熱処理を125℃
/秒の昇温速度、保持温度800℃、保持時間30秒間
の条件で行い膜厚240nmの3層膜を作成し、酸素気
流中で400℃、60分間の1次アニールを行った。そ
の他のプロセス条件は比較例1と同じとして薄膜キャパ
シタを形成し、最後に基板全体を酸素気流中で800
℃,30分間の2次アニールを施した。
/秒の昇温速度、保持温度800℃、保持時間30秒間
の条件で行い膜厚240nmの3層膜を作成し、酸素気
流中で400℃、60分間の1次アニールを行った。そ
の他のプロセス条件は比較例1と同じとして薄膜キャパ
シタを形成し、最後に基板全体を酸素気流中で800
℃,30分間の2次アニールを施した。
【0033】(実施例3)急速昇温加熱処理を125℃
/秒の昇温速度、保持温度800℃、保持時間30秒間
の条件で行い膜厚240nmの3層膜を作成し、酸素気
流中で800℃、60分間のアニールを行って、他の実
施例と同じ工程を経てキャパシタを形成した。最後に基
板全体を酸素気流中で800℃、30分間の2次アニー
ルを行いこれを実施例3とした。
/秒の昇温速度、保持温度800℃、保持時間30秒間
の条件で行い膜厚240nmの3層膜を作成し、酸素気
流中で800℃、60分間のアニールを行って、他の実
施例と同じ工程を経てキャパシタを形成した。最後に基
板全体を酸素気流中で800℃、30分間の2次アニー
ルを行いこれを実施例3とした。
【0034】(実施例4)急速昇温加熱処理を125℃
/秒の昇温速度、保持温度850℃、保持時間30秒間
の条件で行い3層膜を作成した。その他のプロセス条件
は実施例3と同じとし薄膜キャパシタを形成した。これ
を実施例4とした。
/秒の昇温速度、保持温度850℃、保持時間30秒間
の条件で行い3層膜を作成した。その他のプロセス条件
は実施例3と同じとし薄膜キャパシタを形成した。これ
を実施例4とした。
【0035】図1に比較例1及び実施例1〜4のヒステ
リシスカーブを示す。測定は通常のソヤータワー回路を
用い±2,±4,±6,±8,±10Vのサイン波を印
加しオシロスコープを観察した各入力電圧に対するヒス
テリシスカーブを重ねて示した。
リシスカーブを示す。測定は通常のソヤータワー回路を
用い±2,±4,±6,±8,±10Vのサイン波を印
加しオシロスコープを観察した各入力電圧に対するヒス
テリシスカーブを重ねて示した。
【0036】図2〜図6に比較例1及び実施例1〜4の
電流−電圧カーブ(I−Vカーブ)を示す。測定はヒュ
ーレットパッカード社製半導体パラメータアナライザー
(商品名:hp−4145)を用いて上下電極間に流れ
る電流値を測定した。
電流−電圧カーブ(I−Vカーブ)を示す。測定はヒュ
ーレットパッカード社製半導体パラメータアナライザー
(商品名:hp−4145)を用いて上下電極間に流れ
る電流値を測定した。
【0037】図1のヒステリシスカーブを比較すると、
実施例1及び2は残留分極量2Prが他に比べて小さい
のに対して比較例1と実施例3,4はほぼ同じ値を示す
が、いずれも良好な飽和特性を示している。
実施例1及び2は残留分極量2Prが他に比べて小さい
のに対して比較例1と実施例3,4はほぼ同じ値を示す
が、いずれも良好な飽和特性を示している。
【0038】図2〜図6はI−V特性を示す。ある印加
電圧に対し、強誘電体薄膜を通過する電流量を示した図
である。比較例1はおよそ7Vまで電流値は10-5(A
/cm2 )台で安定しているが、それ以上ではスパイク状
のリーク電流が観察され印加電圧18Vでついに絶縁破
壊が起こっている。これに対し、実施例1及び2は10
V以上までリーク電流は増加せず、さらに実施例3は2
0Vまで安定、実施例4は25V以上まで破壊すること
なく安定なI−V電流特性を示している。即ち、急速昇
温加熱処理を800℃以上で行う事によって、リーク電
流の少ない、絶縁耐圧特性に優れる強誘電体キャパシタ
が得られる。
電圧に対し、強誘電体薄膜を通過する電流量を示した図
である。比較例1はおよそ7Vまで電流値は10-5(A
/cm2 )台で安定しているが、それ以上ではスパイク状
のリーク電流が観察され印加電圧18Vでついに絶縁破
壊が起こっている。これに対し、実施例1及び2は10
V以上までリーク電流は増加せず、さらに実施例3は2
0Vまで安定、実施例4は25V以上まで破壊すること
なく安定なI−V電流特性を示している。即ち、急速昇
温加熱処理を800℃以上で行う事によって、リーク電
流の少ない、絶縁耐圧特性に優れる強誘電体キャパシタ
が得られる。
【0039】以上の結果から本発明の効果が明らかであ
ることが示される。 (比較例2)従来プロセスによるPb(Zr0.4 Ti
0.6 )O3 薄膜を形成してキャパシタを構成しこれを比
較例2とした。
ることが示される。 (比較例2)従来プロセスによるPb(Zr0.4 Ti
0.6 )O3 薄膜を形成してキャパシタを構成しこれを比
較例2とした。
【0040】前駆体溶液としてPbの酢酸塩、Zr,T
iの各イソプロポキシドの2メトキシエタノール溶液を
用い、Pbを化学量論比に対して7%過剰に添加した。
これに酢酸、蒸留水を溶液中の金属と当量モル混合した
2メトキシエタノール溶液を加え塗布濃度を0.5Mと
し、振り切り速度2000rpmで厚さ200nmの白
金電極を設けたシリコン基板上に成膜した。塗膜の乾燥
を200℃で5分間行ったあと、ランプアニーラを用い
て125℃/秒の昇温速度で650℃まで加熱し酸素中
で30秒間の急速昇温ベークを施した。塗布成膜からベ
ークまでの工程を3回繰り返して多層膜とし、酸素気流
中で700℃、60分間のアニールを行った。その結
果、膜厚300nmのPb(Zr0.4 Ti0.6 )O3 薄
膜を得た。膜厚200nmの上部白金電極を強誘電体薄
膜上にスパッタ成膜し、イオンミルを用いてエッチング
を行ってキャパシタを形成した。キャパシタの面積は1
00μm×100μm(=10000μm2 )である。
最後に基板全体を酸素気流中で700℃、30分間の2
次元アニールを行った。
iの各イソプロポキシドの2メトキシエタノール溶液を
用い、Pbを化学量論比に対して7%過剰に添加した。
これに酢酸、蒸留水を溶液中の金属と当量モル混合した
2メトキシエタノール溶液を加え塗布濃度を0.5Mと
し、振り切り速度2000rpmで厚さ200nmの白
金電極を設けたシリコン基板上に成膜した。塗膜の乾燥
を200℃で5分間行ったあと、ランプアニーラを用い
て125℃/秒の昇温速度で650℃まで加熱し酸素中
で30秒間の急速昇温ベークを施した。塗布成膜からベ
ークまでの工程を3回繰り返して多層膜とし、酸素気流
中で700℃、60分間のアニールを行った。その結
果、膜厚300nmのPb(Zr0.4 Ti0.6 )O3 薄
膜を得た。膜厚200nmの上部白金電極を強誘電体薄
膜上にスパッタ成膜し、イオンミルを用いてエッチング
を行ってキャパシタを形成した。キャパシタの面積は1
00μm×100μm(=10000μm2 )である。
最後に基板全体を酸素気流中で700℃、30分間の2
次元アニールを行った。
【0041】上記比較例2と同じ溶液を用いて以下の実
施例を作成した。特に記載されていないプロセスパラメ
ータは比較例2と同一である。 (実施例5)急速昇温熱処理を125℃/秒の昇温速
度、保持温度750℃、保持時間30秒間の条件で行い
膜厚300nmの3層膜を作成し、酸素気流中で750
℃、60分間のアニールを行った。上部白金電極を成膜
しイオンミルを用いてエッチングを行ってキャパシタを
形成した。最後に基板全体を酸素気流中で750℃、3
0分間の2次アニールを施してこれを実施例5とした。
施例を作成した。特に記載されていないプロセスパラメ
ータは比較例2と同一である。 (実施例5)急速昇温熱処理を125℃/秒の昇温速
度、保持温度750℃、保持時間30秒間の条件で行い
膜厚300nmの3層膜を作成し、酸素気流中で750
℃、60分間のアニールを行った。上部白金電極を成膜
しイオンミルを用いてエッチングを行ってキャパシタを
形成した。最後に基板全体を酸素気流中で750℃、3
0分間の2次アニールを施してこれを実施例5とした。
【0042】図7に比較例2及び実施例5の電流−電圧
カーブ(1−Vカーブ)を示す。比較例2はおよそ10
Vまで電流値は10-5A/cm2 を示しているが、それ
以上では電圧増加にともないリーク電流が徐々に増大し
て、約30Vで絶縁破壊が起こっている。これに対し、
実施例5は同様に10V近辺で10-5A/cm2と同じ
値を示すが、30V以上までリーク電流はほとんど増加
しない。
カーブ(1−Vカーブ)を示す。比較例2はおよそ10
Vまで電流値は10-5A/cm2 を示しているが、それ
以上では電圧増加にともないリーク電流が徐々に増大し
て、約30Vで絶縁破壊が起こっている。これに対し、
実施例5は同様に10V近辺で10-5A/cm2と同じ
値を示すが、30V以上までリーク電流はほとんど増加
しない。
【0043】なお、本実施例5中では下部電極層及び上
部電極層を構成する電気伝導性金属が白金である場合に
ついて説明したが、強誘電体薄膜の仮焼、焼成温度に耐
える高融点を有し、かつ強誘電体構成元素と相互に合金
化反応などの化学的相互作用を有しないロジウム、パラ
ジウム、ルテニウム、ルビジウム、イリジウム、オスミ
ウムなどの貴金属元素のいずれかまたはそれらの合金で
あってもよく、さらには酸化性雰囲気中で安定であり、
かつそれ自体が酸素の規則的配列を結晶構造中に有して
酸化物強誘電体との界面整合性を優れる酸化インジウム
−酸化錫の複合化合物または酸化ルテニウム、酸化ルビ
ジウム、酸化イリジウム、酸化オスミウムの貴金属元素
の酸化物のいずれかであってもよい。またこれら金属と
酸化物の積層構造で構成されてもよい。
部電極層を構成する電気伝導性金属が白金である場合に
ついて説明したが、強誘電体薄膜の仮焼、焼成温度に耐
える高融点を有し、かつ強誘電体構成元素と相互に合金
化反応などの化学的相互作用を有しないロジウム、パラ
ジウム、ルテニウム、ルビジウム、イリジウム、オスミ
ウムなどの貴金属元素のいずれかまたはそれらの合金で
あってもよく、さらには酸化性雰囲気中で安定であり、
かつそれ自体が酸素の規則的配列を結晶構造中に有して
酸化物強誘電体との界面整合性を優れる酸化インジウム
−酸化錫の複合化合物または酸化ルテニウム、酸化ルビ
ジウム、酸化イリジウム、酸化オスミウムの貴金属元素
の酸化物のいずれかであってもよい。またこれら金属と
酸化物の積層構造で構成されてもよい。
【0044】以上、実施例に基づいて説明してきたが、
本明細書には以下の発明が含まれる。 1.(実施例1に対応) 半導体基板上に電気伝導性の金属薄膜または酸化物薄膜
からな下部電極層を形成する工程と、下部電極層上に目
的の強誘電体材料の構成元素に相当する複数金属の有機
化合物からなる前駆体混合物を主成分とする薄膜を形成
する工程と、この薄膜を加熱酸化して金属酸化物薄膜を
形成する工程と、形成された酸化物薄膜に少なくとも1
回の急速昇温加熱処理を施す工程と、形成された強誘電
体薄膜上に電気伝導性の金属薄膜または酸化物薄膜から
なる上部電極層を形成する工程と、上部電極層及び強誘
電体薄膜、下部電極層などを所定の形状のエッチング加
工してキャパシタ構造を形成する工程と、これに再加熱
処理を行う工程でなる強誘電体薄膜キャパシタの製造方
法において、急速昇温加熱の処理温度が目的とする強誘
電体材料の結晶化温度以上であることを特徴とする強誘
電体薄膜キャパシタの製造方法。
本明細書には以下の発明が含まれる。 1.(実施例1に対応) 半導体基板上に電気伝導性の金属薄膜または酸化物薄膜
からな下部電極層を形成する工程と、下部電極層上に目
的の強誘電体材料の構成元素に相当する複数金属の有機
化合物からなる前駆体混合物を主成分とする薄膜を形成
する工程と、この薄膜を加熱酸化して金属酸化物薄膜を
形成する工程と、形成された酸化物薄膜に少なくとも1
回の急速昇温加熱処理を施す工程と、形成された強誘電
体薄膜上に電気伝導性の金属薄膜または酸化物薄膜から
なる上部電極層を形成する工程と、上部電極層及び強誘
電体薄膜、下部電極層などを所定の形状のエッチング加
工してキャパシタ構造を形成する工程と、これに再加熱
処理を行う工程でなる強誘電体薄膜キャパシタの製造方
法において、急速昇温加熱の処理温度が目的とする強誘
電体材料の結晶化温度以上であることを特徴とする強誘
電体薄膜キャパシタの製造方法。
【0045】(作用)金属有機化合物の熱分解によって
形成される下部電極上の金属酸化物薄膜中には金属原子
と分解解離した有機物残渣が多く含有されており、全体
には全く結晶構造を含まない非晶質状態になっている。
これを少なくとも1回の急速昇温加熱処理を目的の強誘
電体材料の結晶化温度以上で施すことにより強誘電体薄
膜を形成する。この工程の初期段階において前記金属酸
化物薄膜中に目的とする酸化物強誘電体の微小な結晶核
が無数に発生させることができる。薄膜は急激な温度変
化を伴って結晶化温度以上に一気に加熱され、これによ
り引き起こされる機械的な引っ張りやせん断応力、熱的
な歪み、集中が生じてこれらを中心に核生成され、無数
の核を瞬時に発生させると考えられる。
形成される下部電極上の金属酸化物薄膜中には金属原子
と分解解離した有機物残渣が多く含有されており、全体
には全く結晶構造を含まない非晶質状態になっている。
これを少なくとも1回の急速昇温加熱処理を目的の強誘
電体材料の結晶化温度以上で施すことにより強誘電体薄
膜を形成する。この工程の初期段階において前記金属酸
化物薄膜中に目的とする酸化物強誘電体の微小な結晶核
が無数に発生させることができる。薄膜は急激な温度変
化を伴って結晶化温度以上に一気に加熱され、これによ
り引き起こされる機械的な引っ張りやせん断応力、熱的
な歪み、集中が生じてこれらを中心に核生成され、無数
の核を瞬時に発生させると考えられる。
【0046】急速昇温加熱処理の条件(昇温速度、処理
温度及び保持時間)を適当に選ぶことによって結晶核の
発生密度を制御でき、さらに保持時間に対応した結晶成
長を促す。発生させる結晶核の密度を高めることにより
粒子間の距離も密度に比例して短くなり効率的な均一な
結晶化反応が促進され、同時に結晶粒同士の融合も起こ
り粒径の揃った緻密な強誘電体薄膜が短時間で形成され
る。
温度及び保持時間)を適当に選ぶことによって結晶核の
発生密度を制御でき、さらに保持時間に対応した結晶成
長を促す。発生させる結晶核の密度を高めることにより
粒子間の距離も密度に比例して短くなり効率的な均一な
結晶化反応が促進され、同時に結晶粒同士の融合も起こ
り粒径の揃った緻密な強誘電体薄膜が短時間で形成され
る。
【0047】(効果)本発明の成膜プロセスで形成され
た鉛含有複合酸化物強誘電体及びビスマス層状化合物薄
膜からなる薄膜キャパシタは各結晶粒子表面の欠陥層が
少なく、粒界層に分散する非強誘電相も最小限に抑えら
れた緻密な膜構造によって極めて優れた絶縁耐圧性を示
す。
た鉛含有複合酸化物強誘電体及びビスマス層状化合物薄
膜からなる薄膜キャパシタは各結晶粒子表面の欠陥層が
少なく、粒界層に分散する非強誘電相も最小限に抑えら
れた緻密な膜構造によって極めて優れた絶縁耐圧性を示
す。
【0048】さらに急速昇温加熱処理は、非常に短時間
で結晶成長させるために、薄膜組成中の蒸発欠乏し易い
酸化ビスマスや酸化鉛の化合物が結晶格子中に取り込ま
れて加熱焼成時にも失われず、組成の制御が容易になり
薄膜の表面、内部ともに欠陥密度の低い均質な薄膜を得
ることができる。 2.(実施例2〜4、実施例5に対応) 前記第1項において、前記急速昇温加熱処理を施す工程
に続いて、さらに強誘電体薄膜を加熱炉中に焼成処理を
施して強誘電体薄膜となす工程を付加し、焼成温度が前
記急速昇温加熱処理温度よりも低いことを特徴とする強
誘電体薄膜キャパシタの製造方法。
で結晶成長させるために、薄膜組成中の蒸発欠乏し易い
酸化ビスマスや酸化鉛の化合物が結晶格子中に取り込ま
れて加熱焼成時にも失われず、組成の制御が容易になり
薄膜の表面、内部ともに欠陥密度の低い均質な薄膜を得
ることができる。 2.(実施例2〜4、実施例5に対応) 前記第1項において、前記急速昇温加熱処理を施す工程
に続いて、さらに強誘電体薄膜を加熱炉中に焼成処理を
施して強誘電体薄膜となす工程を付加し、焼成温度が前
記急速昇温加熱処理温度よりも低いことを特徴とする強
誘電体薄膜キャパシタの製造方法。
【0049】(構成)前記内容に準ずる。 (作用)急速昇温加熱処理によって微細結晶核の発生成
長を同時に行う場合、前記第1項に基づく作用効果によ
り薄膜の絶縁耐圧特性は向上するが、急激な結晶化に伴
い粒界層に未結晶成分が残留しやすくキャパシタ形成後
の強誘電性が十分に発現できなかったり、膜内部に大き
なストレスが残留して時間経過とともにクラックが発生
したりする場合がある。急速昇温加熱処理により結晶核
がある密度で形成され、同時に未結晶成分が残る状態の
薄膜をさらに結晶化温度以上で時間をかけて焼成するこ
とにより効率的で均一な結晶化反応を促進することがで
きる。同時に結晶粒同士の融合も起こり粒径の揃った緻
密な強誘電体薄膜が短時間で形成される。
長を同時に行う場合、前記第1項に基づく作用効果によ
り薄膜の絶縁耐圧特性は向上するが、急激な結晶化に伴
い粒界層に未結晶成分が残留しやすくキャパシタ形成後
の強誘電性が十分に発現できなかったり、膜内部に大き
なストレスが残留して時間経過とともにクラックが発生
したりする場合がある。急速昇温加熱処理により結晶核
がある密度で形成され、同時に未結晶成分が残る状態の
薄膜をさらに結晶化温度以上で時間をかけて焼成するこ
とにより効率的で均一な結晶化反応を促進することがで
きる。同時に結晶粒同士の融合も起こり粒径の揃った緻
密な強誘電体薄膜が短時間で形成される。
【0050】(効果)以上の本発明の成膜プロセスによ
れば、薄膜キャパシタを形成する鉛含有複合酸化物強誘
電体及びビスマス層状化合物の薄膜組成を容易に制御
し、各結晶粒子の大きさが揃った均質で緻密な膜構造を
もった極めて良好な絶縁耐圧性薄膜を得ることができ
る。 3.(実施例2〜4、実施例5に対応) 前記金属有機化合物からなる前駆体混合物を主成分とす
る薄膜を形成する手段がスピンコートによる溶液塗布法
であることを特徴とする前記第1,2記載の強誘電体薄
膜キャパシタの製造方法。
れば、薄膜キャパシタを形成する鉛含有複合酸化物強誘
電体及びビスマス層状化合物の薄膜組成を容易に制御
し、各結晶粒子の大きさが揃った均質で緻密な膜構造を
もった極めて良好な絶縁耐圧性薄膜を得ることができ
る。 3.(実施例2〜4、実施例5に対応) 前記金属有機化合物からなる前駆体混合物を主成分とす
る薄膜を形成する手段がスピンコートによる溶液塗布法
であることを特徴とする前記第1,2記載の強誘電体薄
膜キャパシタの製造方法。
【0051】(構成)前記鉛含有複合酸化物強誘電体、
例えばPZTの成膜をゾルゲル法を用いて行い、酢酸鉛
三水和物、チタニウムイソプロポキシド、ジルコニウム
プロポキシドなどの有機酸塩や金属アルコキシドなどの
有機溶剤に可溶な適当な金属化合物前駆体を目的材料に
応じた組成比率で混合して、2−メトキシエタノール、
2メトキシ−1−プロパノール、2−エトキシエタノー
ルなどの有機溶媒に溶解させた前駆体溶液に必要に応じ
て水、pH調整剤、加水分解触媒などを添加してスピン
コートによって基板上に展開して薄膜を形成する。
例えばPZTの成膜をゾルゲル法を用いて行い、酢酸鉛
三水和物、チタニウムイソプロポキシド、ジルコニウム
プロポキシドなどの有機酸塩や金属アルコキシドなどの
有機溶剤に可溶な適当な金属化合物前駆体を目的材料に
応じた組成比率で混合して、2−メトキシエタノール、
2メトキシ−1−プロパノール、2−エトキシエタノー
ルなどの有機溶媒に溶解させた前駆体溶液に必要に応じ
て水、pH調整剤、加水分解触媒などを添加してスピン
コートによって基板上に展開して薄膜を形成する。
【0052】また、前記ビスマス層状化合物の場合は、
Srイソプロポキシド、Taエトキシドなどの金属アル
コキシド、2−エチルヘキサン酸ビスマス、2−エチル
ヘキサン酸ストロンチウム、n−オクタン酸ストロンチ
ウムなどの金属有機酸塩、さらにはアセチルアセトン化
合物などβジケトン化合物、その他の有機溶剤に可溶な
適当な金属化合物を目的材料の組成相当の比率で混合し
て、2−メトキシエタノール、2メトキシ−1−プロパ
ノール、2−エトキシエタノールなどの脂肪族アルコー
ル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒その他の有機溶媒
に溶解させた前駆体溶液をスピンコートによって基板上
に展開して薄膜を形成するMOD法を用いる。
Srイソプロポキシド、Taエトキシドなどの金属アル
コキシド、2−エチルヘキサン酸ビスマス、2−エチル
ヘキサン酸ストロンチウム、n−オクタン酸ストロンチ
ウムなどの金属有機酸塩、さらにはアセチルアセトン化
合物などβジケトン化合物、その他の有機溶剤に可溶な
適当な金属化合物を目的材料の組成相当の比率で混合し
て、2−メトキシエタノール、2メトキシ−1−プロパ
ノール、2−エトキシエタノールなどの脂肪族アルコー
ル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒その他の有機溶媒
に溶解させた前駆体溶液をスピンコートによって基板上
に展開して薄膜を形成するMOD法を用いる。
【0053】スピンコート直後の塗布膜は溶媒を多量に
含む液膜であり、これを加熱することによって有機溶媒
を蒸発除去し、さらに有機金属化合物を熱分解して金属
酸化物薄膜を形成する。形成された酸化物薄膜に対して
本発明の製造方法を適用して強誘電体材料の結晶化温度
以上で急速昇温加熱処理を施して原強誘電体薄膜(以
下、焼成工程を含む成膜プロセスにおける焼成により最
終的に形成される薄膜を強誘電体薄膜とし、これと区別
する意味で急速昇温加熱処理後、焼成前の薄膜を「原強
誘電体薄膜」と呼ぶ)とし、さらに原強誘電体薄膜を加
熱炉中で強誘電体材料の結晶化温度以上で焼成処理を施
して結晶化反応を完結させて強誘電体薄膜とする。強誘
電体薄膜上に上部電極層を形成しエッチング加工により
キャパシタ構造を形成した後、再加熱処理を行う。
含む液膜であり、これを加熱することによって有機溶媒
を蒸発除去し、さらに有機金属化合物を熱分解して金属
酸化物薄膜を形成する。形成された酸化物薄膜に対して
本発明の製造方法を適用して強誘電体材料の結晶化温度
以上で急速昇温加熱処理を施して原強誘電体薄膜(以
下、焼成工程を含む成膜プロセスにおける焼成により最
終的に形成される薄膜を強誘電体薄膜とし、これと区別
する意味で急速昇温加熱処理後、焼成前の薄膜を「原強
誘電体薄膜」と呼ぶ)とし、さらに原強誘電体薄膜を加
熱炉中で強誘電体材料の結晶化温度以上で焼成処理を施
して結晶化反応を完結させて強誘電体薄膜とする。強誘
電体薄膜上に上部電極層を形成しエッチング加工により
キャパシタ構造を形成した後、再加熱処理を行う。
【0054】(作用)ゾルゲル法及びMOD法の両溶液
塗布法ともに最初の溶液調製の段階において直接原料化
合物の重量または容量計測を適用できるためによりどの
ような複雑な組成配合も正確に再現することが可能であ
り、この点で他のいかなる真空成膜法と比べて優位な点
である。分子レベルで各金属元素の有機化合物が混合さ
れた状態が容易に得られるため、固相反応である結晶化
をバルクセラミックスに比較して全体のプロセス温度を
数百℃低くすることができ、半導体デバイス用途に最適
な成膜手法である。加熱酸化工程を経た均一な非晶質状
態は続く急速加熱仮焼処理による結晶核の生成を容易に
し、組成分布、特性分布のない均質な薄膜を形成するこ
とが可能となる。
塗布法ともに最初の溶液調製の段階において直接原料化
合物の重量または容量計測を適用できるためによりどの
ような複雑な組成配合も正確に再現することが可能であ
り、この点で他のいかなる真空成膜法と比べて優位な点
である。分子レベルで各金属元素の有機化合物が混合さ
れた状態が容易に得られるため、固相反応である結晶化
をバルクセラミックスに比較して全体のプロセス温度を
数百℃低くすることができ、半導体デバイス用途に最適
な成膜手法である。加熱酸化工程を経た均一な非晶質状
態は続く急速加熱仮焼処理による結晶核の生成を容易に
し、組成分布、特性分布のない均質な薄膜を形成するこ
とが可能となる。
【0055】(効果)以上述べたように溶液塗布法によ
り形成した薄膜に本発明の成膜プロセスを適用して得ら
れるビスマス層状化合物薄膜からなる薄膜キャパシタは
組成的にも、特性的にも均一な分布を示し、各結晶粒子
表面の欠陥層が少なく、粒界層に分散する非強誘電相も
最小限に抑えられた緻密な膜構造となることによって極
めて優れた絶縁耐圧性を示す。
り形成した薄膜に本発明の成膜プロセスを適用して得ら
れるビスマス層状化合物薄膜からなる薄膜キャパシタは
組成的にも、特性的にも均一な分布を示し、各結晶粒子
表面の欠陥層が少なく、粒界層に分散する非強誘電相も
最小限に抑えられた緻密な膜構造となることによって極
めて優れた絶縁耐圧性を示す。
【0056】さらに急速加熱による仮焼処理時の酸化ビ
スマスや酸化鉛の化合物の蒸発欠乏抑制についても、先
に述べた分子レベルで均一な混合体が形成される結果、
必要以上に高いプロセス温度を用いずとも十分な効果が
得られる。 4.(実施例1,2から容易に演繹可) 前記金属有機化合物からなる前駆体混合物を主成分とす
る薄膜を形成する手段が前駆体溶液噴霧によるミストデ
ポジション法であることを特徴とする前記第1,2項記
載の強誘電体薄膜キャパシタの製造方法。
スマスや酸化鉛の化合物の蒸発欠乏抑制についても、先
に述べた分子レベルで均一な混合体が形成される結果、
必要以上に高いプロセス温度を用いずとも十分な効果が
得られる。 4.(実施例1,2から容易に演繹可) 前記金属有機化合物からなる前駆体混合物を主成分とす
る薄膜を形成する手段が前駆体溶液噴霧によるミストデ
ポジション法であることを特徴とする前記第1,2項記
載の強誘電体薄膜キャパシタの製造方法。
【0057】(構成)溶液塗布法で用いる前駆体溶液と
全く同一の原料溶液を用いて、これを常圧もしくは減圧
下で噴霧して微小な液滴を形成し基板上に堆積させる。
所定の膜厚に到達した時点で成膜槽から取り出し、これ
を加熱することによって残留する有機溶媒の蒸発除去と
有機金属化合物の熱分解を行って金属酸化物薄膜を形成
する。形成された酸化物薄膜に対して本発明の製造方法
を適用して強誘電体材料の結晶化温度以上で急速昇温加
熱処理を施して強誘電体薄膜とするか、または未結晶化
成分を大量に残した原強誘電体薄膜となし加熱炉中で強
誘電体材料の結晶化温度以上で焼成処理を施して結晶化
反応を完結させて強誘電体薄膜とする。強誘電体薄膜上
に上部電極層を形成しエッチング加工によりキャパシタ
構造を形成した後、再加熱処理を行う。
全く同一の原料溶液を用いて、これを常圧もしくは減圧
下で噴霧して微小な液滴を形成し基板上に堆積させる。
所定の膜厚に到達した時点で成膜槽から取り出し、これ
を加熱することによって残留する有機溶媒の蒸発除去と
有機金属化合物の熱分解を行って金属酸化物薄膜を形成
する。形成された酸化物薄膜に対して本発明の製造方法
を適用して強誘電体材料の結晶化温度以上で急速昇温加
熱処理を施して強誘電体薄膜とするか、または未結晶化
成分を大量に残した原強誘電体薄膜となし加熱炉中で強
誘電体材料の結晶化温度以上で焼成処理を施して結晶化
反応を完結させて強誘電体薄膜とする。強誘電体薄膜上
に上部電極層を形成しエッチング加工によりキャパシタ
構造を形成した後、再加熱処理を行う。
【0058】(作用)溶液塗布法と同様の原料溶液を用
いるために、溶液及び薄膜の組成制御の再現性は良好で
あり、元素混合の状態も溶液塗布法と同等のレベルで均
一な薄膜が得られる。
いるために、溶液及び薄膜の組成制御の再現性は良好で
あり、元素混合の状態も溶液塗布法と同等のレベルで均
一な薄膜が得られる。
【0059】加えて、ミストデポジション法を用いるこ
との長所は、原料溶液の供給から成膜までを一貫して閉
じた系で行うことにより不純物の混入を防止でき、スピ
ンコート法では常につきまとうハネ、タマリなどの塗膜
欠陥の発生を回避できる点にある。また、気相から均一
な堆積を行うことで段差基板表面も良好なステップカバ
レージ性をもって成膜することが可能である。
との長所は、原料溶液の供給から成膜までを一貫して閉
じた系で行うことにより不純物の混入を防止でき、スピ
ンコート法では常につきまとうハネ、タマリなどの塗膜
欠陥の発生を回避できる点にある。また、気相から均一
な堆積を行うことで段差基板表面も良好なステップカバ
レージ性をもって成膜することが可能である。
【0060】(効果)ミストデポジション法により形成
した薄膜に本発明の成膜プロセスを適用して得られるビ
スマス層状化合物薄膜は組成的にも、特性的にも均一な
分布を示し、膜欠陥の少ない高品質な薄膜となる。さら
には各結晶粒子表面の欠陥層が少なく、粒界層に分散す
る非強誘電相も最小限に抑えられた緻密な膜構造となる
ことによって得られる薄膜キャパシタは極めて優れた絶
縁耐圧性を示す。
した薄膜に本発明の成膜プロセスを適用して得られるビ
スマス層状化合物薄膜は組成的にも、特性的にも均一な
分布を示し、膜欠陥の少ない高品質な薄膜となる。さら
には各結晶粒子表面の欠陥層が少なく、粒界層に分散す
る非強誘電相も最小限に抑えられた緻密な膜構造となる
ことによって得られる薄膜キャパシタは極めて優れた絶
縁耐圧性を示す。
【0061】急速加熱による仮焼処理時の易蒸発生の化
合物の蒸発欠乏抑制効果についても、溶液塗布法同様に
プロセス温度を低く抑えることができることは有利であ
る。 5.(実施例1〜5に対応) 前記金属有機化合物からなる前駆体混合物を主成分とす
る薄膜を加熱酸化して金属酸化物薄膜を形成する工程に
おいて、処理温度が500℃以下であり、非晶質状態の
金属酸化物薄膜を形成することを特徴とする前記第1〜
4項記載の強誘電体薄膜キャパシタの製造方法。
合物の蒸発欠乏抑制効果についても、溶液塗布法同様に
プロセス温度を低く抑えることができることは有利であ
る。 5.(実施例1〜5に対応) 前記金属有機化合物からなる前駆体混合物を主成分とす
る薄膜を加熱酸化して金属酸化物薄膜を形成する工程に
おいて、処理温度が500℃以下であり、非晶質状態の
金属酸化物薄膜を形成することを特徴とする前記第1〜
4項記載の強誘電体薄膜キャパシタの製造方法。
【0062】(構成)前記内容に準ずる。 (作用)前記PZTやビスマス層状化合物薄膜に相当す
る前駆体金属有機化合物は300〜450℃の範囲に熱
分解温度を有する。前駆体金属有機化合物の熱分解反応
において、有機部分は金属原子と解離して燃焼し二酸化
炭素と水を生成して気相中に拡散脱離するか、膜中に遊
離炭素質として残留する。同時に金属原子は酸化反応に
よって酸化物となる。目的の強誘電体の結晶性薄膜を得
るためには、これを結晶化温度まで加熱して結晶成長さ
せてやれば良いが、前駆体化合物からなる薄膜を一気に
加熱すると溶媒及び炭素質燃焼に伴う薄膜体積の収縮が
大き過ぎてクラックを多発したり、膜そのものが基板か
ら剥離してしまう。さらには、膜中の残留有機物が妨害
となって結晶化反応がスムーズに進行しない。
る前駆体金属有機化合物は300〜450℃の範囲に熱
分解温度を有する。前駆体金属有機化合物の熱分解反応
において、有機部分は金属原子と解離して燃焼し二酸化
炭素と水を生成して気相中に拡散脱離するか、膜中に遊
離炭素質として残留する。同時に金属原子は酸化反応に
よって酸化物となる。目的の強誘電体の結晶性薄膜を得
るためには、これを結晶化温度まで加熱して結晶成長さ
せてやれば良いが、前駆体化合物からなる薄膜を一気に
加熱すると溶媒及び炭素質燃焼に伴う薄膜体積の収縮が
大き過ぎてクラックを多発したり、膜そのものが基板か
ら剥離してしまう。さらには、膜中の残留有機物が妨害
となって結晶化反応がスムーズに進行しない。
【0063】その結果、空隙率の大きな薄膜となって期
待する良好な特性を得られない。目的とするPZTの結
晶化温度は700℃前後、ビスマス層状化合物の結晶化
温度は800℃前後であるから、この加熱酸化工程の処
理温度を500℃以下にすることによって金属酸化物は
生成されても強誘電体の結晶化は起こらず非晶質状態の
膜が形成される。各構成元素の酸化物は均一に混合され
ており、これに本発明による急速加熱仮焼処理を施すこ
とにより極短時間内に大熱量を加えることによって残留
有機質を一挙に燃焼して膜外に完全脱離し、かつ微細結
晶核を容易に生成して目的の原強誘電体薄膜を得ること
ができる。
待する良好な特性を得られない。目的とするPZTの結
晶化温度は700℃前後、ビスマス層状化合物の結晶化
温度は800℃前後であるから、この加熱酸化工程の処
理温度を500℃以下にすることによって金属酸化物は
生成されても強誘電体の結晶化は起こらず非晶質状態の
膜が形成される。各構成元素の酸化物は均一に混合され
ており、これに本発明による急速加熱仮焼処理を施すこ
とにより極短時間内に大熱量を加えることによって残留
有機質を一挙に燃焼して膜外に完全脱離し、かつ微細結
晶核を容易に生成して目的の原強誘電体薄膜を得ること
ができる。
【0064】上述のように強誘電体薄膜形成のための各
加熱処理工程においては、溶媒揮発による体積収縮、有
機官能基の燃焼離脱に伴う体積収縮、結晶化に伴う体積
収縮等の種々の体積変化を考慮して薄膜の剥離、クラッ
キングを防止しながら段階的に進行させる必要がある。
特に乾燥及び酸化分解に係わる加熱酸化工程では堆積が
最も大きく収縮するため、本工程は溶液溶媒の沸点から
有機化合物の分解温度の範囲にわたり低温から高温へ順
番に数段階に分けて行うのが好ましい。
加熱処理工程においては、溶媒揮発による体積収縮、有
機官能基の燃焼離脱に伴う体積収縮、結晶化に伴う体積
収縮等の種々の体積変化を考慮して薄膜の剥離、クラッ
キングを防止しながら段階的に進行させる必要がある。
特に乾燥及び酸化分解に係わる加熱酸化工程では堆積が
最も大きく収縮するため、本工程は溶液溶媒の沸点から
有機化合物の分解温度の範囲にわたり低温から高温へ順
番に数段階に分けて行うのが好ましい。
【0065】(効果)上記説明したように前駆体化合物
からなる薄膜の加熱酸化処理温度を500℃以下に止め
る事で、次工程における原強誘電体薄膜、さらには強誘
電体薄膜の結晶化反応を速やかに進行させて優れた絶縁
耐圧特性を有した強誘電体薄膜キャパシタを成形でき
る。 6.(実施例1〜5に対応) 前記急速昇温加熱処理の昇温速度が1〜200℃/秒の
範囲であり、処理時間が5〜300秒の範囲であること
を特徴とする前記第1〜5項記載の強誘電体薄膜キャパ
シタの製造方法。
からなる薄膜の加熱酸化処理温度を500℃以下に止め
る事で、次工程における原強誘電体薄膜、さらには強誘
電体薄膜の結晶化反応を速やかに進行させて優れた絶縁
耐圧特性を有した強誘電体薄膜キャパシタを成形でき
る。 6.(実施例1〜5に対応) 前記急速昇温加熱処理の昇温速度が1〜200℃/秒の
範囲であり、処理時間が5〜300秒の範囲であること
を特徴とする前記第1〜5項記載の強誘電体薄膜キャパ
シタの製造方法。
【0066】(構成)前記内容に準ずる。 (作用)上述の急速昇温加熱によって微細結晶核を生成
するためには薄膜内部の急激な温度上昇を必要とする。
急激な温度変化を伴って結晶化温度以上に一気に加熱さ
れた薄膜内部に引き起こされる機械的な引っ張りやせん
断応力、熱的な歪み、集中が瞬時に生じてこれらの物質
的、熱的なゆらぎを中心に無数の微小結晶核が発生する
ものと考えられる。昇温速度1℃/秒以下では温度変化
が緩やかすぎて殆ど核生成を起こすことはできず、20
0℃/秒以上は精度の高い温度制御を行うためにランプ
加熱装置の上限であり実現不可能である。
するためには薄膜内部の急激な温度上昇を必要とする。
急激な温度変化を伴って結晶化温度以上に一気に加熱さ
れた薄膜内部に引き起こされる機械的な引っ張りやせん
断応力、熱的な歪み、集中が瞬時に生じてこれらの物質
的、熱的なゆらぎを中心に無数の微小結晶核が発生する
ものと考えられる。昇温速度1℃/秒以下では温度変化
が緩やかすぎて殆ど核生成を起こすことはできず、20
0℃/秒以上は精度の高い温度制御を行うためにランプ
加熱装置の上限であり実現不可能である。
【0067】初期結晶核の生成は非常に短い時間、例え
ば1秒以内で起こっていると考えられるが、実際には基
板全体の温度が安定するまでさらに長い時間がかかる。
実用上有効な処理時間範囲は5〜300秒である。これ
以上長時間の加熱は生成した結晶核の成長を促し、急速
に結晶化反応が進み過ぎることによって粒径のバラツキ
が大きくなって一様な粒径分布が得られず、非晶質部分
がほとんど取り込まれて結晶化することによって焼成工
程での結晶成長が困難になる。
ば1秒以内で起こっていると考えられるが、実際には基
板全体の温度が安定するまでさらに長い時間がかかる。
実用上有効な処理時間範囲は5〜300秒である。これ
以上長時間の加熱は生成した結晶核の成長を促し、急速
に結晶化反応が進み過ぎることによって粒径のバラツキ
が大きくなって一様な粒径分布が得られず、非晶質部分
がほとんど取り込まれて結晶化することによって焼成工
程での結晶成長が困難になる。
【0068】(効果)上記の急速加熱を実施することに
より効率良く結晶核を生成して、これを焼成工程で均一
に成長させることにより、組成的にも、特性的にも均一
な分布を示す膜欠陥の少ない高品質な強誘電体薄膜を形
成できる。多結晶粒子表面の欠陥層が少なく、粒界層に
分散する非強誘電相も最小限に抑えられた緻密な膜構造
を得ることで極めて優れた絶縁耐圧性を有する薄膜キャ
パシタを製造できる。 7.(実施例1〜5に対応) 前記金属酸化物薄膜を急速昇温加熱処理を行う雰囲気成
分が20vol%以上の酸素を含むことを特徴とする前
記第1〜6項記載の強誘電体薄膜キャパシタの製造方
法。
より効率良く結晶核を生成して、これを焼成工程で均一
に成長させることにより、組成的にも、特性的にも均一
な分布を示す膜欠陥の少ない高品質な強誘電体薄膜を形
成できる。多結晶粒子表面の欠陥層が少なく、粒界層に
分散する非強誘電相も最小限に抑えられた緻密な膜構造
を得ることで極めて優れた絶縁耐圧性を有する薄膜キャ
パシタを製造できる。 7.(実施例1〜5に対応) 前記金属酸化物薄膜を急速昇温加熱処理を行う雰囲気成
分が20vol%以上の酸素を含むことを特徴とする前
記第1〜6項記載の強誘電体薄膜キャパシタの製造方
法。
【0069】(構成)前記内容に準ずる。 (作用)上記急速昇温加熱による仮焼工程を酸化性雰囲
気、好ましくは20vol%以上(空気)の酸素を含む
雰囲気下で行うことにより、前記金属酸化物薄膜中に残
留する残留炭素質を効率的に燃焼気化し、金属原子の酸
化反応を促進する。
気、好ましくは20vol%以上(空気)の酸素を含む
雰囲気下で行うことにより、前記金属酸化物薄膜中に残
留する残留炭素質を効率的に燃焼気化し、金属原子の酸
化反応を促進する。
【0070】(効果)膜中の炭素質の燃焼を促進し気化
させることで結晶化反応の阻害、格子欠陥の発生、膜密
度の低下などの原因となる炭素質不純物の濃度を低下さ
せることができる。その結果、組成的にも、特性的にも
均一な分布を示す膜欠陥の少ない高品質な強誘電体薄膜
を形成できる。各結晶粒子表面の欠陥層が少なく、粒界
層に分散する非強誘電相も最小限に抑えられた緻密な膜
構造を得ることで極めて優れた絶縁耐圧性を有する薄膜
キャパシタを製造できる。 8.前記急速昇温加熱処理により形成される強誘電体薄
膜が部分結晶化膜であり、非晶質相と結晶質強誘電相の
混合状態にあることを特徴とする前記第1〜7項記載の
強誘電体薄膜キャパシタの製造方法。
させることで結晶化反応の阻害、格子欠陥の発生、膜密
度の低下などの原因となる炭素質不純物の濃度を低下さ
せることができる。その結果、組成的にも、特性的にも
均一な分布を示す膜欠陥の少ない高品質な強誘電体薄膜
を形成できる。各結晶粒子表面の欠陥層が少なく、粒界
層に分散する非強誘電相も最小限に抑えられた緻密な膜
構造を得ることで極めて優れた絶縁耐圧性を有する薄膜
キャパシタを製造できる。 8.前記急速昇温加熱処理により形成される強誘電体薄
膜が部分結晶化膜であり、非晶質相と結晶質強誘電相の
混合状態にあることを特徴とする前記第1〜7項記載の
強誘電体薄膜キャパシタの製造方法。
【0071】(構成)前記内容に準ずる。 (作用)前記金属酸化膜が急速昇温加熱されることによ
り、薄膜中に多くの結晶核が形成される。急速昇温加熱
の加熱条件として昇温速度、保持温度、保持時間を適当
に選択することにより、結晶核の大きさと密度、結晶化
部分と非晶質部分の割合などを制御することが可能であ
る。仮焼工程で微細結晶核と非晶質部分が混在した状態
で形成されることにより、次の長時間をかけての焼成工
程において周囲の非晶質部分の各酸化物分子を徐々に取
り込みながら各々の結晶核が欠陥の少ない均一な大きさ
の結晶粒子に成長する。
り、薄膜中に多くの結晶核が形成される。急速昇温加熱
の加熱条件として昇温速度、保持温度、保持時間を適当
に選択することにより、結晶核の大きさと密度、結晶化
部分と非晶質部分の割合などを制御することが可能であ
る。仮焼工程で微細結晶核と非晶質部分が混在した状態
で形成されることにより、次の長時間をかけての焼成工
程において周囲の非晶質部分の各酸化物分子を徐々に取
り込みながら各々の結晶核が欠陥の少ない均一な大きさ
の結晶粒子に成長する。
【0072】(効果)急速昇温加熱による仮焼工程で結
晶核の高密度な生成のみを促して結晶相と非晶質相の混
合状態を得ることによって欠陥の少ない均一な大きさの
結晶粒子からなる高密度の強誘電体薄膜を得ることがで
き、その結果、極めて優れた絶縁耐圧性を有する薄膜キ
ャパシタを製造できる。 9.(実施例1〜5に対応) 前記焼成工程における昇温速度が100℃/分以下であ
り、処理時間が5分以上であることを特徴とする前記第
1〜8項記載の強誘電体薄膜キャパシタの製造方法。
晶核の高密度な生成のみを促して結晶相と非晶質相の混
合状態を得ることによって欠陥の少ない均一な大きさの
結晶粒子からなる高密度の強誘電体薄膜を得ることがで
き、その結果、極めて優れた絶縁耐圧性を有する薄膜キ
ャパシタを製造できる。 9.(実施例1〜5に対応) 前記焼成工程における昇温速度が100℃/分以下であ
り、処理時間が5分以上であることを特徴とする前記第
1〜8項記載の強誘電体薄膜キャパシタの製造方法。
【0073】(構成)前記内容に準ずる。 (作用)急速昇温加熱処理工程で形成された部分結晶化
膜である原強誘電体薄膜を、処理時間に比べて相対的に
長時間の焼成を行い、焼成温度を選ぶことにより結晶化
速度を制御しながら徐々に結晶を成長させて均質な結晶
性薄膜を形成する。急速昇温法による極短時間の温度変
化と恒温処理で形成される結晶核中には多くの結晶欠陥
が含まれるが、100℃/分以下の極めてゆっくりとし
た昇温速度で加熱し5分以上、好ましくは30分から数
時間程度の時間をかけてゆっくりと加熱処理を施すこと
でこれらの欠陥を修正し欠陥密度を低減させる。
膜である原強誘電体薄膜を、処理時間に比べて相対的に
長時間の焼成を行い、焼成温度を選ぶことにより結晶化
速度を制御しながら徐々に結晶を成長させて均質な結晶
性薄膜を形成する。急速昇温法による極短時間の温度変
化と恒温処理で形成される結晶核中には多くの結晶欠陥
が含まれるが、100℃/分以下の極めてゆっくりとし
た昇温速度で加熱し5分以上、好ましくは30分から数
時間程度の時間をかけてゆっくりと加熱処理を施すこと
でこれらの欠陥を修正し欠陥密度を低減させる。
【0074】この焼成温度は目的の強誘電体材料薄膜の
結晶化温度以上で行うが、半導体基板上に形成されてい
る集積回路が長時間の高温処理に曝されて被る熱損傷を
少なくするためにも急速昇温加熱処理する温度と等しい
か、それよりも低くすることが好ましい。
結晶化温度以上で行うが、半導体基板上に形成されてい
る集積回路が長時間の高温処理に曝されて被る熱損傷を
少なくするためにも急速昇温加熱処理する温度と等しい
か、それよりも低くすることが好ましい。
【0075】(効果)昇温速度が100℃/分以下、5
分以上の処理時間でもって原強誘電体薄膜を焼成処理す
ることによって、上記説明の作用により結晶欠陥の少な
い均一な粒径分布とこれに基づく高品質、高特性に絶縁
耐圧性の強誘電体薄膜キャパシタを形成することができ
る。 10.(実施例1〜5に対応) 前記急速昇温加熱処理は膜厚が0.05〜1μmの薄膜
に対して行うことを特徴とする前記第1〜9項記載の強
誘電体薄膜キャパシタの製造方法。
分以上の処理時間でもって原強誘電体薄膜を焼成処理す
ることによって、上記説明の作用により結晶欠陥の少な
い均一な粒径分布とこれに基づく高品質、高特性に絶縁
耐圧性の強誘電体薄膜キャパシタを形成することができ
る。 10.(実施例1〜5に対応) 前記急速昇温加熱処理は膜厚が0.05〜1μmの薄膜
に対して行うことを特徴とする前記第1〜9項記載の強
誘電体薄膜キャパシタの製造方法。
【0076】(構成)前記内容に準ずる。 (作用)本発明に係わる仮焼処理を施す対象の薄膜は
0.05〜1μmの膜厚であることが好ましい。0.0
5μm未満の膜厚では、積層による工程が長くなり、薄
過ぎて連続膜を形成しにくく膜欠陥も増加して高品質な
薄膜が得られない。また、1層が1μmを越えると、乾
燥及び急速昇温加熱処理過程での膜体積の収縮によって
基板からの剥離現象が発生したり、クラッキングが起こ
りやすく、溶媒が蒸発する際に形成される細孔が焼成に
よっても縮潰せず多孔質膜になり易い。さらに、膜厚が
1μmを越えると通常の半導体デバイスの駆動電圧であ
る5V以下では強誘電体の分極反転に有効な電界が印加
できない。
0.05〜1μmの膜厚であることが好ましい。0.0
5μm未満の膜厚では、積層による工程が長くなり、薄
過ぎて連続膜を形成しにくく膜欠陥も増加して高品質な
薄膜が得られない。また、1層が1μmを越えると、乾
燥及び急速昇温加熱処理過程での膜体積の収縮によって
基板からの剥離現象が発生したり、クラッキングが起こ
りやすく、溶媒が蒸発する際に形成される細孔が焼成に
よっても縮潰せず多孔質膜になり易い。さらに、膜厚が
1μmを越えると通常の半導体デバイスの駆動電圧であ
る5V以下では強誘電体の分極反転に有効な電界が印加
できない。
【0077】(効果)膜厚を限定することでクラック、
剥離のない高品質な高絶縁性の強誘電体薄膜キャパシタ
を形成することができる。 11.(実施例1〜5に対応) 前記薄膜の積層から急速昇温加熱処理までの工程を複数
回繰り返すことにより、多層膜を形成して所定の膜厚を
有する薄膜を得ることを特徴とする前記第10項記載の
強誘電体薄膜キャパシタの製造方法。
剥離のない高品質な高絶縁性の強誘電体薄膜キャパシタ
を形成することができる。 11.(実施例1〜5に対応) 前記薄膜の積層から急速昇温加熱処理までの工程を複数
回繰り返すことにより、多層膜を形成して所定の膜厚を
有する薄膜を得ることを特徴とする前記第10項記載の
強誘電体薄膜キャパシタの製造方法。
【0078】(構成)溶液塗布法またはミストデポジシ
ョン法を用いて前駆体金属有機化合物薄膜の形成を行い
本発明の成膜プロセスに従って加熱酸化、急速昇温加熱
処理工程までを複数回繰り返すことによって、多層化し
て所定の膜厚を有する原強誘電体薄膜を得、続いて焼成
工程以降の工程によって強誘電体薄膜キャパシタを形成
する。
ョン法を用いて前駆体金属有機化合物薄膜の形成を行い
本発明の成膜プロセスに従って加熱酸化、急速昇温加熱
処理工程までを複数回繰り返すことによって、多層化し
て所定の膜厚を有する原強誘電体薄膜を得、続いて焼成
工程以降の工程によって強誘電体薄膜キャパシタを形成
する。
【0079】(作用)前述のように乾燥及び急速昇温加
熱処理過程では膜体積の収縮が大きく基板からの剥離現
象、クラッキングの発生、溶媒蒸発の際に形成される細
孔が焼成によっても縮潰せず多孔質膜となりやすいなど
の問題は目的薄膜の膜厚が厚くなるほど生じやすい。膜
厚が1μmを越える強誘電体膜が要求される場合や1μ
m未満であっても緻密な薄膜を必要とする場合には薄膜
を多層化して、急速昇温加熱処理を各層毎に施すことに
より1層当たりの収縮に伴う過大な応力の集中を排除し
て前記クラック、膜剥離の発生、膜の空隙率の増加を抑
止することができる。
熱処理過程では膜体積の収縮が大きく基板からの剥離現
象、クラッキングの発生、溶媒蒸発の際に形成される細
孔が焼成によっても縮潰せず多孔質膜となりやすいなど
の問題は目的薄膜の膜厚が厚くなるほど生じやすい。膜
厚が1μmを越える強誘電体膜が要求される場合や1μ
m未満であっても緻密な薄膜を必要とする場合には薄膜
を多層化して、急速昇温加熱処理を各層毎に施すことに
より1層当たりの収縮に伴う過大な応力の集中を排除し
て前記クラック、膜剥離の発生、膜の空隙率の増加を抑
止することができる。
【0080】(効果)薄膜を多層形成して本発明の成膜
プロセスに適用することで1μm以上の厚膜でも容易に
形成することが可能となる。 12.多層膜を形成する各層の構成元素比が異なること
を特徴とする前記第11項の強誘電体薄膜キャパシタの製
造方法。
プロセスに適用することで1μm以上の厚膜でも容易に
形成することが可能となる。 12.多層膜を形成する各層の構成元素比が異なること
を特徴とする前記第11項の強誘電体薄膜キャパシタの製
造方法。
【0081】(構成)前記内容に準ずる。 (作用)本発明に関わるビスマス層状化合物はその構成
元素中に蒸発欠損しやすい酸化ビスマスを有し、また酸
化鉛などを含む場合もある。PZTはその構成元素に必
須な酸化鉛を有する。前駆体膜が目的化合物の化学量論
比に等しい混合比からなる場合、以降の熱処理工程中に
特定元素の蒸発脱離による欠損が生じると結晶成長が完
全に進行しなかったり、結晶欠陥密度の増大や粒界層の
厚みが増えて薄膜本来の強誘電性が損なわれ期待通りの
分極特性が得られないことがある。この場合、1層もし
くは多層でなる化学量論組成の均一薄膜上に、特定元
素、ビスマスもしくは鉛、を過剰に含有する他は同一組
成の一層もしくは多層でなる薄層を積層被覆して、薄膜
表面から内部にかけて膜厚方向に当該特定元素の濃度勾
配を持たせた多層膜を加熱焼成する。膜厚方向に異なる
機能特性を実現したい場合は、全く違う組成の薄膜どう
しを積層してもよい。
元素中に蒸発欠損しやすい酸化ビスマスを有し、また酸
化鉛などを含む場合もある。PZTはその構成元素に必
須な酸化鉛を有する。前駆体膜が目的化合物の化学量論
比に等しい混合比からなる場合、以降の熱処理工程中に
特定元素の蒸発脱離による欠損が生じると結晶成長が完
全に進行しなかったり、結晶欠陥密度の増大や粒界層の
厚みが増えて薄膜本来の強誘電性が損なわれ期待通りの
分極特性が得られないことがある。この場合、1層もし
くは多層でなる化学量論組成の均一薄膜上に、特定元
素、ビスマスもしくは鉛、を過剰に含有する他は同一組
成の一層もしくは多層でなる薄層を積層被覆して、薄膜
表面から内部にかけて膜厚方向に当該特定元素の濃度勾
配を持たせた多層膜を加熱焼成する。膜厚方向に異なる
機能特性を実現したい場合は、全く違う組成の薄膜どう
しを積層してもよい。
【0082】(効果)本発明に従い目的の薄膜を組成変
化をつけて多層化して形成することにより薄膜表面近傍
の組成欠陥を補正し、従来の欠点である鉛、ビスマスな
どの蒸発欠乏に起因する量論組成比からの組成ずれによ
る分極性能の低下、過剰ビスマスまたは鉛の膜内残留に
よる抗電界減少、同組成の不均質化による膜質低下と電
気的短絡の発生を防止が可能となる。さらに各層に異な
る特性を有し強誘電体薄膜組成組成を配したりして、機
能特性の改善を行うこともできる。 13.(実施例1〜4に対応) 前記強誘電体薄膜が一般式(1)で表現されるビスマス
層状化合物であることを特徴とする前記第1〜12項記
載の強誘電体薄膜キャパシタの製造方法。
化をつけて多層化して形成することにより薄膜表面近傍
の組成欠陥を補正し、従来の欠点である鉛、ビスマスな
どの蒸発欠乏に起因する量論組成比からの組成ずれによ
る分極性能の低下、過剰ビスマスまたは鉛の膜内残留に
よる抗電界減少、同組成の不均質化による膜質低下と電
気的短絡の発生を防止が可能となる。さらに各層に異な
る特性を有し強誘電体薄膜組成組成を配したりして、機
能特性の改善を行うこともできる。 13.(実施例1〜4に対応) 前記強誘電体薄膜が一般式(1)で表現されるビスマス
層状化合物であることを特徴とする前記第1〜12項記
載の強誘電体薄膜キャパシタの製造方法。
【0083】 (Bi2 O2 )2+(Am-1 Bm O3m+1)2- (1) A=Bi,Pb,Ba,Sr,Ca,Na,K,Cdの
内から選ばれる1つもしくは複数元素からなる任意比率
による組み合わせ。
内から選ばれる1つもしくは複数元素からなる任意比率
による組み合わせ。
【0084】B=Ti,Nb,Ta,W,Mo,Fe,
Co,Crの内から選ばれる1つもしくは複数元素から
なる任意比率による組み合わせ。m=1〜5の自然数。
Co,Crの内から選ばれる1つもしくは複数元素から
なる任意比率による組み合わせ。m=1〜5の自然数。
【0085】(構成)前記内容に準ずる。 (作用)本発明に関わるビスマス層状化合物強誘電体は
2次元的に広がりを有する酸化ビスマス層と強誘電性ペ
ロブスカイト構造が規則的に重なり合って形成する繰り
返し単位からなる層状結晶構造を有する。多くのビスマ
ス層状化合物は鉛含有複合酸化物に比べて分極反転疲労
に対する耐久性が高い。
2次元的に広がりを有する酸化ビスマス層と強誘電性ペ
ロブスカイト構造が規則的に重なり合って形成する繰り
返し単位からなる層状結晶構造を有する。多くのビスマ
ス層状化合物は鉛含有複合酸化物に比べて分極反転疲労
に対する耐久性が高い。
【0086】(効果)本発明の成膜プロセスをもってビ
スマス層状化合物を成膜することによって、分極反転疲
労特性に優れ、かつ高絶縁耐圧性の強誘電体薄膜キャパ
シタを提供できる。 14.(実施例1〜4に対応) 前記ビスマス層状化合物が一般式(1′)で表現される
タンタル酸ニオブ酸ストロンチウムビスマスであること
を特徴とする前記第13項記載の強誘電体薄膜キャパシ
タの製造方法。
スマス層状化合物を成膜することによって、分極反転疲
労特性に優れ、かつ高絶縁耐圧性の強誘電体薄膜キャパ
シタを提供できる。 14.(実施例1〜4に対応) 前記ビスマス層状化合物が一般式(1′)で表現される
タンタル酸ニオブ酸ストロンチウムビスマスであること
を特徴とする前記第13項記載の強誘電体薄膜キャパシ
タの製造方法。
【0087】 SrBi2 (Ta1-x Nbx )2 O9 (1′) 0≦x≦1 (構成)請求項内容に準ずる。
【0088】(作用)本発明に関わるビスマス層状化合
物強誘電体の中でもチタン酸ニオブ酸ストロンチウムビ
スマス:SrBi2 (Ta1-x Nbx )2 O9 (0≦x
≦1)は特に分極反転疲労特性に優れ1012回以上の分
極反転を繰り返しても反転電荷量の劣化がなく、記録情
報の書き込み、読み出し、消去に伴う非常に多くの回数
に及ぶ分極反転を必要とする半導体メモリデバイス用途
に最も適している。タンタル及びニオブは互いに価数が
等しく原子半径もほとんど同じであり結晶格子内で任意
に置換しあうことが可能であり、Ta/Nb比を選ぶこ
とによって残留分極量及び分極反転の閾値である抗電界
を制御することができる。従って自由度の高いデバイス
設計が可能になる。
物強誘電体の中でもチタン酸ニオブ酸ストロンチウムビ
スマス:SrBi2 (Ta1-x Nbx )2 O9 (0≦x
≦1)は特に分極反転疲労特性に優れ1012回以上の分
極反転を繰り返しても反転電荷量の劣化がなく、記録情
報の書き込み、読み出し、消去に伴う非常に多くの回数
に及ぶ分極反転を必要とする半導体メモリデバイス用途
に最も適している。タンタル及びニオブは互いに価数が
等しく原子半径もほとんど同じであり結晶格子内で任意
に置換しあうことが可能であり、Ta/Nb比を選ぶこ
とによって残留分極量及び分極反転の閾値である抗電界
を制御することができる。従って自由度の高いデバイス
設計が可能になる。
【0089】(効果)分極反転疲労特性が特に優れたS
rBi2 (Ta1-x Nbx )2 O9 薄膜の絶縁耐圧性を
向上させて半導体メモリ用途に最適な強誘電体薄膜キャ
パシタして提供できる。 15.(実施例1〜4に対応) 前記急速昇温加熱の処理温度が800℃以上であること
を特徴とする前記第14項記載の強誘電体薄膜キャパシ
タの製造方法。
rBi2 (Ta1-x Nbx )2 O9 薄膜の絶縁耐圧性を
向上させて半導体メモリ用途に最適な強誘電体薄膜キャ
パシタして提供できる。 15.(実施例1〜4に対応) 前記急速昇温加熱の処理温度が800℃以上であること
を特徴とする前記第14項記載の強誘電体薄膜キャパシ
タの製造方法。
【0090】(構成)前記内容に準ずる。 (作用)SrBi2 Ta2 O9 薄膜の結晶化温度は80
0℃近傍にあり、これ以上の温度で急速昇温加熱仮焼処
理を行うことによって容易に当該材料の原強誘電体薄膜
を形成することができる。
0℃近傍にあり、これ以上の温度で急速昇温加熱仮焼処
理を行うことによって容易に当該材料の原強誘電体薄膜
を形成することができる。
【0091】(効果)800℃以上で本発明の急速昇温
加熱処理を行うことによって、絶縁耐圧性に優れたSr
Bi2 Ta2 O9 薄膜を得、耐疲労性かつ高耐圧性の強
誘電体薄膜キャパシタを提供できる。 16.(実施例1,3,4に対応) 前記焼成工程における処理温度が800℃以上であるこ
とを特徴とする前記第14及び15項記載の強誘電体薄
膜キャパシタの製造方法。
加熱処理を行うことによって、絶縁耐圧性に優れたSr
Bi2 Ta2 O9 薄膜を得、耐疲労性かつ高耐圧性の強
誘電体薄膜キャパシタを提供できる。 16.(実施例1,3,4に対応) 前記焼成工程における処理温度が800℃以上であるこ
とを特徴とする前記第14及び15項記載の強誘電体薄
膜キャパシタの製造方法。
【0092】(構成)前記内容に準ずる。 (作用)SrBi2 Ta2 O9 薄膜の結晶化温度は80
0℃近傍にあり、これ以上の温度で焼成を行うことによ
って、容易に均一な粒径分布と高い膜密度を有した材料
の強誘電性薄膜を形成することができる。
0℃近傍にあり、これ以上の温度で焼成を行うことによ
って、容易に均一な粒径分布と高い膜密度を有した材料
の強誘電性薄膜を形成することができる。
【0093】(効果)800℃以上で本発明の焼成処理
を行うことによって、絶縁耐圧性に優れたSrBi2 T
a2 O9 薄膜を得、耐疲労性かつ高耐圧性の強誘電体薄
膜キャパシタを提供できる。 17.(実施例5に対応) 前記強誘電体薄膜が一般式(2)で表現されるPZTも
しくはその変性体であることを特徴とする前記第1〜12
項記載の強誘電体薄膜キャパシタの製造方法。
を行うことによって、絶縁耐圧性に優れたSrBi2 T
a2 O9 薄膜を得、耐疲労性かつ高耐圧性の強誘電体薄
膜キャパシタを提供できる。 17.(実施例5に対応) 前記強誘電体薄膜が一般式(2)で表現されるPZTも
しくはその変性体であることを特徴とする前記第1〜12
項記載の強誘電体薄膜キャパシタの製造方法。
【0094】 (Pb1-x+a Ax )(Zr1-y-z Tiy Bz )O3 +βMeO (2) a=0〜0.2 A=Ca,Sr,Ba,Th,La,Y,Sm,Dy,
Ce,Bi,Sbのうちから選ばれる1つもしくは複数
元素からなる任意比率による組み合わせ。
Ce,Bi,Sbのうちから選ばれる1つもしくは複数
元素からなる任意比率による組み合わせ。
【0095】x=0〜0.3 y=0〜0.9 B=Hf,Sn,Nb,Ta,W,Moのうちから選ば
れる1つもしくは複数元素からなる任意比率による組み
合わせ。
れる1つもしくは複数元素からなる任意比率による組み
合わせ。
【0096】z=0〜0.3 β=0〜0.05 Me=La,Y,Sm,Dy,Ce,Bi,Sb,N
b,Ta,W,Mo,Cr,Co,Ni,Fe,Cu,
Si,Ge,U,Scのうちから選ばれる1つもしくは
複数元素からなる任意比率による組み合わせ。
b,Ta,W,Mo,Cr,Co,Ni,Fe,Cu,
Si,Ge,U,Scのうちから選ばれる1つもしくは
複数元素からなる任意比率による組み合わせ。
【0097】(構成)前記内容に準ずる。 (作用)本発明に関わるPZT系強誘電体は大きな分極
性能を有し、キャパシタ面積を小さくしても大きな電流
を取り出すことができ、メモリ用途などにおいて記憶容
量の高密度化、セル面積の小型化に有利である。
性能を有し、キャパシタ面積を小さくしても大きな電流
を取り出すことができ、メモリ用途などにおいて記憶容
量の高密度化、セル面積の小型化に有利である。
【0098】(効果)本発明の成膜プロセスをもって鉛
含有複合酸化物強誘電体薄膜を成膜することによって、
分極反転疲労特性に優れ、かつ高絶縁耐圧性の強誘電体
薄膜キャパシタを提供できる。 18.(実施例5に対応) 前記急速昇温加熱の処理温度が700℃以上であること
を特徴とする前記第17項記載の強誘電体薄膜キャパシ
タの製造方法。
含有複合酸化物強誘電体薄膜を成膜することによって、
分極反転疲労特性に優れ、かつ高絶縁耐圧性の強誘電体
薄膜キャパシタを提供できる。 18.(実施例5に対応) 前記急速昇温加熱の処理温度が700℃以上であること
を特徴とする前記第17項記載の強誘電体薄膜キャパシ
タの製造方法。
【0099】(構成)前記内容に準ずる。 (作用)上記PZT薄膜の結晶化温度は700℃近傍に
あり、これ以上の温度で急速昇温加熱仮焼処理を行うこ
とによって容易に当該材料の原強誘電体薄膜を形成する
ことができる。
あり、これ以上の温度で急速昇温加熱仮焼処理を行うこ
とによって容易に当該材料の原強誘電体薄膜を形成する
ことができる。
【0100】(効果)700℃以上で本発明の急速昇温
加熱処理を行うことによって絶縁耐圧性に優れたPZT
薄膜を得、耐疲労性かつ高耐圧性の強誘電体薄膜キャパ
シタを提供できる。 19.(実施例5に対応) 前記焼成工程における処理温度が700℃以上であるこ
とを特徴とする前記第17及び18項記載の強誘電体薄
膜キャパシタの製造方法。
加熱処理を行うことによって絶縁耐圧性に優れたPZT
薄膜を得、耐疲労性かつ高耐圧性の強誘電体薄膜キャパ
シタを提供できる。 19.(実施例5に対応) 前記焼成工程における処理温度が700℃以上であるこ
とを特徴とする前記第17及び18項記載の強誘電体薄
膜キャパシタの製造方法。
【0101】(構成)前記内容に準ずる。 (作用)PZT薄膜の結晶化温度は700℃近傍にあ
り、これ以上の温度で焼成を行うことによって容易に均
一な粒径分布と高い膜密度を有した当該材料の強誘電性
薄膜を形成することができる。
り、これ以上の温度で焼成を行うことによって容易に均
一な粒径分布と高い膜密度を有した当該材料の強誘電性
薄膜を形成することができる。
【0102】(効果)700℃以上で本発明の焼成処理
を行うことによって絶縁耐圧性に優れたPZT薄膜を
得、耐疲労性かつ耐耐圧性の強誘電体薄膜キャパシタを
提供できる。
を行うことによって絶縁耐圧性に優れたPZT薄膜を
得、耐疲労性かつ耐耐圧性の強誘電体薄膜キャパシタを
提供できる。
【0103】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、従来
プロセスによる鉛含有複合酸化物強誘電体及びビスマス
層状化合物の薄膜の絶縁耐圧特性を改善し、実際のデバ
イスに応用が可能な当該化合物の薄膜を形成可能な強誘
電体薄膜キャパシタの製造方法を提供できる。
プロセスによる鉛含有複合酸化物強誘電体及びビスマス
層状化合物の薄膜の絶縁耐圧特性を改善し、実際のデバ
イスに応用が可能な当該化合物の薄膜を形成可能な強誘
電体薄膜キャパシタの製造方法を提供できる。
【図1】比較例1及び実施例1〜4のヒステリシスカー
ブを比較して示す説明図。
ブを比較して示す説明図。
【図2】比較例1に係るI−V特性図。
【図3】実施例1に係るI−V特性図。
【図4】実施例2に係るI−V特性図。
【図5】実施例3に係るI−V特性図。
【図6】実施例4に係るI−V特性図。
【図7】比較例2及び実施例5のI−V特性図。
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 均 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 由森 博之 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 三原 孝士 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 高橋 武博 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 田所 かおる 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 半導体基板上に電気伝導性の金属薄膜ま
たは酸化物薄膜からなる下部電極層を形成する工程と、
下部電極層上に目的の強誘電体材料の構成元素に相当す
る複数金属の有機化合物からなる前駆体混合物を主成分
とする薄膜を形成する工程と、この薄膜を加熱酸化して
金属酸化物薄膜を形成する工程と、形成された強誘電体
薄膜に少なくとも1回の急速昇温加熱処理を施す工程
と、形成された強誘電体薄膜上に電気伝導性の金属薄膜
または酸化物薄膜からなる上部電極層を形成する工程
と、上部電極層及び強誘電体薄膜、下部電極層などを所
定の形状にエッチング加工してキャパシタ構造を形成す
る工程と、これに再加熱処理を行う工程でなる強誘電体
薄膜キャパシタの製造方法において、急速昇温加熱処理
温度が目的とする強誘電体材料の結晶化温度以上である
ことを特徴とする強誘電体薄膜キャパシタの製造方法。 - 【請求項2】 前記強誘電体薄膜が一般式(1)で表現
されるビスマス層状化合物であることを特徴とする請求
項1記載の強誘電体薄膜キャパシタの製造方法。 (Bi2 O2 )2+(Am-1 Bm O3m+1)2- (1) A=Bi,Pb,Ba,Sr,Ca,Na,K,Cdの
内から選ばれる1つもしくは複数元素からなる任意比率
による組み合わせ。B=Ti,Nb,Ta,W,Mo,
Fe,Co,Crの内から選ばれる1つもしくは複数元
素からなる任意比率による組み合わせ。m=1〜5の自
然数。 - 【請求項3】 前記強誘電体薄膜が一般式(2)で表現
されるPZTもしくはその変性体であることを特徴とす
る請求項1の強誘電体薄膜キャパシタの製造方法。 (Pb1-x+a Ax )(Zr1-y-z Tiy Bz )O3 +βMeO (2) a=0〜0.2 A=Ca,Sr,Ba,Th,La,Y,Sm,Dy,
Ce,Bi,Sbのうちから選ばれる1つもしくは複数
元素からなる任意比率による組み合わせ。 x=0〜0.3 y=0〜0.9 B=Hf,Sn,Nb,Ta,W,Moのうちから選ば
れる1つもしくは複数元素からなる任意比率による組み
合わせ。 z=0〜0.3 β=0〜0.05 Me=La,Y,Sm,Dy,Ce,Bi,Sb,N
b,Ta,W,Mo,Cr,Co,Ni,Fe,Cu,
Si,Ge,U,Scのうちから選ばれる1つもしくは
複数元素からなる任意比率による組み合わせ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP577295A JPH08153854A (ja) | 1994-09-29 | 1995-01-18 | 強誘電体薄膜キャパシタの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6-235092 | 1994-09-29 | ||
| JP23509294 | 1994-09-29 | ||
| JP577295A JPH08153854A (ja) | 1994-09-29 | 1995-01-18 | 強誘電体薄膜キャパシタの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08153854A true JPH08153854A (ja) | 1996-06-11 |
Family
ID=26339776
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP577295A Pending JPH08153854A (ja) | 1994-09-29 | 1995-01-18 | 強誘電体薄膜キャパシタの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08153854A (ja) |
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| JP2004075424A (ja) * | 2002-08-12 | 2004-03-11 | Mitsubishi Materials Corp | 耐疲労特性に優れた強誘電体薄膜とその形成用組成物 |
| JP2006500785A (ja) * | 2002-09-26 | 2006-01-05 | レイセオン・カンパニー | 温度補償された強誘電キャパシタ装置およびその製造方法 |
| US7101026B2 (en) | 1997-11-25 | 2006-09-05 | Seiko Epson Corporation | Ink jet recording head and ink jet recorder having a compression film with a compressive stress and removal part incorporated therein |
| US7510669B2 (en) | 2005-09-30 | 2009-03-31 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Piezoelectric ceramic composition and piezoelectric component |
| WO2009145272A1 (ja) | 2008-05-28 | 2009-12-03 | 三菱マテリアル株式会社 | 強誘電体薄膜形成用組成物、強誘電体薄膜の形成方法並びに該方法により形成された強誘電体薄膜 |
| WO2017110953A1 (ja) * | 2015-12-24 | 2017-06-29 | 株式会社Flosfia | 成膜方法 |
-
1995
- 1995-01-18 JP JP577295A patent/JPH08153854A/ja active Pending
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| US7651201B2 (en) | 1997-11-25 | 2010-01-26 | Seiko Epson Corporation | Ink jet recording head and ink jet recorder |
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