JPH08154666A - 新規酵母、該酵母を含有するパン生地および該生地の製造方法 - Google Patents
新規酵母、該酵母を含有するパン生地および該生地の製造方法Info
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- JPH08154666A JPH08154666A JP6307936A JP30793694A JPH08154666A JP H08154666 A JPH08154666 A JP H08154666A JP 6307936 A JP6307936 A JP 6307936A JP 30793694 A JP30793694 A JP 30793694A JP H08154666 A JPH08154666 A JP H08154666A
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Abstract
0ユニット以下、および、(2)高糖生地での30℃、
115分の発酵力が350ml以上である、を有する酵
母、該酵母を含有するパン生地。 【効果】冷蔵、冷凍後でも発酵力が低下せずに、良好な
パンを得ることができる。
Description
するパン生地および該生地の製造方法に関する。更に詳
しくは、製パン上、とりわけリタード工程を含むデニッ
シュやクロワッサンなどのペーストリー、糖濃度の高い
菓子パン、さらに全ての種類のパンにおける冷蔵生地あ
るいは冷凍生地に有用な新規酵母及びこの酵母を含有す
るパン生地および該パン生地の製造方法に関する。
ン生地においても、高い発酵力を示し良好な菓子パンを
製造できるパン酵母が望まれており、浸透圧耐性の高い
酵母のスクリーニングあるいは酵母のインベルターゼ比
活性等について検討が行われている。しかしながら、後
者のインベルターゼ比活性と菓子パン生地での発酵力と
の関係について、十分な検討はなされておらず、特に菓
子パン生地のような高糖生地での冷蔵、冷凍後の発酵力
に対するインベルターゼ比活性の関与に関してはほとん
ど研究されていないのが現状である。そのため、インベ
ルターゼ比活性に注目した発明は、特開昭61−231
993、特開平3−80073に開示されているインベ
ルターゼ比活性の全くないかあるいはほとんどないパン
酵母に関するもののみである。しかしながら、これらの
発明はフラクトオリゴ糖入りパンに使用することを目的
に育種されたフラクトオリゴ糖非資化性酵母に関するも
のである。そのため、これらの酵母は砂糖を多量に添加
する菓子パンのような高糖生地での発酵力が十分でな
く、良好な菓子パンを製造するための酵母としては、実
用性が十分ではないという欠点をもっている。
ーゼ比活性が生地中の砂糖を分解するのに十分な量以上
あるが、その比活性がかなり低く高糖生地の発酵力が高
い酵母は開発されていないのが現状である。
る工程の合理化と、その反面、多様な消費者ニーズにこ
たえるための品種のバラエティー化との両方のニーズに
応えるため、冷凍生地法が盛んに行われるようになって
きた。さらには、生地を冷凍させないで冷蔵状態で保管
すると同時に生地の熟成を図る所謂冷蔵生地法も盛んに
検討されるようになってきた。しかしながら、従来のパ
ン酵母の場合は生地を低温に冷却しても発酵速度は常温
の場合よりも遅くはなるものの発酵が進むため、冷蔵生
地での保管はせいぜい1日程度であり、このため一部実
用化はされてはいるものの広く応用されるまでには至っ
ていないのが実状である。
リーの製造では、ロールインマーガリンをきれいに層状
に折り込むため生地を低温処理するいわゆる「リタード
法」がとりいれられている。しかしながら、このリター
ド工程における若干の生地発酵のために、ロールインマ
ーガリンがきれいに折り込まれず、できたパンの層がき
れいにならなかったり、生地の冷蔵保管が事実上できな
いため、成形残の生地の活用ができず、製パン工程の歩
留りの低下を招いている。
348、特開平5-284896、および特開平5-336872には、冷
蔵中には発酵せず、一定温度以上では発酵する酵母(低
温感受性酵母)が開示されているが、冷蔵保存後の発酵
力(本明細書の復温発酵力に相当する)が、冷蔵前に比
べて60%程度である。従って、冷蔵生地を用いてパンを
作製した場合、発酵力が不足するためボリュームのある
良質なパンが製造できないという欠点がある。
下は、生地中の糖濃度が高くなると一般により顕著にな
り、対粉当りの糖の添加量が25%以上の菓子パン生地
のような高糖生地で冷蔵後の発酵力が、冷蔵前と同等の
発酵力を有する低温感受性酵母は、未だ開発されていな
いのが現状である。
後、冷凍過程において若干の発酵(所謂冷凍前発酵)が
起こり、エチルアルコールが生地に生成することによっ
て酵母の冷凍耐性が低下したり、流通過程における冷凍
庫の開閉など保管条件の不良による温度上昇のため、せ
っかく冷凍した生地でも昇温による一部解凍が起こり品
質が低下する、などの問題があった。そして冷凍前発酵
を抑えるため、冷凍生地の製造ではミキシング温度を極
端に低く押さえるべく冷蔵庫のような低温下でミキシン
グを行い、かつ急速冷凍をするためスパイラル急速冷凍
機を使用するなど膨大なエネルギーを必要としているの
が実状である。
234939では、低温感受性かつ冷凍耐性の性質を有
するパン酵母が提供されているが、そのパン酵母はもと
もと一般のパン酵母に較べると発酵力がかなり弱いもの
であり、実用性という面で問題がある。
法、ストレート法菓子パン生地で十分に発酵するパン酵
母が望まれていた。
流通が可能な冷蔵生地法や、リタード工程における生地
膨張が従来のパン酵母に比べて少なく、商品価値が高
く、かつ残生地も活用でき製品歩留りの高いペーストリ
ー商品の製造を可能とする新規酵母、該酵母を含有する
パン生地、および該生地の製造方法を提供することが望
まれていた。
ず、また高糖生地を冷蔵保存した場合でも復温発酵力が
高い酵母を提供することが望まれていた。
過程で速やかに発酵が抑制されることにより冷凍耐性が
向上し、冷凍流通過程での保管条件による昇温に対して
も耐性のある冷凍生地の製造を可能とする新規酵母及び
これを含有する冷凍生地が望まれていた。
解決すべくなされたものであり、その目的とするところ
は、高糖生地発酵力が非常に高く、通常の中種法、スト
レート法で良好な菓子パンが得られ、さらに、冷蔵耐性
および/または冷凍耐性を有し、冷蔵、冷凍保存後の発
酵力の減少が少なく、高糖生地での冷蔵保存にも耐性な
酵母を提供することにある。
菌株からのスクリーニング又は変異処理や交雑や細胞融
合などによる育種操作によって得られた菌株を用いて幅
広く酵母のスクリーニングを行った結果、低温下で発酵
が非常に抑制される酵母であり、インベルターゼ比活性
が生地中の砂糖を分解するには十分であるが、その比活
性がかなり低く、高糖生地発酵の高い酵母を分離した。
そして、さらにこれらの酵母から、スクリーニング、お
よび育種を重ねた結果、目的とする菌株を得ることに成
功し、本発明を完成させた。
の性質: (1)インベルターゼ比活性が10ユニット以上、15
0ユニット以下、および、 (2)高糖生地での30℃、115分の発酵力が350
ml以上である、を有する酵母に関する。
は、さらに以下の性質: (3)高糖生地での5℃、24時間の発酵力が10ml
以下、および、 (4)30℃の復温高糖生地発酵力が、30℃、115
分の高糖生地発酵力の90%以上である、を有する。
は、さらに以下の性質: (5)−20℃、1週間冷凍保存後の30℃での復温高
糖生地発酵力が、30℃、115分の高糖生地発酵力の
90%以上である、という性質を有する。
母:サッカロミセス・セレビシエR−9152(FER
M P−14675)、サッカロミセス・セレビシエR
−9155(FERM P−14676)、サッカロミ
セス・セレビシエR−9156(FERM P−146
77)、サッカロミセス・セレビシエR−9160(F
ERM P−14678)、または、サッカロミセス・
セレビシエR−9194(FERM P−14679)
が挙げられる。
よび/または冷凍パン生地に好適に用いられ得る。
なくとも1種を含有するパン生地に関し、好適な実施態
様においては、パン生地は、通常の菓子パン生地、冷蔵
パン生地あるいは冷凍パン生地である。
くとも1種を含有するパン生地の製造方法に関し、好適
な実施態様においては、通常の菓子パン生地、冷蔵パン
生地あるいは冷凍パン生地の製造方法である。
発酵力が高い本願発明の酵母を用いることにより、本願
発明の目的である良好な菓子パンの製造及び長時間保存
のできる冷蔵生地や、品質がよく歩留りの高いリタード
法でのペーストリー、さらには冷凍耐性の高い冷凍生地
の製造が可能になる。また、冷蔵生地法による高糖生地
を用いる菓子パンの製造が可能になる。従って、本発明
の目的が達成される。以下に、本発明を具体的に説明す
る。
0ユニット以下、および、 (2)高糖生地での30℃、115分の発酵力が350
ml以上である、を有する。
り低いと、生地中の砂糖を十分に分解できないために十
分な発酵力が得られず、150ユニットより高いと、高
糖生地での砂糖の分解速度が速くなり生地の浸透圧が高
くなる。その結果、発酵が阻害され、十分な高糖生地発
酵力が得られない。また150ユニットより高いと、高
糖生地の冷蔵中に砂糖がより速く分解されるため浸透圧
が上昇し、復温発酵力が低下するという欠点も生じる。
このような点から、インベルターゼ比活性は150ユニ
ット以下であることが好ましい。
0℃、115分の発酵力が350ml以上であるという
性質を有する。このような性質を有する酵母は、低温下
での耐性が付与され、かつ、パン製造時に発酵力が十分
に保持されているため、本発明の目的を達成し得る。
以下、および、 (4)30℃の復温高糖生地発酵力が、30℃、115
分の高糖生地発酵力の90%以上である、を有し得る。
0ml以下であることにより、冷蔵中の生地の膨張もほ
とんどなく、リタード法等での生地の成型がしやすく、
残生地の再利用が可能になる。また、30℃の復温高糖
生地発酵力が、30℃、115分の高糖生地発酵力の9
0%以上であることにより、冷蔵後も十分な発酵力が維
持され、冷蔵生地法によってボリュームのある良好なパ
ンを得ることができる。
糖生地発酵力が、30℃、115分の高糖生地発酵力の
90%以上である、という性質を有し得る。
付与されることにより、特に冷凍耐性が高められ、冷凍
生地法においてもボリュームのある良好なパンを得るこ
とができる。
下の酵母:サッカロミセス・セレビシエR−9152
(FERM P−14675)、サッカロミセス・セレ
ビシエR−9155(FERM P−14676)、サ
ッカロミセス・セレビシエR−9156(FERM P
−14677)、サッカロミセス・セレビシエR−91
60(FERM P−14678)、または、サッカロ
ミセス・セレビシエR−9194(FERM P−14
679)が挙げられる。
にして行い得る。
1gの菌体が1分間にスクロースより生成するグルコー
スの2倍量(mg)と定義する。
酵母菌体を5mlの0.1M酢酸バッファー(pH5.
0)に懸濁し、その0.2mlを0.1M酢酸バッファ
ーpH5.0 0.8mlに加え、さらに1mlの15
(W/V)%スクロースバッファー溶液を加えて30
℃、10分間反応させる。1mlの1N NaOHを加えて反
応を停止し、1N HClを1ml加えて中和し、遠心分離
(3000rpm、5分)して菌体を除き、上澄のグルコース
濃度をグルコスタット法(商品名:グルコースB−テス
トワコー:和光純薬製)で測定する。測定する酵母の濃
度はインベルターゼ比活性の高低により適宜希釈し、グ
ルコスタット法による測定において吸光度に直線性のあ
る範囲で測定を行う。
℃、5時間乾燥した後の重量と定義する。
会で定められた高糖生地発酵力に準じて以下のようにし
て測定した。
シングを行い、生地をシリンダーにいれてあらかじめス
タート時の生地量を測定し、5℃、24時間発酵させた
後の生地量とスタート時の生地量との差を、5℃高糖生
地発酵力とした。 (30℃高糖生地発酵力)上記原料配合により、生地を
捏上温度が30±1℃になるようにミキシングを行い、
生地をシリンダーにいれてあらかじめスタート時の生地
量を測定し、30℃、115分発酵させた後の生地量と
スタート時の生地量との差を30℃高糖生地発酵力とす
る。
は、5℃高糖生地発酵力測定と同様に調製した高糖生地
を5℃、24時間発酵させた後、30℃に復温させて測
定する。復温後、30℃、115分の発酵力をもって、
30℃復温高糖生地発酵力とする。
凍後復温発酵力は、30℃高糖生地発酵力測定と同様に
調製した高糖生地を30℃で1時間発酵しガス抜きし、
−20℃で1週間冷凍後30℃に復温させて測定する。
復温後、30℃、115分の発酵力をもって冷凍1週間
後の復温高糖生地発酵力とする。
母を1種または2種以上含有する。パン生地は、好適に
は、菓子パン生地のような高糖生地、冷蔵生地、冷凍生
地である。本発明のパン生地は、ペストリーあるいは菓
子パン用の生地、例えば、デニッシュ、クロワッサンを
はじめ、食パン、バターロール、中華まんじゅう、イー
ストドーナツ等、膨張剤としてパン酵母を使用するもの
すべてを含む。
方法に関するものである。パン生地の成分の配合は、当
業者に公知の各パン生地に応じた配合が適用され得る。
地発酵力が上昇し、冷蔵、冷凍後の高糖生地発酵力が高
くなる理由は、インベルターゼ比活性が生地中の砂糖を
分解するには十分であるが、かなり低い酵母をスクリー
ニング、育種した効果が大であると考えられる。また、
低温下で発酵力が抑制される理由については明らかでは
ないが、酵母の発酵は細胞外の糖類(グルコースやフル
クトース、シュクロースなど)を細胞膜に存在する糖の
透過酵素(パーミアーゼ)により酵母の細胞内に輸送
し、輸送された糖類を解糖系の酵素によりエチルアルコ
ールと炭酸ガスとに分類することにより進行するといわ
れており、この細胞膜に存在する糖の透過酵素が該酵母
の場合特に低温下で活性が低下する、細胞質内に存在す
る解糖系の酵素の一部又は全部が該酵母の場合低温下で
活性が低下する、温度により特異的に誘導されるタンパ
ク(ヒートショックプロテイン)によって該酵母の場合
発酵が阻害される、その他、呼吸能が特に低温下で抑制
されることによって発酵が遅れる、などが考えられる。
TURE SENSITIVE:LTS)という遺伝子がサッカロミセス属
に存在することは公知ではあるが、これは低温下や高温
下での「増殖」が抑制されたり死滅する現象に関するも
のであり、低温下での「発酵」が抑制される現象とは異
なっている。
いて述べる。
べる。
グ、ニトロソグアニジン、エチルメタンスルホネート、
紫外線照射等の変異処理、交雑や細胞融合などによる育
種操作によって得ることができる。ここでは、変異処理
して、目的とする酵母を取得する方法を開示するが、本
発明の酵母の取得方法がこの方法に限られないことはい
うまでもない。
な場合は、変異処理を繰り返す方法、胞子を取得して戻
し交雑する方法、細胞融合させる方法などを併用するこ
とも可能である。詳細については、後記する。
と記す)による変異法を説明する。使用する培地は以下
の通りである。
mlに植菌し、30℃、16時間振盪培養する。培養終
了後、3000rpm、10分で遠心分離して集菌し、0.1M、pH7.
0のリン酸バッファーで1回洗浄する。菌体を同じリン
酸バッファー5mlに懸濁し、EMSを0.15ml添
加し、30℃、2時間、時々攪拌しながら処理し、30
00rpm、10分の遠心分離で集菌し、リン酸バッフ
ァーで洗浄後、20%Na2S2O3を5ml加えて30℃、10分
静置してEMSを分解する。20%Na2S2O3処理を2回行
い、生理食塩水5mlで3回洗浄し、生理食塩水5ml
に懸濁し、上記組成のYPD寒天プレートに適宜希釈し
て菌を塗布する。
青紫色、低pHでは黄色になるBCPの性質を利用して発
酵力をスクリーニングする方法である。
金耳、YPD培地200μlが入ったマイクロプレートに植
菌し、30℃、16時間静置培養する。マイクロプレー
トの各ウエルにBCP含有YPD培地(上記YPD培地
にブロムクレゾールパープル(BCP)30mg加えたもの)200
μlを注入し、このマイクロプレート各2枚に、この培養
ブロスを20μlずつそれぞれ移植し、それぞれ10℃、
および30℃で5時間静置培養する。30℃培養区で生
育が良く菌量が多く、よく発酵するためブロスのpHが
下がり色が黄変し、かつ10℃培養区で生育は良いが発
酵が抑制されるためブロスのpHが下がらず色が黄変し
ていない株を選択する。
次スクリーニングはマイセル発酵の前後の重量差が大き
い株を選択する方法である。使用する培地は以下の通り
である。
白金耳植菌して、30℃、24時間振盪培養する。この
培養液5mlを糖蜜培地50mlに移植し、さらに30
℃、24時間振盪培養する。培養後、2本のフラスコか
ら、培養液を併せて80mlとり、3000rpm、1
0分遠心分離して集菌し、滅菌水で1回洗浄する。100m
lのマイセル液に懸濁し、それぞれ50mlを、10℃
で15時間、および30℃で5時間培養した。マイセル
発酵の前後の重量差をもってマイセル発酵力とし、30
℃で良く発酵しており、かつ10℃で発酵力が低い株を
選択する。
酵力が抑制される酵母を取得する観点からは、変異処理
した酵母を、増殖する酵母を死滅させる薬剤を含有する
YPD培地に接種し、低温下で嫌気状態で培養する工程
を加えることが、より効果的である。低温で増殖する菌
体が死滅するので、スクリーニングの効率はさらに向上
するからである。増殖する酵母を死滅させる薬剤として
は、例えば、ナイスタチン、アンホテリシンB、シクロ
ヘキシミドなどが挙げられるが、比較的低濃度で増殖細
胞死滅効果のある薬剤であればいずれでもよい。薬剤の
培地中の濃度は、ナイスタチンの場合10μg/ml〜
50μg/ml、アンホテリシンBの場合、100μg
/ml〜500μg/ml、シクロヘキシミドの場合、
1000μg/ml〜5000μg/mlが適当であ
る。
クリーニング、育種について述べる。
としては、一つは低温感受性株取得のための親株を選定
する前により多くの菌株についてインベルターゼ活性を
測定し、所望の範囲の比活性を持つ株を用いて低温感受
性株の変異スクリーニング等を行うことが挙げられる。
また、インベルターゼ比活性の低い胞子株を単離し、上
記方法で得られた低温感受性株の胞子株と交雑株を形成
させ、その胞子株を単離し、所望のインベルターゼ比活
性の範囲内にある酵母を選択する等の方法を挙げること
ができるが、その方法については、スクリーニング、変
異、交雑、細胞融合等いずれの方法を用いてもよく特に
制限はない。
発酵力、冷蔵耐性、冷凍耐性、製パン性等の評価を行
う。評価に使用する菌体は、以下の方法で調製し得る。
菌し、新鮮なスラントから1白金耳移植し、30℃、2
4時間振盪培養する。
容三角フラスコに分注、殺菌後、第1種母を全量植菌
し、30℃、24時間振盪培養する。
殺菌し、第2種母全量を加えて2Lとする。30〜35
℃、pH4〜5(安水でコントロール)、300rpm
で攪拌しつつ、2NL/分通気して、12時間培養す
る。
えて殺菌し、種培養液700mlを加えて2Lとする。
30〜35℃、pH4〜5(安水でコントロール)、3
00rpmで攪拌しつつ、2NL/分通気して、10時
間培養する。
生菌体を得る。
種法等について述べたが、低温感受性株の取得過程では
1段階の変異処理だけでは、低温下での発酵力は抑制さ
れても30℃の発酵力も低下傾向にある。また、低イン
ベルターゼ比活性株の取得では、低インベルターゼ比活
性株との交雑株からの胞子株の単離という一回の操作で
は十分に所望の活性の株の取得ができない場合がある。
このような場合には、次に挙げるような方法も実施し得
る。
処理を1回以上繰り返す方法、少なくとも1回の変異処
理で得られた低温下で発酵が抑制される低温感受性変異
株の胞子株と野生の2倍体である酵母の胞子株とを少な
くとも1回戻し交雑させる方法、この低温感受性変異株
と野生の2倍体である酵母とを少なくとも1回戻し細胞
融合させる方法などである。
には、一回の交雑で得られた交雑株の胞子株と低インベ
ルターゼ比活性株との交雑と、その胞子単離を1回以上
行うなどの方法である。
子株を分離し、互いに異なる性をもった胞子株同志を交
雑させて交雑株をとり、さらに交雑株から胞子株をと
り、野生株の胞子株と交雑を行う操作を1回以上行うこ
とである。これを行うことによって低温感受性(発酵に
関する)の遺伝子と、野生株の優秀な発酵力の遺伝子を
合わせ持つ菌株を取得することができる。
うな戻し交雑法が可能であるが、もし取得した変異株や
野生株が胞子形成能が極端に低かったり、胞子出芽率が
極端に低いため胞子株の取得が困難な場合は細胞融合法
を用いればよい。常法に従ってマーカーをつけてもよい
し、融合の頻度が高ければマーカーをつけなくとも融合
は可能である。なお、マーカーについては例えば特開昭
63−294778に記載されているリジン要求株と呼
吸欠損株との組み合わせが挙げられる。
するが、本発明は何等実施例により制限されるものでは
ない。
(鐘淵化学工業株式会社製)の菌株をFowellプレート
(酢酸ナトリウム 0.4%、寒天2%、pH6.7)に塗布し、28℃、2
日間培養して胞子を形成させ、得られた胞子株R−6R
を親株として、前記(A)のEMS法による変異を行
い、前記(B)のスクリーニングを行った結果、低温感
受性のサッカロミセス・セレビシエR−6180−1を
得た。
ストから分離した多数の胞子株からスクリーニングされ
たインベルターゼ比活性の非常に低い株サッカロミセス
・セレビシエR−13Rを交雑させ、胞子を形成させ、
生命工学工業技術研究所に寄託されている、インベルタ
ーゼ比活性が低く、低温感受性の胞子株サッカロミセス
・セレビシエR−9152(FERM P−1467
5)、サッカロミセス・セレビシエR−9155(FE
RM P−14676)、およびサッカロミセス・セレ
ビシエR−9156(FERM P−14677)を取
得した。
ターゼ比活性、5℃高糖生地発酵力、30℃高糖生地発
酵力、30℃復温高糖生地発酵力を測定すると共に、下
記に示す方法で通常の加糖中種法菓子パンとストレート
法菓子パンを通常の方法と冷蔵工程を経る方法の2つの
方法で作製し、なたね置換法による比容積、パンの外
観、内相の評価を行い、上記株の評価を行った。
の製パンは、下記工程のうち冷蔵貯蔵工程なしとし、そ
れ以外は同様の条件で製パンを行った。
の数字は重量部を表す。
まで膨張した時点で焼成開始) 焼成 :200℃、15分 ストレート法による菓子パンの配合および工程:配合の
数字は重量部を表す。 配合: 強力粉 90 薄力粉 10 砂糖 30 食塩 1 油脂 8 イースト 4 脱粉 2 全卵 10 イーストフード 0.1 水 50 工程条件: ミキシング:低速3分、中速6分、高速2分 捏上温度 :27℃ 発酵時間 :30℃、1.5時間 分割重量 :400g ベンチタイム:30℃、15分 冷蔵貯蔵 :5℃、1,4,7日間 成型 :モルダーで成型 ホイロ :38℃、湿度80%(型上1.5cmまで
膨張した時点で焼成開始) 焼成 :200℃、15分 結果を表1、2、3及び4に示す。
のイーストに比較して通常の中種法、ストレート法菓子
パンでも良好なパンが得られ、また、冷蔵中の生地の膨
張もなく冷蔵保存にともなう比容積の低下、外観、内相
の劣化が少なく、菓子パン生地においても、冷蔵生地法
において長期に良好なパンが得られることがわかる。
ンベルターゼ比活性が低く、低温感受性であり、かつ冷
凍耐性であるサッカロミセス・セレビシエR−9156
(FERM P−14677)、サッカロミセス・セレ
ビシエR−9160(FERM P−14678)、お
よびサッカロミセス・セレビシエR−9194(FER
M P−14679)を取得した。
を行い、インベルターゼ比活性、5℃高糖生地発酵力、
30℃高糖生地発酵力、30℃復温高糖生地発酵力、−
20℃、1週間冷凍後の復温高糖生地発酵力を測定し、
さらに、以下に示す方法で冷凍生地菓子パンを作製し、
上記株の冷凍耐性を評価した。
で膨張した時点で焼成開始) 焼成 :200℃、15分 なお、冷凍しない場合は、上記工程のうち、冷凍、解凍
工程なしとし、それ以外は同様の条件で製パンを行っ
た。
のイーストに比較して、冷凍保存にともなう比容積の低
下、外観、内相の劣化が少なく、菓子パン生地において
も、冷凍生地法において長期に良好なパンが得られるこ
とがわかる。
度の高い菓子パン等のリッチなパンにおいて、中種法、
ストレート法、どちらにおいても従来の酵母に比べて良
好なパンが得られる。さらに、この良好な性質を低温感
受性株に導入することにより、冷蔵生地法、リタード法
および冷凍生地法において、発酵が抑制され、生地膨張
が少なく、冷蔵、冷凍後でも発酵力が低下せずに、良好
なパンを得ることができる。特に、糖濃度が高いリッチ
なパン製法においても、従来不可能であった長期安定的
に冷蔵、冷凍生地法において良好なパンが提供される。
Claims (10)
- 【請求項1】 サッカロミセス属に属し、以下の性質: (1)インベルターゼ比活性が10ユニット以上、15
0ユニット以下、および、 (2)高糖生地での30℃、115分の発酵力が350
ml以上である、を有する酵母。 - 【請求項2】 さらに以下の性質: (3)高糖生地での5℃、24時間の発酵力が10ml
以下、および、 (4)30℃の復温高糖生地発酵力が、30℃、115
分の高糖生地発酵力の90%以上である、を有する請求
項1に記載の酵母。 - 【請求項3】 さらに以下の性質: (3)高糖生地での5℃、24時間の発酵力が10ml
以下、 (4)30℃の復温高糖生地発酵力が、30℃、115
分の高糖生地発酵力の90%以上、および、 (5)−20℃、1週間冷凍保存後の30℃での復温高
糖生地発酵力が、30℃、115分の高糖生地発酵力の
90%以上である、を有する請求項1に記載の酵母。 - 【請求項4】 前記酵母が、サッカロミセス・セレビシ
エR−9152(FERM P−14675)、サッカ
ロミセス・セレビシエR−9155(FERM P−1
4676)、サッカロミセス・セレビシエR−9156
(FERM P−14677)、サッカロミセス・セレ
ビシエR−9160(FERM P−14678)、ま
たは、サッカロミセス・セレビシエR−9194(FE
RM P−14679)である、請求項1、2または3
に記載の酵母。 - 【請求項5】 請求項1ないし4いずれかの項に記載の
酵母を少なくとも1種を含有するパン生地。 - 【請求項6】 前記パン生地が冷蔵生地である、請求項
5に記載のパン生地。 - 【請求項7】 前記パン生地が冷凍生地である、請求項
5に記載のパン生地。 - 【請求項8】 請求項1ないし4いずれかの項に記載の
酵母を少なくとも1種含有するパン生地の製造方法。 - 【請求項9】 前記パン生地が冷蔵生地である、請求項
8に記載のパン生地の製造方法。 - 【請求項10】 前記パン生地が冷凍生地である、請求
項8に記載のパン生地の製造方法。
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| JP30793694A JP3766701B2 (ja) | 1994-12-12 | 1994-12-12 | 新規酵母、該酵母を含有するパン生地および該生地の製造方法 |
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| WO2025256042A1 (zh) * | 2024-06-12 | 2025-12-18 | 安琪酵母股份有限公司 | 冷藏面团用酵母菌及其应用 |
-
1994
- 1994-12-12 JP JP30793694A patent/JP3766701B2/ja not_active Expired - Lifetime
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