JPH08157260A - 強誘電体薄膜の製造方法 - Google Patents
強誘電体薄膜の製造方法Info
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- JPH08157260A JPH08157260A JP29721394A JP29721394A JPH08157260A JP H08157260 A JPH08157260 A JP H08157260A JP 29721394 A JP29721394 A JP 29721394A JP 29721394 A JP29721394 A JP 29721394A JP H08157260 A JPH08157260 A JP H08157260A
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- ferroelectric thin
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、飽和蒸気圧の高い成分を主組成とす
るPb系強誘電体薄膜に於ける膜中からその成分の蒸
発、脱離による組成ずれや、リーク電流、電気的疲労特
性を飛躍的に改善する強誘電体薄膜の製造方法を提供す
ることによって、高信頼性のデバイスを実現可能とする
ことを目的としている。 【構成】鉛系ペロフスカイト型強誘電体を構成する各元
素の有機金属化合物又は無機塩を、有機酸溶媒中で加
熱、撹拌したのち、前記の有機金属化合物又は無機塩を
溶解することができる溶媒で希釈、調製した前駆体溶液
を用いて強誘電体薄膜を作製することを特徴とする。
るPb系強誘電体薄膜に於ける膜中からその成分の蒸
発、脱離による組成ずれや、リーク電流、電気的疲労特
性を飛躍的に改善する強誘電体薄膜の製造方法を提供す
ることによって、高信頼性のデバイスを実現可能とする
ことを目的としている。 【構成】鉛系ペロフスカイト型強誘電体を構成する各元
素の有機金属化合物又は無機塩を、有機酸溶媒中で加
熱、撹拌したのち、前記の有機金属化合物又は無機塩を
溶解することができる溶媒で希釈、調製した前駆体溶液
を用いて強誘電体薄膜を作製することを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記憶素子、焦電素子、圧
電素子、電気光学素子等に用いられる強誘電体薄膜の製
造方法に関する。
電素子、電気光学素子等に用いられる強誘電体薄膜の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、強誘電体は、その特異な電気特性
を利用して、エレクトロニクス分野において様々な応用
がなされている。例えば、その焦電性を利用して赤外線
リニアアレイセンサに、また、その圧電性を利用して超
音波センサに、或いは、その電気光学効果を利用して導
波路型光変調器にと、様々な方法で用いられている。
を利用して、エレクトロニクス分野において様々な応用
がなされている。例えば、その焦電性を利用して赤外線
リニアアレイセンサに、また、その圧電性を利用して超
音波センサに、或いは、その電気光学効果を利用して導
波路型光変調器にと、様々な方法で用いられている。
【0003】また、DRAM(Dynamic Random Access M
emory)は1970年に構造や製法の簡単な電荷蓄積固体
メモリとして登場して以来、その集積度を増しつつ広く
用いられている。特に1972年以来、一つのメモリセ
ルが一つのキャパシタ(コンデンサ)と一つのトランジ
スタからなるいわゆる1Tr−1CのDRAMは、その
簡単な形状と小さな寸法のゆえに最も広く用いられてい
る。このDRAMにおいて電荷を蓄積するのは誘電体薄
膜キャパシタであり、半導体からなるトランジスタはキ
ャパシタ相互間を分離するためのスイッチとして使われ
ている。
emory)は1970年に構造や製法の簡単な電荷蓄積固体
メモリとして登場して以来、その集積度を増しつつ広く
用いられている。特に1972年以来、一つのメモリセ
ルが一つのキャパシタ(コンデンサ)と一つのトランジ
スタからなるいわゆる1Tr−1CのDRAMは、その
簡単な形状と小さな寸法のゆえに最も広く用いられてい
る。このDRAMにおいて電荷を蓄積するのは誘電体薄
膜キャパシタであり、半導体からなるトランジスタはキ
ャパシタ相互間を分離するためのスイッチとして使われ
ている。
【0004】DRAMの集積化にともないチップ面積も
緩やかに増加しているものの、セル面積はそれ以上の率
で小さくなっている。一方、DRAMに必要なセル容量
(キャパシタの静電容量)はセンスアンプの感度、ビッ
ト線容量等の点から、集積化が進んでも、30fFぐら
いは必要である。よって、キャパシタの静電容量Cをあ
る程度の大きさに保つには、キャパシタ有効面積Sを大
きくするか、キャパシタ薄膜の厚さdを小さくするか、
キャパシタ材料の比誘電率εrを大きくするかしなけれ
ばならない。現在までのDRAMの集積増加の方法とし
ては、スタック型セルや、トレンチ型キャパシタセル等
の、Sを増加しdを減少する方法が採用されてきた。し
かし、このような立体構造では、プロセスの複雑化によ
る工程の増加ならびに段差の増大による歩留まりの低下
が問題視されており、また、薄膜化の方もすでに限界に
きている。よって、比誘電率εrの大きな誘電体の薄膜
をSi上に堆積させることが必要となってきている。
緩やかに増加しているものの、セル面積はそれ以上の率
で小さくなっている。一方、DRAMに必要なセル容量
(キャパシタの静電容量)はセンスアンプの感度、ビッ
ト線容量等の点から、集積化が進んでも、30fFぐら
いは必要である。よって、キャパシタの静電容量Cをあ
る程度の大きさに保つには、キャパシタ有効面積Sを大
きくするか、キャパシタ薄膜の厚さdを小さくするか、
キャパシタ材料の比誘電率εrを大きくするかしなけれ
ばならない。現在までのDRAMの集積増加の方法とし
ては、スタック型セルや、トレンチ型キャパシタセル等
の、Sを増加しdを減少する方法が採用されてきた。し
かし、このような立体構造では、プロセスの複雑化によ
る工程の増加ならびに段差の増大による歩留まりの低下
が問題視されており、また、薄膜化の方もすでに限界に
きている。よって、比誘電率εrの大きな誘電体の薄膜
をSi上に堆積させることが必要となってきている。
【0005】一方、不揮発性の半導体記憶素子として
は、ROM(Read Only Memory)、PROM(Programmabl
e ROM)、EPROM(Erasable PROM) 、EEPROM(E
lectrically Erasable PROM)などがあり、特にEEPR
OMは電気的に記憶内容を書き換えることができるので
有望視されている。このEEPROMにおいては、MI
S(Metal Insulator Semiconductor) 電界効果型トラン
ジスタのゲート絶縁膜中のトラップ領域あるいはフロー
ティングゲートを、シリコン基板からの電荷注入によっ
て帯電させ、その静電誘導によって基板の表面伝導度を
変調する方法が知られている。
は、ROM(Read Only Memory)、PROM(Programmabl
e ROM)、EPROM(Erasable PROM) 、EEPROM(E
lectrically Erasable PROM)などがあり、特にEEPR
OMは電気的に記憶内容を書き換えることができるので
有望視されている。このEEPROMにおいては、MI
S(Metal Insulator Semiconductor) 電界効果型トラン
ジスタのゲート絶縁膜中のトラップ領域あるいはフロー
ティングゲートを、シリコン基板からの電荷注入によっ
て帯電させ、その静電誘導によって基板の表面伝導度を
変調する方法が知られている。
【0006】このEEPROMとは全く異なった方法の
不揮発性メモリとして、強誘電体の自発分極を利用した
強誘電体不揮発性メモリがある。この強誘電体不揮発性
メモリには、MFS(Metal Ferroelectric Semiconduct
or) −FET(Field EffectTransistor) 構造、キャパ
シタ構造の二通りの構造がある。
不揮発性メモリとして、強誘電体の自発分極を利用した
強誘電体不揮発性メモリがある。この強誘電体不揮発性
メモリには、MFS(Metal Ferroelectric Semiconduct
or) −FET(Field EffectTransistor) 構造、キャパ
シタ構造の二通りの構造がある。
【0007】MFS−FET構造は、MIS−FETの
ゲート絶縁膜を強誘電体薄膜としたもので、強誘電体の
自発分極の向き、大きさに応じてその自発分極を補償す
るように半導体表面に誘起される電荷によって半導体表
面の伝導度が変調されることを利用してメモリ内容の読
み出しをするものである。
ゲート絶縁膜を強誘電体薄膜としたもので、強誘電体の
自発分極の向き、大きさに応じてその自発分極を補償す
るように半導体表面に誘起される電荷によって半導体表
面の伝導度が変調されることを利用してメモリ内容の読
み出しをするものである。
【0008】キャパシタ構造は、強誘電体薄膜を電極で
挟んだ構造をしており、強誘電体の自発分極の分極反転
による反転電流の有無を検出してメモリ内容の読み出し
をするものである。
挟んだ構造をしており、強誘電体の自発分極の分極反転
による反転電流の有無を検出してメモリ内容の読み出し
をするものである。
【0009】このような強誘電体薄膜の製造方法には、
真空蒸着法、スパッタリング法、レーザーアブレーショ
ン法等の物理的方法、及び、有機金属化合物を出発原料
とし、これらを熱分解酸化して酸化物強誘電体を得るゾ
ルゲル法、MOD(Metal Organic Deposition)法、CV
D(Chemical Vapor Deposition) 法等の化学的方法が用
いられている。
真空蒸着法、スパッタリング法、レーザーアブレーショ
ン法等の物理的方法、及び、有機金属化合物を出発原料
とし、これらを熱分解酸化して酸化物強誘電体を得るゾ
ルゲル法、MOD(Metal Organic Deposition)法、CV
D(Chemical Vapor Deposition) 法等の化学的方法が用
いられている。
【0010】また、このような強誘電体薄膜材料として
は例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、PbTi
O3(チタン酸鉛)、BaTiO3(チタン酸バリウム)
などが挙げられ、現在最も有望な材料としてPZT系材
料が精力的に研究されている。しかし、各種電子デバイ
スに用いられるためには、例えば環境特性に優れるこ
と、経時変化が少ないこと、温度特性が良いこと等の多
くの仕様を満たす必要がある。
は例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、PbTi
O3(チタン酸鉛)、BaTiO3(チタン酸バリウム)
などが挙げられ、現在最も有望な材料としてPZT系材
料が精力的に研究されている。しかし、各種電子デバイ
スに用いられるためには、例えば環境特性に優れるこ
と、経時変化が少ないこと、温度特性が良いこと等の多
くの仕様を満たす必要がある。
【0011】このような実状に適した成膜方法として
は、原子レベルの均質な混合が可能であること、組成制
御が容易で再現性に優れること、常温常圧で大面積の成
膜が可能であること等の利点を有し、工業的に低コスト
である点からも有利なゾルゲル法もしくはMOD法が適
している。
は、原子レベルの均質な混合が可能であること、組成制
御が容易で再現性に優れること、常温常圧で大面積の成
膜が可能であること等の利点を有し、工業的に低コスト
である点からも有利なゾルゲル法もしくはMOD法が適
している。
【0012】次に、ゾルゲル法についてPZT薄膜を作
成する際のK. Samesima(ROHM) らの文献Jpn. J. Appl.
Phys. Vol. 32(1993)pp.4144-4146 などにあるような、
従来の工程の例を説明する。
成する際のK. Samesima(ROHM) らの文献Jpn. J. Appl.
Phys. Vol. 32(1993)pp.4144-4146 などにあるような、
従来の工程の例を説明する。
【0013】この成膜法は、酢酸鉛、チタンのテトライ
ソプロポキシド、ジルコニウムのテトライソプロポキシ
ド等の有機金属化合物の溶液をメタノールや、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、メトキシエタノール、
エトキシエタノール等のアルコール系溶媒中で混合調製
し、例えば、(1)
ソプロポキシド、ジルコニウムのテトライソプロポキシ
ド等の有機金属化合物の溶液をメタノールや、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、メトキシエタノール、
エトキシエタノール等のアルコール系溶媒中で混合調製
し、例えば、(1)
【0014】
【数1】
【0015】のような2次元鎖状構造を有する複合アル
コキシドのゾルを精製する工程、(2)これをスピンコ
ート法、ディップコート法等で基板上に塗布成膜する工
程、(3)空気中の水分により加水分解した後縮重合反
応によって、
コキシドのゾルを精製する工程、(2)これをスピンコ
ート法、ディップコート法等で基板上に塗布成膜する工
程、(3)空気中の水分により加水分解した後縮重合反
応によって、
【0016】
【数2】
【0017】のような3次元綱目構造のゲルを形成する
工程、(4)反応精製したアルコールや綱目構造に取り
込まれなかった残留水分を膜中より離脱させる工程、
(5)ゲル状態からアモルファス状態を経て結晶化させ
るために加熱処理する工程、から成る。
工程、(4)反応精製したアルコールや綱目構造に取り
込まれなかった残留水分を膜中より離脱させる工程、
(5)ゲル状態からアモルファス状態を経て結晶化させ
るために加熱処理する工程、から成る。
【0018】なお、MOD法は基本的にゾルゲル法と同
様の工程からなるが、上記の工程(1)に於いて部分加
水分解による2次元鎖状構造を有する複合アルコキシド
を形成する工程を経ずに、加熱焼成して直接酸化物を得
る方法である。
様の工程からなるが、上記の工程(1)に於いて部分加
水分解による2次元鎖状構造を有する複合アルコキシド
を形成する工程を経ずに、加熱焼成して直接酸化物を得
る方法である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
前駆体溶液の溶媒としてアルコール系溶媒を使用する従
来の方法は、高温で加熱処理する際、飽和蒸気圧の高い
成分を主組成とする、例えば、PZTのようなPb系強
誘電体薄膜に於いては、膜中からPb或いはPbOが蒸
発、脱離して、膜の組成が化学量論比からずれることが
あった。このような組成ずれによって表面のモフォロジ
ーが悪化したり、格子欠陥の多い薄膜が形成されると、
その電気特性に著しい影響が現れ、強誘電性が低下した
り、リーク電流が増大したりといった現象が生じてしま
う。このようなPbを主組成とする強誘電体薄膜におい
て、リーク電流の低減や強誘電特性の改善が求められて
いる。これらの電気的特性改善のために、例えば、初め
に化学量論比より多くのPbを含んだ薄膜を作製し、熱
処理後に化学量論組成の薄膜を得ようという方法が試み
られているが、未だ十分な特性の改善は成されていな
い。
前駆体溶液の溶媒としてアルコール系溶媒を使用する従
来の方法は、高温で加熱処理する際、飽和蒸気圧の高い
成分を主組成とする、例えば、PZTのようなPb系強
誘電体薄膜に於いては、膜中からPb或いはPbOが蒸
発、脱離して、膜の組成が化学量論比からずれることが
あった。このような組成ずれによって表面のモフォロジ
ーが悪化したり、格子欠陥の多い薄膜が形成されると、
その電気特性に著しい影響が現れ、強誘電性が低下した
り、リーク電流が増大したりといった現象が生じてしま
う。このようなPbを主組成とする強誘電体薄膜におい
て、リーク電流の低減や強誘電特性の改善が求められて
いる。これらの電気的特性改善のために、例えば、初め
に化学量論比より多くのPbを含んだ薄膜を作製し、熱
処理後に化学量論組成の薄膜を得ようという方法が試み
られているが、未だ十分な特性の改善は成されていな
い。
【0020】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたものであって、リーク電流や疲労特性など
の電気特性に優れた強誘電体薄膜の製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
めになされたものであって、リーク電流や疲労特性など
の電気特性に優れた強誘電体薄膜の製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明の
方法は、鉛系ペロブスカイト型強誘電体を構成する各元
素の有機金属化合物又は無機塩を、有機酸溶媒中で加
熱、撹拌したのち、前記の有機金属化合物又は無機塩を
溶解することができる他の溶媒で希釈、調製した前駆体
溶液を用いて強誘電体薄膜を作製することを特徴とす
る。
方法は、鉛系ペロブスカイト型強誘電体を構成する各元
素の有機金属化合物又は無機塩を、有機酸溶媒中で加
熱、撹拌したのち、前記の有機金属化合物又は無機塩を
溶解することができる他の溶媒で希釈、調製した前駆体
溶液を用いて強誘電体薄膜を作製することを特徴とす
る。
【0022】請求項2に記載の発明の方法は、前記の有
機酸溶媒として、酢酸を用いることを特徴とする。
機酸溶媒として、酢酸を用いることを特徴とする。
【0023】請求項3に記載の発明の方法は、加熱温度
を115℃から125℃の範囲とし、撹拌時間を2時間
から3時間とすることを特徴とする。
を115℃から125℃の範囲とし、撹拌時間を2時間
から3時間とすることを特徴とする。
【0024】
【作用】請求項1に記載の発明の方法によれば、強誘電
体薄膜を構成する一部の元素の有機金属化合物又は無機
塩及び有機酸を含む溶液を調製し、この溶液に他の強誘
電体薄膜を構成する一部の元素の有機金属化合物または
無機塩を加えた後、この溶液を、好ましくは加熱、撹拌
等することにより、縮重合を行い所望の前駆体溶液を得
る。この前駆体溶液を用いて強誘電体薄膜を作製するこ
とにより、膜中からのPbやPbOの離脱による格子欠
陥が抑制され、組成ずれが少なくなる。また、リーク電
流が低減され、電気的疲労特性にも優れている。
体薄膜を構成する一部の元素の有機金属化合物又は無機
塩及び有機酸を含む溶液を調製し、この溶液に他の強誘
電体薄膜を構成する一部の元素の有機金属化合物または
無機塩を加えた後、この溶液を、好ましくは加熱、撹拌
等することにより、縮重合を行い所望の前駆体溶液を得
る。この前駆体溶液を用いて強誘電体薄膜を作製するこ
とにより、膜中からのPbやPbOの離脱による格子欠
陥が抑制され、組成ずれが少なくなる。また、リーク電
流が低減され、電気的疲労特性にも優れている。
【0025】請求項2に記載の発明の方法によれば、有
機酸溶媒として酢酸を用いて所望の前駆体溶液を得る。
この前駆体溶液を用いて強誘電体薄膜を作製することに
より、膜中からのPbやPbOの離脱による格子欠陥が
抑制され、組成ずれが少なくなる。また、リーク電流が
低減され、電気的疲労特性にも優れている。
機酸溶媒として酢酸を用いて所望の前駆体溶液を得る。
この前駆体溶液を用いて強誘電体薄膜を作製することに
より、膜中からのPbやPbOの離脱による格子欠陥が
抑制され、組成ずれが少なくなる。また、リーク電流が
低減され、電気的疲労特性にも優れている。
【0026】請求項3に記載の発明の方法によれば、溶
液を115℃から125℃の温度で加熱し、2時間から
3時間撹拌することにより、所望の前駆体溶液を得る。
この前駆体溶液を用いて強誘電体薄膜を作製することに
より、膜中からのPbやPbOの離脱による格子欠陥が
抑制され、組成ずれが少なくなる。また、リーク電流が
低減され、電気的疲労特性にも優れている。
液を115℃から125℃の温度で加熱し、2時間から
3時間撹拌することにより、所望の前駆体溶液を得る。
この前駆体溶液を用いて強誘電体薄膜を作製することに
より、膜中からのPbやPbOの離脱による格子欠陥が
抑制され、組成ずれが少なくなる。また、リーク電流が
低減され、電気的疲労特性にも優れている。
【0027】
【実施例】本発明のペロブスカイト型の強誘電体は、例
えば、以下の化学式に従うものである。
えば、以下の化学式に従うものである。
【0028】(Pb1-yAy)(BxC1-x)O3 ここで、1>y≧0、1>x>0、Aは、La又はEr
であり、B及びCは、Zr、Ti、Mg及びNbからな
る群から選択された異なる元素である。
であり、B及びCは、Zr、Ti、Mg及びNbからな
る群から選択された異なる元素である。
【0029】本発明において、有機酸溶媒としては、酢
酸、ギ酸、プロピオン酸等の飽和脂肪族モノカルボン
酸、もしくは、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の飽和
脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。また、他の溶媒
としては、上記の有機金属化合物もしくは無機塩を溶解
することができる溶媒であれば特に限定されるものでは
ないが、例えば、アルコール類(例:エタノール、プロ
パノール、エチレンレグリコール、アセチレン等)、ケ
トン類(例:アセトン、エチルメチルケトン等)、エス
テル類(例:酢酸メチル、酢酸エチル等)、エーテル類
(例:ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル等)、
シクロアルカン類(シクロヘキサン、シクロヘキサノー
ル等)、カルボン酸類(例:ギ酸、酢酸、安息香酸等)
トルエン、キシレン等が挙げられる。
酸、ギ酸、プロピオン酸等の飽和脂肪族モノカルボン
酸、もしくは、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の飽和
脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。また、他の溶媒
としては、上記の有機金属化合物もしくは無機塩を溶解
することができる溶媒であれば特に限定されるものでは
ないが、例えば、アルコール類(例:エタノール、プロ
パノール、エチレンレグリコール、アセチレン等)、ケ
トン類(例:アセトン、エチルメチルケトン等)、エス
テル類(例:酢酸メチル、酢酸エチル等)、エーテル類
(例:ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル等)、
シクロアルカン類(シクロヘキサン、シクロヘキサノー
ル等)、カルボン酸類(例:ギ酸、酢酸、安息香酸等)
トルエン、キシレン等が挙げられる。
【0030】本発明の強誘電体薄膜の製造方法において
は、ゾルゲル法もしくはMOD法を利用する。ソルゲル
法もしくはMOD法による前駆体溶液作製プロセスとし
ては、まず、上述したように強誘電体薄膜を構成する一
部の元素の有機金属化合物又は無機塩及び溶媒としての
有機酸を含む溶液を調製し、この溶液に強誘電体薄膜を
構成する他の一部の元素の有機金属化合物又は無機塩を
加えた後、この溶液を、好ましくは加熱、撹拌等するこ
とにより、縮重合を行い所望の前駆体溶液を得る。つま
り、(Pb1-yAy)(BxC1-x)O3で表されるペロブ
スカイト型の強誘電体薄膜を作製する場合、まずPb及
びAを予め溶液に溶解させ、次いでB及びCを混合した
ものを添加するか、予め溶解したPb及びAに、B、次
いでCを混合して非水溶液を調製する。そして、その非
水溶液に水を一定量添加して加水分解及び縮重合を行
い、前駆体溶液を得る。なお、水を添加する前に、非水
溶液の濃度を調製するために、上記溶媒を加えてもよ
い。
は、ゾルゲル法もしくはMOD法を利用する。ソルゲル
法もしくはMOD法による前駆体溶液作製プロセスとし
ては、まず、上述したように強誘電体薄膜を構成する一
部の元素の有機金属化合物又は無機塩及び溶媒としての
有機酸を含む溶液を調製し、この溶液に強誘電体薄膜を
構成する他の一部の元素の有機金属化合物又は無機塩を
加えた後、この溶液を、好ましくは加熱、撹拌等するこ
とにより、縮重合を行い所望の前駆体溶液を得る。つま
り、(Pb1-yAy)(BxC1-x)O3で表されるペロブ
スカイト型の強誘電体薄膜を作製する場合、まずPb及
びAを予め溶液に溶解させ、次いでB及びCを混合した
ものを添加するか、予め溶解したPb及びAに、B、次
いでCを混合して非水溶液を調製する。そして、その非
水溶液に水を一定量添加して加水分解及び縮重合を行
い、前駆体溶液を得る。なお、水を添加する前に、非水
溶液の濃度を調製するために、上記溶媒を加えてもよ
い。
【0031】前記前駆体溶液を調製する際の各元素の有
機金属化合物、無機塩、及び溶媒等の混合量は特に限定
されるものではなく、最終的に形成される強誘電体薄膜
の組成により、適宜調製することができ、通常ゾルゲル
法・MOD法による前駆体溶液を調製する際に使用する
混合量を使用することができる。
機金属化合物、無機塩、及び溶媒等の混合量は特に限定
されるものではなく、最終的に形成される強誘電体薄膜
の組成により、適宜調製することができ、通常ゾルゲル
法・MOD法による前駆体溶液を調製する際に使用する
混合量を使用することができる。
【0032】また、上記有機金属化合物または無機塩を
含む溶液を加熱、撹拌する場合には、115℃から12
5℃の加熱温度で2時間から3時間撹拌することが好ま
しい。ここで、加熱温度は、溶媒によって適当な温度を
選択してやればよい。また、撹拌時間は、反応が終了す
るまで撹拌を行う必要があり、2時間から3時間を要す
る。
含む溶液を加熱、撹拌する場合には、115℃から12
5℃の加熱温度で2時間から3時間撹拌することが好ま
しい。ここで、加熱温度は、溶媒によって適当な温度を
選択してやればよい。また、撹拌時間は、反応が終了す
るまで撹拌を行う必要があり、2時間から3時間を要す
る。
【0033】本発明において調製した前駆体溶液を、基
板上あるいは電極上に形成して、所望の素子、例えばキ
ャパシタ等を形成することができる。用いる基板は特に
限定されるものではなく、シリコン基板、化合物半導体
基板、ポリカーボネート等の絶縁性基板等を使用するこ
とができる。また、キャパシタを形成する場合には、例
えば、シリコン基板上に所望の絶縁膜、酸化膜等及び電
極を形成した上に強誘電体薄膜を形成し、更にその上
に、上部電極を形成することができる。上部及び下部電
極としては、公知の方法、例えばスパッタリング法、蒸
着法等により形成することができる。また、電極材料と
しては公知の材料を用いることができ、特に限定される
ものではないが、Pt、Ti、Ta、Pt/Ti、Pt
/Ta等を用いることができる。その際の電極の膜厚も
特に限定されるものではない。基板上、電極上等に強誘
電体薄膜を形成する場合には、上記のように調製した前
駆体溶液を、例えばスピンコート法により形成すること
ができる。その際の条件は、特に限定されるものではな
く、所望の回転数等を適宜設定することができる。前駆
体溶液を基板、電極等の上に塗布する場合、その膜厚は
特に限定されるものではないが、100Åから1000
Å程度が好ましい。また、この塗布液をO2雰囲気下、
400℃から700℃程度の温度範囲で、30分から1
20分程度熱処理することにより、所望の強誘電体薄膜
を形成することができる。ここで、熱処理温度が700
℃を超えると粒成長により膜表面の凹凸が大きくなった
り、組成ずれが起きたりするという問題があり、400
℃に達しないと膜中へ有機物が残留するという問題があ
る。また、熱処理時間が120分を超えると粒成長によ
り膜表面の凹凸が大きくなったり、組成ずれが起きたり
するという問題があり、30分に達しないと膜中へ有機
物が残留するという問題がある。なお、上述の操作を複
数回繰り返して、所望の膜厚、所望の配向を有する強誘
電体薄膜を形成することができる。また、熱処理の際に
は、処理温度を結晶化温度とする事はもちろん、結晶化
温度まで上げることなく有機物を燃焼させるに足りる温
度で処理して、アモルファス膜を形成した後最終段階で
結晶化温度による熱処理を行っても良い。
板上あるいは電極上に形成して、所望の素子、例えばキ
ャパシタ等を形成することができる。用いる基板は特に
限定されるものではなく、シリコン基板、化合物半導体
基板、ポリカーボネート等の絶縁性基板等を使用するこ
とができる。また、キャパシタを形成する場合には、例
えば、シリコン基板上に所望の絶縁膜、酸化膜等及び電
極を形成した上に強誘電体薄膜を形成し、更にその上
に、上部電極を形成することができる。上部及び下部電
極としては、公知の方法、例えばスパッタリング法、蒸
着法等により形成することができる。また、電極材料と
しては公知の材料を用いることができ、特に限定される
ものではないが、Pt、Ti、Ta、Pt/Ti、Pt
/Ta等を用いることができる。その際の電極の膜厚も
特に限定されるものではない。基板上、電極上等に強誘
電体薄膜を形成する場合には、上記のように調製した前
駆体溶液を、例えばスピンコート法により形成すること
ができる。その際の条件は、特に限定されるものではな
く、所望の回転数等を適宜設定することができる。前駆
体溶液を基板、電極等の上に塗布する場合、その膜厚は
特に限定されるものではないが、100Åから1000
Å程度が好ましい。また、この塗布液をO2雰囲気下、
400℃から700℃程度の温度範囲で、30分から1
20分程度熱処理することにより、所望の強誘電体薄膜
を形成することができる。ここで、熱処理温度が700
℃を超えると粒成長により膜表面の凹凸が大きくなった
り、組成ずれが起きたりするという問題があり、400
℃に達しないと膜中へ有機物が残留するという問題があ
る。また、熱処理時間が120分を超えると粒成長によ
り膜表面の凹凸が大きくなったり、組成ずれが起きたり
するという問題があり、30分に達しないと膜中へ有機
物が残留するという問題がある。なお、上述の操作を複
数回繰り返して、所望の膜厚、所望の配向を有する強誘
電体薄膜を形成することができる。また、熱処理の際に
は、処理温度を結晶化温度とする事はもちろん、結晶化
温度まで上げることなく有機物を燃焼させるに足りる温
度で処理して、アモルファス膜を形成した後最終段階で
結晶化温度による熱処理を行っても良い。
【0034】以下、本発明にかかる強誘電体薄膜の作製
方法の第1及び第2の実施例を図面に基づいて説明す
る。
方法の第1及び第2の実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0035】まず、第1の実施例について説明する。図
1は、本発明にかかる強誘電体薄膜の製造方法で作製し
た強誘電体薄膜素子を説明するための断面図である。n
型シリコン基板1の表面に膜厚2000Åの熱酸化膜2
を形成し、この熱酸化膜2上に膜厚300ÅのTi膜3
をスパッタ法で形成し、このTi膜3上に膜厚2000
ÅのPt膜4を同じくスパッタ法で形成し、これを基板
として用いた。
1は、本発明にかかる強誘電体薄膜の製造方法で作製し
た強誘電体薄膜素子を説明するための断面図である。n
型シリコン基板1の表面に膜厚2000Åの熱酸化膜2
を形成し、この熱酸化膜2上に膜厚300ÅのTi膜3
をスパッタ法で形成し、このTi膜3上に膜厚2000
ÅのPt膜4を同じくスパッタ法で形成し、これを基板
として用いた。
【0036】次いで、図2に示したように、PZT薄膜
を上記基板上に作製するための前駆体溶液を合成した。
まず、1[mol]の酢酸に、酢酸鉛0.1[mol]
を加え100[℃]において窒素雰囲気中で約一時間加
熱撹拌した。これに、チタンイソプロポキシド(Ti
(OCH(CH3)2)4)を2−メトキシエタノールで
1[mol/l]に調製した溶液36[ml]とジルコ
ニウムイソプロポキシド(Zr(OCH(C
H3)2)4)を2−メトキシエタノールで1[mol/
l]に調製した溶液64[ml]を加え、さらに120
[℃]において窒素雰囲気中で約3時間加熱撹拌して、
室温まで冷却した後、2−メトキシエタノールで0.5
[mol/l]に調製した。さらに、この溶液に0.2
[mol]の水を加え約1時間撹拌した後ジエタノール
アミンを加え、これをPZT前駆体溶液として用いた。
を上記基板上に作製するための前駆体溶液を合成した。
まず、1[mol]の酢酸に、酢酸鉛0.1[mol]
を加え100[℃]において窒素雰囲気中で約一時間加
熱撹拌した。これに、チタンイソプロポキシド(Ti
(OCH(CH3)2)4)を2−メトキシエタノールで
1[mol/l]に調製した溶液36[ml]とジルコ
ニウムイソプロポキシド(Zr(OCH(C
H3)2)4)を2−メトキシエタノールで1[mol/
l]に調製した溶液64[ml]を加え、さらに120
[℃]において窒素雰囲気中で約3時間加熱撹拌して、
室温まで冷却した後、2−メトキシエタノールで0.5
[mol/l]に調製した。さらに、この溶液に0.2
[mol]の水を加え約1時間撹拌した後ジエタノール
アミンを加え、これをPZT前駆体溶液として用いた。
【0037】この前駆体溶液を上記基板上に滴下し、図
3に示したように350rpm×3秒、5000rpm
×20秒の条件でスピンコートし、乾燥ゲルを100℃
×15分の熱処理で作製した後、有機物の熱分解を40
0℃×60分で行なった。この工程を3回繰り返すこと
により、膜厚約2000Åの薄膜5を得た。
3に示したように350rpm×3秒、5000rpm
×20秒の条件でスピンコートし、乾燥ゲルを100℃
×15分の熱処理で作製した後、有機物の熱分解を40
0℃×60分で行なった。この工程を3回繰り返すこと
により、膜厚約2000Åの薄膜5を得た。
【0038】前記薄膜5に、赤外線高速アニーリング装
置を用いて熱処理を施して結晶化し強誘電体薄膜5を得
た。熱処理条件は、大気圧、100%酸素雰囲気中、ア
ニーリング温度は650℃、アニーリング時間は15秒
である。
置を用いて熱処理を施して結晶化し強誘電体薄膜5を得
た。熱処理条件は、大気圧、100%酸素雰囲気中、ア
ニーリング温度は650℃、アニーリング時間は15秒
である。
【0039】つぎに、第2の実施例について説明する。
図4に示したように、(Pb1-yEry)(ZrxT
i1-x)O3(以後PEZT)薄膜を作製するための前駆
体溶液を合成した。まず、1[mol]の酢酸に、酢酸
鉛0.098[mol]、硝酸エルビウム0.002
[mol]を加え100[℃]において窒素雰囲気中で
約1時間加熱撹拌した。これに、チタンイソプロポキシ
ド(Ti(OCH(CH3)2)4)を2−メトキシエタ
ノールで1[mol/l]に調製した溶液36[ml]
とジルコニウムイソプロポキシド(Zr(OCH(CH
3)2)4)を2−メトキシエタノールで1[mol/
l]に調製した溶液64[ml]を加え、さらに120
[℃]において窒素雰囲気中で約3時間加熱撹拌して、
室温まで冷却した後、2−メトキシエタノールで0.5
[mol/l]に調製した。さらに、この溶液に0.2
[mol]の水を加え約1時間撹拌した後ジエタノール
アミンを加え、これをPEZT前駆体溶液として用い
た。
図4に示したように、(Pb1-yEry)(ZrxT
i1-x)O3(以後PEZT)薄膜を作製するための前駆
体溶液を合成した。まず、1[mol]の酢酸に、酢酸
鉛0.098[mol]、硝酸エルビウム0.002
[mol]を加え100[℃]において窒素雰囲気中で
約1時間加熱撹拌した。これに、チタンイソプロポキシ
ド(Ti(OCH(CH3)2)4)を2−メトキシエタ
ノールで1[mol/l]に調製した溶液36[ml]
とジルコニウムイソプロポキシド(Zr(OCH(CH
3)2)4)を2−メトキシエタノールで1[mol/
l]に調製した溶液64[ml]を加え、さらに120
[℃]において窒素雰囲気中で約3時間加熱撹拌して、
室温まで冷却した後、2−メトキシエタノールで0.5
[mol/l]に調製した。さらに、この溶液に0.2
[mol]の水を加え約1時間撹拌した後ジエタノール
アミンを加え、これをPEZT前駆体溶液として用い
た。
【0040】この前駆体溶液を用いて、第1の実施例と
同様の方法で強誘電体薄膜を作製した。ただし、この際
の膜厚は約2500Åであった。
同様の方法で強誘電体薄膜を作製した。ただし、この際
の膜厚は約2500Åであった。
【0041】つぎに、比較例について説明する。図5に
示すように従来の技術にも示したアルコール系溶媒を用
いた方法で前駆体溶液を合成し、第1の実施例と同様の
方法で強誘電体薄膜を作製して、これを比較例とした。
示すように従来の技術にも示したアルコール系溶媒を用
いた方法で前駆体溶液を合成し、第1の実施例と同様の
方法で強誘電体薄膜を作製して、これを比較例とした。
【0042】以上の第1の実施例、第2の実施例及び比
較例の強誘電体薄膜5について、赤外線高速アニーリン
グ装置による熱処理前後の組成解析をEPMAによって
行った。図6はその熱処理前後のPb組成比を示す図で
ある。図6から明らかなように、本発明にかかる溶媒に
酢酸を用いる薄膜作製方法より、熱処理後のPbの減少
が比較例の3.9mol%に対して、第1の実施例で
0.4mol%、第2の実施例で0.3mol%と抑制
されていることが分かる。
較例の強誘電体薄膜5について、赤外線高速アニーリン
グ装置による熱処理前後の組成解析をEPMAによって
行った。図6はその熱処理前後のPb組成比を示す図で
ある。図6から明らかなように、本発明にかかる溶媒に
酢酸を用いる薄膜作製方法より、熱処理後のPbの減少
が比較例の3.9mol%に対して、第1の実施例で
0.4mol%、第2の実施例で0.3mol%と抑制
されていることが分かる。
【0043】また、以上の第1の実施例、第2の実施
例、及び比較例の強誘電体薄膜5上に、真空蒸着法で6
0μm×60μm、膜厚2000ÅのPt上部電極6を
形成した。図7は、強誘電体薄膜5に、3VのDCバイ
アスをかけた際のリーク電流を表す図である。図から明
らかなように、本発明にかかる溶媒に酢酸を用いる薄膜
作製方法により、膜中からのPbやPbOの脱離による
格子欠陥が抑制され、リーク電流を低減することができ
た。
例、及び比較例の強誘電体薄膜5上に、真空蒸着法で6
0μm×60μm、膜厚2000ÅのPt上部電極6を
形成した。図7は、強誘電体薄膜5に、3VのDCバイ
アスをかけた際のリーク電流を表す図である。図から明
らかなように、本発明にかかる溶媒に酢酸を用いる薄膜
作製方法により、膜中からのPbやPbOの脱離による
格子欠陥が抑制され、リーク電流を低減することができ
た。
【0044】図8は、比較例のPZT薄膜の108回の
分極反転を繰り返した前後の強誘電性を示すヒステリシ
スループを表す図である。図9は、第1の実施例のPZ
T薄膜の108回の分極反転を繰り返した前後の強誘電
性を示すヒステリシスループを表す図であり、図10
は、第2の実施例のPEZT薄膜の108回の分極反転
を繰り返した前後の強誘電性を示すヒステリシスループ
を表す図である。この疲労特性の測定は、図11に示し
たパルスでストレスをかけ、図12に示した4連パルス
で行った。図9及び図10を図8と比較すると、本発明
の実施例の分極反転の繰り返し前後の強誘電性の変化が
比較例よりも小さいことがわかる。したがって、本発明
にかかる、強誘電体薄膜の作製方法を用いることによ
り、膜中からのPbやPbOの脱離による格子欠陥が抑
制され、疲労特性の大幅な改善を図れることが明かとな
った。ここで、Zr/Ti比は64/36を例に挙げた
が、他の組成比に於いても同様の効果が得られた。
分極反転を繰り返した前後の強誘電性を示すヒステリシ
スループを表す図である。図9は、第1の実施例のPZ
T薄膜の108回の分極反転を繰り返した前後の強誘電
性を示すヒステリシスループを表す図であり、図10
は、第2の実施例のPEZT薄膜の108回の分極反転
を繰り返した前後の強誘電性を示すヒステリシスループ
を表す図である。この疲労特性の測定は、図11に示し
たパルスでストレスをかけ、図12に示した4連パルス
で行った。図9及び図10を図8と比較すると、本発明
の実施例の分極反転の繰り返し前後の強誘電性の変化が
比較例よりも小さいことがわかる。したがって、本発明
にかかる、強誘電体薄膜の作製方法を用いることによ
り、膜中からのPbやPbOの脱離による格子欠陥が抑
制され、疲労特性の大幅な改善を図れることが明かとな
った。ここで、Zr/Ti比は64/36を例に挙げた
が、他の組成比に於いても同様の効果が得られた。
【0045】
【発明の効果】請求項1に記載の発明の方法によれば、
強誘電体薄膜を構成する一部の元素の有機金属化合物又
は無機塩及び有機酸を含む溶液を調製し、この溶液に他
の強誘電体薄膜を構成する一部の元素の有機金属化合物
または無機塩を加えた後、この溶液を、好ましくは加
熱、撹拌等することにより、縮重合を行い所望の前駆体
溶液を得る。この前駆体溶液を用いて強誘電体薄膜を作
製することにより、膜中からのPbやPbOの離脱によ
る格子欠陥が抑制され、組成ずれが少なくなる。また、
リーク電流が低減され、電気的疲労特性にも優れてい
る。
強誘電体薄膜を構成する一部の元素の有機金属化合物又
は無機塩及び有機酸を含む溶液を調製し、この溶液に他
の強誘電体薄膜を構成する一部の元素の有機金属化合物
または無機塩を加えた後、この溶液を、好ましくは加
熱、撹拌等することにより、縮重合を行い所望の前駆体
溶液を得る。この前駆体溶液を用いて強誘電体薄膜を作
製することにより、膜中からのPbやPbOの離脱によ
る格子欠陥が抑制され、組成ずれが少なくなる。また、
リーク電流が低減され、電気的疲労特性にも優れてい
る。
【0046】請求項2に記載の発明の方法によれば、有
機酸溶媒として酢酸を用いて所望の前駆体溶液を得る。
この前駆体溶液を用いて強誘電体薄膜を作製することに
より、膜中からのPbやPbOの離脱による格子欠陥が
抑制され、組成ずれが少なくなる。また、リーク電流が
低減され、電気的疲労特性にも優れている。
機酸溶媒として酢酸を用いて所望の前駆体溶液を得る。
この前駆体溶液を用いて強誘電体薄膜を作製することに
より、膜中からのPbやPbOの離脱による格子欠陥が
抑制され、組成ずれが少なくなる。また、リーク電流が
低減され、電気的疲労特性にも優れている。
【0047】請求項3に記載の発明の方法によれば、溶
液を115℃から125℃の温度で加熱し、2時間から
3時間撹拌することにより、所望の前駆体溶液を得る。
この前駆体溶液を用いて強誘電体薄膜を作製することに
より、膜中からのPbやPbOの離脱による格子欠陥が
抑制され、組成ずれが少なくなる。また、リーク電流が
低減され、電気的疲労特性にも優れている。
液を115℃から125℃の温度で加熱し、2時間から
3時間撹拌することにより、所望の前駆体溶液を得る。
この前駆体溶液を用いて強誘電体薄膜を作製することに
より、膜中からのPbやPbOの離脱による格子欠陥が
抑制され、組成ずれが少なくなる。また、リーク電流が
低減され、電気的疲労特性にも優れている。
【0048】したがって、本発明による製造方法で作製
した強誘電体薄膜を使用することにより、強誘電体の残
留分極を利用した不揮発性メモリ素子や高誘電率を利用
したDRMA等の高性能の記憶素子を初めとし、特性の
優れた焦電素子、圧電素子、電気光学素子を構成するこ
とができる。
した強誘電体薄膜を使用することにより、強誘電体の残
留分極を利用した不揮発性メモリ素子や高誘電率を利用
したDRMA等の高性能の記憶素子を初めとし、特性の
優れた焦電素子、圧電素子、電気光学素子を構成するこ
とができる。
【図1】本発明の方法により製造した強誘電体薄膜の電
気特性を評価するために作製した強誘電体薄膜素子の構
成を示す要部断面図である。
気特性を評価するために作製した強誘電体薄膜素子の構
成を示す要部断面図である。
【図2】本発明の実施例に於ける前駆体溶液作製のフロ
ーチャートを示す概略図である。
ーチャートを示す概略図である。
【図3】本発明の実施例及び比較例に於けるゾルゲル法
による強誘電体薄膜作製のフローチャートを示す概略図
である。
による強誘電体薄膜作製のフローチャートを示す概略図
である。
【図4】本発明の実施例に於ける前駆体溶液作製のフロ
ーチャートを示す概略図である。
ーチャートを示す概略図である。
【図5】比較例における従来実施されていた前駆体溶液
作製のフローチャートを示す概略図である。
作製のフローチャートを示す概略図である。
【図6】本発明の実施例及び比較例に於ける強誘電体薄
膜の熱処理前後のPb組成比を示す図である。
膜の熱処理前後のPb組成比を示す図である。
【図7】本発明の実施例及び比較例に於ける強誘電体薄
膜に3VのDCバイアスをかけた際のリーク電流値を示
す図である。
膜に3VのDCバイアスをかけた際のリーク電流値を示
す図である。
【図8】比較例に於けるPZT薄膜の108回の分極反
転を繰り返した前後のヒステリシスループを示す図であ
る。
転を繰り返した前後のヒステリシスループを示す図であ
る。
【図9】本発明にかかる第1の実施例に於けるPZT薄
膜の108回分極反転を繰り返した前後のヒステリシス
ループを示す図である。
膜の108回分極反転を繰り返した前後のヒステリシス
ループを示す図である。
【図10】本発明にかかる第2の実施例に於けるPEZ
T薄膜の108回の分極反転を繰り返した前後のヒステ
リシスループを示す図である。
T薄膜の108回の分極反転を繰り返した前後のヒステ
リシスループを示す図である。
【図11】本実施例に於いてストレスをかける際に用い
たパルスを示す図である。
たパルスを示す図である。
【図12】本実施例に於いて測定を行う際に用いたパル
スを示す図である。
スを示す図である。
1 n型シリコン基板 2 シリコン熱酸化膜 3 Ti膜 4 Pt下部電極膜 5 強誘電体薄膜 6 Pt上部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/78 41/187 41/24 9056−4M H01L 29/78 617 T 9055−4M 652 K 41/18 101 D 41/22 A
Claims (3)
- 【請求項1】 強誘電体薄膜の製造方法であって、以下
の化学式で表される鉛系ペロブスカイト型強誘電体を構
成する各元素の有機金属化合物又は無機塩を、有機酸溶
媒中で加熱、撹拌したのち、前記の有機金属化合物又は
無機塩を溶解することができる他の溶媒で希釈、調製し
た前駆体溶液を用いて強誘電体薄膜を作製することを特
徴とする強誘電体薄膜の製造方法。 (Pb1-yAy)(BxC1-x)O3 ここで、1>y≧0、1>x>0、Aは、La又はEr
であり、B及びCは、Zr、Ti、Mg及びNbからな
る群から選択された異なる元素である。 - 【請求項2】 前記の有機酸溶媒として、酢酸を用いる
請求項1に記載の強誘電体薄膜の製造方法。 - 【請求項3】 加熱温度を115℃から125℃の範囲
とし、撹拌時間を2時間から3時間とする請求項1又は
請求項2に記載の強誘電体薄膜の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29721394A JPH08157260A (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | 強誘電体薄膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29721394A JPH08157260A (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | 強誘電体薄膜の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08157260A true JPH08157260A (ja) | 1996-06-18 |
Family
ID=17843644
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29721394A Pending JPH08157260A (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | 強誘電体薄膜の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08157260A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002324924A (ja) * | 2001-04-24 | 2002-11-08 | Sony Corp | 圧電素子の製造方法 |
| JP2008290937A (ja) * | 2004-05-31 | 2008-12-04 | Seiko Epson Corp | 前駆体組成物の製造方法 |
| WO2009157189A1 (ja) | 2008-06-27 | 2009-12-30 | パナソニック株式会社 | 圧電体素子とその製造方法 |
| US9035253B2 (en) | 2008-06-27 | 2015-05-19 | Panasonic Intellectual Property Managment Co., Ltd. | Infrared sensor element |
| CN119744116A (zh) * | 2024-12-24 | 2025-04-01 | 同济大学 | 一种钡钛基铁电厚膜及其制备方法 |
-
1994
- 1994-11-30 JP JP29721394A patent/JPH08157260A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002324924A (ja) * | 2001-04-24 | 2002-11-08 | Sony Corp | 圧電素子の製造方法 |
| JP2008290937A (ja) * | 2004-05-31 | 2008-12-04 | Seiko Epson Corp | 前駆体組成物の製造方法 |
| WO2009157189A1 (ja) | 2008-06-27 | 2009-12-30 | パナソニック株式会社 | 圧電体素子とその製造方法 |
| US8188639B2 (en) | 2008-06-27 | 2012-05-29 | Panasonic Corporation | Piezoelectric element and method for manufacturing the same |
| US9035253B2 (en) | 2008-06-27 | 2015-05-19 | Panasonic Intellectual Property Managment Co., Ltd. | Infrared sensor element |
| US9054293B2 (en) | 2008-06-27 | 2015-06-09 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Piezoelectric element and method for manufacturing the same |
| CN119744116A (zh) * | 2024-12-24 | 2025-04-01 | 同济大学 | 一种钡钛基铁电厚膜及其制备方法 |
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