JPH08157977A - フェロスクラップの脱銅方法 - Google Patents
フェロスクラップの脱銅方法Info
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- JPH08157977A JPH08157977A JP6299698A JP29969894A JPH08157977A JP H08157977 A JPH08157977 A JP H08157977A JP 6299698 A JP6299698 A JP 6299698A JP 29969894 A JP29969894 A JP 29969894A JP H08157977 A JPH08157977 A JP H08157977A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 フェロスクラップからの銅の回収を低エネル
ギーで効果的に行う。 【構成】 (i)銅を含有するフェロスクラップを、不活性
雰囲気下でアンミン銅 (II) 錯体水溶液である浸出液に
接触させ、スクラップ中の銅を選択的にアンミン銅 (I)
錯体としてこの水溶液に溶解した後、スクラップを水溶
液から分離する工程1; および(ii)工程1で得られた水
溶液は、工程2においてそれぞれ次のように処理するの
である。 a) 上記水溶液を加熱して、水溶液中のアンミン銅 (I)
錯体を分解させ、分解生成物から銅粉を回収するか、ま
たは b) 上記水溶液を酸素含有ガスと接触させ、アンミン銅
(I) 錯体をアンミン銅(II)と酸化第2銅に酸化させて、
晶析した酸化第2銅を回収する。 そして、このようにして銅を回収された後の溶液は、工
程1における銅溶解用の浸出液の調製用としてあるいは
そのまゝ浸出液としてリサイクルする。
ギーで効果的に行う。 【構成】 (i)銅を含有するフェロスクラップを、不活性
雰囲気下でアンミン銅 (II) 錯体水溶液である浸出液に
接触させ、スクラップ中の銅を選択的にアンミン銅 (I)
錯体としてこの水溶液に溶解した後、スクラップを水溶
液から分離する工程1; および(ii)工程1で得られた水
溶液は、工程2においてそれぞれ次のように処理するの
である。 a) 上記水溶液を加熱して、水溶液中のアンミン銅 (I)
錯体を分解させ、分解生成物から銅粉を回収するか、ま
たは b) 上記水溶液を酸素含有ガスと接触させ、アンミン銅
(I) 錯体をアンミン銅(II)と酸化第2銅に酸化させて、
晶析した酸化第2銅を回収する。 そして、このようにして銅を回収された後の溶液は、工
程1における銅溶解用の浸出液の調製用としてあるいは
そのまゝ浸出液としてリサイクルする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェロスクラップを鋼
溶製の原料として積極的に利用するために、フェロスク
ラップから銅を分離・回収する方法に関する。より具体
的には、本発明は、アンモニアとアンモニウム塩の水溶
液を用いて、銅を含有するフェロスクラップから銅を分
離し、リサイクルに適した純度の高いフェロスクラップ
を得ると同時に、銅分を銅粉 (金属銅) または酸化銅
(酸化第二銅)として回収利用する方法に関する。
溶製の原料として積極的に利用するために、フェロスク
ラップから銅を分離・回収する方法に関する。より具体
的には、本発明は、アンモニアとアンモニウム塩の水溶
液を用いて、銅を含有するフェロスクラップから銅を分
離し、リサイクルに適した純度の高いフェロスクラップ
を得ると同時に、銅分を銅粉 (金属銅) または酸化銅
(酸化第二銅)として回収利用する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フェロスクラップは、電線や導線として
使用される銅線や、他の銅または銅合金製部品の混入が
主な原因で、銅含有量が高くなっていることが多い。た
とえば、廃自動車、廃電気製品の中に含まれるモーター
コイルは銅不純物の代表的な例である。
使用される銅線や、他の銅または銅合金製部品の混入が
主な原因で、銅含有量が高くなっていることが多い。た
とえば、廃自動車、廃電気製品の中に含まれるモーター
コイルは銅不純物の代表的な例である。
【0003】銅は鉄鋼製品の機械的性質、加工性などの
性能に悪影響を及ぼす元素であり、銅が混入したフェロ
スクラップを鋼溶製の原料として用いると低級な品質の
鋼しか製造できない。そのため、鋼溶製に先立って銅を
スクラップから除去することが望ましく、従来から様々
な銅の除去方法が研究されている。フェロスクラップか
ら銅を除去するための代表的な方法を次に示す。
性能に悪影響を及ぼす元素であり、銅が混入したフェロ
スクラップを鋼溶製の原料として用いると低級な品質の
鋼しか製造できない。そのため、鋼溶製に先立って銅を
スクラップから除去することが望ましく、従来から様々
な銅の除去方法が研究されている。フェロスクラップか
ら銅を除去するための代表的な方法を次に示す。
【0004】(1) 硫化ソーダまたは硫酸ソーダを主成分
とするフラックスに銅を溶鉄から選択的に抽出する方法
(第122 、123 回西山記念技術講座、pp.112〜118 、日
本鉄鋼協会) 、 (2) スクラップを高温で溶融し、より低融点の銅を真空
下蒸発させる方法 (特開昭61−119612号公報、同61−14
9414号公報、同61−149415号公報) (3) スクラップ中の銅を硫化した後、スクラップを圧
縮、または破砕し、脆化した硫化銅を機械的に分離・回
収するか硫化銅をアンモニア水に溶解して、分離・回収
する方法 (特開平3−297375号公報、特開平2−285035
号公報) (4) 溶融金属アルミニウム、マグネシウムまたはそれら
の合金中に銅を選択的に抽出する方法 (特開平3−1993
14号公報) 。
とするフラックスに銅を溶鉄から選択的に抽出する方法
(第122 、123 回西山記念技術講座、pp.112〜118 、日
本鉄鋼協会) 、 (2) スクラップを高温で溶融し、より低融点の銅を真空
下蒸発させる方法 (特開昭61−119612号公報、同61−14
9414号公報、同61−149415号公報) (3) スクラップ中の銅を硫化した後、スクラップを圧
縮、または破砕し、脆化した硫化銅を機械的に分離・回
収するか硫化銅をアンモニア水に溶解して、分離・回収
する方法 (特開平3−297375号公報、特開平2−285035
号公報) (4) 溶融金属アルミニウム、マグネシウムまたはそれら
の合金中に銅を選択的に抽出する方法 (特開平3−1993
14号公報) 。
【0005】しかし、(1) の方法は、高い脱銅率を得る
にはかなり大量のフラックスが必要であり、このフラッ
クスの高温での取扱いが困難であり、かつフラックスコ
ストが高い。(2) の方法は、銅の蒸発速度を高めるには
多量のエネルギーを要する高温と高真空が必要であり、
しかも蒸発した銅の回収が困難である。(3) の方法は、
硫化工程で発生する硫黄酸化物を含有する廃ガスの処理
が大きな負担になる上、硫化した銅を機械的手段で分離
する場合、銅を十分な脱銅率で除去することが困難であ
る。(4) の方法は、抽出剤として高価な金属Al、Mg、ま
たはAl−Mg合金が必要である。
にはかなり大量のフラックスが必要であり、このフラッ
クスの高温での取扱いが困難であり、かつフラックスコ
ストが高い。(2) の方法は、銅の蒸発速度を高めるには
多量のエネルギーを要する高温と高真空が必要であり、
しかも蒸発した銅の回収が困難である。(3) の方法は、
硫化工程で発生する硫黄酸化物を含有する廃ガスの処理
が大きな負担になる上、硫化した銅を機械的手段で分離
する場合、銅を十分な脱銅率で除去することが困難であ
る。(4) の方法は、抽出剤として高価な金属Al、Mg、ま
たはAl−Mg合金が必要である。
【0006】このような従来の脱銅方法の欠点を解消す
るため、本発明者は、先に酸素ガス存在下でアンモニ
ア、アンモニウム塩からなるアンモニア性溶液を用いて
フェロスクラップから銅をアンミン銅 (II) として溶解
する方法を提案した (特開平5−195103号公報参照) 。
この公知発明の内容は次の通りである。
るため、本発明者は、先に酸素ガス存在下でアンモニ
ア、アンモニウム塩からなるアンモニア性溶液を用いて
フェロスクラップから銅をアンミン銅 (II) として溶解
する方法を提案した (特開平5−195103号公報参照) 。
この公知発明の内容は次の通りである。
【0007】酸素存在下でのアンモニア性水溶液中にお
いて、銅はアンモニアと反応しアンミン銅 (II) 錯体を
生成し、容易に溶解するのに対し、鉄は、不働態化する
ため全く溶解しない。即ち、銅を含有するスクラップを
酸素の存在下でアンモニア性水溶液により処理すると、
下記の(1) 式に従って、スクラップ中の銅を選択的に溶
解することができ、脱銅された高品位のスクラップを得
ることができる。
いて、銅はアンモニアと反応しアンミン銅 (II) 錯体を
生成し、容易に溶解するのに対し、鉄は、不働態化する
ため全く溶解しない。即ち、銅を含有するスクラップを
酸素の存在下でアンモニア性水溶液により処理すると、
下記の(1) 式に従って、スクラップ中の銅を選択的に溶
解することができ、脱銅された高品位のスクラップを得
ることができる。
【0008】 Cu+2NH3 +2NH4 + +1/202 = Cu(NH3)4 2++H2O ・・・・・・・(1) 銅を浸出した溶液から銅を回収する方法は、使用したア
ンモニウム塩の種類により異なるが、硫酸アンモニウム
をアンモニウム塩として使用した場合は次のようにな
る。即ち、溶液を加熱してアンミン錯体を分解させる
と、(2) 式のようにアンモニアガスが揮発し、硫酸銅溶
液が得られる。さらにこの硫酸銅溶液を電解して電解銅
を得ることができる。
ンモニウム塩の種類により異なるが、硫酸アンモニウム
をアンモニウム塩として使用した場合は次のようにな
る。即ち、溶液を加熱してアンミン錯体を分解させる
と、(2) 式のようにアンモニアガスが揮発し、硫酸銅溶
液が得られる。さらにこの硫酸銅溶液を電解して電解銅
を得ることができる。
【0009】 Cu(NH3)4SO4 = CuSO4 +4NH3 ↑・・・・・・・・・・・・・・・・(2) また、炭酸アンモニウムをアンモニウム塩として使用し
た場合は次のようになる。即ち、溶液を加熱してアンミ
ン錯体を分解させると、(3) 式のようにアンモニア、お
よび炭酸ガスが揮発し、酸化第2銅沈殿が回収できる。
た場合は次のようになる。即ち、溶液を加熱してアンミ
ン錯体を分解させると、(3) 式のようにアンモニア、お
よび炭酸ガスが揮発し、酸化第2銅沈殿が回収できる。
【0010】 Cu(NH3)4CO3 = CuO↓+ 4NH3 ↑+ CO2↑・・・・・・・・・・・(3) この脱銅方法によれば、高品位のスクラップを得ること
ができ、銅を回収することができると同時に、脱銅反応
に必要なアンモニアとアンモニウム塩がリサイクルでき
るので、かなり期待されている。
ができ、銅を回収することができると同時に、脱銅反応
に必要なアンモニアとアンモニウム塩がリサイクルでき
るので、かなり期待されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、式(2) を利用
する方法では銅を溶解したアンモニア性溶液から金属銅
の回収を行うためには、溶液を加熱し、アンミン銅 (I
I) 錯体を分解した後、さらに電解を行う必要があり、
電気エネルギー消耗が大きいという問題がある。
する方法では銅を溶解したアンモニア性溶液から金属銅
の回収を行うためには、溶液を加熱し、アンミン銅 (I
I) 錯体を分解した後、さらに電解を行う必要があり、
電気エネルギー消耗が大きいという問題がある。
【0012】したがって、本発明の第一の目的は、金属
銅をアンミン銅 (I)錯体として溶解した後、電解などを
行うことなく金属銅を回収することのできる脱銅方法を
提供することである。
銅をアンミン銅 (I)錯体として溶解した後、電解などを
行うことなく金属銅を回収することのできる脱銅方法を
提供することである。
【0013】また、式(3) を利用する方法では銅を溶解
したアンモニア性溶液からの銅回収およびアンモニア性
溶液のリサイクルのため、溶液を加熱する必要があり、
かなりの熱エネルギーを消耗するという問題がある。よ
って、本発明の第二の目的は、低いエネルギー消費で、
銅の回収およびアンモニア性溶液のリサイクルが可能な
脱銅方法を提供することである。
したアンモニア性溶液からの銅回収およびアンモニア性
溶液のリサイクルのため、溶液を加熱する必要があり、
かなりの熱エネルギーを消耗するという問題がある。よ
って、本発明の第二の目的は、低いエネルギー消費で、
銅の回収およびアンモニア性溶液のリサイクルが可能な
脱銅方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】ここに、本発明者は、む
しろ酸素不存在下、つまり不活性雰囲気下でアンミン銅
(II)錯体水溶液をフェロスクラップに接触させることに
よってアンミン銅(I)錯体として溶解させると、その後
の銅成分の回収が容易、かつ低エネルギーで行なえるこ
とを知り、本発明を完成した。
しろ酸素不存在下、つまり不活性雰囲気下でアンミン銅
(II)錯体水溶液をフェロスクラップに接触させることに
よってアンミン銅(I)錯体として溶解させると、その後
の銅成分の回収が容易、かつ低エネルギーで行なえるこ
とを知り、本発明を完成した。
【0015】よって、本発明のフェロスクラップの脱銅
方法は、(i) 銅を含有するフェロスクラップを、不活性
雰囲気下でアンミン銅 (II) 錯体水溶液である浸出液に
接触させ、スクラップ中の銅を選択的にアンミン銅 (I)
錯体としてこの水溶液に溶解した後、スクラップを水溶
液から分離する工程1; および(ii)工程1で得られた水
溶液は、工程2においてそれぞれ次のように処理するの
である。
方法は、(i) 銅を含有するフェロスクラップを、不活性
雰囲気下でアンミン銅 (II) 錯体水溶液である浸出液に
接触させ、スクラップ中の銅を選択的にアンミン銅 (I)
錯体としてこの水溶液に溶解した後、スクラップを水溶
液から分離する工程1; および(ii)工程1で得られた水
溶液は、工程2においてそれぞれ次のように処理するの
である。
【0016】a) 上記水溶液を加熱して、水溶液中のア
ンミン銅 (I)錯体を分解させ、分解生成物から銅粉を回
収するか、または b) 上記水溶液を酸素含有ガスと接触させ、アンミン銅
(I) 錯体をアンミン銅(II)と酸化第2銅に酸化させて、
晶析した酸化第2銅を回収する。 そして、このようにして銅を回収された後の溶液は、工
程1における銅溶解用の浸出液の調製用としてあるいは
そのまゝ浸出液としてリサイクルする。
ンミン銅 (I)錯体を分解させ、分解生成物から銅粉を回
収するか、または b) 上記水溶液を酸素含有ガスと接触させ、アンミン銅
(I) 錯体をアンミン銅(II)と酸化第2銅に酸化させて、
晶析した酸化第2銅を回収する。 そして、このようにして銅を回収された後の溶液は、工
程1における銅溶解用の浸出液の調製用としてあるいは
そのまゝ浸出液としてリサイクルする。
【0017】
【作用】次に、添付図面を参照しながら、本発明の各工
程の詳細をその作用と共に説明する。図1および図2に
それぞれ本発明による脱銅プロセスの一例を示す。
程の詳細をその作用と共に説明する。図1および図2に
それぞれ本発明による脱銅プロセスの一例を示す。
【0018】まず、本発明の方法で処理の対象となるフ
ェロスクラップの例としては、上述した廃自動車、廃電
気製品などが例示される。上記スクラップから適当な選
別方法により得られた銅含有量の高いモーターコイル等
も本発明の処理対象になる。必要であれば、本発明の方
法で処理する前に、スクラップを裁断して処理に適した
寸法にしておくことが望ましい。また、モーターコイル
の導線のように、スクラップ中の銅に有機被覆 (例、エ
ナメル被覆) が施されている場合には、有機被覆を除去
してから脱銅処理することが好ましい。この有機被覆の
除去は、スクラップを400 〜1000℃に加熱して有機被覆
を焼却することにより実施することができる。
ェロスクラップの例としては、上述した廃自動車、廃電
気製品などが例示される。上記スクラップから適当な選
別方法により得られた銅含有量の高いモーターコイル等
も本発明の処理対象になる。必要であれば、本発明の方
法で処理する前に、スクラップを裁断して処理に適した
寸法にしておくことが望ましい。また、モーターコイル
の導線のように、スクラップ中の銅に有機被覆 (例、エ
ナメル被覆) が施されている場合には、有機被覆を除去
してから脱銅処理することが好ましい。この有機被覆の
除去は、スクラップを400 〜1000℃に加熱して有機被覆
を焼却することにより実施することができる。
【0019】本発明においてスクラップの脱銅処理に用
いるアンミン銅 (II) 水溶液は、アンミン銅 (II) 硫酸
塩が最も望ましいが、硝酸塩、塩化物のいずれを含む水
溶液でも可能である。アンミン銅溶液 (II) は、工程2
において再生されるので処理中には特に調製する必要が
ないが、脱銅処理の初期においては、アンモニアとアン
モニウム塩に酸化第2銅を溶解するか、酸素共存下で純
銅或いは銅を含有するスクラップ中の銅を溶解すること
により調製することができる。ここで、図1に示す態様
にしたがって本発明にかかる処理方法における工程1お
よび工程2をそれぞれ説明すると次の通りである。
いるアンミン銅 (II) 水溶液は、アンミン銅 (II) 硫酸
塩が最も望ましいが、硝酸塩、塩化物のいずれを含む水
溶液でも可能である。アンミン銅溶液 (II) は、工程2
において再生されるので処理中には特に調製する必要が
ないが、脱銅処理の初期においては、アンモニアとアン
モニウム塩に酸化第2銅を溶解するか、酸素共存下で純
銅或いは銅を含有するスクラップ中の銅を溶解すること
により調製することができる。ここで、図1に示す態様
にしたがって本発明にかかる処理方法における工程1お
よび工程2をそれぞれ説明すると次の通りである。
【0020】(1) 工程1 (銅の溶解工程) 工程1では銅を含有するフェロスクラップを不活性雰囲
気下でアンミン銅 (II) 水溶液により処理する。銅は、
次の(4) 式に示すようにアンミン銅 (II) と反応して溶
解し、アンミン銅 (I)が生成する。
気下でアンミン銅 (II) 水溶液により処理する。銅は、
次の(4) 式に示すようにアンミン銅 (II) と反応して溶
解し、アンミン銅 (I)が生成する。
【0021】 Cu+Cu(NH3)4 2+ = 2Cu(NH3)2 + ・・・・・・・・・・・・・・・・(4) (4) 式からわかるように、不活性雰囲気下でアンミン銅
(II) が金属銅を溶解する反応はフリーのアンモニアを
必要としないが、浸出液にフリーのアンモニアおよびア
ンモニウム塩が共存しても差し支えない。フリーのアン
モニアおよびアンモニウム塩の存在は上記(4) 式の反応
にほとんど影響を与えない。
(II) が金属銅を溶解する反応はフリーのアンモニアを
必要としないが、浸出液にフリーのアンモニアおよびア
ンモニウム塩が共存しても差し支えない。フリーのアン
モニアおよびアンモニウム塩の存在は上記(4) 式の反応
にほとんど影響を与えない。
【0022】前述の公知発明では、銅の溶解を酸素存在
下で行い、銅をアンミン銅 (II) として溶解するが、本
発明の銅の溶解はN2ガス雰囲気のような不活性雰囲気下
で行うことが特徴である。生成したアンミン銅(I) を常
にアンミン銅(II)に酸化される方が反応速度が速くなる
ため、酸素雰囲気下で溶解を行うのが普通である。本発
明者は、溶解した銅を1価の状態に保つことにより、次
に述べる工程2の銅粉の回収が容易になることを見いだ
した。
下で行い、銅をアンミン銅 (II) として溶解するが、本
発明の銅の溶解はN2ガス雰囲気のような不活性雰囲気下
で行うことが特徴である。生成したアンミン銅(I) を常
にアンミン銅(II)に酸化される方が反応速度が速くなる
ため、酸素雰囲気下で溶解を行うのが普通である。本発
明者は、溶解した銅を1価の状態に保つことにより、次
に述べる工程2の銅粉の回収が容易になることを見いだ
した。
【0023】銅の溶解工程は、不活性雰囲気を保持する
ため、また処理溶液であるアンミン銅(II)水溶液からア
ンモニアが揮発するのを防ぐため、密閉系反応器を使用
することが必要である。(4) 式の銅の溶解反応を促進す
るため、溶液中にガスを吹き込み、溶液を攪拌すること
が望ましい。ガスの吹き込みは、同じく本発明者が提案
する特開平6−2053号公報に示すように、反応器にガス
循環系路を設け、ガスを循環使用するようにして行って
もよい。吹き込み用のガスは、アンミン銅 (I)溶液と反
応しないものであればよい。例えば、窒素、アルゴンガ
スが使用可能である。
ため、また処理溶液であるアンミン銅(II)水溶液からア
ンモニアが揮発するのを防ぐため、密閉系反応器を使用
することが必要である。(4) 式の銅の溶解反応を促進す
るため、溶液中にガスを吹き込み、溶液を攪拌すること
が望ましい。ガスの吹き込みは、同じく本発明者が提案
する特開平6−2053号公報に示すように、反応器にガス
循環系路を設け、ガスを循環使用するようにして行って
もよい。吹き込み用のガスは、アンミン銅 (I)溶液と反
応しないものであればよい。例えば、窒素、アルゴンガ
スが使用可能である。
【0024】銅の溶解に使用される水溶液のアンミン銅
(II)濃度は、高いほど銅の溶解速度が速くなるが、一般
に0.5 〜5Mの範囲が適当である。銅の溶解反応の進行
により、アンミン銅(II)の濃度が低下し、反応速度も低
下するため、反応器内のアンミン銅(II)濃度が0.2 M以
上に保つことが好ましい。反応温度は、高いほど溶解速
度が向上するが、あまり高いとアンミン銅(I) またはア
ンミン銅(II)の安定性が低下するため、室温〜70℃程度
が望ましい。
(II)濃度は、高いほど銅の溶解速度が速くなるが、一般
に0.5 〜5Mの範囲が適当である。銅の溶解反応の進行
により、アンミン銅(II)の濃度が低下し、反応速度も低
下するため、反応器内のアンミン銅(II)濃度が0.2 M以
上に保つことが好ましい。反応温度は、高いほど溶解速
度が向上するが、あまり高いとアンミン銅(I) またはア
ンミン銅(II)の安定性が低下するため、室温〜70℃程度
が望ましい。
【0025】銅を溶解した溶液浸出液は、次の銅の晶析
工程に付する前に、濾過などの手段により、スクラップ
に由来するゴミ類、鉄錆などの残渣を取り除くことが望
ましい。
工程に付する前に、濾過などの手段により、スクラップ
に由来するゴミ類、鉄錆などの残渣を取り除くことが望
ましい。
【0026】(2) 工程2 (銅の晶析) 工程2では、工程1で得られたアンミン銅(I) を含有す
る溶液を加熱し、アンミン銅(I) 錯体を分解させ、分解
生成物から銅粉を回収すると同時に、好ましくは生成し
たアンモニアガスと2価の銅塩を回収し、銅の溶解にリ
サイクルする。
る溶液を加熱し、アンミン銅(I) 錯体を分解させ、分解
生成物から銅粉を回収すると同時に、好ましくは生成し
たアンモニアガスと2価の銅塩を回収し、銅の溶解にリ
サイクルする。
【0027】前述の(4) 式に示すようにアンモニア性溶
液中では、1価の銅がアンミン銅(I) 錯体として安定で
あるが、溶液を加熱しアンモニアを蒸発させると、アン
ミン銅(I) 錯体は(5) 式のように分解する。アンモニア
の存在しない水溶液中では1価の銅イオンが逆に(6) 式
のような不均化反応を起こし、金属銅が析出する。
液中では、1価の銅がアンミン銅(I) 錯体として安定で
あるが、溶液を加熱しアンモニアを蒸発させると、アン
ミン銅(I) 錯体は(5) 式のように分解する。アンモニア
の存在しない水溶液中では1価の銅イオンが逆に(6) 式
のような不均化反応を起こし、金属銅が析出する。
【0028】 Cu(NH3)2 + = Cu+ +2NH3 ↑・・・・・・・・・・・・・・・・(5) 2 Cu+ = Cu↓+Cu2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6) 本発明では、アンモニア性溶液と非アンモニア性溶液に
おける、上記の1価の銅イオンの挙動の違いに注目し、
不活性雰囲気下で得られたアンミン銅(I) 溶液を加熱す
るだけで銅粉の回収を可能にした。
おける、上記の1価の銅イオンの挙動の違いに注目し、
不活性雰囲気下で得られたアンミン銅(I) 溶液を加熱す
るだけで銅粉の回収を可能にした。
【0029】晶析した銅粉は、沈降、濾過などの手段で
生成スラリーから分離すれば、回収することができる。
回収した銅粉は、好ましくは水洗した後、乾燥して製品
となる。生成したアンモニアガスと2価の銅塩は、銅の
溶解に用いる溶液の調製にリサイクルすることが望まし
い。
生成スラリーから分離すれば、回収することができる。
回収した銅粉は、好ましくは水洗した後、乾燥して製品
となる。生成したアンモニアガスと2価の銅塩は、銅の
溶解に用いる溶液の調製にリサイクルすることが望まし
い。
【0030】工程2で発生した2価の銅塩とアンモニア
ガスを溶液の調製にリサイクルすれば、アンミン銅(II)
溶液が再生するので、原理的には試薬は消費されない
が、スクラップの処理過程においてわずかにアンモニア
がロスし、調製溶液中のアンミン銅(II)濃度が低下した
場合には、必要に応じアンモニアを補給すればよい。
ガスを溶液の調製にリサイクルすれば、アンミン銅(II)
溶液が再生するので、原理的には試薬は消費されない
が、スクラップの処理過程においてわずかにアンモニア
がロスし、調製溶液中のアンミン銅(II)濃度が低下した
場合には、必要に応じアンモニアを補給すればよい。
【0031】工程2の晶析処理は、一般に常圧下で70〜
100 ℃に水溶液を加熱して行うが、フラッシュ蒸留装置
を用いるなどして、減圧下においてより低温で短時間に
晶析を完了させることもできる。常圧での晶析は、一般
の晶析槽を用いて水溶液を加熱することにより行うこと
ができる。
100 ℃に水溶液を加熱して行うが、フラッシュ蒸留装置
を用いるなどして、減圧下においてより低温で短時間に
晶析を完了させることもできる。常圧での晶析は、一般
の晶析槽を用いて水溶液を加熱することにより行うこと
ができる。
【0032】本発明の晶析工程で用いる連続晶析装置
は、塩基性炭酸亜鉛の晶析装置として特開平1−38045
号〜同1−38049 号の各公報に記載されている装置を、
若干の改良を加えて適用することができる。
は、塩基性炭酸亜鉛の晶析装置として特開平1−38045
号〜同1−38049 号の各公報に記載されている装置を、
若干の改良を加えて適用することができる。
【0033】まず、上記連続晶析装置の特徴を説明す
る。連続晶析装置はいずれも複数の多孔板またはスリッ
ト付きの棚段を有する棚段蒸留塔を含むことが特徴であ
る。棚段蒸留塔のみで晶析を行うこともできるが、蒸留
塔内で急激に多量の晶析が起こると、晶析した同結晶が
棚段に付着して蒸留塔が閉塞することがある。これを防
ぐために、特開平1−38049 号公報に記載されているよ
うに、蒸留塔の前に一基以上の晶析槽を設け、晶析のか
なりの部分を前段の晶析槽で行うことが望ましい。
る。連続晶析装置はいずれも複数の多孔板またはスリッ
ト付きの棚段を有する棚段蒸留塔を含むことが特徴であ
る。棚段蒸留塔のみで晶析を行うこともできるが、蒸留
塔内で急激に多量の晶析が起こると、晶析した同結晶が
棚段に付着して蒸留塔が閉塞することがある。これを防
ぐために、特開平1−38049 号公報に記載されているよ
うに、蒸留塔の前に一基以上の晶析槽を設け、晶析のか
なりの部分を前段の晶析槽で行うことが望ましい。
【0034】上記連続晶析装置を本発明の晶析工程に適
用する場合の改良点は溶液の加熱方法である。特開平1
−38045 号〜同1−38049 号の各公報に記載されている
晶析装置は、蒸留塔底から水蒸気を吹き込み、溶液を加
熱している。本発明に適用する場合には蒸留塔にボイラ
ーを備えてボイラーにより溶液を加熱する必要がある。
これは、水蒸気で溶液を希釈すると、銅の晶析後の銅(I
I)塩を含有する溶液を浸出液の調整にリサイクルする際
に、溶液の凝縮が必要になるからである。
用する場合の改良点は溶液の加熱方法である。特開平1
−38045 号〜同1−38049 号の各公報に記載されている
晶析装置は、蒸留塔底から水蒸気を吹き込み、溶液を加
熱している。本発明に適用する場合には蒸留塔にボイラ
ーを備えてボイラーにより溶液を加熱する必要がある。
これは、水蒸気で溶液を希釈すると、銅の晶析後の銅(I
I)塩を含有する溶液を浸出液の調整にリサイクルする際
に、溶液の凝縮が必要になるからである。
【0035】晶析処理中の1価の銅の酸化を防ぐため、
晶析処理は不活性雰囲気下で行うことが望ましい。酸素
が存在する場合は、1価の銅は酸化され、2価の銅を生
成する。酸素の存在により、銅粉の晶析量は減少し、リ
サイクルされる水溶液中の2価の銅イオン濃度が増大す
る。
晶析処理は不活性雰囲気下で行うことが望ましい。酸素
が存在する場合は、1価の銅は酸化され、2価の銅を生
成する。酸素の存在により、銅粉の晶析量は減少し、リ
サイクルされる水溶液中の2価の銅イオン濃度が増大す
る。
【0036】工程2でアンミン銅(II)溶液が再生し、銅
の溶解にリサイクルされるので、原理的には試薬は消費
されないが、スクラップの処理過程によりわずかにアン
モニアおよびアンモニウム塩がロスし、リサイクルされ
るアンミン銅(II)濃度が低下した場合には、それらを必
要に応じて補給するだけで、(5) 式の反応によりアンミ
ン銅(II)を必要な濃度に回復させることができる。
の溶解にリサイクルされるので、原理的には試薬は消費
されないが、スクラップの処理過程によりわずかにアン
モニアおよびアンモニウム塩がロスし、リサイクルされ
るアンミン銅(II)濃度が低下した場合には、それらを必
要に応じて補給するだけで、(5) 式の反応によりアンミ
ン銅(II)を必要な濃度に回復させることができる。
【0037】工程2の酸化反応は、アンモニアガスの揮
発ロスを防ぐため、密閉容器でおこなうことが望まし
い。また、酸素含有ガスは、本発明者が特願平4−1594
13号に示すように、反応器にガス循環系路を設け、ガス
を循環使用し、溶液中に吹き込むようにしてもよい。
発ロスを防ぐため、密閉容器でおこなうことが望まし
い。また、酸素含有ガスは、本発明者が特願平4−1594
13号に示すように、反応器にガス循環系路を設け、ガス
を循環使用し、溶液中に吹き込むようにしてもよい。
【0038】次に、図2にしたがって、本発明の態様を
説明する。 (1) 溶解工程1 (銅の溶解工程) 工程1における銅の溶解は前述の態様に同じであるから
説明を割愛する。
説明する。 (1) 溶解工程1 (銅の溶解工程) 工程1における銅の溶解は前述の態様に同じであるから
説明を割愛する。
【0039】(2) 工程2 (溶液酸化) 工程2では、溶液を酸素含有ガスと接触させ、(7) 式に
示すようにアンミン銅(I) を酸化させ、アンミン銅(II)
と酸化第2銅沈殿を生成させる。
示すようにアンミン銅(I) を酸化させ、アンミン銅(II)
と酸化第2銅沈殿を生成させる。
【0040】 2Cu(NH3)2 + +1/2O2 = Cu(NH3)4 2++CuO ↓・・・・・・・・・・(7) 晶析した酸化銅は、沈降、濾過などの手段で生成スラリ
ーから分離すれば、銅を酸化銅として直接回収すること
ができる。回収した酸化銅は、好ましくは水洗した後、
乾燥して製品となる。この酸化銅は、常法により還元し
て金属銅として利用することもできる。酸化第2銅を分
離したアンミン銅(II)水溶液はそのまま工程1の銅の溶
解にリサイクルすることができる。
ーから分離すれば、銅を酸化銅として直接回収すること
ができる。回収した酸化銅は、好ましくは水洗した後、
乾燥して製品となる。この酸化銅は、常法により還元し
て金属銅として利用することもできる。酸化第2銅を分
離したアンミン銅(II)水溶液はそのまま工程1の銅の溶
解にリサイクルすることができる。
【0041】浸出液中にフリーのアンモニアおよびアン
モニウム塩が存在しない場合は、上記(7) 式の反応に従
い、酸化銅が晶析するが、フリーのアンモニアおよびア
ンモニウム塩が存在する場合は、アンミン銅(I) の酸化
反応は(8) 式になる。
モニウム塩が存在しない場合は、上記(7) 式の反応に従
い、酸化銅が晶析するが、フリーのアンモニアおよびア
ンモニウム塩が存在する場合は、アンミン銅(I) の酸化
反応は(8) 式になる。
【0042】 2Cu(NH3)2 + +2NH3+2NH4 + +1/2O2 = 2Cu(NH3)4 2++H2O ・・・・・(8) 浸出液中のフリーのアンモニアおよびアンモニウム塩の
共存により(7) 式の反応による酸化銅の晶析量は減少
し、リサイクルされる水溶液中のアンミン銅(II)濃度が
増大する。従って、酸化銅を析出させるためには、浸出
液中のフリーのアンモニアおよびアンモニウム塩濃度を
低くすることが望ましい。
共存により(7) 式の反応による酸化銅の晶析量は減少
し、リサイクルされる水溶液中のアンミン銅(II)濃度が
増大する。従って、酸化銅を析出させるためには、浸出
液中のフリーのアンモニアおよびアンモニウム塩濃度を
低くすることが望ましい。
【0043】この態様にあってはアンミン銅(II)溶液は
そのまま工程1にリサイクルさせて使用することができ
る。次に、本発明の作用効果を実施例によってさらに具
体的に説明する。
そのまま工程1にリサイクルさせて使用することができ
る。次に、本発明の作用効果を実施例によってさらに具
体的に説明する。
【0044】
(実施例1)廃自動車をシュレッダーにより裁断した、銅
含有量0.5 重量%のフェロスクラップ (シュレッダー
屑) を、アンミン銅(II)水溶液を用いて次に述べる本発
明の方法により処理した。
含有量0.5 重量%のフェロスクラップ (シュレッダー
屑) を、アンミン銅(II)水溶液を用いて次に述べる本発
明の方法により処理した。
【0045】工程1 内容積1.5 m3のステンレス鋼製容器に1Mの硫酸銅溶液
を入れ、さらにアンモニアガスを吹き込み、Cu(NH3)4SO
4 濃度1.0 Mの水溶液を得た。得られたアンミン銅(II)
水溶液に重量0.5 ton の上記シュレッダー屑を入れ、反
応器内を窒素ガスで置換した。温度40℃で窒素ガスを1
m3/ min の流量で循環させることにより、3時間ガスバ
ブリングを行った。その後、スクラップを取り出し、水
洗・乾燥後に電気炉で溶製し、銅含有量0.08重量%の電
気炉鋼を得た。脱銅率は84%であった。
を入れ、さらにアンモニアガスを吹き込み、Cu(NH3)4SO
4 濃度1.0 Mの水溶液を得た。得られたアンミン銅(II)
水溶液に重量0.5 ton の上記シュレッダー屑を入れ、反
応器内を窒素ガスで置換した。温度40℃で窒素ガスを1
m3/ min の流量で循環させることにより、3時間ガスバ
ブリングを行った。その後、スクラップを取り出し、水
洗・乾燥後に電気炉で溶製し、銅含有量0.08重量%の電
気炉鋼を得た。脱銅率は84%であった。
【0046】この水溶液は、同じ量のスクラップの処理
に計25回繰り返し使用し、合計約10トンのスクラップを
上記水溶液で処理した。20回の処理を行った後に得られ
た水溶液中のアンミン銅(I) 濃度は1.2 M、アンミン銅
(II)濃度は0.4 Mであった。
に計25回繰り返し使用し、合計約10トンのスクラップを
上記水溶液で処理した。20回の処理を行った後に得られ
た水溶液中のアンミン銅(I) 濃度は1.2 M、アンミン銅
(II)濃度は0.4 Mであった。
【0047】工程2 工程2で得られたアンミン銅(I) を含有する溶液を濾過
し、残渣を取り除いた後、容積200 リットルの晶析槽2
基と、ボイラーを有する直径150 mm×高さ4500mmの多孔
板型の棚段蒸留塔を備えた晶析装置で加熱して錯体を分
解させ、微細な銅粉を晶析させた。水溶液は100L/ hrの
流量で第1晶析槽に供給し、蒸留塔底のボイラーから蒸
気を発生させ、溶液と発生蒸気を向流で接触させながら
連続晶析を10時間続けた。蒸留塔から抜き出されたスラ
リーを濾過し、乾燥後に約38kgの銅粉を得た。銅粉を分
離された硫酸銅を含有する溶液を冷却した後、第1晶析
槽から排出されたアンモニアをこの溶液吸収し、アンミ
ン銅(II)硫酸塩を再生することができた。
し、残渣を取り除いた後、容積200 リットルの晶析槽2
基と、ボイラーを有する直径150 mm×高さ4500mmの多孔
板型の棚段蒸留塔を備えた晶析装置で加熱して錯体を分
解させ、微細な銅粉を晶析させた。水溶液は100L/ hrの
流量で第1晶析槽に供給し、蒸留塔底のボイラーから蒸
気を発生させ、溶液と発生蒸気を向流で接触させながら
連続晶析を10時間続けた。蒸留塔から抜き出されたスラ
リーを濾過し、乾燥後に約38kgの銅粉を得た。銅粉を分
離された硫酸銅を含有する溶液を冷却した後、第1晶析
槽から排出されたアンモニアをこの溶液吸収し、アンミ
ン銅(II)硫酸塩を再生することができた。
【0048】(実施例2)廃自動車から手選別により得ら
れた、銅含有量23重量%の小型モーターコイルを600 ℃
で30分熱処理した後、次に述べる本発明の方法で処理し
た。内容積1.5 m3のステンレス鋼製の銅溶解槽と、実施
例1と同様の晶析装置をいた。銅溶解槽に1.0 m3のアン
ミン銅(II)濃度1.0 Mの水溶液を入れ、0.5 トンの上記
小型モーターコイルを装入した後、反応器内を窒素ガス
で置換した。温度40℃で窒素ガスを1m3/ min の流量で
循環させることにより、ガスバブリングを行った。20分
後、ガスバブリングを継続すると共に、600L/hr の流量
で連続的に溶解槽からアンミン銅(I) を含む溶液を抜き
出し、晶析装置に移送して金属銅を晶析させた。600L/
hrの流量で連続的に蒸留槽底からスラリーを含む溶液を
抜き出した。抜き出した溶液はフィルターにより銅粉を
濾過した。銅粉を分離された硫酸銅を含有する溶液は、
冷却後、第1晶析槽から排出されたアンモニアガスの吸
収に使用し、アンミン銅(II)硫酸塩を再生させ、溶解槽
にリサイクルさせた。上記処理は6時間続けた。
れた、銅含有量23重量%の小型モーターコイルを600 ℃
で30分熱処理した後、次に述べる本発明の方法で処理し
た。内容積1.5 m3のステンレス鋼製の銅溶解槽と、実施
例1と同様の晶析装置をいた。銅溶解槽に1.0 m3のアン
ミン銅(II)濃度1.0 Mの水溶液を入れ、0.5 トンの上記
小型モーターコイルを装入した後、反応器内を窒素ガス
で置換した。温度40℃で窒素ガスを1m3/ min の流量で
循環させることにより、ガスバブリングを行った。20分
後、ガスバブリングを継続すると共に、600L/hr の流量
で連続的に溶解槽からアンミン銅(I) を含む溶液を抜き
出し、晶析装置に移送して金属銅を晶析させた。600L/
hrの流量で連続的に蒸留槽底からスラリーを含む溶液を
抜き出した。抜き出した溶液はフィルターにより銅粉を
濾過した。銅粉を分離された硫酸銅を含有する溶液は、
冷却後、第1晶析槽から排出されたアンモニアガスの吸
収に使用し、アンミン銅(II)硫酸塩を再生させ、溶解槽
にリサイクルさせた。上記処理は6時間続けた。
【0049】処理終了後、スクラップを取り出し、水洗
・乾燥後に電気炉で溶製し、銅含有量0.2 重量%の電気
炉鋼を得た。脱銅率は99%であった。一方、濾過して得
られたスラリーからは、乾燥後約110 kgの銅粉が得られ
た。
・乾燥後に電気炉で溶製し、銅含有量0.2 重量%の電気
炉鋼を得た。脱銅率は99%であった。一方、濾過して得
られたスラリーからは、乾燥後約110 kgの銅粉が得られ
た。
【0050】(実施例3)廃自動車をシュレッダーにより
裁断した、銅含有量0.5 重量%のフェロスクラップ (シ
ュレッダー屑) を、アンミン銅(II)水溶液を用いて次に
述べる本発明の方法により処理した。
裁断した、銅含有量0.5 重量%のフェロスクラップ (シ
ュレッダー屑) を、アンミン銅(II)水溶液を用いて次に
述べる本発明の方法により処理した。
【0051】工程1 内容積1.5 m3のステンレス鋼製容器に1.0 m3の水を入
れ、この水にアンモニアと炭酸ガスを4:1の流量比で
吹き込み、アンモニア濃度が2.0 M、炭酸アンモニウム
濃度が1.0 Mの水溶液を得た。この水溶液に酸化銅80kg
を溶解し、Cu(NH3)4CO3 濃度1.0 Mの水溶液を得た。得
られたアンミン銅(II)水溶液に重量0.5 ton の上記シュ
レッダー屑を入れ、反応器内を窒素ガスで置換した。温
度40℃で窒素ガスを1m3/ min の流量で循環させること
により、3時間ガスバブリングを行った。その後、スク
ラップを取り出し、水洗・乾燥後に電気炉で溶製し、銅
含有量0.08重量%の電気炉鋼を得た。脱銅率は84%であ
った。
れ、この水にアンモニアと炭酸ガスを4:1の流量比で
吹き込み、アンモニア濃度が2.0 M、炭酸アンモニウム
濃度が1.0 Mの水溶液を得た。この水溶液に酸化銅80kg
を溶解し、Cu(NH3)4CO3 濃度1.0 Mの水溶液を得た。得
られたアンミン銅(II)水溶液に重量0.5 ton の上記シュ
レッダー屑を入れ、反応器内を窒素ガスで置換した。温
度40℃で窒素ガスを1m3/ min の流量で循環させること
により、3時間ガスバブリングを行った。その後、スク
ラップを取り出し、水洗・乾燥後に電気炉で溶製し、銅
含有量0.08重量%の電気炉鋼を得た。脱銅率は84%であ
った。
【0052】この水溶液は、同じ量のスクラップの処理
に計25回繰り返し使用し、合計約10トンのスクラップを
上記水溶液で処理した。20回の処理を行った後に得られ
た水溶液中のアンミン銅(I) 濃度は1.2 M、アンミン銅
(II)濃度は0.4 Mであった。
に計25回繰り返し使用し、合計約10トンのスクラップを
上記水溶液で処理した。20回の処理を行った後に得られ
た水溶液中のアンミン銅(I) 濃度は1.2 M、アンミン銅
(II)濃度は0.4 Mであった。
【0053】工程2 工程1で得られたアンミン銅(I) とアンミン銅(II)を含
有する溶液を濾過し、残渣を取り除いた後、工程1と同
じ反応器に入れ、酸素を500L/ min の流量で30分間溶液
に吹き込んだ。その後、反応器の底から抜き出したスラ
リーを濾過し、乾燥後に約48kgの酸化銅を得た。酸化銅
を濾過した後の溶液のアンミン銅(II)濃度は約1Mに戻
った。
有する溶液を濾過し、残渣を取り除いた後、工程1と同
じ反応器に入れ、酸素を500L/ min の流量で30分間溶液
に吹き込んだ。その後、反応器の底から抜き出したスラ
リーを濾過し、乾燥後に約48kgの酸化銅を得た。酸化銅
を濾過した後の溶液のアンミン銅(II)濃度は約1Mに戻
った。
【0054】(実施例4)廃自動車から手選別により得ら
れた、銅含有量23重量%の小型モーターコイルを600 ℃
で30分熱処理した後、次に述べる本発明の方法で処理し
た。内容積1.5 m3のステンレス鋼製の銅溶解槽と、内容
積0.2 m3のステンレス鋼製の溶液酸化槽と、CuO 濾過用
のフィルターからなる装置を用いた。銅溶解槽に1.0 m3
のアンミン銅(II)濃度1.0 Mの水溶液を入れ、0.5 トン
の上記小型モーターコイルを装入した後、反応器内を窒
素ガスで置換した。温度40℃で窒素ガスを1m3/ min の
流量で循環させることにより、ガスバブリングを行っ
た。20分後、ガスバブリングを継続すると共に、10L/mi
n の流量で連続的に溶解槽から溶液を抜き出し、酸化槽
に移送した。酸化槽の溶液が150Lに蓄積した後、100L/
min の流量で酸素を吹き込みながら、10L/min の流量で
連続的に酸化槽からスラリーを含む溶液を抜き出した。
抜き出した溶液はフィルターにより酸化銅を濾過した
後、連続的に反応槽にリサイクルした。上記処理は6時
間続けた。
れた、銅含有量23重量%の小型モーターコイルを600 ℃
で30分熱処理した後、次に述べる本発明の方法で処理し
た。内容積1.5 m3のステンレス鋼製の銅溶解槽と、内容
積0.2 m3のステンレス鋼製の溶液酸化槽と、CuO 濾過用
のフィルターからなる装置を用いた。銅溶解槽に1.0 m3
のアンミン銅(II)濃度1.0 Mの水溶液を入れ、0.5 トン
の上記小型モーターコイルを装入した後、反応器内を窒
素ガスで置換した。温度40℃で窒素ガスを1m3/ min の
流量で循環させることにより、ガスバブリングを行っ
た。20分後、ガスバブリングを継続すると共に、10L/mi
n の流量で連続的に溶解槽から溶液を抜き出し、酸化槽
に移送した。酸化槽の溶液が150Lに蓄積した後、100L/
min の流量で酸素を吹き込みながら、10L/min の流量で
連続的に酸化槽からスラリーを含む溶液を抜き出した。
抜き出した溶液はフィルターにより酸化銅を濾過した
後、連続的に反応槽にリサイクルした。上記処理は6時
間続けた。
【0055】処理終了後、スクラップを取り出し、水洗
・乾燥後に電気炉で溶製し、銅含有量0.2 重量%の電気
炉鋼を得た。脱銅率は99%であった。一方、濾過して得
られたスラリーは、乾燥後約140 kgの酸化銅が得られ
た。
・乾燥後に電気炉で溶製し、銅含有量0.2 重量%の電気
炉鋼を得た。脱銅率は99%であった。一方、濾過して得
られたスラリーは、乾燥後約140 kgの酸化銅が得られ
た。
【0056】
【発明の効果】本発明の方法によれば、低いエネルギー
消費量で銅を含有するフェロスクラプから簡単な操作に
より、効率よく銅を分離・回収することができる。ま
た、銅の溶解に使用するアンミン銅(II)溶液は、その後
のアンミン銅(I) を含有する溶液を加熱するだけで再生
するので、あるいはアンミン銅(I) の酸化だけで再生す
るので、薬剤の補給をほとんど必要とせず、スクラップ
処理を続けることができ、非常に経済的である。従っ
て、本発明は、フェロスクラップのリサイクルを促進
し、同時に銅資源の有効利用も図ることができ、省資源
に寄与する技術である。
消費量で銅を含有するフェロスクラプから簡単な操作に
より、効率よく銅を分離・回収することができる。ま
た、銅の溶解に使用するアンミン銅(II)溶液は、その後
のアンミン銅(I) を含有する溶液を加熱するだけで再生
するので、あるいはアンミン銅(I) の酸化だけで再生す
るので、薬剤の補給をほとんど必要とせず、スクラップ
処理を続けることができ、非常に経済的である。従っ
て、本発明は、フェロスクラップのリサイクルを促進
し、同時に銅資源の有効利用も図ることができ、省資源
に寄与する技術である。
【図1】本発明の脱銅プロセスの1例を示す工程図であ
る。
る。
【図2】本発明の別の態様における脱銅プロセスの1例
を示す工程図である。
を示す工程図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 (i) 銅を含有するフェロスクラップを、
不活性雰囲気下でアンミン銅 (II) 錯体水溶液の浸出液
に接触させ、該スクラップ中の銅を選択的にアンミン銅
(I)錯体として該水溶液に溶解した後、前記スクラップ
を水溶液から分離する工程1; および(ii)工程1で得ら
れた水溶液を加熱して、該水溶液中のアンミン銅(I) 錯
体を分解させ、分解生成物から銅粉を回収する工程2;
からなることを特徴とするフェロスクラップの脱銅方
法。 - 【請求項2】 前記工程2で発生したアンモニアガス、
および銅粉を分離した後の銅 (II) 塩溶液をリサイクル
して工程1で用いる浸出液を調製することを特徴とす
る、請求項1記載のフェロスクラップの脱銅方法。 - 【請求項3】 (i) 銅を含有するフェロスクラップを、
不活性雰囲気下でアンミン銅 (II) 錯体水溶液の浸出液
に接触させ、該スクラップ中の銅を選択的にアンミン銅
(I)錯体として該水溶液に溶解した後、前記スクラップ
を水溶液から分離する工程1; および(ii)工程1で得ら
れた水溶液を酸素含有ガスと接触させ、アンミン銅(I)
錯体をアンミン銅(II)と酸化第2銅に酸化させて、晶析
した酸化第2銅を分離・回収する工程2;からなること
を特徴とするフェロスクラップの脱銅方法。 - 【請求項4】 前記工程2にて酸化第2銅を分離した後
のアンミン銅(II)錯体水溶液をリサイクルして工程1に
おける銅溶解の浸出液として用いることを特徴とする、
請求項3記載のフェロスクラップの脱銅方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6299698A JPH08157977A (ja) | 1994-12-02 | 1994-12-02 | フェロスクラップの脱銅方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6299698A JPH08157977A (ja) | 1994-12-02 | 1994-12-02 | フェロスクラップの脱銅方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08157977A true JPH08157977A (ja) | 1996-06-18 |
Family
ID=17875892
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6299698A Withdrawn JPH08157977A (ja) | 1994-12-02 | 1994-12-02 | フェロスクラップの脱銅方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08157977A (ja) |
-
1994
- 1994-12-02 JP JP6299698A patent/JPH08157977A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020205 |