JPH08158014A - 耐遅れ破壊性、耐摩耗性及び靱性に優れた高強度レール及びその製造方法 - Google Patents
耐遅れ破壊性、耐摩耗性及び靱性に優れた高強度レール及びその製造方法Info
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- JPH08158014A JPH08158014A JP27214195A JP27214195A JPH08158014A JP H08158014 A JPH08158014 A JP H08158014A JP 27214195 A JP27214195 A JP 27214195A JP 27214195 A JP27214195 A JP 27214195A JP H08158014 A JPH08158014 A JP H08158014A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、耐遅れ破壊性、耐摩耗性及び靱性
に優れた高強度レール及びその製造方法を課題とする。 【解決手段】 (a)wt%で、C:0.2〜0.5
%、Si:0.1〜2% Mn:1〜4%、P:0.035%以下、S:0.03
5%以下、Cr:0.3〜3%、Nb:0.05〜0.
1%、残部が実質的に鉄からなる成分組成を有するレー
ルであって、(b)前記レールの金属組織がベイナイト
組織であり、(c)前記レールの頭部及び頭部コーナー
部の硬度がいずれの位置においてもHVで400〜50
0の間にある。また、前記レールの成分組成に加え、N
i:0.1〜1%、Mo:0.1〜1%、V:0.01
〜0.1%を1種以上含有する耐遅れ破壊性、耐摩耗性
及び靱性に優れた高強度レールである。
に優れた高強度レール及びその製造方法を課題とする。 【解決手段】 (a)wt%で、C:0.2〜0.5
%、Si:0.1〜2% Mn:1〜4%、P:0.035%以下、S:0.03
5%以下、Cr:0.3〜3%、Nb:0.05〜0.
1%、残部が実質的に鉄からなる成分組成を有するレー
ルであって、(b)前記レールの金属組織がベイナイト
組織であり、(c)前記レールの頭部及び頭部コーナー
部の硬度がいずれの位置においてもHVで400〜50
0の間にある。また、前記レールの成分組成に加え、N
i:0.1〜1%、Mo:0.1〜1%、V:0.01
〜0.1%を1種以上含有する耐遅れ破壊性、耐摩耗性
及び靱性に優れた高強度レールである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速運転される列
車、あるいは高軸荷重の条件下における鉱山鉄道用のレ
ールに要求される耐摩耗性に加えて、更に寒冷地で要求
される靱性と耐遅れ破壊性にも優れた高強度レール及び
その製造方法に関するものである。
車、あるいは高軸荷重の条件下における鉱山鉄道用のレ
ールに要求される耐摩耗性に加えて、更に寒冷地で要求
される靱性と耐遅れ破壊性にも優れた高強度レール及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道のレールは耐摩耗性、耐転動
疲労特性等を重視する観点から高強度化のみが指向され
てきた。しかし近年、鉄道輸送の高速化と高軸荷重化に
伴い、レールの使用条件はますます厳しいものになって
きている。特にロシアやカナダのような寒冷地では靱性
の優れた高強度レールが要求されるようになってきた。
しかし、現在の普通レールの靱性は2mmUノッチシャ
ルピー吸収エネルギーが20℃で10J未満と低く、5
J増加させるのも困難である。
疲労特性等を重視する観点から高強度化のみが指向され
てきた。しかし近年、鉄道輸送の高速化と高軸荷重化に
伴い、レールの使用条件はますます厳しいものになって
きている。特にロシアやカナダのような寒冷地では靱性
の優れた高強度レールが要求されるようになってきた。
しかし、現在の普通レールの靱性は2mmUノッチシャ
ルピー吸収エネルギーが20℃で10J未満と低く、5
J増加させるのも困難である。
【0003】レールの強度、靱性を向上させる手段とし
ては、従来次の2つの熱処理方法が開示されている。 レール圧延終了後いったんレールを冷却した後に、A
c3 点以上に再加熱して加速冷却を行うオフライン熱処
理法(特開昭63−128123号公報)。 レール圧延終了後、Ar3 点以上の温度にある段階で
そのまま加速冷却を行うオンライン熱処理法(特公昭6
3−23244号公報)。
ては、従来次の2つの熱処理方法が開示されている。 レール圧延終了後いったんレールを冷却した後に、A
c3 点以上に再加熱して加速冷却を行うオフライン熱処
理法(特開昭63−128123号公報)。 レール圧延終了後、Ar3 点以上の温度にある段階で
そのまま加速冷却を行うオンライン熱処理法(特公昭6
3−23244号公報)。
【0004】また、従来のレールは、高強度化と耐摩耗
性を向上する観点から微細パーライト組織としている
が、パーライト組織では靱性の大幅は向上は望めないの
で、微細パーライト組織に比べより高靱性のベイナイト
組織を有する以下のようなレールも開示されている。
性を向上する観点から微細パーライト組織としている
が、パーライト組織では靱性の大幅は向上は望めないの
で、微細パーライト組織に比べより高靱性のベイナイト
組織を有する以下のようなレールも開示されている。
【0005】C量を従来成分よりも幾分低くし、さら
にレールの頭頂部と頭部コーナー部に硬度差をつけ、耐
ころがり疲労損傷性を良好にしたベイナイト組織の有す
るレール(特開平2−282448号公報)。 C量を従来成分よりも低くし、レール頭部表面の耐こ
ろがり疲労損傷性を向上させるためために有効なベイナ
イト組織を有するレール(特開平5−271871号公
報)。
にレールの頭頂部と頭部コーナー部に硬度差をつけ、耐
ころがり疲労損傷性を良好にしたベイナイト組織の有す
るレール(特開平2−282448号公報)。 C量を従来成分よりも低くし、レール頭部表面の耐こ
ろがり疲労損傷性を向上させるためために有効なベイナ
イト組織を有するレール(特開平5−271871号公
報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記熱
処理方法やレールには、それぞれ以下ののような問題が
ある。上記の方法では、加速冷却することで鋼を低温
で変態させ、組織の微細化を図れ、かつ変態を繰り返す
ことによる組織を微細化させる効果がある。このため高
強度、高靱性のレールが得られる。しかし、冷却後に再
加熱を行うため熱効率の観点から好ましくない。
処理方法やレールには、それぞれ以下ののような問題が
ある。上記の方法では、加速冷却することで鋼を低温
で変態させ、組織の微細化を図れ、かつ変態を繰り返す
ことによる組織を微細化させる効果がある。このため高
強度、高靱性のレールが得られる。しかし、冷却後に再
加熱を行うため熱効率の観点から好ましくない。
【0007】上記の方法では、圧延終了後そのまま加
速冷却を行うため熱効率はよい。しかし、従来の鋼成分
のレールでは加速冷却により強度の向上は図れるもの
の、大幅な靱性の改善は難しい。
速冷却を行うため熱効率はよい。しかし、従来の鋼成分
のレールでは加速冷却により強度の向上は図れるもの
の、大幅な靱性の改善は難しい。
【0008】図1には、パーライト組織、ベイナイト組
織及び焼き戻しマルテイサイト組織を有するレールの硬
度と摩耗量の関係を示す。ベイナイト組織はパーライト
組織に比べ同じ硬さでも摩耗量が多いことがわかる。こ
うしたベイナイト組織が有する耐摩耗性の欠点を補うた
めに考えられたのが上記、に示したレールである。
織及び焼き戻しマルテイサイト組織を有するレールの硬
度と摩耗量の関係を示す。ベイナイト組織はパーライト
組織に比べ同じ硬さでも摩耗量が多いことがわかる。こ
うしたベイナイト組織が有する耐摩耗性の欠点を補うた
めに考えられたのが上記、に示したレールである。
【0009】しかし、このようなベイナイト組織を有す
るレールは、鉱山鉄道などの重軸荷重条件下で使用され
た場合、レール寿命が著しく短くなるという欠点があ
る。また、重軸荷重条件下では、高強度化に伴う遅れ破
壊の発生することも考慮する必要がある。
るレールは、鉱山鉄道などの重軸荷重条件下で使用され
た場合、レール寿命が著しく短くなるという欠点があ
る。また、重軸荷重条件下では、高強度化に伴う遅れ破
壊の発生することも考慮する必要がある。
【0010】そこで、本発明は、寒冷地や重軸荷重条件
下のような厳しい条件下におかれても、上記のような特
性上の問題が生じない耐遅れ破壊性及び靱性に優れた高
強度レール及びその安価な製造方法を提供することを目
的とする。
下のような厳しい条件下におかれても、上記のような特
性上の問題が生じない耐遅れ破壊性及び靱性に優れた高
強度レール及びその安価な製造方法を提供することを目
的とする。
【0011】具体的には、レールの引張強度が1300
MPa以上、20℃における2mmUノッチのシャルピ
ー吸収エネルギーが30J以上、耐遅れ破壊性
(K1SCC)が100Kgf・mm-3/2以上であるレール
を課題とする。引張強度が1300MPa以上あれば、
従来のパーライト型高強度レールと同等以上の耐摩耗性
が得られ、また、靱性が30J以上あればロシアの規格
である18Jより1.5倍以上も優れた特性が得られる
ためである。
MPa以上、20℃における2mmUノッチのシャルピ
ー吸収エネルギーが30J以上、耐遅れ破壊性
(K1SCC)が100Kgf・mm-3/2以上であるレール
を課題とする。引張強度が1300MPa以上あれば、
従来のパーライト型高強度レールと同等以上の耐摩耗性
が得られ、また、靱性が30J以上あればロシアの規格
である18Jより1.5倍以上も優れた特性が得られる
ためである。
【0012】遅れ破壊特性は、片持ち張り式遅れ破壊試
験機を用いて求めたK1SCCで評価し、レールより応力、
切り欠条件の厳しい130kg級ボルト鋼の場合、K
1SCCが100kgf・m-3/2以上であれば、レールの使
用上問題ないことがわかっているので、この値を判定基
準とした。
験機を用いて求めたK1SCCで評価し、レールより応力、
切り欠条件の厳しい130kg級ボルト鋼の場合、K
1SCCが100kgf・m-3/2以上であれば、レールの使
用上問題ないことがわかっているので、この値を判定基
準とした。
【0013】
(1)第1の発明は、下記の特徴(成分組成はwt%で
ある)を備えた耐遅れ破壊性、耐摩耗性及び靱性に優れ
た高強度レールである。 (a)C:0.2〜0.5%、Si:0.1〜2% Mn:1〜4%、P:0.035%以下、S:0.03
5%以下、Cr:0.3〜3% Nb:0.05〜0.1% 残部が実質的に鉄からなる成分組成を有するレールであ
って、(b)前記レールの金属組織がベイナイト組織で
あり、(c)前記レールの頭部及び頭部コーナー部の硬
度がいずれの位置においてもHVで400〜500の間
にある。
ある)を備えた耐遅れ破壊性、耐摩耗性及び靱性に優れ
た高強度レールである。 (a)C:0.2〜0.5%、Si:0.1〜2% Mn:1〜4%、P:0.035%以下、S:0.03
5%以下、Cr:0.3〜3% Nb:0.05〜0.1% 残部が実質的に鉄からなる成分組成を有するレールであ
って、(b)前記レールの金属組織がベイナイト組織で
あり、(c)前記レールの頭部及び頭部コーナー部の硬
度がいずれの位置においてもHVで400〜500の間
にある。
【0014】(2)第2の発明は、第1の発明のレール
の成分組成に加え、Ni:0.1〜1%、Mo:0.1
〜1%、V:0.01〜0.1%を1種以上含有するこ
とを特徴とする耐遅れ破壊性、耐摩耗性及び靱性に優れ
た高強度レールである。
の成分組成に加え、Ni:0.1〜1%、Mo:0.1
〜1%、V:0.01〜0.1%を1種以上含有するこ
とを特徴とする耐遅れ破壊性、耐摩耗性及び靱性に優れ
た高強度レールである。
【0015】(3)第3の発明は、第1及び第2の発明
において、レールの引張強度が1300MPa以上、2
0℃における2mmUノッチのシャルピー吸収エネルギ
ーが30J以上、耐遅れ破壊性(K1SCC)が100Kg
f・mm-3/2以上である耐遅れ破壊性、耐摩耗性及び靱
性に優れた高強度レールである。
において、レールの引張強度が1300MPa以上、2
0℃における2mmUノッチのシャルピー吸収エネルギ
ーが30J以上、耐遅れ破壊性(K1SCC)が100Kg
f・mm-3/2以上である耐遅れ破壊性、耐摩耗性及び靱
性に優れた高強度レールである。
【0016】(4)第4の発明は、下記の工程を備えた
ことを特徴とする(成分組成はwt%である)を備えた
耐遅れ破壊性、耐摩耗性及び靱性に優れた高強度レール
の製造方法である。 (a)C:0.2〜0.5%、Si:0.1〜2% Mn:1〜4%、P:0.035%以下、S:0.03
5%以下、Cr:0.3〜3% Nb:0.05〜0.1% 残部が実質的に鉄からなる成分組成を有する鋼を用意
し、(b)前記鋼を800〜1000℃の範囲でレール
に熱間圧延し、(c)前記レールをオンラインでベイナ
イト変態開始点以上の温度から400℃以下までの冷却
速度を5℃/sec 以下にする。
ことを特徴とする(成分組成はwt%である)を備えた
耐遅れ破壊性、耐摩耗性及び靱性に優れた高強度レール
の製造方法である。 (a)C:0.2〜0.5%、Si:0.1〜2% Mn:1〜4%、P:0.035%以下、S:0.03
5%以下、Cr:0.3〜3% Nb:0.05〜0.1% 残部が実質的に鉄からなる成分組成を有する鋼を用意
し、(b)前記鋼を800〜1000℃の範囲でレール
に熱間圧延し、(c)前記レールをオンラインでベイナ
イト変態開始点以上の温度から400℃以下までの冷却
速度を5℃/sec 以下にする。
【0017】(5)第5の発明は、第4の発明におい
て、前記鋼の成分組成が更に、Ni:0.1〜1%、M
o:0.1〜1%、V:0.01〜0.1%を1種以上
含有することを特徴とする請求項4に記載された耐遅れ
破壊性、耐摩耗性及び靱性に優れた高強度レールの製造
方法である。
て、前記鋼の成分組成が更に、Ni:0.1〜1%、M
o:0.1〜1%、V:0.01〜0.1%を1種以上
含有することを特徴とする請求項4に記載された耐遅れ
破壊性、耐摩耗性及び靱性に優れた高強度レールの製造
方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のレールの成分組成(wt
%)、ミクロ組織、硬度及び製造条件についての限定理
由を以下に述べる。
%)、ミクロ組織、硬度及び製造条件についての限定理
由を以下に述べる。
【0019】C:0.2〜0.5%とする。 Cは鋼の強度及び耐磨耗性を確保するための必須の元素
であり、0.2%未満ではレール鋼としての硬さを安価
に確保することが難しい。また、0.5%を超えるとレ
ール頭部に均一なベイナイト組織が得られず靱性を劣化
させてしまう。そこで、上記範囲とする。
であり、0.2%未満ではレール鋼としての硬さを安価
に確保することが難しい。また、0.5%を超えるとレ
ール頭部に均一なベイナイト組織が得られず靱性を劣化
させてしまう。そこで、上記範囲とする。
【0020】Si:0.1〜2%とする。 Siは脱酸剤として有効なだけでなく、ベイナイト組織
中のフェライトに固溶して強度を上昇させ耐摩耗性を向
上させる元素であるが、0.1%未満ではその効果が認
められず2%を超えると鋼の脆化が生じる。そこで、上
記範囲とする。
中のフェライトに固溶して強度を上昇させ耐摩耗性を向
上させる元素であるが、0.1%未満ではその効果が認
められず2%を超えると鋼の脆化が生じる。そこで、上
記範囲とする。
【0021】Mn:1〜4%とする。 Mnはベイナイト変態温度を低下させ焼入性を高めるこ
とによりレールの高強度化に寄与する元素である。しか
し、1%未満ではその効果が小さく、4%を超えると鋼
のミクロ偏析によるマルテンサイト組織を生じ易く、熱
処理時及び溶接時に硬化や脆化を生じ材質劣化を来すの
で好ましくない。そこで、上記範囲とする。
とによりレールの高強度化に寄与する元素である。しか
し、1%未満ではその効果が小さく、4%を超えると鋼
のミクロ偏析によるマルテンサイト組織を生じ易く、熱
処理時及び溶接時に硬化や脆化を生じ材質劣化を来すの
で好ましくない。そこで、上記範囲とする。
【0022】P:0.035%以下とする。 Pは0.035%を超えると靱性を劣化するためであ
る。
る。
【0023】S:0.035%以下とする。 Sは主に介在物の形態で鋼中に存在するが、0.035
%を超えるとこの介在物量が著しく増加して、材質の劣
化を引き起こすためである。
%を超えるとこの介在物量が著しく増加して、材質の劣
化を引き起こすためである。
【0024】Cr:0.3〜3%とする。 Crはベイナイト焼入性を増加する元素であり、本発明
鋼では金属組織をベイナイト組織として高強度化を図る
ため、非常に重要な元素である。0.3%未満ではベイ
ナイト焼入性が低く、金属組織が均一なベイナイト組織
にならない。一方、3.5%を超えるとマルテンサイト
が生成しやすくなり好ましくない。そこで、上記範囲と
する。
鋼では金属組織をベイナイト組織として高強度化を図る
ため、非常に重要な元素である。0.3%未満ではベイ
ナイト焼入性が低く、金属組織が均一なベイナイト組織
にならない。一方、3.5%を超えるとマルテンサイト
が生成しやすくなり好ましくない。そこで、上記範囲と
する。
【0025】Nb:0.05〜0.1%とする。 Nbはベイナイト中のCと結び付いて圧延後に析出する
ことから、頭部の内部まで析出強化により硬度を高く
し、耐摩耗性を向上させレールの寿命を延ばすために有
効である。また、Nbは結晶粒の微細化、粒界への炭化
物の析出を防止し、耐遅れ破壊性を向上させる。ただ
し、その効果は0.05%未満では効果がなく、0.1
%を超えるとその効果が飽和する。そこで、上記範囲と
する。
ことから、頭部の内部まで析出強化により硬度を高く
し、耐摩耗性を向上させレールの寿命を延ばすために有
効である。また、Nbは結晶粒の微細化、粒界への炭化
物の析出を防止し、耐遅れ破壊性を向上させる。ただ
し、その効果は0.05%未満では効果がなく、0.1
%を超えるとその効果が飽和する。そこで、上記範囲と
する。
【0026】Ni:0.1〜1%とする。 Mo:0.1〜1%とする。 V:0.01〜0.1%とする。 Ni、Moはいずれもベイナイトに固溶してベイナイト
焼入性を向上せしめ、高強度化するのに有効な元素であ
る。しかし、上記範囲未満ではその効果が認められず、
上記範囲を超えた添加ではその効果が飽和してまうの
で、上記範囲とする。また、Vは圧延後に、Cと結び付
いてベイナイト中に析出することから、頭部の内部まで
析出強化により硬度を高くし耐摩耗性を向上させ、レー
ルの寿命を延ばすために有効である。しかし、上記範囲
未満ではその効果が認められず、上記範囲を超えた添加
ではその効果が飽和してまう。従って、これらの元素は
上記範囲内で1種以上添加することが有効である。
焼入性を向上せしめ、高強度化するのに有効な元素であ
る。しかし、上記範囲未満ではその効果が認められず、
上記範囲を超えた添加ではその効果が飽和してまうの
で、上記範囲とする。また、Vは圧延後に、Cと結び付
いてベイナイト中に析出することから、頭部の内部まで
析出強化により硬度を高くし耐摩耗性を向上させ、レー
ルの寿命を延ばすために有効である。しかし、上記範囲
未満ではその効果が認められず、上記範囲を超えた添加
ではその効果が飽和してまう。従って、これらの元素は
上記範囲内で1種以上添加することが有効である。
【0027】金属組織(ミクロ組織):上記成分組成に
加えて、鋼の金属組織をベイナイト組織とする。ベイナ
イト組織とすることにより、従来レールのパーライト組
織と比較して高強度化、高靱性化することが可能であ
る。
加えて、鋼の金属組織をベイナイト組織とする。ベイナ
イト組織とすることにより、従来レールのパーライト組
織と比較して高強度化、高靱性化することが可能であ
る。
【0028】硬度:以下に示す理由で、レールの頭頂
部、頭部コーナー部のいずれの位置においてもHVで4
00〜500の間とする。
部、頭部コーナー部のいずれの位置においてもHVで4
00〜500の間とする。
【0029】一般的に硬度と磨耗量との間には一定の関
係がある。磨耗量は実際に敷設した場合の摩耗量で評価
することが最も望ましいが、西原式摩耗試験機を用いて
実敷設レールの接触条件をシミュレートした比較試験に
より評価する方法も有効である。この試験法を用い、以
下に示す試験片の耐摩耗性(硬度と摩耗減量比の関係)
を評価した。
係がある。磨耗量は実際に敷設した場合の摩耗量で評価
することが最も望ましいが、西原式摩耗試験機を用いて
実敷設レールの接触条件をシミュレートした比較試験に
より評価する方法も有効である。この試験法を用い、以
下に示す試験片の耐摩耗性(硬度と摩耗減量比の関係)
を評価した。
【0030】供試鋼は、その成分組成を表1、2、4、
6、8、10、12、14に示したが、C、Si、M
n、Cr、Nb、Ni、Mo、Vを種々変化させた鋼で
あり、これを1250℃に加熱し、請求項に記載の圧
延、冷却条件を満足するように、920℃で圧延を終了
後空冷した板厚12mmの鋼板を使用した。
6、8、10、12、14に示したが、C、Si、M
n、Cr、Nb、Ni、Mo、Vを種々変化させた鋼で
あり、これを1250℃に加熱し、請求項に記載の圧
延、冷却条件を満足するように、920℃で圧延を終了
後空冷した板厚12mmの鋼板を使用した。
【0031】これらの鋼板から外径30mm、幅8mm
の西原式摩耗試験片を採取し、接触荷重50kg、すべ
り率−10%、潤滑剤無しの条件で摩耗試験を行い、5
0万回転後の摩耗減量を測定した。評価は、普通レール
の摩耗減量を測定し、普通レールに対する供試鋼の摩耗
減量比により行なった。
の西原式摩耗試験片を採取し、接触荷重50kg、すべ
り率−10%、潤滑剤無しの条件で摩耗試験を行い、5
0万回転後の摩耗減量を測定した。評価は、普通レール
の摩耗減量を測定し、普通レールに対する供試鋼の摩耗
減量比により行なった。
【0032】図2に、摩耗減量比に及ぼす硬度の影響を
調査した結果を示す。パーライト組織を有する普通レー
ルの硬度はHV250程度である。ベイナイト組織にお
いては、硬度の増加に伴い摩耗減量比が減少しており、
また、同一硬度においてはパーライト組織よりもベイナ
イト組織のほうが摩耗減量比が大きい。
調査した結果を示す。パーライト組織を有する普通レー
ルの硬度はHV250程度である。ベイナイト組織にお
いては、硬度の増加に伴い摩耗減量比が減少しており、
また、同一硬度においてはパーライト組織よりもベイナ
イト組織のほうが摩耗減量比が大きい。
【0033】ただし、ベイナイト組織においては、Mn
量が1%以上のものはMn量が1%未満のものに比べ、
同一硬度における摩耗減量比が小さい傾向がみられ、硬
度がHV400以上になれば摩耗減量比が普通レールと
同程度以下になっている。
量が1%以上のものはMn量が1%未満のものに比べ、
同一硬度における摩耗減量比が小さい傾向がみられ、硬
度がHV400以上になれば摩耗減量比が普通レールと
同程度以下になっている。
【0034】従って、Mnを1%以上含有するベイナイ
ト組織を有するレールの頭頂部、頭部コーナー部のいず
れの位置においてもの硬度がHV400以上であれば、
現在使用されている普通レールと同等以上の耐摩耗性が
得らる。
ト組織を有するレールの頭頂部、頭部コーナー部のいず
れの位置においてもの硬度がHV400以上であれば、
現在使用されている普通レールと同等以上の耐摩耗性が
得らる。
【0035】また、図3に硬度と疲労強度の関係を示す
が、同一硬度で比較した場合、ベイナイト鋼はパーライ
ト鋼より疲労強度が高い。このため、ベイナイト鋼にお
いては、硬度がHV350以上あれば、従来のパーライ
トレールと同程度以上の疲労強度が確保でき、損傷抵抗
性の低下はない。そこで、耐摩耗性と損傷抵抗性とを考
慮し、硬度をHV400以上とした。
が、同一硬度で比較した場合、ベイナイト鋼はパーライ
ト鋼より疲労強度が高い。このため、ベイナイト鋼にお
いては、硬度がHV350以上あれば、従来のパーライ
トレールと同程度以上の疲労強度が確保でき、損傷抵抗
性の低下はない。そこで、耐摩耗性と損傷抵抗性とを考
慮し、硬度をHV400以上とした。
【0036】また、レールの頭頂部、頭部コーナー部の
いずれの位置においてもHV500を超えると、後述す
るNbの作用により、耐遅れ破壊性が劣化する。そこ
で、硬度をHV500以下とした。
いずれの位置においてもHV500を超えると、後述す
るNbの作用により、耐遅れ破壊性が劣化する。そこ
で、硬度をHV500以下とした。
【0037】また、本発明のレールは強度が高いため、
レールの枕木への締結を考慮すると遅れ破壊の可能性が
考えられる。遅れ破壊性は片持ち張り式遅れ破壊試験機
を用いて3%NaCl中で試験し、K1SCCで評価した。
従来のパーライト組織レールは遅れ破壊性の問題は顕在
化していないが、レールより応力と切り欠き条件の厳し
い130kg級ボルト鋼においてもK1SCCが100kg
f・m-3/2以上であれば実用上問題がないことが知られ
ているので、これを目安とした。
レールの枕木への締結を考慮すると遅れ破壊の可能性が
考えられる。遅れ破壊性は片持ち張り式遅れ破壊試験機
を用いて3%NaCl中で試験し、K1SCCで評価した。
従来のパーライト組織レールは遅れ破壊性の問題は顕在
化していないが、レールより応力と切り欠き条件の厳し
い130kg級ボルト鋼においてもK1SCCが100kg
f・m-3/2以上であれば実用上問題がないことが知られ
ているので、これを目安とした。
【0038】図4にK1SCCに対する硬度の影響を調査し
た結果を示す。供試鋼として、表1、8に成分を示した
21種の鋼種を用い、上記試験方法によるK1SCCで評価
した結果を示す。硬度の増加に伴いK1SCCが減少してお
り、同一硬度においては、パーライト組織よりもベイナ
イト組織のほうがK1SCCが小さい。
た結果を示す。供試鋼として、表1、8に成分を示した
21種の鋼種を用い、上記試験方法によるK1SCCで評価
した結果を示す。硬度の増加に伴いK1SCCが減少してお
り、同一硬度においては、パーライト組織よりもベイナ
イト組織のほうがK1SCCが小さい。
【0039】ただし、ベイナイト組織においては、Nb
量が0.05%以上のものは、0.05%未満のものに
比べ、同一硬度におけるK1SCCが高い値を示す。これ
は、上述したように、Nbの添加により結晶粒の微細
化、また、粒界への炭化物の析出が抑制され粒界破壊が
防止されたためと考えられる。Nb量が0.05%以上
であれば、HV500以下の条件下で100kgf・m
-3/2以上のK1SCCが得られる。
量が0.05%以上のものは、0.05%未満のものに
比べ、同一硬度におけるK1SCCが高い値を示す。これ
は、上述したように、Nbの添加により結晶粒の微細
化、また、粒界への炭化物の析出が抑制され粒界破壊が
防止されたためと考えられる。Nb量が0.05%以上
であれば、HV500以下の条件下で100kgf・m
-3/2以上のK1SCCが得られる。
【0040】
【表1】
【0041】圧延条件:上記成分組成の鋼をベイナイト
組織とし、上記レールの材料特性を得るためには、レー
ルの熱間圧延仕上温度が800〜1000℃となるよう
にし、熱間圧延後、オンラインで、ベイナイト変態開始
点以上の温度から400℃以下までを5℃/sec以下
の冷却速度(空冷を含む)で冷却する。ここでオンライ
ン冷却とは、レール圧延終了後直ちに該圧延ラインにお
いて冷却を行う方法である。オンライン冷却は、熱間圧
延後いったん室温まで冷却した後再加熱して熱処理する
方法に比べて、熱効率がよい。
組織とし、上記レールの材料特性を得るためには、レー
ルの熱間圧延仕上温度が800〜1000℃となるよう
にし、熱間圧延後、オンラインで、ベイナイト変態開始
点以上の温度から400℃以下までを5℃/sec以下
の冷却速度(空冷を含む)で冷却する。ここでオンライ
ン冷却とは、レール圧延終了後直ちに該圧延ラインにお
いて冷却を行う方法である。オンライン冷却は、熱間圧
延後いったん室温まで冷却した後再加熱して熱処理する
方法に比べて、熱効率がよい。
【0042】圧延仕上温度が800℃未満では圧延中に
ベイナイト変態が開始してしまい、強度が著しく低下す
る。また、圧延仕上温度が1000℃を超えるとオース
テナイト粒が粗大化し、熱間圧延後の靱性の確保が困難
になる。そこで、圧延温度は800〜1000℃とす
る。
ベイナイト変態が開始してしまい、強度が著しく低下す
る。また、圧延仕上温度が1000℃を超えるとオース
テナイト粒が粗大化し、熱間圧延後の靱性の確保が困難
になる。そこで、圧延温度は800〜1000℃とす
る。
【0043】冷却速度に関しては、空冷でもベイナイト
組織が得られ、所望の強度、靱性等が確保できる。しか
し、5℃/sec を超えるとマルテンサイトが生成し靱性
が著しく低下する。そこで、冷却速度は5℃以下とす
る。
組織が得られ、所望の強度、靱性等が確保できる。しか
し、5℃/sec を超えるとマルテンサイトが生成し靱性
が著しく低下する。そこで、冷却速度は5℃以下とす
る。
【0044】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例を示す。な
お、本文、図、表中でTSは引張強度、UE20は20℃
における2mmUノッチシャルピー試験における吸収エ
ネルギーを表している。
お、本文、図、表中でTSは引張強度、UE20は20℃
における2mmUノッチシャルピー試験における吸収エ
ネルギーを表している。
【0045】実施例1 表2に示す成分を有する供試鋼を1250℃に加熱し、
920℃で圧延を終了後空冷した板厚12mmの鋼板を
使用し、引張試験、シャルピー衝撃試験及び摩耗試験を
行った。摩耗試験については、外径30mm、幅8mm
の試験片を圧延鋼板より採取し、鉄道車輪材から同一寸
法のタイヤ試験片を採取して、これらを西原式摩耗試験
機を用いて、すべり率−10%、接触荷重50kg、潤
滑剤無しの条件で試験を行い、50万回転後の摩耗減量
を測定した。なお、比較として行った普通レール材の摩
耗減量との比をとることで摩耗減量比を求めている。
920℃で圧延を終了後空冷した板厚12mmの鋼板を
使用し、引張試験、シャルピー衝撃試験及び摩耗試験を
行った。摩耗試験については、外径30mm、幅8mm
の試験片を圧延鋼板より採取し、鉄道車輪材から同一寸
法のタイヤ試験片を採取して、これらを西原式摩耗試験
機を用いて、すべり率−10%、接触荷重50kg、潤
滑剤無しの条件で試験を行い、50万回転後の摩耗減量
を測定した。なお、比較として行った普通レール材の摩
耗減量との比をとることで摩耗減量比を求めている。
【0046】機械的性質及び摩耗減量比の測定結果を表
3に示す。本発明よりもC量が低いB−1については、
硬度もHV333と本発明の下限値未満となり、そのた
め摩耗減量比が2.64と高く実用に供し得ない。
3に示す。本発明よりもC量が低いB−1については、
硬度もHV333と本発明の下限値未満となり、そのた
め摩耗減量比が2.64と高く実用に供し得ない。
【0047】また、本発明よりもC量が高く、パーライ
ト組織を呈しているB−6については、硬度もHV35
2と本発明の下限値未満であり、摩耗減量比も1.30
と高い。また、靱性も UE20が20.5Jと本発明下限
値未満である。これに対し、成分が本請求項範囲を満た
すB−2、3、4、5は強度、靱性、摩耗減量比いずれ
も目標範囲内の値を示している。
ト組織を呈しているB−6については、硬度もHV35
2と本発明の下限値未満であり、摩耗減量比も1.30
と高い。また、靱性も UE20が20.5Jと本発明下限
値未満である。これに対し、成分が本請求項範囲を満た
すB−2、3、4、5は強度、靱性、摩耗減量比いずれ
も目標範囲内の値を示している。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】実施例2 表4に示す成分、硬度を有する供試鋼について実施例1
と同様な条件で加工し、得られた鋼板について、引張試
験、シャルピー衝撃試験及び摩耗試験を行い、機械的性
質及び摩耗減量比を表5に示す。供試鋼は全てベイナイ
ト組織を呈している。Mnの含有量が本請求範囲よりも
低いC−1,2は硬度が低く、摩耗減量比がそれぞれ
2.98、1.55と高い値を示す。
と同様な条件で加工し、得られた鋼板について、引張試
験、シャルピー衝撃試験及び摩耗試験を行い、機械的性
質及び摩耗減量比を表5に示す。供試鋼は全てベイナイ
ト組織を呈している。Mnの含有量が本請求範囲よりも
低いC−1,2は硬度が低く、摩耗減量比がそれぞれ
2.98、1.55と高い値を示す。
【0051】これに対し、Mnの含有量が本請求範囲を
満たすC−3、4、5、6、7、8、10は強度、靱
性、摩耗減量比いずれも本発明の目標値を示している。
しかし、Mnの含有量が請求範囲よりも高いC−10で
は硬度が請求項で規定するHV500を超えており、ま
た、Mnの耐摩耗性の向上効果が飽和している。
満たすC−3、4、5、6、7、8、10は強度、靱
性、摩耗減量比いずれも本発明の目標値を示している。
しかし、Mnの含有量が請求範囲よりも高いC−10で
は硬度が請求項で規定するHV500を超えており、ま
た、Mnの耐摩耗性の向上効果が飽和している。
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】実施例3 表6に示す成分、硬度を有する供試鋼について実施例1
と同様な条件で加工し、得られた鋼板について、引張試
験、シャルピー衝撃試験及び摩耗試験を行った。機械的
性質および摩耗減量比を表7に示す。供試鋼はすべてベ
イナイト組織を呈している。
と同様な条件で加工し、得られた鋼板について、引張試
験、シャルピー衝撃試験及び摩耗試験を行った。機械的
性質および摩耗減量比を表7に示す。供試鋼はすべてベ
イナイト組織を呈している。
【0055】D−1はCr含有量が請求範囲より低く、
摩耗減量比が2.52と高い。これに対して、Cr含有
量が請求範囲にあるD−2,3,4,5,6,7,8は
強度、靱性、摩耗減量比がいずれも本発明の目標値を達
成している。しかし、Cr含有量が請求範囲を超えてい
るD−9ではCrの効果が飽和している。
摩耗減量比が2.52と高い。これに対して、Cr含有
量が請求範囲にあるD−2,3,4,5,6,7,8は
強度、靱性、摩耗減量比がいずれも本発明の目標値を達
成している。しかし、Cr含有量が請求範囲を超えてい
るD−9ではCrの効果が飽和している。
【0056】
【表6】
【0057】
【表7】
【0058】実施例4 表8に示す成分、硬度を有する供試鋼について実施例1
と同様な条件で加工し、得られた鋼板について、引張試
験、シャルピー衝撃試験及び摩耗試験を行った。機械的
性質及び摩耗減量比を表9に示す。供試鋼はすべてベイ
ナイト組織を呈している。Nb含有量が請求範囲よりも
低いE−1、2は強度、靱性、摩耗減量比いずれも本発
明の目標範囲内の値を示しているが、遅れ破壊性が10
0kgf・m-3/2に達していない。これに対して、Nb
が請求範囲を満たすE−3,4は強度、靱性、摩耗減量
比、耐遅れ破壊性のいずれも本発明の目標値を達成して
いる。
と同様な条件で加工し、得られた鋼板について、引張試
験、シャルピー衝撃試験及び摩耗試験を行った。機械的
性質及び摩耗減量比を表9に示す。供試鋼はすべてベイ
ナイト組織を呈している。Nb含有量が請求範囲よりも
低いE−1、2は強度、靱性、摩耗減量比いずれも本発
明の目標範囲内の値を示しているが、遅れ破壊性が10
0kgf・m-3/2に達していない。これに対して、Nb
が請求範囲を満たすE−3,4は強度、靱性、摩耗減量
比、耐遅れ破壊性のいずれも本発明の目標値を達成して
いる。
【0059】
【表8】
【0060】
【表9】
【0061】実施例5 表10に示す成分、硬度を有する供試鋼について実施例
1と同様に引張試験、シャルピー衝撃試験及び摩耗試験
を行った。機械的性質及び摩耗減量比を表11に示す。
供試鋼は全てベイナイト組織を呈している。F−1はN
i、Moを添加していないが、請求範囲であり、強度、
靱性、摩耗減量比いずれも本発明の目標値を達成してい
る。
1と同様に引張試験、シャルピー衝撃試験及び摩耗試験
を行った。機械的性質及び摩耗減量比を表11に示す。
供試鋼は全てベイナイト組織を呈している。F−1はN
i、Moを添加していないが、請求範囲であり、強度、
靱性、摩耗減量比いずれも本発明の目標値を達成してい
る。
【0062】NiとMoの含有量が本請求範囲よりも低
いF−2、6はNi、Moを添加していないF−1に比
べ強度、靱性、摩耗減量比いずれもほとんど変化がな
く、Ni、Mo添加の効果が現れていない。Ni、Mo
の1種まはた2種の添加量が請求範囲を満たしているE
−3、4、7、8、10は強度、靱性、摩耗減量比いず
れも本発明の目標値を示しており、かつF−1より優れ
た値を示している。Ni、Moの添加量が本請求範囲を
超えるF−5、9は強度、靱性、摩耗減量比がF−4、
8と同等であり、Ni、No添加の効果が飽和してい
る。
いF−2、6はNi、Moを添加していないF−1に比
べ強度、靱性、摩耗減量比いずれもほとんど変化がな
く、Ni、Mo添加の効果が現れていない。Ni、Mo
の1種まはた2種の添加量が請求範囲を満たしているE
−3、4、7、8、10は強度、靱性、摩耗減量比いず
れも本発明の目標値を示しており、かつF−1より優れ
た値を示している。Ni、Moの添加量が本請求範囲を
超えるF−5、9は強度、靱性、摩耗減量比がF−4、
8と同等であり、Ni、No添加の効果が飽和してい
る。
【0063】
【表10】
【0064】
【表11】
【0065】実施例6 表12に示す成分、硬度を有する供試鋼について実施例
1と同様に引張試験、シャルピー衝撃試験及び摩耗試験
を行った。機械的性質及び摩耗減量比を表13に示す。
供試鋼は全てベイナイト組織を呈している。G−1はV
を添加していないが、請求範囲の成分組成であり、強
度、靱性、摩耗減量比いずれも本発明の目標を達成して
いる。
1と同様に引張試験、シャルピー衝撃試験及び摩耗試験
を行った。機械的性質及び摩耗減量比を表13に示す。
供試鋼は全てベイナイト組織を呈している。G−1はV
を添加していないが、請求範囲の成分組成であり、強
度、靱性、摩耗減量比いずれも本発明の目標を達成して
いる。
【0066】Vの添加量が請求範囲を満たしているG−
2、3は強度、靱性、摩耗減量比いずれも本発明の目標
値を示しており、かつG−1より優れた値を示してい
る。Vの添加量が本請求範囲を超えるG−4は強度、靱
性、摩耗減量比がG−3と同等であり、Vの効果が飽和
している。
2、3は強度、靱性、摩耗減量比いずれも本発明の目標
値を示しており、かつG−1より優れた値を示してい
る。Vの添加量が本請求範囲を超えるG−4は強度、靱
性、摩耗減量比がG−3と同等であり、Vの効果が飽和
している。
【0067】また、G−5はNi、Mo、Vを本請求範
囲内ですべて満足しているが、単独あるいは2種のみの
添加(F−10、G−3)に比べ強度、靱性、摩耗減量
比いずれも優れた値を示している。
囲内ですべて満足しているが、単独あるいは2種のみの
添加(F−10、G−3)に比べ強度、靱性、摩耗減量
比いずれも優れた値を示している。
【0068】
【表12】
【0069】
【表13】
【0070】実施例7 表14に本発明の成分条件を満たすH−1、2鋼を示
す。表15に、この2鋼種について圧延仕上げ温度を7
60〜1030℃まで変化させ実際にレール形状に圧延
し、その後冷却温度を空冷〜6.5℃/sまで変化さ
せ、製造したレールの引張特性、2mmUノッチシャル
ピー試験における20℃での衝撃吸収エネルギー、ミク
ロ組織、硬度、摩耗減量比を示す。摩耗減量比は圧延材
頭部から実施例1に示した摩耗試験用サンプルを採取
し、実施例1と同様な試験法により評価した。
す。表15に、この2鋼種について圧延仕上げ温度を7
60〜1030℃まで変化させ実際にレール形状に圧延
し、その後冷却温度を空冷〜6.5℃/sまで変化さ
せ、製造したレールの引張特性、2mmUノッチシャル
ピー試験における20℃での衝撃吸収エネルギー、ミク
ロ組織、硬度、摩耗減量比を示す。摩耗減量比は圧延材
頭部から実施例1に示した摩耗試験用サンプルを採取
し、実施例1と同様な試験法により評価した。
【0071】条件1は冷却速度は満足しているが圧延仕
上温度を満足していないために、TSが1168MP
a、摩耗減量比2.19(硬度HV350)と低い値を
示している。条件2、3、4、5、6、8、9、10、
12は共に圧延仕上温度、冷却速度を満足しているた
め、TS≧1300MPa、 UE20≧30J,摩耗減量
比1以下(硬度HV400〜500)を良好な値を示し
ている。
上温度を満足していないために、TSが1168MP
a、摩耗減量比2.19(硬度HV350)と低い値を
示している。条件2、3、4、5、6、8、9、10、
12は共に圧延仕上温度、冷却速度を満足しているた
め、TS≧1300MPa、 UE20≧30J,摩耗減量
比1以下(硬度HV400〜500)を良好な値を示し
ている。
【0072】条件7、11、13は圧延仕上温度は条件
を満足しているものの、冷却速度を満足していないため
に、条件7では UE20=23.0J、条件11では UE
20=28.5J、条件13では UE20=21.1Jと低
い値を示している。条件14、15は冷却速度は条件を
満足しているが圧延仕上温度を満足していないために、
条件14では UE20=28.9J、条件15では UE20
=22.0Jと低い値を示している。
を満足しているものの、冷却速度を満足していないため
に、条件7では UE20=23.0J、条件11では UE
20=28.5J、条件13では UE20=21.1Jと低
い値を示している。条件14、15は冷却速度は条件を
満足しているが圧延仕上温度を満足していないために、
条件14では UE20=28.9J、条件15では UE20
=22.0Jと低い値を示している。
【0073】
【表14】
【0074】
【表15】
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るレー
ルは、寒冷地や重軸荷重条件下のような厳しい条件下に
おかれても、特性上の問題が生じない耐遅れ破壊性、耐
摩耗性及び靱性に優れた高強度レールである。具体的に
は、レールの引張強度が1300MPa以上、20℃に
おける2mmUノッチのシャルピー吸収エネルギーが3
0J以上、耐遅れ破壊性(K1SCC)が100Kgf・m
m-3/2以上であるレールである。また、本発明の方法に
よれば、上記特性を有するレールを安価に製造できる。
ルは、寒冷地や重軸荷重条件下のような厳しい条件下に
おかれても、特性上の問題が生じない耐遅れ破壊性、耐
摩耗性及び靱性に優れた高強度レールである。具体的に
は、レールの引張強度が1300MPa以上、20℃に
おける2mmUノッチのシャルピー吸収エネルギーが3
0J以上、耐遅れ破壊性(K1SCC)が100Kgf・m
m-3/2以上であるレールである。また、本発明の方法に
よれば、上記特性を有するレールを安価に製造できる。
【図1】種々の金属組織を示すレール鋼の硬度と摩耗量
との関係を示す図である。
との関係を示す図である。
【図2】Mn量の異なるレール鋼の硬度と摩耗減量比と
の関係を示す図である。
の関係を示す図である。
【図3】レール鋼の硬度と疲労強度との関係を示す図で
ある。
ある。
【図4】レール鋼の硬度と遅れ破壊特性(K1SCC)との
関係を示す図である。
関係を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年10月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】遅れ破壊特性は、片持ち梁式遅れ破壊試験
機を用いて求めたKlsccで評価し、レールより応
力、切り欠条件の厳しい130kg級ボルト鋼の場合、
Klsccが100kgf・m−3/2以上であれば、
レールの使用上問題ないことがわかっているので、この
値を判定基準とした。
機を用いて求めたKlsccで評価し、レールより応
力、切り欠条件の厳しい130kg級ボルト鋼の場合、
Klsccが100kgf・m−3/2以上であれば、
レールの使用上問題ないことがわかっているので、この
値を判定基準とした。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】(4)第4の発明は、下記の工程を備えた
ことを特徴とする(成分組成はWt%である)耐遅れ破
壊性、耐摩耗性及び靱性に優れた高強度レールの製造方
法である。 (a)C:0.2〜0.5%、Si:0.1〜2% Mn:1〜4%、P:0.035%以下、S:0.03
5%以下、Cr:0.3〜3% Nb:0.05〜0.1% 残部が実質的に鉄からなる成分組成を有する鋼を用意
し、(b)前記鋼を仕上温度が800〜1000℃の範
囲でレールに熱間圧延し、(c)前記レールをオンライ
ンでベイナイト変態開始点以上の温度から400℃以下
まで冷却速度5℃/sec以下で冷却する。
ことを特徴とする(成分組成はWt%である)耐遅れ破
壊性、耐摩耗性及び靱性に優れた高強度レールの製造方
法である。 (a)C:0.2〜0.5%、Si:0.1〜2% Mn:1〜4%、P:0.035%以下、S:0.03
5%以下、Cr:0.3〜3% Nb:0.05〜0.1% 残部が実質的に鉄からなる成分組成を有する鋼を用意
し、(b)前記鋼を仕上温度が800〜1000℃の範
囲でレールに熱間圧延し、(c)前記レールをオンライ
ンでベイナイト変態開始点以上の温度から400℃以下
まで冷却速度5℃/sec以下で冷却する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】また、レールの頭頂部、頭部コーナー部の
いずれの位置においてもHV500を超えると、図4に
示すように、耐遅れ破壊性が劣化する。そこで、硬度を
HV500以下とした。
いずれの位置においてもHV500を超えると、図4に
示すように、耐遅れ破壊性が劣化する。そこで、硬度を
HV500以下とした。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記の特徴(成分組成はwt%である)
を備えた耐遅れ破壊性、耐摩耗性及び靱性に優れた高強
度レール。 (a)C:0.2〜0.5%、Si:0.1〜2% Mn:1〜4%、P:0.035%以下、 S:0.035%以下、Cr:0.3〜3% Nb:0.05〜0.1% 残部が実質的に鉄からなる成分組成を有するレールであ
って、(b)前記レールの金属組織がベイナイト組織で
あり、(c)前記レールの頭部及び頭部コーナー部の硬
度がいずれの位置においてもHVで400〜500の間
にある。 - 【請求項2】 前記レールの成分組成に加え、Ni:
0.1〜1%、Mo:0.1〜1%、V:0.01〜
0.1%を1種以上含有することを特徴とする請求項1
に記載された耐遅れ破壊性、耐摩耗性及び靱性に優れた
高強度レール。 - 【請求項3】 前記高強度レールの引張強度が1300
MPa以上、20℃における2mmUノッチのシャルピ
ー吸収エネルギーが30J以上、耐遅れ破壊性
(K1SCC)が100Kgf・mm-3/2以上である請求項
1又は2に記載された耐遅れ破壊性、耐摩耗性及び靱性
に優れた高強度レール。 - 【請求項4】 下記の工程を備えたことを特徴とする
(成分組成はwt%である)を備えた耐遅れ破壊性、耐
摩耗性及び靱性に優れた高強度レールの製造方法。 (a)C:0.2〜0.5%、Si:0.1〜2% Mn:1〜4%、P:0.035%以下、 S:0.035%以下、Cr:0.3〜3% Nb:0.05〜0.1% 残部が実質的に鉄からなる成分組成を有する鋼を用意
し、(b)前記鋼を800〜1000℃の範囲でレール
に熱間圧延し、(c)前記レールをオンラインでベイナ
イト変態開始点以上の温度から400℃以下までの冷却
速度を5℃/sec 以下にする。 - 【請求項5】 前記鋼の成分組成が更に、Ni:0.1
〜1%、Mo:0.1〜1%、V:0.01〜0.1%
を1種以上含有することを特徴とする請求項4に記載さ
れた耐遅れ破壊性、耐摩耗性及び靱性に優れた高強度レ
ールの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27214195A JP3267124B2 (ja) | 1994-09-27 | 1995-09-27 | 耐遅れ破壊性、耐摩耗性及び靱性に優れた高強度レール及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6-256054 | 1994-09-27 | ||
| JP25605494 | 1994-09-27 | ||
| JP27214195A JP3267124B2 (ja) | 1994-09-27 | 1995-09-27 | 耐遅れ破壊性、耐摩耗性及び靱性に優れた高強度レール及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
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| JPH08158014A true JPH08158014A (ja) | 1996-06-18 |
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