JPH08158061A - 金属材料用りん酸亜鉛系化成処理液 - Google Patents
金属材料用りん酸亜鉛系化成処理液Info
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- JPH08158061A JPH08158061A JP30235394A JP30235394A JPH08158061A JP H08158061 A JPH08158061 A JP H08158061A JP 30235394 A JP30235394 A JP 30235394A JP 30235394 A JP30235394 A JP 30235394A JP H08158061 A JPH08158061 A JP H08158061A
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- conversion treatment
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C22/00—Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
- C23C22/05—Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions
- C23C22/06—Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6
- C23C22/34—Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6 containing fluorides or complex fluorides
- C23C22/36—Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6 containing fluorides or complex fluorides containing also phosphates
- C23C22/362—Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6 containing fluorides or complex fluorides containing also phosphates containing also zinc cations
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 鋼板、亜鉛めっき鋼板などの金属材料表面
に、緻密で良質なりん酸亜鉛系化成皮膜を、低コスト
で、かつ管理容易に形成し得る化成処理液を提供する。 【構成】 亜鉛イオンおよびりん酸イオンを主成分とし
て含有し、pHが2〜4であり、5〜50ppm の3価鉄イ
オンと、その5倍量以下の2価鉄イオンと、50〜50
0ppm のフッ化物イオンとを含有した金属材料用りん酸
亜鉛系化成処理液。
に、緻密で良質なりん酸亜鉛系化成皮膜を、低コスト
で、かつ管理容易に形成し得る化成処理液を提供する。 【構成】 亜鉛イオンおよびりん酸イオンを主成分とし
て含有し、pHが2〜4であり、5〜50ppm の3価鉄イ
オンと、その5倍量以下の2価鉄イオンと、50〜50
0ppm のフッ化物イオンとを含有した金属材料用りん酸
亜鉛系化成処理液。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種金属材料、例えば鋼
材、鋼板、亜鉛めっき鋼板等に対するりん酸亜鉛系化成
処理液に関するものである。より具体的に述べるなら
ば、本発明は金属材料表面に緻密な化成皮膜を均一に形
成させることができ、かつ低コストで処理液管理が容易
なりん酸亜鉛系化成処理液に関するものである。
材、鋼板、亜鉛めっき鋼板等に対するりん酸亜鉛系化成
処理液に関するものである。より具体的に述べるなら
ば、本発明は金属材料表面に緻密な化成皮膜を均一に形
成させることができ、かつ低コストで処理液管理が容易
なりん酸亜鉛系化成処理液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、各種金属材料に対して塗装あるい
は塑性加工等を施す際、塗装後の耐食性および塗膜密着
性を向上させ、かつ塑性加工時の潤滑性を向上させるた
めに、その前処理としてりん酸亜鉛系化成処理を施すこ
とが知られている。
は塑性加工等を施す際、塗装後の耐食性および塗膜密着
性を向上させ、かつ塑性加工時の潤滑性を向上させるた
めに、その前処理としてりん酸亜鉛系化成処理を施すこ
とが知られている。
【0003】このようなりん酸亜鉛系化成処理に使用さ
れる従来の化成処理液は、基本的に亜鉛イオン、りん酸
イオン、および酸化剤を含む酸性水溶液である。前記酸
化剤としては、一般的に、亜硝酸塩、塩素酸塩、有機ニ
トロ化合物、過酸化水素、ヒドロキシルアミン等の使用
が検討されている。なお、りん酸亜鉛系化成処理液には
硝酸イオンを含有する場合があるが、硝酸イオンは、下
記に示すような酸化剤の役割を果たさないため、これは
酸化剤とは区別されている。
れる従来の化成処理液は、基本的に亜鉛イオン、りん酸
イオン、および酸化剤を含む酸性水溶液である。前記酸
化剤としては、一般的に、亜硝酸塩、塩素酸塩、有機ニ
トロ化合物、過酸化水素、ヒドロキシルアミン等の使用
が検討されている。なお、りん酸亜鉛系化成処理液には
硝酸イオンを含有する場合があるが、硝酸イオンは、下
記に示すような酸化剤の役割を果たさないため、これは
酸化剤とは区別されている。
【0004】りん酸亜鉛系化成処理液中の酸化剤の役割
は、鉄系金属を処理した場合に化成処理液中に溶出する
2価の鉄イオンを3価に酸化することにある。鉄系金属
を連続的に化成処理したとき、2価の鉄イオンが化成処
理液中に蓄積すると、化成反応が妨害されてしまうた
め、2価鉄イオンの蓄積を防止するための酸化剤の役割
は非常に重要である。
は、鉄系金属を処理した場合に化成処理液中に溶出する
2価の鉄イオンを3価に酸化することにある。鉄系金属
を連続的に化成処理したとき、2価の鉄イオンが化成処
理液中に蓄積すると、化成反応が妨害されてしまうた
め、2価鉄イオンの蓄積を防止するための酸化剤の役割
は非常に重要である。
【0005】しかし、既知の酸化剤にはそれぞれ問題点
がある。例えば、現在酸化剤として最も広く使用されて
いる亜硝酸塩の場合には、それが酸性領域において不安
定な化合物であるため、化成処理に使用されていない期
間にも自然分解が進行して消費されてしまう。このた
め、その濃度を一定に保持するために常時補給しなけれ
ばならない。また、亜硝酸塩の一部は、酸化作用もしく
は自然分解により、NO x ガスとなって大気中に拡散す
ることが知られている。
がある。例えば、現在酸化剤として最も広く使用されて
いる亜硝酸塩の場合には、それが酸性領域において不安
定な化合物であるため、化成処理に使用されていない期
間にも自然分解が進行して消費されてしまう。このた
め、その濃度を一定に保持するために常時補給しなけれ
ばならない。また、亜硝酸塩の一部は、酸化作用もしく
は自然分解により、NO x ガスとなって大気中に拡散す
ることが知られている。
【0006】また、塩素酸塩を酸化剤として用いる場合
には、化成処理を行なうことにより分解生成物として塩
素イオンが発生し、これが化成処理液中に蓄積してく
る。この塩素イオンが被処理金属表面に少量でも残存し
た場合、当該金属材料の耐食性を著しく低下させるとい
う悪影響がある。また、塩素酸塩は通常、亜硝酸塩等の
他の酸化剤と併用されているが、これを単独で用いた場
合には化成反応速度が著しく低下するという欠点があ
る。
には、化成処理を行なうことにより分解生成物として塩
素イオンが発生し、これが化成処理液中に蓄積してく
る。この塩素イオンが被処理金属表面に少量でも残存し
た場合、当該金属材料の耐食性を著しく低下させるとい
う悪影響がある。また、塩素酸塩は通常、亜硝酸塩等の
他の酸化剤と併用されているが、これを単独で用いた場
合には化成反応速度が著しく低下するという欠点があ
る。
【0007】さらに、過酸化水素を酸化剤として用いる
場合も、化成処理液における安定性に問題があり、処理
液中の溶存酸素によって容易に分解してしまうという欠
点がある。さらに過酸化水素は、化成処理に適正な濃度
の範囲が狭いために、化成処理液の管理が難しく、しか
も生成された化成皮膜自身の密着性も悪い。
場合も、化成処理液における安定性に問題があり、処理
液中の溶存酸素によって容易に分解してしまうという欠
点がある。さらに過酸化水素は、化成処理に適正な濃度
の範囲が狭いために、化成処理液の管理が難しく、しか
も生成された化成皮膜自身の密着性も悪い。
【0008】酸化剤として、ニトログアニン、メタニト
ロベンゼンスルフォン酸ナトリウム等の有機ニトロ化合
物を用いた場合には、それぞれの濃度管理を行うため
に、イオンクロマトグラフのような大掛かりな測定装置
を要するという問題点がある。また、有機ニトロ化合物
およびその分解生成物が化成処理液中に蓄積すると、化
成処理排液中のCOD値が上昇し、自然環境に好ましく
ない影響を与える。
ロベンゼンスルフォン酸ナトリウム等の有機ニトロ化合
物を用いた場合には、それぞれの濃度管理を行うため
に、イオンクロマトグラフのような大掛かりな測定装置
を要するという問題点がある。また、有機ニトロ化合物
およびその分解生成物が化成処理液中に蓄積すると、化
成処理排液中のCOD値が上昇し、自然環境に好ましく
ない影響を与える。
【0009】酸化剤としてヒドロキシルアミンを用いた
場合には、化成処理液中に1000ppm 以上の濃度にな
るように添加する必要があるので、消費量が多くなり経
済的に不利である。
場合には、化成処理液中に1000ppm 以上の濃度にな
るように添加する必要があるので、消費量が多くなり経
済的に不利である。
【0010】上記の酸化剤は、適正な使用濃度範囲が限
られているため、酸化剤の濃度をコントロールする必要
があり、これがりん酸亜鉛系化成処理の技術をより煩雑
にしているのである。つまり酸化剤は、それぞれに問題
点を抱え、かつ化成処理液の管理を煩雑にするため、こ
のような酸化剤を含まないりん酸亜鉛系化成処理液の開
発が強く要望されているのである。
られているため、酸化剤の濃度をコントロールする必要
があり、これがりん酸亜鉛系化成処理の技術をより煩雑
にしているのである。つまり酸化剤は、それぞれに問題
点を抱え、かつ化成処理液の管理を煩雑にするため、こ
のような酸化剤を含まないりん酸亜鉛系化成処理液の開
発が強く要望されているのである。
【0011】また、上記酸化剤の多くは窒素化合物であ
るが、これらの窒素化合物は化学的な排水処理法によっ
て除去することが困難であり、その除去には微生物処理
を施す必要がある。しかし、微生物処理によっても高濃
度の窒素化合物を除去することは困難であり、またそれ
が低濃度であっても完全に除去することは不可能であ
る。近年、窒素化合物は河川湖沼海湾における富栄養化
の要因の一つであるとして、排出規制の強化の対象とさ
れてきており、このような環境上の理由から、窒素化合
物を含まないりん酸亜鉛系化成処理液の開発も要望され
ていた。
るが、これらの窒素化合物は化学的な排水処理法によっ
て除去することが困難であり、その除去には微生物処理
を施す必要がある。しかし、微生物処理によっても高濃
度の窒素化合物を除去することは困難であり、またそれ
が低濃度であっても完全に除去することは不可能であ
る。近年、窒素化合物は河川湖沼海湾における富栄養化
の要因の一つであるとして、排出規制の強化の対象とさ
れてきており、このような環境上の理由から、窒素化合
物を含まないりん酸亜鉛系化成処理液の開発も要望され
ていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来から検
討されてきた酸化剤の有する問題点を解決するためにな
されたものであり、具体的には本発明は、被処理金属表
面に均一かつ緻密なりん酸亜鉛系化成皮膜を析出させ、
かつ消費量の低減および化成処理液管理の簡便化が可能
な金属材料用りん酸亜鉛系化成処理液を提供することに
ある。
討されてきた酸化剤の有する問題点を解決するためにな
されたものであり、具体的には本発明は、被処理金属表
面に均一かつ緻密なりん酸亜鉛系化成皮膜を析出させ、
かつ消費量の低減および化成処理液管理の簡便化が可能
な金属材料用りん酸亜鉛系化成処理液を提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため、種々の問題点を有する上記酸化剤を
使用しないで化成処理可能なシステムについて鋭意検討
した。その結果、りん酸亜鉛系化成処理液中に蓄積する
2価鉄イオンの含有量を、3価鉄イオンの5倍以下とす
ることによって、従来用いられているような酸化剤を使
用することなしでも、均一で緻密な化成皮膜を形成し得
ることを新たに見いだした。
点を解決するため、種々の問題点を有する上記酸化剤を
使用しないで化成処理可能なシステムについて鋭意検討
した。その結果、りん酸亜鉛系化成処理液中に蓄積する
2価鉄イオンの含有量を、3価鉄イオンの5倍以下とす
ることによって、従来用いられているような酸化剤を使
用することなしでも、均一で緻密な化成皮膜を形成し得
ることを新たに見いだした。
【0014】しかし、従来の化成処理液系では、化成処
理液中の3価鉄イオンは、りん酸イオンとりん酸鉄スラ
ッジを形成して系外に除去されてしまうため、一般に5
ppm以上の濃度にすることは不可能であり、2価鉄イオ
ンが容易に蓄積限界を上回ってしまう。よって、本発明
の完成には、3価鉄イオンを安定に存在させる技術が必
要となった。そして、更なる検討の結果、3価鉄イオン
の安定化にはフッ化物イオンが最も好適であり、添加し
たフッ化物イオンの約1/10濃度の3価鉄イオンが安定
化されることを新たに見いだし、本発明の完成を見たの
である。
理液中の3価鉄イオンは、りん酸イオンとりん酸鉄スラ
ッジを形成して系外に除去されてしまうため、一般に5
ppm以上の濃度にすることは不可能であり、2価鉄イオ
ンが容易に蓄積限界を上回ってしまう。よって、本発明
の完成には、3価鉄イオンを安定に存在させる技術が必
要となった。そして、更なる検討の結果、3価鉄イオン
の安定化にはフッ化物イオンが最も好適であり、添加し
たフッ化物イオンの約1/10濃度の3価鉄イオンが安定
化されることを新たに見いだし、本発明の完成を見たの
である。
【0015】なお、本発明の化成処理液の必須成分には
窒素化合物が含まれていないために、本発明の化成処理
液は窒素化合物排水量に関する環境規制に対しても対応
し得るものとなっている。窒素濃度として100ppm 以
下、より好ましくは20ppm以下であれば、環境を害す
る危険性が極めて低く、この点が、本発明の最も重要な
特徴とするところである。
窒素化合物が含まれていないために、本発明の化成処理
液は窒素化合物排水量に関する環境規制に対しても対応
し得るものとなっている。窒素濃度として100ppm 以
下、より好ましくは20ppm以下であれば、環境を害す
る危険性が極めて低く、この点が、本発明の最も重要な
特徴とするところである。
【0016】すなわち、本発明は亜鉛イオンおよびりん
酸イオンを主成分として含有し、さらに5〜50ppm の
3価鉄イオンと、前記3価鉄イオンの含有量の5倍以下
の2価鉄イオンと、50〜500ppm のフッ化物イオン
とを含有することを特徴とする金属材料用りん酸亜鉛系
化成処理液に関するものである。
酸イオンを主成分として含有し、さらに5〜50ppm の
3価鉄イオンと、前記3価鉄イオンの含有量の5倍以下
の2価鉄イオンと、50〜500ppm のフッ化物イオン
とを含有することを特徴とする金属材料用りん酸亜鉛系
化成処理液に関するものである。
【0017】
【作用】本発明の構成を下記に詳述する。本発明におけ
るりん酸亜鉛系化成処理液は基本的に、亜鉛イオン、り
ん酸イオン、5〜50ppm の3価鉄イオン、前記3価鉄
イオンの含有量の5倍以下の2価鉄イオン、および3価
鉄イオンの錯化剤として50〜500ppm のフッ化物イ
オンを含み、かつ3価鉄イオン以外の酸化剤を全く含ま
ない酸性水溶液である。亜鉛イオン濃度は、形成される
化成皮膜の用途によってその適正範囲は異なるが、一般
に0.5〜15.0g/リットルであることが好ましい
範囲である。
るりん酸亜鉛系化成処理液は基本的に、亜鉛イオン、り
ん酸イオン、5〜50ppm の3価鉄イオン、前記3価鉄
イオンの含有量の5倍以下の2価鉄イオン、および3価
鉄イオンの錯化剤として50〜500ppm のフッ化物イ
オンを含み、かつ3価鉄イオン以外の酸化剤を全く含ま
ない酸性水溶液である。亜鉛イオン濃度は、形成される
化成皮膜の用途によってその適正範囲は異なるが、一般
に0.5〜15.0g/リットルであることが好ましい
範囲である。
【0018】例えば金属材料の塗装下地用の化成処理液
として用いられる場合には、被処理金属材料が鉄鋼材料
である場合には、形成される皮膜重量は1.5〜3.0
g/m2 程度であることが好ましく、亜鉛系めっき材料
である場合には、2.5〜5.0g/m2 程度の薄膜か
つ緻密な化成皮膜を形成させることが好ましい。このた
め、化成処理液中の亜鉛イオンのより好ましい濃度範囲
は0.7〜2.0g/リットルである。亜鉛イオン濃度
が0.7g/リットル未満であると、得られるりん酸亜
鉛系化成皮膜の被覆率が低下し、塗装後の塗膜密着性お
よび塗装後耐食性が不充分となることがある。また、そ
れが2.0g/リットルを超えた場合は、皮膜結晶の粗
大化により、特に塗装後の塗膜密着性が低下することが
ある。
として用いられる場合には、被処理金属材料が鉄鋼材料
である場合には、形成される皮膜重量は1.5〜3.0
g/m2 程度であることが好ましく、亜鉛系めっき材料
である場合には、2.5〜5.0g/m2 程度の薄膜か
つ緻密な化成皮膜を形成させることが好ましい。このた
め、化成処理液中の亜鉛イオンのより好ましい濃度範囲
は0.7〜2.0g/リットルである。亜鉛イオン濃度
が0.7g/リットル未満であると、得られるりん酸亜
鉛系化成皮膜の被覆率が低下し、塗装後の塗膜密着性お
よび塗装後耐食性が不充分となることがある。また、そ
れが2.0g/リットルを超えた場合は、皮膜結晶の粗
大化により、特に塗装後の塗膜密着性が低下することが
ある。
【0019】一方、化成処理液が塑性加工用に用いられ
る場合には、被処理金属材料は通常鉄鋼材料であり、こ
の被処理鉄鋼材料の塑性変形に追従し得る化成皮膜を形
成するためには、皮膜重量が5〜15g/m2 程度の厚
膜型皮膜を形成し得るものであることが好ましく、この
場合、化成処理液中の亜鉛イオンのより好ましい濃度範
囲は5.0〜15.0g/リットルである。この用途に
おいて、亜鉛イオン濃度が5.0g/リットル未満であ
ると、所望の皮膜重量を得ることが難しいことがあり、
また、それが15.0g/リットルを超えると皮膜重量
が飽和し、経済的に不利になることがある。本発明の化
成処理液組成物中の亜鉛イオンは、酸化亜鉛や水酸化亜
鉛を化成処理液中の酸成分に溶解させるか、あるいはり
ん酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の水溶性塩を化成処理液中に
溶解することにより生成する。
る場合には、被処理金属材料は通常鉄鋼材料であり、こ
の被処理鉄鋼材料の塑性変形に追従し得る化成皮膜を形
成するためには、皮膜重量が5〜15g/m2 程度の厚
膜型皮膜を形成し得るものであることが好ましく、この
場合、化成処理液中の亜鉛イオンのより好ましい濃度範
囲は5.0〜15.0g/リットルである。この用途に
おいて、亜鉛イオン濃度が5.0g/リットル未満であ
ると、所望の皮膜重量を得ることが難しいことがあり、
また、それが15.0g/リットルを超えると皮膜重量
が飽和し、経済的に不利になることがある。本発明の化
成処理液組成物中の亜鉛イオンは、酸化亜鉛や水酸化亜
鉛を化成処理液中の酸成分に溶解させるか、あるいはり
ん酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の水溶性塩を化成処理液中に
溶解することにより生成する。
【0020】本発明の化成処理液組成物において、りん
酸イオン濃度は5〜30g/リットルであることが好ま
しい。5g/リットル未満では正常な化成皮膜の形成が
困難になることがあり、またそれが30g/リットルを
超えると、その効果が飽和し経済的に不利になることが
ある。本発明の化成処理液組成物中のりん酸イオンはり
ん酸またはその水溶液、あるいはナトリウム、マグネシ
ウム、又は亜鉛などのりん酸塩を化成処理液中に溶解す
ることにより生成する。
酸イオン濃度は5〜30g/リットルであることが好ま
しい。5g/リットル未満では正常な化成皮膜の形成が
困難になることがあり、またそれが30g/リットルを
超えると、その効果が飽和し経済的に不利になることが
ある。本発明の化成処理液組成物中のりん酸イオンはり
ん酸またはその水溶液、あるいはナトリウム、マグネシ
ウム、又は亜鉛などのりん酸塩を化成処理液中に溶解す
ることにより生成する。
【0021】本発明のりん酸亜鉛系化成処理液は、pHが
2.0〜4.0、好ましくは2.5〜3.5程度の酸性
水溶液であり、このようなpH領域では、オルソりん酸は
りん酸水素イオン(H2 PO4 - )およびりん酸(H3
PO4 )との間で下記式(1)のような平衡が成り立っ
ており、ここでいうりん酸イオンとは両者を包含するも
のである。
2.0〜4.0、好ましくは2.5〜3.5程度の酸性
水溶液であり、このようなpH領域では、オルソりん酸は
りん酸水素イオン(H2 PO4 - )およびりん酸(H3
PO4 )との間で下記式(1)のような平衡が成り立っ
ており、ここでいうりん酸イオンとは両者を包含するも
のである。
【化1】 pH調整にはアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を用
いることが好ましい。
いることが好ましい。
【0022】本発明の化成処理液は、2価鉄イオン、3
価鉄イオンおよびフッ化物イオンのそれぞれを、特定濃
度で含有するところに大きな特徴を有している。まず、
3価鉄イオンの濃度は5〜50ppm である。3価鉄イオ
ン濃度が5ppm 未満では均一緻密な皮膜結晶を得られ
ず、またそれが50ppm を超える3価鉄イオンを本発明
の化成処理液中に溶存させることは、処理液安定性の点
から困難である。また、2価鉄イオンに関しては、化成
反応の妨害原因となるために、3価鉄イオンの含有量の
5倍以下にする必要がある。
価鉄イオンおよびフッ化物イオンのそれぞれを、特定濃
度で含有するところに大きな特徴を有している。まず、
3価鉄イオンの濃度は5〜50ppm である。3価鉄イオ
ン濃度が5ppm 未満では均一緻密な皮膜結晶を得られ
ず、またそれが50ppm を超える3価鉄イオンを本発明
の化成処理液中に溶存させることは、処理液安定性の点
から困難である。また、2価鉄イオンに関しては、化成
反応の妨害原因となるために、3価鉄イオンの含有量の
5倍以下にする必要がある。
【0023】本発明の化成処理液が5ppm の3価鉄イオ
ンを含有している場合、2価鉄イオンの蓄積は25ppm
まで許容される。しかし、鉄系金属から溶出する2価鉄
イオンは、化成処理液中の溶存酸素によって徐々に酸化
されるため、通常2価鉄イオンの蓄積量を制御する必要
はない。しかし、処理負荷が多く、2価鉄イオン蓄積量
が25ppm を超えることが懸念される場合には、3価鉄
イオンおよびフッ化物イオン濃度を増加させることによ
り、2価鉄イオンの許容量を増加させて対応することが
できる。
ンを含有している場合、2価鉄イオンの蓄積は25ppm
まで許容される。しかし、鉄系金属から溶出する2価鉄
イオンは、化成処理液中の溶存酸素によって徐々に酸化
されるため、通常2価鉄イオンの蓄積量を制御する必要
はない。しかし、処理負荷が多く、2価鉄イオン蓄積量
が25ppm を超えることが懸念される場合には、3価鉄
イオンおよびフッ化物イオン濃度を増加させることによ
り、2価鉄イオンの許容量を増加させて対応することが
できる。
【0024】3価鉄イオンは、化成処理液建浴時は硝酸
塩、硫酸塩等の塩の形で化成処理液中の溶解することに
より生成する。しかし、通常は被処理材料として鉄鋼材
料を化成処理するときに溶出する2価鉄イオンが、化成
処理液中で酸化されることによって生成するため、連続
処理時にはあえて添加する必要はない。また、2価鉄イ
オンに関しては、むしろ低濃度の方が好ましい成分であ
るため、系外から添加する必要はない。
塩、硫酸塩等の塩の形で化成処理液中の溶解することに
より生成する。しかし、通常は被処理材料として鉄鋼材
料を化成処理するときに溶出する2価鉄イオンが、化成
処理液中で酸化されることによって生成するため、連続
処理時にはあえて添加する必要はない。また、2価鉄イ
オンに関しては、むしろ低濃度の方が好ましい成分であ
るため、系外から添加する必要はない。
【0025】フッ化物イオンは化成処理液中に3価鉄イ
オンを安定して溶存させるための錯化剤、および被処理
金属に対するエッチッグ剤としての作用があり、その濃
度は50〜500ppm である。それが50ppm 未満では
5ppm 以上の3価鉄イオンを錯化することができず、ま
たそれが500ppm を超えると、被処理金属へのエッチ
ング力が過剰となり、正常な化成皮膜の形成が困難とな
る場合がある。
オンを安定して溶存させるための錯化剤、および被処理
金属に対するエッチッグ剤としての作用があり、その濃
度は50〜500ppm である。それが50ppm 未満では
5ppm 以上の3価鉄イオンを錯化することができず、ま
たそれが500ppm を超えると、被処理金属へのエッチ
ング力が過剰となり、正常な化成皮膜の形成が困難とな
る場合がある。
【0026】なお、本発明におけるフッ化物イオンと
は、遊離の〔F- 〕イオンのことであり、非イオン化フ
ッ素成分を含むものではない。りん酸亜鉛系化成処理液
のpHは2.0〜4.0、好ましくは2.5〜3.5程度
であるが、このような弱酸性のpH領域におけるフッ化物
の解離度は約50%であり、化成処理液中に〔HF〕と
〔F- 〕は約50%ずつ存在する。よって、化成処理液
中にフッ化物を添加した場合、添加したフッ化物量の約
半分がフッ化物イオンとして存在することになる。
は、遊離の〔F- 〕イオンのことであり、非イオン化フ
ッ素成分を含むものではない。りん酸亜鉛系化成処理液
のpHは2.0〜4.0、好ましくは2.5〜3.5程度
であるが、このような弱酸性のpH領域におけるフッ化物
の解離度は約50%であり、化成処理液中に〔HF〕と
〔F- 〕は約50%ずつ存在する。よって、化成処理液
中にフッ化物を添加した場合、添加したフッ化物量の約
半分がフッ化物イオンとして存在することになる。
【0027】また、フッ化物以外に化成処理液に溶存可
能なフッ素成分としては、珪フッ化物イオンやジルコン
フッ化物イオンのような錯フッ化物イオンがある。錯フ
ッ化物イオンは、フッ化物イオンとは異なるが、化成処
理液中で若干フッ化物イオンに解離するため、化成処理
液中でのフッ化物イオンの供給源として、錯フッ化物を
添加することもできる。
能なフッ素成分としては、珪フッ化物イオンやジルコン
フッ化物イオンのような錯フッ化物イオンがある。錯フ
ッ化物イオンは、フッ化物イオンとは異なるが、化成処
理液中で若干フッ化物イオンに解離するため、化成処理
液中でのフッ化物イオンの供給源として、錯フッ化物を
添加することもできる。
【0028】従って、フッ化物イオンとしては、フッ化
水素酸、フッ化ナトリウム、フッ化水素ナトリウム、フ
ッ化アンモニウム等のフッ化物、あるいは珪フッ化水素
酸、珪フッ化ナトリウム等の錯フッ化物が使用できる。
なお、その添加量としてはフッ化物の場合は、そのフッ
素含有量がフッ素イオン濃度の2倍程度、錯フッ化物の
場合は、そのフッ素含有量がフッ素イオン濃度の10倍
程度であることを必要とする。
水素酸、フッ化ナトリウム、フッ化水素ナトリウム、フ
ッ化アンモニウム等のフッ化物、あるいは珪フッ化水素
酸、珪フッ化ナトリウム等の錯フッ化物が使用できる。
なお、その添加量としてはフッ化物の場合は、そのフッ
素含有量がフッ素イオン濃度の2倍程度、錯フッ化物の
場合は、そのフッ素含有量がフッ素イオン濃度の10倍
程度であることを必要とする。
【0029】また、本発明の化成処理液には、硝酸、亜
硝酸、有機ニトロ化合物等の含窒素化合物を添加する必
要がないため、窒素化合物を全く含まない化成処理液と
することも可能であり、この場合には、排水処理におけ
る窒素化合物処理工程が不要となるという利点を有す
る。
硝酸、有機ニトロ化合物等の含窒素化合物を添加する必
要がないため、窒素化合物を全く含まない化成処理液と
することも可能であり、この場合には、排水処理におけ
る窒素化合物処理工程が不要となるという利点を有す
る。
【0030】更に、本発明のりん酸亜鉛系化成処理液
を、塗装下地処理として使用する場合には、被処理金属
材料の塗装性能を向上させる目的で、この化成処理液中
に亜鉛イオン以外の金属イオンを添加することができ
る。亜鉛イオン以外の金属イオンとしては、ニッケルイ
オン、マンガンイオン、コバルトイオン、マグネシウム
イオン、およびカルシウムイオン等を用いることができ
る。上記各イオンは当該金属の酸化物、水酸化物、炭酸
塩、硝酸塩、硫酸塩、りん酸塩等を化成処理液中に溶解
することにより生成する。
を、塗装下地処理として使用する場合には、被処理金属
材料の塗装性能を向上させる目的で、この化成処理液中
に亜鉛イオン以外の金属イオンを添加することができ
る。亜鉛イオン以外の金属イオンとしては、ニッケルイ
オン、マンガンイオン、コバルトイオン、マグネシウム
イオン、およびカルシウムイオン等を用いることができ
る。上記各イオンは当該金属の酸化物、水酸化物、炭酸
塩、硝酸塩、硫酸塩、りん酸塩等を化成処理液中に溶解
することにより生成する。
【0031】本発明の金属材料用りん酸亜鉛系化成処理
液を用いて金属表面に化成皮膜を形成させる場合、一般
にアルカリ脱脂、水洗、りん酸亜鉛系化成処理、および
水洗工程が上記記載の順で施される。脱脂工程および水
洗工程は多段にて行うことも可能であり、塗装下地処理
の場合の最終水洗には脱イオン水洗を用いることが好ま
しい。
液を用いて金属表面に化成皮膜を形成させる場合、一般
にアルカリ脱脂、水洗、りん酸亜鉛系化成処理、および
水洗工程が上記記載の順で施される。脱脂工程および水
洗工程は多段にて行うことも可能であり、塗装下地処理
の場合の最終水洗には脱イオン水洗を用いることが好ま
しい。
【0032】なお、金属材料表面上に塗装下地用の化成
皮膜を形成させる場合には、化成処理の直前に皮膜結晶
の微細化を目的として、チタンコロイド含有表面調整剤
による表面調製処理を行うことが好ましい。また、上記
化成処理を施された金属材料に対する塗装は、最終水洗
後、あるいは最終水洗後に乾燥してから施される。ま
た、本発明の化成処理液により金属材料上に塑性加工用
の化成皮膜を形成させる場合には、上記脱脂、水洗後
に、被処理金属のスケール除去を目的として、酸洗工程
を施すことが好ましい。上記塑性加工用化成皮膜を形成
する場合には、化成皮膜形成後に潤滑処理として石鹸処
理を施して、化成皮膜の潤滑性をより高めることもでき
る。
皮膜を形成させる場合には、化成処理の直前に皮膜結晶
の微細化を目的として、チタンコロイド含有表面調整剤
による表面調製処理を行うことが好ましい。また、上記
化成処理を施された金属材料に対する塗装は、最終水洗
後、あるいは最終水洗後に乾燥してから施される。ま
た、本発明の化成処理液により金属材料上に塑性加工用
の化成皮膜を形成させる場合には、上記脱脂、水洗後
に、被処理金属のスケール除去を目的として、酸洗工程
を施すことが好ましい。上記塑性加工用化成皮膜を形成
する場合には、化成皮膜形成後に潤滑処理として石鹸処
理を施して、化成皮膜の潤滑性をより高めることもでき
る。
【0033】本発明のりん酸亜鉛系化成処理液を用いる
化成処理は、浸漬法、スプレー法あるいはこれらの組み
合わせにより行われるのが一般的であり、化成皮膜が塗
装下地用であれば処理温度30〜60℃程度、処理時間
1〜5分程度であり、またそれが塑性加工用であれば、
処理温度50〜90℃程度、処理時間5〜15分程度
で、当該化成皮膜を形成することができる。
化成処理は、浸漬法、スプレー法あるいはこれらの組み
合わせにより行われるのが一般的であり、化成皮膜が塗
装下地用であれば処理温度30〜60℃程度、処理時間
1〜5分程度であり、またそれが塑性加工用であれば、
処理温度50〜90℃程度、処理時間5〜15分程度
で、当該化成皮膜を形成することができる。
【0034】次に、本発明の金属材料用りん酸亜鉛系化
成処理液の作用効果について説明する。本発明のりん酸
亜鉛系化成処理液による化成処理は、下記のプロセスに
従って進行する。 (I)被処理金属材料の一部が化成処理液中に溶解す
る。 Me→Me2 + +2e- (2) (II) 金属の酸化反応に伴い、水素イオンの還元が起き
る。 2H+ +2e- →H2 (3) (III)水素イオンの還元によって金属表面のpHが上昇
し、これによって化成処理液中のりん酸イオンと亜鉛イ
オンが式(4)に従って沈殿反応を起こし、りん酸亜鉛
として金属表面に析出する。 2H2 PO4 - +3Zn2 + +4H2 O→Zn3 (PO4 )2 4H2 O↓+4 H+ (4)
成処理液の作用効果について説明する。本発明のりん酸
亜鉛系化成処理液による化成処理は、下記のプロセスに
従って進行する。 (I)被処理金属材料の一部が化成処理液中に溶解す
る。 Me→Me2 + +2e- (2) (II) 金属の酸化反応に伴い、水素イオンの還元が起き
る。 2H+ +2e- →H2 (3) (III)水素イオンの還元によって金属表面のpHが上昇
し、これによって化成処理液中のりん酸イオンと亜鉛イ
オンが式(4)に従って沈殿反応を起こし、りん酸亜鉛
として金属表面に析出する。 2H2 PO4 - +3Zn2 + +4H2 O→Zn3 (PO4 )2 4H2 O↓+4 H+ (4)
【0035】化成処理液中に3価鉄イオンが存在する場
合、式(5)に示すように、3価鉄イオン自身が2価鉄
イオンに還元されることにより酸化剤として作用し、素
地金属のエッチングを促進するため、化成反応の促進剤
として機能する。しかし、この3価鉄イオンは化成処理
液中のりん酸イオンとりん酸鉄を形成してスラッジ化し
てしまうため、化成処理液中に溶存できる濃度はごくわ
ずかである。 Fe2 + →Fe3 + +e- (5)
合、式(5)に示すように、3価鉄イオン自身が2価鉄
イオンに還元されることにより酸化剤として作用し、素
地金属のエッチングを促進するため、化成反応の促進剤
として機能する。しかし、この3価鉄イオンは化成処理
液中のりん酸イオンとりん酸鉄を形成してスラッジ化し
てしまうため、化成処理液中に溶存できる濃度はごくわ
ずかである。 Fe2 + →Fe3 + +e- (5)
【0036】3価鉄イオンはある種のキレート剤によっ
てキレート安定化し、化成処理液中で溶存可能となる
が、そのキレート剤が亜鉛イオンとも安定にキレート形
成してしまうと、化成反応自身が阻害されることにな
る。つまり、化成処理液中における3価鉄イオンの溶存
のためには、化成反応を阻害しない3価鉄用のキレート
剤が必要となるが、フッ化物イオンはこの条件を満たす
好適なキレート剤なのである。
てキレート安定化し、化成処理液中で溶存可能となる
が、そのキレート剤が亜鉛イオンとも安定にキレート形
成してしまうと、化成反応自身が阻害されることにな
る。つまり、化成処理液中における3価鉄イオンの溶存
のためには、化成反応を阻害しない3価鉄用のキレート
剤が必要となるが、フッ化物イオンはこの条件を満たす
好適なキレート剤なのである。
【0037】一方、鉄系金属を処理した場合に化成処理
液中に拡散する鉄イオンは2価鉄イオンであり、これが
化成処理液中に蓄積すると、上記3価鉄イオンの化成促
進作用が弱まり、化成反応が阻害される。化成反応の阻
害因子である2価鉄イオンの許容量は3価鉄イオン濃度
の5倍程度であり、従来の化成処理液系ではすぐに飽和
してしまうため、特殊な酸化剤を添加して3価鉄イオン
に酸化する必要があった。しかし、フッ化物イオンの添
加により3価鉄イオン溶存濃度が増加すれば、2価鉄イ
オンの許容量も連続処理にも耐え得る量まで増加し、特
殊な酸化剤は必要なくなるのである。なお、化成処理液
中の2価鉄イオンは、化成処理液中の溶存酸素等により
徐々に3価に酸化されるため、ある程度の濃度を許容す
れば、連続処理も可能になるのである。
液中に拡散する鉄イオンは2価鉄イオンであり、これが
化成処理液中に蓄積すると、上記3価鉄イオンの化成促
進作用が弱まり、化成反応が阻害される。化成反応の阻
害因子である2価鉄イオンの許容量は3価鉄イオン濃度
の5倍程度であり、従来の化成処理液系ではすぐに飽和
してしまうため、特殊な酸化剤を添加して3価鉄イオン
に酸化する必要があった。しかし、フッ化物イオンの添
加により3価鉄イオン溶存濃度が増加すれば、2価鉄イ
オンの許容量も連続処理にも耐え得る量まで増加し、特
殊な酸化剤は必要なくなるのである。なお、化成処理液
中の2価鉄イオンは、化成処理液中の溶存酸素等により
徐々に3価に酸化されるため、ある程度の濃度を許容す
れば、連続処理も可能になるのである。
【0038】
【実施例】次に実際の処理について実施例を比較例とと
もに示し、本発明をさらに説明する。なお、本発明はこ
れらの実施例によって制約されるものではない。供試材料 試験材料としては板厚0.8mmの冷延鋼板(SPCC−
SD,CRSと記す)、炭素鋼板(S45Cと記す)お
よび前記冷延鋼板に20g/m2 の電気亜鉛めっきを施
した亜鉛めっき鋼板(EGと記す)を用い、それぞれを
70×150mmの寸法に切断し、下記実施例および比較
例の処理に供した。
もに示し、本発明をさらに説明する。なお、本発明はこ
れらの実施例によって制約されるものではない。供試材料 試験材料としては板厚0.8mmの冷延鋼板(SPCC−
SD,CRSと記す)、炭素鋼板(S45Cと記す)お
よび前記冷延鋼板に20g/m2 の電気亜鉛めっきを施
した亜鉛めっき鋼板(EGと記す)を用い、それぞれを
70×150mmの寸法に切断し、下記実施例および比較
例の処理に供した。
【0039】次に上記試験材料に、下記2種類の処理工
程のいずれかを施した。処理工程A(塗装下地用処理を想定) (1)脱脂「商標:ファインクリーナーL4460、日
本パーカライジング社製、アルカリ脱脂剤、A剤:20
g/リットル、B剤:12g/リットル〕 43℃ 120秒 浸漬 (2)水洗〔水道水〕 常温 30秒 スプレー (3)表面調整〔商標:プレパレンZN(日本パーカラ
イジング社製、チタンコロイド系表面調整剤、1g/リ
ットル〕 常温 30秒 スプレー (4)りん酸亜鉛系化成処理(実施例および比較例に示
す処理) 43℃ 120秒 浸漬 (5)水洗〔水道水〕 常温 30秒 スプレー (6)脱イオン水洗〔脱イオン水、電導度:0.2μS
/cm〕 常温 20秒 スプレー (7)水切り乾燥 110℃熱風 180秒
程のいずれかを施した。処理工程A(塗装下地用処理を想定) (1)脱脂「商標:ファインクリーナーL4460、日
本パーカライジング社製、アルカリ脱脂剤、A剤:20
g/リットル、B剤:12g/リットル〕 43℃ 120秒 浸漬 (2)水洗〔水道水〕 常温 30秒 スプレー (3)表面調整〔商標:プレパレンZN(日本パーカラ
イジング社製、チタンコロイド系表面調整剤、1g/リ
ットル〕 常温 30秒 スプレー (4)りん酸亜鉛系化成処理(実施例および比較例に示
す処理) 43℃ 120秒 浸漬 (5)水洗〔水道水〕 常温 30秒 スプレー (6)脱イオン水洗〔脱イオン水、電導度:0.2μS
/cm〕 常温 20秒 スプレー (7)水切り乾燥 110℃熱風 180秒
【0040】処理工程B(塑性加工用処理を想定) (1)脱脂「商標:ファインクリーナーL4360、日
本パーカライジング社製、アルカリ脱脂剤、20g/リ
ットル〕 60℃ 120秒 浸漬 (2)水洗〔水道水〕 常温 30秒 スプレー (3)酸洗〔15%塩酸水溶液〕 常温 10分 浸漬 (4)りん酸亜鉛系化成処理(実施例および比較例に示
す処理) 80℃ 600秒 浸漬 (5)水洗〔水道水〕 常温 30秒 スプレー (6)水切り乾燥 110℃熱風 180秒
本パーカライジング社製、アルカリ脱脂剤、20g/リ
ットル〕 60℃ 120秒 浸漬 (2)水洗〔水道水〕 常温 30秒 スプレー (3)酸洗〔15%塩酸水溶液〕 常温 10分 浸漬 (4)りん酸亜鉛系化成処理(実施例および比較例に示
す処理) 80℃ 600秒 浸漬 (5)水洗〔水道水〕 常温 30秒 スプレー (6)水切り乾燥 110℃熱風 180秒
【0041】なお、実施例および比較例に示すりん酸亜
鉛系化成処理液について、水酸化ナトリウムによって化
成処理液のpHを調整する為に、その遊離酸度を所定値に
調整した。遊離酸度の測定方法としては、処理液10ミ
リリットルを採取し、ブロムフェノールブルーを指示薬
とし、0.1規定NaOH水溶液で中和滴定を行い、黄
色から青色に変化するまでに要した0.1規定NaOH
水溶液のミリリットル数を単位ポイントで示す。
鉛系化成処理液について、水酸化ナトリウムによって化
成処理液のpHを調整する為に、その遊離酸度を所定値に
調整した。遊離酸度の測定方法としては、処理液10ミ
リリットルを採取し、ブロムフェノールブルーを指示薬
とし、0.1規定NaOH水溶液で中和滴定を行い、黄
色から青色に変化するまでに要した0.1規定NaOH
水溶液のミリリットル数を単位ポイントで示す。
【0042】皮膜重量の測定法としは、まず化成処理板
の重量を測定し(W1 〔g〕と記す)、次いで化成処理
板に下記に示す剥離液、剥離条件にて化成皮膜剥離処理
を施し、その重量を測定し(W2 〔g〕と記す)、
(8)式を用いて算出した。冷延鋼板および炭素鋼板の場合 剥離液 :5%クロム酸水溶液 剥離条件:75℃、15分間、浸漬剥離亜鉛めっき鋼板の場合 剥離液 :重クロム酸アンモニウム2重量%+28%ア
ンモニア水49重量%+純水49重量% 剥離条件:常温、15分間、浸漬剥離 皮膜重量〔g/m2 〕=(W1 −W2 )/0.021 (8) また、皮膜外観については、目視による評価と、走査型
電子顕微鏡(SEM)観察とによる化成皮膜中の粒子状
態および粒子径の評価とを行った。
の重量を測定し(W1 〔g〕と記す)、次いで化成処理
板に下記に示す剥離液、剥離条件にて化成皮膜剥離処理
を施し、その重量を測定し(W2 〔g〕と記す)、
(8)式を用いて算出した。冷延鋼板および炭素鋼板の場合 剥離液 :5%クロム酸水溶液 剥離条件:75℃、15分間、浸漬剥離亜鉛めっき鋼板の場合 剥離液 :重クロム酸アンモニウム2重量%+28%ア
ンモニア水49重量%+純水49重量% 剥離条件:常温、15分間、浸漬剥離 皮膜重量〔g/m2 〕=(W1 −W2 )/0.021 (8) また、皮膜外観については、目視による評価と、走査型
電子顕微鏡(SEM)観察とによる化成皮膜中の粒子状
態および粒子径の評価とを行った。
【0043】実施例1 〔化成処理液組成〕 りん酸イオン :15g/リットル(75%りん酸添
加) 亜鉛イオン :1.1g/リットル(酸化亜鉛添加) ニッケルイオン:1.0g/リットル(炭酸ニッケル添
加) フッ化物イオン:200ppm (55%フッ化水素酸添
加) 3価鉄イオン :20ppm (硫酸第二鉄添加) 2価鉄イオン :20ppm (硫酸第一鉄添加) 上記組成の化成処理液を調製し、その遊離酸度を0.9
ポイント(pH=3.2)に調整した。この化成処理液を
用いて、前記処理工程Aに従って冷延鋼板を処理した。
形成された化成皮膜の重量は2.3g/m2 であり、そ
の結晶形状は粒状、粒子径は平均5μmであった。この
化成皮膜は灰黒色で均一緻密なものであった。試験結果
を表1に示す。
加) 亜鉛イオン :1.1g/リットル(酸化亜鉛添加) ニッケルイオン:1.0g/リットル(炭酸ニッケル添
加) フッ化物イオン:200ppm (55%フッ化水素酸添
加) 3価鉄イオン :20ppm (硫酸第二鉄添加) 2価鉄イオン :20ppm (硫酸第一鉄添加) 上記組成の化成処理液を調製し、その遊離酸度を0.9
ポイント(pH=3.2)に調整した。この化成処理液を
用いて、前記処理工程Aに従って冷延鋼板を処理した。
形成された化成皮膜の重量は2.3g/m2 であり、そ
の結晶形状は粒状、粒子径は平均5μmであった。この
化成皮膜は灰黒色で均一緻密なものであった。試験結果
を表1に示す。
【0044】実施例2 実施例1と同様にして化成処理を行った。ただし、試験
材料として亜鉛めっき鋼板を用いた。形成された化成皮
膜の重量は3.3g/m2 であり、その結晶形状は板
状、粒子径は平均6μmであった。この化成皮膜は褐色
で均一緻密なものであった。試験結果を表1に示す。
材料として亜鉛めっき鋼板を用いた。形成された化成皮
膜の重量は3.3g/m2 であり、その結晶形状は板
状、粒子径は平均6μmであった。この化成皮膜は褐色
で均一緻密なものであった。試験結果を表1に示す。
【0045】実施例3 〔化成処理液組成〕 りん酸イオン :15g/リットル(75%りん酸添
加) 亜鉛イオン :10g/リットル(酸化亜鉛添加) 窒素成分 :2000ppm (67.5%硝酸添加) フッ化物イオン:57ppm (珪フッ化ナトリウム添加) 3価鉄イオン :6ppm (硫酸第二鉄添加) 2価鉄イオン :25ppm (硫酸第一鉄添加) 上記組成の化成処理液を調製し、その遊離酸度を5.0
ポイント(pH=2.5)に調整した。この化成処理液を
用いて、前記処理工程Bに従って炭素鋼板を処理した。
形成された化成皮膜の重量は12g/m2 であり、その
結晶形状は葉状、粒子径は平均30μmであった。この
化成皮膜は灰白色で均一緻密なものであった。試験結果
を表1に示す。
加) 亜鉛イオン :10g/リットル(酸化亜鉛添加) 窒素成分 :2000ppm (67.5%硝酸添加) フッ化物イオン:57ppm (珪フッ化ナトリウム添加) 3価鉄イオン :6ppm (硫酸第二鉄添加) 2価鉄イオン :25ppm (硫酸第一鉄添加) 上記組成の化成処理液を調製し、その遊離酸度を5.0
ポイント(pH=2.5)に調整した。この化成処理液を
用いて、前記処理工程Bに従って炭素鋼板を処理した。
形成された化成皮膜の重量は12g/m2 であり、その
結晶形状は葉状、粒子径は平均30μmであった。この
化成皮膜は灰白色で均一緻密なものであった。試験結果
を表1に示す。
【0046】実施例4 〔化成処理液組成〕 りん酸イオン :13g/リットル(75%りん酸添
加) 亜鉛イオン :1.0g/リットル(酸化亜鉛添加) 窒素濃度 :1200ppm (67.5%硝酸添加) コバルトイオン:1.0g/リットル(炭酸コバルト添
加) マンガンイオン:0.5g/リットル(炭酸マンガン添
加) フッ化物イオン:480ppm (フッ化ナトリウム添加) 3価鉄イオン :47ppm (硫酸第二鉄添加) 2価鉄イオン :200ppm (硫酸第一鉄添加) 上記組成の化成処理液を調製し、その遊離酸度を0.8
ポイント(pH=3.3)に調整した。この化成処理液を
用いて、前記処理工程Aに従って冷延鋼板を処理した。
形成された化成皮膜の重量は2.5g/m2 であり、そ
の結晶形状は粒状、粒子径は平均5μmであった。この
化成皮膜は灰黒色で均一緻密なものであった。試験結果
を表1に示す。
加) 亜鉛イオン :1.0g/リットル(酸化亜鉛添加) 窒素濃度 :1200ppm (67.5%硝酸添加) コバルトイオン:1.0g/リットル(炭酸コバルト添
加) マンガンイオン:0.5g/リットル(炭酸マンガン添
加) フッ化物イオン:480ppm (フッ化ナトリウム添加) 3価鉄イオン :47ppm (硫酸第二鉄添加) 2価鉄イオン :200ppm (硫酸第一鉄添加) 上記組成の化成処理液を調製し、その遊離酸度を0.8
ポイント(pH=3.3)に調整した。この化成処理液を
用いて、前記処理工程Aに従って冷延鋼板を処理した。
形成された化成皮膜の重量は2.5g/m2 であり、そ
の結晶形状は粒状、粒子径は平均5μmであった。この
化成皮膜は灰黒色で均一緻密なものであった。試験結果
を表1に示す。
【0047】実施例5 実施例4と同様にして化成処理を行った。ただし、試験
材料として亜鉛めっき鋼板を用いた。形成された化成皮
膜の重量は3.5g/m2 であり、その結晶形状は板
状、粒子径は平均7μmであった。この化成皮膜は褐色
で均一緻密なものであった。試験結果を表1に示す。
材料として亜鉛めっき鋼板を用いた。形成された化成皮
膜の重量は3.5g/m2 であり、その結晶形状は板
状、粒子径は平均7μmであった。この化成皮膜は褐色
で均一緻密なものであった。試験結果を表1に示す。
【0048】比較例1 〔化成処理液組成〕 りん酸イオン :17g/リットル(75%りん酸添
加) 亜鉛イオン :8g/リットル(酸化亜鉛添加) フッ化物イオン:43ppm (フッ化ナトリウム添加) 窒素成分 :2000ppm (67.5%硝酸添加) 3価鉄イオン :4ppm (硫酸第二鉄添加) 2価鉄イオン :5ppm (硫酸第一鉄添加) 上記組成の化成処理液を調製し、その遊離酸度を5.0
ポイント(pH=2.5)に調整した。この化成処理液を
用いて、前記処理工程Bに従って炭素鋼板を処理した。
形成された化成皮膜の重量は5g/m2 であり、その結
晶形状は葉状、粒子径は平均50μmであった。この化
成皮膜は疎らに析出したため、黄色い鉄錆が認められ
た。試験結果を表1に示す。
加) 亜鉛イオン :8g/リットル(酸化亜鉛添加) フッ化物イオン:43ppm (フッ化ナトリウム添加) 窒素成分 :2000ppm (67.5%硝酸添加) 3価鉄イオン :4ppm (硫酸第二鉄添加) 2価鉄イオン :5ppm (硫酸第一鉄添加) 上記組成の化成処理液を調製し、その遊離酸度を5.0
ポイント(pH=2.5)に調整した。この化成処理液を
用いて、前記処理工程Bに従って炭素鋼板を処理した。
形成された化成皮膜の重量は5g/m2 であり、その結
晶形状は葉状、粒子径は平均50μmであった。この化
成皮膜は疎らに析出したため、黄色い鉄錆が認められ
た。試験結果を表1に示す。
【0049】比較例2 〔化成処理液組成〕 りん酸イオン :12g/リットル(75%りん酸添
加) 亜鉛イオン :0.9g/リットル(酸化亜鉛添加) コバルトイオン:1.0g/リットル(酸化コバルト添
加) 窒素成分 :1000ppm (67.5%硝酸添加) フッ化物イオン:100ppm (フッ化水素ナトリウム添
加) 3価鉄イオン :10ppm (硫酸第二鉄添加) 2価鉄イオン :60ppm (硫酸第一鉄添加) 上記組成の化成処理液を調製し、その遊離酸度を1.1
ポイント(pH=3.0)に調整した。なお、3価鉄イオ
ンは当初硫酸第二鉄として15ppm 添加されたが、その
うちの5ppm 分はりん酸鉄スラッジとして沈殿した。こ
の化成処理液を用いて、前記処理工程Aに従って冷延鋼
板を処理した。形成された化成皮膜の重量は1.0g/
m2 であり、その結晶形状は粒状、粒子径は平均12μ
mであった。この化成皮膜は疎らに析出したため、黄色
い鉄錆が認められた。試験結果を表1に示す。
加) 亜鉛イオン :0.9g/リットル(酸化亜鉛添加) コバルトイオン:1.0g/リットル(酸化コバルト添
加) 窒素成分 :1000ppm (67.5%硝酸添加) フッ化物イオン:100ppm (フッ化水素ナトリウム添
加) 3価鉄イオン :10ppm (硫酸第二鉄添加) 2価鉄イオン :60ppm (硫酸第一鉄添加) 上記組成の化成処理液を調製し、その遊離酸度を1.1
ポイント(pH=3.0)に調整した。なお、3価鉄イオ
ンは当初硫酸第二鉄として15ppm 添加されたが、その
うちの5ppm 分はりん酸鉄スラッジとして沈殿した。こ
の化成処理液を用いて、前記処理工程Aに従って冷延鋼
板を処理した。形成された化成皮膜の重量は1.0g/
m2 であり、その結晶形状は粒状、粒子径は平均12μ
mであった。この化成皮膜は疎らに析出したため、黄色
い鉄錆が認められた。試験結果を表1に示す。
【0050】比較例3 〔化成処理液組成〕 りん酸イオン :15g/リットル(75%りん酸添
加) 亜鉛イオン :1.1g/リットル(酸化亜鉛添加) ニッケルイオン:1.0g/リットル(炭酸ニッケル添
加) フッ化物イオン:30ppm (珪フッ化ナトリウム添加) 過酸化水素 :150ppm (31%過酸化水素水添
加) 3価鉄イオン :3ppm (硫酸第二鉄添加) 2価鉄イオン :0ppm 上記組成の化成処理液を調製し、その遊離酸度を0.9
ポイント(pH=3.2)に調整した。この化成処理液を
用いて、前記処理工程Aに従って冷延鋼板を処理した。
形成された化成皮膜の重量は1.8g/m2 であり、そ
の結晶形状は板状、粒子径は平均10μmであった。こ
の化成皮膜は白色で粉末が付着しているような外観を呈
していた。セロハンテープによる剥離試験により、化成
皮膜の一部が剥離した。試験結果を表1に示す。
加) 亜鉛イオン :1.1g/リットル(酸化亜鉛添加) ニッケルイオン:1.0g/リットル(炭酸ニッケル添
加) フッ化物イオン:30ppm (珪フッ化ナトリウム添加) 過酸化水素 :150ppm (31%過酸化水素水添
加) 3価鉄イオン :3ppm (硫酸第二鉄添加) 2価鉄イオン :0ppm 上記組成の化成処理液を調製し、その遊離酸度を0.9
ポイント(pH=3.2)に調整した。この化成処理液を
用いて、前記処理工程Aに従って冷延鋼板を処理した。
形成された化成皮膜の重量は1.8g/m2 であり、そ
の結晶形状は板状、粒子径は平均10μmであった。こ
の化成皮膜は白色で粉末が付着しているような外観を呈
していた。セロハンテープによる剥離試験により、化成
皮膜の一部が剥離した。試験結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】実施例1〜5で用いられた処理液は、フッ
化物イオン濃度、3価鉄イオン濃度および2価と3価の
鉄イオン濃度比率が本発明の範囲内にあるものであり、
それぞれ均一緻密な化成皮膜が形成されていた。また、
実施例1,2、においては窒素化合物を全く含まない化
成処理液により充分な皮膜化成がなされていた。これに
対して比較例1はフッ化物イオン濃度と3価鉄イオン濃
度が本発明の下限値未満であり、また比較例2では2価
鉄イオン濃度が3価鉄イオン濃度の5倍を超えているた
めに、それぞれ疎らな化成皮膜しか形成されず、黄錆が
発生してしまった。さらに、比較例3では、酸化剤とし
て過酸化水素を用いられたが、密着性の良い良質な化成
皮膜が形成されないことが確認された。
化物イオン濃度、3価鉄イオン濃度および2価と3価の
鉄イオン濃度比率が本発明の範囲内にあるものであり、
それぞれ均一緻密な化成皮膜が形成されていた。また、
実施例1,2、においては窒素化合物を全く含まない化
成処理液により充分な皮膜化成がなされていた。これに
対して比較例1はフッ化物イオン濃度と3価鉄イオン濃
度が本発明の下限値未満であり、また比較例2では2価
鉄イオン濃度が3価鉄イオン濃度の5倍を超えているた
めに、それぞれ疎らな化成皮膜しか形成されず、黄錆が
発生してしまった。さらに、比較例3では、酸化剤とし
て過酸化水素を用いられたが、密着性の良い良質な化成
皮膜が形成されないことが確認された。
【0053】
【発明の効果】本発明におけるりん酸亜鉛系化成処理液
は、フッ化物イオンによって一定量の3価鉄イオンを溶
存させ、かつ2価鉄イオンと3価鉄イオンの濃度比率を
特定することを特徴としており、これによって、酸化剤
の添加および酸化剤の濃度管理が不要になり、しかも良
質な化成皮膜を簡便な化成処理液管理下において得るこ
とが可能になった。また、本発明の化成処理液は、特に
高価な成分を含む必要はなく、経済的に有利であるばか
りでなく、窒素化合物排出量に関する環境規制に対して
も、これに充分対応可能である点で画期的な技術といえ
る。
は、フッ化物イオンによって一定量の3価鉄イオンを溶
存させ、かつ2価鉄イオンと3価鉄イオンの濃度比率を
特定することを特徴としており、これによって、酸化剤
の添加および酸化剤の濃度管理が不要になり、しかも良
質な化成皮膜を簡便な化成処理液管理下において得るこ
とが可能になった。また、本発明の化成処理液は、特に
高価な成分を含む必要はなく、経済的に有利であるばか
りでなく、窒素化合物排出量に関する環境規制に対して
も、これに充分対応可能である点で画期的な技術といえ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 亜鉛イオンおよびりん酸イオンを主成分
として含有し、pHが2〜4でありさらに5〜50ppm の
3価鉄イオンと、前記3価鉄イオンの含有量の5倍以下
の2価鉄イオンと、50〜500ppm のフッ化物イオン
とを含有することを特徴とする金属材料用りん酸亜鉛系
化成処理液。 - 【請求項2】 化成処理液中の窒素濃度が100ppm 以
下である請求項1に記載の金属材料用りん酸亜鉛系化成
処理液。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30235394A JPH08158061A (ja) | 1994-12-06 | 1994-12-06 | 金属材料用りん酸亜鉛系化成処理液 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30235394A JPH08158061A (ja) | 1994-12-06 | 1994-12-06 | 金属材料用りん酸亜鉛系化成処理液 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08158061A true JPH08158061A (ja) | 1996-06-18 |
Family
ID=17907896
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30235394A Pending JPH08158061A (ja) | 1994-12-06 | 1994-12-06 | 金属材料用りん酸亜鉛系化成処理液 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08158061A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002505383A (ja) * | 1998-03-02 | 2002-02-19 | 日本パーカライジング株式会社 | 鋼板の燐酸塩処理中の皮膜量の制御 |
| WO2010050131A1 (ja) | 2008-10-31 | 2010-05-06 | 日本パーカライジング株式会社 | 金属材料用化成処理液および処理方法 |
| JP2019510886A (ja) * | 2015-04-07 | 2019-04-18 | ケメタル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | ニッケルなしで金属表面をリン酸処理するための改良された方法 |
-
1994
- 1994-12-06 JP JP30235394A patent/JPH08158061A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002505383A (ja) * | 1998-03-02 | 2002-02-19 | 日本パーカライジング株式会社 | 鋼板の燐酸塩処理中の皮膜量の制御 |
| WO2010050131A1 (ja) | 2008-10-31 | 2010-05-06 | 日本パーカライジング株式会社 | 金属材料用化成処理液および処理方法 |
| JP2019510886A (ja) * | 2015-04-07 | 2019-04-18 | ケメタル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | ニッケルなしで金属表面をリン酸処理するための改良された方法 |
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