JPH08159052A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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Publication number
JPH08159052A
JPH08159052A JP6296746A JP29674694A JPH08159052A JP H08159052 A JPH08159052 A JP H08159052A JP 6296746 A JP6296746 A JP 6296746A JP 29674694 A JP29674694 A JP 29674694A JP H08159052 A JPH08159052 A JP H08159052A
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JP
Japan
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coordinate axis
eccentric bush
eccentric
quadrant
center
Prior art date
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Pending
Application number
JP6296746A
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English (en)
Inventor
Sadao Kawahara
定夫 河原
Teruyuki Akazawa
輝行 赤澤
Kunio Iwanami
國雄 岩波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP6296746A priority Critical patent/JPH08159052A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、半径方向で良好なシール性を得る
旋回半径可変機構をもったスクロール圧縮機において、
構造を簡単にして低コストを実現し、信頼性を向上した
スクロール圧縮機の提供を目的とするものである。 【構成】 旋回渦巻羽根部品7のボス11内に旋回軸受
12を介して回転可能に支持される偏心ブッシュ19の
偏心穴20に圧入固定される駆動ビン15を、主軸16
の端面に偏心させて設ける偏心駆動穴18に回転可能に
嵌入結合させ、偏心ブッシュ19が駆動ピン15を軸に
スイングするようにして旋回半径の可変を可能とし、偏
心駆動穴18と偏心ブッシュの偏心穴20の中心、すな
わち、駆動ピン15の中心Od42の位置を定義座標の
第2象限39内に限定したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、空調機、冷凍機等に
使用されるスクロール圧縮機の駆動構造に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】最近の圧縮機は、小形軽量、高効率、低
騒音などの観点からスクロール圧縮機が主流になってき
ている。スクロール圧縮機は多くの特許や文献に開示さ
れ、その動作原理は良く知られている。
【0003】典型的なスクロール型圧縮機の構造の従来
例として、特公昭57−49721号のスクロール形流
体機械があり、渦巻羽根を径方向に追随接触をさせるリ
ンク結合の羽根径方向追随機構の技術が開示されてい
る。
【0004】また、特公昭58−19875号のスクロ
ール型圧縮機には、リンク結合の羽根径方向追随機構を
発展させた偏心ブッシュ機構の技術が開示されている。
【0005】この偏心ブッシュ機構を用いた従来の圧縮
機の断面図を図7に示す。圧縮機ハウジング101の後
端部に固定鏡板103の上に固定渦巻羽根104を形成
した固定渦巻羽根部品102が固定され、複数個の圧縮
作業空間105を構成するように旋回鏡板107の上に
旋回渦巻羽根108が形成された旋回渦巻羽根部品10
6が噛み合わせられている。旋回鏡板107の旋回渦巻
羽根108とは反対側の背面上に円筒状のボス109が
形成され、その内部に旋回軸受110が配設されてい
る。偏心穴112を有する肉厚の厚い円板状あるいは短
軸状の偏心ブッシュ111が旋回渦巻羽根部品106の
ボス109内に旋回軸受110を介して回転可能に支持
されている。主軸114の端面から軸方向に偏心延出さ
れた駆動ピン115が偏心ブッシュ111の偏心穴11
2に回転可能に嵌合されて、旋回渦巻羽根部品106に
旋回運動が与えられる。一方、主軸114への回転力の
伝達は、軸封装置117を介して圧縮機ハウジング10
1外に突出した主軸114の端部に取り付けられた電磁
クラッチ118により外部駆動源(例えば自動車エンジ
ン、図示せず)の回転をベルト等の伝達手段(図示せ
ず)を介して行われる。
【0006】このような駆動機構の構成においては、主
軸114が回転すると流体圧縮ガス力などの作用力によ
り偏心ブッシュ111の中心は駆動ピン115の中心を
中心として円弧状にスイングする。これにより旋回渦巻
羽根108が固定渦巻羽根104に追随して接触し圧縮
作業空間105の径方向のシール性を良好にする。
【0007】旋回鏡板107の上には高硬度の鋼製の旋
回側レース119と旋回側リテーナ120が配置され、
圧縮機ハウジング101の前部の内壁に設けた段部12
1の上に固定側レース122と固定側リテーナ123が
配置され、この両レースと両リテーナで多数個の鋼製の
ボール124を軸方向と旋回半径方向に挟持して旋回鏡
板107に掛かるスラスト力の支承と旋回渦巻羽根部品
106の自転を拘束している。
【0008】この従来圧縮機は駆動ピン115の位置が
限定されており、この位置に限定することにより、始動
時などの急激な加速度の増加変化が発生する場合には、
旋回部品の慣性力が作用して偏心ブッシュ111の中心
は両羽根の接触部が離れて圧縮作業空間105の圧力が
開放される方向にスイングする。その結果、始動時の異
常音や異常ショックの発生が防げるようになっている。
【0009】また、偏心ブッシュ111は駆動ピン11
5の周りに回転可能であるので上記のような半径方向密
封効果を有するが、周囲の部品との干渉等の問題を解消
するために偏心ブッシュ111のスイングに伴う回転角
度範囲を制限する必要があり、偏心ブッシュ111の回
転角度範囲制限手段として、偏心ブッシュ111に規制
ピン113を延出させ、主軸114に設けた規制穴11
6に所定量の隙間で嵌入することにより構成している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、駆動ピ
ン115を一体成形で主軸114の端部から偏心延出さ
せるには、鍛造等の成形法が用いられるが、小形軽量構
成の中で、駆動ピン径を大きくとれないので、材料ロス
を極力抑えるニアネット形状を得るには、かなり困難な
ものとなる。さらに、駆動ピンの仕上げ加工も、主軸の
軸心に対して偏心させているので主軸と同時加工ができ
ず、加工行程が複雑になる。また、上記構成において
は、偏心ブッシュ111のスイング運動に伴い回転角度
範囲を制限する回転角度範囲制限手段を別構成で設ける
必要があるので製造面で不利となり、コスト高となる。
【0011】本発明は、上記従来例の課題を解決するも
ので、構造を簡単にして低コストを実現するとともに、
信頼性も向上させたスクロール圧縮機の提供を目的とす
るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の第1の技術的手段は、圧縮機ハウジング内
に、複数個の圧縮作業空間を成すように、固定鏡板の上
に固定渦巻羽根を延出させた固定渦巻羽根部品と、旋回
鏡板の上に旋回渦巻羽根を延出するとともに、この旋回
渦巻羽根の延出面の反対面にボスを形成した旋回渦巻羽
根部品を配設し、前記旋回渦巻羽根部品に旋回運動を与
える駆動機構を、前記旋回渦巻羽根部品のボス内部に設
けられる旋回軸受と、前記ボス内に前記旋回軸受を介し
て回転可能に支持され、偏心穴とこの穴面積より大なる
面積で主軸側に開口する筒状の凹部とを有する偏心ブッ
シュと、前記偏心ブッシュの主軸側となる端部に一体成
形された取付板に取り付けられる旋回部品の動的アンバ
ランスを軽減する旋回バランスウエイトと、前記偏心ブ
ッシュの偏心穴に圧入固定される駆動ピンと、内端部に
前記偏心ブッシュの凹部に小隙間ではめ合う円筒部を形
成し、前記圧縮機ハウジングに回転可能に支持される主
軸と、前記主軸の円筒部の端面に偏心させて設ける前記
駆動ピンを回転可能に嵌合接合する偏心駆動穴と、前記
旋回渦巻羽根部品の自転を拘束して旋回のみをさせる自
転拘束部品とで構成し、前記主軸の軸心と前記偏心ブッ
シュの中心を結ぶ線を第2の座標軸と定義し、この第2
の座標軸に直角で前記偏心ブッシュの中心を通る線を第
1の座標軸と定義し、前記第1の座標軸と前記第2の座
標軸の交点をそれぞれの座標軸の原点と定義し、前記第
2の座標軸を前記第1の座標軸に対して前記主軸の軸心
とは反対側を正、軸心側を負の領域とし、前記第1の座
標軸を前記第2の座標軸に対して前記主軸の回転方向の
順に、前記第2の座標軸の領域が負から正になる領域を
正の領域、反対側を負の領域とし、前記第1の座標軸が
正で第2の座標軸が正の象限を第1象限、前記第1の座
標軸が負で第2の座標軸が正の象限を第2象限、前記第
1の座標軸が負で第2の座標軸が負の象限を第3象限、
前記第1の座標軸が正で第2の座標軸が負の象限を第4
象限と定義し、前記偏心駆動穴と前記偏心ブッシュの偏
心穴の中心、すなわち、駆動ピン中心を前記第2象限内
に位置させたものである。
【0013】また、本発明の第2の技術的手段は、旋回
バランスウエイトの主軸側となる外周端面部をL字状の
段付きに形成したものである。
【0014】また、本発明の第3の技術的手段は、偏心
ブッシュの主軸側となる端部に一体成形された旋回バラ
ンスウエイトの取付板に抜き穴を設けたものである。
【0015】また、本発明の第4の技術的手段は、駆動
ピンの内部に貫通穴を設けたものである。
【0016】
【作用】本発明は第1の技術的手段によれば、流体圧縮
ガス力や遠心力の作用力により偏心ブッシュが、第2象
限内に位置させた駆動ピンの中心を回転中心としてスイ
ングし、旋回半径を可変にするので、旋回渦巻羽根が固
定渦巻羽根に追随接触し、従来の圧縮機と同様に、圧縮
作業空間で径方向の良好なシール性が得られる。また、
始動時など、加速度の急激に増加する時には、旋回部品
の慣性力が作用して偏心ブッシュを両羽根が離れる方向
にスイングさせ、圧縮作業空間の圧力を開放し、始動時
の異常音や異常ショック、液圧縮などを緩和する効果を
有する。
【0017】また、別体の駆動ピンを偏心ブッシュに圧
入固定する構成としたので、従来の圧縮機に比べ、加工
性が向上する。さらに、偏心ブッシュのスイングに伴う
回転規制は、偏心ブッシュの凹部と、この凹部に小隙間
ではめ合う主軸の円筒部との間で行われ、この間に設け
られる小隙間により回転角度範囲が決定される。このた
め、従来のような回転角度範囲制限手段を別構成で設け
る必要がなく、構造が簡単となり、製造コストが低減す
る効果を有する。
【0018】また、偏心ブッシュに、偏心穴の穴面積よ
り大なる面積で主軸側に開口する筒状の凹部を設けたの
で、偏心ブッシュの軸方向の重心が旋回鏡板に近づくこ
とになる。このため、主軸側の端面に旋回バランスウエ
イトが取り付けられた状態でも、軸方向の重心を旋回軸
受の支承面の中央部付近に位置させることが容易に実現
できる。これにより、旋回運動時の偏心ブッシュ系の傾
転を抑制し、旋回軸受の信頼性を高めることができる。
【0019】本発明の第2の技術的手段によれば、第1
の技術的手段の作用に加え、旋回バランスウエイトの軸
方向の重心が旋回鏡板に近づくように、旋回バランスウ
エイトの主軸側となる外周端面部をL字状の段付きに形
成して、この旋回バランスウエイトを含む偏心ブッシュ
系の軸方向の重心を旋回軸受の支承面の中央部付近に位
置させることにより容易にしたので、さらに、旋回運転
時の偏心ブッシュ系の傾転を抑制し、旋回軸受の信頼性
をより高めることができる。
【0020】本発明の第3の技術的手段によれば、第1
の技術的手段の作用に加え、偏心ブッシュの主軸側とな
る端部に一体成形された旋回バランスウエイトの取付板
に抜き穴を設けて、旋回軸受の支承面外に位置する取付
板を軽量化し、偏心ブッシュ系の軸方向の重心が、より
旋回軸受の支承面の中央部付近に位置し易くしたので、
さらに、旋回運動時の偏心ブッシュ系の傾転を抑制し、
旋回軸受の信頼性をより高めることができる。
【0021】本発明の第4の技術的手段によれば、第1
の技術的手段の作用に加え、駆動ピンの内部に設けた貫
通穴により、旋回軸受への潤滑油が、旋回渦巻羽根部品
のボス内部に抑留されることなく、貫通穴から圧縮機ハ
ウジング内の空間に還流するようにしたので、旋回軸受
への潤滑油は十分確保され、旋回軸受の信頼性が高ま
る。
【0022】
【実施例】本発明の第1の技術的手段を用いた一実施例
として、図1にスクロール圧縮機の断面図、図2に偏心
ブッシュを使用した駆動機構の分解斜視図を示す。
【0023】低圧側圧力が作用するフロントケーシング
2と高圧側圧力の作用するリヤケーシング3からなる圧
縮機ハウジング1の内部に固定渦巻羽根部品4と複数個
の圧縮作業空間10を形成するように旋回渦巻羽根部品
7が相互に噛み合わされている。
【0024】固定渦巻羽根部品4は、固定鏡板5の一面
上に固定渦巻羽根6を延出し、この固定鏡板面でリヤケ
ーシング3に締結固定されている。旋回渦巻羽根部品7
は、旋回鏡板8の一面上に旋回渦巻羽根9を延出し、旋
回鏡板8の旋回渦巻羽根9の延出面とは反対側の旋回鏡
板背面の中央部に円筒状ボス11が突設されており、こ
のボス11の内部に旋回軸受12(ニードルベアリン
グ)を配設している。固定渦巻羽根6および旋回渦巻羽
根9の先端面には、それぞれチップシール13が嵌挿さ
れ、軸方向のシール性を確保している。
【0025】旋回渦巻羽根部品7の旋回運動は、主軸受
14aと副軸受14bにより圧縮機ハウジング1に回転
可能に支持された主軸16により、後述する偏心ブッシ
ュ19を用いた旋回半径可変駆動機構を介してなされ
る。一方、主軸16への回転力の伝達は、軸封装置30
を介して圧縮機ハウジング1外に突出した主軸16の端
部に取り付けられた電磁クラッチ31により外部駆動源
(図示せず)の回転をベルト等の伝達手段(図示せず)
を介して行われる。
【0026】旋回渦巻羽根部品7は、自転拘束部品23
によってその自転を阻止されながら旋回運動のみをす
る。自転拘束部品23には、その環状体の端面に互いに
平行な一対のキー23aが形成され、これとほぼ90゜
ずれた位置にある互いに平行な一対のキー23bが形成
されている。キー23aは、旋回渦巻羽根部品7の旋回
鏡板8の背面に形成された一対のキー溝8aに摺動自在
に嵌入され、もう一対のキー23bは、圧縮機ハウジン
グ1内部に嵌入固定され、このキー23bと対応して形
成された一対のキー溝(図示せず)が形成された回転拘
束部品24に摺動自在に嵌入されている。この回転拘束
部品24により自転拘束部品23は、主軸16の軸に直
角な一方向のみに運動が拘束されている。
【0027】旋回渦巻羽根部品7の旋回運動により圧縮
作業空間10はその容積を減じながら渦巻の中心方向へ
移動する。これに伴って、吸入口(図示せず)を通って
圧縮作業空間10に流入するガスは、圧縮され固定渦巻
羽根部品4に形成された吐出ポート25から吐出弁26
を押し開いて吐出キャビティー27へ吐出され、吐出口
(図示せず)を経て流出する。
【0028】回転拘束部品24の端面上に平板状のスラ
スト軸受28を配設し、このスラスト軸受28を介し
て、圧縮作業空間10の圧縮気体の圧力によって発生す
るスラスト力を旋回渦巻羽根部品7の旋回鏡板8の背面
で支承させている。
【0029】次に、旋回半径を可変とする駆動機構につ
いて説明する。図2の分解斜視図に示すように、旋回渦
巻羽根部品7のボス11の内部に、偏心穴20とこの穴
面積より大なる面積で主軸側に開口する筒状の凹部21
とを有する偏心ブッシュ19が、旋回軸受12を介して
回転可能に嵌合され、偏心ブッシュの偏心穴20には駆
動ピン15が圧入固定されている。この駆動ピン15
が、主軸16の内端部に形成された偏心ブッシュの凹部
21に小隙間ではめ合う円筒部17に、旋回半径だけ偏
心させて設けた偏心駆動穴18と回転可能に嵌入結合さ
れる。
【0030】偏心ブッシュ19の主軸側となる端部に一
体成形された取付板22に旋回部品の動的アンバランス
を軽減する方向に遠心力を発生させる旋回バランスウエ
イト29が取り付けられている。
【0031】図3に偏心ブッシュの動作説明図を示す
が、この図において、主軸16の軸心Os34と偏心ブ
ッシュ19の中心Oc35を結ぶ線を第2の座標軸37
と定義し、この第2の座標軸37に直角で軸心Oc35
を通る線を第1の座標軸36と定義し、第1の座標軸3
6と第2の座標軸37の交点をそれぞれの座標軸の原点
と定義し、第2の座標軸37を第1の座標軸36に対し
て主軸16の軸心Os34とは反対側を正、軸心Os側
を負の領域とし、第1の座標軸36を第2の座標軸37
に対して主軸16の回転方向の順に、第2の座標軸37
の領域が負から正になる領域を正の領域、反対側を負の
領域とし、第1の座標軸36が正で第2の座標軸37が
正の象限を第1象限38、第1の座標軸36が負で第2
座標軸37が正の象限を第2象限39、第1の座標軸3
6が負で第2の座標軸37が負の象限を第3象限40、
第1の座標軸36が正で第2の座標軸37が負の象限を
第4象限41と定義する。この状態ではOsとOc間距
離は前述した旋回半径となる。この座標系において、偏
心駆動穴18と、偏心ブッシュ19に形成される偏心穴
20の中心、すなわち、駆動ピン15の中心Od42を
第2象限内に位置させている。
【0032】このような構成により、偏心ブッシュ19
は、駆動ピン15の中心Od42を回転中心にスイング
が可能となり、偏心ブッシュ19の中心Oc35は駆動
ピン中心Od42を中心としてOdとOc間距離を半径
とする円弧上を動くことになる。また、この時の偏心ブ
ッシュ19のスイング運動に伴う回転規制は、偏心ブッ
シュの凹部21と、これに小隙間ではめ合う主軸16の
円筒部17との間で行え、この小隙間が、回転角度範囲
を決定する。運転中は、流体圧縮ガス力(接線方向ガス
力Ft、半径方向ガス力Fr)と旋回部品の遠心力(旋
回渦巻羽根部品7と偏心ブッシュ19の遠心力Fs、バ
ランスウエイト29の遠心力Fc)が、偏心ブッシュ中
心Oc35に図3に示す方向に作用するものと考えられ
る。
【0033】これらの作用力が駆動ピンの中心Od42
の周りに偏心ブッシュ19を回転させるモーメントに変
換されて、前述のように偏心ブッシュ19は、駆動ピン
の中心Od42を回転中心としてスイングし、主軸16
の軸心Os34から偏心ブッシュ中心Oc35までの距
離に変化を与える。これは、旋回半径が可変することを
意味し、図3より、運転中の回転モーメントは、偏心ブ
ッシュ19を旋回半径が大きくなる方向にスイングさせ
ることが理解できよう。このことによって、旋回渦巻羽
根9が固定渦巻羽根6の側壁に当接して圧縮作業空間1
0の径方向のシール性を良好にする。このときの羽根間
の接触荷重は、小さすぎると羽根間の接触が悪くなって
隙間ができ、ガス漏れの原因となる。逆に、大きすぎる
と摩耗の原因となる。第1の座標軸36とOcとOdを
結ぶ線とのなす角度を図3に示すようにαとしたとき、
接触荷重Fwは、前述のガス力(Ft,Fr)および遠
心力(Fc,Fs)との釣合から決定され、次式で与え
られる。
【0034】 Fw=Ft×tanα+Ft−Fr−Fc・・・(1) そのため、角度αの選定と接触荷重が高速運転時に過大
とならないように旋回バランスウエイト29のウエイト
量を調整する。これにより、羽根間での摩耗を少なくし
ながら適当なシール力を得て、旋回渦巻羽根部品7の滑
らかな旋回運動を実現している。
【0035】圧縮作業空間10からの圧縮気体の漏れ量
を支配する軸方向の隙間については、フロントケーシン
グ2とリヤケーシング3の間に挿入するシム(図示せ
ず)の厚さ調節により管理し、また固定渦巻羽根部品4
と旋回渦巻羽根部品7との相対角度の調整は、フロント
ケーシング2に設けられた孔(図示せず)から挿入する
角度合わせ棒(図示せず)により行う。
【0036】また、圧縮機の動アンバランスによる振動
の抑制については、主軸16上に設けた、旋回バランス
ウエイト29と同じ向きに遠心力を発生するバランスウ
エイト32と、電磁クラッチ31に設けた反対向きに遠
心力を発生させるカウンターウエイト31とにより圧縮
機全体の発生モーメントを釣り合わせている。
【0037】信頼性の面においては、ゴミかみ発生時に
は旋回半径が可変する機構を備えているため、旋回半径
を減少させながら旋回渦巻羽根9がゴミを乗り越え損傷
を回避する。また、駆動ピン中心Od42、すなわち、
偏心ブッシュ19のスイングの回転中心が第2象限39
内に選ばれるので、始動時など、加速度の急激に増加す
る時には、旋回部品の慣性力が作用して偏心ブッシュ1
9を両羽根が離れる方向にスイングさせ、圧縮作業空間
10の圧力を開放し、始動時の異常音や異常ショック、
液圧縮などを緩和する効果を有する。これは、本発明の
大きな特徴の一つであるが、前述のような始動時の信頼
性を考慮しなければ、駆動ピン中心Od42の位置を第
4象限41内に選んでも、運転中は、両渦巻羽根の線接
触部で接触荷重が自動的に得られることは、本発明から
も容易に推定できよう。
【0038】また、別体の駆動ピン15を偏心ブッシュ
19に圧入固定する構成としたので、従来の圧縮機に比
べ、加工性が向上するとともに、偏心ブッシュ19のス
イングに伴う回転規制が、偏心ブッシュの凹部21と、
この凹部21に小隙間ではめ合う主軸の円筒部17との
間で行われるので、従来のような回転角度範囲制限手段
を別構成で設ける必要がなく、構造が簡単となる。これ
らにより、製造コストが低減し、廉価なスクロール圧縮
機の提供が可能となる。
【0039】また、偏心ブッシュ19に、偏心穴20の
穴面積より大なる面積で主軸側に開口する筒状の凹部2
1を設けたので、偏心ブッシュ19の軸方向の重心が旋
回鏡板8に近づくことになる。このため、偏心ブッシュ
19の主軸側の端面に旋回バランスウエイト29が取り
付けられた状態でも、軸方向の重心を旋回軸受12の支
承面の中央部付近に位置させることが容易に実現でき
る。これにより、旋回運動時の偏心ブッシュ系の傾転を
抑制し、旋回軸受12の信頼性を高めることができる。
【0040】次に、本発明の第2の技術的手段を用いた
一実施例を図4を参照しながら説明する。
【0041】本発明は、前述の実施例と同様の偏心ブッ
シュを用いた旋回半径可変駆動機構に、旋回バランスウ
エイト29の主軸側となる外周端面部をL字状の段付き
43に形成して、旋回バランスウエイト29の軸方向の
重心が旋回鏡板8に近づくようにしている。これによ
り、旋回バランスウエイト29を含む偏心ブッシュ系の
軸方向の重心を旋回軸受12の支承面の中央部付近に位
置させることがより容易となり、さらに、旋回運転時の
偏心ブッシュ系の傾転を抑制し、旋回軸受12の信頼性
をより高めている。
【0042】次に、本発明の第3の技術的手段を用いた
一実施例を図5を参照しながら説明する。
【0043】本発明は、前述の実施例と同様の偏心ブッ
シュを用いた旋回半径可変駆動機構に、偏心ブッシュ1
9の主軸側となる端部に一体成形された旋回バランスウ
エイト29の取付板22に抜き穴44を設けて、旋回軸
受12の支承面外に位置する取付板22を軽量化してい
る。これにより、偏心ブッシュ系の軸方向の重心が、よ
り旋回軸受12の支承面の中央部付近に位置し易くなる
ので、さらに、旋回運動時の偏心ブッシュ系の傾転が抑
制され、旋回軸受12の信頼性がより高められる。
【0044】次に、本発明の第4の技術的手段を用いた
一実施例を、図6に示す圧縮機の断面図を参照しながら
説明する。
【0045】本発明は、前述の実施例と同様の偏心ブッ
シュを用いた旋回半径可変駆動機構に、駆動ピン15の
内部に貫通穴45を設け、旋回軸受12への潤滑油の還
流経路を構成している。これにより、旋回軸受12を潤
滑した後の油または油ミストが、旋回渦巻羽根部品7の
ボス11の内部に抑留されることなく、貫通穴45から
圧縮機ハウジング1の内空間に還流するので、旋回軸受
12への潤滑油は十分確保され、旋回軸受12の信頼性
が高まる。
【0046】以上、本発明を開放型で圧縮機ハウジング
内が低圧となる車両用のスクロール圧縮機の実施例につ
いて説明したが、本発明は、このような実施例に限定さ
れるものではなく、電動機を内蔵する密閉型圧縮機や圧
縮機ハウジング内が高圧となる高圧タイプの圧縮機な
ど、本発明の範囲内で種々の設計が可能であることは言
うまでもない。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、流体圧縮ガス力や遠心力の作用力により偏心ブッシ
ュが、第2象限内に位置させた駆動ピンの中心を回転中
心としてスイングし、旋回半径を可変にするので、旋回
渦巻羽根が固定渦巻羽根に追随接触し、圧縮作業空間の
径方向のシール性を良好にする。また、始動時など、加
速度の急激に増加する時には、旋回部品の慣性力が作用
して偏心ブッシュを両羽根が離れる方向にスイングさ
せ、圧縮作業空間の圧力を開放し、始動時の異常音や異
常ショック、液圧縮などを緩和する効果を有する。
【0048】また、別体の駆動ピンを偏心ブッシュに圧
入固定する構成としているので、従来の圧縮機に比べ、
加工性が向上するとともに、偏心ブッシュのスイングに
伴う回転規制を、偏心ブッシュの凹部と、この凹部に小
隙間ではめ合う主軸の円筒部との間で行う簡易構造とし
ているので、製造コストを低減する効果を有する。
【0049】さらに、偏心ブッシュに、偏心穴の穴面積
より大なる面積で主軸側に開口する筒状の凹部を設けた
ので、偏心ブッシュの軸方向の重心が旋回鏡板に近づ
き、端面に旋回バランスウエイトが取り付けられた状態
でも、軸方向の重心を旋回軸受の支承面の中央部付近に
位置させることが容易となり、旋回運動時の偏心ブッシ
ュ系の傾転が抑制され、旋回軸受の信頼性が高められ
る。
【0050】また、本発明は、旋回バランスウエイトの
軸方向の重心が旋回鏡板に近づくように、旋回バランス
ウエイトの主軸側となる外周端面部をL字状の段付きに
形成して、この旋回バランスウエイトを含む偏心ブッシ
ュ系の軸方向の重心を旋回軸受の支承面の中央部付近に
位置させることをより容易にしているので、さらに、旋
回運転時の偏心ブッシュ系の傾転を抑制し、旋回軸受の
信頼性をより高めることができる。
【0051】また、本発明は、偏心ブッシュの主軸側と
なる端部に一体成形された旋回バランスウエイトの取付
板に抜き穴を設けて、旋回軸受の支承面外に位置する取
付板を軽量化し、偏心ブッシュ系の軸方向の重心が、よ
り旋回軸受の支承面の中央部付近に位置し易くしたの
で、さらに、旋回運動時の偏心ブッシュ系の傾転を抑制
し、旋回軸受の信頼性をより高めることができる。
【0052】また、本発明は、駆動ピンの内部に設けた
貫通穴により、旋回軸受への潤滑油が、旋回渦巻羽根部
品のボス内部に抑留されることなく、貫通穴から圧縮機
ハウジング内の空間に還流するようにしたので、旋回軸
受への潤滑油は十分確保され、旋回軸受の信頼性が高め
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の手段を用いた本発明の一実施例を示すス
クロール圧縮機の断面図
【図2】偏心ブッシュを使用した駆動機構の分解斜視図
【図3】偏心ブッシュの動作説明図
【図4】(a)第2の手段を用いた本発明の一実施例の
旋回バランスウエイトを偏心ブッシュに取り付けた状態
を示す平面図 (b)同断面図
【図5】第3の手段を用いた本発明の一実施例の偏心ブ
ッシュの取付板に旋回バランスウエイトを取り付けた状
態を示す平面図 (b)同断面図
【図6】第4の手段を用いた本発明の一実施例を示すス
クロール圧縮機の断面図
【図7】従来例を示すスクロール圧縮機の断面図
【符号の説明】
1 圧縮機ハウジング 4 固定渦巻羽根部品 5 固定鏡板 6 固定渦巻羽根 7 旋回渦巻羽根部品 8 旋回鏡板 9 旋回渦巻羽根 10 圧縮作業空間 11 ボス 12 旋回軸受 15 駆動ピン 16 主軸 17 主軸の円筒部 18 偏心駆動穴 19 偏心ブッシュ 22 平板 23 自転拘束部品 29 旋回バランスウエイト 34 主軸の軸心Os 35 偏心ブッシュの中心Oc 36 第1の座標軸 37 第2の座標軸 38 第1象限 39 第2象限 40 第3象限 41 第4象限 42 駆動ピン中心Od 43 旋回バランスウエイトのL字形状段付き 44 抜き穴 45 貫通穴

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮機ハウジング内に、複数個の圧縮作業
    空間を成すように、固定鏡板の上に固定渦巻羽根を延出
    させた固定渦巻羽根部品と、旋回鏡板の上に旋回渦巻羽
    根を延出するとともに、この旋回渦巻羽根の延出面の反
    対面にボスを形成した旋回渦巻羽根部品を配設し、前記
    旋回渦巻羽根部品に旋回運動を与える駆動機構を、前記
    旋回渦巻羽根部品のボス内部に設けられる旋回軸受と、
    前記ボス内に前記旋回軸受を介して回転可能に支持さ
    れ、偏心穴とこの穴面積より大なる面積で主軸側に開口
    する筒状の凹部とを有する偏心ブッシュと、前記偏心ブ
    ッシュの主軸側となる端部に一体成形された取付板に取
    り付けられる旋回部品の動的アンバランスを軽減する旋
    回バランスウエイトと、前記偏心ブッシュの偏心穴に圧
    入固定される駆動ピンと、内端部に前記偏心ブッシュの
    凹部に小隙間ではめ合う円筒部を形成し、前記圧縮機ハ
    ウジングに回転可能に支持される主軸と、前記主軸の円
    筒部の端面に偏心させて設ける前記駆動ピンを回転可能
    に嵌合接合する偏心駆動穴と、前記旋回渦巻羽根部品の
    自転を拘束して旋回のみをさせる自転拘束部品とで構成
    し、前記主軸の軸心と前記偏心ブッシュの中心を結ぶ線
    を第2の座標軸と定義し、この第2の座標軸に直角で前
    記偏心ブッシュの中心を通る線を第1の座標軸と定義
    し、前記第1の座標軸と前記第2の座標軸の交点をそれ
    ぞれの座標軸の原点と定義し、前記第2の座標軸を前記
    第1の座標軸に対して前記主軸の軸心とは反対側を正、
    軸心側を負の領域とし、前記第1の座標軸を前記第2の
    座標軸に対して前記主軸の回転方向の順に、前記第2の
    座標軸の領域が負から正になる領域を正の領域、反対側
    を負の領域とし、前記第1の座標軸が正で第2の座標軸
    が正の象限を第1象限、前記第1の座標軸が負で第2の
    座標軸が正の象限を第2象限、前記第1の座標軸が負で
    第2の座標軸が負の象限を第3象限、前記第1の座標軸
    が正で第2の座標軸が負の象限を第4象限と定義し、前
    記偏心駆動穴と前記偏心ブッシュの偏心穴の中心、すな
    わち、駆動ピン中心を前記第2象限内に位置させてなる
    スクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】旋回バランスウエイトの主軸側となる外周
    端面部をL字状の段付きに形成した請求項1記載のスク
    ロール圧縮機。
  3. 【請求項3】偏心ブッシュの主軸側となる端部に一体成
    形された旋回バランスウエイトの取付板に抜き穴を設け
    てなる請求項1記載のスクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】駆動ピンの内部に貫通穴を設けてなる請求
    項1記載のスクロール圧縮機。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002221167A (ja) * 2001-01-22 2002-08-09 Tokico Ltd スクロール式流体機械
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US12631181B2 (en) 2024-02-16 2026-05-19 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Scroll compressor

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