JPH08159237A - 回転斜板式アキシャルピストンポンプ、及びそのポンプを使用した四輪駆動車 - Google Patents

回転斜板式アキシャルピストンポンプ、及びそのポンプを使用した四輪駆動車

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JPH08159237A
JPH08159237A JP30242094A JP30242094A JPH08159237A JP H08159237 A JPH08159237 A JP H08159237A JP 30242094 A JP30242094 A JP 30242094A JP 30242094 A JP30242094 A JP 30242094A JP H08159237 A JPH08159237 A JP H08159237A
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JP
Japan
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swash plate
piston
pump
pressure
side pressure
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JP30242094A
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Jun Watanabe
純 渡辺
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】追加する加工代も少くなく且つポンプを大型化
することなく、許容回転数が高い回転斜板式アキシャル
ピストンポンプを提供することを目的としている。 【構成】回転斜板式アキシャルピストンポンプであっ
て、各ピストン室26とピストン側圧力室30が、ピス
トン側圧力導入路29及びシュー側圧力導入路31を介
して連通している。回転斜板23には、ピストン用シュ
ー28と摺接可能な位置から背面23bに向けて個々に
延びる複数の斜板側圧力導入路32が設けられている。
また、各斜板側圧力導入路32の斜板背面側開口部は、
それぞれ独立した斜板側圧力室33に連通している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速回転で駆動可能な
回転斜板式アキシャルピストンポンプ、及びそのピスト
ンポンプを利用した四輪駆動車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の回転斜板式アキシャルピストンポ
ンプとしては、例えば、株式会社オーム社書店発行の石
原貞男著「ピストンポンプ・モータの理論と実際」(昭
和54年5月20発行)の90〜91ページに記載され
ているものなどがある。これは、図7に示すように、ポ
ンプハウジング60に回転軸61が回転自在に支持さ
れ、その回転軸61に回転斜板62が同軸に固定されて
いる。その回転斜板62は、ハウジング60内に収納さ
れ、該回転斜板62の傾斜面62aに対して、複数のピ
ストン63先端部がピストンシュー64を介して摺動可
能に当接している。その複数のピストン63は、互いに
回転斜板62の周方向に沿って等間隔に配置されると共
に、それぞれハウジング60に形成された各シリンダ孔
内に往復移動可能に配置されている。
【0003】各ピストン63は、それぞれバネによって
回転斜板62側に付勢され、且つ、先端部の斜孔65a
からシリンダ孔内の各ピストン室70に作動油を吸入す
る油路65が該各ピストン63内に形成されている。そ
の油路65途中には吸込み用ボールチェック弁66が介
挿されてピストン室70から斜孔への逆流が阻止され、
また、該ピストン室70は、吐出用ボールチェック弁6
7を介して吐出ポート68に連通している。
【0004】また、上記回転斜板62の傾斜面62aと
上記ピストンシュー64との間、及び該傾斜面62aに
対向する背面とハウジング60の内壁面との間には、そ
れぞれピストン63から斜板62に負荷されるアキシャ
ル荷重を支持するためのスラスト軸受69が配設されて
いる。なお、図中、71は該スラスト軸受69を受ける
環状のメタルである。また、74は、ポンプ内に作動油
を流入させる吸入ポートを示している。
【0005】そして、回転軸61の回転に連動して回転
斜板62が回転すると、該回転斜板62に規制されつつ
各ピストン63がそれぞれ往復運動する。即ち、各ピス
トン63は、バネ72の付勢力によって前進する際に、
上記油路65及び吸込み用ボールチェック弁66を介し
てピストン室70内に作動油を吸込み、続いて、回転斜
板62の傾斜面62aに押されて後退する際に、ピスト
ン室70内の作動油が、吐出用ボールチェック弁67を
介して吐き出される。これが、回転斜板62が一回転す
る度に実施される。
【0006】上記ピストン63後退時には、ピストン室
70内の作動油は圧縮され、その圧力がピストン63及
びピストンシュー64を介して回転斜板62側に伝達さ
れる。この斜板62に入力された荷重のうち、ラジアル
荷重は、回転斜板62と一体的な回転軸61に設けられ
たラジアル軸受73で支持され、アキシャル荷重は、斜
板62背面側に配設されたスラスト軸受69によって支
持される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】回転斜板式アキシャル
ピストンポンプにあっては、負荷が大きくなるほどアキ
シャル荷重が非常に大きく作用するが、上記説明した従
来のポンプでは、スラスト軸受69でアキシャル荷重を
支持する構造であるので、支持させるアキシャル荷重が
大きくなる程、即ち、各ピストン室70内で発生する圧
力が高く設定されるほど、該スラスト軸受69として大
型化した軸受を使用する必要があり、これはポンプ自身
の軸方向の全長を長くする原因となる。また、スラスト
軸受69は許容回転数が低いのでポンプを高速回転させ
ることができず、これに対処するためには、回転数が低
い分だけ固有吐出容量を大きくして流量を稼ぐ必要が生
じるが、これはポンプの大型化に繋がる。
【0008】このような、許容回転数が低く且つ大型化
したポンプは、レイアウト制限が厳しく且つ使用回転数
も高い自動車等への適用が困難である。このとき、従
来、実開平2−96483号公報に記載されているよう
に、回転斜板の背面側に対して、該斜板の周方向に沿っ
てベアリングシューを環状に設けると共に、各ピストン
室内の圧力を、ハウジング内に設けた圧力導入路を介し
て上記ベアリングシューに導入させ、その圧力によって
アキシャル荷重を支持させて、回転斜板の高速回転に対
応させたものもあるが、ハウジング内に複数の圧力導入
路を形成する必要があるので、該ハウジングを頑強に形
成する必要があると共に、ベアリングシューに対応して
全周に圧力室を形成するため加工代が大きくなるという
問題がある。
【0009】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、追加する加工代も少くなく且つポンプ
を大型化することなく、許容回転数が高い回転斜板式ア
キシャルピストンポンプ及びそのポンプを利用した四輪
駆動車を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の回転斜板式アキシャルピストンポンプは、
回転軸と一体となって回転する斜板と、その斜板の傾斜
面に対してピストンシューを介して摺動可能に押圧され
て、固定されたシリンダ孔内を上記斜板の回転に応動し
てストロークする複数のピストンと、を備えた回転斜板
式アキシャルピストンポンプにおいて、各ピストン内に
設けられ各ピストン室の圧力を対応する各ピストンシュ
ー位置まで導入可能なピストン側圧力導入路と、そのピ
ストン側圧力導入路にそれぞれ連通すると共に各ピスト
ンシューにおける斜板との摺接面に形成された凹部から
なるピストン側圧力室と、上記斜板の傾斜面と対向する
背面に設けられた凹部からなる斜板側圧力室と、該斜板
に設けられて該斜板のピストンシュー摺動面位置と上記
斜板側圧力室とを連通する斜板側圧力導入路と、を設け
たことを特徴としている。
【0011】このとき、請求項2に記載したように、上
記斜板側圧力室及び斜板側圧力導入路は、それぞれ独立
した複数の組からなることを特徴とするとよい。また、
本発明の四輪駆動車は、主原動機により駆動される駆動
車軸と、該駆動車軸に連動して回転し、作動流体を吐出
する流体圧ポンプを有する流体圧供給手段と、従動輪の
車軸に連動して回転する流体圧モータを有する流体圧駆
動手段と、上記流体圧供給手段の吐出口と流体圧駆動手
段の吸込み口とを連通する第1流路と、上記流体圧供給
手段の吸込み口と流体圧駆動手段の吐出口とを連通する
第2流路と、を備えた四輪駆動車において、上記流体圧
供給手段の流体圧ポンプに、上記請求項1又は請求項2
に記載された回転斜板式アキシャルピストンポンプを採
用したことを特徴としている。
【0012】
【作用】上述した構成により、本発明の請求項1に記載
された発明では、各ピストン室の圧力は、各ピストン内
に設けられたピストン側圧力導入路を介してピストン側
圧力室に導入される。これによって、該ピストン室の圧
力に応じた圧力が、斜板の傾斜面とピストンシューとの
間に発生し、該圧力に比例して両者の間の摺動抵抗が小
さくなる。
【0013】さらに、上記ピストン側圧力室は斜板側圧
力導入路の傾斜面側の開口部と対向可能となっているの
で、該ピストン側圧力室に導入された圧力は、該斜板側
圧力導入路を介して斜板側圧力室に導入可能となる。こ
れによって、各ピストン室の圧力に応じた圧力が、斜板
側圧力室に導入され、該斜板の背面と、該背面と対向す
るハウジング内壁面との間の摺動抵抗が、該導入された
圧力に比例して両者の間の摺動抵抗が小さくなる。
【0014】従って、ポンプの回転軸や斜板が高速回転
したり、ポンプの負荷が高くなると、各ピストン室内の
圧力が上昇して、ピストンを介して斜板に伝達されるア
キシャル荷重は大きくなるが、該ピストン室内の圧力上
昇に追従して、斜板の傾斜面とピストンシューとの間、
及び斜板の背面とハウジング内壁との間の摺動抵抗がそ
れぞれ該ピストン室内の圧力に応じて小さくなる。
【0015】このように、斜板が高速回転するなどして
斜板に入力されるアキシャル荷重が大きくなっても、該
アキシャル荷重に比例した圧力が、斜板の傾斜面とピス
トンシューとの間、及び斜板の背面とハウジング内壁と
の間に発生して、斜板の回転による摺動抵抗を減じつつ
該アキシャル荷重を支持可能となる。次に、本発明の請
求項2に記載した発明は、ピストン側圧力室に対向した
斜板側圧力導入路に連通する斜板側圧力室に確実に所望
の圧力が発生するように、各斜板側圧力導入路に連通す
る斜板側圧力室をそれぞれ個別のものとしたものであ
る。
【0016】これによって、常に、斜板の背圧側に、入
力されたアキシャル荷重に応じた所定の圧力を導入可能
となる。また、本発明の請求項3に記載した発明は、上
記説明した請求項1又は請求項2の回転斜板式アキシャ
ルピストンポンプによって、許容回転数が高く、また、
高負荷での使用が可能であるので、駆動輪の高速回転時
等、アキシャル荷重に比例した圧力が、斜板の傾斜面と
ピストンシューとの間、及び斜板の背面とハウジング内
壁との間に発生して、斜板の回転による摺動抵抗を減ず
る。
【0017】
【実施例】まず、本発明に基づく回転斜板式アキシャル
ピストンポンプの実施例を、図面に基づいて説明する。
そのポンプの構成は、図1に示すように、ポンプハウジ
ング20に対して回転軸21がラジアル軸受22を介し
て回転自在に支持されている。その回転軸21に対して
同軸且つ一体的に回転斜板23が固定されている。該回
転斜板23は、ポンプハウジング20内に回転自在に収
納されている。その回転斜板23の傾斜面23a側に
は、複数のピストン24が、上記回転軸21と軸を平行
にした状態で、相互に該斜板23の周方向に沿って所定
間隔をあけて配設されている。
【0018】その各ピストン24は、ポンプハウジング
20に形成された各シリンダ孔25に挿入され、該シリ
ンダ孔25によって軸方向にのみ往復移動可能に拘束さ
れている。そのシリンダ孔25における該ピストン24
後端部側位置は、ピストン室26を構成している。該ピ
ストン24の後端部には、図2に示すように、軸方向に
延びる有底孔24aが設けられ、該有底孔24a及びピ
ストン室26内にバネ部材27が配設されて、該バネ部
材27によって各ピストン24はそれぞれ斜板23側に
付勢されている。そして、該ピストン24先端部がそれ
ぞれピストン用シュー28を介して該斜板23の傾斜面
23aへ摺動可能に押圧されている。
【0019】その各ピストン24には、ピストン室26
の有底孔24a底面からピストン用シュー28に向けて
軸方向に貫通するピストン側圧力導入路29が形成され
ている。また、上記ピストン用シュー28における、斜
板23の傾斜面23aとの摺接面位置に凹部状のピスト
ン側圧力室30が形成されている共に、該ピストン側圧
力室30と上記ピストン側圧力導入路29とは、シュー
側圧力導入路31を介して連通されている。
【0020】また、上記回転斜板23には、図2及び図
3に示すように、ピストン用シュー28と摺接可能な位
置から背面23bに向けて個々に延びる複数の斜板側圧
力導入路32が設けられている。また、各斜板側圧力導
入路32の斜板背面側開口部は、それぞれ独立した斜板
側圧力室33に連通している。各斜板側圧力室33は、
それぞれ回転斜板23の背面23bに形成された凹部か
ら構成されている。この斜板側圧力導入路32及び斜板
側圧力室33は、それぞれ該斜板23の周方向に沿って
所定間隔をあけて設けられている。
【0021】なお、該斜板側圧力導入路32間のピッチ
は、上記ピストン24間のピッチよりも小さく設定され
ていると共に、その各斜板側圧力導入路32における斜
板23の傾斜面23a側開口面積は、上記ピストン24
用ピストン側圧力室30よりも小さく設定されている。
さらに、上記複数の斜板側圧力導入路32の傾斜面23
a側開口部位置は、斜板23におけるピストン24を後
退させる傾斜面23a部分にのみ設けられている。
【0022】また、上記斜板23の背面23bと対向す
るポンプハウジング20の内壁には、上記斜板側圧力室
33と対向可能な位置にリング状のメタル34が固定さ
れていて、該斜板23の背面23bは、該メタル34上
を摺動回転するようになっている。また、上記各ピスト
ン室26は、それぞれピストンハウジング20に設けら
れた入出用ポート35に連通している。各入出用ポート
35は、それぞれタンク36に連通する吸入側配管3
7、及び所定の作動液供給部39に接続された吐出側配
管38に接続されている。該吸入側配管37における各
入出用ポート35への分岐管37aにはそれぞれ吸入用
逆止め弁40が介挿されて、該入出用ポート35から吸
入側配管37の本管側への逆流が防止されている。
【0023】同様に、上記吐出側配管38における各入
出用ポート35への分岐管38aにはそれぞれ吐出用逆
止め弁41が介挿されて、吐出側配管38の本管側から
該入出用ポート35への逆流が防止されている。なお、
図1中、43はオイルシールを示している。また、44
は作動油排出用の通路で、上記タンク36に接続されて
いる。
【0024】次に、上記構成の回転斜板式アキシャルピ
ストンポンプの動作について説明する。上記回転軸21
を回転すると、一体的になっている回転斜板23が同一
の回転数で回転し、その回転斜板23の回転に応動して
各ピストン24が往復運動を始める。そして、各ピスト
ン24は、回転斜板23が一回転する毎に、斜板23側
に前進することで、吸入側配管37から吸入用逆止め弁
40を介してピストン室26内に作動液が吸入され、続
けて、斜板23から押され該斜板23から後退すること
で、ピストン室26内の作動液が圧縮され該ピストン室
26内の圧力が所定以上となった時点で、該ピストン室
26内の作動液が吐出用逆止め弁41を介して吐出側配
管38に吐き出されて所定の作動液供給部39に作動液
を供給する。
【0025】このとき、吐出側配管38内の圧力が低い
など、ポンプが無負荷に近い状態では、上記ピストン2
4が後退する際の各ピストン室26内の圧力は、さほど
高くならない。即ち、ピストン24を介して斜板23側
に伝達される反力は小さいので、斜板23に伝達される
アキシャル荷重は小さい。この状態では、上記各圧力導
入路29,31,32を介して各ピストン側圧力室30
及び斜板側圧力室33に導入される圧力は小さいので、
斜板23は、環状のメタル34と摺接した状態で回転す
るが、アキシャル荷重も小さいので、回転斜板23が受
ける摺動抵抗は小さい。
【0026】また、吐出側配管38内の圧力が高くなる
などポンプの負荷が高くなると、各ピストン24が後退
する時にそれぞれのピストン室26の圧力が個々に上昇
し、該圧力に比例した反力が該ピストン24を介して斜
板23側に伝達される。このとき、ピストン室26内の
圧力は、常時、ピストン側圧力導入路29を介してピス
トン側圧力室30に導入されているので、該ピストン室
26内に圧力が上昇するとそれに追従して該ピストン側
圧力室30内の圧力も上昇し、該圧力に応じた分だけシ
ュー28と斜板23の傾斜面23aとの間の摺動抵抗が
低減する。
【0027】さらに、ピストン側圧力室30が、斜板2
3に設けられた斜板側圧力導入路32の一つとそれぞれ
対向すると、該ピストン側圧力室30の圧力が、該斜板
側圧力導入路32を介して斜板側圧力室33に導入さ
れ、該斜板側圧力室33も圧力が上昇して、斜板23の
背面23bとメタル34(ポンプハウジング20内壁
面)との間の摺動抵抗が低減する。
【0028】これによって、ピストン24を介して斜板
23側に伝達される荷重のうち、アキシャル方向の荷重
に対しては、該アキシャル荷重に応じた分の圧力が斜板
側圧力室33に導入されて該斜板側圧力室33に所定の
圧力が発生し、これによって、該アキシャル荷重が支持
される。即ち、斜板23とピストン24シュー28との
間、及び斜板23とメタル34との間に、斜板23に入
力される荷重に応じた圧力を発生可能な流体軸受が形成
される。これによって、高負荷、且つ高回転でのポンプ
の使用が可能となる。
【0029】なお、ピストン24を介して斜板23側に
伝達される荷重のうち、ラジアル方向の荷重に対して
は、斜板23から回転軸21に伝達されてラジアル軸受
22にて支持されるが、該ラジアル荷重へのピストン室
26内の圧力上昇による寄与は小さい。また、斜板側圧
力室33内にピストン室26の圧力が導入されるために
は、斜板側圧力導入路32の開口部にピストン側圧力室
30が対向する必要があるが、上記のようにピストン2
4間のピッチよりも斜板側圧力導入路32間のピッチを
小さく設定することで、シュー28用ピストン側圧力室
30が斜板側圧力導入路32と対向しない時間間隔が短
くなるようになっている。また、上記のように回転斜板
の回転に追従して、各ピストンシューのピストン側圧力
室は、間欠的に各斜板側圧力導入路の開口部とそれぞれ
対向するが、複数の斜板側圧力導入路の開口部のピッチ
を適当に調整することで、常に、幾つかの斜板側圧力導
入路の開口部がピストン側圧力室に対向可能に設定可能
となるので問題はない。
【0030】また、上記ピストン24を介して所定以上
の荷重が負荷されるのは、ピストン24後退方向と対向
している斜板23の傾斜面23a位置であるので、上記
構成のように、この部分にだけに上記斜板側圧力導入路
32及び斜板側圧力室33を設けるだけで問題はない。
ここで、例えば、斜板背面側に一つだけ斜板側圧力室を
設け、その一つの斜板側圧力室に複数の斜板側圧力導入
路を連通する構成とした場合には、その複数の斜板側圧
力室の幾つかにピストン側圧力室が対向して所定の圧力
が導入されても、ピストン側圧力室と対向していない斜
板側圧力導入路からその圧力が漏れてしまい、該斜板側
圧力室に目的とする圧力が発生しない恐れがある。
【0031】しかし、本実施例では、各斜板側圧力導入
路32と斜板側圧力室33とは独立しているので、一つ
の斜板側圧力室33に導入された圧力が、他の斜板側圧
力導入路32を通じて逃げることはない。このように、
斜板23とピストン24シュー28との間、及び斜板2
3とメタル34との間に、斜板23に入力される荷重に
応じた圧力で支持可能な流体軸受が形成されている。こ
れによって、回転斜板23に入力するアキシャル荷重を
受けるためのスラスト軸受が不要となり、また、該荷重
に応じた支持圧が発生可能な流体軸受を採用しているた
め、使用するポンプの回転数を高く設定しても、該ポン
プを大型化することが防止される。
【0032】また、上記流体軸受に圧力を導入する圧力
導入路をポンプハウジング20内に設けていないので、
該ポンプハウジング20を従来よりも頑強に作成する必
要がない。また、その圧力を導入するための圧力導入路
29,31,32も最短距離で構成されているために、
その加工代も小さい。なお、上記実施例では、斜板側圧
力導入路32と斜板側圧力室33とを一対一に対応させ
て構成しているが、一つの斜板側圧力導入路32に対し
て複数の斜板側圧力室33を連通する1対多の構成とな
っていてもよい。但し、上記説明したように、一つの斜
板側圧力室33には一つの斜板側圧力導入路32だけが
連通するように構成する。
【0033】また、各斜板圧力導入路32から漏れた作
動流体は、通路44を介してタンク36側に戻される。
次に、上記回転斜板式アキシャルポンプを、前輪駆動車
をベースとした四輪駆動車における流体圧ポンプに適用
した場合の実施例を説明する。図4は概略構成図であ
る。図中、1は主原動機としてのエンジンであって、こ
のエンジン1の回転駆動力が変速機2を介して前輪側差
動装置3に入力され、この差動装置3の出力側に駆動車
軸としての前車軸4を介して前輪5が連結されている。
【0034】前輪側差動装置3は、ディファレンシャル
ギアケース3a内に形成されたリングギア3bが、変速
機2の出力側に連結されたギア2aに噛合されて回転駆
動される。このディファレンシャルギアケース3a内に
形成された一対のピニオンシャフト3cには、ピニオン
3dが取り付けられ、これらピニオン3dに一対のサイ
ドギア3eが噛合し、これらサイドギア3eに上記前車
軸4が連結されている。
【0035】また、ディファレンシャルギアケース3a
には、リングギア3bと並列に第2のリングギア3fが
形成されている。この第2のリングギア3fは、これに
噛合するギア3gを介して、駆動側流体圧駆動手段を構
成する流体圧ポンプ6の回転軸6aに連結されている。
この流体圧ポンプ6は、上記説明した構成を有する回転
斜板式アキシャルピストンポンプであって、各入出用ポ
ートに接続する吸入側配管が、リザーバタンク7内に配
設されたストレーナ7aに連結されていると共に、第2
流路を構成する低圧配管8Lを通じて、前後進切換用の
電磁方向切換弁9のタンクポートTに接続される。ま
た、上記各入出用ポートに接続する吐出側配管は、第1
流路を構成する高圧配管8Hを通じて、前後進切換用の
電磁方向切換弁9のポンプポートPに接続されている。
【0036】なお、下記説明において、本実施例の流体
圧ポンプとしての回転斜板式アキシャルピストンポンプ
の各構成部分として、図4に表されない部材には、上記
説明で使用したポンプの対応する部材に附した符号と同
一符号を付けて説明する。ここで、上記回転斜板式アキ
シャルピストンポンプ6は、上記説明した構造や作用な
どから分かるように、回転軸6aの回転方向によって吸
込側と吐出側とが入れ替わることはない。その吐出流量
は、例えば、図5中に実線S1 で示すように、車速が
“0”から最大伝達トルクが減少し始める車速より高い
設定車速に達するまでの間では、車速の増加に比例して
比較的大きな増加率で増加し、高速走行状態となって四
輪駆動状態を必要としない設定車速以上では最大吐出流
量で飽和するように設定する。
【0037】上記前後進切換用の電磁方向切換弁9は、
入出力ポートAが後述する流体圧モータとしての斜板式
可変容量モータ10の流入ポート10aに接続し、入出
力ポートBが斜板式可変容量モータ10の流出ポート1
0bに接続される。そして、ソレノイド9aが非通電状
態であるノーマル位置でポンプポートPを入出力ポート
Aに、タンクポートTを入出力ポートBにそれぞれ連通
し、ソレノイド9aが通電状態であるオフセット位置で
ポンプポートPを入出力ポートBに、タンクポートTを
入出力ポートAにそれぞれ連通するようになっている。
【0038】即ち、ノーマル位置で高圧配管8Hの高圧
油を斜板式可変容量モータ10の流入ポート10aに、
低圧配管8Lを流出ポート10bに連通させて回転軸1
0cを前進走行時の回転方向に回転駆動する。逆にオフ
セット位置で高圧配管8Hの高圧油を可変容量モータ1
0の流出ポート10a(前進時は流入ポート)に、低圧
配管8Lを流入ポート10b(前進時は流出ポート)a
に連通させて回転軸10cを後進走行時の回転方向に回
転駆動する。
【0039】なお、上記電磁方向切換弁9は、後述する
斜板式可変容量モータ10に内蔵され、出力ポートA,
Bがそれぞれ配管を介することなく可変容量モータ10
の流出入ポート10a及び10bに連結されている。ま
た、電磁方向切換弁9のソレノイド9aへの通電は、ソ
レノイド9aが図示しないシフトレバーで後進を選択さ
れたときにのみオン状態となるシフト位置検出スイッチ
9bを介して直流電源9cに接続されることにより、前
進走行時には非通電状態に、また、後進走行時には通電
状態にそれぞれ制御される。
【0040】斜板式可変容量モータ10は、図6に示す
ように、モータハウジング100に対して回転軸10c
がベアリング111によって回転自在に支持されてい
る。ハウジング100内に配置された円筒状のシリンダ
ブロック101が、上記回転軸10cに同軸にセレーシ
ョン嵌合されている。このシリンダブロック101内に
は、該シリンダブロック101の回転方向に沿って複数
個のピストン102が等間隔で配置されている。各ピス
トン102は、それぞれシリンダブロック101の軸と
平行な方向に摺動自在に該シリンダブロック101に支
持されている。
【0041】また、ハウジング100内のシリンダブロ
ック101の右端面に対向する位置に、斜板103が配
設されている。この斜板103は、円板部103aと、
その円板部103aの上端から突出する突出部103b
とから構成され、その傾斜角が所定揺動軸Pを中心とし
て揺動自在となっている。該揺動軸Pは、回転軸10c
から斜板103がシリンダブロック101の対向面に接
近する方向に所定量εだけオフセットして設定されてい
る。
【0042】この斜板103の対向面に対して、各ピス
トン102の右端に被冠したシュー108がシューホル
ダ109によって摺接される。このシューホルダ109
は、シリンダブロック101の内周面に配設された押圧
スプリング110によってニードル112を介して斜板
103側に押圧されている。また、斜板103は付勢手
段113によって傾斜角が小さくなる方向に付勢されて
いる。この付勢手段113は、斜板103の突出部10
3bの左端面に当接して、該斜板103の突出部103
bを右方向、即ち斜板103の傾斜角を小さくする方向
に押圧可能なコントロールピストン113aを本体とし
たシリンダ装置と、シリンダ装置の流体圧室113bに
配置され、該コントロールピストン113aを斜板10
3側に付勢可能なバネ部材113cと、該流体圧室11
3bを斜板式可変容量モータ10内の低圧部、例えば低
圧配管8L側等に接続したり大気に開放するする連通管
113dと、該連通管113dの途中に介装された絞り
であるオリフィス113eと、から構成されていて、該
バネ部材113cの弾性力によって上記コントロールピ
ストン113aが斜板103側に付勢されている。な
お、上記シリンダ装置のシリンダチューブ本体は、ポン
プハウジング100の一部によって構成されている。
【0043】また、該ポンプハウジング100内面から
斜板103に向けてストッパ114が突設していて、該
斜板103が所定傾斜角、即ち設定された最大傾斜角と
なってときに該ストッパ114に当接して斜板103の
傾斜を規制するようになっている。該ストッパ114
は、ネジ部材などから構成して斜板103への突出量を
調整可能としてもよい。
【0044】一方、シリンダブロック101の左端面に
はハウジング100に固定されたバルブプレート115
が摺接され、このバルブプレート115と各ピストン1
02を収容するボア116との間に連通孔117が穿設
されている。バルブプレート115には、図3に示すよ
うに、連通孔117の移動軌跡に沿って左半部に流入ポ
ート10a(後進時流出ポート)が、右半部に流出ポー
ト10b(後進時流入ポート)が形成されている。
【0045】なお、上記斜板式可変容量モータ10の最
大固有吐出量(斜板103が最大傾斜角となっている状
態での固有吐出量)は、上記ピストンポンプ6の固有吐
出量よりも大きくなるように設定されている。また、上
記回転斜板式アキシャルピストンポンプ6の吸込口6b
と吐出口6cとの間に、トルク制限手段としてのピスト
ンポンプ6の吐出圧の上限を決めるリリーフ弁11が介
装されている。また、ピストンポンプ6と電磁切換弁9
との間における高圧配管8Hと低圧配管8Lとの間が連
通配管12により連通され、該連通配管12に対して、
低圧配管8L側から高圧配管8H側への流体の流れを許
容する逆止め弁13が介装されていると共に、連通配管
12と並列に配設された第2の連通配管14に対して、
逆止め弁13と並列関係に固定オリフィス15が接続さ
れている。
【0046】一方、斜板式可変容量モータ10の回転軸
10cにギア16が取り付けられ、このギア16に、後
輪側差動装置17のディファレンシャルギアケース17
aに形成されたリングギア17bが噛合されている。こ
の後輪側差動装置17は、前述した前輪側差動装置3と
略同様の構成を有し、ディファレンシャルギアケース1
7a内に一対のピニオンシャフト17cが形成され、該
一対のピニオンシャフト17cに取り付けられたピニオ
ン17dに一対のサイドギア17eが噛合している。こ
れらサイドギア17eには、後車軸18が連結され、こ
の後車軸18に後輪19が連結されている。
【0047】次に、上記実施例の動作を説明する。今、
車両が乾燥路面等の高摩擦係数路に停車して、エンジン
1がアイドリング状態にある制動状態から前進走行を開
始する場合には、図示しないシフトレバーを前進走行状
態に切り換えることにより、発進可能状態とすることが
できる。このとき、後進走行側のシフト位置検出スイッ
チ9bはオフ状態を維持するため、前後進切換用電磁方
向切換弁9のソレノイド9aは非通電状態を維持して、
切換位置が図1に示すノーマル位置を保持する。
【0048】この状態で、ブレーキペダルを解放してア
クセルペダルを踏むことにより、エンジン1の回転力が
変速機2を介して前輪側差動装置3に伝達され、この前
輪側差動装置3で前輪5を前進方向に回転駆動すること
により車両の前進が開始される。すると、回転斜板式ア
キシャルピストンポンプ6は、回転軸6cが回転駆動さ
れることにより、該回転軸6cと一体的になっている回
転斜板23も、回転数が零の状態から回転軸6cの回転
の追従して車両の速度の応じた回転数となり、該ピスト
ンポンプ6から上記回転速度に応じた吐出流量の作動油
が吐出される。このとき、回転数が高くなるにつれて各
ピストン24から回転斜板23への荷重は大きくなる
が、上記説明したように、該荷重の増加につれて、回転
斜板23とピストンシュー28との間、及び回転斜板2
3とメタル34(ポンプハウジング20の内壁)との間
の摺動抵抗が、それぞれ荷重に応じて小さくなり、低摩
擦状態で回転斜板23が高速回転可能となり、該駆動輪
5の回転に応じた回転数で回転することができる。
【0049】上記吐出された作動油は、高圧配管8H及
び前後進切換用電磁方向切換弁9を介して斜板式可変容
量モータ10の流入ポート10aに供給されるが、車両
の発進により後輪19も前輪5と同方向に且つ同一回転
速度で回転駆動されるので、後輪側差動装置17を介し
て斜板式可変容量モータ10の回転軸10cも回転し、
これによって流入ポート10aから作動油が吸入され吐
出される。
【0050】このとき、斜板式可変容量モータ10にあ
っては、斜板103が最大傾斜角となった状態である該
斜板式可変容量モータ10の最大固有吐出量をVとし、
該斜板式可変容量モータ10の回転軸10cの回転速
度、即ち従動車軸の回転速度をNR とすると、該斜板式
可変容量モータ10での単位時間当たりの最大吐出量
は、V×NR で示され、従動車軸18の回転速度に比例
して大きくなる。一方、ピストンポンプ6からの吐出
量、即ち斜板式可変容量モータ10に供給される流入流
量Qも、回転軸6aの速度、即ち駆動車軸の回転速度N
F に比例した量である。
【0051】ここで、斜板式可変容量モータ10の最大
固有吐出量はピストンポンプ6の固有吐出量よりも大き
く設定してあるので、上記前輪5と後輪19が略同一回
転数で回転している状態では、Q<V×NR となる。従
って、斜板103は最大傾斜角よりも小さな傾斜角であ
るためストッパ114に当接せず、揺動自在の状態とな
っている。
【0052】従って、斜板103は、供給される作動油
の流量に応じた傾きに自動調整されて、該斜板式可変容
量モータ10では、ピストンポンプ6から供給された流
入流量と略同一量を吐出する。即ち、上記状態では、図
5中、破線S2 で示すように車速に応じてピストンポン
プ6から供給された流入流量が増加すると、斜板式可変
容量モータ10からの吐出流量もそれに追従して図4中
実線S1 で示すように増加する。
【0053】これによって、高圧配管8Hの圧力が上昇
することなく略ゼロを維持すると共に、該斜板式可変容
量モータ10は従動車軸,即ち後輪19に駆動トルクを
伝達しない。従って、車両は前進駆動車(二輪駆動車)
と同様な状態で前進走行する。なお、この走行状態で
は、斜板式可変容量モータ10は、ピストンポンプ6か
らの吐出量に追従して同量だけ吐出するので、強制吸入
が発生することがない。このため、斜板式可変容量モー
タ10でのキャビテーション発生が回避される。
【0054】次に、凍結路、降雪路等の低摩擦係数路で
発進する場合について説明する。上述したように、先ず
前輪5が回転駆動されるが、低摩擦係数路であるために
駆動輪である前輪5がスリップすることで、前輪5の回
転数NF が後輪19の回転数NR に比べて高い回転数と
なり、前輪5と後輪19との間に所定の回転数差が生じ
る。
【0055】これによって、前輪5の滑りが大きくなる
ほどピストンポンプ6の単位時間当たりの吐出量が相対
的に上昇し、それに追従して斜板式可変容量モータ10
側では、同一吐出量を出力するように、斜板103の傾
きが大きくなる方向に自動調整される。そして、単位時
間当たりのピストンポンプ6からの流量が斜板式可変容
量モータ10の単位時間当たりの最大吐出量を越える、
即ち上記Q=V×NRとなった時点で、斜板式可変容量
モータ10の斜板103の傾斜角はストッパ114に規
制され、その吐出量が固定される。
【0056】さらに、上記前輪5と後輪19との間に回
転数差が大きくなると、Q>V×N R の状態、即ちピス
トンポンプ6からの吐出流量が斜板式可変容量モータ1
0の吐出流量を上回り、斜板式可変容量モータ10の抵
抗が負荷となって高圧配管8Hの作動油圧が上昇する。
即ち、この状態では、図4中破線で示すように車速に応
じてピストンポンプ6からの吐出流量が増加しても、前
後輪に車輪速差があるために、斜板式可変容量モータ1
0からの吐出流量は、上記ピストンポンプ6からの吐出
流量に比べて常に低くなり、その差が負荷となる。
【0057】このため、斜板式可変容量モータ10が、
高圧配管8Hからの供給圧力に応じた駆動トルクが後輪
側差動装置17を介して後輪19に伝達されて、車両は
四輪駆動斜と同様な状態で前進走行する。この後輪側に
伝達されるトルクは、前後輪に所定の回転数差が生じて
始めて発生し、回転数差の増大と共に急増し、リリーフ
弁11による圧力制限によって最大トルクが規制される
ことになる。このトルク制限作用によって、後輪側差動
装置17、ドライブシャフト等の構成部材の強度を従来
の四輪駆動車に比べて下げることが可能となり、重量、
燃費、コストの低減を図ることができる。
【0058】上記四輪駆動状態では、回転斜板式ピスト
ンポンプ6の負荷も大きくなり、各ピストン室26の圧
力が上昇して回転斜板23への荷重も大きくなるが、前
記説明したように、回転斜板23とピストンシュー28
との間、及び回転斜板23とメタル34(ポンプハウジ
ング20の内壁)との間の摺動抵抗が、それぞれ上記圧
力(負荷)に応じて小さくなり、低摩擦状態で回転斜板
23が高速回転可能となり、該駆動輪5の回転に応じた
回転数で回転することができる。
【0059】また、トルクの立ち上がりは、高圧配管8
Hと低圧配管8Lとを連通する連通配管12に介装され
た固定オリフィス15により高圧配管8Hから低圧配管
8Lへの漏れ量を管理し、圧力の立ち上がりを変えるこ
とで特性を任意に設定可能である。そして、固定オリフ
ィス15が有する作動油の粘性変化に伴う温度特性によ
り高温時に比べて低温時は漏れ量が減り駆動量が発生し
易い特性となるため、四輪駆動車としての機能を要求さ
れる機会の多い冬期に四輪駆動車になりやすいという利
点がある。
【0060】また、上記四輪駆動状態から、前輪5のス
リップが低減して前輪5と後輪19との回転数差が小さ
くなると、ピストンポンプ6から斜板式可変容量モータ
10に供給される吐出量が小さくなり上記二輪駆動状態
に復帰する。次に、車両を後進させる場合には、シフト
レバーを後進位置に切り換えることにより、シフト位置
検出スイッチ9bがオン状態となるため、前後進切換用
電磁方向切換弁9のソレノイド9aが通電状態となり、
切換位置がノーマル位置からオフセット位置に切り換え
られ、これによって高圧配管8Hの作動油を斜板式可変
容量モータ10の後進時流入ポート10bに供給し、後
進時流出ポート10aから吐出される作動油を流路12
を通じて低圧配管8L側に戻すことにより、斜板式可変
容量モータ10の回転軸10cを前進走行時とは逆転さ
せて、後輪19を逆回転させる。このため、後進時にお
いても、駆動力の伝達については前進時と全く同様であ
り、前輪5がスリップし前後輪に所定の回転数差が生じ
たときのみ高圧配管8Hに圧力が発生し、駆動トルクが
後輪19に伝達される。
【0061】このとき、前輪側の回転斜板式アキシャル
ピストンポンプ6は、上述したように、回転方向が逆転
してもポンプの吸入口6bと吐出口6cとが入れ替わる
ことはないと共に、前後進切換用電磁方向切換弁9が斜
板式可変容量モータ10に内蔵されているため、高価な
高耐圧配管は高圧配管8Hに使用するだけで済むと共
に、リリーフ弁11、逆止め弁13、オリフィス15等
も一方向の流れのみに対応できるように設ければよいの
で、他の方式のポンプを用いた場合に比べて油路構成を
極めて簡略化することができる。
【0062】また、前輪駆動車ベースのアンチスキッド
制御装置装着車においては、制動時に前輪5の回転数は
後輪19の回転数よりも小さくなり、ピストンポンプ6
からの斜板式可変容量モータ10への供給流量が減少す
るが、斜板103の傾きがそれに応じて自動調整されて
斜板式可変容量モータ10の吐出量もピストンポンプ6
からの供給流量と同等となり、低圧配管8L側が高圧と
なることが回避されると共に、駆動トルクを発生しない
ので、アンチスキッド制御装置との干渉を小さくするこ
とができる利点がある。
【0063】なお、上記実施例においては、伝達トルク
制限手段としてリリーフ弁11を適用した場合について
説明したが、これに限定されるものではなく、ピストン
ポンプ6の吐出圧を容量制御圧として入力し、これに応
じてピストンポンプ6の吸入口側の吸入通路の開度を吐
出圧が所定圧以上となったときに小さく制御する吸入絞
り弁を設けるようにしてもよい。この場合には、ポンプ
吐出流量が規定の圧力以上となるとポンプ吸入量が減少
することにより、ポンプ吐出圧が減少してトルク制限を
行うことができ、これと同時に、リリーフ弁11を用い
た場合には連続高負荷使用時の油温上昇を生じるが、吸
入絞り弁を設けた場合には、吐出流量が減少することか
ら発熱の抑制を図ることができる。
【0064】また、上記実施例では、後輪側差動装置1
7を設けた場合について説明したが、これに限定される
ものではなく、後輪側差動装置17を省略し、これに代
えて左右後輪19の左右車軸へ個別に斜板式可変容量モ
ータ10を設けるように構成してもよく、この場合に
は、車両旋回時の際などにおける左右輪で異なる負荷と
なる場合には、各斜板式可変容量モータ10で自然にそ
の差に応じた吐出流量差を生じることから差動装置と同
等の差動機能を発揮することがきる。
【0065】また、上記実施例においては、前輪駆動車
をベースとした実施例について説明しているが、これに
限定されず後輪駆動車をベースとした場合にも、流体圧
ポンプを後輪側に斜板式可変容量モータ10を前輪側に
配置することで、上記実施例と同様な作用効果を得るこ
とができる。また、上記実施例では、流体圧モータとし
て流量によって斜板の傾きが自動的に変更される形式の
流体圧モータで説明しているが、例えば、低圧配管等に
差圧検出用オリフィス等からなる差圧検出手段を設け、
該差圧検出手段の検出値に基づいて上記斜板の傾きを強
制変更するような他の公知の可変容量モータを採用して
も構わない。
【0066】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の回転
斜板式アキシャルピストンポンプは、斜板を、ピストン
からの荷重に応じた圧力を発生可能な圧力室を介して回
転可能に支持可能としたので、スラスト軸受を使用しな
いで斜板の高速回転が可能となる。従って、ポンプの固
有吐出容量を大きくすることなく所望の流量を稼ぐこと
が可能となり、ポンプを小型化することも可能となる。
【0067】また、上記ピストンからの荷重に応じた圧
力を圧力室に導くための圧力導入路も、ポンプハウジン
グ自身に設ける必要もなく、且つ、最短距離で設けてい
るので、加工代が小さいという効果もある。このため、
請求項3に記載するように、自動車の四輪駆動車用の流
体圧ポンプとして要求される高回転数、高負荷での使用
が可能となると共に該流体圧ポンプとて使用されても大
型化しないので車両への搭載が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例の回転斜板式ピストンポン
プを示す断面図である。
【図2】本発明に係る実施例の各圧力導入路及び圧力室
の関係を示す図である。
【図3】本発明に係る実施例の斜板側圧力導入路及び斜
板側圧力室の位置を示す図である。
【図4】本発明に係る実施例の四輪駆動車が概略構成図
である。
【図5】本発明に係る実施例の回転斜板式ピストンポン
プ及び流体圧モータにおける車輪則と吐出流量との関係
を示す図である。
【図6】本発明に係る実施例の流体圧モータを示す断面
図である。
【図7】従来の回転斜板式ピストンポンプを示す断面図
である。
【符号の説明】
6 回転斜板式ピストン 10 流体圧モータ 21 駆動軸 23 回転斜板(斜板) 24 ピストン 25 シリンダ孔 26 ピストン室 28 ピストンシュー 29 ピストン側圧力導入路 30 ピストン側圧力室 32 斜板側圧力導入路 33 斜板側圧力室 34 メタル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と一体となって回転する斜板と、
    その斜板の傾斜面に対してピストンシューを介して摺動
    可能に押圧されて、固定されたシリンダ孔内を上記斜板
    の回転に応動してストロークする複数のピストンと、を
    備えた回転斜板式アキシャルピストンポンプにおいて、 各ピストン内に設けられ各ピストン室の圧力を対応する
    各ピストンシュー位置まで導入可能なピストン側圧力導
    入路と、そのピストン側圧力導入路にそれぞれ連通する
    と共に各ピストンシューにおける斜板との摺接面に形成
    された凹部からなるピストン側圧力室と、上記斜板の傾
    斜面と対向する背面に設けられた凹部からなる斜板側圧
    力室と、該斜板に設けられて該斜板のピストンシュー摺
    動面位置と上記斜板側圧力室とを連通する複数の斜板側
    圧力導入路と、を設けたことを特徴とする回転斜板式ア
    キシャルピストンポンプ。
  2. 【請求項2】 上記斜板側圧力室及び斜板側圧力導入路
    は、それぞれ独立した複数の組からなることを特徴とす
    る請求項1に記載された回転斜板式アキシャルピストン
    ポンプ。
  3. 【請求項3】 主原動機により駆動され、駆動輪へ駆動
    力を伝達する駆動車軸と、該駆動車軸に連動して回転
    し、作動流体を吐出する流体圧ポンプを有する流体圧供
    給手段と、従動輪の車軸に連動して回転する流体圧モー
    タを有する流体圧駆動手段と、上記流体圧供給手段の吐
    出口と流体圧駆動手段の吸込み口とを連通する第1流路
    と、上記流体圧供給手段の吸込み口と流体圧駆動手段の
    吐出口とを連通する第2流路と、を備えた四輪駆動車に
    おいて、 上記流体圧供給手段の流体圧ポンプに、上記請求項1又
    は請求項2に記載された回転斜板式アキシャルピストン
    ポンプを採用したことを特徴とする四輪駆動車。
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