JPH08164773A - 車両の車体速度推定装置及びトラクションコントロール装置 - Google Patents

車両の車体速度推定装置及びトラクションコントロール装置

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JPH08164773A
JPH08164773A JP6310863A JP31086394A JPH08164773A JP H08164773 A JPH08164773 A JP H08164773A JP 6310863 A JP6310863 A JP 6310863A JP 31086394 A JP31086394 A JP 31086394A JP H08164773 A JPH08164773 A JP H08164773A
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vehicle
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従動輪速度を車体速度として使用するものに
おいて、従動輪のロック又はロック解除に伴って発生す
る前記車体速度の誤差を回避する。 【構成】 従動輪速度VVNHOSから求めた擬似車輪
速度VWNB(ステップS6,S12)の前回値VWN
B1と従動輪速度VVNHOSとの差分が敷居値MXF
VL,MXFVBLを越えると(ステップS5,S1
1)、擬似車輪速度VWNBに所定値FVL,FVBを
減算又は加算して擬似車輪速度VWNBを補正する(ス
テップS8,S14)。BTC回連続してステップS
5,S11の答がYESになると、従動輪がロック又は
ロック解除したと判断し、車体速度VVNとしてそれま
で選択していた従動輪速度VVNHOS(ステップS
7,S13)に代えて、擬似車輪速度VWNBを車体速
度VVNとして選択する(ステップS10,S16)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、駆動輪のグリップ制御
等に使用する車体速度を推定するための車体速度推定装
置と、その車体速度推定装置を備えたトラクションコン
トロール装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】車両のトラクションコントロール装置等
において制御用に使用される車体速度は、一般に従動輪
の回転速度(従動輪速度)に基づいて求められる。これ
は、駆動輪は過剰なエンジントルクによって路面に対し
てスリップすることがあり、そのスリップにより駆動輪
の回転速度(駆動輪速度)は車体速度と比例しなくなる
が、従動輪には前記スリップが発生せず、車体速度と比
例関係が維持されるからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従動輪
速度に基づいて車体速度を求めた場合であっても、制動
操作により従動輪がロックすると該従動輪が路面に対し
てスキッドするため、従動輪速度と車体速度との間の比
例関係が崩れ、推定した車体速度と実際の車体速度との
間に誤差が発生する可能性がある。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、従動輪がロックした場合であって正確な車体速度を
推定するとともに、この車体速度に基づいて的確なトラ
クションコントロールを行うことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された車両の車体速度推定装置は、
従動輪速度から擬似車輪速度を算出する擬似車輪速度算
出手段と、擬似車輪速度に対する従動輪速度の変化量を
算出する変化量算出手段と、前記変化量が敷居値を越え
た場合に擬似車輪速度に所定値を減算又は加算する擬似
車輪速度補正手段と、前記変化量が敷居値を越えた場合
に前記従動輪速度に代えて前記擬似車輪速度を車体速度
として選択する選択手段と、車両が走行する道路の路面
摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段と、路面摩擦
係数に基づいて前記敷居値及び所定値を補正する敷居値
・所定値補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】また請求項2に記載された車両の車体速度
推定装置は、請求項1の構成に加えて、前記選択手段
が、前記変化量が所定回数連続して敷居値を越えた場合
に前記従動輪速度に代えて前記擬似車輪速度を車体速度
として選択することを特徴とする。
【0007】また請求項3に記載された発明は、請求項
1又は2に記載された車両の車体速度推定装置を備えた
トラクションコントロール装置であって、前記推定した
車体速度に基づいて検出した駆動輪のスリップ状態に応
じてエンジンの出力を制御するエンジン出力制御手段を
備えたことを特徴とする。
【0008】
【作用】請求項1の構成によれば、従動輪のロック又は
ロック解除が発生していない場合には、従動輪速度が車
体速度として選択される。従動輪速度から算出した擬似
車輪速度に対する従動輪速度の変化量が従動輪のロック
又はロック解除に伴って敷居値を越えると、擬似車輪速
度がそれに所定値を減算又は加算することにより補正さ
れる。前記変化量が所定回数連続して敷居値を越える
と、前記従動輪速度に代えて前記擬似車輪速度が車体速
度として選択される。これにより、従動輪のロック状態
に関わらず常に適切な車体速度の推定が可能となる。ま
た路面摩擦係数に基づいて基準値及び所定値が補正され
るので、車体速度の推定精度が向上する。
【0009】請求項2の構成によれば、ノイズにより従
動輪速度が変動し、擬似車輪速度に対する従動輪速度の
変化量が一時的に敷居値を越えても、それが車体速度の
推定に影響を及ぼすことない。
【0010】請求項3の構成によれば、推定した車体速
度に基づいて検出した駆動輪のスリップ状態に応じてエ
ンジンの出力が制御され、駆動輪の過剰スリップが抑制
される。
【0011】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0012】図1〜図8は本発明の第1実施例を示すも
ので、図1はトラクションコントロールシステムを備え
た車両の概略構成図、図2は制御系のブロック図、図3
は電子制御ユニットの回路構成を示すブロック図、図4
は車体速度算出手段のブロック図、図5は車体速度推定
のフローチャートの第1分図、図6は車体速度推定のフ
ローチャートの第2分図、図7はステップS1〜S3の
サブルーチンのフローチャート、図8は車体速度を示す
グラフである。
【0013】図1に示すように、この車両は前輪駆動車
であって、エンジンEによって駆動される左右一対の駆
動輪WFL,WFRと、左右一対の従動輪WRL,WRRとを備
えており、各駆動輪WFL,WFRには駆動輪速度検出手段
1FL,1FRが設けられるとともに、各従動輪WRL,WRR
には従動輪速度検出手段1RL,1RRが設けられる。
【0014】ステアリングホイール2には操舵角δを検
出するための操舵角検出手段3が設けられており、また
車体の適所には横加速度LGを検出するための横加速度
検出手段4が設けられる。エンジンEの吸気通路5には
パルスモータ6に接続されて開閉駆動されるスロットル
弁7が設けられる。
【0015】前記駆動輪速度検出手段1FL,1FR、従動
輪速度検出手段1RL,1RR、操舵角検出手段3、横加速
度検出手段4及びパルスモータ6はマイクロコンピュー
タを備えた電子制御ユニットUに接続される。
【0016】図2は、駆動輪WFL,WFRの過剰スリップ
が検出された場合に該過剰スリップを抑制すべく、各検
出手段からの信号を制御プログラムに基づいて演算処理
し、前記パルスモータ6でスロットル弁7を駆動してエ
ンジンEの出力を制御するための電子制御ユニットUを
示している。この電子制御ユニットUは、前記演算処理
を行うための中央処理装置(CPU)21と、前記制御
プログラムや各種マップ等のデータを格納したリードオ
ンリーメモリ(ROM)22と、前記各検出手段の出力
信号や演算結果を一時的に記憶するランダムアクセスメ
モリ(RAM)23と、前記各検出手段、即ち駆動輪速
度検出手段1FL,1FR、従動輪速度検出手段1RL,
1RR、操舵角検出手段3及び横加速度検出手段4が接続
される入力部24と、前記パルスモータ6が接続される
出力部25とから構成されている。而して、上記電子制
御ユニットUは、入力部14から入力される各種信号と
リードオンリーメモリ22に格納されたデータ等を後述
する制御プログラムに基づいて中央処理装置21で算出
処理し、最終的に出力部25を介してパルスモータ6を
駆動する。これにより、スロットル弁7が制御されてエ
ンジンEの出力が変化し、駆動輪WFL,WFRの過剰スリ
ップが抑制される。
【0017】次に、図3を参照しながらトラクションコ
ントロールシステムの概略を説明する。
【0018】左右の駆動輪速度検出手段1FL,1FRの出
力信号VWDL,VWDRは駆動輪速度算出手段31に
入力され、そこで両駆動輪速度検出手段1FL,1FRの出
力信号VWDL,VWDRの平均値として駆動輪速度V
WNHOSが求められる。また左右の従動輪速度検出手
段1RL,1RRの出力信号VWNL,VWNR、横加速度
検出手段4が出力する横加速度LG、後述する実ヨーレ
ート・回転振動値算出手段33が出力する実ヨーレート
Y及び後述する前後グリップ力算出手段34が出力する
前後グリップ力FGが車体速度算出手段32に入力さ
れ、そこで車体速度VVNが求められる。この車体速度
算出手段32の機能は、図4のブロック図、図5〜図7
のフローチャート及び図8のグラフに基づいて後から詳
述する。更に左右の従動輪速度検出手段1RL,1RRの出
力信号VWNL,VWNRは実ヨーレート・回転振動値
算出手段33に入力され、そこで両従動輪速度検出手段
1RL,1RRの出力信号VWNL,VWNRの偏差である
従動輪速度差に基づいて、実ヨーレートYと回転振動値
ΔVとが求められる。
【0019】車体速度算出手段32において求められた
車体速度VVNは前後グリップ力算出手段34に入力さ
れ、そこで車体速度VVNの時間微分値として前後グリ
ップ力FGが算出される。
【0020】前後グリップ力算出手段34が出力する前
後グリップ力FGと、横加速度検出手段4が出力する車
両の横加速度LGとがグリップ制御手段35に入力さ
れ、そこで前後グリップ力FGと横加速度LGとのベク
トル和としてトータルグリップ力TGが求められる。
【0021】操舵角検出手段3が出力する操舵角δと車
体速度算出手段32が出力する車体速度VVNとが規範
ヨーレート算出手段36に入力され、そこで運転状態に
応じて車両が本来発生すべきヨーレートである規範ヨー
レートYREF が求められる。規範ヨーレート算出手段3
6が出力する規範ヨーレートYREF と、実ヨーレート・
回転振動算出手段33が出力する実ヨーレートYとが操
安制御手段37に入力され、そこで車両がオーバーステ
ア状態にあるかアンダーステア状態にあるかが判定され
る。
【0022】実ヨーレート・回転振動値算出手段33が
出力する回転振動値ΔVは悪路制御手段38に入力さ
れ、そこで回転振動値ΔVの大小に基づいて悪路である
か否かが判定される。
【0023】駆動輪速度算出手段31が出力する駆動輪
速度VWNHOSと車体速度算出手段32が出力する車
体速度VVNとが目標スリップ率算出手段39に入力さ
れ、そこで駆動輪速度VWNHOS及び車体速度VVN
から算出した駆動輪WFL,W FRのスリップ率が所定値を
越えた場合に駆動輪WFL,WFRのスリップ率を低減させ
る目標値である目標スリップ率が求められる。その際
に、グリップ制御手段35が出力するトータルグリップ
力TGと、操安制御手段37が出力するステアリング状
態と、悪路制御手段38が出力する路面状態とにより、
前記目標スリップ率が補正される。
【0024】即ち、トータルグリップ力TGが大きい場
合には目標スリップ率が上方に補正され、駆動輪WFL,
WFRのスリップ制御機能を損なうことなくスポーティな
走行が可能となる。また、駆動輪WFL,WFRがスリップ
しにくい悪路の場合にも、目標スリップ率が上方に補正
される。更に、本車両は前輪駆動車両であるので、車両
がオーバーステア状態にある場合には目標スリップ率が
上方に補正されるとともに、車両がアンダーステア状態
にある場合には目標スリップ率が下方に補正され、これ
により車両が望ましくない方向に回頭することが防止さ
れる。
【0025】而して、目標スリップ率算出手段39が出
力する目標スリップ率に基づいて、エンジン出力制御手
段40が前記パルスモータ6を駆動してスロットル弁7
の開度を調整することによりエンジンEの出力を低減さ
せる。その結果、駆動輪WFL,WFRのスリップ率が前記
目標スリップ率に収束し、駆動輪WFL,WFRの過剰スリ
ップが抑制される。
【0026】次に、図3のブロック図における車体速度
算出手段32の機能を説明する。
【0027】図4に示すように、車体速度算出手段32
は、車両が所定の旋回状態にある場合に旋回外側の従動
輪速度を車体速度として出力する旋回状態判定手段M1
と、従動輪速度から擬似車輪速度を算出する擬似車輪速
度算出手段M2と、擬似車輪速度に対する従動輪速度の
差分を算出して所定の敷居値と比較し、従動輪WRL,W
RRがロック状態或いはロック解除状態にあることを判別
する変化量算出手段M3と、変化量算出手段M3の出力
に基づいて擬似車輪速度を補正する擬似車輪速度補正手
段M4と、変化量算出手段M3の出力に基づいて従動輪
速度又は擬似車輪速度の一方を車体速度として出力する
選択手段M5と、路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数
推定手段M6と、路面摩擦係数に基づいて前記敷居値及
び所定値を補正する敷居値・所定値補正手段M7とから
構成される。
【0028】旋回状態判定手段M1は、左右の従動輪速
度検出手段1RL,1RRが出力する左従動輪速度VWNL
及び右従動輪速度VWNRの平均値である従動輪速度V
VNHOSを算出し、その従動輪速度VVNHOSが所
定値(例えば60km/h)以上であり、且つ横加速度
検出手段4が出力する横加速度LGが所定値(例えば
0.5G)以上の場合、或いは従動輪速度VVNHOS
が前記所定値以上であり、且つ実ヨーレート・回転振動
算出手段33が出力する実ヨーレートYが所定値(例え
ば50deg/s)以上の場合に車両が旋回状態にある
と判定し、左従動輪速度VWNL及び右従動輪速度VW
NRの何れか大きい方をハイセレクトして車体速度VV
Nとして出力する。
【0029】また、左従動輪速度VWNL及び右従動輪
速度VWNRの一方が左右の従動輪速度検出手段1RL,
1RRの一方のフェイルによって所定値以下になった場合
に、その左従動輪速度VWNL及び右従動輪速度VWN
Rの何れか大きい方を、即ちフェイルしていない側の従
動輪速度検出手段1RL,1RRの出力信号を車体速度VV
Nとして選択する。
【0030】旋回状態判定手段M1が車両が所定の前記
旋回状態にないと判定した場合には、擬似車輪速度算出
手段M2、変化量算出手段M3、擬似車輪速度補正手段
M4及び選択手段M5が車体速度VVNを算出する。こ
のとき、路面摩擦係数推定手段M6で推定した路面摩擦
係数に基づいて、基準値・所定値補正手段M7が車体速
度VVNを求めるための敷居値及び所定値を補正する。
【0031】以下、上記過程を図4のブロック図及び図
5〜図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0032】図5のフローチャートにおいて、先ず駆動
輪WFL,WFRのスリップ率SLIPRを算出した後(ス
テップS1)、スリップ率SLIPR、前後加速度FG
及び横加速度LGに基づいて路面摩擦係数MUCONを
推定する(ステップS2)。そして、推定した路面摩擦
係数MUCONに基づいて後述する敷居値MXFVL,
MXFVBL及び所定値FVL,FVBを補正する(ス
テップS3)。
【0033】前記ステップS1〜S3の内容を図7のフ
ローチャートに基づいて詳述する。
【0034】先ず、駆動輪WFL,WFRのスリップ率SL
IPRを、車体速度VVN及び駆動輪速度VWNHOS
に基づいて、 SLIPR=(VWNHOS−VVN)/VWNHOS により算出する(ステップS21)。尚、スリップ率S
LIPRを SLIPR=(VWNHOS−VVN)/VVN により算出することも可能である。
【0035】スリップ率SLIPRを予め設定された正
側(駆動輪WFL,WFRが従動輪WRL,WRRに対して多く
回転する方向)の敷居値SLIP1と比較し(ステップ
S22、その答えがNOでSLIPR≦SLIP1の場
合には、更にスリップ率SLIPRを予め設定された負
側(駆動輪WFL,WFRが従動輪WRL,WRRに対して少な
く回転する方向)の敷居値SLIP2と比較し(ステッ
プS23)、その答えがNOでSLIPR≧SLIP2
の場合には、即ちSLIP2<SLIPR<SLIP1
の場合には、正側及び負側のスリップ率SLIPRが比
較的に小さくて2つの敷居値SLIP1,SLIP2の
間に収まっている場合には、トラクションコントロール
が開始される前の状態である判定してステップS24に
移行する。
【0036】一方、ステップS22の答えがYESでS
LIPR>SLIP1の場合、或いはステップS23の
答えがYESでSLIPR<SLIP2の場合には、正
側又は負側のスリップ率SLIPRが比較的に大きくて
トラクションコントロールが開始された後の状態である
判定してステップS25に移行する。
【0037】ステップS24では、前後グリップ力FG
と横加速度LGとのベクトル和として算出したトータル
グリップ力TGに基づいて、リードオンリーメモリ22
に記憶されている表1のテーブルから推定路面摩擦係数
MUTGが検索される。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、推定路面摩擦係
数MUTGはトータルグリップ力TGの値毎に[0]、
[1]、[2]、[3]、[4]の5段階に設定されて
おり、トータルグリップ力TGに基づいて車両の旋回中
における推定路面摩擦係数MUTGの大小が判定され
る。ステップS24では、現在の推定路面摩擦係数MU
TGよりも大きい推定路面摩擦係数MUTGが選択され
た場合にのみ、その推定路面摩擦係数MUTGが更新さ
れる。
【0040】操舵角検出手段3の出力に基づいて車両が
直進走行状態にあると判定されると(ステップS2
6)、リードオンリーメモリ22に記憶されている表2
のテーブルから前後グリップ力FGに基づいて推定路面
摩擦係数MUFGが検索される(ステップS27)。
【0041】
【表2】
【0042】表2から明らかなように、推定路面摩擦係
数MUFGは前後グリップ力FGの値毎に[0]、
[1]、[2]、[3]、[4]の5段階に設定されて
おり、前後グリップ力FGに基づいて車両の直進中にお
ける推定路面摩擦係数MUFGの大小が判定される。ス
テップS27では、現在の推定路面摩擦係数MUFGよ
りも大きい推定路面摩擦係数MUFGが選択された場合
にのみ、その推定路面摩擦係数MUFGが更新される。
【0043】一方、ステップS25では、前後グリップ
力FGと横加速度LGとのベクトル和として算出したト
ータルグリップ力TGに基づいて表1のテーブルから推
定路面摩擦係数MUTGが検索されるが、その際に、そ
の時々のトータルグリップ力TGに応じて推定路面摩擦
係数MUTGが更新される点で前記ステップS24と異
なっている。
【0044】操舵角検出手段3の出力に基づいて車両が
直進走行状態にあると判定されると(ステップS2
8)、表2のテーブルから前後グリップ力FGに基づい
て推定路面摩擦係数MUFGが検索されるが(ステップ
S29)、その際に、その時々の前後グリップ力FGに
応じて推定路面摩擦係数MUFGが更新される点で前記
ステップS27と異なっている。
【0045】表1と表2とを比較すると明らかなよう
に、同一のグリップ力TG,FGに対する推定路面摩擦
係数MUTG,MUFGは、MUFGがMUTGよりも
大きくなるように設定されている。これは直進時におけ
るトラクションコントロールを旋回時におけるトラクシ
ョンコントロールに優先させるためのもので、目指す制
御特性に応じて両者の重み付けを任意に設定することが
できる。
【0046】而して、ステップS30〜S32におい
て、MUFG及びMUTGの何れか大きい方をハイセレ
クトして路面摩擦係数MUCONとし、この路面摩擦係
数MUCONの値「0」,「1」,「2」,「3」,
「4」に応じて表3から敷居値MXFVL,MXFVB
L及び補正値FVL,FVBを検索する。
【0047】
【表3】
【0048】続いて、図6のフローチャートにおいて、
先ず左従動輪速度VWNL及び右従動輪速度VWNRの
平均値である従動輪速度VVNHOSとして算出した擬
似車輪速度VWNBの前回値VWNB1が、従動輪速度
VVNHOSの今回値と比較される(ステップS4)。
ステップS4の答がYESであり、差分VWNB1−V
VNHOSが正で従動輪速度VVNHOSが減速してい
る場合には、差分VWNB1−VVNHOSが前述した
第1の敷居値MXFVLよりも大きいか否かを判断する
(ステップS5)。ステップS5の答がNOであり、差
分VWNB1−VVNHOSが第1の敷居値MXFVL
以下である場合には、前記従動輪速度VVNHOSを擬
似車輪速度VWNBに入れ(ステップS6)、その従動
輪速度VVNHOSを車体速度VVNとして選択する
(ステップS7)。
【0049】即ち、制動により従動輪速度VVNHOS
が減少しても、従動輪WRL,WRRがロック状態に到らな
い場合には、前記従動輪速度VVNHOSを車体速度V
VNとして選択する。
【0050】一方、前記ステップS5の答がYESであ
り、差分VWNB1−VVNHOSが第1の敷居値MX
FVLよりも大きい場合には、擬似車輪速度VWNBの
前回値VWNB1から前述した第1の所定値FVLを減
算したものを新たな擬似車輪速度VWNBとする(ステ
ップS8)。そして、差分VWNB1−VVNHOSが
所定回数BTC(例えば5ループ)続けて第1の敷居値
MXFVLを越えた場合には(ステップS9)、その擬
似車輪速度VWNBを車体速度VVNとして選択する
(ステップS10)。
【0051】即ち、制動により従動輪WRL,WRRがロッ
クして従動輪速度VVNHOSが急激に減少し、従動輪
速度VVNHOSと車体速度VVNとの誤差が増加する
と、擬似車輪速度VWNBをループ毎に第1の所定値F
VLずつ減少させ、その状態が所定回数BTC継続する
と従動輪WRL,WRRがロックしたと判断し、実際の車体
速度VVNに見合わなくなった従動輪速度VVNHOS
に代えて擬似車輪速度VWNBを車体速度VVNとして
選択する。擬似車輪速度VWNBは従動輪WRL,WRRの
ロック状態が継続すると1ループ毎に所定値FVLずつ
減少していくため、前記第1の所定値FVLを車両の特
性に応じて予め設定しておくことにより、従動輪WRL,
WRRがロックしても車体速度VVNを的確に推定するこ
とが可能となる。
【0052】また、ステップS9の答がNOであり、差
分VWNB1−VVNHOSが第1の敷居値MXFVL
よりも大きい状態が所定回数BTC継続しない場合(1
ループ〜4ループだけの場合)には、前記従動輪速度V
VNHOSを車体速度VVNとして選択する(ステップ
S7)。これにより、従動輪速度VVNHOSがノイズ
により一時的に変動した場合の影響を確実に除去するこ
とが可能となる。
【0053】また、前記ステップS4の答がNOであ
り、差分VWNB1−VVNHOSが負で従動輪速度V
VNHOSが増速している場合には、差分VWNB1−
VVNHOSの絶対値|VWNB1−VVNHOS|が
前述した第2の敷居値MXFVBLよりも大きいか否か
を判断する(ステップS11)。ステップS11の答が
NOであり、差分の絶対値|VWNB1−VVNHOS
|が第2の敷居値MXFVBL以下である場合には、従
動輪速度VVNHOSを擬似車輪速度VWNBに入れる
とともに、その従動輪速度VVNHOSを車体速度VV
Nとして選択する(ステップS12、S13)。
【0054】一方、前記ステップS11の答がYESで
あり、差分の絶対値|VWNB1−VVNHOS|が第
2の敷居値MXFVBLよりも大きい場合には、擬似車
輪速度VWNBの前回値VWNB1に前述した第2の所
定値FVBを加算したものを新たな擬似車輪速度VWN
Bとし(ステップS14)、その差分の絶対値|VWN
B1−VVNHOS|が所定回数BTC(例えば5ルー
プ)続けて第2の敷居値MXFVBLを越えた場合には
(ステップS15)、その擬似車輪速度VWNBを車体
速度VVNとして選択する(ステップS16)。
【0055】これを更に詳述すると、制動によりロック
状態にあった従動輪WRL,WRRがロック解除された場
合、従動輪速度VVNHOSは急激に増加するが、車体
速度VVNは緩慢に増加するため、前記従動輪速度VV
NHOSを車体速度VVNとして選択すると大きな誤差
が発生する。従って、ロック解除により従動輪速度VV
NHOSが急激に増加し、従動輪速度VVNHOSと車
体速度VVNとの誤差が増加すると、擬似車輪速度VW
NBをループ毎に第2の所定値FVBずつ増加させ、そ
の状態が所定回数BTC継続すると従動輪WRL,WRRが
ロック解除したと判断し、実際の車体速度VVNに見合
わなくなった従動輪速度VVNHOSに代えて擬似車輪
速度VWNBを車体速度VVNとして選択する。擬似車
輪速度VWNBは従動輪WRL,WRRがロック解除すると
1ループ毎に所定値FVBずつ増加していくため、車体
速度VVNを的確に推定することが可能となる。
【0056】ステップS11の答がNOである場合に
は、従動輪速度VVNHOSの増加がロック解除に起因
するものではないと判断し、従動輪速度VVNHOSが
車体速度VVNとして選択される(ステップS12、S
13)。また、ステップS15の答がNOである場合に
は、従動輪速度VVNHOSの増加がノイズに起因する
ものであると判断し、同様に従動輪速度VVNHOSが
車体速度VVNとして選択される(ステップS13)。
【0057】図8に示すように、従動輪WRL,WRRのロ
ックやロック解除により制御前の車体速度が実際の車体
速度に対して大きな誤差を持つ場合であっても、前述の
ようにして推定した車体速度VVN(制御後の車体速
度)を実際の車体速度に近づけ、トラクションコントロ
ールを精密に行うことができる。しかも、その際に路面
摩擦係数MUCONを考慮して敷居値MXFVL,MX
FVBL及び補正値FVL,FVBを補正しているの
で、車体速度VVNを一層的確に推定することができ
る。
【0058】次に、本発明の第2実施例を図9及び図1
0のフローチャートに基づいて説明する。
【0059】前記第1実施例では左従動輪速度VWNL
及び右従動輪速度VWNRの平均値である従動輪速度V
VNHOSを擬似車輪速度VWNBの初期値としていた
が、この第2実施例では左従動輪速度VWNL及び右従
動輪速度VWNRの各々を擬似車輪速度VWNRB,V
WNLBの初期値とし、左右の従動輪WRL,WRRの各々
についてロック状態及びロック解除状態を判別して車体
速度VVNを求めている。
【0060】先ず、ステップS101〜S103で、路
面摩擦係数MUCONに応じた敷居値MXFVL,MX
FVBL及び補正値FVL,FVBを求める。この過程
は、図5のフローチャートのステップS1〜S3と同一
である。
【0061】続く各ステップS104R、S105R、
S106R、S108R、S111R、S112R、S
114Rは右従動輪WRRに関するもので、第1実施例の
フローチャートのステップS4、S5、S6、S8、S
11、S12、S14に対応している。つまり、第1実
施例における従動輪速度VVNHOSに代えて右従動輪
速度VWNRを使用し、擬似車輪速度VWNB,VWN
B1に代えて擬似車輪速度VWNRB,VWNRB1を
使用している。
【0062】同様に、各ステップS104L、S105
L、S106L、S108L、S111L、S112
L、S114Lは左従動輪WRLに関するもので、第1実
施例のフローチャートのステップS4、S5、S6、S
8、S11、S12、S14に対応しており、第1実施
例における従動輪速度VVNHOSに代えて左従動輪速
度VWNLを使用し、擬似車輪速度VWNB,VWNB
1に代えて擬似車輪速度VWNLB,VWNLB1を使
用している。
【0063】而して、右従動輪WRR又は左従動輪WRLの
少なくとも一方がロック状態にあると判断された場合
(ステップS115でYESの場合)、或いは右従動輪
WRR又は左従動輪WRLの少なくとも一方がロック解除状
態にあると判断された場合(ステップS116でYES
の場合)、そのときの左右の擬似車輪速度VWNLB,
VWNRBの平均値を車体速度VVNとして選択する
(ステップS117)。
【0064】また右従動輪WRR及び左従動輪WRLが何れ
もロック状態又はロック解除状態にないと判断された場
合(ステップS115及びステップS116が何れもN
Oの場合)、そのときの左右の従動輪速度VWL,VW
Rの平均値(即ち、従動輪速度VVNHOS)を車体速
度VVNとして選択する(ステップS118)。
【0065】上述したように、第2実施例によれば、左
右の従動輪WRL,WRRの何れか一方だけがロック状態又
はアンロック状態に入った場合でも、車体速度VVNを
的確に推定することができる。
【0066】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0067】例えば、実施例では後輪が従動輪である前
輪駆動車を例示したが、本発明は前輪が従動輪である後
輪駆動車に対しても適用することが可能である。
【0068】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、従動輪のロック或いはロック解除に伴って従
動輪速度が急激に変化し、それまで車体速度として選択
していた従動輪速度と実際の車体速度との誤差が増大し
ても、前記従動輪速度に代えて実際の車体速度に則した
擬似車輪速度を選択することにより、車体速度を常に的
確に推定することが可能となる。しかも路面摩擦係数に
基づいて基準値及び所定値が補正されるので、車体速度
の推定精度が向上する。
【0069】また請求項2に記載された発明によれば、
ノイズによる従動輪速度の変動に伴って擬似車輪速度に
対する従動輪速度の変化量が一時的に敷居値を越えて
も、車体速度として擬似車輪速度が選択されることがな
いため、前記ノイズが車体速度の推定に及ぼす影響を除
去することができる。
【0070】また請求項3に記載された発明によれば、
推定した車体速度に基づいて検出した駆動輪のスリップ
状態に応じてエンジンの出力が制御されるので、駆動輪
の過剰スリップを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクションコントロールシステムを備えた車
両の概略構成図
【図2】制御系のブロック図
【図3】電子制御ユニットの回路構成を示すブロック図
【図4】車体速度算出手段のブロック図
【図5】車体速度推定のフローチャートの第1分図
【図6】車体速度推定のフローチャートの第2分図
【図7】ステップS1〜S3のサブルーチンのフローチ
ャート
【図8】車体速度を示すグラフ
【図9】第2実施例に係る車体速度推定のフローチャー
トの第1分図
【図10】第2実施例に係る車体速度推定のフローチャ
ートの第2分図
【符号の説明】
M2 擬似車輪速度算出手段 M3 変化量算出手段 M4 擬似車輪速度補正手段 M5 選択手段 M6 路面摩擦係数推定手段 M7 敷居値・所定値補正手段 BTC 所定回数 FVB 所定値 FVL 所定値 MUCON 路面摩擦係数 MXFVBL 敷居値 MXFVL 敷居値 VVN 車体速度 VVNHOS 従動輪速度 VWNB 擬似車輪速度 VWNL 従動輪速度 VWNLB 擬似車輪速度 VWNR 従動輪速度 VWNRB 擬似車輪速度 WFL 駆動輪 WFR 駆動輪 40 エンジン出力制御手段 E エンジン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 45/00 314 M

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 従動輪速度(VWNL,VWNR,VV
    NHOS)から擬似車輪速度(VWNLB,VWNR
    B,VWNB)を算出する擬似車輪速度算出手段(M
    2)と、擬似車輪速度(VWNLB,VWNRB,VW
    NB)に対する従動輪速度(VWNL,VWNR,VV
    NHOS)の変化量を算出する変化量算出手段(M3)
    と、前記変化量が敷居値(MXFVL,MXFVBL)
    を越えた場合に擬似車輪速度(VWNLB,VWNR
    B,VWNB)に所定値(FVL,FVB)を減算又は
    加算する擬似車輪速度補正手段(M4)と、前記変化量
    が敷居値(MXFVL,MXFVBL)を越えた場合に
    前記従動輪速度(VWNL,VWNR,VVNHOS)
    に代えて前記擬似車輪速度(VWNLB,VWNRB,
    VWNB)を車体速度(VVN)として選択する選択手
    段(M5)と、車両が走行する道路の路面摩擦係数(M
    UCON)を推定する路面摩擦係数推定手段(M6)
    と、路面摩擦係数(MUCON)に基づいて前記敷居値
    (MXFVL,MXFVBL)及び所定値(FVL,F
    VB)を補正する敷居値・所定値補正手段(M7)とを
    備えたことを特徴とする、車両の車体速度推定装置。
  2. 【請求項2】 前記選択手段(M5)が、前記変化量が
    所定回数(BTC)連続して敷居値(MXFVL,MX
    FVBL)を越えた場合に前記従動輪速度(VWNL,
    VWNR,VVNHOS)に代えて前記擬似車輪速度
    (VWNLB,VWNRB,VWNB)を車体速度(V
    VN)として選択することを特徴とする、請求項1記載
    の車両の車体速度推定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載された車両の車体
    速度推定装置を備えたトラクションコントロール装置で
    あって、 前記推定した車体速度(VVN)に基づいて検出した駆
    動輪(WFL,WFR)のスリップ状態に応じてエンジン
    (E)の出力を制御するエンジン出力制御手段(40)
    を備えたことを特徴とする、トラクションコントロール
    装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001047995A (ja) * 1999-07-22 2001-02-20 Wabco Gmbh & Co Ohg 駆動スリップ制御を行なう方法
KR100423638B1 (ko) * 2000-07-28 2004-03-22 주식회사 만도 트랙션 콘트롤 시스템의 바퀴속도 보정방법
JP2006264612A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Advics:Kk ブレーキ振動検知装置
JP2010202013A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Nissan Motor Co Ltd 車両用走行制御装置

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