JPH08165249A - 骨強化作用を有する組成物 - Google Patents

骨強化作用を有する組成物

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JPH08165249A
JPH08165249A JP6333126A JP33312694A JPH08165249A JP H08165249 A JPH08165249 A JP H08165249A JP 6333126 A JP6333126 A JP 6333126A JP 33312694 A JP33312694 A JP 33312694A JP H08165249 A JPH08165249 A JP H08165249A
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JP
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milk
derived
basic protein
calcium
bone
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Application number
JP6333126A
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English (en)
Inventor
Isahiro Kawasaki
功博 川崎
Takeshi Kato
健 加藤
Tsuguaki Nishitani
紹明 西谷
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高齢者に多い骨粗鬆症患者や成長期の学童の
骨強化に有効な組成物を得る。 【構成】 乳由来の塩基性タンパク質画分および乳由来
のカルシウムを含有することからなる骨強化作用を有す
る組成物。この組成物は、経口投与製剤の形態あるいは
飲食品の形態で摂取することができる。食品の形態で
は、固形当たり、乳由来の塩基性タンパク質画分を少な
くとも50mg/100g、および乳由来のカルシウム
を少なくとも250mg/100g配合し、飲料の形態
では、それぞれ、固形あたり、少なくとも77mg/1
00g、380mg/100g配合することが望まし
い。 【効果】 本発明の骨強化作用を有する組成物は、カル
シウムの吸収性が大幅に向上し、骨強化作用が増強され
る。また飲食品の形態にした場合には、日常の食生活の
中で摂取することができるので、骨粗鬆症患者や成長期
の学童の骨強化に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乳由来の塩基性タンパ
ク質および乳由来のカルシウムを含有し、骨強化作用を
有する組成物に関する。本発明における骨強化作用を有
する組成物は、経口投与製剤あるいは食品や飲料(以下
まとめて飲食品ということがある)の形態で用いら
れ、高齢者に多い骨粗鬆症患者や成長期の学童の骨強化
に有効である。
【0002】
【従来の技術】近年、高齢者に骨粗鬆症、骨折、腰痛等
の各種骨疾患患者が増加している。これは、カルシウム
の摂取不足、カルシウム吸収能力の低下、閉経後のホル
モンのアンバランス等が原因であるとされている。この
ように高齢者に多い骨粗鬆症や骨折などの各種骨疾患を
予防するためには、骨量をできるだけ増加させて最大骨
量(peak bone mass)を高めることが有効であるとされて
いる。そして、最大骨量を高めるということは、まさし
く骨を強化することに他ならない。上記したように、各
種骨疾患患者の増加傾向にある現状の中、骨強化を目的
として、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、乳酸カル
シウムなどのカルシウム塩や乳清カルシウム、牛骨粉、
卵殻などの天然カルシウム剤が、単独またはカゼインフ
ォスフォペプチド等のカルシウム吸収を促進すると考え
られている素材と共に食品に添加されている。
【0003】しかしながら、これらのカルシウムを他の
成分と共に食品として摂取した場合、その吸収率は50%
以下であり、半分以上が吸収されずに体外に排出されて
しまうと言われている。また、体内に吸収されたカルシ
ウムもその形態や、同時に摂取される他の栄養成分の種
類によって、骨への親和性が異なるので、骨代謝改善お
よび骨強化作用を示さないこともある。この他、骨粗鬆
症治療や骨強化のための医薬として、ビタミンD3 やカ
ルシトニン製剤などが知られているが、これらの医薬を
用いた場合、耳鳴り、頭痛、食欲不振などの副作用を伴
うことがあり、また、これらの医薬として用いられてい
る物質は、安全性および経済性等の面から現在のところ
飲食品類に添加できない状況にある。従って、骨粗鬆症
という疾病の性質上、長期的に経口摂取することがで
き、直接的に骨に作用し、その予防または治療効果が期
待できるような経口投与製剤あるいは飲食品の開発が望
まれている。
【0004】骨強化のためには、十分な量のカルシウム
を摂取する必要がある。一般に、カルシウムを豊富に含
有する食品として、乳および乳製品、小魚、貝類などが
あるが、中でも近年乳由来のカルシウムが生体に効率良
く利用されることが知られるようになってきた[V. K. K
ansal and S. Chandhary, Milchwissenschaft, 37, 261
(1982)]。カルシウムを摂取するためには、乳および乳
製品を多く摂取すればよいことになるが、栄養のバラン
スやカロリーの摂取量を考えると、むやみに乳製品を摂
取することはできないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこれまで
食品素材に含まれる骨強化作用を示す画分について探索
を進め、乳中に含まれる塩基性タンパク質画分に骨強化
作用があることを明らかにした。この塩基性タンパク質
は、乳あるいは乳由来の原料を陽イオン交換体と接触さ
せることで容易に得られ、また得られた塩基性タンパク
質を経口摂取することで骨を強化することができること
を見い出し、先に骨強化剤として出願(特願平6-261609
号)した。そして、この塩基性タンパク質画分の実際の
食生活における有効な活用方法を更に検討したところ、
これを乳由来のカルシウムと同時に摂取すると乳カルシ
ウムの吸収率が向上し、骨強化作用が大幅に増強される
ことを見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
【課題を解決するめの手段】本発明は、乳由来の塩基性
タンパク質および乳由来のカルシウムを含有し、骨強化
作用を有する組成物である。本発明の骨強化作用を有す
る組成物は、経口投与製剤あるいは飲食品の形態で用い
られる。本発明の組成物は、乳由来の塩基性タンパク質
画分を固形換算で50mg/100g 以上および乳由来のカルシ
ウムを250 mg/100g 以上含有している。食品の形態にお
いても、固形換算で乳由来の塩基性タンパク質画分を50
mg/100g 以上、および乳由来のカルシウムを250 mg/100
g 以上含有している。また本発明組成物は、飲料の形態
においては、固形換算で乳由来の塩基性タンパク質画分
を77mg/100g 以上、および乳由来のカルシウムを380mg/
100g以上含有することからなる。また本発明組成物を構
成する乳由来の塩基性タンパク質画分のアミノ酸組成中
に、塩基性アミノ酸を15重量%以上含有する。また本発
明組成物を構成する乳由来の塩基性タンパク質画分は、
インスリン様成長因子−1を含有している。また本発明
組成物を構成する乳由来の塩基性タンパク質画分は、イ
ンスリン様成長因子−1を、固形換算で200 μg/100g以
上含有している。また本発明組成物を構成するは乳由来
の塩基性タンパク質画分は、乳または乳由来の原料を陽
イオン交換樹脂に接触させた後、塩濃度0.1 〜1.0 Mの
溶液で溶出した画分である。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明で用いられる乳由来の塩基性タンパク質は、牛乳、
人乳、山羊乳、羊乳など哺乳類の乳から得られるもので
あって、直接的に骨に作用し、乳由来のカルシウムと同
時に摂取することで、その骨強化作用を大幅に増強する
ことができるものである。本発明の骨強化作用を有する
組成物は、乳由来の塩基性タンパク質と乳由来のカルシ
ウムとを同時に含有していれば経口投与製剤の形態ある
いは飲食品の形態で用いることができる。経口投与製剤
の形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散
剤、丸剤、ドリンク剤、シロップ剤等を挙げることがで
きる。また飲食品は、いかなる形態のものとしてもよい
が、例えばプロセスチーズや発酵乳あるいは加工食品等
を挙げることができる。また飲料では、飲用乳やドリン
クヨーグルトあるいはコーヒー飲料や果汁等を挙げるこ
とができ、最終製品中でその活性が失われない製造方法
によって得られた飲食品であれば全く制限されない。乳
が主原料である飲食品では、その中に乳由来のカルシウ
ムが本来含まれており、この場合には新たに乳由来のカ
ルシウムを添加せずに、この乳由来のカルシウムを有効
成分とすることも可能であり、また更に強化しても良
い。
【0008】乳由来の塩基性タンパク質を調製する方法
としては、アルギン酸ゲルを用いる方法( 特開昭61-246
198 号公報) 、硫酸化エステル化合物を用いる方法( 特
開昭63-255300 号公報) 、無機の多孔質粒子を用いる方
法( 特開平 1-86839号公報)、陽イオン交換体を用いる
方法( 特開平 5-202098 号公報) 、ウシインスリン様成
長因子−1含有物の製造方法( 特願平6-85333 号公報)
等があるが、本発明に使用する乳由来の塩基性タンパク
質としては、上記の特願平6-85333 号に記載されている
ウシインスリン様成長因子−1含有物の製造方法によっ
て得られたもの、あるいは乳または乳由来の原料を陽イ
オン交換樹脂に接触させた後、樹脂に吸着した画分を塩
溶液で溶出した画分を使用することが好ましい。
【0009】上記の乳または乳由来の原料を陽イオン交
換樹脂に接触させた後、樹脂に吸着した画分を塩溶液で
溶出する場合には、pHが4〜8にある脱脂乳や乳清な
どの乳原料を陽イオン交換樹脂(好ましくは、スルホン
酸基を交換基として持つもの)と接触させた後、樹脂を
塩濃度が0.1M以上1.0M以下の例えば塩化ナトリウムや炭
酸ナトリウムあるいはクエン酸ナトリウム等の水溶液で
溶出し、溶出画分を回収する。乳原料のpHが4以下で
あると、塩基性タンパク質以外のタンパク質も陽イオン
交換体に吸着して得られた画分中の塩基性タンパク質含
有率が低下し、一方pHが8以上では塩基性タンパク質
の回収率が低下する。陽イオン交換体からの塩基性タン
パク質の溶出に必要な塩濃度は、1.0M以下であるが、溶
出液の塩濃度が0.1M未満の場合には溶出が不十分となり
好ましくない。そして得られた画分を、イオン交換法、
逆浸透法、限外濾過法、電気透析法などの手段で脱塩お
よび濃縮し、必要に応じて乾燥して粉末化することがで
きる。このようにして得られた塩基性タンパク質画分中
には、固形重量で約40%以上のラクトフェリンおよびラ
クトパーオキシダーゼを含有している。また骨芽細胞を
活性化し、骨を強化する作用を有するインスリン様成長
因子−1(以下 IGF−1という)[ 斉藤史郎ら、日
本臨床, 48, 2779 (1990)]も固形100g当たり200 〜500
μg 含有している。そしてこの画分のアミノ酸組成中に
15重量%以上の塩基性アミノ酸を含有している。
【0010】本発明組成物中の乳由来のカルシウムは、
例えば、乳のカゼインに酸を添加してpH5.5 以下と
し、該カゼインからカゼイン結合性カルシウムおよびコ
ロイド状カルシウムを選択的に分離し、回収する乳由来
のカルシウム剤の製造方法(特開平6-125740号公報)に
よって得られたカルシウム、あるいは市販のラクトバル
(DMV社製) や中外CA-18(中外製薬社製) 等の乳由来のカ
ルシウムを用いることができる。
【0011】このようにして得られた乳由来の塩基性タ
ンパク質と乳由来のカルシウムを用いて経口投与製剤を
製造する場合には、有効成分としての乳由来の塩基性タ
ンパク質と乳由来のカルシウムとを、製剤の分野におい
て通常用いられる製剤成分、例えば増量剤、希釈剤、溶
剤及び充填剤等のような賦形剤;溶解補助剤、可溶化
剤、乳化剤、懸濁化剤、分散剤、結合剤、滑沢剤、コー
ティング剤及び徐放化剤等のような補助剤;または抗酸
化剤、保存剤、光沢剤、甘味剤、着色剤、着香剤等の添
加剤と混合し、常法により適当な形態に成形したり、ま
たは液剤とすることができる。経口投与製剤は、乳由来
の塩基性タンパク質と乳由来のカルシウムの他に、その
他の一種または2種以上の薬効成分を含むものであって
もよい。
【0012】また食品へ配合した時、後述する動物実験
の結果から明らかなように、固形100g当たり塩基性タン
パク質を50mg以上と乳由来のカルシウムを250mg 以上と
を同時に配合し、これを摂取した場合に骨強化作用が認
められる。飲料では、固形100g当たり、塩基性タンパク
質を77mg以上と乳由来のカルシウムを380mg 以上とを配
合した場合に同様の効果が認められる。なお、この様に
乳由来塩基性タンパク質ならびに乳由来カルシウムを配
合した飲食品中には、IGF−1が固形100g当たり0.5
μg 以上含まれている。通常の乳製品をベースに乳由来
の塩基性タンパク質を配合する場合には、例えば牛乳や
醗酵乳には固形分100g当たり900mg 以上の乳由来のカル
シウムが含まれており、またプロセスチーズには約620m
g 程度の乳由来のカルシウムが含まれているため、これ
らに所定量の乳由来塩基性タンパク質のみを添加しても
骨強化作用は期待できる。一方、全く乳成分を含まない
食品や乳成分の含量が一定量以下の食品では、乳由来の
塩基性タンパク質と同時に乳由来のカルシウムも添加し
なければならない。これらの添加方法については特に制
限は無く、通常の方法が用いられる。また、しばしば、
生理活性タンパク質は、加熱により失活し、その効力を
失うことが多いが、塩基性タンパク質画分については、
通常の殺菌温度まで加熱してもその効力を失うことはな
い。飲用牛乳に乳由来の塩基性タンパク質を配合する場
合では、まず生乳100ml 当たり10mg以上の濃度となるよ
うに乳由来の塩基性タンパク質を加え、ホモゲナイズ
し、殺菌、冷却した後、容器に充填する。
【0013】また発酵乳においては、原料乳、例えば脱
脂乳または脱脂粉乳に水を加えて溶解した物を加熱殺菌
後冷却し、これに所定量の乳由来の塩基性タンパク質を
添加し、ストレプトコッカス・ラクチス・サブスピーシ
ーズ・サーモフィルス(S. lactis.sp.thermophilus) 、
ラクトバチルス・ヘルベティクス(L. helveticus )、
ラクトバチルス・クレモリス(L. cremoris )、ラクト
バチルス・アシドフイルス(L. acidophilus)あるいは
ビフイドバクテリウム・スピーシーズ(Bifidobacteriu
m species )等の乳酸菌の一種または二種以上を接種し
て発酵させる。そして乳酸酸度が0.8 〜1.5 %あるいは
pHが4.0 〜4.5 になったら、10℃以下に冷却する。
【0014】発酵乳に乳由来の塩基性タンパク質を添加
する方法としては、上記したようにスターターカルチャ
ーに塩基性タンパク質を添加した後、乳培地に接種して
発酵させる方法、または加熱殺菌後の乳培地に乳酸菌を
接種して発酵させ、その後所定量の乳由来の塩基性タン
パク質を添加する方法がある。しかし、スターターカル
チャーに塩基性タンパク質を添加した後、発酵させる方
法が、得られた発酵乳中で塩基性タンパク質が均一に分
散しているため好ましい。これは、例えば撹拌型ヨーグ
ルトでは、発酵後に塩基性タンパク質を添加しても発酵
乳中に均一に分散することができなかったり、また静置
型ヨーグルトでは、個食容器にスターターカルチャーを
含有する培地を充填して発酵させるため、実質上乳由来
の塩基性タンパク質を添加することができないという問
題がある。
【0015】乳由来の塩基性タンパク質を発酵乳に利用
する場合には、スターターカルチャーへの乳由来の塩基
性タンパク質の添加量は、最終製品中の乳由来の塩基性
タンパク質の濃度から逆算して求める。例えば、最終製
品中の乳由来の塩基性タンパク質の濃度を固形100g当た
り50mgとし、スターターカルチャーを5%添加する場合
には、スターター中への乳由来の塩基性タンパク質の添
加量は、固形100g当たり100mg になる。ヨーグルトを製
造する場合には、常法に従って乳脂肪分を3.5 %程度に
標準化した生乳を培地とし、これを殺菌した後、上記の
ように調製したスターターカルチャーを接種して発酵さ
せる。またサワークリームを製造する場合には、培地と
して乳脂肪45%程度のクリームが用いられ、クワルクを
製造する場合には、培地として脱脂乳が用いられる。培
地の殺菌条件には、特に制限がなく、90℃、10分間、あ
るいは97℃、15秒間といった通常行われている条件が採
用できる。スターターカルチャーの接種は、培地を培養
温度( 製品によって異なるが、25〜45℃程度) まで冷却
した後、乳量の1 〜10%程度添加する。接種後の充填、
発酵、フレーバリング、冷却等の工程は、常法に従って
実施することができる。
【0016】プロセスチーズに乳由来の塩基性タンパク
質を配合するには、原料チーズを乳化する際に溶融塩等
の副原料と一緒に加えても良いし、またあらかじめ添加
水や溶融塩に添加して原料チーズとよく混合し、その後
乳化する方法が採用できる。乳化温度は、通常のプロセ
スチーズを製造する方法と同じ乳化温度でよく、水分含
量、pHともに特に制限されることはない。
【0017】次に、実施例及び試験例を示して本発明を
詳細に説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明を
より具体的に示す例であり、これにより本発明が限定さ
れるものではない。
【0018】
【実施例1】塩基性タンパク質の調製 陽イオン交換樹脂のスルホン化キトパール( 富士紡績株
式会社製)400g を充填したカラム( 直径5cm ×高さ30c
m) を脱イオン水で十分洗浄した後、このカラムに未殺
菌脱脂乳40リットル(pH6.7) を流速25ml/minで通液し
た。通液後、このカラムを脱イオン水で十分洗浄し、0.
98M 塩化ナトリウムを含む0.02M 炭酸緩衝液(pH7.0) で
樹脂に吸着した塩基性タンパク質画分を溶出した。そし
て、この溶出液を逆浸透膜により脱塩し、濃縮した後、
凍結乾燥して粉末状の塩基性タンパク質画分21g を得
た。
【0019】塩基性タンパク質画分の成分組成 上記で得られた、塩基性タンパク質画分について、常法
に従い、その成分組成を分析した。その結果を表1に示
す。
【0020】
【表1】
【0021】塩基性タンパク質画分中のタンパク質組成 上記で得られた塩基性タンパク質画分について、常法に
従い、そのタンパク質組成を分析した。ラクトフェリン
およびラクトパーオキシダーゼ含量については通常のエ
ンザイムイムノアッセイ法で、IGF-1 含量についてはラ
ジオイムノアッセイ法で測定した。その結果を表2に示
す。
【0022】
【表2】
【0023】塩基性タンパク質画分中のアミノ酸組成 上記で得られた塩基性タンパク質画分について、常法に
従い、そのアミノ酸組成を分析した。その結果を表3に
示す。
【0024】
【表3】
【0025】
【実施例2】実施例1で得られた乳由来塩基性タンパク
質を用いて、飲用牛乳を製造した。生乳100cc 当たり、
それぞれ2 、 10 、 20 、 40 、100 mgの乳由来の塩基
性タンパク質を加え、120kg/cm2 でホモゲナイズした
後、120 ℃で 4秒間殺菌した。その後、常法に従って冷
却、充填を行った。得られた飲用牛乳は、乳由来の塩基
性タンパク質を含んでいても、風味は通常の飲用牛乳と
全く同様であった。飲用牛乳中のカルシウム含量は130m
g/100ml (固形換算で約1030mg/100g)で、またIGF-1 含
量はラジオイムノアッセイで測定した結果、表4に示す
通りであった。
【0026】
【表4】
【0027】
【実施例3】実施例1で得られた塩基性タンパク質を用
いて、ヨーグルトを製造した。脱脂粉乳を固形率が12%
となるように水に溶解し、これにヨーグルト100 g 当た
り、それぞれ2 、10、 20 、 40 、100mg になるように
乳由来の塩基性タンパク質を加え、これを90℃で20分間
加熱殺菌した後、25℃に冷却し、L. acidophilusS.th
ermophilus を接種した。乳酸酸度が1.0 %、pHが4.3
になった時点で5℃に冷却した。この様にして得られ
たスターターカルチャーを、殺菌した脂肪分3.5 %の生
乳に5%接種した。スターターを接種後、発酵、フレー
バリング、冷却を常法どおり行った。また、得られたヨ
ーグルトは、塩基性タンパク質画分を含有していても、
風味、物性、食感には全く影響を及ぼさなかった。ヨー
グルト中のカルシウム含量は、130mg/100g( 固形換算で
約1030mg/100g)で、またIGF-1 含量はラジオイムノアッ
セイで測定した結果、表5に示す通りであった。
【0028】
【表5】
【0029】
【実施例4】実施例1で得られた塩基性タンパク質画分
を用いて、プロセスチーズを製造した。原料チーズとし
て、ゴーダチーズとチェダーチーズを1:1の割合で混
合し、これに溶融塩としてクエン酸ナトリウムを原料チ
ーズに対して2%、水を10%およびプロセスチーズ100g
当たり、10、20、50、100 、150mg になるように乳由来
の塩基性タンパク質画分を配合し、乳化温度85℃で常法
に従って乳化した。乳化後、チーズをカルトンに充填
し、2昼夜5℃で冷却した。得られたプロセスチーズの
カルシウム含量は、620mg/100gで、IGF-1 含量は、ラジ
オイムノアッセイ法で測定した結果、表6に示す通りで
あった。また、得られたプロセスチーズは、塩基性タン
パク質画分を含有していても、風味、物性、食感には全
く影響を及ぼさなかった。
【0030】
【表6】 ─────────────────────────
──────────
【0031】
【実施例5】実施例1で得られた乳由来の塩基性タンパ
ク質粉末および乳由来のカルシウムとして、ラクトバル
(DMV社製) の粉末を、ゼラチンよりなるソフトカプセル
中に一錠当たり乳由来の塩基性タンパク質が 50mg およ
び乳由来のカルシウムが250mg となるように充填して骨
強化作用を有する経口投与製剤を得た。
【0032】次に動物実験により本発明の効果を確認し
た試験例を示す。
【試験例1】実施例1で得られた乳由来の塩基性タンパ
ク質および乳由来のカルシウムとして、ラクトバル(DMV
社製) を用い、動物実験により、その骨強化作用を発現
するのに必要な乳由来の塩基性タンパク質の量を検討し
た。実験動物には4週齢のSD系雌ラットを用いた。1週
間の予備飼育の後、卵巣摘出手術を施し、その後、カル
シウム欠乏食で5週間飼育して動物実験に供した。尚、
卵巣を摘出し、カルシウム欠乏食で5週間飼育したラッ
トは、明らかに、骨粗鬆症状態にあった。この骨粗鬆症
状態を惹起したラットを、1群6匹づつ(以下の実験例
についても同じ)、表7に示す飼料で飼育した。
【0033】
【表7】
【0034】4週間後、各試験群のラットの両側大腿骨
を摘出し、骨破断力測定装置で骨強度を測定した。その
結果を図1に示す。これによると、同量の乳由来のカル
シウムを添加した場合、飼料100g中に乳由来の塩基性タ
ンパク質を50mg以上配合した群(D群、 E群) では、コン
トロール群(A群) に比べ大腿骨破断応力が統計的(Tukey
-Kramer 法) に有意に高い値を示した。
【0035】
【試験例2】実施例1で得られた乳由来の塩基性タンパ
ク質および乳由来のカルシウムとしてラクトバル(DMV社
製) を用い、試験例1と同様の方法で、表8に示した飼
料により動物実験を行い、その骨強化作用を発現するの
に必要な乳由来のカルシウムの量を検討した。また、コ
ントロール群(A〜D 群) には、カルシウム源として炭酸
カルシウムを添加した。
【0036】
【表8】
【0037】骨強度の測定は、実験例1と同様の方法で
行った。その結果を図2に示す。一定量の乳由来の塩基
性タンパク質を飼料に配合した場合、乳由来のカルシウ
ムを250mg/100g以上配合した群(G群、H 群) では、コン
トロール群(C群、D 群) に比べ大腿骨破断応力が統計的
(Tukey-Kramer 法) に有意に高い値を示した。
【0038】
【試験例3】実施例2で得られた塩基性タンパク質を配
合した飲用牛乳について、試験例1と同様の方法で、表
9に示す飼料を用い乳由来の塩基性タンパク質の添加量
とその骨強化作用の関係を検討した。実施例2で得られ
た乳由来の塩基性タンパク質を含有する飲用牛乳250ml
をあらかじめ凍結乾燥し、この粉末31g を配合した。こ
の飲用牛乳粉末中には、10.3mg/gのカルシウムが含まれ
ていた。また、コントロール群(A群) では、カルシウム
源として炭酸カルシウムを使用し、飲用牛乳粉末の組成
に合わせてカゼイン、ホエータンパク質、乳脂肪、乳糖
を配合した。乳由来の塩基性タンパク質の量は、配合し
た飼料中の乳由来の塩基性タンパク質の量を示すもので
あるが、これを飼料中に配合した飲用牛乳100ml 中の乳
由来の塩基性タンパク質の量に換算すると、A 群は0mg
、B 群は2mg 、C 群は10mg、D群は20mg、E 群は40mg、
F 群は100mg となる。尚、表中の()内の数値は、飲用牛
乳粉末由来のものである。
【0039】
【表9】
【0040】骨強度の測定試験は、試験例1と同様の方
法で行った。その結果を図3に示す。これによると、大
腿骨破断応力は、対照群(A群) に比べ、乳由来の塩基性
タンパク質を飲用牛乳100ml 当たり10mg以上含有するも
のを粉末化して配合した群(C〜F 群) で統計的(Tukey-K
remar 法) に有意に高い値を示した。また、大腿骨破断
応力は、塩基性タンパク質画分の添加量が増加するに従
い高い値を示した。
【0041】
【試験例4】試験例1と同様の方法で、表10に示す飼
料を用い乳由来のカルシウムの添加量とその骨強化作用
の関係を検討した。尚、飼料中、カゼイン、ホエータン
パク質、乳脂肪、乳糖は、飲用牛乳500cc を凍結乾燥し
て得られる粉末に合わせて配合した。コントロール群(A
群) ではカルシウム源として炭酸カルシウムを、B 〜F
群では炭酸カルシウムに加えて乳由来のカルシウム( ラ
クトバル) を添加した。また、乳由来の塩基性タンパク
質は、100mg/100gであるが、これを飼料に配合した飲用
牛乳粉末の組成から飲用牛乳100cc 中の乳由来の塩基性
タンパク質の量に換算すると20mgとなる。
【0042】
【表10】
【0043】骨強度の測定は、試験例1と同様に行っ
た。その結果を図4に示す。これによると、大腿骨破断
応力は、同量の乳由来の塩基性タンパク質を添加した対
照群(A群) に比べ、乳由来のカルシウムを飲用牛乳100m
l 当たり50mgに相当する量( 飼料100g当たり250mg)以上
配合した群(E、F 群) で統計的(Tukey-Kremar 法) に有
意に高い値を示した。また、大腿骨破断応力は、乳由来
カルシウムの添加量が増加するに従い高い値を示した。
【0044】
【試験例5】実施例3で得られた乳由来の塩基性タンパ
ク質を配合したヨーグルトについて、試験例1と同様の
方法で、表11に示す飼料を用い、乳由来の塩基性タン
パク質の添加量とその骨強化作用の関係を検討した。
尚、A 群を除いた各飼料に実施例3で得られた乳由来の
塩基性タンパク質を配合したヨーグルト250gを、あらか
じめ凍結乾燥し、粉末31g として配合した。このヨーグ
ルト粉末中には、10.3mg/gのカルシウムが含まれてい
た。また、コントロール群(A群) では、カルシウム源と
して炭酸カルシウムを使用し、ヨーグルト粉末の組成に
合わせてカゼイン、ホエータンパク質、乳脂肪、乳糖を
配合した。乳由来の塩基性タンパク質の量は、配合した
飼料中の乳由来の塩基性タンパク質の量を示すものであ
るが、これを飼料中に配合したヨーグルト100 g 中の乳
由来の塩基性タンパク質の量に換算すると、A 群は0mg
、B 群は2mg 、C 群は10mg、D 群は20mg、E 群は40m
g、F 群は100mg となる。表中の()内の数値はヨーグル
ト粉末由来のものである。
【0045】
【表11】
【0046】骨強度の測定は、試験例1と同様な方法で
行った。その結果を図5に示す。これによると、大腿骨
破断応力は、対照群(A群) に比べ、乳由来の塩基性タン
パク質を100g当たり10mg以上含有するヨーグルトを粉末
化して配合した群(C〜F 群)で統計的(Tukey-Kremar 法)
に有意に高い値を示した。また、大腿骨破断応力は、
塩基性タンパク質画分の添加量が増加するに従い高い値
を示した。
【0047】
【試験例6】実施例4で得られた乳由来の塩基性タンパ
ク質を配合したプロセスチーズについて、試験例1と同
様の方法で、表12に示す飼料を用い、乳由来の塩基性
タンパク質の添加量とその骨強化作用の関係を検討し
た。乳由来の塩基性タンパク質の量は、配合した飼料中
の乳由来の塩基性タンパク質の量を示すものであるが、
これを飼料中に配合したチーズ100g中の乳由来の塩基性
タンパク質の量に換算すると、A 群は0mg 、B 群は10m
g、C 群は20mg、D 群は50mg、E 群は100mg 、F 群は150
mg となる。
【0048】
【表12】
【0049】骨強度の測定は、試験例1と同様に行っ
た。その結果を図6に示す。これによると、大腿骨破断
応力は、対照群(A群) に比べ、乳由来の塩基性タンパク
質を100g当たり50mg以上含有するチーズを飼料に配合し
た群(D、E 、F 群) で統計的に有意に高い値を示した。
また、大腿骨破断応力は、塩基性タンパク質画分の添加
量が増加するに従い高い値を示した。
【0050】
【比較例1】実施例4で得られた塩基性タンパク質濃縮
物を配合したプロセスチーズについて試験例1と同様の
方法で表13に示す飼料を用い、動物実験により、その
骨強化作用をカルシウム源として炭酸カルシウムまたは
牛骨粉を用いた場合と比較した。尚、表中の()内の数
値は、チーズ由来のものである。
【0051】
【表13】
【0052】骨強度の測定は試験例1と同様の方法で行
った。その結果を図7に示す。これによると、同量の乳
由来塩基性タンパク質画分と同量のカルシウムを含んで
いても、カルシウム源として炭酸カルシウム(A群) 、牛
骨粉(B群) を加えたものよりチーズ中のカルシウムをカ
ルシウム源として加えたもの(C群) の大腿骨破断応力が
統計的に有意に高い値を示した。
【0053】
【比較例2】 乳由来の塩基性タンパク質画分を含まないヨーグルト
粉末を配合した飼料(A群) 、乳由来の塩基性タンパク
質画分を含まないヨーグルト粉末に乳由来のカルシウム
を強化した飼料(B群) 、乳由来の塩基性タンパク質画
分を含んだヨーグルト粉末を含有する飼料(C群) をそれ
ぞれ調製し、これにより動物実験を行うことで、乳由来
のカルシウムのみを強化した場合と乳由来のカルシウム
と乳由来の塩基性タンパク質画分を強化した場合の骨強
化作用を、表14に示す飼料を用いて、比較実験を行っ
た。尚、表中の()内の数値は、ヨーグルト粉末由来の
ものである。
【0054】
【表14】
【0055】骨強度の測定は試験例1と同様の方法で行
った。その結果を図8に示す。 A群( コントロール群)
と B群( カルシウム強化群) の比較では、 B群に統計的
な有意差は認められなったが、 A群と C群( 乳由来の塩
基性タンパク質添加群) の比較では C群のラットの大腿
骨破断応力が統計的に有意に大きいという結果を得た。
このことから、骨強化作用は、乳由来のカルシウムと乳
由来の塩基性タンパク質画分を同時に配合した場合に最
も効果があり、乳由来のカルシウムを強化だけでは十分
な骨強化作用が期待できないことが確認された。
【0056】
【発明の効果】本発明の乳由来の塩基性タンパク質と乳
由来のカルシウムを含有する組成物は、カルシウムの吸
収率を大幅に向上させ、骨強化作用を増強する。また本
発明の骨強化作用を有する組成物は、経口投与製剤また
は飲食品の形態で摂取することができ、乳を原料として
いるために全く副作用がなく、特に飲食品の形態の場合
には、日常の食生活の中で摂取することができるため
に、各種の骨関節疾患、特に骨粗鬆症の予防あるいは治
療に有効である。また、成長期の学童が摂取することに
より、骨強化に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、試験例1における、乳由来の塩基性タンパ
クの配合量を変化させた時の骨強度の測定結果を示すグ
ラフである。
【図2】は、試験例2における、炭酸カルシウムまたは
乳由来のカルシウムの配合量を変化させた時の骨強度の
測定結果を示すグラフである。
【図3】は、試験例3における、乳由来の塩基性タンパ
ク質を配合した飲用牛乳の乾燥粉末を飼料に配合した時
の骨強度の測定結果を示すグラフである。
【図4】は、試験例4における、一定量の乳由来の塩基
性タンパク質を配合し、更に炭酸カルシウムと乳由来の
カルシウムを同時に配合して、それぞれの量を変化させ
た時の骨強度の測定結果を示すグラフである。
【図5】は、試験例5における、塩基性タンパク質を添
加したヨーグルトを飼料に配合した時の骨強度の測定結
果を示すグラフである。
【図6】は、試験例6における、塩基性タンパク質濃縮
物を添加したプロセスチーズを飼料に配合した時の骨強
度の測定結果を示すグラフである。
【図7】は、比較例1における、カルシウム源として炭
酸カルシウム、牛骨粉、プロセスチーズを飼料に配合し
た時の骨強度の測定比較結果を示すグラフである。
【図8】は、比較例2における、カルシウム源として、
ヨーグルト粉末およびこれに乳由来のカルシウムを添加
した場合と更に乳由来のカルシウムに乳由来の塩基性タ
ンパク質画分を飼料に添加した場合の骨強度の測定比較
結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23C 19/00 A23L 1/30 A A61K 38/23 C07K 1/18 8318−4H 14/47 14/65 8318−4H // A61K 35/20 7431−4C (A61K 38/16 ABJ 35:20) (A61K 37/14 ABJ 35:20)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳由来の塩基性タンパク質画分および乳由
    来のカルシウムを含有し、骨強化作用を有することを特
    徴とする組成物。
  2. 【請求項2】経口投与製剤の形態である請求項1記載の
    組成物。
  3. 【請求項3】食品の形態である請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】飲料の形態である請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】固形換算で、乳由来の塩基性タンパク質画
    分を50mg/100g以上、および乳由来のカルシウ
    ムを250mg/100g以上含有する請求項1乃至3
    のいずれか記載の組成物。
  6. 【請求項6】固形換算で、乳由来の塩基性タンパク質画
    分を77mg/100g以上、および乳由来のカルシウ
    ムを380mg/100g以上含有する請求項4記載の
    組成物。
  7. 【請求項7】乳由来の塩基性タンパク質画分がアミノ酸
    組成中に塩基性アミノ酸を15重量%以上含有する、請
    求項1乃至6のいずれか記載の組成物。
  8. 【請求項8】乳由来の塩基性タンパク質画分がインスリ
    ン様成長因子−1を含有する請求項1乃至7のいずれか
    記載の組成物。
  9. 【請求項9】乳由来の塩基性タンパク質画分がインスリ
    ン様成長因子−1を固形換算で200μg/100g以
    上含有する請求項8記載の組成物。
  10. 【請求項10】乳由来の塩基性タンパク質画分が乳また
    は乳由来の原料を陽イオン交換樹脂に接触させた後、塩
    濃度0.1〜1.0Mの溶液で溶出した画分である、請
    求項1乃至9のいずれか記載の組成物。
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