JPH08166609A - 非線形光学用積層体及び光導波路素子 - Google Patents
非線形光学用積層体及び光導波路素子Info
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- JPH08166609A JPH08166609A JP31070294A JP31070294A JPH08166609A JP H08166609 A JPH08166609 A JP H08166609A JP 31070294 A JP31070294 A JP 31070294A JP 31070294 A JP31070294 A JP 31070294A JP H08166609 A JPH08166609 A JP H08166609A
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- Japan
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- polymer
- polymer layer
- antistatic agent
- nonlinear
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 積層構造の非線形光学用材料であって、高い
ポーリング効率が達成され、高性能の電気光学素子や非
線形光学素子を作製することの可能な積層体を提供す
る。 【構成】 ポーリング処理により2次の非線形光学効果
を示しうるポリマー層と、該ポリマー層とは異なるポリ
マー層の少なくとも1層とを積層してなり、最大の非線
形光学効果を示しうる層以外のポリマー層が帯電防止剤
を含有している非線形光学用積層体、並びにそれから構
成された光導波路素子。
ポーリング効率が達成され、高性能の電気光学素子や非
線形光学素子を作製することの可能な積層体を提供す
る。 【構成】 ポーリング処理により2次の非線形光学効果
を示しうるポリマー層と、該ポリマー層とは異なるポリ
マー層の少なくとも1層とを積層してなり、最大の非線
形光学効果を示しうる層以外のポリマー層が帯電防止剤
を含有している非線形光学用積層体、並びにそれから構
成された光導波路素子。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光を用いた通信、情報
処理等に用いることのできる、電気光学効果を利用した
光を制御する素子や、レーザー光の波長の第二高調波を
発生するのに用いることのできる素子に有効な非線形光
学用積層体及びそれを用いた光導波路素子に関するもの
である。
処理等に用いることのできる、電気光学効果を利用した
光を制御する素子や、レーザー光の波長の第二高調波を
発生するのに用いることのできる素子に有効な非線形光
学用積層体及びそれを用いた光導波路素子に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、π電子共役系の有機化合物が、非
線形光学材料として注目を集めている。これは、その非
線形感受率が無機系材料と比較して非常に大きいこと
や、それが電子分極に由来することから、全光デバイス
に応用された場合、ピコ秒以下の超高速の応答性が期待
されることによる。また、誘電率の小さいことや、ニオ
ブ酸リチウム等の無機系非線形光学材料と比較して光損
傷に強いこと、高分子材料においては、製造法が単結晶
成長に比較して容易なこと、多様な分子設計により種々
の機能を付与できる可能性のあることも、有機系材料が
期待されている理由として挙げられる。有機物のこれら
の特長を利用すれば、半導体レーザー等の低パワーレー
ザー用の第二高調波発生等の波長変換素子や、低電圧駆
動で高速応答性の電気光学変調素子を作製することが可
能となる。
線形光学材料として注目を集めている。これは、その非
線形感受率が無機系材料と比較して非常に大きいこと
や、それが電子分極に由来することから、全光デバイス
に応用された場合、ピコ秒以下の超高速の応答性が期待
されることによる。また、誘電率の小さいことや、ニオ
ブ酸リチウム等の無機系非線形光学材料と比較して光損
傷に強いこと、高分子材料においては、製造法が単結晶
成長に比較して容易なこと、多様な分子設計により種々
の機能を付与できる可能性のあることも、有機系材料が
期待されている理由として挙げられる。有機物のこれら
の特長を利用すれば、半導体レーザー等の低パワーレー
ザー用の第二高調波発生等の波長変換素子や、低電圧駆
動で高速応答性の電気光学変調素子を作製することが可
能となる。
【0003】有望な2次の非線形光学用の材料として
は、分極処理(ポーリング処理)により2次の非線形光
学効果を示すようにされたポリマー材料が挙げられる。
これは例えば、アクリル系のポリマーにディスパースレ
ッド1(N−エチル−N−ヒドロキシルエチル−4−ア
ミノ−4′−ニトロアゾベンゼン)等の、2次の分子超
分極率(β)の大きな分子を、ドープしたり、ポリマー
の側鎖に結合させたもので代表される。ポリマー材料
は、コーティングによる薄膜形成が容易で、光学的にも
優れた光導波路材料となることは知られているが、コー
ティングしたのみの膜は一般にアモルファス(無定形)
であり、2次の非線形感受率(χ(2) )は零である。零
でないχ(2) 値を示させるための方法として、ポリマー
の膜に電場を印加しながらガラス転移温度Tg付近の温
度に加熱してβの大きなユニット(分子又は原子団)を
配向させた後、室温まで冷却して配向を固定するポーリ
ングと呼ばれる操作が一般に利用されている。
は、分極処理(ポーリング処理)により2次の非線形光
学効果を示すようにされたポリマー材料が挙げられる。
これは例えば、アクリル系のポリマーにディスパースレ
ッド1(N−エチル−N−ヒドロキシルエチル−4−ア
ミノ−4′−ニトロアゾベンゼン)等の、2次の分子超
分極率(β)の大きな分子を、ドープしたり、ポリマー
の側鎖に結合させたもので代表される。ポリマー材料
は、コーティングによる薄膜形成が容易で、光学的にも
優れた光導波路材料となることは知られているが、コー
ティングしたのみの膜は一般にアモルファス(無定形)
であり、2次の非線形感受率(χ(2) )は零である。零
でないχ(2) 値を示させるための方法として、ポリマー
の膜に電場を印加しながらガラス転移温度Tg付近の温
度に加熱してβの大きなユニット(分子又は原子団)を
配向させた後、室温まで冷却して配向を固定するポーリ
ングと呼ばれる操作が一般に利用されている。
【0004】ポーリング操作をポリマー層に対して行っ
て光導波路素子を作製する場合には、電極が分極ポリマ
ー層に接触していると、光が伝播する際に電極材料によ
る吸収のために大きな損失になるので、電極と分極ポリ
マー層との間にクラッド層として作用するバッファー層
を設ける必要がある。従って、必然的に積層構造のポー
リング処理が必要となる。
て光導波路素子を作製する場合には、電極が分極ポリマ
ー層に接触していると、光が伝播する際に電極材料によ
る吸収のために大きな損失になるので、電極と分極ポリ
マー層との間にクラッド層として作用するバッファー層
を設ける必要がある。従って、必然的に積層構造のポー
リング処理が必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】積層構造に電圧を印加
した場合、定常状態ではオームの法則により電圧は各層
の抵抗に比例して分割されて印加される。従って、ある
層に有効に電圧を印加するためには、その層の電気抵抗
率を他の層に比べて大きくすればよい。種々の材料の中
から適当な電気抵抗率を有するものを捜すのも一つの方
法である。しかし非線形光学用のポリマー中にはπ電子
の長く共役した色素材料が含まれているものが多く、電
気抵抗率は低くなる傾向にあるのでこれも容易ではな
い。そのため、大きな非線形光学効果を示しうるポリマ
ー材料をコア層に用いて光導波路素子を作製する場合、
クラッド層として作用する屈折率の低い材料との積層に
してポーリング処理を行う際に、コア層に有効に電圧が
印加されず、従って高い非線形光学効果を付与すること
が困難なことが多い。
した場合、定常状態ではオームの法則により電圧は各層
の抵抗に比例して分割されて印加される。従って、ある
層に有効に電圧を印加するためには、その層の電気抵抗
率を他の層に比べて大きくすればよい。種々の材料の中
から適当な電気抵抗率を有するものを捜すのも一つの方
法である。しかし非線形光学用のポリマー中にはπ電子
の長く共役した色素材料が含まれているものが多く、電
気抵抗率は低くなる傾向にあるのでこれも容易ではな
い。そのため、大きな非線形光学効果を示しうるポリマ
ー材料をコア層に用いて光導波路素子を作製する場合、
クラッド層として作用する屈折率の低い材料との積層に
してポーリング処理を行う際に、コア層に有効に電圧が
印加されず、従って高い非線形光学効果を付与すること
が困難なことが多い。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、クラッド層
に帯電防止剤を含有させることによって積層でのコア層
のポーリングを有効に実施し得ることを見いだして、本
発明に到達した。即ち、本発明の要旨は、ポーリング処
理により2次の非線形光学効果を示しうるポリマー層
と、該ポリマー層とは異なるポリマー層の少なくとも1
層とを積層してなり、最大の非線形光学効果を示しうる
層以外のポリマー層が帯電防止剤を含有していることを
特徴とする非線形光学用積層体、に存する。また、本発
明の他の要旨は、ポーリング処理により2次の非線形光
学効果を示しうるポリマー層をコア層とし、最大の非線
形光学効果を示しうる層以外のポリマー層に帯電防止剤
を含有させた層をクラッド層として積層して得られた積
層体から構成されていることを特徴とする光導波路素
子、に存する。
題点を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、クラッド層
に帯電防止剤を含有させることによって積層でのコア層
のポーリングを有効に実施し得ることを見いだして、本
発明に到達した。即ち、本発明の要旨は、ポーリング処
理により2次の非線形光学効果を示しうるポリマー層
と、該ポリマー層とは異なるポリマー層の少なくとも1
層とを積層してなり、最大の非線形光学効果を示しうる
層以外のポリマー層が帯電防止剤を含有していることを
特徴とする非線形光学用積層体、に存する。また、本発
明の他の要旨は、ポーリング処理により2次の非線形光
学効果を示しうるポリマー層をコア層とし、最大の非線
形光学効果を示しうる層以外のポリマー層に帯電防止剤
を含有させた層をクラッド層として積層して得られた積
層体から構成されていることを特徴とする光導波路素
子、に存する。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明に用いるポーリング処理により大きな2次の非線形
光学効果を示しうるポリマー(以下「非線形光学用ポリ
マー」という)の層には特に制限はなく、例えば高分子
中に分子超分極率βの大きい化合物をドープしたポリマ
ー層、高分子の側鎖または主鎖に化学結合によりβの大
きい原子団を導入したポリマー層が挙げられ、これらの
うちでは後者の方が、高性能及び高安定性の観点から望
ましい。
発明に用いるポーリング処理により大きな2次の非線形
光学効果を示しうるポリマー(以下「非線形光学用ポリ
マー」という)の層には特に制限はなく、例えば高分子
中に分子超分極率βの大きい化合物をドープしたポリマ
ー層、高分子の側鎖または主鎖に化学結合によりβの大
きい原子団を導入したポリマー層が挙げられ、これらの
うちでは後者の方が、高性能及び高安定性の観点から望
ましい。
【0008】高分子中に分子超分極率の大きい化合物を
ドープして非線形光学用ポリマーとする場合、該高分子
としては、ドープする化合物を均一に溶解するものであ
れば特に限定されないが、光学材料として用いるために
散乱のない透明なフィルムを与えるものが望ましい。例
えば、ポリメチルメタクリレートやポリベンジルメタク
リレート等のメタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹
脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリ塩化ビニル、
さらにこれらの共重合体やブレンドなどが挙げられる。
ドープして非線形光学用ポリマーとする場合、該高分子
としては、ドープする化合物を均一に溶解するものであ
れば特に限定されないが、光学材料として用いるために
散乱のない透明なフィルムを与えるものが望ましい。例
えば、ポリメチルメタクリレートやポリベンジルメタク
リレート等のメタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹
脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリ塩化ビニル、
さらにこれらの共重合体やブレンドなどが挙げられる。
【0009】高分子中にドープする化合物としては例え
ば電気光学効果に関係する分子超分極率βの値が、10
×10-30 esu以上で、双極子モーメントが3デバイ
以上の分子が挙げられる。具体的な化合物としては例え
ば、次のようなものが挙げられる。
ば電気光学効果に関係する分子超分極率βの値が、10
×10-30 esu以上で、双極子モーメントが3デバイ
以上の分子が挙げられる。具体的な化合物としては例え
ば、次のようなものが挙げられる。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】高分子中にドープする化合物については、
例えばP.N.Prasad、D.J.William
s著「Introduction to Nonlin
ear Optical Effects in Mo
lecules and Polymers」にも記載
されている。また、高分子の主鎖または側鎖に化学結合
を利用して分子超分極率βの大きな原子団を導入したポ
リマーとしては例えば、メタクリル酸のメチルエステル
やグリシジルエステルと、ディスパースレッド1に代表
される上記分子超分極率の大きな分子の残基を含むメタ
クリル酸エステルの共重合物が挙げられる。特にグリシ
ジルエステルを含むポリマーは、アミノ基やフェノール
性の水酸基を2個以上有する低分子化合物を混合するこ
とにより、熱による架橋が可能で、ポーリング処理した
ポリマーの熱安定性の向上に有効である。高分子に化学
結合により超分極率の大きな原子団を導入したポリマー
の具体例としては例えば次のようなものが挙げられる。
例えばP.N.Prasad、D.J.William
s著「Introduction to Nonlin
ear Optical Effects in Mo
lecules and Polymers」にも記載
されている。また、高分子の主鎖または側鎖に化学結合
を利用して分子超分極率βの大きな原子団を導入したポ
リマーとしては例えば、メタクリル酸のメチルエステル
やグリシジルエステルと、ディスパースレッド1に代表
される上記分子超分極率の大きな分子の残基を含むメタ
クリル酸エステルの共重合物が挙げられる。特にグリシ
ジルエステルを含むポリマーは、アミノ基やフェノール
性の水酸基を2個以上有する低分子化合物を混合するこ
とにより、熱による架橋が可能で、ポーリング処理した
ポリマーの熱安定性の向上に有効である。高分子に化学
結合により超分極率の大きな原子団を導入したポリマー
の具体例としては例えば次のようなものが挙げられる。
【0014】
【化4】
【0015】なお、上記の例においてはアミノニトロア
ゾベンゼンの誘導体を基に示してあるが、この部分を先
に挙げた超分極率の大きな他の化合物で置き換えたもの
も、同様に望ましいものである。その他の例としては、
D.M.Burland、R.D.Miller、C.
A.Walsh著、Chemical Review、
94巻31頁の総説で触れられているものが挙げられ
る。
ゾベンゼンの誘導体を基に示してあるが、この部分を先
に挙げた超分極率の大きな他の化合物で置き換えたもの
も、同様に望ましいものである。その他の例としては、
D.M.Burland、R.D.Miller、C.
A.Walsh著、Chemical Review、
94巻31頁の総説で触れられているものが挙げられ
る。
【0016】上記非線形光学用ポリマー層の片面又は両
面に他のポリマー層を少なくとも1層積層することによ
って非線形光学用積層体が形成される。該積層体は種々
の用途に利用され得るが、前記の通り光導波路素子は好
適な用途の1つである。上記積層体を光導波路構造とす
るためには、屈折率の高いコア層を屈折率の低いクラッ
ド層で挟んだ構造にする必要がある。このような導波路
構造を分極ポリマーで作製する際には、積層構造でのポ
ーリング処理が必要である。
面に他のポリマー層を少なくとも1層積層することによ
って非線形光学用積層体が形成される。該積層体は種々
の用途に利用され得るが、前記の通り光導波路素子は好
適な用途の1つである。上記積層体を光導波路構造とす
るためには、屈折率の高いコア層を屈折率の低いクラッ
ド層で挟んだ構造にする必要がある。このような導波路
構造を分極ポリマーで作製する際には、積層構造でのポ
ーリング処理が必要である。
【0017】非線形光学用ポリマー層に積層する層は、
非線形光学用ポリマー層以外のポリマー層から形成され
る層の場合も、ポーリング処理により非線形光学効果を
示す層でもよいが、該効果を示さないまたは示しても効
果が小さい層でもよい。このポリマー層は、通常、ポリ
マー層同士を重ねて塗布して作製するので、最初に塗布
した層が次に塗布する層の溶媒に侵されては積層構造を
うまく作製することは不可能である。従って、2番目に
塗布する際に用いる溶剤に侵されないポリマーを用いる
必要がある。また、光導波路に用いるためには、用いる
光の波長で透明で散乱や吸収が十分小さい必要がある。
このような条件を満たすポリマーであれば特に限定され
ないが、例えば、ポリメチルメタクリレートやポリベン
ジルメタクリレート等のメタクリル樹脂、アクリル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、
フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリ
塩化ビニル、これらの共重合体やブレンドなどが挙げら
れる。さらに、熱硬化性や光硬化性のポリマーを用いれ
ば、最初の膜形成後、硬化することにより溶媒に侵され
なくなるので都合がよい。このようなものの例として
は、熱硬化性またはUV硬化性のアクリル系やエポキシ
系さらにはウレタン系等の接着剤として用いられている
材料が挙げられる。
非線形光学用ポリマー層以外のポリマー層から形成され
る層の場合も、ポーリング処理により非線形光学効果を
示す層でもよいが、該効果を示さないまたは示しても効
果が小さい層でもよい。このポリマー層は、通常、ポリ
マー層同士を重ねて塗布して作製するので、最初に塗布
した層が次に塗布する層の溶媒に侵されては積層構造を
うまく作製することは不可能である。従って、2番目に
塗布する際に用いる溶剤に侵されないポリマーを用いる
必要がある。また、光導波路に用いるためには、用いる
光の波長で透明で散乱や吸収が十分小さい必要がある。
このような条件を満たすポリマーであれば特に限定され
ないが、例えば、ポリメチルメタクリレートやポリベン
ジルメタクリレート等のメタクリル樹脂、アクリル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、
フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリ
塩化ビニル、これらの共重合体やブレンドなどが挙げら
れる。さらに、熱硬化性や光硬化性のポリマーを用いれ
ば、最初の膜形成後、硬化することにより溶媒に侵され
なくなるので都合がよい。このようなものの例として
は、熱硬化性またはUV硬化性のアクリル系やエポキシ
系さらにはウレタン系等の接着剤として用いられている
材料が挙げられる。
【0018】本発明では、積層されたポリマー層の中
で、最大の非線形光学効果を示しうる層以外の少なくと
も一つのポリマー層に帯電防止剤を含有する。非線形光
学用ポリマー層を二層以上用いる場合には、ポーリング
処理により発現するポッケルス係数で示される非線形光
学効果の大きさを比較して、該効果が最大の層以外のい
ずれかの層に帯電防止剤を用いる。
で、最大の非線形光学効果を示しうる層以外の少なくと
も一つのポリマー層に帯電防止剤を含有する。非線形光
学用ポリマー層を二層以上用いる場合には、ポーリング
処理により発現するポッケルス係数で示される非線形光
学効果の大きさを比較して、該効果が最大の層以外のい
ずれかの層に帯電防止剤を用いる。
【0019】帯電防止剤は広く知られているものであ
り、ポリマーに添加して静電気の帯電を防ぐために用い
られることが多い。しかし、本発明において帯電防止剤
とは、ポリマー材料に添加してその導電率を上げる効果
のある添加物を指し、一般に帯電防止剤と呼ばれている
もののみに限られるものではない。このような添加剤を
適量加えたポリマー層は、電気抵抗が低下するので、ポ
ーリング処理の際に非線形光学用ポリマー層に電圧が有
効に印加されることになる。この方法により、原理的に
はクラッド層にどのような材料を用いようともその電気
抵抗率を下げることが可能であるので、材料の選択の自
由度が増し、特に光導波路素子の作製には有効である。
用いる帯電防止剤としては、通常は、一般に帯電防止剤
として知られているものを用いることができる。具体例
としては、例えば「高分子添加剤の最新技術」(シーエ
ムシー、1988)257頁〜274頁に記載されてい
るような脂肪酸塩類、脂肪族アミン塩類、四級アンモニ
ウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類等の
種々の材料を挙げることができる。帯電防止剤は通常、
表面の抵抗を下げることが主目的であり、表面付近の濃
度を高くするために相溶性を調節するが、本発明ではポ
リマー全体に溶解してバルクの抵抗率を下げるものの方
が望ましい。このようなものとしては、例えば四級アン
モニウム塩構造を含む高分子化合物がある。さらに、金
属、共役高分子等の導電性材料を、光を散乱しないよう
な微粒子として分散させたり溶解させたものや、有機光
導電体に用いられるπ電子共役分子を用いて抵抗率を下
げることもできる。
り、ポリマーに添加して静電気の帯電を防ぐために用い
られることが多い。しかし、本発明において帯電防止剤
とは、ポリマー材料に添加してその導電率を上げる効果
のある添加物を指し、一般に帯電防止剤と呼ばれている
もののみに限られるものではない。このような添加剤を
適量加えたポリマー層は、電気抵抗が低下するので、ポ
ーリング処理の際に非線形光学用ポリマー層に電圧が有
効に印加されることになる。この方法により、原理的に
はクラッド層にどのような材料を用いようともその電気
抵抗率を下げることが可能であるので、材料の選択の自
由度が増し、特に光導波路素子の作製には有効である。
用いる帯電防止剤としては、通常は、一般に帯電防止剤
として知られているものを用いることができる。具体例
としては、例えば「高分子添加剤の最新技術」(シーエ
ムシー、1988)257頁〜274頁に記載されてい
るような脂肪酸塩類、脂肪族アミン塩類、四級アンモニ
ウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類等の
種々の材料を挙げることができる。帯電防止剤は通常、
表面の抵抗を下げることが主目的であり、表面付近の濃
度を高くするために相溶性を調節するが、本発明ではポ
リマー全体に溶解してバルクの抵抗率を下げるものの方
が望ましい。このようなものとしては、例えば四級アン
モニウム塩構造を含む高分子化合物がある。さらに、金
属、共役高分子等の導電性材料を、光を散乱しないよう
な微粒子として分散させたり溶解させたものや、有機光
導電体に用いられるπ電子共役分子を用いて抵抗率を下
げることもできる。
【0020】イオン伝導性の帯電防止剤は、温度が上が
るとイオンの運動が活発になり導電率が上がる。また、
電子写真感光体に用いられるようなキャリア輸送材料を
ポリマーに溶解したり、ポリマー側鎖に結合したりした
ものは、ホッピング輸送と呼ばれる電気伝導性を示し、
トラップされたキャリアが熱的に励起されながらキャリ
アが輸送されるので、温度が上がると導電率が上がる。
ポーリング処理では通常、ポリマーのガラス転移温度付
近まで加熱するので、この温度での抵抗率が問題にな
る。従ってこのように高温で導電率の上がるものが望ま
しい。
るとイオンの運動が活発になり導電率が上がる。また、
電子写真感光体に用いられるようなキャリア輸送材料を
ポリマーに溶解したり、ポリマー側鎖に結合したりした
ものは、ホッピング輸送と呼ばれる電気伝導性を示し、
トラップされたキャリアが熱的に励起されながらキャリ
アが輸送されるので、温度が上がると導電率が上がる。
ポーリング処理では通常、ポリマーのガラス転移温度付
近まで加熱するので、この温度での抵抗率が問題にな
る。従ってこのように高温で導電率の上がるものが望ま
しい。
【0021】帯電防止剤の添加量は、光線形光学用ポリ
マー層のポーリング処理温度での抵抗率との兼ね合いで
添加量が決まるが、一般にはポリマー材料に対して0.
1%以上、好ましくは1%以上添加する。帯電防止剤が
ポリマー材料で、屈折率が非線形光学用のポリマーより
も低く、厚さ1〜10μm程度のフィルムが形成できる
ものであれば、帯電防止剤100%の膜を用いることも
できる。
マー層のポーリング処理温度での抵抗率との兼ね合いで
添加量が決まるが、一般にはポリマー材料に対して0.
1%以上、好ましくは1%以上添加する。帯電防止剤が
ポリマー材料で、屈折率が非線形光学用のポリマーより
も低く、厚さ1〜10μm程度のフィルムが形成できる
ものであれば、帯電防止剤100%の膜を用いることも
できる。
【0022】積層して得られたポリマーフィルム(積層
体)を2次の非線形光学用材料として用いるには、含有
されている分子超分極率βの大きな分子又は原子団(以
下「超分極ユニット」という)を極性構造に配向する必
要がある。このためには、この超分極ユニットを含有す
る高分子に、電場を印加しながらガラス転移温度Tg付
近まで加熱することにより超分極ユニットを配向させ
る、いわゆるポーリング処理と呼ばれる方法を利用す
る。このためには、通常、ポリマーフィルムに一対の電
極を設け、電極間に電場が0.1MV/cm以上になる
ような電圧を印加して非線形光学用ポリマーのガラス転
移点付近まで加熱して配向を生起させ、配向緩和の起こ
らない温度まで冷却した後で電圧を除去することによっ
て極性構造を固定する方法が採用される。また、電極に
よって電圧を印加する代わりに、フィルム表面にコロナ
帯電させることによって、フィルムに電圧を印加してポ
ーリング処理することも可能である。また、必要によ
り、熱硬化や光硬化処理をポーリングの前後、もしくは
ポーリング中に施すこともできる。
体)を2次の非線形光学用材料として用いるには、含有
されている分子超分極率βの大きな分子又は原子団(以
下「超分極ユニット」という)を極性構造に配向する必
要がある。このためには、この超分極ユニットを含有す
る高分子に、電場を印加しながらガラス転移温度Tg付
近まで加熱することにより超分極ユニットを配向させ
る、いわゆるポーリング処理と呼ばれる方法を利用す
る。このためには、通常、ポリマーフィルムに一対の電
極を設け、電極間に電場が0.1MV/cm以上になる
ような電圧を印加して非線形光学用ポリマーのガラス転
移点付近まで加熱して配向を生起させ、配向緩和の起こ
らない温度まで冷却した後で電圧を除去することによっ
て極性構造を固定する方法が採用される。また、電極に
よって電圧を印加する代わりに、フィルム表面にコロナ
帯電させることによって、フィルムに電圧を印加してポ
ーリング処理することも可能である。また、必要によ
り、熱硬化や光硬化処理をポーリングの前後、もしくは
ポーリング中に施すこともできる。
【0023】
【実施例】次に、本発明の実施の態様を実施例によって
更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例によって限定されるものではない。な
お、表面抵抗値の測定は、横河−HEWLETT−PA
CKARD社製の2329A型絶縁抵抗計を使用し、測
定電圧を100Vとし、25℃、50%RHの条件下に
測定した。
更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例によって限定されるものではない。な
お、表面抵抗値の測定は、横河−HEWLETT−PA
CKARD社製の2329A型絶縁抵抗計を使用し、測
定電圧を100Vとし、25℃、50%RHの条件下に
測定した。
【0024】参考例A (ポリエステルアルコールの合成)攪拌翼、滴下ろうと
及びガス導入口を備えたフラスコを乾燥窒素で十分置換
した後、2−エチルヘキサノール5.7g及び金属ナト
リウム0.1gを仕込み、攪拌して金属ナトリウムを溶
解させた。次に、フラスコを40℃のオイルバスに浸漬
し、攪拌しながらβ−メチル−δ−バレロラクトン50
gを滴下ろうとより滴下した。1時間後、攪拌を停止
し、フラスコの内容物を取り出し、精製したクロロホル
ム500mlに溶解した。得られた溶液を500mlの
脱イオン水中に投入し、洗浄を行い、クロロホルム層を
分液した。同様の洗浄をもう一度繰り返した後、クロロ
ホルム溶液から減圧下に溶媒を留去し、無色透明のポリ
エステルアルコールAを得た。ポリエステルアルコール
Aの水酸基価は、58.6mgKOH/g、酸価は、
0.03mgKOH/gであった。
及びガス導入口を備えたフラスコを乾燥窒素で十分置換
した後、2−エチルヘキサノール5.7g及び金属ナト
リウム0.1gを仕込み、攪拌して金属ナトリウムを溶
解させた。次に、フラスコを40℃のオイルバスに浸漬
し、攪拌しながらβ−メチル−δ−バレロラクトン50
gを滴下ろうとより滴下した。1時間後、攪拌を停止
し、フラスコの内容物を取り出し、精製したクロロホル
ム500mlに溶解した。得られた溶液を500mlの
脱イオン水中に投入し、洗浄を行い、クロロホルム層を
分液した。同様の洗浄をもう一度繰り返した後、クロロ
ホルム溶液から減圧下に溶媒を留去し、無色透明のポリ
エステルアルコールAを得た。ポリエステルアルコール
Aの水酸基価は、58.6mgKOH/g、酸価は、
0.03mgKOH/gであった。
【0025】(ポリエステルマクロモノマーの合成)攪
拌翼、還流冷却器を備えた反応器に上記ポリエステルア
ルコールA20.00g、m−イソプロペニル−α,
α′−ジメチルベンジルイソシアナート4.25g、ジ
ブチルスズジオクトエート(1重量%トルエン溶液)
0.12gを仕込み、80℃に加温して9時間反応を行
った。生成物のIRスペクトルと 1H−NMRの測定結
果から、以下のような構造のポリエステルマクロモノマ
ーAが得られたことを確認した。
拌翼、還流冷却器を備えた反応器に上記ポリエステルア
ルコールA20.00g、m−イソプロペニル−α,
α′−ジメチルベンジルイソシアナート4.25g、ジ
ブチルスズジオクトエート(1重量%トルエン溶液)
0.12gを仕込み、80℃に加温して9時間反応を行
った。生成物のIRスペクトルと 1H−NMRの測定結
果から、以下のような構造のポリエステルマクロモノマ
ーAが得られたことを確認した。
【0026】
【化5】
【0027】(高分子帯電防止剤の合成)攪拌翼、還流
冷却器、ガス導入口を備えたフラスコに上記ポリエステ
ルマクロモノマーA10.0g、メタアクリロイルオキ
シエチルトリメチルアンモニウムクロリド10.0g、
アゾビスイソブチロニトリル0.2g及びイソピロピル
アルコール40gを仕込み、窒素気流下、70℃で8時
間重合させた。重合後、反応液をヘキサン中に投入し、
生成物を析出させて乾燥した。生成物(高分子帯電防止
剤A)は以下のような構造を有し、m/l(モル比)=
9/1、側鎖分子量は約1,000、全分子量は10,
000〜20,000であった。
冷却器、ガス導入口を備えたフラスコに上記ポリエステ
ルマクロモノマーA10.0g、メタアクリロイルオキ
シエチルトリメチルアンモニウムクロリド10.0g、
アゾビスイソブチロニトリル0.2g及びイソピロピル
アルコール40gを仕込み、窒素気流下、70℃で8時
間重合させた。重合後、反応液をヘキサン中に投入し、
生成物を析出させて乾燥した。生成物(高分子帯電防止
剤A)は以下のような構造を有し、m/l(モル比)=
9/1、側鎖分子量は約1,000、全分子量は10,
000〜20,000であった。
【0028】
【化6】
【0029】上記高分子帯電防止剤Aをアクリルラッカ
ーに添加したときの表面固有抵抗値変化を図1に示し
た。図1から僅かの添加量で抵抗値が大きく低下するこ
とが分る。 実施例1 非線形光学用ポリマーとしては下記構造のものを使用し
た。
ーに添加したときの表面固有抵抗値変化を図1に示し
た。図1から僅かの添加量で抵抗値が大きく低下するこ
とが分る。 実施例1 非線形光学用ポリマーとしては下記構造のものを使用し
た。
【0030】
【化7】
【0031】上記ポリマーは、ディスパースレッド1
(N−エチル−N−ヒドロキシエチル−4−アミノ−
4′−ニトロアゾベンゼン)とメタクリル酸クロリド
(東京化成工業社製)とをトリエチルアミンの存在下、
ジクロロメタン中で反応させた後、カラムクロマトグラ
フィー(シリカゲル/ジクロロメタン)で精製し、ディ
スパースレッド1のメタクリル酸エステル(以下、DR
1MAと略す)を得、このDR1MAとグリシジルメタ
クリレートとをq/r=7/3の比でクロロベンゼン中
で混合し、重合開始剤としてアゾイソブチロニトリルを
用いてラジカル重合させることにより合成した。
(N−エチル−N−ヒドロキシエチル−4−アミノ−
4′−ニトロアゾベンゼン)とメタクリル酸クロリド
(東京化成工業社製)とをトリエチルアミンの存在下、
ジクロロメタン中で反応させた後、カラムクロマトグラ
フィー(シリカゲル/ジクロロメタン)で精製し、ディ
スパースレッド1のメタクリル酸エステル(以下、DR
1MAと略す)を得、このDR1MAとグリシジルメタ
クリレートとをq/r=7/3の比でクロロベンゼン中
で混合し、重合開始剤としてアゾイソブチロニトリルを
用いてラジカル重合させることにより合成した。
【0032】UV硬化性樹脂(大日本インキ化学工業社
製;UV硬化樹脂17−824−9)1g(有効成分8
0%)に、シクロペンタノン1gおよび参考例Aで合成
した高分子帯電防止剤Aの20%エタノール溶液を、U
V硬化性樹脂中に帯電防止剤が表−1に示した濃度で含
まれるように混合した。これを孔径0.45μmのフィ
ルターで濾過したのちにITOガラス基板状にスピンコ
ートした。これに、ブラックライト光を2分以上照射し
て硬化させた後に130℃で30分間乾燥した。この上
に、上記非線形光学用ポリマー3重量部に対し2,4,
2′,4′−テトラヒドロキシジフェニルチオエーテル
1重量部の割合でシクロペンタノンに溶解した溶液をス
ピンコートし、130℃で30分間乾燥して積層膜を作
製した。この上に金を100nmの厚さに真空蒸着して
電極を形成させた。
製;UV硬化樹脂17−824−9)1g(有効成分8
0%)に、シクロペンタノン1gおよび参考例Aで合成
した高分子帯電防止剤Aの20%エタノール溶液を、U
V硬化性樹脂中に帯電防止剤が表−1に示した濃度で含
まれるように混合した。これを孔径0.45μmのフィ
ルターで濾過したのちにITOガラス基板状にスピンコ
ートした。これに、ブラックライト光を2分以上照射し
て硬化させた後に130℃で30分間乾燥した。この上
に、上記非線形光学用ポリマー3重量部に対し2,4,
2′,4′−テトラヒドロキシジフェニルチオエーテル
1重量部の割合でシクロペンタノンに溶解した溶液をス
ピンコートし、130℃で30分間乾燥して積層膜を作
製した。この上に金を100nmの厚さに真空蒸着して
電極を形成させた。
【0033】この積層膜サンプルのITO電極と金電極
との間に電圧を印加して160℃まで加熱し30分間保
持してポーリング処理を行った。電圧を印加したまま室
温まで冷却し、そこで電圧を除去した。得られた積層膜
のポッケルス効果を、光源として波長1.31μmの半
導体レーザーを用いて、C.C.TengらがApp
l.Phys.Lett.,56、p1734(199
0)に発表した手法と同様の方法で測定した。得られた
結果を表−1に示す。表中、reff は、非線形光学用ポ
リマー層とUV硬化樹脂層の2層で観測された電気光学
効果より求めたポッケルス係数であり、2層の平均とし
て求められている。ポッケルス効果は非線形光学用ポリ
マー層のみによるとして、非線形光学用ポリマー層のみ
のポッケルス係数を計算したものがr1 である。r
2 は、ポーリングの際に加えた電場が非線形ポリマー層
とUV硬化樹脂層で一定(即ち導電率が等しい)と仮定
し、さらに一定の電場(1MV/cm)で得られるポッ
ケルス係数を示す。同一の電場では同一のポッケルス効
果を示すはずであるので、r2 の差は、ポーリング時に
実際に印加される電場の強さを表していると考えられ
る。これから、UV硬化樹脂層に帯電防止剤を添加した
ものは、ポーリングの際に、添加していないものよりも
強い電場が非線形光学用ポリマー層に印加されているこ
とがわかる。
との間に電圧を印加して160℃まで加熱し30分間保
持してポーリング処理を行った。電圧を印加したまま室
温まで冷却し、そこで電圧を除去した。得られた積層膜
のポッケルス効果を、光源として波長1.31μmの半
導体レーザーを用いて、C.C.TengらがApp
l.Phys.Lett.,56、p1734(199
0)に発表した手法と同様の方法で測定した。得られた
結果を表−1に示す。表中、reff は、非線形光学用ポ
リマー層とUV硬化樹脂層の2層で観測された電気光学
効果より求めたポッケルス係数であり、2層の平均とし
て求められている。ポッケルス効果は非線形光学用ポリ
マー層のみによるとして、非線形光学用ポリマー層のみ
のポッケルス係数を計算したものがr1 である。r
2 は、ポーリングの際に加えた電場が非線形ポリマー層
とUV硬化樹脂層で一定(即ち導電率が等しい)と仮定
し、さらに一定の電場(1MV/cm)で得られるポッ
ケルス係数を示す。同一の電場では同一のポッケルス効
果を示すはずであるので、r2 の差は、ポーリング時に
実際に印加される電場の強さを表していると考えられ
る。これから、UV硬化樹脂層に帯電防止剤を添加した
ものは、ポーリングの際に、添加していないものよりも
強い電場が非線形光学用ポリマー層に印加されているこ
とがわかる。
【0034】UV硬化樹脂層の導電率が非線形光学用ポ
リマー層よりも十分大きければ、印加された電圧は殆ど
が非線形光学用ポリマー層にかかることになるが、この
ように仮定すると2%以上の添加濃度のサンプルで、印
加された電場に対して得られるポッケルス効果はほぼ一
定になる(5.6pm/V)。これは、帯電防止剤の添
加量が多くなるとr2 が小さくなるのは、UV硬化樹脂
層の厚みの違いによる見かけの効果であることを示唆し
ている。すなわち、2%以上の添加量ではポーリングの
際に印加した電場は、殆どが非線形ポリマー層にかかっ
ていると考えられる。以上のことから、UV硬化樹脂層
に帯電防止剤を含有させることにより、非線形光学用ポ
リマー層に有効に電場が印加されるようになり、大きな
ポッケルス効果が得られるようになることが分かる。
リマー層よりも十分大きければ、印加された電圧は殆ど
が非線形光学用ポリマー層にかかることになるが、この
ように仮定すると2%以上の添加濃度のサンプルで、印
加された電場に対して得られるポッケルス効果はほぼ一
定になる(5.6pm/V)。これは、帯電防止剤の添
加量が多くなるとr2 が小さくなるのは、UV硬化樹脂
層の厚みの違いによる見かけの効果であることを示唆し
ている。すなわち、2%以上の添加量ではポーリングの
際に印加した電場は、殆どが非線形ポリマー層にかかっ
ていると考えられる。以上のことから、UV硬化樹脂層
に帯電防止剤を含有させることにより、非線形光学用ポ
リマー層に有効に電場が印加されるようになり、大きな
ポッケルス効果が得られるようになることが分かる。
【0035】
【表1】
【0036】実施例2 実施例1で用いた非線形光学用ポリマーおよびUV硬化
樹脂を用いて、図2に示す素子製造プロセスに従って、
チャネル導波路素子を作製した。なお、UV硬化樹脂層
(クラッド層)中に帯電防止剤を含むものと、含まない
ものの2種類を用いた。即ち、Si基板1上に100n
mのCr層2を下部電極として蒸着したものの上に実施
例1と同様の材料を用いてクラッド層3と非線形光学用
ポリマー層(コア層)4を形成した。その上に金層5を
上部電極として100nmの厚さに蒸着し、実施例1と
同様にポーリング処理を行った。
樹脂を用いて、図2に示す素子製造プロセスに従って、
チャネル導波路素子を作製した。なお、UV硬化樹脂層
(クラッド層)中に帯電防止剤を含むものと、含まない
ものの2種類を用いた。即ち、Si基板1上に100n
mのCr層2を下部電極として蒸着したものの上に実施
例1と同様の材料を用いてクラッド層3と非線形光学用
ポリマー層(コア層)4を形成した。その上に金層5を
上部電極として100nmの厚さに蒸着し、実施例1と
同様にポーリング処理を行った。
【0037】次に、この上にフォトレジスト6を塗布
し、8μm幅の直線状のマスク7を通して露光、現像
し、チャネル導波路状にパターニングした後、上部金電
極をヨウ素/ヨウ化カリウム/エタノール溶液で現像
し、エッチングした。フォトレジストを除去した後、酸
素プラズマでエッチングして、チャネル導波路状に非線
形光学用ポリマーをパターニングした。この上に帯電防
止剤を含まないUV硬化樹脂からなる上部クラッド層8
をスピンコートし、UV光で硬化させた後に、金層9を
上記電極として蒸着した。最後に、Si基板を劈開して
入射端面を形成し、電極に銀ペーストで導線10を接続
した。素子の形状を図3に示す。D1、D2、D3はそ
れぞれ、下部クラッド層、コア層、上部クラッド層の厚
さ、Wはコア層の幅、Lは電極の長さを表す。
し、8μm幅の直線状のマスク7を通して露光、現像
し、チャネル導波路状にパターニングした後、上部金電
極をヨウ素/ヨウ化カリウム/エタノール溶液で現像
し、エッチングした。フォトレジストを除去した後、酸
素プラズマでエッチングして、チャネル導波路状に非線
形光学用ポリマーをパターニングした。この上に帯電防
止剤を含まないUV硬化樹脂からなる上部クラッド層8
をスピンコートし、UV光で硬化させた後に、金層9を
上記電極として蒸着した。最後に、Si基板を劈開して
入射端面を形成し、電極に銀ペーストで導線10を接続
した。素子の形状を図3に示す。D1、D2、D3はそ
れぞれ、下部クラッド層、コア層、上部クラッド層の厚
さ、Wはコア層の幅、Lは電極の長さを表す。
【0038】作製した素子の性能を調べるのには、図4
に示すマッハ−ツェンダー型の干渉計を用いた。波長
1.32μmの半導体レーザー励起Nd:YAGレーザ
ー11の光を半波長板12と偏光ビームスプリッタ13
で2つに分岐させ、一方の光を作製したチャネル導波路
素子14の端面から顕微鏡の対物レンズ(20X)15
を用いて導入し、もう一方の端面から出射される光を、
別の対物レンズ16でコリメートした。この光と先に分
岐させた光を半波長板17で偏光を同じ方向にそろえた
ものとをハーフミラー18で重ね合わせ、それをビーム
エキスパンダ19で拡大して干渉縞を形成した。さらに
半波長板12を回転し、干渉縞のコントラストが最大に
なるように調整した。この干渉縞の一点にピンホール2
0を置き、それを通る光をGeフォトダイオード21で
受光し電流アンプ22を通してデジタルオシロスコープ
23で観測した。サンプル電極にファンクションジェネ
レータ24と電力アンプ25で電圧を印加する。図5に
示したように、10V/divの印加電圧(A)を印加
すると、ポッケルス効果によりそこを通る光の位相が変
化して干渉がずれ、フォトダイオードの出力(B)が変
化する。図6に示すようにフォトダイオードの出力
(B)が最小から最大まで変化するのに対応する電圧V
πを求めた。このVπと次式より非線形ポリマーのポッ
ケルス係数を算出した。
に示すマッハ−ツェンダー型の干渉計を用いた。波長
1.32μmの半導体レーザー励起Nd:YAGレーザ
ー11の光を半波長板12と偏光ビームスプリッタ13
で2つに分岐させ、一方の光を作製したチャネル導波路
素子14の端面から顕微鏡の対物レンズ(20X)15
を用いて導入し、もう一方の端面から出射される光を、
別の対物レンズ16でコリメートした。この光と先に分
岐させた光を半波長板17で偏光を同じ方向にそろえた
ものとをハーフミラー18で重ね合わせ、それをビーム
エキスパンダ19で拡大して干渉縞を形成した。さらに
半波長板12を回転し、干渉縞のコントラストが最大に
なるように調整した。この干渉縞の一点にピンホール2
0を置き、それを通る光をGeフォトダイオード21で
受光し電流アンプ22を通してデジタルオシロスコープ
23で観測した。サンプル電極にファンクションジェネ
レータ24と電力アンプ25で電圧を印加する。図5に
示したように、10V/divの印加電圧(A)を印加
すると、ポッケルス効果によりそこを通る光の位相が変
化して干渉がずれ、フォトダイオードの出力(B)が変
化する。図6に示すようにフォトダイオードの出力
(B)が最小から最大まで変化するのに対応する電圧V
πを求めた。このVπと次式より非線形ポリマーのポッ
ケルス係数を算出した。
【0039】
【数1】
【0040】ここで、λは用いたレーザーの波長、nは
コア層の屈折率を表す。光はコア層部分によく閉じ込め
られているため、この式では、クラッド層への光の滲み
だしの効果は無視している。作製した素子の組成、寸
法、Vπ、ポッケルス係数を表−2に示した。表から分
かるように、帯電防止剤を添加したものでは、高い性能
を示しており、有効にポーリングが行われたことが分か
る。
コア層の屈折率を表す。光はコア層部分によく閉じ込め
られているため、この式では、クラッド層への光の滲み
だしの効果は無視している。作製した素子の組成、寸
法、Vπ、ポッケルス係数を表−2に示した。表から分
かるように、帯電防止剤を添加したものでは、高い性能
を示しており、有効にポーリングが行われたことが分か
る。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明により、積層構造の非線形光学用
材料において高いポーリング効率が達成され、高性能の
電気光学素子や非線形光学素子を作製することができ
る。
材料において高いポーリング効率が達成され、高性能の
電気光学素子や非線形光学素子を作製することができ
る。
【図1】実施例1で使用した高分子帯電防止剤をアクリ
ルラッカーに添加したときの表面固有抵抗の測定値を表
すグラフ。
ルラッカーに添加したときの表面固有抵抗の測定値を表
すグラフ。
【図2】チャネル光導波路素子の作製プロセスを示す工
程図。
程図。
【図3】チャネル光導波路素子の形状を表す概略図。
【図4】チャネル光導波路素子の性能評価装置の構成
図。
図。
【図5】チャネル光導波路素子の電気光学効果の測定例
を示すグラフ。
を示すグラフ。
【図6】チャネル光導波路素子での出力解析法の説明
図。
図。
1 Si基板 3 クラッド層 4 コア層 6 フォトレジスト 8 上部クラッド層 11 半導体レーザー 13 偏光ビームスプリッター 14 チャネル導波路素子 15、16 対物レンズ 21 フォトダイオード 24 ファンクションジェネレーター
Claims (3)
- 【請求項1】 ポーリング処理により2次の非線形光学
効果を示しうるポリマー層と、該ポリマー層とは異なる
ポリマー層の少なくとも1層とを積層してなり、最大の
非線形光学効果を示しうる層以外のポリマー層が帯電防
止剤を含有していることを特徴とする非線形光学用積層
体。 - 【請求項2】 帯電防止剤が四級アンモニウム塩構造を
含む高分子化合物である請求項1に記載の非線形光学用
積層体。 - 【請求項3】 ポーリング処理により2次の非線形光学
効果を示しうるポリマー層をコア層とし、最大の非線形
光学効果を示しうる層以外のポリマー層に帯電防止剤を
含有させた層をクラッド層として積層して得られた積層
体から構成されていることを特徴とする光導波路素子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31070294A JP3477863B2 (ja) | 1994-12-14 | 1994-12-14 | 非線形光学用積層体及び光導波路素子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31070294A JP3477863B2 (ja) | 1994-12-14 | 1994-12-14 | 非線形光学用積層体及び光導波路素子 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08166609A true JPH08166609A (ja) | 1996-06-25 |
| JP3477863B2 JP3477863B2 (ja) | 2003-12-10 |
Family
ID=18008447
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31070294A Expired - Fee Related JP3477863B2 (ja) | 1994-12-14 | 1994-12-14 | 非線形光学用積層体及び光導波路素子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3477863B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008039909A (ja) * | 2006-08-02 | 2008-02-21 | Fuji Xerox Co Ltd | 非線形光学材料および導波路デバイス |
| JP2014044272A (ja) * | 2012-08-24 | 2014-03-13 | National Institute Of Information & Communication Technology | 光導波路及びその製造方法 |
| JP2019174748A (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-10 | 住友大阪セメント株式会社 | 光デバイス |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6108468B2 (ja) | 2011-08-15 | 2017-04-05 | 国立大学法人九州大学 | 高屈折率クラッド材料及び電気光学ポリマー光導波路 |
-
1994
- 1994-12-14 JP JP31070294A patent/JP3477863B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008039909A (ja) * | 2006-08-02 | 2008-02-21 | Fuji Xerox Co Ltd | 非線形光学材料および導波路デバイス |
| JP2014044272A (ja) * | 2012-08-24 | 2014-03-13 | National Institute Of Information & Communication Technology | 光導波路及びその製造方法 |
| JP2019174748A (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-10 | 住友大阪セメント株式会社 | 光デバイス |
| CN110320597A (zh) * | 2018-03-29 | 2019-10-11 | 住友大阪水泥股份有限公司 | 光器件 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3477863B2 (ja) | 2003-12-10 |
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