JPH08167332A - 超電導ケーブル - Google Patents

超電導ケーブル

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JPH08167332A
JPH08167332A JP6309040A JP30904094A JPH08167332A JP H08167332 A JPH08167332 A JP H08167332A JP 6309040 A JP6309040 A JP 6309040A JP 30904094 A JP30904094 A JP 30904094A JP H08167332 A JPH08167332 A JP H08167332A
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JP
Japan
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superconducting
cable
core material
wires
superconducting cable
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Withdrawn
Application number
JP6309040A
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English (en)
Inventor
Kazuya Daimatsu
一也 大松
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08167332A publication Critical patent/JPH08167332A/ja
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 実用規模の大電流容量を有しかつ小さな交流
損失を有するコンパクトな交流用超電導ケーブルを提供
する。 【構成】 超電導ケーブルは、芯材の周囲に撚られた偶
数の超電導体層を備え、それらの超電導体層の各々は同
数の超電導体を含み、超電導体の撚り方向は奇数番目と
偶数番目の超電導体層の間で互いに逆向きになっている
ことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超電導ケーブルに関し、
特に、超電導発電機,超電導変圧器,超電導限流器など
の電力応用分野において用いられる交流用超電導ケーブ
ルの改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】交流用超電導ケーブルの容量を増大させ
る試みが、たとえば電気学会静止器回転機合同研究会資
料第103頁〜112頁(1992年12月3日発行)
や電気学会研究会資料超電導応用電力機器研究会第31
頁〜40頁(1994年9月20日発行)などにおいて
なされている。
【0003】図3は、前者の文献に開示された超電導ケ
ーブルの一例の断面構造を示しており、そのようなケー
ブルは0.5Tの磁界のもとで1〜2kA級の交流電流
(50/60Hz)を流し得ることが報告されている。
図3のケーブルは、常電導の一次芯線1の周囲に6本の
超電導線2が撚られた一次撚線3を含んでいる。そし
て、7本の一次撚線3がさらに太径の常電導二次芯線4
の周囲に撚られて、二次丸撚線のケーブル5が形成され
ている。なお、二次芯線4として平角形状の断面を有す
る芯材を用いることも可能であり、そのような二次芯材
の周囲にたとえば15本の一次撚線3を撚った二次平角
撚線を形成することも可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図3に示されているよ
うな従来のケーブルには交流通電電流が200A程度ま
たは数百A程度の超電導素線2が用いられているが、実
用規模の1kA以上の通電電流を有するケーブルを得る
ためには、超電導素線2や一次撚線3の本数を多く含む
ように設計せざるを得なかった。その理由は、超電導素
線2が単体で用いられる場合に流し得る交流電流に比べ
て、ケーブル内に撚られて含まれている超電導素線1本
が流し得る交流電流がたとえば約50%以下に低下する
からである。そして、ケーブル内に撚られて含まれる超
電導素線の本数が増大するに従って、超電導素線1本当
りに流し得る交流通電電流が減少するので、1kA以上
の大容量を有するコンパクトな超電導ケーブルを得るこ
とが困難である。
【0005】このようにケーブル内に撚り込まれる超電
導素線の本数が増大するにつれて超電導素線1本当りに
流し得る交流電流が減少する原因として、次の理由が考
えられる。その理由の1つは、ケーブルの複雑な撚り構
造に伴って超電導素線間のインダクタンスが不均一とな
ってバランスが崩れるために、ケーブルの端末において
超電導素線間に偏流が生じるからである。これは、特
に、超電導素線表面に絶縁を施した場合に素線間の電流
分流が不可能となるために顕著となる。もう1つの理由
は、ケーブルを形成するために撚られた超電導素線の半
径方向の電流成分が生じ、これによるケーブルの長さ方
向の磁界が超電導素線に印加されて電気的不安定性が生
じることによると考えられる。
【0006】図3に示されているようなケーブルにおけ
る上述のような問題点を改善するために、特公平6−3
6329において、常電導の芯材の外周に沿って複数の
超電導線を螺旋状に右巻きの層と左巻きの層が交互にな
るように巻付けることによって、交流損失の低減を図っ
た超電導ケーブルが提案されている。このような構造を
有するケーブルは内部の自発磁界を弱めることができ、
ケーブルのインピーダンスの低減と同時に電流容量の増
加を図る得ることが示されている。
【0007】しかしながら、このように隣接する超電導
線の層の間で単に撚り方向を互いに逆向きにしただけの
構造では、原理的に超電導素線間のインダクタンスの完
全なバランス化が困難であり、長手方向磁界を完全に打
消すことができない。すなわち、ケーブル内部の磁界を
完全には0にすることができず、ケーブルのインピーダ
ンスの低減にも限度があるので、電流容量の改善にも一
定の限界がある。
【0008】そこで、本発明は、原理的に超電導素線の
インダクタンスの完全なバランス化が可能であって、長
手方向の内部磁界を完全に打消すことができ、大きな電
流容量および/または小さな交流損失を有し得る交流用
超電導ケーブルを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による超電導ケー
ブルは、芯材の周囲に撚られた偶数の超電導体層を備
え、超電導体層の各々は同数の超電導体を含み、それら
の超電導体の撚り方向は奇数番目と偶数番目の超電導体
層の間で互いに逆向きになっていることを特徴としてい
る。
【0010】奇数番目と偶数番目の超電導体層の間で超
電導体の撚りピッチが互いに等しければさらに好まし
い。
【0011】超電導体の各々は、1本の超電導素線であ
ってもよいし、複数の超電導素線を含む撚線であっても
よい。
【0012】超電導素線の各々は、5μm以下の厚さの
絶縁膜によって不完全に絶縁されていることがさらに好
ましい。
【0013】芯材は、2.0mm以下の直径を有する1
本の芯材素線または複数の芯材素線の撚線であってもよ
い。
【0014】芯材は1.0×10-7Ωm以上の抵抗率を
有することが好ましく、常磁性CuM合金,SUS31
6LK合金,Ti合金,繊維強化プラスチック,ガラス
繊維,および有機繊維から選択された少なくとも1つを
含むことができ、符号MはNi,Mn,Si,およびV
から選択された少なくとも1つを含むことを表わしてい
る。
【0015】超電導ケーブルは、超電導素線および芯材
素線の相対的な動きを制限するために、非金属物で含浸
されてもよい。
【0016】複数の超電導体層の間は、互いに絶縁され
てもよく、層間絶縁材料としてエポキシ系樹脂を含んだ
繊維強化プラスチックテープを用いることができる。
【0017】
【作用】本発明による超電導ケーブルにおいては、奇数
番目と偶数番目の超電導層の間で超電導体の撚り方向が
逆向きになっており、かつそれらの超電導体層は同数の
超電導体を含むので、超電導体間のインダクタンスの完
全なバランス化を図ることができる。
【0018】さらに、奇数番目と偶数番目の超電導体層
の間で超電導体の撚りピッチが互いに等しければ、原理
的に超電導体の半径方向の電流成分によるケーブルの長
手方向の内部磁界を完全に打消すことができる。
【0019】超電導体の各々として、単一の超電導素線
または複数の超電導素線の撚線を用いることができる
が、超電導素線の外径を0.3mm以下にすれば、超電
導素線において実用可能な交流通電電流を得ることがで
き、さらに超電導素線の撚りピッチを小さくできるので
超電導ケーブルの交流損失が小さくなる。このような大
容量の超電導ケーブルに用い得る超電導素線としては、
Cu−30wt%Ni,Cu−Mn,Cu−Snなどの
高抵抗合金中にNb−TiやNb3 Snなどの複数のフ
ィラメントが埋込まれた複合多芯線を用いることができ
る。このような複合多芯線におけるフィラメントの直径
が0.2μm以下であれば、0.5T前後の低磁界で高
い交流通電電流密度を得ることができ、また、フィラメ
ントに生じるヒステリシス損失を小さくすることができ
る。
【0020】超電導素線の各々が5μm以下の厚さの絶
縁膜で不完全に絶縁されていれば、超電導素線間の結合
損失の発生を低減できるとともに、超電導素線間の電流
分流が可能であるためにケーブルの交流通電電流の低下
を抑制することができる。絶縁膜としては、PVF(ホ
ールマル)などの有機絶縁物,金属クロムなどの抵抗率
の大きな金属材料,さらに酸化銅などの無機絶縁物を用
いることができるが、これらの絶縁皮膜の厚さとしては
いずれも5μmを超えないことが望まれる。絶縁膜の厚
さが5μmを超えれば、超電導素線間の絶縁が完全にな
って、冷却効率が悪くなることによる超電導特性の低下
や、超電導素線間の分流が困難になることによるケーブ
ルの交流通電電流の低下を生じる可能性が高くなる。
【0021】芯材としては単一の芯材素線または複数の
芯材素線の撚線を用いることができる。しかし、芯材素
線の直径が2.0mm以下であれば、芯材が導電性材料
であってもその芯材中に発生する渦電流損失を抑制する
ことができる。太径の芯材が必要な場合には、細い芯材
素線の複数本を用いればよい。大容量ケーブルでは外径
が大きくなるとともに芯材の直径も大きくなるので、芯
材素線の適切な直径の選択も重要である。
【0022】芯材は、渦電流損失を小さくするために
1.0×10-7Ωm以上の抵抗率を有することが好まし
く、そのような材料として、常磁性のCuM合金,SU
S316L系合金,Ti合金,繊維強化プラスチック,
ガラス繊維および有機繊維の少なくとも1つを選択する
ことができ、ここで記号MはNi,Mn,Si,および
Vから選択された少なくとも1つを含むことを表わす。
ところで、1.0×10 -7Ωm以上の抵抗率を有する材
料であっても、強磁性材料は、強磁性ヒステリシス損失
を生じるので芯材として好ましくない。
【0023】超電導素線および芯材素線の相対的な動き
を制限するために、ケーブルが非金属物で含浸されてい
ればさらに好ましい。このようにケーブル内に含浸され
た非金属物は、素線間の相対的な動きを抑制することに
よってケーブルの交流通電電流の低下を防止し得るとと
もに、ケーブルが使用される環境に対する保護(超電導
素線の錆止めやねずみによる被害に対する保護)の役割
をも果たすことができる。
【0024】超電導素線の各々が絶縁されていない裸素
線であって、超電導体層間が絶縁されているケーブルは
高電圧の工業機器に用いることができ、この層間絶縁材
料として、エポキシ樹脂を含んだFRP(繊維強化プラ
スチック)テープが好ましく用いられ得る。このFRP
としては、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)や
カーボン繊維強化プラスチック(CFRP)を用いるこ
とができる。特に、層間絶縁材料として未硬化のエポキ
シ系樹脂を含んだプリプレグテープを用いれば、撚られ
た超電導素線の固定と層間絶縁の両方の作用を得ること
ができる。また、芯材の周囲に撚られた超電導素線の第
1層目の上に付与されたプリプレグテープを硬化させた
後に、第2層目の超電導素線の撚線を実施することによ
って、長尺の超電導ケーブルの製作が容易になる。さら
に、この構造では、層内の素線間を接触させることによ
って素線間の分流が可能となるため、交流の通電電流が
大きくなる作用を生じる。しかも、層間は絶縁されてい
るので、素線間の結合損失(この結合損失は層内では小
さく、層間で大きい)も低減できる作用を生じる。
【0025】
【実施例】図1は、本発明の一実施例による超電導ケー
ブルの断面構造を概略的に示している。この超電導ケー
ブルにおいては、比較的太い直径を有する単一の芯材1
1の周囲に、21本の超電導体12が第1の超電導体層
として撚られている。この第1の超電導体層の周囲に
は、同じく21本の超電導体12が第2の超電導体層と
して撚られている。これら2つの超電導体層の撚り方向
は互いに逆向きにされている。図1において、矢印Sは
右巻き方向を表わし、矢印Zは左巻き方向を表わしてい
る。第2の超電導体層は第1の超電導体層に比べて長い
周囲長を有しているので、第2の超電導体層は、第1の
超電導体層と同数の超電導体を含むとともに、6本のダ
ミー線13を含んでいる。
【0026】図1に示されているような超電導ケーブル
は、2つの超電導体層だけでなくてさらに多くの偶数の
超電導体層を含み得ることは言うまでもない。また、超
電導体12としては、単一の超電導素線のみならず、複
数本の超電導素線を含む撚線を用いることもできる。
【0027】
【表1】
【0028】表1において、図3に示された構造を有す
る超電導ケーブルと図1に示された構造を有する超電導
ケーブルの交流電流特性が比較されて示されている。す
なわち、ケーブル1Aは図3に示されているような従来
の撚り構造を有し、ケーブル1Bと1Cは図1に示され
ているような本発明の一実施例による撚り構造を有して
いる。
【0029】ケーブル1A〜1Cのいずれにおいても、
単一の超電導体として0.2mm直径のNbTi超電導
素線が用いられている。この超電導素線は、Cu−30
wt%Niのマトリックス内に埋込まれた0.12μm
径の多数のNbTiフィラメントを含んでおり、1.0
mmのピッチでツイストされている。
【0030】ケーブル1Aにおいては、一次撚線3は5
mmのピッチで撚られており、二次撚線5は18mmの
ピッチで撚られている。他方、ケーブル1Bと1Cにお
いては、第1層目と第2層目の超電導素線12は、いず
れも18mmのピッチで撚られている。第1層目はS方
向に撚られており、第2層目はZ方向に撚られている。
【0031】ケーブル1Aにおける芯線1および4の材
質としてCu−10wt%Niが用いられており、これ
は1.2×10-7Ωmの抵抗率を有している。ケーブル
1Bの芯線11とダミー線13は、ケーブル1Aの芯線
と同じ材質を有している。他方、ケーブル1Cの芯線1
1とダミー線13は、Cu−2wt%Niの材質と0.
7×10-7Ωmの抵抗率を有している。
【0032】ケーブル1A〜1Cについて、外部横磁界
0.5Tのもとに液体ヘリウム中で50Hzの周波数に
おける交流通電試験と交流損失試験が行なわれた。表1
からわかるように、本発明による図1の構造を有するケ
ーブル1Bと1Cは、先行技術による図3の構造を有す
るケーブル1Aに比べて大きな交流通電電流と小さな交
流損失を有することが明らかである。
【0033】また、図1に示された同一の構造を有する
ケーブル1Bと1Cの比較において、1.0×10-7Ω
mより大きな非抵抗を有する芯線を含むケーブル1Bの
方が1.0×10-7Ωmの非抵抗を有する芯線を含むケ
ーブル1Cより優れた交流電流特性を有することが明ら
かである。特に、ケーブル1Bはケーブル1Cに比べて
小さな交流損失を有しており、その交流損失の値17k
W/m3 は超電導素線単体の交流損失15kW/m3
らほとんど増大していないことがわかる。すなわち、本
発明による構造を有するケーブルにおいて、芯材は1×
10-7Ωm以上の抵抗率を有することがさらに好ましい
ことがわかる。
【0034】
【表2】
【0035】表2においては、図3の構造に類似する構
造を有するケーブル2Aと図1の構造に類似する構造を
有するケーブル2Bの交流電流特性が比較されて示され
ている。すなわち、ケーブル2Aと2Bはそれぞれ図3
と図1に類似する構造を有しているが、超電導体2およ
び12として、0.15mm直径を有する3本のNb 3
Sn超電導素線が3mmのピッチで撚られた一次撚線が
用いられている。この超電導素線は、Cu−10wt%
Snのマトリックス中に埋込まれた0.2μm径の多数
のNb3 Snフィラメントを含んでおり、1.0mmの
ピッチでツイストされている。
【0036】ケーブル2Aは10mmの二次撚りピッチ
と27mmの三次撚りピッチを有しており、ケーブル2
Bにおいては、超電導体層の第1層と第2層ともにケー
ブル2Aの三次撚りピッチと同じ27mmの撚りピッチ
を有している。芯線の材質としては、ケーブル2Aと2
Bのいずれにおいても、3.7×10-7Ωmの抵抗率を
有するCu−30wt%Niが用いられている。
【0037】ケーブル2Aと2Bに関して、表1の場合
と同様に交流電流特性が測定され、その結果が表2に示
されている。表2から明らかなように、図3と図1の構
造において超電導体2および12として複数本の超電導
素線を含む一次撚線を用いた場合にも、図1の構造を有
するケーブル2Bの方が図3の構造を有するケーブル2
Aより優れた交流電流特性を有することがわかる。
【0038】
【表3】
【0039】表3は、図1の構造を有するケーブルにお
ける各超電導体層中の超電導素線の本数,撚り方向,お
よび撚りピッチがケーブルの交流電流特性に及ぼす影響
を示している。
【0040】表3において、ケーブル3Aは表1中のケ
ーブル1Bと同じものである。すなわち、ケーブル3A
中の第1と第2の超電導体層の各々は18mmのピッチ
で撚られた21本の超電導素線を含んでおり、それらの
層の間において撚り方向は逆向きにされている。他方、
ケーブル3Bはケーブル3Aに類似しているが、第1と
第2の超電導層の間において撚り方向が同一にされてい
る。したがって、ケーブル3Bにおいては、ケーブル3
Aに比べて交流通電電流が少し劣っており、交流損失は
かなり増大している。
【0041】ケーブル3Cは、ケーブル3Aに類似して
いるが、第1と第2の超電導体層に含まれる超電導素線
の本数が互いに異なっている。すなわち、ケーブル3C
においては、図1中の6本のダミー線13が超電導素線
に置き換えられ、第2の超電導体層に含まれる超電導素
線の数が27に増大されている。したがって、ケーブル
3Cは、ケーブル3Aに比べてほぼ同等の交流通電電流
を有しているが、交流損失が大幅に増大している。
【0042】ケーブル3Dはケーブル3Aに類似してい
るが、第1と第2の超電導体層の間において撚りピッチ
が少し異なっている。その結果、ケーブル3Dはケーブ
ル3Aに比べて交流通電電流が大幅に低下している。し
かし、ケーブル3Dの交流損失は、ケーブル3Aと同等
の低い値を維持している。
【0043】表3から明らかなように、図1に示されて
いるような構造を有する超電導ケーブルは、互いに隣接
する超電導体層が同一のピッチで撚られた同数の超電導
素線を含み、かつそれらの層の間の撚り方向が互いに逆
向きであることが最も好ましいことがわかる。なお、ケ
ーブル3Dにおけるように隣接する超電導体層の間で撚
りピッチが少し異なっている場合は、交流通電電流がか
なり低下するが、交流損失は低い値を維持し得るので、
隣接する超電導体層間で撚りピッチが多少異なっていて
も素線数が同じで撚り方向が逆向きであるケーブルは、
用途によっては有用であり得る。
【0044】
【表4】
【0045】表4は、超電導素線の不完全な絶縁と芯材
の構造や材質とが超電導ケーブルの交流損失に及ぼす影
響を示している。
【0046】表4において、ケーブル4Aは表1のケー
ブル1Bに類似しているが、芯材の材質のみが5.4×
10-7の抵抗率を有するステンレス鋼SUS316LN
に変更されている。このケーブル4Aは、ケーブル1B
と同じ17kW/m3 の交流損失を有している。
【0047】ケーブル4Bは、ケーブル4Aに類似して
いるが、芯材として0.4mmの直径を有する7本の芯
材素線を含む撚線が用いられている。その結果、ケーブ
ル4Bはケーブル4Aに比べて、交流損失が少し小さく
なっている。すなわち、細い複数の芯材素線を含む撚線
を芯材として用いることによって、渦電流損失を抑制し
てケーブルの交流損失を低減させ得ることがわかる。
【0048】ケーブル4Cはケーブル4Bに類似してい
るが、芯材の材質がステンレスSUS304に変更され
ている。その結果、ケーブル4Cにおいては交流損失が
著しく増大している。この理由は、ステンレスSUS3
04に起因する強磁性ヒステリシスが発生しているから
である。
【0049】ケーブル4Dは、ケーブル4Bに類似して
いるが、超電導素線の各々が5μmの厚さを有するPV
F絶縁膜によって不完全に絶縁されている。その結果、
ケーブル4Dはケーブル4Bに比べてさらに減少した交
流損失を有している。その理由は、超電導素線間を不完
全に絶縁することによってそれらの素線間の結合損失の
発生を低減すると同時に、素線間の電流分流を可能にす
ることによって交流通電電流の低下を抑制し得るからで
ある。
【0050】ケーブル4Eはケーブル4Aに類似してい
るが、芯材の材質が10-3Ωmより大きな抵抗率を有す
るGFRPに変更されている。その結果、ケーブル4E
は、ケーブル4Aに比べて小さな交流損失を有してい
る。その理由は、ケーブル4Eの芯材であるGFRPが
非常に大きな抵抗率を有しているので、芯材中の渦電流
損失が大幅に抑制されるからである。
【0051】なお、表4のいずれのケーブルにおいても
芯材として2.0mm以下の直径を有する芯材素線を含
んでいるので、渦電流損失に基づくケーブルの交流損失
の大きな増大は観測されていない。しかし、芯材素線の
直径が1.2mmであるケーブル4Aと芯材素線の直径
が0.4mmであるケーブル4Bを比較すれば、交流損
失において1kW/m3 の差が存在する。このことか
ら、芯材素線の直径が2mmになれば、渦電流損失に基
づく交流損失は芯材素線の直径の4乗に比例するので、
交流損失の差は7.7kW/m3 になると試算できる。
このような交流損失の増大は実用上のケーブルにおいて
も問題となる。したがって、ケーブルの芯材に含まれる
芯材素線の直径は2.0mm以下であることが好まし
い。
【0052】
【表5】
【0053】表5は、超電導ケーブル中の超電導素線や
芯材素線における相対的な動きを抑制する含浸材および
隣接する超電導層間に挿入される絶縁膜がケーブルの交
流電流特性に及ぼす影響を示している。表5において、
同一の寸法形状を有するコイルが種々の超電導ケーブル
を用いて形成された。すなわち、コイルA〜Eのいずれ
においても、100mmの外径と150mmの長さを有
するGFRP筒の回りに超電導ケーブルが5mmのピッ
チで12ターンの巻数で1層だけ巻かれている。このよ
うなコイルにおいて、1000Apeak時にケーブル
に印加される最大磁界は0.2Tである。
【0054】コイルAにおいては表1の超電導ケーブル
1Bが用いられており、そのコイルAはケーブルの張力
のみによって固定されている。
【0055】一方、コイルBにおいてはコイルAと同様
にケーブル1Bが用いられているが、コイルBにおいて
は超電導ケーブルがエポキシ含浸されるとともにコイル
全体が厚いエポキシ層で覆われて固定されている。その
結果、コイルBにおいては超電導ケーブル内の超電導素
線や芯材素線の相対的な動きが抑制されるので、コイル
Aに比べて通電電流が増大しかつ交流損失が減少してい
る。
【0056】コイルCにおいては、図2に示されている
ような超電導ケーブルが用いられている。図2のケーブ
ルは図1のものと類似しているが、芯材11,第1の超
電導体層,および第2の超電導体層のそれぞれの間に層
間絶縁膜14が設けられている点においてのみ異なって
いる。すなわち、コイルCに用いられているケーブル5
Aにおいては、FRPファイバを編んだFRPテープに
未硬化のエポキシ樹脂を含浸させた厚さ0.1mmのプ
リプレグテープが層間絶縁膜として用いられている。コ
イル4Cは、ケーブル5Aが巻かれた後に150℃で1
5時間の熱処理が施されることによってエポキシ樹脂が
硬化させられており、ケーブル内に適当な量のエポキシ
樹脂が含浸されている。その結果、コイルCにおいては
ケーブル中の各素線の相対的な動きが抑制されるととも
に超電導体層間が絶縁されているので、コイルBに比べ
て交流損失はあまり変わらないが通電電流がさらに増大
している。
【0057】コイルDにおいては、ケーブル5Bが用い
られている。ケーブル5Bはケーブル5Aに類似してい
るが、ケーブル5Bにおいては層間絶縁膜としてエポキ
シ樹脂を含まない0.1mm厚さのFRPテープが用い
られている点においてのみ異なっている。また、コイル
Dにおいては、コイルAと同様にケーブルの張力のみに
よって固定されている。その結果、コイルDにおいては
層間絶縁膜としてのFRPテープがエポキシ樹脂を含ん
でいないのでコイルCに比べて交流電流特性が劣ってい
るが、層間絶縁膜を含まないコイルAに比べれば交流損
失が改善されている。
【0058】コイルEにおいてはコイルDの場合と同様
にケーブル5Bが用いられている。しかし、コイルEに
おいては、コイルBの場合と同様にケーブル5Bがエポ
キシ樹脂によって含浸されるとともに、コイル全体が厚
いエポキシ樹脂によって固定されている。その結果、コ
イルEはコイルBの場合と同様1400Apeakを超
える通電電流を有するとともにFRPテープの層間絶縁
膜による効果によって交流損失がさらに低減している。
【0059】表5の結果から、超電導ケーブルを用いた
コイルにおいては、ケーブル内の各素線間の相対的な動
きを抑制する含浸材を含むとともに層間絶縁膜を含むこ
とが好ましいことがわかる。
【0060】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、実用規
模の大電流容量と小さな交流損失を兼ね備えたコンパク
トな交流用超電導ケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による超電導ケーブルの横断
面図である。
【図2】本発明のもう一つの実施例による超電導ケーブ
ルの横断面図である。
【図3】先行技術による超電導ケーブルの横断面図であ
る。
【符号の説明】
11 芯材 12 超電導体 13 ダミー線 S 右撚方向 Z 左撚方向

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材と、 前記芯材の周囲に撚られた偶数の超電導体層を備え、 前記超電導体層の各々は同数の超電導体を含み、 前記超電導体の撚り方向は奇数番目と偶数番目の前記超
    電導体層の間で互いに逆向きになっていることを特徴と
    する超電導ケーブル。
  2. 【請求項2】 奇数番目と偶数番目の前記超電導体層の
    間で前記超電導体の撚りピッチが互いに等しいことを特
    徴とする請求項1に記載の超電導ケーブル。
  3. 【請求項3】 前記超電導体の各々は0.3mm以下の
    直径を有する1以上の同数の超電導素線を含むことを特
    徴とする請求項1または2に記載の超電導ケーブル。
  4. 【請求項4】 前記超電導体の各々は5μm以下の厚さ
    の絶縁膜によって不完全に絶縁されていることを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれかの項に記載された超電
    導ケーブル。
  5. 【請求項5】 前記芯材は2.0mm以下の直径を有す
    る1以上の芯材素線を含むことを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれかの項に記載された超電導ケーブル。
  6. 【請求項6】 前記芯材は1.0×10-7Ωm以上の抵
    抗率を有し、常磁性CuM合金,SUS316L系合
    金,Ti合金,繊維強化プラスチック,ガラス繊維およ
    び有機繊維から選択された少なくとも1つを含み、前記
    MはNi,Mn,SiおよびVから選択された少なくと
    も1つを含むことを表わすことを特徴とする請求項1な
    いし5のいずれかの項に記載された超電導ケーブル。
  7. 【請求項7】 前記超電導素線および前記芯材素線の相
    対的な動きを制限するために、前記ケーブルは非金属物
    で含浸されていることを特徴とする請求項1ないし6の
    いずれかの項に記載された超電導ケーブル。
  8. 【請求項8】 複数の前記超電導体層の間が互いに絶縁
    されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれ
    かの項に記載された超電導ケーブル。
  9. 【請求項9】 複数の前記超電導体層の間はエポキシ系
    樹脂を含んだ繊維強化プラスチックテープで絶縁されて
    いることを特徴とする請求項8に記載の超電導ケーブ
    ル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001256841A (ja) * 2000-03-14 2001-09-21 Toshiba Corp 超電導ケーブルおよび同ケーブルを用いたマグネット
JP2009026755A (ja) * 2007-07-17 2009-02-05 Nexans 超伝導電気ケーブル
JP2009522743A (ja) * 2006-01-20 2009-06-11 エルエス ケーブル リミテッド 超伝導ケーブル

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