JPH08168828A - Di缶の成形方法 - Google Patents
Di缶の成形方法Info
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- JPH08168828A JPH08168828A JP6311708A JP31170894A JPH08168828A JP H08168828 A JPH08168828 A JP H08168828A JP 6311708 A JP6311708 A JP 6311708A JP 31170894 A JP31170894 A JP 31170894A JP H08168828 A JPH08168828 A JP H08168828A
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- redrawing
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 缶底部のプロファイル部に皺や割れが発生し
ない、DI缶の成形方法を提供する。 【構成】 DI缶の成形方法において、再絞り加工を下
記条件 (1)〜(3) のうちの1つの条件又は2つ以上の条
件を満足させて行う。 (1) カップ1内に配置した皺押さえスリーブ3のカップ
1の上部に位置する部分の外径d1 をカップ1の内径A
の 1.004倍未満、 1.000倍以上、皺押さえスリーブ3の
ダイス2寄り部分の外径d2 をカップ1の内径Aの 1.0
00倍未満、 0.990倍以上にする。 (2) 皺押さえスリーブ3の底肩部5のRをアルミニウム
素材の厚さtの3倍以下、2倍以上にする。 (3) カップ1内径Aを、再絞り加工後の缶状体6の内径
Bで除した、再絞り比(A/B)を1.40未満、1.34以上
にする。
ない、DI缶の成形方法を提供する。 【構成】 DI缶の成形方法において、再絞り加工を下
記条件 (1)〜(3) のうちの1つの条件又は2つ以上の条
件を満足させて行う。 (1) カップ1内に配置した皺押さえスリーブ3のカップ
1の上部に位置する部分の外径d1 をカップ1の内径A
の 1.004倍未満、 1.000倍以上、皺押さえスリーブ3の
ダイス2寄り部分の外径d2 をカップ1の内径Aの 1.0
00倍未満、 0.990倍以上にする。 (2) 皺押さえスリーブ3の底肩部5のRをアルミニウム
素材の厚さtの3倍以下、2倍以上にする。 (3) カップ1内径Aを、再絞り加工後の缶状体6の内径
Bで除した、再絞り比(A/B)を1.40未満、1.34以上
にする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、缶底部のプロファイル
部(円錐状部)に皺や割れが発生しない、DI缶の成形
方法に関する。
部(円錐状部)に皺や割れが発生しない、DI缶の成形
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】DI缶とは、Drawing(絞り) and Ironin
g(しごき) により成形した缶の略語である。DI缶の成
形は、図2イ〜ヘにその工程を示すようにアルミニウム
素材を打抜いて形成した円板7をカップ1に絞り加工す
る工程(図2イ、ロ)、前記カップ1を缶状体6に再絞
り加工する工程(図2ハ、ニ)、前記缶状体6の側壁を
しごき加工により薄肉化する工程(図2ホ)、前記しご
き加工後の缶状体6のボトム8をドーミング加工する工
程(図2ヘ)を順次施してなされる。ドーミング加工後
の缶状体6は、トリミング、洗浄、塗装、焼付け、ネッ
クイン、及びフランジ出しを順次行ったのち、内容物を
充填し、蓋を取付けて出荷される。蓋はDI缶頂部にゴ
ムパッキンを介してカシメて取付けられる。DI缶に
は、通常、絞り加工性の良いJIS-3000系(Al−Mn
系)合金が使用され、蓋には強度の高いJIS-5000系(A
l−Mg系)合金が使用されている。アルミニウム素材
の厚さは約 0.3mmであるが、DI缶の側壁は絞りとしご
き加工により0.14mm程度に薄く加工して材料費が低減さ
れている。DI缶底部は、変形し易い為、比較的厚く、
且つドーム状に凹ませて強度を高めてある。缶全体の材
料費は、DI缶の頂部径を狭め、蓋を小径化する程安く
なる。DI缶の頂部径を狭めるのに合わせて缶低部も小
径化して、缶を上下に積み重ねる際の安定性を保つよう
にする。図3は、缶エンド部の小径化の変遷を辿ったも
のである。缶底部の径が大きいAボトムから、Cボト
ム、CVNボトム(トリプルネック)、CVNボトム
(スピンネック)へと小径化してきている。缶低部が小
径化すると、プロファイル部(円錐状部)9が長くな
り、このプロファイル部に皺が発生し易くなる(図
4)。場合によっては割れが生じることがある。
g(しごき) により成形した缶の略語である。DI缶の成
形は、図2イ〜ヘにその工程を示すようにアルミニウム
素材を打抜いて形成した円板7をカップ1に絞り加工す
る工程(図2イ、ロ)、前記カップ1を缶状体6に再絞
り加工する工程(図2ハ、ニ)、前記缶状体6の側壁を
しごき加工により薄肉化する工程(図2ホ)、前記しご
き加工後の缶状体6のボトム8をドーミング加工する工
程(図2ヘ)を順次施してなされる。ドーミング加工後
の缶状体6は、トリミング、洗浄、塗装、焼付け、ネッ
クイン、及びフランジ出しを順次行ったのち、内容物を
充填し、蓋を取付けて出荷される。蓋はDI缶頂部にゴ
ムパッキンを介してカシメて取付けられる。DI缶に
は、通常、絞り加工性の良いJIS-3000系(Al−Mn
系)合金が使用され、蓋には強度の高いJIS-5000系(A
l−Mg系)合金が使用されている。アルミニウム素材
の厚さは約 0.3mmであるが、DI缶の側壁は絞りとしご
き加工により0.14mm程度に薄く加工して材料費が低減さ
れている。DI缶底部は、変形し易い為、比較的厚く、
且つドーム状に凹ませて強度を高めてある。缶全体の材
料費は、DI缶の頂部径を狭め、蓋を小径化する程安く
なる。DI缶の頂部径を狭めるのに合わせて缶低部も小
径化して、缶を上下に積み重ねる際の安定性を保つよう
にする。図3は、缶エンド部の小径化の変遷を辿ったも
のである。缶底部の径が大きいAボトムから、Cボト
ム、CVNボトム(トリプルネック)、CVNボトム
(スピンネック)へと小径化してきている。缶低部が小
径化すると、プロファイル部(円錐状部)9が長くな
り、このプロファイル部に皺が発生し易くなる(図
4)。場合によっては割れが生じることがある。
【0003】プロファイル部の皺や割れをなくす方法と
して、例えば、特開平3-215646号が提案されている。こ
の方法は、圧延後焼鈍されたときの耐力が25〜28Kgf/mm
2 で、素材表面粗度Raが0.3 〜0.7 μmとする方法であ
る。しかしながら、この方法には、アルミニウム素材を
低強度化することによる薄肉化への逆行、表面粗化によ
る缶の色調悪化という欠点があった。
して、例えば、特開平3-215646号が提案されている。こ
の方法は、圧延後焼鈍されたときの耐力が25〜28Kgf/mm
2 で、素材表面粗度Raが0.3 〜0.7 μmとする方法であ
る。しかしながら、この方法には、アルミニウム素材を
低強度化することによる薄肉化への逆行、表面粗化によ
る缶の色調悪化という欠点があった。
【0004】このようなことから、本発明者は、DI缶
のプロファイル部の皺発生を、缶の薄肉化を維持し且つ
缶の色調を損なわずに防止する方法について検討した。
その結果、プロファイル部の皺は、再絞り加工の際に、
プロファイル部に十分な荷重が掛け、プロファイル部を
加工硬化させることにより防止し得ることを知見し、更
にプロファイル部に十分な荷重が掛かる再絞り加工条件
について鋭意研究を重ねて本発明を完成するに至った。
本発明の目的は、プロファイル部に皺や割れのないDI
缶を、缶の薄肉化を維持し且つ缶の色調を損なわずに成
形する方法を提供することにある。
のプロファイル部の皺発生を、缶の薄肉化を維持し且つ
缶の色調を損なわずに防止する方法について検討した。
その結果、プロファイル部の皺は、再絞り加工の際に、
プロファイル部に十分な荷重が掛け、プロファイル部を
加工硬化させることにより防止し得ることを知見し、更
にプロファイル部に十分な荷重が掛かる再絞り加工条件
について鋭意研究を重ねて本発明を完成するに至った。
本発明の目的は、プロファイル部に皺や割れのないDI
缶を、缶の薄肉化を維持し且つ缶の色調を損なわずに成
形する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミニウム
素材を円板に打抜く工程、前記円板をカップに絞り加工
する工程、前記カップを缶状体に再絞り加工する工程、
前記缶状体の側壁をしごき加工する工程、前記しごき加
工後の缶状体のボトムをドーミング加工する工程を順次
施すDI缶の成形方法において、前記再絞り加工を下記
条件 (1)〜(3)のうちの1つの条件又は2つ以上の条件
を満足させて行うことを特徴とするDI缶の成形方法で
ある。 (1) カップ内に配置した皺押さえスリーブのカップの上
部に位置する部分の外径d1 をカップの内径Aの1.004
倍未満、1.000 倍以上、皺押さえスリーブのダイス寄り
部分の外径d2 をカップの内径Aの1.000 倍未満、0.99
0 倍以上にする。 (2) 皺押さえスリーブの底肩部のRをアルミニウム素材
の厚さtの3倍以下、2倍以上にする。 (3) カップ内径Aを、再絞り加工後の缶状体の内径Bで
除した、再絞り比(A/B)を1.40未満、1.34以上にす
る。
素材を円板に打抜く工程、前記円板をカップに絞り加工
する工程、前記カップを缶状体に再絞り加工する工程、
前記缶状体の側壁をしごき加工する工程、前記しごき加
工後の缶状体のボトムをドーミング加工する工程を順次
施すDI缶の成形方法において、前記再絞り加工を下記
条件 (1)〜(3)のうちの1つの条件又は2つ以上の条件
を満足させて行うことを特徴とするDI缶の成形方法で
ある。 (1) カップ内に配置した皺押さえスリーブのカップの上
部に位置する部分の外径d1 をカップの内径Aの1.004
倍未満、1.000 倍以上、皺押さえスリーブのダイス寄り
部分の外径d2 をカップの内径Aの1.000 倍未満、0.99
0 倍以上にする。 (2) 皺押さえスリーブの底肩部のRをアルミニウム素材
の厚さtの3倍以下、2倍以上にする。 (3) カップ内径Aを、再絞り加工後の缶状体の内径Bで
除した、再絞り比(A/B)を1.40未満、1.34以上にす
る。
【0006】以下に本発明を図を参照して具体的に説明
する。図1イ〜ハは、本発明における再絞り加工の態様
を示す縦断面説明図である。図1イは、再絞り開始前の
状態を示す図である。カップ1がダイス2上に開口部を
上にして配置されており、前記カップ1底面上に皺押さ
えスリーブ3が、更に前記皺押さえスリーブ3内にパン
チ4が配置されている。前記カップ1、ダイス2、皺押
さえスリーブ3、及びパンチ4は、それぞれ同心円状
に、軸を一致させて配置されている。前記皺押さえスリ
ーブ3は上部が大径(d1)に、下部が小径(d2)に構成
されており、前記皺押さえスリーブ3外周面とカップ1
内周面とは、上部で接触し、ダイス2寄りの下部で僅か
なクリアランスが開いている。図1ロは、前記パンチ4
をダイス2内に押し込んで、カップ1を再絞り加工する
方法の説明図である。カップ1は、パンチ4によりダイ
ス2内に押し込まれ、再絞り加工される。その間、カッ
プ1は、前記ダイス2と皺押さえスリーブ3との間に押
さえつけられて皺の発生が防止される。又カップ1は、
皺押さえスリーブ3の底肩部5を通過する際に、曲げ曲
げ戻し加工されて縮径化される。図1ハは、再絞り加工
後の缶状体6の縦断面図である。前記缶状体6の側壁部
は薄く絞り加工されている。
する。図1イ〜ハは、本発明における再絞り加工の態様
を示す縦断面説明図である。図1イは、再絞り開始前の
状態を示す図である。カップ1がダイス2上に開口部を
上にして配置されており、前記カップ1底面上に皺押さ
えスリーブ3が、更に前記皺押さえスリーブ3内にパン
チ4が配置されている。前記カップ1、ダイス2、皺押
さえスリーブ3、及びパンチ4は、それぞれ同心円状
に、軸を一致させて配置されている。前記皺押さえスリ
ーブ3は上部が大径(d1)に、下部が小径(d2)に構成
されており、前記皺押さえスリーブ3外周面とカップ1
内周面とは、上部で接触し、ダイス2寄りの下部で僅か
なクリアランスが開いている。図1ロは、前記パンチ4
をダイス2内に押し込んで、カップ1を再絞り加工する
方法の説明図である。カップ1は、パンチ4によりダイ
ス2内に押し込まれ、再絞り加工される。その間、カッ
プ1は、前記ダイス2と皺押さえスリーブ3との間に押
さえつけられて皺の発生が防止される。又カップ1は、
皺押さえスリーブ3の底肩部5を通過する際に、曲げ曲
げ戻し加工されて縮径化される。図1ハは、再絞り加工
後の缶状体6の縦断面図である。前記缶状体6の側壁部
は薄く絞り加工されている。
【0007】本発明において、再絞り条件(1) は、図1
イに示すように、カップ1内に配置した皺押さえスリー
ブ3のカップ1の上部に位置する部分の外径d1 をカッ
プ1の内径Aの1.004 倍未満、1.000 倍以上、皺押さえ
スリーブ3のダイス2寄り部分の外径d2 をカップの内
径Aの1.000 倍未満、0.990 倍以上に限定したものであ
る。この条件(1) で、皺押さえスリーブ3の外径d1 を
カップ1の内径Aの1.004倍未満、1.000 倍以上に限定
した理由は、外径d1 が内径Aの1.004 倍以上では、カ
ップ内に皺押さえスリーブが高速度に挿入されず、1.00
0 倍未満では、カップ端部の拘束力が生じない為であ
る。又皺押さえスリーブ3の外径d2 をカップ1の内径
Aの1.000 倍未満、0.990 倍以上に限定した理由は、外
径d2 が内径Aの1.000 倍以上では、再絞り加工工程の
最終段階までカップを拘束することになり割れ等の原因
になり、0.990 倍未満では、カップとダイスとの同心度
を確保できず偏った缶となる為である。皺押さえスリー
ブ3の大径部(外径がd1 の部分)の位置及び長さ
(h)は、カップ高さから再絞り時の缶底部形状が決定
されるまで材料が流れ込んだ後のカップ高さに相当する
ことが望ましい。皺押さえスリーブ3の大径部d1 と小
径部d2 の間に中径部を所望数設けておくと皺押さえス
リーブをカップへスムーズに押込める。径が変化する部
分のテーパー角度等形状は任意である。
イに示すように、カップ1内に配置した皺押さえスリー
ブ3のカップ1の上部に位置する部分の外径d1 をカッ
プ1の内径Aの1.004 倍未満、1.000 倍以上、皺押さえ
スリーブ3のダイス2寄り部分の外径d2 をカップの内
径Aの1.000 倍未満、0.990 倍以上に限定したものであ
る。この条件(1) で、皺押さえスリーブ3の外径d1 を
カップ1の内径Aの1.004倍未満、1.000 倍以上に限定
した理由は、外径d1 が内径Aの1.004 倍以上では、カ
ップ内に皺押さえスリーブが高速度に挿入されず、1.00
0 倍未満では、カップ端部の拘束力が生じない為であ
る。又皺押さえスリーブ3の外径d2 をカップ1の内径
Aの1.000 倍未満、0.990 倍以上に限定した理由は、外
径d2 が内径Aの1.000 倍以上では、再絞り加工工程の
最終段階までカップを拘束することになり割れ等の原因
になり、0.990 倍未満では、カップとダイスとの同心度
を確保できず偏った缶となる為である。皺押さえスリー
ブ3の大径部(外径がd1 の部分)の位置及び長さ
(h)は、カップ高さから再絞り時の缶底部形状が決定
されるまで材料が流れ込んだ後のカップ高さに相当する
ことが望ましい。皺押さえスリーブ3の大径部d1 と小
径部d2 の間に中径部を所望数設けておくと皺押さえス
リーブをカップへスムーズに押込める。径が変化する部
分のテーパー角度等形状は任意である。
【0008】本発明において、再絞り条件(2) は、図1
イに示すように、皺押さえスリーブ3の底肩部5のRを
アルミニウム素材の厚さ(カップの厚さ)tの3倍以
下、2倍以上に限定したものである。この条件(2) で、
皺押さえスリーブ3の底肩部5のRをアルミニウム素材
の厚さtの3倍以下、2倍以上に限定した理由は、Rが
tの3倍を超えると曲げ曲げ戻しに伴う抵抗の増加が期
待されず、2倍未満では割れ等の不具合が生じる可能性
が高くなる為である。
イに示すように、皺押さえスリーブ3の底肩部5のRを
アルミニウム素材の厚さ(カップの厚さ)tの3倍以
下、2倍以上に限定したものである。この条件(2) で、
皺押さえスリーブ3の底肩部5のRをアルミニウム素材
の厚さtの3倍以下、2倍以上に限定した理由は、Rが
tの3倍を超えると曲げ曲げ戻しに伴う抵抗の増加が期
待されず、2倍未満では割れ等の不具合が生じる可能性
が高くなる為である。
【0009】本発明において、再絞り条件(3) は、図1
イ、ハに示すように、カップ1内径Aを再絞り加工後の
缶状体6の内径Bで除した再絞り比(A/B)を1.40未
満、1.34以上に限定したものである。この条件(3) で、
前記再絞り比(A/B)を1.40未満、1.34以上に限定し
た理由は、再絞り比(A/B)が1.34未満では皺抑止効
果が小さく、1.40を超えると割れ等の問題が生じる為で
ある。
イ、ハに示すように、カップ1内径Aを再絞り加工後の
缶状体6の内径Bで除した再絞り比(A/B)を1.40未
満、1.34以上に限定したものである。この条件(3) で、
前記再絞り比(A/B)を1.40未満、1.34以上に限定し
た理由は、再絞り比(A/B)が1.34未満では皺抑止効
果が小さく、1.40を超えると割れ等の問題が生じる為で
ある。
【0010】本発明において、条件(1) 、(2) 、(3) の
再絞り条件は、各々の条件を単独で設定して再絞り加工
しても相応の効果が得られるが、これらの条件を2つ以
上同時に設定することにより、その効果は一層向上す
る。又皺押さえスリーブのカップと接触する面(底肩部
から底部に至る面等)を、粗面化しておくと、或いは前
記接触面に微小な溝(クロスハッチ)を設けておくと、
荷重が増加してプロファイル部がより硬化して皺発生防
止が助長される。
再絞り条件は、各々の条件を単独で設定して再絞り加工
しても相応の効果が得られるが、これらの条件を2つ以
上同時に設定することにより、その効果は一層向上す
る。又皺押さえスリーブのカップと接触する面(底肩部
から底部に至る面等)を、粗面化しておくと、或いは前
記接触面に微小な溝(クロスハッチ)を設けておくと、
荷重が増加してプロファイル部がより硬化して皺発生防
止が助長される。
【0011】
【作用】本発明は、DI缶の再絞り加工の際に、少なく
ともプロファイル部が形成される部位に所定の荷重が掛
かるようにするので、前記プロファイル部が硬化して、
プロファイル部に皺や割れが生じなくなる。本発明で
は、DI缶のプロファイル部の皺や割れの発生を防止す
るのに、アルミニウム素材の強度を弱めたり、表面を粗
面化したりしないので、得られるDI缶は薄肉で、色調
が良好なものとなる。
ともプロファイル部が形成される部位に所定の荷重が掛
かるようにするので、前記プロファイル部が硬化して、
プロファイル部に皺や割れが生じなくなる。本発明で
は、DI缶のプロファイル部の皺や割れの発生を防止す
るのに、アルミニウム素材の強度を弱めたり、表面を粗
面化したりしないので、得られるDI缶は薄肉で、色調
が良好なものとなる。
【0012】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明す
る。 (実施例1)アルミニウム素材に 0.3mm厚さのJIS-3004
合金のH19材を用いて 350ml缶を1万缶製造した。缶底
形状は、蓋径204 に対応した所謂CVNタイプ(スピン
ネック)とした。再絞り加工に際し、皺押さえスリーブ
の外径d1 、d2 を種々に変化させた。カップ内径Aは
87.3mmφ、皺押さえスリーブの底肩部のRは1.8 mm、再
絞り比は1.32とした。皺押さえスリーブ外面とカップ内
面との接触長さhは20mmとした(図1参照)。得られた
DI缶について、プロファイル部の皺の深さ、割れの発
生率、及びパンチの押込み荷重を調べた。皺の深さは、
プロファイル部の表面粗度を触針式表面粗度計を用いて
計測し、触針の振れ幅の平均値で表した。結果を表1に
示す。
る。 (実施例1)アルミニウム素材に 0.3mm厚さのJIS-3004
合金のH19材を用いて 350ml缶を1万缶製造した。缶底
形状は、蓋径204 に対応した所謂CVNタイプ(スピン
ネック)とした。再絞り加工に際し、皺押さえスリーブ
の外径d1 、d2 を種々に変化させた。カップ内径Aは
87.3mmφ、皺押さえスリーブの底肩部のRは1.8 mm、再
絞り比は1.32とした。皺押さえスリーブ外面とカップ内
面との接触長さhは20mmとした(図1参照)。得られた
DI缶について、プロファイル部の皺の深さ、割れの発
生率、及びパンチの押込み荷重を調べた。皺の深さは、
プロファイル部の表面粗度を触針式表面粗度計を用いて
計測し、触針の振れ幅の平均値で表した。結果を表1に
示す。
【0013】
【表1】
【0014】表1より明らかなように、本発明例品(No.
1,2)は、プロファイル部に皺がなく、又割れも生じなか
った。これは、皺押さえスリーブのカップの上部に位置
する部分の外径d1 をカップの内径Aの 1.000倍以上に
した為、プロファイル部が形成される初期の押込み荷重
が高くなり、缶状体のプロファイル部が硬化した為であ
る。これに対し、比較例品のNo.3は、(d1/A)が小さ
すぎた為、荷重が十分に掛からず、プロファイル部に皺
が発生した。No.4は(d1/A)が大きすぎた為、皺押さ
えスリーブの挿入ができなかった。No.5は(d2/A)が
小さすぎ、成形の途中から軸振れが起き偏肉が生じた。
No.6は(d2/A)が大きすぎて最大荷重が掛かりすぎて
缶状体の側面に割れが生じた。
1,2)は、プロファイル部に皺がなく、又割れも生じなか
った。これは、皺押さえスリーブのカップの上部に位置
する部分の外径d1 をカップの内径Aの 1.000倍以上に
した為、プロファイル部が形成される初期の押込み荷重
が高くなり、缶状体のプロファイル部が硬化した為であ
る。これに対し、比較例品のNo.3は、(d1/A)が小さ
すぎた為、荷重が十分に掛からず、プロファイル部に皺
が発生した。No.4は(d1/A)が大きすぎた為、皺押さ
えスリーブの挿入ができなかった。No.5は(d2/A)が
小さすぎ、成形の途中から軸振れが起き偏肉が生じた。
No.6は(d2/A)が大きすぎて最大荷重が掛かりすぎて
缶状体の側面に割れが生じた。
【0015】(実施例2)再絞り加工に際し、図1に示
した皺押さえスリーブ3の底肩部Rを種々に変化させ、
皺押さえスリーブの外径d1 、d2 をともに87.0mmφ、
カップ1の内径を87.3mmφ、再絞り比を1.32とした他
は、実施例1と同じ方法により 350ml缶を1万缶連続製
造した。得られたDI缶について、プロファイル部9の
皺の深さ、割れの発生率、及びパンチの押込み荷重を実
施例1と同じ方法により調べた。結果を表2に示す。
した皺押さえスリーブ3の底肩部Rを種々に変化させ、
皺押さえスリーブの外径d1 、d2 をともに87.0mmφ、
カップ1の内径を87.3mmφ、再絞り比を1.32とした他
は、実施例1と同じ方法により 350ml缶を1万缶連続製
造した。得られたDI缶について、プロファイル部9の
皺の深さ、割れの発生率、及びパンチの押込み荷重を実
施例1と同じ方法により調べた。結果を表2に示す。
【0016】
【表2】
【0017】表2より明らかなように、本発明例品(N
o.7、8)は、皺押さえスリーブの底肩部のRとアルミニ
ウム素材の厚さt(0.3mm) の比率(R/t)が3倍以
下、2倍以上の為、プロファイル部に皺が発生せず、又
割れも生じなかった。これに対し、比較例品のNo.9は
(R/t)が大きかった為、プロファイル部成形時に十
分に荷重が掛からず皺が発生した。又No.10 は(R/
t)が小さかった為最大荷重が掛かりすぎて缶状体側壁
部に割れが生じた。
o.7、8)は、皺押さえスリーブの底肩部のRとアルミニ
ウム素材の厚さt(0.3mm) の比率(R/t)が3倍以
下、2倍以上の為、プロファイル部に皺が発生せず、又
割れも生じなかった。これに対し、比較例品のNo.9は
(R/t)が大きかった為、プロファイル部成形時に十
分に荷重が掛からず皺が発生した。又No.10 は(R/
t)が小さかった為最大荷重が掛かりすぎて缶状体側壁
部に割れが生じた。
【0018】(実施例3)再絞り加工に際し、図1に示
した、皺押さえスリーブ3の外径d1 、d2 をともに8
7.0mmφとし、皺押さえスリーブ3の底肩部5のRは1.8
mmとし、カップ1の内径Aと缶状体6の内径Bとの再
絞り比(A/B)を種々に変化させた他は、実施例1と
同じ方法により 350ml缶を1万缶連続製造した。得られ
たDI缶について、プロファイル部9の皺の深さ、割れ
の発生率、及びパンチ4の押込み荷重を実施例1と同じ
方法により調べた。結果を表3に示す。
した、皺押さえスリーブ3の外径d1 、d2 をともに8
7.0mmφとし、皺押さえスリーブ3の底肩部5のRは1.8
mmとし、カップ1の内径Aと缶状体6の内径Bとの再
絞り比(A/B)を種々に変化させた他は、実施例1と
同じ方法により 350ml缶を1万缶連続製造した。得られ
たDI缶について、プロファイル部9の皺の深さ、割れ
の発生率、及びパンチ4の押込み荷重を実施例1と同じ
方法により調べた。結果を表3に示す。
【0019】
【表3】
【0020】表3より明らかなように、本発明例品のN
o.11,12は、再絞り比(A/B)が本発明条件を満足す
る為、プロファイル部に皺が発生せず又割れも生じなか
った。これに対し、比較例品のNo.13 は、再絞り比が大
きかった為、最大成形荷重が増大して缶状体側壁部に割
れが生じた。No.14 は、再絞り比が小さかった為、プロ
ファイル部に皺が生じた。
o.11,12は、再絞り比(A/B)が本発明条件を満足す
る為、プロファイル部に皺が発生せず又割れも生じなか
った。これに対し、比較例品のNo.13 は、再絞り比が大
きかった為、最大成形荷重が増大して缶状体側壁部に割
れが生じた。No.14 は、再絞り比が小さかった為、プロ
ファイル部に皺が生じた。
【0021】(実施例4)再絞り加工に際し、本発明の
3つの絞り加工条件のうちの少なくとも2条件を満足さ
せた他は、実施例1と同じ方法により 350ml缶を1万缶
連続製造した。得られたDI缶について、プロファイル
部の皺の深さ、割れの発生率、及びパンチの押込み荷重
を実施例1と同じ方法により調べた。結果を表4に示
す。
3つの絞り加工条件のうちの少なくとも2条件を満足さ
せた他は、実施例1と同じ方法により 350ml缶を1万缶
連続製造した。得られたDI缶について、プロファイル
部の皺の深さ、割れの発生率、及びパンチの押込み荷重
を実施例1と同じ方法により調べた。結果を表4に示
す。
【0022】
【表4】
【0023】表4より明らかなように、本発明例品(No.
15〜18) は、いずれもプロファイル部に皺が発生せず、
又割れも生じなかった。尚、上記実施例1〜4において
得られた本発明のDI缶は、いずれも色調が良好であっ
た。
15〜18) は、いずれもプロファイル部に皺が発生せず、
又割れも生じなかった。尚、上記実施例1〜4において
得られた本発明のDI缶は、いずれも色調が良好であっ
た。
【0024】以上、アルミニウム素材にJIS-3004合金の
H19材を用い、CVNタイプ(スピンネック)のDI缶
を製造する場合について説明したが、本発明は、他の材
種のアルミニウム素材を用い、又他のタイプのDI缶を
製造する場合に適用しても同様の効果が得られるもので
ある。
H19材を用い、CVNタイプ(スピンネック)のDI缶
を製造する場合について説明したが、本発明は、他の材
種のアルミニウム素材を用い、又他のタイプのDI缶を
製造する場合に適用しても同様の効果が得られるもので
ある。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように、本発明では、DI缶
の再絞り加工の際に、プロファイル部位を、所定の押込
み荷重を付与して硬化させるので、プロファイル部に皺
や割れのない高品質のDI缶を製造することができる。
の再絞り加工の際に、プロファイル部位を、所定の押込
み荷重を付与して硬化させるので、プロファイル部に皺
や割れのない高品質のDI缶を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における再絞り加工の態様を示す縦断面
図である。
図である。
【図2】DI缶の成形方法の工程図である。
【図3】缶エンド部の小径化の変遷を示す説明図であ
る。
る。
【図4】缶エンド部のプロファイル部を示す斜視図であ
る。
る。
1──カップ 2──ダイス 3──皺押さえスリーブ 4──パンチ 5──底肩部 6──缶状体 7──円板 8──ボトム 9──プロファイル部
Claims (1)
- 【請求項1】 アルミニウム素材を円板に打抜く工程、
前記円板をカップに絞り加工する工程、前記カップを缶
状体に再絞り加工する工程、前記缶状体の側壁をしごき
加工する工程、前記しごき加工後の缶状体のボトムをド
ーミング加工する工程を順次施すDI缶の成形方法にお
いて、前記再絞り加工を下記条件(1)〜(3) のうちの1
つの条件又は2つ以上の条件を満足させて行うことを特
徴とするDI缶の成形方法。 (1) カップ内に配置した皺押さえスリーブのカップの上
部に位置する部分の外径d1 をカップの内径Aの 1.004
倍未満、 1.000倍以上、皺押さえスリーブのダイス寄り
部分の外径d2 をカップの内径Aの 1.000倍未満、 0.9
90倍以上にする。 (2) 皺押さえスリーブの底肩部のRをアルミニウム素材
の厚さtの3倍以下、2倍以上にする。 (3) カップ内径Aを、再絞り加工後の缶状体の内径Bで
除した、再絞り比(A/B)を1.40未満、1.34以上にす
る。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6311708A JPH08168828A (ja) | 1994-12-15 | 1994-12-15 | Di缶の成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6311708A JPH08168828A (ja) | 1994-12-15 | 1994-12-15 | Di缶の成形方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08168828A true JPH08168828A (ja) | 1996-07-02 |
Family
ID=18020516
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6311708A Pending JPH08168828A (ja) | 1994-12-15 | 1994-12-15 | Di缶の成形方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08168828A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014233755A (ja) * | 2013-06-05 | 2014-12-15 | 株式会社神戸製鋼所 | 角形電池ケースの成形方法 |
| JP2015197964A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-09 | 株式会社神戸製鋼所 | 角形電池ケースの成形方法 |
| JP2018517569A (ja) * | 2015-05-26 | 2018-07-05 | ノベリス・インコーポレイテッドNovelis Inc. | 高リサイクル含有量の3xxx合金を使用したアルミニウム容器を成形するための高速ブロー成形過程 |
| JP2020514065A (ja) * | 2017-01-06 | 2020-05-21 | ストール マシーナリ カンパニー, エルエルシーStolle Machinery Company, LLC | 再絞りスリーブ |
-
1994
- 1994-12-15 JP JP6311708A patent/JPH08168828A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014233755A (ja) * | 2013-06-05 | 2014-12-15 | 株式会社神戸製鋼所 | 角形電池ケースの成形方法 |
| JP2015197964A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-09 | 株式会社神戸製鋼所 | 角形電池ケースの成形方法 |
| JP2018517569A (ja) * | 2015-05-26 | 2018-07-05 | ノベリス・インコーポレイテッドNovelis Inc. | 高リサイクル含有量の3xxx合金を使用したアルミニウム容器を成形するための高速ブロー成形過程 |
| JP2020514065A (ja) * | 2017-01-06 | 2020-05-21 | ストール マシーナリ カンパニー, エルエルシーStolle Machinery Company, LLC | 再絞りスリーブ |
| JP2022068230A (ja) * | 2017-01-06 | 2022-05-09 | ストール マシーナリ カンパニー,エルエルシー | 再絞りスリーブ |
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