JPH081731A - 熱可塑性樹脂の可塑化装置及び方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂の可塑化装置及び方法

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JPH081731A
JPH081731A JP16638094A JP16638094A JPH081731A JP H081731 A JPH081731 A JP H081731A JP 16638094 A JP16638094 A JP 16638094A JP 16638094 A JP16638094 A JP 16638094A JP H081731 A JPH081731 A JP H081731A
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thermoplastic resin
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単且つ小型の構造により、可塑化及び混練
が十分に行われるようにした、熱可塑性樹脂の可塑化装
置及び方法を提供すること。 【構成】 熱可塑性樹脂の射出成形機10において、上
面に形成された螺旋状に外側に延びる樹脂ペレット取込
み用溝21aを有し且つ回転駆動される円板状の可塑化
ディスク21と、この可塑化ディスクの上面及び下面に
接触するように配設され且つ所定温度に加熱・温度調整
された加熱板22,23と、この可塑化ディスクの表面
の樹脂ペレット取込み用溝の最内端に対向するように固
定配置された樹脂ペレット供給部29aと、この可塑化
ディスクの外周を液密的に包囲するように配設され且つ
内面に少なくとも一本の下方に延びるフィードランナー
24aを備えたフィードブッシュ24とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂の射出成
形の際に熱可塑性樹脂の溶融・可塑化を行なうための樹
脂可塑化装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱可塑性樹脂の射出成形を行な
う場合、熱可塑性樹脂を可塑化装置によって溶融・流動
化した後、加圧した状態で金型内に射出することによ
り、成形が行なわれる。このような成形機としては、プ
ランジャー型成形機があるが、このプランジャー型成形
機においては、せん断力により熱可塑性樹脂の粘性が低
下する所謂せん断力減粘性という性質を考慮していない
ため、装置の構成は簡単であるが、熱可塑性樹脂の混練
が十分に行なわれない。
【0003】従って、金型内に射出された熱可塑性樹脂
の流動性に限界があり、金型キャビティの形状の転写が
十分には行なわれ得ないので、成形品の精度の点で問題
があった。このため、スクリューによるせん断により熱
可塑性樹脂の混練を行なうようにしたスクリュー式成形
機が開発された。
【0004】スクリュー式成形機には、インラインスク
リュー式成形機と、コニカルスクリュー式成形機があ
る。このうち、インラインスクリュー式成形機は、熱可
塑性樹脂の可塑化及び混練の点では優秀であるが、可塑
化装置が細長いために、射出成形機の全長が長くなって
しまうので、特に立型射出成形機の場合、全高が大き
く、据付けが制限されてしまう。
【0005】また、高粘度樹脂による成形の場合には、
高圧射出が求められるので、スクリューは細めのものが
使用されるが、操作によっては簡単に折損してしまう。
さらに、熱可塑性樹脂の射出時にはスクリュー自体がプ
ランジャーの役割をするため、スクリュー先端に取り付
けられたリングが、射出の際に逆流防止弁として作用す
ることから、構造が複雑で、傷み易く、メンテナンスが
面倒である。また、可塑化と射出の繰返しにより、上記
リングがショット毎に往復運動を行なうことから、射出
時のリングの運動遅れが生じてしまう。
【0006】これに対して、コニカルスクリュー式成形
機は、図6に示すようなコニカルスクリューから成る可
塑化装置を備えている。即ち、図6において、可塑化装
置1は、円錐台状のコニカルスクリュー2と、このコニ
カルスクリューの先端が間隙3を有するように嵌合し得
る内部空間を有するバレル4と、このバレル4の先端に
取り付けられた樹脂射出用のノズル5とから構成されて
いる。
【0007】このコニカルスクリュー2は、その円錐状
の外周面に、螺旋状のフライト2aを備えていると共
に、インナーシリンダ2bを軸として回転する。
【0008】ここで、図示しないホッパーから送出され
る熱可塑性樹脂の樹脂材料は、バレル4の側方に開口し
たホッパー口4aから、上記フライトの間の溝を通って
溶融されながら、ノズル5の方向に送られる。その際、
間隙3を通ってインナーシリンダ2bに送られた溶融し
た樹脂材料は、インナーシリンダ2b内に設けられたプ
ランジャ6を計量位置まで後退させる(図6図示位置参
照)。
【0009】次に、射出に先立ってインナーシリンダ2
bは僅かに前進して、上記間隙3を閉じることにより、
射出による樹脂材料のスクリュー方向への逆流を防止す
る。そして、プランジャ6が前進することにより、イン
ナーシリンダ2b内の樹脂材料がノズル5を介して射出
される(図7参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このようなコニカルス
クリュー式成形機においては、小型に構成されると共
に、コニカルスクリューの外周面に形成されたフライト
2aの間の溝に沿って進む樹脂材料の通路は、先端方向
にいくほど細くなって、樹脂材料が圧縮されることによ
り、流動化が促進されるという利点がある。しかし、コ
ニカルスクリュ−の先端方向にいくほど樹脂材料の流速
が低下してしまう。また、射出時の逆流防止は、インナ
ーシリンダが前進することにより行なわれるので、イン
ナーシリンダの駆動源が必要であるため、構造が複雑に
なってしまうという問題があった。
【0011】本発明は、以上の点に鑑み、簡単且つ小型
の構造により、可塑化及び混練が十分に行われるように
した、熱可塑性樹脂の可塑化装置及び方法を提供するこ
とを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
れば、熱可塑性樹脂の射出成形機において、上面に形成
された螺旋状に外側に延びる樹脂ペレット取込み用溝を
有し且つ回転駆動される円板状の可塑化ディスクと、こ
の可塑化ディスクの上面及び下面に接触するように配設
され且つ所定温度に加熱・温度調整された加熱板と、こ
の可塑化ディスクの表面の樹脂ペレット取込み用溝の最
内端に対向するように固定配置された樹脂ペレット供給
部と、この可塑化ディスクの外周を液密的に包囲するよ
うに配設され且つ内面に少なくとも一本の下方に延びる
フィードランナーを備えたフィードブッシュとを備えて
いる熱可塑性樹脂の可塑化装置により、達成される。
【0013】好ましくは、前記樹脂ペレット取込み用溝
は、内周側から外周側へ向かって螺旋状に連設されてお
り、内周側から外周側へかけて、第1のグルーブと、こ
の第1のグルーブに連設されたバイパス路と、このバイ
パス路に連設された第2のグルーブとで構成される。
【0014】本発明による熱可塑性樹脂の可塑化装置
は、好ましくは、前記可塑化ディスクの上面に、複数本
の樹脂ペレット取込み用溝が、形成されている。
【0015】さらに好ましくは、前記第1のグルーブ
は、可塑化ディスクの内周側にて未溶融の樹脂ペレット
を収容し、この未溶融の樹脂ペレットが次第に溶融され
るに従って前記バイパス路に案内され、さらに溶融され
た溶融樹脂は前記第2のグルーブに導かれるように構成
されている。
【0016】本発明による熱可塑性樹脂の可塑化装置
は、好ましくは、前記フィードブッシュの内面に設けら
れたフィードランナーが、等角度間隔に設けられてい
る。
【0017】本発明による熱可塑性樹脂の可塑化装置
は、好ましくは、射出時には、前記可塑化ディスクの樹
脂ペレット取込み用溝の開口が前記フィードブッシュの
フィードランナーからずれる位置で、停止される構成と
してもよい。
【0018】さらに、上記目的は、本発明によれば、熱
可塑性樹脂の射出成形機において、上面に形成された螺
旋状に外側に延びる樹脂ペレット取込み用溝を有し且つ
回転駆動される円板状の可塑化ディスクを、この可塑化
ディスクの上面及び下面に接触するように配設された加
熱板により、加熱して所定温度に温度調整し、この可塑
化ディスクの表面の樹脂ペレット取込み用溝の最内端に
対して樹脂ペレットを供給することにより、この可塑化
ディスクの回転により溶融した樹脂ペレットを遠心力に
基づいて外側の溝部に溢れ出させて混練し、この溝部と
加熱板によるせん断によって、この樹脂ペレットの粘性
を低下させ、この可塑化ディスクの外周に液密的に配設
されたフィードブッシュの内面に形成されたフィードラ
ンナーを介して、樹脂を射出するようにしたことを特徴
とする熱可塑性樹脂の可塑化方法により、達成される。
【0019】
【作用】上記構成によれば、所定温度に加熱された可塑
化ディスクを回転駆動することにより、この可塑化ディ
スクの上面に形成された樹脂ペレット取込み用溝の最内
端に対して、一回転毎に樹脂ペレットが供給される。こ
れにより、この樹脂ペレットは、この可塑化ディスクの
温度により溶融されると共に、この可塑化ディスクの回
転による遠心力に基づいて、半径方向外側に向かって押
し出される。
【0020】従って、溶融樹脂は、この溝に沿って流れ
出して、混練されながら、この溝の最外端に達する。そ
の際、溶融樹脂が、この溝を乗り越えて外側の溝部に流
れ込むことにより、せん断され、粘性が低下される。か
くして、溶融樹脂は、射出成形可能な状態に可塑化され
ることになる。このようにして、可塑化された溶融樹脂
は、この溝の最外端からフィードブッシュのフィードラ
ンナー内に流れ込み、射出されることになる。
【0021】上記可塑化ディスクの上面に、複数本の樹
脂ペレット取込み用溝が、多重鎖線状に形成されている
場合には、各溝に樹脂ペレットが供給されることによ
り、次第に可塑化されることになる。
【0022】上記フィードブッシュの内面に設けられた
フィードランナーが、等角度間隔に設けられている場合
には、各フィードランナーに対して、均等に溶融樹脂が
流れ込むことになり、より均一な溶融樹脂の可塑化が行
われる。
【0023】射出時には、上記可塑化ディスクが、その
樹脂ペレット取込み用溝の開口がこのフィードブッシュ
のフィードランナーからずれる位置で、停止される場合
には、射出時の溶融樹脂の逆流防止のために、可塑化デ
ィスクの回転を停止されるだけでよい。
【0024】
【実施例】以下、この発明の好適な実施例を図1乃至図
5を参照しながら、詳細に説明する。尚、以下に述べる
実施例は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に
好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲
は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載
がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0025】図1は、本発明の好適な実施例による熱可
塑性樹脂の可塑化装置を組み込んだ成形機の一例を示し
ている。図1において、成形機10は、ロボット式射出
成形モジュールとして、横型インラインスクリュー式成
形機に比較して小型に構成されている。成形機10は、
フレーム11に対して揺動アーム12を介して取り付け
られた低圧型締め装置13と、この低圧型締め装置13
上に載置される金型14と、このフレーム11に対して
横方向に移動可能に取り付けられた高圧型締め装置15
と、この金型14の上方にてフレーム11に取り付けら
れた射出ユニット16とを有している。
【0026】上記低圧型締め装置13は、揺動アーム1
2の揺動により、手前に引き出された退避位置Aから、
射出ユニット16の下方に位置する装着位置Bまで移動
可能になっている。そして、この低圧型締め装置13
は、退避位置Bにあるときに、その上面に、前以て組み
立てられた金型14が載置され、揺動アーム12の揺動
によって、装着位置Aまで移動される。
【0027】これにより、この金型14が射出ユニット
16に対して所定位置にセットされることになる。ここ
で、この金型14は、射出成形用の金型であり、組み立
てられた状態で、内部に成形品の形状のキャビティが画
成されると共に、外部からこのキャビティに通じるゲー
トを有している。
【0028】上記高圧型締め装置15は、装着位置にあ
る低圧型締め装置13及び金型14を、射出ユニット1
6による射出圧力に対抗し得る圧力で、側方から固定保
持し得るようになっている。
【0029】ここで、上記射出ユニット16は、図2に
示すように、構成されている。即ち、図2において、射
出ユニット16は、ほぼ円板状の可塑化ディスク21
と、この可塑化ディスク21に対して上下から当接する
加熱板22,23と、下方の加熱板23の下面に対し
て、円周方向に等角度間隔で配設された少なくとも一
つ、図示の場合には4つの樹脂材料の通路となるべきフ
ィードランナー24aを画成するように配設されたフィ
ードブッシュ24とを含んでいる。
【0030】上記可塑化ディスク21は、加熱板23に
対して回転可能に軸受されていると共に、図3に示すよ
うに、その上面に内側から外側に螺旋状に形成された樹
脂ペレット取込み用溝41が形成されている。さらに、
図2に示されているように、この可塑化ディスク21
は、その上面から上方に突出した駆動歯車部21bを備
えており、この駆動歯車部21bには、可塑化ディスク
用モータ25の駆動軸に取り付けられた駆動歯車25a
が、歯車列26を介して接続されている。これにより、
この可塑化ディスク用モータ25の回転駆動により、可
塑化ディスク21が、中心軸の周りに回転される。
【0031】上記加熱板22,23及びフィードブッシ
ュ24は、それぞれ内蔵されたヒータ22a,23a,
24bによって加熱され、所定の温度に調整されてい
る。これにより、上記可塑化ディスク21は、所定温度
に保持されることになる。
【0032】上記フィードブッシュ24の下端には、内
部空間と連通したノズル27が設けられている。
【0033】また、射出ユニット16は、図2に示すよ
うに、可塑化ディスク21の上方に、前以て乾燥された
樹脂ペレット28が収容されるホッパ29を備えてい
る。このホッパ29は、その下端から斜め下方に延びる
供給部29aを備えており、この供給部29aの先端
が、上記可塑化ディスク21の樹脂ペレット取込み用溝
41の最内端に対向して開口している。
【0034】さらに、上記射出ユニット16は、可塑化
ディスク21及び加熱板23の中心に沿って上下動可能
に支持されたプランジャ30を備えている。このプラン
ジャ30は、可塑化ディスク21及び加熱板23の中心
に設けられたボア21c,23b内に液密的に嵌挿され
ている。ここで、このプランジャ30は、加熱板22の
上方に備えられたボールネジ31aを使用した往復駆動
機構31によって、上下方向に移動制御されるようにな
っている。
【0035】この往復駆動機構31は、上記プランジャ
30に一体的に取り付けられた第一のフランジ31bと
ロッド31cを介して連結された第二のフランジ31d
を有している。そして、この第二のフランジ31dに設
けたネジ部材31eに、第一の固定フランジ31fに対
して上端が上下動しないように軸受されたボールネジ3
1aが螺合されている。さらに、このボールネジ31a
は、プランジャ用モータ32により、歯車列33を介し
て回転駆動される。
【0036】また、上記固定フランジ31fの下方に
は、ロッド31gを介して、第二の固定フランジ31h
が連結されている。これにより、上記第二のフランジ3
1dがロッド31gに沿って摺動し、且つ第二の固定フ
ランジ31hがロッド31cに沿って摺動することによ
り、第一のフランジ31bそしてプランジャ30が、中
心軸に沿って案内される。
【0037】図3は、可塑化ディスク21の好ましい構
成例を示しており、図3(a)は平面図、図3(b)は
A−A断面の拡大図、図3(c)はB−B断面の拡大図
である。図において、可塑化ディスク21の上面には上
述した樹脂取込み用の溝41が形成されている。この溝
41は内側から外側に向かって螺旋状に形成されてい
る。具体的には、図において右上がりの斜線部で示した
一番内側の溝が第1グルーブ43である。その外側で図
において点で示した領域がバイパス路44である。さら
にその外側で左上がりの斜線で示した領域が第2グルー
ブ45である。
【0038】これら第1グルーブ43とバイパス路44
とは互いに螺旋状の延長端側で図3(b)及び図3
(c)に示されているように連設している。即ち、これ
ら第1グルーブ43とバイパス路44、バイパス路44
と第2グルーブ45とは一部で隣り合う箇所が繋がって
いる。また、これら第1グルーブ43、バイパス路4
4、第2グルーブ45は、基端部側(内周側)が深く、
外側にいくにしたがって浅い溝として形成されている。
【0039】即ち、可塑化ディスク21に適用される樹
脂の溶融度と流動性を考慮した結果、各溝は次のように
構成されている。即ち、第1グルーブ43はディスク2
1の内方程深く、螺旋状に外側に向かうほど浅く形成さ
れており、この浅くなった箇所を中心としてバイパス路
44と連通している。同じくバイパス路44も外周にい
くほど浅くなっており、この次第に浅くなっている箇所
は第2グルーブ45の主として深い部分と連通してい
る。そしてこの第2グルーブ45も外側へいくほど浅く
なっている。
【0040】尚、図3に示すように、上記可塑化ディス
ク21の上面には、ベント穴34aを有するガスベント
34が備えられていてもよい。
【0041】本実施例による成形機10は、以上のよう
に構成されており、低圧型締め装置13を退避位置Aに
引き出した状態で、その上面に金型14を載置して、再
び低圧型締め装置13を装着位置Bに移動する。そし
て、高圧型締め装置15により、低圧型締め装置13及
び金型14を側方から固定保持した状態で、射出ユニッ
ト16により、熱可塑性樹脂の樹脂材料を金型14内に
射出する。
【0042】その後、所定の冷却時間の経過後に、高圧
型締め装置15を退避させ、揺動アーム12を揺動させ
ることにより、低圧型締め装置13を退避位置Aに移動
して、金型14を型開きして、金型14のキャビティ内
に成形された成形品を取り出す。かくして、射出成形が
行われる。
【0043】この場合、上記射出ユニット16による射
出成形は、以下のようにして行なわれる。即ち、可塑化
ディスク21は、加熱板22,23及びフィードブッシ
ュ24により加熱され、所定温度に温度調整されてい
る。この状態において、この可塑化ディスク21がモー
タ25により回転駆動されると、可塑化ディスク21
は、一回転に一回だけ、の樹脂ペレット取込み用溝41
の最内端42が、ホッパ29の供給部29aの開口に対
向することになる。これにより、この樹脂ペレット取込
み用溝41の第1グルーブ43内に、図3(B)に示す
ようにホッパ29から熱可塑性樹脂の未溶融樹脂ペレッ
ト28がP1として取り込まれる。この未溶融樹脂ペレ
ットP1は、可塑化ディスク21の第1グルーブ43内
で可塑化ディスク21の熱によって溶融する。
【0044】この過程で、可塑化ディスク21をモータ
25により高速回転させると、この樹脂ペレットP1
は、樹脂ペレット取込み用溝41を外側に向かってその
溶融度合いを高めながら螺旋状に流れ出し、加熱板2
2,23からせん断力をうけつつバイパス路44を通
り、樹脂ペレット取込み用溝41の最外部である第2グ
ルーブに至る。図3(A)及び(B)に示されているよ
うに、未溶融樹脂ペレットP1は溶融度合いをたかめな
がら樹脂P2としてバイパス路44に流れ込む。この場
合、溶融度が高い樹脂は上に向かうので、流動性の高い
ものからバイパス路44と第2ルーブ45との連通部を
通ってより外側のグルーブに移っていくことになる。
【0045】このため、図3(A)及び(B)に示され
ているように、樹脂は溶融度を高めながら流速を増しつ
つディスク21の外側の溝に移っていき、ほぼ完全に溶
融した樹脂P3は第2グルーブの上層から可塑化ディス
ク21の最外端に達し、この溶融樹脂P3は、フィート
ブッシュ24の内面に設けられたフィードランナー24
a内を流れて、加熱板23とプランジャ30の先端によ
り画成される空間内に流れ込む。ここで、モータ32に
よりボールネジ31aを回動させて、プランジャ30を
所定位置まで引き上げることにより、プランジャ30の
引き上げ量に対応した量の溶融樹脂が、この空間内に吸
い上げられ、一定量の溶融樹脂の計量が行なわれること
になる。
【0046】続いて、モータ25を適宜に駆動制御する
ことにより、可塑化ディスク21の樹脂ペレット取込み
用溝41の最外端21bが、フィードブッシュ24のフ
ィードランナー24aからずれた位置に対向するよう
に、可塑化ディスク21を停止させる。
【0047】その後、モータ32を駆動することによ
り、プランジャ30を下降させる。これにより、加熱板
23及びプランジャ30の下端により画成された空間内
に吸い上げられた溶融樹脂が、ノズル27から、金型1
4のゲートに射出され、成形が行なわれる。この際、フ
ィードブッシュ24のフィードランナー24aは、可塑
化ディスク21の樹脂ペレット取込み用溝41に対向し
ていないことから、射出時の溶融樹脂の逆流が防止され
ることになる。かくして、1サイクルの射出成形が完了
する。以上の動作を繰り返すことによって、連続して射
出成形が行われることになる。
【0048】この場合、可塑化ディスク21の樹脂ペレ
ット取込み用溝41内に入った樹脂ペレット28は、こ
の可塑化ディスク21の熱によって溶融されて溶融樹脂
になる。この溶融樹脂は、この可塑化ディスク21の回
転による遠心力に基づいて、外周側に押し出されること
になる。その際、図3に示すように、例えば樹脂ペレッ
ト取込み用溝41の一次流路41−1内の溶融樹脂は、
加熱板22によりせん断力を受けて、粘性が低下する。
【0049】これによって、溶融樹脂は、この一次流路
41−1から二次流路41−2内に溢れ出ることにな
る。ここで、上記樹脂ペレット取込み用溝41の各流路
は、外周側ほど可塑化ディスク21の回転による周速が
速いことから、比較的短い流路であっても、確実にせん
断発熱による粘性低下が得られることになる。
【0050】さらに、上述したように溶融樹脂が一次流
路41−1から二次流路41−2内に溢れ出ることによ
り、所謂スパイラルバリアスクリュー効果があるので、
混練が十分に行われることになる。
【0051】ここで、上述した成形機10における可塑
化ディスク21による樹脂ペレット28の溶融・混練
は、例えば図5に示すような石臼の原理を利用したもの
である。即ち、図5に示すように、石臼40の固定部4
1と回転部42との間に入れられた大豆等43は、この
回転部42の回転によって、細かく潰されると共に、外
周に押し出される。その際、この固定部41と回転部4
2の間に大豆等43の粒状物が存在することにより、こ
の回転部42の回転抵抗が低減される。同様にして、本
実施例による成形機10においても、樹脂ペレット取込
み用溝41が、加熱板22と密着していたり、樹脂ペレ
ット28が比較的低温で流動性が低い場合には、可塑化
ディスク21の回転抵抗は大きくなってしまう。このた
め、前以て、樹脂ペレット28の物性に影響を与えない
ような物質を、樹脂ペレット取込み用溝41または可塑
化ディスク21と加熱板22との間に挟み込んでおくよ
うにしてもよい。
【0052】このように、上述の実施例では、所定温度
に加熱された可塑化ディスクを回転駆動することによ
り、この可塑化ディスクの樹脂ペレット取込み用溝に供
給された樹脂ペレットは、この樹脂ペレットは、この可
塑化ディスクの温度により溶融されると共に、この可塑
化ディスクの回転による遠心力に基づいて、半径方向外
側に向かって押し出される。
【0053】これにより、溶融樹脂は、この溝に沿って
流れ出して、混練されながら、この溝の最外端に達する
と共に、遠心力によってこの溝を乗り越えて外側の溝部
に流れ込むことにより、せん断され、粘性が低下され
る。かくして、溶融樹脂は、射出成形可能な状態に可塑
化されることになる。従って、円板状の可塑化ディスク
によって樹脂の可塑化がおこなわれ得るので、従来のよ
うに比較的長いスクリューが不要であり、全体が小型に
構成されることになる。また、この溝を流れる溶融樹脂
は、徐々に周速が速くなることから、流動抵抗が低減さ
れることになり、より十分な可塑化及び混練が行われ
る。これにより、例えばフィラー入りのエンジニアリン
グプラスチックの可塑化も可能である。
【0054】さらに、各駆動機構を電動モータにより駆
動することにより、完全電動成形機が構成されることに
なり、取扱いが容易になると共に、本発明による可塑化
装置を組み込んだ成形機は、ロボットインライン中に設
置することも可能であり、また、クリールーム中に設置
することも可能である。上記可塑化ディスクの上面に、
複数本の樹脂ペレット取込み用溝が、多重鎖線状に形成
されている場合には、各溝に樹脂ペレットが供給される
ことにより、樹脂ペレットが可塑化される。従って、比
較的大量の樹脂ペレットが同時に可塑化されることにな
る。
【0055】上記フィードブッシュの内面に設けられた
フィードランナーが、等角度間隔に設けられている場合
には、各フィードランナーに対して、均等に溶融樹脂が
流れ込むことになり、より均一な溶融樹脂の可塑化が行
われる。射出時には、上記可塑化ディスクが、その樹脂
ペレット取込み用溝の開口がこのフィードブッシュのフ
ィードランナーからずれる位置で、停止される場合に
は、射出時の溶融樹脂の逆流防止のために、可塑化ディ
スクの回転を停止されるだけでよい。従って、射出時の
溶融樹脂の逆流防止のために、他の駆動機構が不要であ
るので、構成が簡単になり、コストが低減されることに
なる。
【0056】尚、上述した実施例においては、可塑化デ
ィスク21は、従来のスクリュー式成形機におけるスク
リューの代わりに使用されているが、これに限らず、同
様の構成のディスクを、樹脂流路であるホットランナー
の一部に挿入することによって、溶融樹脂の流動抵抗を
低減することも可能である。また、上記実施例において
は、可塑化ディスク21の樹脂ペレット取込み用溝41
は、複数本の溝が全体として一本になるように形成され
ているが、並列的に複数本の溝が多重螺旋状に形成され
ていてもよい。さらに、フィードブッシュ24のフィー
ドランナー24aは、図示の場合、その内面に4本設け
られているが、これに限らず、一本乃至三本または五本
以上でもよいことは明らかである。
【0057】また、上述した実施例においては、加熱板
22,23及びフィードブッシュ24の熱源として、内
蔵されたヒータ22a,23a,24bを使用している
が、これに限らず、他の熱源、例えば磁力,超音波また
は高周波を利用した熱源であってもよい。
【0058】さらに、可塑化ディスク21の回転駆動の
ための駆動装置、そしてプランジャ30の上下動のため
の駆動装置として、それぞれモータ25,32が使用さ
れているが、他の駆動装置、例えば油圧式,空圧式駆動
装置等の駆動装置を使用することも可能である。
【0059】また、可塑化ディスク21は、上下面が平
坦に形成されているが、外周にいくほど厚さが増大しま
たは減少するように形成されていてもよい。
【0060】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、簡
単且つ小型の構造により、可塑化及び混練が十分に行わ
れるようにした、極めて優れた熱可塑性樹脂の可塑化装
置及び方法が提供されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による可塑化装置を組み込んだ熱可塑性
樹脂の成形機の実施例を示す概略斜視図である。
【図2】図1の成形機における射出ユニットの縦断面図
である。
【図3】図2の射出ユニットにおける可塑化ディスクの
平面図である。
【図4】図3の可塑化ディスクの断面図である。
【図5】本発明による可塑化装置の基になる石臼の原理
を示す図である。
【図6】従来のコニカルスクリュー式成形機の可塑化装
置における可塑化終了時の状態を示す部分断面図であ
る。
【図7】図6のコニカルスクリュー式成形機の可塑化装
置における射出終了時の状態を示す部分断面図である。
【符号の説明】
10 成形機 11 フレーム 12 揺動アーム 13 低圧型締め装置 14 金型 15 高圧型締め装置 16 射出ユニット 21 可塑化ディスク 22 加熱板 23 加熱板 24 フィードブッシュ 25 可塑化ディスク用モータ 26 歯車列 27 ノズル 28 樹脂ペレット 29 ホッパ 30 プランジャ 31 往復駆動機構 32 プランジャ用モータ 33 歯車列 34 ガスベント 40 石臼 41 固定部 42 回転部 43 大豆等

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂の射出成形機において、 上面に形成された螺旋状に外側に延びる樹脂ペレット取
    込み用溝を有し且つ回転駆動される円板状の可塑化ディ
    スクと、 この可塑化ディスクの上面及び下面に接触するように配
    設され且つ所定温度に加熱・温度調整された加熱板と、 この可塑化ディスクの表面の樹脂ペレット取込み用溝の
    最内端に対向するように固定配置された樹脂ペレット供
    給部と、 この可塑化ディスクの外周を液密的に包囲するように配
    設され且つ内面に少なくとも一本の下方に延びるフィー
    ドランナーを備えたフィードブッシュとを備えることを
    特徴とする熱可塑性樹脂の可塑化装置。
  2. 【請求項2】 前記樹脂ペレット取込み用溝は、内周側
    から外周側へ向かって螺旋状に連設されており、内周側
    から外周側へかけて、第1のグルーブと、この第1のグ
    ルーブに連設されたバイパス路と、このバイパス路に連
    設された第2のグルーブとでなることを特徴とする請求
    項1に記載の熱可塑性樹脂の可塑化装置。
  3. 【請求項3】 前記可塑化ディスクの上面に、複数本の
    樹脂ペレット取込み用溝が形成されていることを特徴と
    する請求項1に記載の熱可塑性樹脂の可塑化装置。
  4. 【請求項4】 前記第1のグルーブは、可塑化ディスク
    の内周側にて未溶融の樹脂ペレットを収容し、この未溶
    融の樹脂ペレットが次第に溶融されるに従って前記バイ
    パス路に案内され、さらに溶融された溶融樹脂は前記第
    2のグルーブに導かれるように構成したことを特徴とす
    る請求項3に記載の熱可塑性樹脂の可塑化装置。
  5. 【請求項5】 前記フィードブッシュの内面に設けられ
    たフィードランナーが、等角度間隔に設けられているこ
    とを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の熱可
    塑性樹脂の可塑化装置。
  6. 【請求項6】 射出時には、前記可塑化ディスクの樹脂
    ペレット取込み用溝の開口が前記フィードブッシュのフ
    ィードランナーからずれる位置で、停止される構成とし
    たことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の熱
    可塑性樹脂の可塑化装置。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂の射出成形機において、上
    面に形成された螺旋状に外側に延びる樹脂ペレット取込
    み用溝を有し且つ回転駆動される円板状の可塑化ディス
    クを、この可塑化ディスクの上面及び下面に接触するよ
    うに配設された加熱板により、加熱して所定温度に温度
    調整し、 この可塑化ディスクの表面の樹脂ペレット取込み用溝の
    最内端に対して樹脂ペレットを供給することにより、こ
    の可塑化ディスクの回転により溶融した樹脂ペレットを
    遠心力に基づいて外側の溝部に溢れ出させて混練し、 この溝部と加熱板によるせん断によって、この樹脂ペレ
    ットの粘性を低下させ、 この可塑化ディスクの外周に液密的に配設されたフィー
    ドブッシュの内面に形成されたフィードランナーを介し
    て、樹脂を射出するようにしたことを特徴とする熱可塑
    性樹脂の可塑化方法。
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