JPH08174263A - レーザーマーキングの方法 - Google Patents

レーザーマーキングの方法

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JPH08174263A
JPH08174263A JP6325448A JP32544894A JPH08174263A JP H08174263 A JPH08174263 A JP H08174263A JP 6325448 A JP6325448 A JP 6325448A JP 32544894 A JP32544894 A JP 32544894A JP H08174263 A JPH08174263 A JP H08174263A
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JP
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laser
marking
resin
irradiation
inorganic particles
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JP6325448A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Sadamoto
満 貞本
Yoshinori Ashida
芳徳 芦田
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 プラスチックスやゴムの成形固体表面に、
樹脂に混在させた無機粒子を表面に塗布し、該表面に高
エネルギーパルスレーザーの照射を行うことにより、任
意形状の記号、模様あるいは文字をマーキングする方
法。 【効果】 これまでレーザー照射による刻印が困難と
されてきたプラスチックスやゴムの成形固体表面に、自
由に文字等のマーキングができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザーマーキングの
方法に関する。さらに詳しくは、従来では困難とされて
きた樹脂成形体の表面に、任意形状の模様、文字、図形
若しくは記号をマーキングすることができ、レーザーマ
ーキングの適用可能性を大幅に広げた新規なレーザーマ
ーキングの方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザーマーキング技術は、任意形状の
模様、文字、図形若しくは記号もしくはこれらの結合の
マーキング( 刻印 )が、高速にかつコンピューターの制
御によって容易に行えるため、様々な分野に用いられて
きた。例えば、大量に製造した多数の製品群を管理する
ためのバーコード記号の付与は、レーザーマーキングに
よるマーキングが適している。かかるバーコード情報に
より、多数の製品の一個一個についての個別情報データ
の付与および該データを基礎とする個々の商品(群 )ロ
ットの正確な個別認識が可能となり、POSにより販売
・在庫管理、売れ筋商品管理、品質管理等複雑な流通販
路を効果的に統制する総括的な物流制御を行う上で、重
要な役割を果している。レーザーマーキングは、1つ1
つの製品ごとに、コンピューターから指令により個別に
異なる情報を与えて、対応する異なるバーコードを製品
にマーキングすることができるからである。
【0003】また、レーザーマーキングにより、バーコ
ード等の記号の代わりに、製品について文字のマーキン
グを行うこともできる。この場合においても、コンピュ
ーターによる管理を行うことが可能であり、バーコード
の場合と同様に、製品・商品のPOS管理等に好適に利
用されている。
【0004】しかして、通常用いられるレーザーマーキ
ングを行うためのレーザーマーカーは、比較的安価でか
つ高出力が得られるYAGレーザーにより代表される固
体レーザーであり、照射されるレーザーは、400nm
以上2000nm以下の、可視光域から近赤外光域の光
を発振するものできるものが用いられる。このレーザー
の出力は、最大30W程度のものが通常用いられる。
【0005】また、レーザーマーカーは、Qスイッチ付
きの共振系を備えた発振器により、照射レーザー光のエ
ネルギー量を高めるために、パルス化したレーザー光と
して取り出すことができる。さらに、レンズを用いて集
光することにより、照射面において、該レーザーエネル
ギーを高めている。その結果、照射面における照射エネ
ルギー密度を1×107 J/cm2 以上にまで高めること
ができるのである。通常用いられるQスイッチ周波数は
1kHz以上であり、20kHz以上の周波数を備えて
いれば問題ない。
【0006】さらに、レーザーは長焦点型のfθレンズ
を用い、できるだけ長い焦点距離をもたせることによ
り、広い面積において、高エネルギーレーザー光を照射
することができるようになっているものが望ましく使用
される。焦点距離としては、10cm以上、20cm以下で
あることが標準的である。例えば、焦点距離が15cmの
場合には、平坦な加工面において、半径5cm程度の範囲
が、中心加工位置におけるレーザーエネルギー値からの
低下を11%以下に押さえることができ、マーキング可
能範囲である。
【0007】さらに、レーザー照射位置の制御について
は、レンズの向きをコントローラーにより制御すること
により照射位置を変化させることのできる、ガルバノメ
ーター・ミラー系を採用することにより、被照射物の位
置を変更させることなく、マーキングを行うことができ
る。
【0008】しかしながら、本発明者らが検討したとこ
ろによると、かかる可視光および近赤外光を利用したレ
ーザーによるマーキングは、レーザー照射面の物性によ
りその加工特性が大きく制限される。すなわち、金属や
セラミック等は、高エネルギーレーザーの照射によりマ
ーキングは容易になされるのに対し、樹脂等の表面には
簡単にはマーキング出来ないことを見いだした。
【0009】すなわち、一般に、高エネルギー密度を有
するパルスレーザー光を利用した固体表面の加工におい
ては、照射されるレーザー光は固体に照射される際に、
レーザー光の持つエネルギーの一部が固体のごく表面近
傍に吸収され、固体内部の分子結合を亀裂させるととも
に、分子同士を引き離すに充分なエネルギーを与えら
れ、一気に飛散させてしまうレーザーアブレーション現
象が発生することによりなされる。
【0010】従って、レーザーの照射エネルギーによ
り、結合分子がより容易に引き離され、気相中に飛散す
るためには、分子自体の大きさのできるだけ小さい方が
好ましい。その点から、金属やセラミック等は、高エネ
ルギーレーザーの照射によるマーキングが容易である。
【0011】しかしながら、プラスチックス、天然ゴム
( あるいは合成ゴム )もしくはペイント等の塗装面にお
いては、少なくとも該表面が高分子により構成されてい
るために、分子自体の構造が大きく、おそらくレーザー
による照射のように、局所的でかつ、極めて短い時間内
に付与されるエネルギーによっては、分子が蒸発もしく
は飛散によって、固体表面から除去されることはほとん
ど不可能であることを本発明者らは見いだした。
【0012】このように、金属あるいはセラミックのよ
うに、分子量の小さなものから形成されている固体は、
可視光あるいは近赤外光を用いたレーザーによる照射に
よって、該固体表面にマーキングを施すことが容易であ
るのに対し、プラスチックス、ゴムもしくはペイント等
の塗装面等の、高分子により構成された固体表面にレー
ザーマーキングを行うことは困難であった。
【0013】なお、高分子内の分子結合を切断するに
は、固体における吸収係数の高い、紫外線域のような4
00nm以下の波長の短いエキシマレーザー光を用いる
ことによって行うこともできる。従って、エキシマレー
ザーを用いた、レーザーマーキングを行うことは可能で
あると考えられる。しかしながら、固体表面にマーキン
グを行うことのできる程の、高出力のレーザーを照射す
ることのできる装置は極めて高価であり、しかもメンテ
ナンスに要する手間が固体レーザーを用いる場合に比較
して格段に多いために、全く実用的ではない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高エネルギ
ーパルスレーザーを照射することによって、任意形状の
模様、文字、図形若しくは記号を、レーザーマーキング
する方法にして、従来ではレーザーによるマーキングが
困難であったプラスチックスやゴム等の樹脂成形体の固
体表面上に、無機物質を含む樹脂粉末を塗布することに
より、レーザーマーキングすることを可能たらしめる方
法を提供せんとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、樹
脂成形体表面に、高エネルギーパルスレーザーの照射に
より任意形状の模様、文字、図形若しくは記号をマーキ
ングする方法であって、無機粒子を含有する樹脂粉末を
該樹脂成形体表面に塗布し、該マーキングに対応するパ
ターンにレーザーを照射することによって、該マーキン
グを成さしめるレーザーマーキング方法、または、樹脂
成形体の少なくとも表面が、プラスチックス、合成ゴ
ム、天然ゴムまたは樹脂を主成分とする塗料からなるレ
ーザーマーキング方法であり、または、無機粒子が、カ
ーボンブラックまたは顔料からなるレーザーマーキング
方法であり、また、無機粒子が、色彩を有するものであ
るレーザーマーキング方法である。
【0016】本発明において、樹脂成形体とは、プラス
チックやゴム自体にある形態を付与したものや、合成も
しくは天然の樹脂を主成分とする塗料が、ある形態の成
形体( かならずしもプラスチックやゴム製でなくてもよ
く、金属、セラミック、皮革またはガラス、鉱物、陶
器、磁器製等であってもよい )の表面に塗装されたもの
であって、要するに少なくともその表面層が樹脂により
形成されているものを云う。
【0017】本発明において、樹脂成形体を形成する樹
脂としては、特に限定するものではないが、例えば好ま
しくものを例示すれば、ポリエチレン、ポリスチレン、
ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、
ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、塩化ビニル樹
脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ア
イオノマー樹脂、フッ素系樹脂、ベークライト、セルロ
イド等のプラスチックスや、天然または人造の皮革、天
然ゴム、また、プラスチックス系のポリイソプレンゴ
ム、ポリ・ブタジエン・スチレンゴム、ポリ・ブタジエ
ン・ニトリルゴム、ポリクロロプレンゴム、ポリイソプ
レンゴム、ポリエチレン・プロピレンゴム、ポリシリコ
ーンゴム、ポリアクリルゴム、フッ素系等の素材から合
成された合成ゴムなどが適している。
【0018】また、金属、セラミック、ガラス、鉱物、
木、竹、皮革、磁器、陶器等からなる成形体の表面、も
しくは上記樹脂やゴムからなる成形体の表面に塗布され
るべき塗料としては、塩化ビニル樹脂、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂
等の合成樹脂を主成分とする塗料や、漆など天然の樹脂
を主体とする塗料が好適に使用できる。
【0019】本発明に云う、成形体とは、板状、球状、
円柱、紡錘形、円錐形、三角錐、直方体、立方体、多面
体、フィルム、シート、繊維状等の単純な形態は勿論、
不規則な曲面を有するものであってもよい。また、成形
体の表面の形状は平滑なものであっても、粗いものであ
ってもかまわないし、さらには、エンボス、窪み、ディ
ンプル、凹凸等が形成されていてもかまわない。
【0020】本発明は、かかる樹脂成形体の表面に、無
機粒子を含有する樹脂粉末を利用して、好適にレーザー
マーキングする技術である。ここで、無機粒子として
は、黒色を有するカーボンブラック粒子や、白色、黒色
またはその他の色彩を有する無機顔料粒子が好ましい。
かかる無機顔料としては、鉛白、亜鉛華、リトポン、チ
タン白、オーレオリン、コバルトグリーン、セルリアン
ブルー、コバルトブルー、コバルトバイオレット、カド
ミウムイエロー、カドミウムレッド、ウルトラマリン、
ベンガラ、群青等の、鉛、亜鉛、バリウム、コバルト、
クロム、カドミウム、鉄、マグネシウム等の、酸化物、
硫化物、炭酸塩、シアン塩、硫酸塩、燐酸塩からなるも
のが代表的であるが、レーザー照射により分解・消失す
るようなものでないかぎり、これに限られるものではな
い。
【0021】かかる無機粒子を含有する樹脂粉末として
は、スチレン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリア
ミド系等のものが好ましく用いられるが、レーザー照射
により成形体表面に固着しうるようなものあれば、これ
らに限定されない。樹脂粉末の大きさは、特に限定され
るものではないが、その粒径が、1μm以上100μm
以下程度のものが適しており、さらに好ましくは、5μ
m以上20μm以下程度である。
【0022】樹脂粉末中に混合される無機粒子の割合
は、特に限定されるものではないが、1%から20%程
度の割合であることが好ましい。また、無機粒子の粒径
は、特に限定されるものではないが、1μm以上100
μm以下程度のものが適しており、さらに好ましくは、
5μm以上20μm以下程度のものである。
【0023】無機粒子を含有する樹脂粉末としては、上
記した樹脂粉末と、無機粒子を任意に混合して調整して
もよいし、または市販されている、所謂PPC複写機用
のトナーをそのまま使用することもできる。その場合、
トナーしては、モノクロ用のカーボンブラック粒子含有
のトナーのみでなく、カラーコピー用のカラートナーを
も好適に使用することができる。
【0024】ここで、添付図面について説明するに、
〔図1〕は、本発明のために用いるレーザーマーキング
を行うために装置の概略図である。ここで、1は樹脂成
形体、2はレーザー光、31はガルバノメータースキャナ
ー(Y方向)、32は同じくガルバノメータースキャナー
(X方向)、33はレーザーロッド、34はQスイッチ素
子、35はシャッター、36はリアミラー、37はフロントミ
ラー、38はfθレンズ、41はコントローラー、42はコン
ピューターである。照射されるレーザー光2は、400
nm以上2000nm以下の、可視光域から近赤外光域
の光を発振することのできる固体レーザーが用いられ
る。このレーザーの出力は、10Wあれば充分であり、
5Wのレーザー出力でも対応可能である。
【0025】このレーザー設備自体は、従来公知のもの
がそのまま使用できる。その条件等についてはすでに、
〔従来の技術〕の項で述べたとおりである。照射される
レーザーは、高速での操作が可能であり、かつ高出力が
得られるように、CWレーザーをQスイッチによりパル
ス化させたものを照射させることができることが不可欠
である。パルス化のためのQスイッチ周波数は、1kH
z以上であり、20kHz以上の周波数を備えていれば
問題ない。
【0026】さらに、Qスイッチによるパルスレーザー
を、照射レーザー光のエネルギー量を高めるために、パ
ルス化したレーザー光として取り出せるように、図に示
したごとくレンズを用いて集光させる。その結果、照射
面における照射エネルギー密度を1×107 J/cm2
上にまで高めることができることが好ましい。その上、
長焦点距離にての集光が可能なようにfθレンズを用い
ることにより、できるだけ長い焦点距離をもたせること
ができる。かくして、より広い面積において、高エネル
ギーレーザー光を照射することができるようになってい
ることが望ましいのである。焦点距離としては、10cm
以上20cm以下であることが標準的である。例えば、焦
点距離が15cmの場合には、平坦な加工面において、半
径5cm程度の範囲が、中心加工位置におけるレーザーエ
ネルギー値からの低下を11%以下に押さえることがで
き、マーキング可能範囲である。
【0027】さらに、レーザー照射位置の制御について
は、レンズの向きをコントローラーにより制御すること
により照射位置を変化させることのできる、ガルバノメ
ーター・ミラー系31、32を採用することにより、被照射
物の位置を変更させることなく、マーキングを行うこと
ができる。
【0028】本発明においては、無機粒子を含む樹脂粉
末を、樹脂成形体表面に塗布し、この塗布面を高エネル
ギーレーザーを用いて照射することにより、照射面にお
いて無機粒子を固定させることができるのであるが、樹
脂成形物表面に、無機粒子を含む樹脂粉末を塗布する手
順について説明する。
【0029】樹脂成形体表面に塗布する方法は、無機粒
子を含む樹脂粉末を、基本的には該表面に薄く蒔き、そ
の上から軽く加圧し該樹脂成形体表面に保持させればよ
い。この加圧は、ローラー等で行ってもよいし、または
指圧にてこするような操作であっても充分である。な
お、場合によっては、操作性を上げるため、該樹脂粉末
を溶解しうる溶媒、またはこれをこれを分散しうる溶媒
を加えて、これをエマルションないしスラリー状態とし
て塗布し、塗布後乾燥して溶媒を除くことにより、塗装
膜を形成せしめてもよい。なお、その際、塗膜の塗布性
を上げるため、樹脂バインダーや界面活性剤を添加して
もよい。
【0030】表面に塗布する無機粒子を含む樹脂粉末の
厚みは、特に限定するものではないが、通常0.3mm以
下であることが望ましく、さらに好ましくは0.1mm以
下、0.001mm以上である。すでに述べたように、樹
脂成形体の固体表面が、凹凸形状を有しているものであ
っても、その凹凸の程度が、過大でなく、0.3mm程度
以内であれば、本発明を適用してマーキングすることが
充分に可能である。
【0031】本発明においては、この状態で高エネルギ
ーレーザーを照射することにより、照射面において、無
機粒子が樹脂粉末をバインダーとして表面に固定・ない
し定着されると考えられる。レーザーによるマーキング
幅は、特に制限はないが、通常0.1mm以上2.0mm以
下好ましくは0.3mm以内程度であることが好ましい。
これは、集光レンズによって高密度化したレーザーエネ
ルギーの出力をできるだけ高くする必要があるためであ
り、また、マーキング幅が上記以内であれば、マーキン
グされた部分が目視によって明瞭に確認できるためでも
ある。なお、一回の照射でのマーキングの固定が不充分
のときは、所望により、数回の照射を繰り返すことによ
り、よりマーキングは完全に行われる。
【0032】本発明においては、斯くしてレーザー照射
により、マーキングを行った後は、樹脂成形体の表面を
柔らかい紙、布、またはブラシ等で拭き取るか、もしく
は振動を与えることにより、レーザー照射されていない
部分の無機粒子は容易に表面から除去され、レーザー照
射面に固定された無機粒子からなる模様、文字、図形、
もしくは記号からなるパターンがマーキングされる。す
なわち、レーザーにて照射した部分にのみ、無機粒子が
固定され、明瞭に目視によってそのマーキング形状また
はパターンを確認することができるのである。
【0033】本発明によって得られたかかるマーキング
した任意の模様、文字、図形若しくは記号は、充分強固
であって、マーキング表面を擦っても容易には落剥して
消えたり薄くなったりしないものである。また、マーキ
ング箇所を水洗しても全く消えることはないことを確認
した。
【0034】本発明において、樹脂成形体が例えば球体
であるような場合においては、レーザーのマーキングを
行うことのできる範囲が極端に狭くなってしまう。この
ような場合においては、レーザーが照射される樹脂成形
体を回転させうる装置上に設置し、照射距離をレーザー
の出力が例えば10%程度以内に保たせるように配置す
ることによって、球体全面にマーキングすることができ
るのである。さらに、曲面を有するその他の形態の樹脂
成形体の場合も、適宜該成形体を、球体に倣って、随時
回転ないし移動させるような同様の装置を使用すること
により、同様にして曲面上に好適にマーキングすること
ができる。
【0035】
【実施例】
実施例1 以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、実施
例においては、樹脂成形品として、市販のゴルフボール
を選択し、その外皮( 最外殻表面 )に、YAGレーザー
加工機を用いて該表面に文字をマーキングした例を用い
て説明する。
【0036】ゴルフボールの外皮は、ポリイソプレンゴ
ムにより成っている、通常の種類のものであり、さらに
その表面にポリウレタンペイントによる塗装を施してい
る。なお、本実施例においては、表面の色が白いものと
橙色のものを用いて行った。無機粒子を含む樹脂粉末に
は、コピー機に用いられるPPCトナーを用いた。用い
たPPCトナーはカーボンブラックと、スチレン系の粉
末を混合させたものである。
【0037】レーザーマーカーは、YAGレーザーを搭
載した、レーザ・マーカ(三井東圧化学株式会社製)を
用いた。本レーザ・マーカは、マルチモードにおいて、
最大30Wのエネルギーを持つ、波長1064nmのレ
ーザー光を発振することができるCWタイプのものであ
り、Qスイッチにより1kHzから50kHzまでの、
パルスレーザーを発振させることができる。また、fθ
レンズを用いて、マーキング可能なワーキング距離、す
なわちレンズ下端からマーキング面までの距離を150
mmとしている。さらに、マーキング速度は1mm/sから4
00mm/sにおいて可変である。
【0038】マーキングの位置はガルバノメーター方式
により、X,Y方向に平面操作が可能であり、それぞれ
X,Yともに折り返しミラーの向きを操作するガルバノ
メータ・スキャナーのコンピューター制御により、照射
面において、任意形状の模様や記号あるいは文字をマー
キングすることができる。
【0039】さて、ゴルフボールの外皮表面に、PPC
トナーを塗布した後に、無塵布にて指圧にて軽く押しつ
け、塗布面を下にしても落ちないように保持させた。こ
の時、ゴルフボールのディンプルにPPCトナーが多く
付着し、ディンプル以外の表皮部分には薄く付着した。
【0040】この状態で、fθレンズの真下150mmの
位置に、ゴルフボールのPPCトナー塗布面が上にくる
ようにゴルフボールを設置し、この状態で、レーザーの
照射を行った。レーザーの照射条件および操作条件は下
記のとおりである。すなわち、照射レーザーのパルス当
たりのエネルギーは3×108 J/cm2 し、マーキング
による加工幅は0.2mmになるように制御した。さら
に、Qスイッチ周波数を5kHzとし、可動ステージの
移動速度は100mm/sとした。
【0041】マーキングの文字は、全長が10mm以内に
納まるように、三井東圧化学( 株 )を意味する「MT
C」の3文字をマーキングした。レーザーの照射回数が
1回の時でも、マーキングした3文字を読み取ることが
できたが、照射回数を3回にすることにより、マーキン
グした文字はより鮮明になった。
【0042】レーザーの照射後、余分のトナーを同じ
く、無塵布にて拭き取った。この拭き取りにより、マー
キングした文字を鮮明に残したまま、ゴルフボールの表
面に残存するトナーはきれいに除去することができた。
得られたマーキングは「MTC」の文字がはっきりと鮮
やかに刻印されているものであった。
【0043】このマーキングしたゴルフボールを水洗い
したが、文字の鮮明さは全く変化しなかった。また、指
によって、マーキングした文字を数回擦ったが、その鮮
明さは全く変化がなかった。さらに、通常のゴルフクラ
ブにて、室内用の簡易ゴルフ練習場にて、10回試し打
ちを行ったが、ゴルフボールに傷を受けた部分以外の部
分においてはマーキングした文字の鮮明さは全く変化が
なかった。なお、本実施例において、白いゴルフボール
および橙色のカラーゴルフボールの両者において検討を
行ったが、両者ともにマーキング文字の鮮明さには差が
なかった。
【0044】比較例1 実施例の場合と同様に、比較例においても、白いゴルフ
ボールおよび橙色のカラーゴルフボールを用いて検討し
た。ただし、比較例においては、ゴルフボールの外表面
に、無機粒子を含む樹脂粉末は塗布せず、そのままレー
ザー照射した。
【0045】レーザーは、実施例と全く同じ装置を用い
て行い、かつその操作条件もほぼ同様の条件で行った。
しかしながら、本比較例においては、ゴルフボール表面
の色に関わらず、目視によって確認できる程度のマーキ
ングを行うことは全くできなかった。そこで、レーザー
の出力をあげ、5×108 J/cm2の条件にて検討し
が、やはり目視によって確認できる程度のマーキングを
行うことは全くできなかった。
【0046】
【発明の効果】本発明は、高エネルギーパルスレーザー
の照射により任意形状の模様や記号、文字をマーキング
する方法において、無機粒子を混在させた樹脂粉末を塗
布することにより、従来困難とされていた成形樹脂表面
にマーキングすることを可能足らしめたものであり、レ
ーザーマーキングの様々な応用範囲への道を開拓するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のために用いたレーザーマーキングを行
うために装置の概略図
【符号の説明】
1 成形樹脂 2 レーザー光 31 ガルバノメータースキャナー(Y方向) 32 ガルバノメータースキャナー(X方向) 33 レーザーロッド 34 Qスイッチ素子 35 シャッター 36 リアミラー 37 フロントミラー 38 fθレンズ 41 コントローラー 42 コンピューター

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂成形体表面に、高エネルギーパルス
    レーザーの照射により任意形状の模様、文字、図形若し
    くは記号をマーキングする方法であって、無機粒子を含
    有する樹脂粉末を該樹脂成形体表面に塗布し、該マーキ
    ングに対応するパターンにレーザーを照射することによ
    って、該マーキングを成さしめるレーザーマーキング方
    法。
  2. 【請求項2】 樹脂成形体の少なくとも表面が、プラス
    チックス、合成ゴム、天然ゴムまたは樹脂を主成分とす
    る塗料からなるものである請求項1記載のレーザーマー
    キング方法。
  3. 【請求項3】 無機粒子が、カーボンブラックまたは顔
    料からなる請求項1記載のレーザーマーキング方法。
  4. 【請求項4】 無機粒子が、色彩を有するものである請
    求項1記載のレーザーマーキング方法。
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Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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