JPH08176539A - フォトクロミック粒子及びその製造方法 - Google Patents

フォトクロミック粒子及びその製造方法

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JPH08176539A
JPH08176539A JP6320084A JP32008494A JPH08176539A JP H08176539 A JPH08176539 A JP H08176539A JP 6320084 A JP6320084 A JP 6320084A JP 32008494 A JP32008494 A JP 32008494A JP H08176539 A JPH08176539 A JP H08176539A
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silver halide
inorganic oxide
photochromic
oxide layer
organic
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JP6320084A
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Toru Nakamura
徹 中村
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Nikon Corp
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 退色時に透明で、充分な着退色速度を有する
プラスチック材料への分散性に優れたフォトクロミック
材料を提供する。 【構成】 ハロゲン化銀微結晶と、このハロゲン化銀微
結晶を被覆する無機酸化物層と、これを被覆する有機物
層との3層からなることを特徴とするフォトクロミック
粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフォトクロミック物質、
特に退色時の透明性及び、繰り返し特性に優れ、様々な
プラスチック材料に分散状態で導入可能な、新規なフォ
トクロミック物質に関する。
【0002】
【従来の技術】光の照射により着色し、照射をやめると
元の無色または最初の色に戻る現象は古くから知られ、
フォトクロミズムと呼ばれている。フォトクロミズムを
示す物質としては無機物質、有機物質共にこれまで多く
の物質が研究され、報告されている。このうち、ハロゲ
ン化銀はグレ−またはブラウンに着色し、優れた繰り返
し特性を有する物質として知られており、すでに、フォ
トクロミックガラスとして実用化されている。これは、
ガラス中に分散した粒子径が50Åから300Å程度のハロ
ゲン化銀微結晶の可逆な光化学反応により着退色するも
のである。
【0003】フォトクロミックガラスの場合、ハロゲン
化銀微結晶は、ガラスの製造工程中の熱処理によって生
成し、その粒子径は主として温度条件によって制御可能
である。しかし、この手法はガラスという限定されたマ
トリックスの中でのみ可能となる特殊なものである。し
たがって、ガラス以外の、例えばプラスチックなどのマ
トリックス中にハロゲン化銀微結晶を分散状態で導入し
たり、あるいは薄膜中に導入したりする際には、新しい
製造技術が必要となる。
【0004】ハロゲン化銀微粒子を調製し、表面加工し
たのちにプラスチック中に導入する技術としては、USP4
046586、及び特開昭51−45541 に、水溶液中でハロゲン
化銀微結晶を合成し、その表面をSiO2等の無機酸化物で
被覆した後にプラスチック中に練り込む方法が示されて
いる。また、本発明者は、平均粒子径が約50Åから300
Åの範囲にあり、かつ粒子径の揃ったハロゲン化銀微結
晶によりフォトクロミズムが発現し、退色時の透明性及
び、充分な着退色速度を有するフォトクロミック材料、
及びその製造方法として、ハロゲン化銀微結晶を逆ミセ
ルの微小水滴中で合成し、その表面を無機酸化物層で被
覆する方法を、特願平5-305523に示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水溶液
中でハロゲン化銀微結晶を合成し、その表面をSiO2等の
無機酸化物で被覆した後にプラスチック中に練り込む方
法では、粒子径が300Å以下の小さなハロゲン化銀微結
晶を合成することは困難であり、さらに、粒子径の揃っ
たハロゲン化銀微粒子を再現性良く繰り返し合成するこ
とは一層困難である。このように、粒子径が大きな、或
いは粒子径が不揃いなハロゲン化銀微粒子をフォトクロ
ミック材料として用いると、退色時に透明な材料が得ら
れないのに加え、充分な着退色速度を有する材料が得ら
れないという問題点があった。
【0006】また、ハロゲン化銀微結晶を逆ミセルの微
小水滴中で合成し、その表面を無機酸化物層で被覆する
方法では、ハロゲン化銀微結晶の大きさが50Åから300
Åの範囲で揃っており、着退色特性の向上は実現出来た
が、プラスチック材料への分散性が悪く、透明性の良好
なプラスチック材料が得られにくいという問題点があっ
た。
【0007】そこで、本発明は、平均粒子径が約50Åか
ら300Åの範囲にあり、かつ、粒子径の揃ったハロゲン
化銀微結晶により充分な着退色速度を有するフォトクロ
ミズムが発現し、さらに、プラスチック材料への分散性
に優れたフォトクロミック材料及び、その製造方法を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、ハロゲ
ン化銀微結晶と、このハロゲン化銀微結晶を被覆する無
機酸化物層、及びこの無機酸化物層を被覆する有機物層
からなることを特徴とするフォトクロミック粒子を、有
機溶媒、界面活性剤、及び水よりなる逆ミセル溶液中に
形成される逆ミセルの微小水滴の中で合成することによ
り達成された。
【0009】
【作用】以下、本発明を詳細に説明する。本発明のフォ
トクロミック粒子は図1に示すような3層構造をしてお
り、かつ粒子径が小さく、また揃っていることが特徴で
ある。内側のハロゲン化銀層はフォトクロミズムを示す
ハロゲン化銀より成り、本発明の粒子にフォトクロミッ
ク特性を付与する。また、中間の無機酸化物層は、ハロ
ゲン化銀微粒子の粒子径を均一な大きさに保つ役割をす
ると共に、着退色の繰り返し安定性を付与する役割もし
ている。さらに、外側の有機物層は、プラスチック材料
への良好な分散性を付与するために設けられている。以
下、各層毎に詳細に説明する。
【0010】ハロゲン化銀層:本発明で使用するハロゲ
ン化銀は、AgCl,AgBr,AgI およびこれらの混合物また
はこれらの固溶体である。ハロゲン化銀のフォトクロミ
ズムは、下記の反応式〔1〕に示すような機構で起こ
り、光照射により生成する銀原子またはこれらが数原子
集まってできる銀クラスタ−が着色の原因であると考え
られている。 反応式〔1〕
【0011】
【化3】
【0012】(ただし、X- はハロゲンイオンすなわ
ち、Cl- 、Br- 、及びI- のいずれかをあらわす。ま
た、Ag0 は光照射によりハロゲン化銀結晶中に生じる銀
原子、X0は同じく光照射により生じるハロゲン原子を表
す。) さらに、良好なフォトクロミック特性を得るためには、
増感剤としてはたらくイオンをハロゲン化銀が含有して
いることが望ましい。これまでに、増感効果があると報
告されたイオンとしては、Cu+ 、S2- 、S2O3 2-、及びCd
2+などを挙げることができるが、これらの増感作用の機
構は必ずしも充分解明されたとは言えない。しかし、Cu
+ についての研究報告例はこれまで比較的多く、Cu+
下記の反応式〔2〕に示すような機構で、銀の酸化還元
反応に寄与し、増感剤としてはたらいていると考えられ
ている。 反応式〔2〕
【0013】
【化4】
【0014】また、透明なフォトクロミック材料を得る
ためには、このハロゲン化銀微結晶の粒子径は300Å以
下であることが望ましい。粒子径がこれ以上大きいと可
視光の散乱が強くなり、退色時に透明な材料が得られな
いからである。逆に、ハロゲン化銀微結晶の粒子径が50
Å以下になると光照射をしても殆ど着色しなくなるとい
われている。これは、何らかの量子サイズ効果と考えら
れるが、その詳細は今の所不明である。
【0015】無機酸化物層:後の項で詳しく述べるが、
本発明のフォトクロミック粒子の製法上の特徴は、逆ミ
セル中の微小水滴を反応場として用いることにある。ハ
ロゲン化銀微粒子の粒子径は、この微小水滴の大きさで
規定され、非常に小さく、かつ大きさの揃ったものとな
る。しかし、このハロゲン化銀微粒子は、そのままでは
充分に安定とは言えず、逆ミセル中でも次第に結晶成
長、あるいは凝集し、やがて大きな粒子となり、沈澱を
生じる。そこで、ハロゲン化銀微粒子を合成後、ただち
にその表面を無機酸化物で被覆することにより結晶成長
や凝集を防ぎ、粒子径を安定化することが可能になった
のである。
【0016】一方、ハロゲン化銀のフォトクロミズム
は、既に示した上記の反応式〔1〕に示すような機構で
起こる。着退色の繰り返し安定性を実現するには、銀原
子と同時に生成するハロゲン原子(X0)が再び銀原子と反
応してハロゲン化銀にもどる逆反応が起こる事が必要で
ある。したがって、反応式〔1〕の反応で生成したハロ
ゲン原子(X0)がハロゲン化銀結晶外部に拡散するのを防
がなくてはならない。また、ハロゲン化銀結晶外部から
不純物が浸入してフォトクロミック特性を低下させるの
を防ぐことも重要である。 ハロゲン化銀に対して不活
性な無機酸化物でハロゲン化銀結晶表面を被覆すること
により、これら2つの要求は満たされる。
【0017】有機物層:有機物層は、無機酸化物層の表
面を覆い、プラスチック材料への分散性を増すために設
けられている。また、有機物層があると、フォトクロミ
ック粒子を乾燥した粉末状態で保存する際に、不可逆な
凝集が起こるのを防ぐこともでき、再分散が容易にな
る。プラスチック材料に良好な分散性を示す有機物層
は、長い疎水基を有する界面活性剤やケイ素化合物を、
無機酸化物層に吸着または化学結合させることにより得
られる。例えば、図2に示すように、一般式〔1〕(図
においては化1)または一般式〔2〕(図においては化
2)またはその両方からなる有機物である。
【0018】以下では、本発明のフォトクロミック粒子
の合成方法について述べる。本発明のフォトクロミック
粒子のような小さな粒子径の所謂超微粒子の合成方法は
これまでに数多く報告されているが、その内で逆ミセル
を利用する方法は特別な大型装置を必要とせず、かつ安
全性にもすぐれた手法であり、本発明でもこの手法を採
用している。
【0019】逆ミセルとは、有機溶媒中で界面活性剤分
子が集合することにより形成される分子集合体の一種で
ある。逆ミセルを構成する界面活性剤分子各々は、その
親水基を内側に、疎水基を外側すなわち有機溶媒相側に
向けて配向していることが知られている。親水基が集ま
った部分には、水などの極性分子を保持する能力があ
り、実際、適当な条件下では界面活性剤を有機溶媒に溶
解した溶液に水を加えると、水は直径数百Å程度の極め
て小さな水滴になって有機溶媒中に安定に分散すること
ができ、この微小な水滴はwaterpool と呼ばれている。
さらに、これらのwaterpool には様々な電解質を溶解す
ることができる。このように、逆ミセルのwaterpool を
反応場として用い、さらに、ハロゲン化銀微粒子の表面
を無機酸化物で被覆して安定化することにより、本発明
においては、粒子径が50Åから300Å程度と非常に小さ
く、かつ粒子径の揃ったハロゲン化銀微粒子により着退
色するフォトクロミック粒子を合成することが可能にな
ったのである。
【0020】有機溶媒中で逆ミセルを形成する界面活性
剤は数多くが知られており、代表的なものとしては、非
イオン性界面活性剤であるポリエチレングリコ−ルノニ
ルフェニルエ−テル、陰イオン性界面活性剤であるAO
T(スルホ琥珀酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウ
ム)、及び陽イオン性界面活性剤である四級アンモニウ
ム塩等が挙げられる。
【0021】一方、有機溶媒としては様々な物質が使用
可能であるが、一例を挙げると、シクロヘキサン、メチ
ルシクロヘキサン、イソオクタン、ベンゼン、ヘプタ
ン、トルエン等である。以下、本発明のフォトクロミッ
ク粒子の合成方法を、実際の手順にしたがって説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。 合成例: (1)界面活性剤を有機溶媒に添加し、均一に溶解する
まで撹拌する。 (2)(1)の溶液に硝酸銀の水溶液を添加し、透明に
なるまで撹拌する。 (3)(2)の溶液にNaBr、NaCl、NaI 、KBr 、KCl 、
およびKIのいずれか、またはこれらの混合物の水溶液を
添加し、透明になるまで撹拌する。この段階で、逆ミセ
ルのwaterpool 中では、下記の反応式〔3〕に示す反応
により、ハロゲン化銀の微結晶が生成する。 反応式〔3〕
【0022】
【化5】
【0023】(ただし、XはBr、Cl、及びI のいずれか
を表し、Mは、NaまたはKを表す。)尚、この段階で
は、系内のハロゲンイオン濃度が銀イオン濃度を越えな
いようにしておくと、次の無機酸化物層を形成する工程
でのハロゲン化銀微粒子の安定性が良くなる。 (4)(3)の溶液に、SiO2の原料物質としてテトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシラン等のケイ素化合物
を添加し、溶液が均一になるまで撹拌する。 (5)(4)の溶液に、触媒を添加し、数時間乃至数日
間撹拌する。ここで使用可能な触媒としては、アンモニ
ア、塩酸、臭化水素酸、酢酸等が挙げられるが、アンモ
ニアを用いた場合、特に粒子径の揃ったSiO2を合成する
のが容易である。
【0024】この段階で、逆ミセルのwaterpool 中で
は、反応式〔4〕に示すように、ケイ素化合物が加水分
解を受けた後脱水縮合反応が起こることにより、SiO2
すなわち無機酸化物層が形成される。 反応式〔4〕
【0025】
【化6】
【0026】(ただし、Rはメチル基、エチル基等のア
ルキル基を表し、nは1、2、3、又は4のいずれかの
整数を表す。) (6)(5)の溶液に、有機物層の原料物質として、下
記の一般式〔2〕で表されるケイ素化合物を添加し、さ
らに数時間乃至数日撹拌する。 一般式〔2〕
【0027】
【化7】
【0028】(ただし、R1 は炭素原子数3から18まで
のアルキル基、メタクリルオキシプロピル基、及びグリ
シジルオキシプロピル基のいずれかを表す。また、R2
はメチル基またはエチル基を表し、nは0、1、または
2のいずれかを表す。) (7)(6)の溶液を高沸点溶媒に置換する。 (8)(7)の溶液に、臭化アンモニウム等のハロゲン
を含有する化合物を添加し、溶液中の全ハロゲン濃度が
全銀濃度を上回るようにする。良好なフォトクロミズム
を発現させるには、ハロゲンが過剰の条件が望ましいか
らである。 (9)(8)の溶液を撹拌しながら、1000C乃至3000Cで
数時間加熱する。この加熱により、より強固な無機酸化
物層が形成され、同時に有機物層も形成されると考えら
れる。 (10)(9)の溶液に、エタノ−ルと水の混合液等の
極性溶媒を添加し、析出した粒子を遠心分離やろ過によ
って集め、乾燥する。 (11)臭化第一銅をアセトニトリルに溶解したのち、
この溶液に、(10)で得た粉末状の粒子を添加し、数
時間撹拌する。この間に、ハロゲン化銀の微結晶に増感
作用を示すCu+が導入されると考えられる。 (12)(11)の溶液をろ過して、フォトクロミック
粒子を単離したのち、乾燥する。
【0029】このようにして合成したフォトクロミック
粒子は、メタクリル酸メチル、スチレン、CR39等の
光学プラスチック用モノマ−に容易に再分散し、この分
散液を重合することにより、透明なフォトクロミックプ
ラスチック材料が得られる。
【0030】
【実施例1】一般式〔3〕に示す構造の物質でn=5の
物質(以下これをNP5と称する)28gをシクロヘキサ
ン375 mlに溶解した。 一般式〔3〕
【0031】
【化8】
【0032】(ただし、nは2から20までの整数であ
り、Phはフェニル基を表す。) この溶液に、まず1mol/l のNaBr水溶液を4.5ml添加
し、次いで、1mol/lのAgNO3 水溶液を5.4ml、テトラメ
トキシシランを3.2ml、1mol/lのNH3 水溶液を1.8ml そ
れぞれ5分間隔で添加した。尚、この間溶液の撹拌は継
続した。さらに約48時間撹拌後、γメタクリルオキシプ
ロピル(ジメトキシ)メチルシラン2.51ml、エタノ−ル
5ml、純水1.95ml、及び2mol/lのHBr 水溶液1滴を混合
後添加し、さらに撹拌を継続した。
【0033】24時間後、エタノ−ル500mlを添加し、400
Cでエバポレ−トした。次にベンジルアルコ−ル100ml
を加え、800Cで再びエバポレ−トした。上記の処理によ
りエタノ−ル及びシクロヘキサンが充分に取り除かれた
ベンジルアルコ−ル溶液を、オイルバス中で1300Cで2
時間加熱処理後、ろ過した。NH4Br0.2gを添加後、再び
オイルバス中で2000Cで3時間加熱した。冷却後、ろ過
し、ろ液をエタノ−ル320ml 及び純水80mlの混合液に添
加した。
【0034】数時間放置後、析出したフォトクロミック
粒子を遠心分離により分離し、乾燥した。以上の操作に
より、約1.3gの薄黄色の粉末が得られた。上記の粉末0.
3gを、CuBrのアセトニトリル溶液(2.5g/l)10mlに加
え、1時間撹拌後、ろ過により粉末を回収し、乾燥し
た。上記の操作で得られた粉末に、150 Wのキセノンラ
ンプの光を、15cmの距離で5分間照射したときの拡散反
射スペクトルの変化を図3に示す。これより、この粉末
がフォトクロミズムを示すことが確認された。
【0035】同じく、上記の操作で得られた粉末のX線
回折スペクトルを図4に示す。これより、この粉末が臭
化銀の結晶を含有することが確認され、さらに、回折線
の線幅の拡がりより、臭化銀微結晶の粒子径を求める
と、120Åであった。また、蛍光X線分析により、銀と
銅の定量を行ったところ、銀に対し約5%の銅が含まれ
ている事が確認された。
【0036】
【実施例2】実施例1で得たフォトクロミック粒子の粉
末30mgをメタクリル酸メチルモノマ−3mlに添加後、30
分間の超音波照射を行い、分散させた。次いで架橋剤0.
15ml及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル
3mgを添加し、加熱した。加熱処理は、400Cから700Cを
12時間、700Cから850Cを6時間、さらに850Cから100 0C
を3時間かけて昇温したのち、1000Cの一定温度でさら
に3時間処理した。
【0037】上記の操作で、薄黄色で透明度の良好な成
形体が得られ、これに150 Wのキセノンランプの光を、
15cmの距離で5分間照射したときの透過スペクトルの変
化を図5に示す。これより、この成形体がフォトクロミ
ズムを示すことが確認された。
【0038】
【実施例3】実施例1のNaBr水溶液に代え、NaCl水溶液
を用いる以外は、全て実施例1と同様に行った。
【0039】
【実施例4】実施例1のNaBr水溶液に代え、NaI 水溶液
を用いる以外は、全て実施例1と同様に行った。
【0040】
【実施例5】実施例1の1mol/l のNaBr水溶液4.5mlに
代え、1mol/l のNaCl水溶液2.25mlと1mol/l のNaBr水
溶液2.25mlの混合液を用いる以外は、全て実施例1と同
様に行った。
【0041】
【実施例6】実施例1のNaBr水溶液に代え、KBr 水溶液
を用いる以外は、全て実施例1と同様に行った。
【0042】
【実施例7】実施例1のNaBr水溶液に代え、KCl 水溶液
を用いる以外は、全て実施例1と同様に行った。
【0043】
【実施例8】実施例1のNaBr水溶液に代え、KI水溶液を
用いる以外は、全て実施例1と同様に行った。
【0044】
【実施例9】実施例1の1mol/l のNaBr水溶液4.5mlに
代え、1mol/l のKCl 水溶液2.25mlと1mol/l のKBr 水
溶液2.25mlの混合液を用いる以外は、全て実施例1と同
様に行った。
【0045】
【発明の効果】以上の通り本発明に従い、ハロゲン化銀
微結晶と、このハロゲン化銀微結晶を被覆する無機酸化
物層、及びこの無機酸化物層を被覆する有機物層よりな
る3層構造を有することを特徴とするフォトクロミック
粒子を合成することができた。このフォトクロミック粒
子のハロゲン化銀微結晶は平均粒子径が50Åから300Å
の範囲にあり、かつ粒子径が揃っているという特徴をも
ち、さらには、プラスチック材料への分散性に優れてい
るので、透明性の良好なプラスチックフォトクロミック
材料を提供することが可能になった。こうして得られる
プラスチックフォトクロミック材料は、特に眼鏡レンズ
に適しているが、その他に自動車、航空機、或いは建造
物の窓などにフォトクロミック特性を付与する目的でも
利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフォトクロミック粒子の層構造を示
す断面図である。
【図2】 本発明のフォトクロミック粒子の、特に有機
物層の構造を示す断面図である。
【図3】 実施例1におけるフォトクロミック特性を示
す、拡散反射スペクトルである。
【図4】 実施例1におけるX線回折スペクトルであ
る。
【図5】実施例2におけるフォトクロミック特性を示
す、透過スペクトルである。
【符号の説明】
a・・・ハロゲン化銀微粒子 b・・・無機酸化物層 c・・・有機物層 1・・・キセノンランプ光照射前 2・・・キセノンランプ光照射直後 3・・・1時間後 4・・・24時間後

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が約50Åから300Åの範囲に
    あり、かつ、粒子径の揃ったハロゲン化銀微結晶と、こ
    のハロゲン化銀微結晶の全面を被覆する無機酸化物層、
    及びこの無機酸化物層を被覆する有機物層からなること
    を特徴とするフォトクロミック粒子。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化銀微結晶が、AgCl、AgBr、Ag
    I 及びこれらの混合物またはこれらの固溶体からなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のフォトクロミック粒
    子。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化銀微結晶が、増感剤としてCu
    + 、S2- 、S2O3 2-、及びCd2+から選ばれる少なくとも1
    種のイオンを含有することを特徴とする請求項1に記載
    のフォトクロミック粒子。
  4. 【請求項4】 無機酸化物層が、SiO2からなることを特
    徴とする請求項1に記載のフォトクロミック粒子。
  5. 【請求項5】 有機物層が、下記の一般式〔1〕で表さ
    れる有機化合物または下記の一般式〔2〕で表されるケ
    イ素化合物またはこれらの混合物であり、無機酸化物層
    に化学結合または吸着することにより形成されることを
    特徴とする請求項1に記載のフォトクロミック粒子。 一般式〔1〕 【化1】 (ただし、Rは炭素原子数8から18までのアルキル基、
    ベンジル基、C9H17Ph(OCH2CH2)n 、及び CmH2m+1(OCH2C
    H2)n のいずれかを表す。ここで、Phはフェニル基を表
    し、mは8から18までの整数、nは2から20までの整数
    をそれぞれ表す。) 一般式〔2〕 【化2】 (ただし、R1 は炭素原子数3から18までのアルキル
    基、メタクリルオキシプロピル基、及びグリシジルオキ
    シプロピル基のいずれかを表す。また、R2 はメチル基
    またはエチル基を表し、nは0、1、または2のいずれ
    かを表す。)
  6. 【請求項6】 以下の工程からなるフォトクロミック粒
    子の製造方法。 1)有機溶媒、界面活性剤、及び水よりなる逆ミセル溶
    液中に形成される逆ミセルの微小水滴の中で、銀イオン
    とハロゲンイオンの反応によりハロゲン化銀微結晶を合
    成する第1工程 2)前記第1工程により合成した、ハロゲン化銀微結晶
    を分散した逆ミセル溶液に、無機酸化物層の原料物質、
    触媒、及び有機物層の原料物質を添加し、一定時間撹拌
    することにより、粒子径の揃ったハロゲン化銀微結晶を
    無機酸化物の含水ゲルで被覆する第2工程 3)前記第2工程により合成した、無機酸化物の含水ゲ
    ルで被覆されたハロゲン化銀微結晶の分散液の溶媒を、
    高沸点の有機溶媒に置換したのち、加熱処理し、強固な
    無機酸化物層の形成と、有機物層の形成を行う第3工程 4)前記第3工程により合成した、無機酸化物層、及び
    有機物層で被覆されたハロゲン化銀微結晶に、増感剤イ
    オンを含有する溶液を作用させる第4工程
  7. 【請求項7】 ハロゲン化銀微結晶が、AgCl、AgBr、Ag
    I およびこれらの混合物またはこれらの固溶体からなる
    ことを特徴とする請求項6に記載のフォトクロミック粒
    子の製造方法。
  8. 【請求項8】 増感剤イオンが、Cu+ 、S2- 、S2O3 2-
    及びCd2+のいずれか1種、またはこれらのうち2種以上
    のイオンの混合物であることを特徴とする請求項6に記
    載のフォトクロミック粒子の製造方法。
  9. 【請求項9】 無機酸化物層が、SiO2からなることを特
    徴とする請求項6に記載のフォトクロミック粒子の製造
    方法。
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