JPH0817833B2 - ナトリウム―硫黄電池における火災の消火方法 - Google Patents

ナトリウム―硫黄電池における火災の消火方法

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JPH0817833B2
JPH0817833B2 JP1252815A JP25281589A JPH0817833B2 JP H0817833 B2 JPH0817833 B2 JP H0817833B2 JP 1252815 A JP1252815 A JP 1252815A JP 25281589 A JP25281589 A JP 25281589A JP H0817833 B2 JPH0817833 B2 JP H0817833B2
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孝 切澤
年明 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はナトリウム−硫黄電池における火災の消火方
法にかかり、詳しくはナトリウム−硫黄電池に異常が発
生して内部の活物質の化学反応により発生した火災の消
火方法に関するものである。
[従来の技術] 最近、電気自動車、夜間電力貯蔵用の二次電池として
性能面および経済面の両面において優れ、300〜400℃で
動作する高温型のナトリウム−硫黄電池の研究開発が進
められている。
すなわち、性能面ではナトリウム−硫黄電池は鉛蓄電
池に比べて理論エネルギー密度が高く、充放電時におけ
る水素や酸素の発生といった副作用もなく、陽極活物質
の利用率も高く、経済面ではナトリウムおよび硫黄が安
価であるという利点を有している。このナトリウム−硫
黄電池を複数個直列に接続して、さらにその直列接続し
たものを複数配置して300〜400℃に加熱することによ
り、活物質となる金属ナトリウムおよび硫黄を溶融し、
溶融状態で活物質のイオンの移動を行わせ、互いに電気
化学反応を行わせて所定の電気エネルギーを得るように
している。
[発明が解決しようとする課題] ところが、このナトリウム−硫黄電池に事故短絡電流
等により過電流が流れる等何らかの事情により、ナトリ
ウム−硫黄電池内部の固体電解質管が破壊されることが
ある。このように破壊された場合、固体電解質管により
内外に区分されていた溶融金属ナトリウムと溶融硫黄と
が直接接触、混合して化学反応を起こし、その反応熱に
より、そのケース内で火災が発生する。
この場合、金属ナトリウム、硫黄およびこれらの化学
反応による生成物と非反応な消火剤として砂などをケー
ス上面からケース内に流し込むことにより酸素を遮断す
るとともに、砂の冷却作用によって消火する方法が考え
られるが、砂はミクロ的に見ると不規則な形状であり、
均一に分散させるためにはケース上面に多数の流入孔を
設けなければならないという問題があった。さらに、砂
は吸湿性があるので、消火作業時に砂の内部に含まれる
水分と金属ナトリウムとが反応しないようにするための
砂の保存管理、すなわち水分を吸湿しないように乾燥状
態を維持する管理を厳重にしなければならないという問
題があった。
本発明の目的は、消火剤の管理が容易でナトリウム−
硫黄電池の火災を迅速に消火することができるナトリウ
ム−硫黄における火災の消火方法を提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するため、本願発明は、ナトリウム
−硫黄電池により構成された集合電池群を収納したケー
ス内に対し、前記電池の活物質および火災発生時の生成
物と非反応性を有するとともに、吸湿性がなく絶縁性を
有した多数のセラミック球状粒を入れることをその要旨
とする。
[作用] 上記構成により、ケース内に球状粒を流入すると溶融
状態にある硫黄、金属ナトリウムおよび多硫化ナトリウ
ムはセラミック球状粒によりそれぞれの融点以下の温度
まで冷却されて凝固し固体となる。凝固した硫黄および
多硫化ナトリウムは反応性に欠けるため不活性化する。
一方、金属ナトリウムはセラミック球状粒により酸素が
供給されなくなり、空気中の酸素との反応が抑制され
る。さらにセラミック球状粒は摩擦抵抗が小さく流動・
拡散性がよいので、電池相互の隙間に自重により流入充
填され易く、消火作業が確実となる。
又、この発明ではセラミック球状粒が絶縁性を有して
いるので、消火作業中の電池相互の短絡事故が防止され
る。
[実施例] 以下、本発明を具体化した一実施例を図面に基づいて
説明する。
第1図に示すように、ケース2は四角箱形状に形成さ
れるとともに、内外二重の壁構造を有しており、内外の
壁間には断熱材1が介在配置されている。前記ケース2
の底部には支持部材3を介して載置台4が配設されてい
る。その載置台4には集合電池5が立設固定されてい
る。
各集合電池5はその内部の図示はしないが、単体のナ
トリウム−硫黄電池が上下方向に積層されて直列接続さ
れている。そして、単体のナトリウム−硫黄電池は固体
電解質管を介して金属ナトリウムと硫黄が区分して収納
されている。6は前記載置台4とケース2の底部に設け
られた電気ヒータであって、ケース2内の温度を約320
℃に加熱して、集合電池5内の金属ナトリウム、硫黄を
溶融可能とする。
第1図において、ケース2の左側上方には一対のパイ
プ7a,7bが貫設されている。一方のパイプ7aは外部の空
気などを流入する流入パイプ7aであり、他方のパイプ7b
はケース2内部の空気を排出するための排出パイプ7bで
ある。この各パイプ7a,7bにより空気の循環と、電気ヒ
ータ6の加熱制御によりケース2内の温度約320℃程度
に保つようにしている。
また、ケース2の左側側部には四角形状の支持台8が
配置され、その上部はケース2よりも上方へ突出されて
いる。この支持台8の上部には貯蔵タンク9が載置固定
され、その貯蔵タンク9の右側下方には右側下方へ斜状
に延出する供給パイプ10が複数本設けられている(第5
図参照)。さらに、前記供給パイプ10の下部には所定間
隔毎に流出パイプ11が設けられ、その先端が前記ケース
2の上面を貫通するように設けられている。
さらに、前記貯蔵タンク9内には球状のセラミック粒
Sが貯蔵され、ケース2内で火災が発生したとき供給パ
イプ10および流出パイプ11を介してケース2内に流入す
るようになっている。なお、12は貯蔵タンク9からセラ
ミック粒Sを流出してケース2内に流入するための電磁
弁である。また、前記ケース2はその内部が結露しない
ように断熱構造になっている。
次に、ケース2内に流入するセラミック粒Sの特性お
よび種類について説明する。
前記セラミック粒Sの粒径は0.6mmφであり、0.2〜2.
0mmφの範囲内のものが適している。そして、このセラ
ミック粒Sの表面は平滑に形成されており、摩擦係数を
低くしている。また、材質としては普通磁器をベースと
する長石質普通磁器、アルミナ含有磁器、クリストバラ
イト磁器、アルミナ磁器、ジルコン磁器、コージェライ
ト磁器などが適しており、本実施例においては長石質普
通磁器を使用している。また、これらの材料は吸湿性が
全くなく放置しておいても水を含むことはない。
さらに、上記の材料の体積抵抗率は温度によって若干
低下するが、少なくとも1MΩcm以上の体積抵抗率を有し
ている。
また、金属ナトリウムは凝固状態であってもフッ化水
素(HF)、塩化水素(HCl)、硫化水素(H2S)、水素
(H)、臭素(Br)、フッ素(F)、塩素(Cl)、硫黄
(S)、水銀(Hg)、水(H2O)などと反応するため、
これらの物質が含まれないセラミック粒Sを選択する必
要がある。
また、金属ナトリウムと硫黄が酸化反応で生成される
反応生成物質として、二酸化硫黄(SO2)、水酸化ナト
リウム(NaOH)、酸化ナトリウム(Na2OH)、過酸化ナ
トリウム(Na2O3)、硫化ナトリウム(Na2SO3)、二硫
化炭素(CS2)があり、さらに前記金属ナトリウムと硫
黄との酸化反応のときにその酸化反応熱に起因して空気
中の酸素が酸化されて窒素酸化物(NOx)などが生成さ
れる。したがって、上記反応生成物質と反応しない球状
のセラミック粒Sを選択する必要がある。
ここで、比較のために同一粒径0.6mmφのセラミック
粒Sと、平均粒径0.6mmφの砂Oを使用してその同一面
積を覆うために必要とされるセラミック粒Sと砂Oとの
最低限の落下高さをそれぞれ測定した。逆に、同一高さ
からセラミック粒Sと砂Oとをそれぞれ落下させた場合
に覆うことができる面積の比較試験を行った。
第2〜4図に示すように、高さHから砂Oを落下させ
たときの広がり面積と同一の面積をセラミック粒Sにて
覆う場合、砂Oに比べて拡散性がよいため1/3H程度の高
さからセラミック粒Sを落下させればよいことがわか
る。
また、同の一高さからセラミック粒Sおよび砂Oを落
下した場合、砂Oの安息角は40〜45度であり、セラミッ
ク粒Sの安息角は約20度で、セラミック粒Sの安息角の
方が小さいことがわかる。なお、安息角とは砂Oおよび
セラミック粒Sよって形成される円錐台の頂点から縦断
面にしたとき、二等辺三角形の底辺とその底辺と頂点と
を結ぶ斜辺とにより構成された角度をいう。さらに、同
一高さから砂Oを落下させたときの広がり面積をAとす
ると、セラミック粒Sの広がり面積は7.5Aとなる。
次に、ナトリウム−硫黄電池の火災の消火方法につい
て説明する。
ケース2内の温度を約320℃に保持された状態では、
集合電池5を構成するナトリウム−硫黄電池の金属ナト
リウムおよび硫黄が溶融した状態となっている。
ここで、何等かの原因で集合電池5を構成するナトリ
ウム−硫黄電池の固体電解質管が破損すると固体電解質
管内の溶融した金属ナトリウムおよび陽極容器内の溶融
した硫黄とが直接接触、混合する。すると、主たる反応
として次のような化学反応が行われ、多硫化ナトリウ
ム、特に最終的には硫化二ナトリウムを生成する。
2Na+XS→Na2Sx このとき、化学反応熱が多量に発生して集合電池5の
ケースが破損し、金属ナトリウムおよび硫黄がケース2
内に流出する。すると、金属ナトリウムは空気中の酸素
等とさらに反応して高温状態となり、他の集合電池5を
破壊していくことになる。
したがって、ケース2内の図示しないセンサ、例えば
熱センサ、火災発生時にガスを検出するガスセンサ等が
この異常事態を検出すると、制御装置が流入パイプ7a,
排出パイプ7bを閉塞して空気の循環を停止するととも
に、電気ヒータ6の加熱を停止する。そして、供給パイ
プ10に設けられた電磁弁12を開放し、貯蔵タンク9から
セラミック粒Sを放出する。そして、そのセラミック粒
Sを供給パイプ10および流出パイプ11を介してケース2
内に流入して充填する。
すると、セラミック粒Sは熱伝導率が大きいため、ケ
ース2内に流出した金属ナトリウムおよび硫黄を素早く
冷却する。これにより、硫黄は熱を奪われて凝固し、化
学反応が停止するため化学的に安全な物質に変わる。一
方、金属ナトリウムも熱を奪われて凝固する。また、セ
ラミック粒Sは空気中の酸素および水分等と反応してい
る金属ナトリウムの全体を覆うため、これらの化学反応
が抑制される。この結果、金属ナトリウムおよび硫黄の
化学反応を停止して火災を消火することができる。さら
に、セラミック粒Sと金属ナトリウム、硫黄と、セラミ
ック粒Sと硫黄とは全く化学的に反応しないため安全で
ある。
また、セラミック粒Sは吸湿性が全くないため、水分
などとの化学反応がなく新たに火災源となることがな
い。さらに、セラミック粒Sを貯蔵タンク9内に貯蔵す
る場合、保存管理が容易である。
一方、仮に砂Oを使用した場合、第7,8図に示すよう
に安息角を考慮して均一に拡散させるため、ケース2の
上面に間隔L毎に流出パイプ11を設ける必要がある。
ところが、本実施例では第5,6図に示すようにセラミ
ック粒Sの場合は拡散性がよく、ケース2上面に設ける
流出パイプ11は間隔2.75L毎に設ければよい。この結
果、流出パイプ11を砂Oを流出させる場合よりも約1/6
の程度に減らすことができるため、設備構造を簡単にす
ることができる。
さらに、同一面積を覆う場合砂Oの落下点高さHの1/
3程度の高さからセラミック粒Sを落下させればよく、
ケース2上部からセラミック粒Sを落下させる点を低く
することができるので、セラミック粒Sの供給構造を全
体にコンパクト化することができる。
なお、この発明は前記実施例に限定されるものではな
く、この発明の趣旨から逸脱しない範囲内で任意に変更
することも可能である。
[発明の効果] 以上、詳述したように、この発明によればセラミック
球状粒は金属ナトリウム、硫黄およびこれらの化学反応
による生成物との反応が全くないため、消火時の安全性
が向上し、集合電池の火災を確実に消火することができ
るという効果がある。
また、セラミック球状粒には吸湿性がないため、その
貯蔵管理が容易であるとともに、セラミック球状粒の拡
散性がよいため供給するための設備構造を簡単にするこ
とができるという効果がある。
さらに、セラミック粒はナトリウムと硫黄が激しく反
応してもその温度により溶融しないので、流動・拡散性
を有するセラミック球状粒が電池相互の隙間に迅速かつ
確実に充填され、この点からも消火作業を確実に行うこ
とができる。
さらに、セラミック粒は絶縁性を有するため、火災の
消火作業時に電池相互の短絡事故を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の概略説明図、第2図はセラミック粒お
よび砂の広がり面積と高さの関係を示す説明図、第3図
はセラミック粒および砂の安息角を示す説明図、第4図
は落下点の高さが等しい場合砂とセラミック粒との広が
り面積の関係を示す説明図、第5図はセラミック粒を使
用する場合流出パイプをケースに設けた説明図、第6図
は第5図に基ずくセラミック粒の拡散を示す説明図、第
7図は砂を使用する場合流出パイプをケースに設けた説
明図、第8図は第7図に基づく砂の拡散を示す説明図で
ある。 2……ケース、5……集合電池、S……セラミック球状
粒。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 健次 愛知県名古屋市港区木場町9番地の11 審査官 住田 秀弘 (56)参考文献 特開 昭64−70081(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ナトリウム−硫黄電池により構成された集
    合電池群を収納したケース内に対し、前記電池の活物質
    および火災発生時の生成物と非反応性を有するととも
    に、吸湿性がなく絶縁性を有した多数のセラミック球状
    粒をその流動・拡散性を活かして入れることを特徴とす
    るナトリウム−硫黄電池における火災の消火方法。
JP1252815A 1989-09-28 1989-09-28 ナトリウム―硫黄電池における火災の消火方法 Expired - Lifetime JPH0817833B2 (ja)

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JP2017158997A (ja) * 2016-03-08 2017-09-14 東京電力ホールディングス株式会社 硫黄系電池の消火方法、有害ガス抑制方法並びに消火剤、有害ガス抑制剤の選定方法

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