JPH08180A - アイスクリーム類用乳化剤及びこれを含むアイスクリーム類 - Google Patents

アイスクリーム類用乳化剤及びこれを含むアイスクリーム類

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JPH08180A
JPH08180A JP6132872A JP13287294A JPH08180A JP H08180 A JPH08180 A JP H08180A JP 6132872 A JP6132872 A JP 6132872A JP 13287294 A JP13287294 A JP 13287294A JP H08180 A JPH08180 A JP H08180A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エステルの平均置換度が3〜6であるショ糖
脂肪酸ポリエステル、またはこのショ糖脂肪酸ポリエス
テルおよび他の飽和脂肪酸多価アルコールエステルを有
効成分とするアイスクリーム、アイスミルク、ラクトア
イスなどの製造に用いるアイスクリーム類用乳化剤。 【効果】 本発明のアイスクリーム用乳化剤を添加して
製造されたアイスクリームは、風味への影響無しで保型
性などが向上する。また、フリージング前のアイスクリ
ームミックスを低下させるのでアイスクリーム業界にと
って画期的な有益性をもたらす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アイスクリーム類用乳
化剤に関する。詳しくは、平均置換度が3.0〜6.0
であるショ糖脂肪酸ポリエステル、又はこのショ糖脂肪
酸ポリエステルおよび他の飽和脂肪酸多価アルコールエ
ステルを有効成分とするアイスクリーム類用乳化剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】アイスクリーム類、例えばアイスクリー
ム、アイスミルク、ラクトアイス、ソフトクリーム、シ
ェークなどは、いずれも通常は、油脂、乳固形分、糖
分、乳化剤、水を主要成分とした均質な水中油型乳化物
を、空気を混入させながら凍結することにより製造され
ている。そして、従来よりグリセリン脂肪酸エステル
(通称、モノグリセリド)は、アイスクリーム類を製造
する際の乳化剤として非常に重要な役割を果たしてき
た。
【0003】乳化剤の主な役割は、1)アイスクリーム
類の原料油脂の均質な乳化を助ける、2)起泡性を調整
する、3)ドライ(製品表面の乾いた感じ)な腰の強い
組織を形成させ、口溶けを向上させる、4)保型性を向
上させて溶け難くする、5)冷凍貯蔵安定性(温度変化
による製品の形状および組織の変化の抑制)を向上させ
ることなどである(日高徹:食品用乳化剤 第2版、
p.127、幸書房(1991))。これらの目的で従
来から使用されてきた乳化剤の例としては、ステアリン
酸モノグリセリドおよびオレイン酸モノグリセリド、ま
たはその混合物などのモノグリセリド、ソルビタン脂肪
酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコ
ール脂肪酸エステル、レシチンなどが挙げられる(今村
和紀:冷凍,62(718),pp.850−862
(1987))。中でもステアリン酸モノグリセリドお
よびオレイン酸モノグリセリドが主に使用されてきた。
その理由は、これらの脂肪酸原料の入手が最も容易であ
るということに加えて、ステアリン酸モノグリセリドは
乳化力が強く、風味上もそれほど問題が無いし、オレイ
ン酸モノグリセリドは非常に良好な保型性の向上効果を
有している点にある。しかし、これらのモノグリセリド
は同時に大きな欠点を有している。すなわち、ステアリ
ン酸モノグリセリド単独使用では保型性能が非常に劣
り、オレイン酸モノグリセリドは保型性改善に有用であ
るが風味的に重大な難点を有しており、またアイスクリ
ーム類製造用原料混合物(以下、アイスクリーム類ミッ
クスと称す)のエージング中に著しく粘度を増大させる
という欠点を有している。そのため、現実に使用する際
には、ステアリン酸モノグリセリドとオレイン酸モノグ
リセリドとを配合して用いてきた。しかし、その場合で
もオレイン酸モノグリセリドに由来する風味の問題は依
然として残っており、風味的には少なければ少ないほど
良く、また逆に保型性能などの性能の面からは、オレイ
ン酸モノグリセリドが多ければ多いほど良い。これらの
二つの相反した制約から、ステアリン酸モノグリセリド
とオレイン酸モノグリセリドの配合重量比は7:3〜
8:2というのが実用上の範囲である。通常のアイスク
リーム類の製造の際には、アイスクリーム類ミックス中
の乳化剤の量は、0.2〜0.3重量%というのが最も
一般的であるので、この場合オレイン酸モノグリセリド
の添加量はアイスクリーム類ミックス中で0.04〜
0.09重量%ということになる。しかし、このような
使用量にもかかわらず、オレイン酸モノグリセリドはや
はり、アイスクリーム類の風味上に大きな問題を残して
いる。
【0004】そこで、種々の乳化剤の利用が試みられて
おり、その例としては、リンゴ酸モノグリセリドの添加
(特公昭44−10150号公報)、コハク酸モノグリ
セリドの添加(特公昭63−26970号公報)、ポリ
グリセリン脂肪酸エステルの添加(特開昭47−776
4号公報、特公平1−49458号公報、特公平3−6
7658号公報など)、ヘキソース類脂肪酸モノエステ
ルの添加(特開平3−247243号公報)、コハク酸
モノグリセリドとモノグリセリドとの併用添加(特公昭
63−26971号公報)、ジグリセリン脂肪酸エステ
ルの添加(特開昭64−63341号公報)、ステアロ
イル−2−ラクチル酸またはそのアルカリ金属塩または
アルカリ土類金属塩の添加(特開昭56−2156
0)、デンプン糖の脂肪酸エステルの添加(特公昭58
−31902号公報)、親油性の飽和脂肪酸モノグリセ
リドあるいは飽和脂肪酸プロピレングリコールエステ
ル、および親油性の不飽和脂肪酸モノグリセリドまたは
不飽和脂肪酸ソルビタンエステルとの併用添加(特公昭
46−42189号公報)、ポリグリセリン脂肪酸エス
テルまたはソルビタン脂肪酸エステルと陰イオン性乳化
剤との併用添加(特開昭52−31868号公報)、最
低融点が54.5℃のモノグリセリドおよびジグリセリ
ド、および高級脂肪酸多価アルコールエステルのポリオ
キシエチレン誘導体との併用添加(特公昭47−186
27号公報)、レシチンとポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、シ
ョ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、リン
ゴ酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エス
テルからなる親水性乳化剤の群から選ばれた1種以上と
の併用添加(特開昭51−63968号公報)、ソルビ
タン長鎖飽和脂肪酸エステルとソルビタン長鎖不飽和脂
肪酸エステルとの混合物のエチレンオキシド付加物の添
加(特公昭51−26500号公報)などがある。ま
た、エライジン酸モノグリセリド、エライジン酸プロピ
レングリコールエステル、エライジン酸ソルビタンエス
テルおよびエライジン酸ショ糖エステルよりなる群から
選ばれたエライジン酸多価アルコールエステルを乳化剤
として添加使用する方法が提案されている(特公昭59
−7295号公報)。エライジン酸は炭素数18の脂肪
酸である点は、ステアリン酸やオレイン酸と同じであ
り、不飽和結合1個を有している点では、オレイン酸と
同じであるが、オレイン酸の不飽和結合がcis型であ
るのに対してエライジン酸はtrans型である。エラ
イジン酸モノグリセリドの融点(約59℃)は、ステア
リン酸モノグリセリド(約81℃)とオレイン酸モノグ
リセリド(約35℃)の融点の中間的な存在であり、操
作上の取扱い性は良好で風味への影響がオレイン酸モノ
グリセリドよりは小さいことが本公報に記載されてい
る。しかし、エライジン酸多価アルコールエステルの原
料であるエライジン酸は、反すう動物脂や母乳に微量に
存在するのみで天然界には多量に存在せず、油脂の還元
(水素添加)時にオレイン酸の転移により生成した物を
分離して得ることが一般的であるので、産業上の利用の
観点からは問題が大きい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来公
知の上記の乳化剤は、そのアイスクリーム類の品質改良
効果、すなわち最大オーバーラン値の増大や保型性の向
上、あるいはアイスクリーム類製造時の作業改善、すな
わちアイスクリーム類ミックスの粘度低下、撹拌しなが
らのフリージング工程でのオーバーランの維持や最大オ
ーバーラン値に達する時間の短縮などが不十分であると
ともに、乳化剤の添加によってアイスクリーム類の風味
の低下を招くことがあり、十分に満足し得るものではな
かった。本発明は風味上の問題もなく、乳化性および起
泡性も十分であるアイスクリーム類用乳化剤、およびそ
の乳化剤を含有する保型性ならびに風味、オーバーラン
が良好なアイスクリーム類を提供するものである。ま
た、原料ソースが天然に豊富であり、経済性に優れた乳
化剤を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、平均置
換度が3.0〜6.0であるショ糖脂肪酸ポリエステル
又はこれと他の飽和脂肪酸多価アルコールエステルとの
混合物を有効成分とする乳化剤により、上述の目的を達
成することができる。以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】本明細書でアイスクリーム類とはいわゆる
アイスクリーム一般を意味しており、厚生省令(乳等省
令)で規定された「生乳、牛乳もしくは特別牛乳又はこ
れらを原料として製造したものであって、乳固形分3%
以上含むもの」、すなわちアイスクリームとアイスミル
クとラクトアイスに種類分けされるもの、およびソフト
クリーム、シェークなどを指す。
【0008】平均置換度3.0〜6.0のショ糖脂肪酸
ポリエステルとは、ショ糖の8個の水酸基のうち平均し
て3.0〜6.0個が脂肪酸でエステル化されたもので
ある。周知の如く、工業的に入手し得るショ糖脂肪酸ポ
リエステルは置換度の異なる種々のエステルの混合物で
あり、平均置換度3.0〜6.0のショ糖脂肪酸ポリエ
ステルとは、平均置換度ないしはその前後の置換度のも
のを主体とし、更にそれよりも置換度の低いもの及び高
いものの双方を含む混合物である。
【0009】ショ糖脂肪酸ポリエステルを構成する脂肪
酸としては、炭素数12〜22の飽和又は不飽和の脂肪
酸が用いられる。通常はラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸など
の飽和の脂肪酸、及びオレイン酸、リノール酸、カドレ
イン酸、エルカ酸などの不飽和の脂肪酸が用いられ、な
かでもラウリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、オレイン
酸などを用いるのが好ましい。なお、これらの脂肪酸は
天然物に由来するので、工業的に入手し得るものは常に
他の脂肪酸を同伴している。従って本明細書において
は、後記する飽和脂肪酸多価アルコールエステルを含
め、X酸エステルという場合には、X酸の純度は60%
以上、好ましくは70%以上を指す。
【0010】ショ糖脂肪酸ポリエステルは、公知の方法
により、ショ糖と脂肪酸又はその低級アルコールエステ
ルとを反応させることにより容易に製造できる。低級ア
ルコールエステルとしては、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール等の炭素数1〜6のアルコー
ルとのエステルが用いられる。
【0011】本発明においてショ糖脂肪酸ポリエステル
と併用される他の飽和脂肪酸多価アルコールエステルを
構成する飽和脂肪酸としては、炭素数8〜22のものが
用いられる。通常は炭素数12〜20のものを用いるの
が好ましい。なかでもラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸が好ましく、特に
パルミチン酸又はステアリン酸が好ましい。これらの脂
肪酸も多価アルコールとの反応に際しては、上述のショ
糖脂肪酸ポリエステルの場合と同じく、そのままで又は
低級アルコールエステルの形態で用いられる。
【0012】飽和脂肪酸多価アルコールエステルを構成
する多価アルコールとは、分子中に2個以上の水酸基を
有するアルコールのことである。多価アルコールの例と
しては単糖類、オリゴ糖類、単糖類やオリゴ糖類の還元
物である糖アルコール、グリコールなどが挙げられる。
単糖類はアルドースとケトースに大別される。アルドー
スとしてはグリセロース、エリトロース、キシロース、
グルコース、ガラクトースなどが挙げられる。ケトース
にはジヒドロキシアセトン、エリツルロース、リブロー
ス、フラクトースなどが挙げられる。オリゴ糖類とは構
造が比較的簡単で、溶解度、味、化学的性質などが単糖
類に類似する範囲でグルコシド結合により重合した糖類
をいい、構成単糖の重合度で表現すれば2〜10のもの
を言う。このオリゴ糖類は単一の種類の構成単糖よりな
るホモオリゴ糖類および数種の構成単糖よりなるヘテロ
オリゴ糖類に大別される。ホモオリゴ糖類にはβ−1,
4′−キシロオリゴ糖類やβ−1,3′−,β−1,
4′−キシロオリゴ糖類などのキシロオリゴ糖類、β−
1,4′−ガラクトオリゴ糖類やβ−1,5′−ガラク
トオリゴ糖類やβ−1,6′−ガラクトオリゴ糖類やア
ガロビオース類などのガラクトオリゴ糖類、α−1,
4′−グルコオリゴ糖類やシクロ−α−1,4′−グリ
コオリゴ糖類やα−1,6′−グルコオリゴ糖類(イソ
マルトデキストリン類)やα−1,6′−,α−1,
4′−グルコオリゴ糖類やβ−1,2′−グルコオリゴ
糖類やα−1,2′−グルコオリゴ糖類、β−1,3′
−グルコオリゴ糖類やα−1,3′−グルコオリゴ糖類
やβ−1,4′−グルコオリゴ糖類やβ−1,6′−グ
ルコオリゴ糖類や非還元グルコオリゴ糖類などのグルコ
オリゴ糖類、α−1,6′−マンノオリゴ糖類やβ−
1,4′−マンノオリゴ糖類やα−1,3′−マンノオ
リゴ糖類などのマンノオリゴ糖類、β−2,1′−フラ
クトオリゴ糖類やβ−2,6′−フラクトオリゴ糖類な
どのフラクトオリゴ糖類、β−1,4′−グルコサミノ
オリゴ糖類などのグルコサミノオリゴ糖類、α−1,
4′ガラクツロノオリゴ糖類、2−β−グルクロノシル
グルクロン酸、4−β−マンヌロノシルマンヌロン酸な
どのウロン酸オリゴ糖類が挙げられる。一方、ヘテロオ
リゴ糖類はビシアノースなどのペントースおよびヘキソ
ースからなるオリゴ糖類、ラクトースやショ糖などのヘ
キソースからなるオリゴ糖類、ロビノビオースなどのデ
オキシ糖を含むオリゴ糖類、ヘパロシンなどのアミノ糖
とウロン酸を含むオリゴ糖類、トレハロサミンなどのア
ミノ糖を含むオリゴ糖類、N−アセチルノイラミノラク
トースなどのウロン酸を含むオリゴ糖類、グルコシルマ
ンニトールなどの糖アルコールを含むオリゴ糖類に大別
される。糖アルコールとしては三価アルコールであるグ
リセリン、四価アルコールであるエリスリトール、五価
アルコールであるアラビトールやキシリトールやリビト
ール、六価アルコールであるガラクチトールやソルビト
ールやマンニトール、イノシトール、七価アルコールで
あるβ−セドヘプチトールやペルセイトールやボレミト
ールなどの直鎖糖アルコールおよびその重合物(ポリグ
リセリンなど)と分子内脱水物(ソルビタンなど)が挙
げられる。グリコールとしてはエチレングリコールやプ
ロピレングリコール、およびそれらの重合物でもよい。
これらの多価アルコールのうちでも、ショ糖、ポリグリ
セリン、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビタ
ンなどが好ましく、特にショ糖およびポリグリセリンが
好ましい。
【0013】なお、ショ糖脂肪酸ポリエステルと併用す
る他の飽和脂肪酸多価アルコールエステルとして飽和脂
肪酸ショ糖エステルを用いる場合には、その平均置換度
は1.5以下、即ち親水性のものでなければならない。
しかし、他の多価アルコールエステルは、親水性でも親
油性でも差支えない。通常はHLB3〜18、好ましく
は5.0〜10.0のものが用いられる。
【0014】本発明で用いるショ糖脂肪酸ポリエステル
は平均置換度が3.0〜6.0のものであればよいが、
なかでもHLBが2.0〜5.5、特に2.0〜3.5
のものが好ましい。平均置換度が3.0未満では、アイ
スクリーム類の風味に影響を及ぼすことがある。また平
均置換度が6.0を超えるものは合成が困難である。好
適な平均置換度は5.0〜5.5である。なお、本明細
書でHLB(親水性疎水性バランス)とは、次式で定義
される数値である。
【0015】
【数1】HLB=20(1−S/A) ここに、Sはケン化価、Aは使用される脂肪酸の酸価で
ある(西一郎、今井怡知朗、笠井正威;界面活性剤便
覧、産業図書(株)pp.307〜309(196
0))。なお、前述の如く、脂肪酸中には常に他の脂肪
酸の混入が避けられないので、本明細書ではショ糖脂肪
酸ポリエステル及びこれと併用される他の飽和脂肪酸多
価アルコールエステルは、当該脂肪酸と他の脂肪酸から
なるエステルの混合物であり、かつその比率は当該脂肪
酸の他の脂肪酸との比率に一致するものとみなしてHL
Bを算出するものとする。
【0016】本発明でショ糖脂肪酸ポリエステルと併用
する他の飽和脂肪酸多価アルコールエステルとしては、
平均置換度が1.5以下の飽和脂肪酸ショ糖エステル、
飽和脂肪酸ポリグリセリンエステル、飽和脂肪酸モノグ
リセリド、飽和脂肪酸プロピレングリコールエステル、
飽和脂肪酸ソルビタンエステルが好ましく、特に平均置
換度1.5以下の飽和脂肪酸ショ糖エステル、飽和脂肪
酸ポリグリセリンエステル、飽和脂肪酸モノグリセリド
が好ましい。パルミチン酸またはステアリン酸の、ショ
糖エステル、ポリグリセリンエステル、モノグリセリド
が最も好ましい。
【0017】本発明においてショ糖脂肪酸ポリエステル
と他の飽和脂肪酸多価アルコールエステルとを併用する
場合には、ショ糖ラウリン酸ポリエステル、ショ糖ミリ
スチン酸ポリエステル、ショ糖パルミチン酸ポリエステ
ル、ショ糖ステアリン酸ポリエステル、ショ糖アラキン
酸ポリエステル、ショ糖ベヘン酸ポリエステル、ショ糖
オレイン酸ポリエステル、ショ糖リノール酸ポリエステ
ル、ショ糖カドレイン酸ポリエステル、ショ糖エルカ酸
ポリエステルからなるショ糖脂肪酸ポリエステル群から
選ばれたものと、平均置換度1.5以下の飽和脂肪酸シ
ョ糖エステル、飽和脂肪酸ポリグリセリンエステル、飽
和脂肪酸モノグリセリドからなる飽和脂肪酸多価アルコ
ールエステル群から選ばれたものとの組合せが好まし
い。
【0018】特に好ましいのは、ショ糖ラウリン酸ポリ
エステル、ショ糖パルミチン酸ポリエステル、ショ糖ベ
ヘン酸ポリエステル、ショ糖オレイン酸ポリエステルか
らなるショ糖脂肪酸ポリエステル群から選ばれたもの
と、平均置換度1.5以下の飽和脂肪酸ショ糖エステ
ル、飽和脂肪酸ポリグリセリンエステル、飽和脂肪酸モ
ノグリセリドからなる飽和脂肪酸多価アルコールエステ
ル群から選ばれたものとの組合せである。
【0019】本発明において平均置換度3.0〜6.0
のショ糖脂肪酸ポリエステルの使用量は、アイスクリー
ム類ミックスの配合、油脂の種類、冷凍貯蔵の温度およ
び期間などによって若干異なるが、一般的にはアイスク
リーム類ミックス全量に対して0.05〜1.0重量%
の範囲から適宜選択される。0.05重量%未満では、
乳化剤の効果が現れず、また、1.0重量%以上である
と製品の保型性が向上し過ぎて口溶けの良さが失われて
しまう。ショ糖脂肪酸ポリエステルの好適な使用量は、
アイスクリーム類ミックス全量に対し0.1〜0.7重
量%、特に0.2〜0.5重量%である。また、他の飽
和脂肪酸多価アルコールエステルを併用する場合には、
両者の合計がアイスクリーム類ミックス全量に対して
0.1〜2.0重量%の範囲が適当である。好適には
0.2〜1.4重量%、特に0.3〜1.0重量%であ
る。また、両者の混合物中での飽和脂肪酸多価アルコー
ルエステルに対する平均置換度3.0〜6.0のショ糖
脂肪酸ポリエステルの比率(重量比)は0.1以上であ
り、0.3以上が好ましい。最も好ましくは0.45以
上である。さらに両者の混合物のHLBは2.0〜1
0.0であり、2.0〜4.5が好ましい。最も好まし
くは2.1〜3.5である。混合物のHLBを2.0よ
り小さくすることは困難であり、また3.5より大きい
と保型性に影響することがある。なお、両者の混合物の
HLBは下記式により定義するものとする。
【0020】
【表1】 HLB=(WA・HLB(A)+WB・HLB(B))
/(WA+WB) WA:平均置換度3.0〜6.0のショ糖脂肪酸ポリエ
ステルの重量 WB:他の飽和脂肪酸ポリオールエステルの重量 HLB(A):平均置換度3.0〜6.0のショ糖脂肪
酸ポリエステルのHLB HLB(B):他の飽和脂肪酸ポリオールエステルのH
LB
【0021】なお、平均置換度3.0〜6.0のショ糖
脂肪酸ポリエステルと他の飽和脂肪酸ポリオールエステ
ルとを併用する場合には、予じめ両者を混合物としてお
いてもよく、またそれぞれを別々にアイスクリーム類ミ
ックスに添加してもよいことは勿論である。また、本発
明の乳化剤は、従来の乳化剤と同様に、安定剤(ゼラチ
ン、寒天、天然ガム類、カラギーナン、アルギン酸ナト
リウムなど)、香料、着色料、卵加工品(卵黄など)、
フルーツ固形分、果汁、ココア粉末、チョコレートチッ
プスなどを適宜配合して用いることも可能であり、かか
る場合、各添加物の作用効果は損なわれることなく十分
発揮される。
【0022】また、本発明の乳化剤は、イタリアンジェ
ラートやラクトアイス、アイスミルクなどのようなリー
ンな配合のアイスクリームで特に効果が顕著であるが、
プレミアムアイスクリームやスーパープレミアムアイス
クリームなどのリッチな配合のアイスクリーム、ソフト
クリーム、シェイクなどにも応用可能である。
【0023】なお、本発明で用いる乳化剤は、アイスク
リーム類製造用原料混合物を冷凍する前に混合物中に配
合使用する。乳化剤はアイスクリーム類製造用原料混合
物の調製工程で、主原料である牛乳または乳製品(クリ
ーム、濃縮乳、脱脂乳、練乳、バターまたはバター脂な
ど)、ラクトアイスなどの製造では植物油脂(ヤシ油、
パーム核油、パーム油、大豆硬化油など)、糖類(ショ
糖やブドウ糖、果糖、乳糖、異性化糖、水飴など)、
水、および副材料である安定剤(ゼラチン、寒天、天然
ガム類、カラギーナン、アルギン酸ナトリウムなど)、
香料、着色料、卵加工品(卵黄など)などと同時または
順次加えて均一に溶解混合される。通常は、乳化剤を油
脂相に加え、通常の混合ミキサー、ディスパーミル、ブ
レンダーなどを使用して溶解または分散させればよい。
その後は常法(今村和紀:冷凍,62(718),p
p.850−862(1987))に従いアイスクリー
ム類を製造できる。すなわち、(1)一段式あるいは二
段式のホモジナーザーを使用しての均質化、(2)フォ
ードラ式やプレート式やチューブラ式などの殺菌および
冷却、(3)熟成、(4)所定のオーバーランが得られ
るまでバッチフリーザーや冷媒噴霧式あるいは満液式の
連続フリーザーなどを使用してのフリージング(製品中
心温度は通常−2〜−8℃になる)、(5)カップ充填
機やもなか充填機、コーン充填機、スライスマシン、サ
ンドイッチマシン、アイスバーマシンなどを使用しての
充填および包装、(6)製品中心温度が−20℃以下ま
で空気循環式フリーザーによる静置硬化(バッチ式凍結
硬化)やコンベアーまたはプレートによる接触硬化、ブ
ラインや液体窒素などを使用する浸漬硬化の順序で製造
されたアイスクリーム類は、ソフトクリームやシェイク
を除いて通常は−20℃以下で貯蔵される。
【0024】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、各実施例とも
配合処方は次の通りとした。
【0025】
【表2】 無塩バター 8.0 重量部 脱脂粉乳 10.0 重量部 ショ糖(グラニュー糖) 12.0 重量部 乳化剤 0.3 重量部 安定剤*1 0.25重量部 水 69.45重量部 *1 ローカストビーンガム(商品名「ネオソフト」、
太陽化学(株)製)、グアーガム(商品名「ネオソフト
G」、太陽化学(株)製)、κ−カラギーナン(商品名
「ニューゲリンSV」、中央化成(株)製)の重量比
2:2:1よりなる混合物
【0026】また、アイスクリームの製法は下記の処方
により行なった。なお、乳化剤は溶融バターに添加して
用いた。 原料混合:スリーワンモーター(TYPE HEIDO
N 600G、新東科学(株)製)で撹拌状態の室温の
水に、脂粉乳およびショ糖、安定剤の粉体混合物をまま
こにならないように少量ずつ添加し、10分間撹拌を継
続して溶解させた。該混合物を撹拌しつつ70℃まで加
熱し、加熱溶融した無塩バターを添加し、均一に混合し
た。
【0027】加熱殺菌:得られた混合物(アイスクリー
ムミックス)をスリーワンモーターで撹拌しつつ70℃
に30分間保って低温殺菌を行った。 予備乳化:殺菌を終えたアイスクリームミックス120
0gをバルブホモジナイザー(15MR−8TA、AP
V GAULIN社製)を用いてブロック温度60℃、
1段目バルブ圧力150kg/cm2 、2段目バルブ圧
力40kg/cm2 で1回パスで均質化した。
【0028】冷却:均質化されたアイスクリームミック
スを1L容量のステンレス製ビーカーに入れ、氷浴中に
30分間浸漬して品温を5℃以下に急冷した。 熟成:冷却したアイスクリームミックスを5℃の冷蔵庫
内に一夜静置した。 フリージング:熟成工程を経たアイスクリームミックス
540gをバッチフリーザー(全自動ハードアイスクリ
ームフリーザーPRONT 4BAR、CARPIGI
ANI社製)を用いて所定の時間だけフリージングを行
った。
【0029】充填:得られたアイスクリームを75ml
容量の塩化ビニル製カップ(上部口直径66mm、高さ
34mm)に充填して蓋で密閉した。 硬化:容器に充填したアイスクリームを−40±1℃の
冷凍庫内に一夜静置させて硬化させた。 貯蔵:硬化させたアイスクリームを−20±2℃の冷凍
庫内で1週間貯蔵した。 乳化剤としては以下のものを用いた。
【0030】
【表3】 L−195:ショ糖ラウリン酸ポリエステル(平均エス
テル化度5.3、HLB=3.3、脂肪酸純度95%) P−170:ショ糖パルミチン酸ポリエステル(平均エ
ステル化度5.1、HLB=2.7、脂肪酸純度80
%) P−1570:ショ糖パルミチン酸エステル(平均エス
テル化度1.3、HLB=9.0、脂肪酸純度80%) S−170:ショ糖ステアリン酸ポリエステル(平均エ
ステル化度5.2、HLB=2.5、脂肪酸純度70
%) S−270:ショ糖ステアリン酸ポリエステル(平均エ
ステル化度3.4、HLB=4.3、脂肪酸純度70
%) S−1170:ショ糖ステアリン酸エステル(平均エス
テル化度1.4、HLB=8.0、脂肪酸純度70%) O−170:ショ糖オレイン酸ポリエステル(平均エス
テル化度5.1、HLB=2.5、脂肪酸純度70%) B−170:ショ糖ベヘン酸ポリエステル(平均エステ
ル化度5.2、HLB=2.1、脂肪酸純度60%) ER−190:ショ糖エルカ酸ポリエステル(平均エス
テル化度5.1、HLB=2.1、脂肪酸純度90%) ER−290:ショ糖エルカ酸ポリエステル(平均エス
テル化度4.1、HLB=2.8、脂肪酸純度90%) (以上は、三菱化成(株)製品、登録商標「リヨートシ
ュガーエステル」) 10GIS:デカグリセリンステアリン酸エステル(H
LB=12.0、平均エステル化度21%、脂肪酸純度
70%) GMS:グリセリルモノステアレート(エマルジーM
S、理研ビタミン(株)製品、HLB=3.8) GMO:グリセリルモノオレエート(エマルジーOL、
理研ビタミン(株)製品、HLB=4.3)
【0031】乳化剤の性能評価は、下記の通りに行っ
た。すなわち、7℃におけるフリージング前のミックス
粘度は、共軸二重円筒型回転粘度計(ROTOVISC
O RV 12、測定頭M500を装着、HAAKE
社)を用い、二重円筒(MV−I)を装着させて回転プ
ログラマーPG−142で待ち時間5分間、2分間でせ
ん断速度0sec-1(0rpm相当)から299.52
sec-1(128rpm相当)まで直線的にせん断速度
を上昇させて、引き続き同様のせん断速度変化率で0s
ec-1までせん断速度を下降させて流動曲線を得て、上
昇流動曲線における37.44sec-1(16rpm相
当)での見かけの粘度として測定した。
【0032】フリージング中のアイスクリームのオーバ
ーランは、所定のフリージング時間のアイスクリームを
充填した98.8ml容量のガラス製円筒容器の重量を
測定し、次式により算出した。
【数2】 オーバーラン(%)=〔(WM−WI)/WI〕×10
0 ここで、WMは単位容量のアイスクリームミックス重量
(g)、WI:単位容量のアイスクリーム重量(g)で
ある。
【0033】アイスクリームの保型性は、−20±2℃
の冷凍庫内で1週間貯蔵したアイスクリームをカップか
ら取り出して線の太さ0.50mmでピッチ1.15m
mの金網にのせ、30℃で相対湿度RH50〜60%に
調節した恒温恒湿槽(ドウ・コンディショナーKDM−
36SH、(株)東京コトブキインダストリー製)内に
静置して、アイスクリームが融解して落下し始める時間
(分)、および入庫後20分から40分後までの間を1
0分間隔で分け、その時点での落下重量を初期のアイス
クリーム重量との相対値で表記した落下量(%)で評価
した。
【0034】さらに、3名のパネラーによりアイスクリ
ームの風味、滑らかさ、口溶けを官能評価した。結果を
表−1に示す。本発明のアイスクリーム用乳化剤を添加
して調製したアイスクリームは、保型性ならびに風味が
良好で、オーバーランも十分にあり、なめらかで口溶け
が良好であるなど、優れた品質であった。また、フリー
ジング前のアイスクリームミックスの粘度が低く、製造
工程で望ましい特性を示した。
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】本発明のアイスクリーム用乳化剤を添加
して製造されたアイスクリームは、風味への影響無しで
保型性やオーバーランなどが向上する。また、フリージ
ング前のアイスクリームミックスの粘度を低下させるの
でアイスクリーム業界にとって多大の利益をもたらすも
のである。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均置換度が3.0〜6.0であるショ
    糖脂肪酸ポリエステルを有効成分とするアイスクリーム
    類用乳化剤。
  2. 【請求項2】 平均置換度が3.0〜6.0であるショ
    糖脂肪酸ポリエステルの主構成脂肪酸が、炭素数12〜
    22の飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸からなる群から選
    ばれたものであることを特徴とする請求項1記載のアイ
    スクリーム類用乳化剤。
  3. 【請求項3】 平均置換度が3.0〜6.0であるショ
    糖脂肪酸ポリエステルの主構成脂肪酸が、ラウリン酸、
    パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸お
    よびエルカ酸よりなる群から選ばれたものであることを
    特徴とする請求項1記載のアイスクリーム類用乳化剤。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のシ
    ョ糖脂肪酸ポリエステルと、ショ糖以外の多価アルコー
    ルの飽和脂肪酸エステルとを有効成分とするアイスクリ
    ーム類用乳化剤。
  5. 【請求項5】 ショ糖以外の多価アルコールの飽和脂肪
    酸エステルが、飽和脂肪酸ポリグリセリンエステル、飽
    和脂肪酸モノグリセリド、飽和脂肪酸プロピレングリコ
    ールエステル、飽和脂肪酸ソルビタンエステルよりなる
    群から選ばれたものであることを特徴とする請求項4記
    載のアイスクリーム類用乳化剤。
  6. 【請求項6】 ショ糖以外の多価アルコールの飽和脂肪
    酸エステルの主構成脂肪酸が、炭素数8〜22の飽和脂
    肪酸であることを特徴とする請求項4又は5記載のアイ
    スクリーム類用乳化剤。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし3のいずれかに記載のシ
    ョ糖脂肪酸ポリエステルと、平均置換度が1.5以下の
    ショ糖の飽和脂肪酸エステルとを有効成分とするアイス
    クリーム類用乳化剤。
  8. 【請求項8】 平均置換度1.5以下のショ糖の飽和脂
    肪酸エステルが、ショ糖と炭素数8〜22の飽和脂肪酸
    とのエステルであることを特徴とする請求項7記載のア
    イスクリーム類用乳化剤。
  9. 【請求項9】 HLBが2.0〜10.0であることを
    特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のアイス
    クリーム類用乳化剤。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし3のいずれかに記載の
    アイスクリーム類用乳化剤を0.05〜1.0重量%と
    なる量で含有していることを特徴とするアイスクリーム
    類。
  11. 【請求項11】 請求項4ないし9のいずれかに記載の
    アイスクリーム類用乳化剤を0.1ないし2.0重量%
    となる量で含有していることを特徴とするアイスクリー
    ム類。
  12. 【請求項12】 平均置換度が3.0〜6.0で、かつ
    主たる構成脂肪酸が炭素数12〜22の飽和脂肪酸およ
    び不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれたものであるショ
    糖脂肪酸ポリエステルを、製品中の濃度が0.05〜
    1.0重量%となるように原料中に添加することを特徴
    とするアイスクリーム類の製造方法。
  13. 【請求項13】 平均置換度が3.0〜6.0で、かつ
    主たる構成脂肪酸が炭素数12〜22の飽和脂肪酸およ
    び不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれたものであるショ
    糖脂肪酸ポリエステルと、炭素数8〜22の飽和脂肪酸
    のポリグリセリンエステル、モノグリセリド、プロピレ
    ングリコールエステル、ソルビタンエステル及び平均置
    換度が1.5以下のショ糖エステルよりなる群から選ば
    れたエステルとを、製品中の濃度が0.1〜2.0重量
    %となるように原料中に添加することを特徴とするアイ
    スクリーム類の製造方法。
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